JPH0771019A - 処理水中のし渣及び/又は油分の除去方法、これを使用した前処理施設及び汚水処理施設 - Google Patents

処理水中のし渣及び/又は油分の除去方法、これを使用した前処理施設及び汚水処理施設

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JPH0771019A
JPH0771019A JP6137797A JP13779794A JPH0771019A JP H0771019 A JPH0771019 A JP H0771019A JP 6137797 A JP6137797 A JP 6137797A JP 13779794 A JP13779794 A JP 13779794A JP H0771019 A JPH0771019 A JP H0771019A
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screen
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submerged
water
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Tetsuo Nishida
哲夫 西田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流水路を流れる排水(処理水)中の特に流木
等の粗ゴミ及び油脂分、更には比重の重いゴミまでも、
浄化処理施設への入口の段階で、簡易且つ効率的に分別
して捕捉・収集・排除することの出来る、処理水中のし
渣及び/又は油分の除去方法及びこれを使用した処理効
率のよい前処理施設を提供すること。 【構成】 少なくとも一部に流通孔を有する堰スクリー
ンを水路の流れ方向全幅に亘り且つ流れ方向に対し任意
の傾斜角を有する様に設置し、液体の流れに乗せて処理
水中のし渣及び/又は油分を堰スクリーンに沿って自然
に流し、水路の側壁近傍まで導き、し渣及び/又は油分
を収集・除去することを特徴とする処理水中のし渣及び
/又は油分の除去方法、これ使用した前処理施設及び水
処理施設。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は処理水中のし渣及び/又
は油分の除去方法に関し、更に詳しくは、水路の流れ方
向の全幅に堰スクリーンを設置し、且つ該堰スクリーン
の設置角度を水路の状態に合わせて適宜制御し、液体の
流れる力(以下、流水力とよぶ)を有効に利用すること
により、何等特別の装置を必要とせずに処理水中のし渣
及び/又は油分を簡易且つ効率のよく収集・除去するこ
とを可能とした処理水中のし渣及び/又は油分の除去方
法及びこれを利用した前処理施設に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、人間の生活や生産活動に関係
する生活排水や産業用排水等は、処理施設に送られ浄化
処理がなされた後、河川等へと放流されている。これら
排水処理施設に送られてきた排水は、先ず、その第一段
階として、例えば、粗目スクリーンと呼ばれる多数のス
リットを有する水路に設けられた柵(バースクリーン)
で、水中の粗ゴミが捕捉・収集される。かかる粗目スク
リーンは、水路の全幅に亘り且つ流れに対して直角に設
けられており、更に、水流の全ての範囲のゴミに対処出
来る様に、水面より高さが高い形状をしている。又、ス
クリーンに捕捉されたゴミは、手動又は自動掻上げ装置
等のレーキと呼ばれる熊手状のもので掻き集められて、
水路外へと排除される。しかし、従来の堰は、粗ゴミを
排除する為のレーキ等の手段を要する為、大掛かりな設
備を要し簡易な処理が出来ないという問題があった。特
に、水路の幅が大きく中を流れる水量が多量であって、
更に水路を流れる処理水中に流木等の粗ゴミが多量に混
在している場合は、粗目スクリーン上に多量の粗ゴミが
堆積し、且つ水の抵抗が大きい為、スクリーンを破損す
るという問題も生じる。更に、スクリーンに引っ掛かる
粗ゴミを全て排水処理作業中に同時に且つ一括して取り
扱う為、その後の効率的な処理に欠けるという問題もあ
る。
【0003】又、上記した粗目スクリーンでは、排水中
に含まれている油脂分を回収して取り除くことが難し
く、油脂分がスクリーン上にべったりと付着してしまっ
たり、スクリーンを通過して次の処理段階、更には最終
の処理段階にまで取り除かれずに各処理槽へと流入して
しまう為、排水の浄化処理を困難にしているという問題
もある。例えば、中華料理店の多い地域からの排水には
油脂分が多量に含まれているが、これらの油脂分がバー
スクリーンを通過して活性汚泥処理槽まで流れ込むと、
処理槽が酸欠状態となり、処理効率が著しく損なわれ
る。又、スクリーン上に油脂分がべったりと付着してし
まった場合には、スクリーンの目詰りを生じ、粗ゴミが
有効に取り除かれなかったりスクリーンの破損の原因と
もなり、浄化処理の初期段階において粗ゴミを取り除く
というスクリーン機能を害することにもなる。更に、ス
クリーン上にべったりと付着した油脂分を取り除く作業
は困難であり、この除去の為に多大な費用と労力とを要
する。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】従って本発明の目
的は、流水路を流れる排水(処理水)中の特に流木等の
粗ゴミ及び油脂分、更には比重の重いゴミまでも、浄化
処理施設への入口の段階で、簡易且つ効率的に分別して
捕捉・収集・排除することの出来る、処理水中のし渣及
び/又は油分の除去方法及びこれを使用した処理効率の
よい前処理施設を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも一
部に流通孔を有する堰スクリーンを水路の流れ方向全幅
に亘り且つ流れ方向に対し任意の傾斜角を有する様に設
置し、液体の流れに乗せて処理水中のし渣及び/又は油
分を堰スクリーンに沿って自然に流し、水路の側壁近傍
まで導き、し渣及び/又は油分を収集・除去することを
特徴とする処理水中のし渣及び/又は油分の除去方法及
びこれ使用した前処理施設である。
【0006】
【作用】本発明者は、上記した従来技術の問題点を解決
すべく鋭意研究の結果、水路の幅(水量)及び水路を流
れる水の種類(例えば、処理水中の油脂分や流木等の粗
ゴミの量等)に応じて堰の設置角度や堰の組み合わせを
変えることにより、液体の流れる力を有効に利用すれ
ば、大掛かりな装置や設備を要することなく、主に粗ゴ
ミや油脂分を簡易且つ効率的に捕捉・収集・排除するこ
とが可能となり、浄化処理施設への入口段階でこれらを
取り除くことが出来ることを知見して本発明に至った。
即ち、堰全体にスリット等の流通孔を有する堰スクリー
ンを水路の全幅に亘り、且つ水路の流れ方向に対し下流
側に傾斜した傾斜角を有する位置に設ければ、倒壊した
流木等の粗ゴミが先ず堰に捕捉され、その後、これらの
粗ゴミは流水力によって水路の流れ方向に対し平面的に
傾斜角を有している堰スクリーンに沿って自然に流れて
いき、水路の側壁に設けられているし渣溜りへと容易に
導かれる。この結果、大掛かりな設備を要することな
く、処理水中から流木等の粗ゴミを容易に取り除くこと
が出来る。
【0007】又、水路の幅が比較的狭い堰の場合に、例
えば、堰の側面的に見て下部のみに流通孔であるバース
クリーンを設けて潜流部を構成した潜流堰とすれば、水
等のみがバースクリーン部分を通過する結果、流木やプ
ラスチック容器等の浮上している粗ゴミと共に水中に含
まれている油脂分も潜流堰の上部に留まる。これらも上
記で説明したと同様に、水路の流れ方向に対して傾斜角
を有している堰に沿って流水力で自然に流れてし渣溜り
へと導かれる為、粗ゴミのみならず油脂分をも容易に取
り除くことが出来る。ここで、上記した粗ゴミを取り除
く為の堰が設けられている下流側に、別に潜流堰を設け
て2種類の堰を組み合わせて使用すれば、粗ゴミと油脂
分とを別々に回収することが可能となる。更に、上記の
様に別に設けた潜流堰の下流側に更に溢流堰を設けて3
種類の堰を組み合わせて使用すれば、粗ゴミ及び油脂分
を別々に回収することが出来るのみならず、スクリーン
を通過し水中の底部を流れてくる金属等の比重の重い粗
ゴミまでも容易に取り除くことが可能となる。
【0008】
【実施例】次に図面に示す好ましい実施例を参照して本
発明を更に詳しく説明する。先ず、本発明にかかる方法
を具体化した第1の態様の堰について説明するが、当該
堰は、水路の流れ方向の全幅に設置された少なくとも一
部に流通孔を有する堰スクリーンであって、且つ水路の
流れ方向に対し任意の傾斜角を有する様に設置角度が制
御されていることを特徴とする。この様な堰スクリーン
を水路内に設けることにより、何等特別の設備を要する
ことなく粗ゴミ或いは浮上している粗ゴミと油脂分とを
容易に捕捉・収集・排除することが可能となる。
【0009】上記第1の態様の堰スクリーンは、図1に
示した様に、水路の流れ方向の全幅に設置されるが、水
路の流れ方向に対する堰の設置角度が水路の幅や水量に
応じて下流側に傾斜した傾斜角が最適となる様に、任意
に制御されている。堰を設置する場合の傾斜角として
は、例えば、水路の幅が1〜2メートルと比較的狭い場
合には、図1に示した様に水路の側壁に対して30度程
度とする。かかる設置角度は小さい程好ましいが、小さ
過ぎると堰の長さが長くなり過ぎ強度や経済性に劣る
為、20〜45度程度とするのが好ましい。
【0010】上記した様な堰スクリーンの傾斜角度は、
水路の幅に応じて適宜に選択されるが、水路の幅が3メ
ートル以上、例えば、10メートルと広い場合には、直
線状の堰にすると堰の長さが長くなり過ぎ、且つ堰の受
ける水の抵抗も大きくなり強度や経済性に劣る為、図2
に示した様な構造の堰とするのが好ましい。即ち、水路
の中央部に障害物を設置し、これを介して折れ線状の堰
とし、障害物と水路の側壁との間に上記と同様の傾斜角
を有する2本の堰スクリーンを設けた態様の堰とするの
が好ましい。この際に使用される障害物の形状として
は、例えば、図2に示した様に、水流を乱すことがない
様に水流に対して先端を向けた流線型とするのが好まし
い。
【0011】又、上記の場合の堰スクリーンの形状は、
従来粗ゴミを捕捉する場合に通常用いられている様な堰
の全面に流通孔である複数のスリットが設けられたバー
スクリーン状であってもよいし、或いは堰の全面に流通
孔である多孔が設けられている多孔板であってもよい
し、スリットと多孔が両方設けられていてもよい。又、
スリットの形状は、従来のバースクリーンと同様に縦形
であってもよいが横形であってもよい。特に、図2に示
す様な水路の幅が広く水路中の水量が多く、流れが速い
場合等には、水の抵抗を少なくする為に横形のスリット
状とするのが好ましい。尚、スリットの幅や孔の大きさ
等は、粗ゴミの種類や流速等、被処理水の種類により、
適宜に決定される。
【0012】水路中を流れてくる流木等の粗ゴミは、先
ず、上記した様な第1の態様の堰スクリーンに捕捉され
て堰き止められる。本発明では、上記した様に堰スクリ
ーンが水路の流れ方向に対し任意の傾斜角度を有する状
態で設置されている為、堰き止められた流木等は、液体
の流れに乗って移動し、且つ堰スクリーンに沿って移動
し、水路の側壁まで到達する。堰スクリーンの端が設け
られている水路の側壁部分には、図1に示す様にゲート
を隔ててし渣溜りが設けられている為、水路の側壁に到
達した流木等の浮遊物は、ゲートを開けることによりし
渣溜りへと容易に送り込まれる。図2に示した折れ線状
の堰の場合には、堰の端が固定されている水路の両側の
側壁にし渣溜りを設けておくのが好ましい。
【0013】更に、本発明にかかる方法を適用した第1
の態様の堰スクリーンは、堰の全面ではなく少なくとも
一部に流通孔が設けられている構造とするのも好まし
い。例えば、図3に示した様に、堰の下部のみにスリッ
ト等の流通孔を設けて潜流堰とする。但し、この様な潜
流堰とする場合は、堰の全面に流通孔を設けた場合より
も堰に与える水の抵抗が大きい為、数メートル程度まで
の比較的狭い水路内の処理水のし渣の除去方法に適用す
るのが好ましい。潜流堰とした場合には、流木等の浮上
物である粗ゴミのみならず水中の油脂分が、流通孔の設
けられていない堰の上部に堰止められる。従って、堰ス
クリーンの構造を潜流堰とすれば、処理水中に粗ゴミだ
けでなく油脂分を多く含む水を処理する場合に特に有効
である。即ち、堰の全面でなく下部のみにスリット等の
流通孔が設けられている為、流木等の粗ゴミと油脂分
は、流通孔の設けられていない堰の上部で堰止められて
溜り、その後、液体流に乗って堰に沿って流れて、自然
にし渣溜りへと導かれて水中から取り除かれる。
【0014】次に、本発明にかかる方法を具体化した第
2の態様の堰について説明する。第2の態様の堰は、上
記した第1の態様の堰の下流側に水路の全幅に亘り、水
路の流れ方向に対し直角又は傾斜角を有する潜流堰が設
けられ、2種類の堰が組み合わされていることを特徴と
する。即ち、第2の態様の堰は、図4に示した様に上記
した第1の態様の粗ゴミを主に取り除く為の堰スクリー
ンの下流部に、油脂分を取り除くのに特に好ましい潜流
堰を別に設けて組み合わせて構成する。この様な構成と
することにより、何等特別の設備を要することなく、粗
ゴミ及び油脂分を夫々別個に捕捉・収集・排除すること
が可能となる。尚、潜流堰の形状等については、後述す
る。
【0015】次に、本発明にかかる方法を具体化した第
3の態様の堰について説明する。第3の態様の堰は、例
えば、図5に示した様に上記した潜流堰を組み合わせた
第2の態様の堰の、潜流堰が設けられている更に下流側
に溢流堰を設置し、3種類の堰を組み合わしたことを特
徴とする。この様な構成とすることにより、何等特別の
設備を要することなく粗ゴミ及び油脂分を夫々別個に捕
捉・収集・排除することが出来るのみならず、更に別個
に比重の重い粗ゴミをも捕捉・収集・排除することが可
能となる。尚、溢流堰の形状等については後述する。
【0016】以下、上記した第2及び第3の態様の堰に
使用される潜流堰及び溢流堰について更に詳しく説明す
る。潜流堰1は、図4に示した様に、水路の全幅に渡り
設けられ、且つ側面的に見て堰の下部を水流が流れる潜
流部を有するが、該潜流堰は、固定であると可動である
とを問わない。図4に示した様に、潜流部の上部近傍に
油分流出防止板を設けておき、出来るだけ多くの油分を
捕捉することが出来る構造とするのも好ましい態様であ
る。又、潜流堰1は、水路の流れ方向に対し直角に設置
されるものでもよいし(図5図示)、水路の流れ方向に
対し下流側に傾斜した傾斜角をもって設置されるもので
もよい(図4等図示)。又、水面上から潜流堰1の一部
分が常に露出した状態となる様に、水位の変動を考慮し
てその高さが決定されている。尚、第3の態様の堰に使
用する場合には、図5及び図6に示した様に、油脂分や
軽量の粗ゴミをより効率よく捕捉することが出来る様、
潜流堰1の下端を、溢流堰2の上端よりも若干低くして
おくのが好ましい。
【0017】この様な構造とすることにより、第1の態
様の堰スクリーンに捕捉されずに下流側に流れてきた発
砲樹脂製品や流木等の粗ゴミや、第1の態様の堰のスリ
ット等の間をすり抜けてきた油脂分等が、流通孔が設け
られていない潜流堰1の上部に堰止められる。この際、
潜流堰1の下部にある潜流部を通り抜けた比重の重いゴ
ミ等は排水と共に下流側へと流れるが、潜流堰1を有す
る第2の態様の堰を設けておければ、特に、油脂分は比
重が軽く水路中の処理水の表面を浮遊している為、潜流
堰1の下部を潜行して下流へ流れ込むといったことはな
く、必ずこの潜流堰1により堰止められる。
【0018】次に、潜流堰1によって堰き止められて堰
の内側周辺の水面を漂っている油脂分は、いずれかの手
段で一箇所に集めた後、油脂分を多く含む排水をポンプ
等で吸引することによって、処理水中の大部分の油脂分
が容易に回収され、この結果、排水の浄化処理上やっか
いな挙動を示す油脂分を、簡易且つ効率的に排水中から
除去することが出来る。油脂分を一箇所に集める手段と
しては、粗ゴミを捕捉する第1の態様の堰スクリーンと
同様に、潜流堰1を下流側に傾斜させて傾斜角を有する
様にして設置して、流水力を利用して水面部分の油脂分
を多く含む水を堰に沿って自然に流し、水路の側面に設
けられている油溜りの方向へと導く。この結果、図3に
示した様に、水路と鋭角に交わっている部分の堰の内側
に油脂分が集まる為、その近傍に油溜りを設けておく。
そして、油分を多く含む部分を吸引ポンプ等で上から吸
引したり、図3に示す様にこの部分に通ずるバルブ5を
設けておき、バルブ5の開閉によって集まった油脂分の
多い排水を除去すればよい。
【0019】又、第3の態様の堰に使用される溢流堰2
は、例えば、図5及び図6に示した様に、水路の全幅に
渡り設けられ、且つ、堰の上部を水流が流れる溢流部を
有する様に構成される。溢流堰1の高さは、潜流堰の潜
流部の高さとの兼ね合いにおいて決定される。例えば、
潜流堰の潜流部を通り抜けた比重の重い粗ゴミが溢流堰
に引っ掛かる様にする為には、潜流堰1の潜流部を構成
する流通部の下側よりも溢流部を構成する流通部の下側
の位置を高くしておくのが好ましい。
【0020】尚、溢流堰2は、潜流堰1と同様に、固定
であると可動であるとを問わないし、又、潜流堰と同様
に、図5に示した様に水路の流れ方向に対し直角に設置
されていてもよいし、水路の流れ方向に対し傾斜角をも
って設置されていてもよい(図6図示)。例えば、潜流
堰1を水流方向に対して傾斜角を有する様に設けた場合
に、溢流堰2も、図6に示した様に水路の平面に対して
傾斜をもたせて設置し、潜流堰で油脂分が一箇所に集ま
ったと同様に、比重の重い粗ゴミも流れの力で自然に溢
流堰の隅の鋭角な部分の一箇所に集まる為、これを様に
取り除くことが可能となる。
【0021】本発明の堰を構成する潜流堰1は、油脂分
や軽いゴミ等の浮上物を捕捉・収集することが出来、且
つその下部を潜行流が流れる構造のものであれば、上記
の例に挙げた構造のものに限定されず、他のいずれの形
状のものも使用することが出来る。又、本発明の堰を構
成する溢流堰2は、比重の重い金属や陶器や流木等の粗
ゴミを捕捉・収集することが出来、且つその上部を溢流
が流れる構造のものであれば、上記の例に挙げた構造の
ものに限定されず、他のいずれの形状のものも使用する
ことが出来る。即ち、図5に挙げた例では、図5に示し
た様に、潜流堰1の下部の潜行流が流れる部分、及び溢
流堰の溢流が流れる部分には何も設けられておらずに、
潜流堰1及び溢流堰は、水路中に、所謂宙づり状態で設
けられている。
【0022】これに対し、図6の斜視図に示した様に、
水路の断面全体に堰が設けられている構造のものでもよ
い。但し、この場合には、潜流部又は溢流部に縦又は横
のスリットや多孔等の流通孔を設けておき、ここを潜行
流又は又は溢流が流れることが出来る様にする。この場
合には、潜行流中に含まれる比重の重いゴミも潜流堰1
にある程度はひっかかり、ここで処理される。従って、
スリットの幅や孔の大きさは、溢流堰2に設けるものよ
り潜流堰1に設けるものの方を大きいなものとするのが
より好ましい。上記の様な態様とすれば、溢流堰2にか
かる負担を軽減することが出来、負担のかかり易い溢流
堰2の破損を防止することが出来る。
【0023】この他、溢流堰への負担を軽減する手段と
しては、図7に示した様に、例えば、潜流堰1を水路の
底に対して15°程度の緩い傾きで傾斜させておけば、
潜行流中に含まれるゴミが潜流堰1によりひっかかり易
くなり、且つ上へと押し上げられてくるのでゴミの収集
作業が容易となり、且つ溢流堰2に向う粗ゴミを格段に
減らすことが出来る。
【0024】潜流堰1の形状としては、図3〜図7に示
した様な平板状のものでもよいし、一部に油脂溜となる
角の部分を有する矩形のもの(図示なし)でもよい。
又、潜流堰及び溢流堰の形状は、図8〜図10に示した
様な、円弧を一部に有する曲面形状を有するもの等いず
れの形状のものであってもかまわない。
【0025】尚、図8(a)に示した様に、潜流堰1を
円弧を一部に有する曲面形状のものとした場合には、円
弧状の凹部の内側に油脂が集まり浮遊するので、この部
分に油脂分の多い排水の引き抜き管を取り付けておくの
が好ましい。又、円弧状の潜流堰1に捕捉された軽量物
のゴミの除去の為には、潜流部にスリットを設けてお
き、且つ円弧内面を掃くことが出来、捕捉されたゴミ4
を容器6の中へと掃き出すことが出来る様な回転腕7を
設けておくのが好ましい。又、図9に示した様に、上流
に対し凸状にして円弧状の潜流堰1を設置することも可
能である。尚、この場合、円弧の外周部分に溜ったゴミ
を掃き出す為には、潜流部のスリットに掻き爪が入る様
な構造としておくのが好ましい。更に、図10に示した
様に、潜流堰1のみならず溢流堰2も円弧状を有するも
のとし、且つ潜流部及び溢流部にスリット又は多孔を設
けるのも好ましい態様である。
【0026】図11は、本発明の堰を使用した排水浄化
施設の一部を示す概略図である。図11(a)は本発明
の堰と一体的に用いられる前処理施設の平面図であり、
図11(b)はその断面図である。図11に示した様
に、排水は、先ず第一段階として傾斜角を有するスクリ
ーン及び潜流堰1と溢流堰2とからなる本発明を実施し
た第3の態様の堰からなる粗目スクリーン部を通過する
結果、上記で説明した様に、排水中の粗ゴミ及び油脂分
の大部分が別々に取り除かれる。次に、粗目スクリーン
部を通過して処理された排水は、図11(b)に示した
様に、簗式の微細目スクリーンが設けられているところ
へと流れて行く。ここで、0.5〜1mm程度の細かい
ゴミまでが捕捉及び収集されて、し渣溜へと廃棄され
る。又、この部分で、粗目スクリーン部を通過してきた
比重の大きな油脂分も捕捉されて油溜へと廃棄される。
【0027】上記の様にして、処理水中の大部分の油脂
分及びゴミが取り除かれた排水は、回転円筒が設けられ
ている処理装置へと送られる。ここでは、回転円筒の回
転により槽の中心下部に砂が溜るので、これをポンプで
吸引する等して除去する。又、回転により集められた油
分やスカムは、油溜りへのゲートを下げて除去する。以
上の様にして、排水中の油脂分、ゴミ、砂及びスカムが
物理的に分離され、排水中から取り除かれることによ
り、処理効率が向上し、結果として高級な処理水が得ら
れる。図12に排水の浄化処理の放流までの全体のフロ
ーを示したが、上記の様にして処理された排水は、その
後、酸化処理や活性汚泥処理等の化学的或は生物学的な
高級処理がなされて放流されることとなる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、特
に排水中の粗ゴミ、油脂分更には比重の重いゴミまでも
分別されて、捕捉・収集及び排除が簡易且つ効率的にな
される。又、本発明によれば、上記の様な優れた効果を
発揮し得る粗目スクリーン部を水処理施設に導入するこ
とによって、排水の浄化処理の効率を格段に高めること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる方法を実施した第1の
態様の堰スクリーンの一例を示す図である。(a)は概
略平面図であり、(b)は概略断面図である。
【図2】図2は、第1の態様の堰の別の例を示す図であ
る。
【図3】図3は、第1の態様の堰の別の例を示す図であ
る。
【図4】図4は、本発明にかかる方法を実施した第2の
態様の堰の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる方法を実施した第3の
態様の堰の一例を示す図である。
【図6】図6は、第3の態様の堰の別の例を示す図であ
る。
【図7】図7は、第3の態様の堰の別の例を示す図であ
る。
【図8】図8は、第3の態様の堰の別の例の潜流堰と溢
流堰の部分を示す図である。
【図9】図9は、第3の態様の堰の別の例の潜流堰の部
分を示す図である。
【図10】図10は、第3の態様の堰の別の例の潜流堰
と溢流堰の部分を示す図である。
【図11】第3の態様の堰を浄水処理施設に適用した場
合の(a)は概略平面図であり、(b)は概略断面図で
ある。
【図12】本発明にかかる第3の態様の堰を浄水処理施
設に適用した場合のフローチャートである。
【符号の説明】
1:潜流堰 2:溢流堰 3:油脂分 5:バルブ 6:ゴミ 7:腕 10::傾斜角を有する堰 20:し渣溜り

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に流通孔を有する堰スク
    リーンを水路の流れ方向全幅に亘り且つ流れ方向に対し
    任意の傾斜角を有する様に設置し、液体の流れに乗せて
    処理水中のし渣及び/又は油分を堰スクリーンに沿って
    自然に流し、水路の側壁近傍まで導き、し渣及び/又は
    油分を収集・除去することを特徴とする処理水中のし渣
    及び/又は油分の除去方法。
  2. 【請求項2】 堰スクリーンが流通孔のない部分を有す
    る潜流堰である請求項1に記載の処理水中のし渣及び/
    又は油分の除去方法。
  3. 【請求項3】 堰スクリーンの下流側に水路の流れ方向
    全幅に対し直角又は傾斜角を有する位置に設置された潜
    流部を有する直線状又は曲線状の潜流堰が設けられてい
    る請求項1に記載の処理水中のし渣及び/又は油分の除
    去方法。
  4. 【請求項4】 潜流堰の下流側に更に水路の流れ方向全
    幅に対し直角又は傾斜角を有する位置に設置された溢流
    部を有する直線状又は曲線状の溢流堰が設けられている
    請求項3に記載の処理水中のし渣及び/又は油分の除去
    方法。
  5. 【請求項5】 粗目スクリーン部、細目の水没式スクリ
    ーン部、回転円筒による浮遊物・油脂分及び砂除去装
    置、微細目スクリーン部及び主ポンプを含むポンプ設備
    の少なくとも1種が接続されている動力設備を含めた前
    処理施設において、粗目若しくは細目スクリーン部に請
    求項1に記載の処理水中のし渣及び/又は油分の除去方
    法を利用していることを特徴とする前処理施設。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の前処理施設を有するこ
    とを特徴とする汚水処理施設。
JP6137797A 1993-06-28 1994-05-30 処理水中のし渣及び/又は油分の除去方法、これを使用した前処理施設及び汚水処理施設 Pending JPH0771019A (ja)

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