JPH0770066A - 光学活性なジヒドロピリジン化合物及びその合成法 - Google Patents

光学活性なジヒドロピリジン化合物及びその合成法

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JPH0770066A
JPH0770066A JP24391393A JP24391393A JPH0770066A JP H0770066 A JPH0770066 A JP H0770066A JP 24391393 A JP24391393 A JP 24391393A JP 24391393 A JP24391393 A JP 24391393A JP H0770066 A JPH0770066 A JP H0770066A
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Japan
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group
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alkyl group
substituent
atom
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Application number
JP24391393A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Hirose
芳彦 広瀬
Kinya Kariya
金弥 苅谷
Seiji Sasaki
征治 佐々木
Kazuo Achinami
一雄 阿知波
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Amano Enzyme Inc
Original Assignee
Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は医薬品の重要中間体である光学活性1,
4−ジヒドロピリジン誘導体を酵素の立体選択性を利用
した不斉合成により製造する方法に関する。 【構成】プロキラルな1,4−ジヒドロピリジン誘導体
に酵素を用いたエステル交換反応及びアルカリによるエ
ステル交換反応を組み合わせることによる光学活性な
1,4−ジヒドロピリジン誘導体を合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性1,4−ジヒド
ロピリジン誘導体の酵素による不斉合成法に関する。更
に詳細には、酵素を用いたエステル交換反応及びアルカ
リによるエステル交換反応を組み合わせることによる光
学活性な1,4−ジヒドロピリジン誘導体の合成法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学活性1,4−ジヒドロピリジン誘導体
の合成に関する報告は、次の3つに大別される。1つ
は、ジアステレオ選択反応を利用したもので、分子内に
もう一つの不斉炭素を持つ化合物を導入し、1,4−ジヒ
ドロピリジンの合成においてジアステレオ選択的に一方
のエナンチオマーを優先に得、他方と分離しようとする
ものであり、玉沢らの報告〔J. Med. Chem.,29巻,2504
頁(1986)〕の他、E. Wehingerらの報告〔特開昭56-36
455,特開昭61-12663〕、片岡の報告〔特開平2-21247
4〕、角入らの報告〔特開昭63-208573,特開平3-2027
1〕等がある。
【0003】しかしながら、ジアステレオマーを利用す
る方法は、もう1つの光学活性化合物を必要とする上、
反応条件も複雑であり、一方のみを選択的に誘導できる
ものでもなく、分離操作も繁雑なものとなっている。
【0004】もう一つの方法は、分割剤や酵素を利用し
て光学活性なモノカルボン酸を得、続くエステル化によ
り光学活性な1,4−ジヒドロピリジン医薬品に導く方法
である。光学活性モノカルボン酸を得る方法としては、
紫沼ら〔Chem. Pharm. Bull.,28巻,2809頁(198
0)〕、梶野ら〔Chem. Pharm. Bull.,37巻,2225頁(19
89)〕、足森ら〔Chem. Pharm. Bull.,39巻,108頁(19
91)〕によるシンコニジン、シンコニン等を用いた分割
剤による例や阿知波ら〔Tetrahedron Lett.,32巻,5805
頁(1991)、Sihら〔Tetrahedron Lett.,32巻,3465頁
(1991)〕による酵素を用いた不斉合成の例があり、続
くモノカルボン酸のエステル化については、SoCl2,PCl5
等による酸クロライドを経由する方法が一般に行われ
る。しかしながら、分割剤を用いる光学分割法は、分割
剤が高価な上、結晶化に回数を要することや目的とする
光学活性体が最大でも50%となる欠点を有している。
【0005】残る一つの方法は、酵素によるエステル交
換反応を利用するものであり、安達ら〔特開平4-29999
4〕による報告が唯一のものである。
【0006】この報告は、反応工程も短く、効率の良い
方法ではあるが、最終化合物が酵素に反応し得る基質に
限定されており、繁用性に欠けるものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光学活性1,4−ジヒド
ロピリジンを効率よく合成する手段としての繁用性のあ
る合成法が望まれていた。
【0008】本発明者は、酵素触媒及び塩基触媒による
エステル交換反応に適するプロキラルな新規1,4−ジヒ
ドロピリジン化合物を検討し、ここに効率よい不斉合成
法を見い出すことができた。
【0009】
【課題を解決するための手段】エステル交換反応の酵素
触媒による不斉合成の基質として適する1,4−ジヒドロ
ピリジン化合物を鋭意検討したところ、一般式[I]
【0010】
【化9】
【0011】で表される1,4−ジヒドロピリジン化合物
〔式中、Xは一般式[II]
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R1、R2、R3は同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニ
トリル基、トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4
は酵素及びアルカリ条件下に容易にエステル交換する置
換基を表し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアル
キル基を示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル
基、低級アシルオキシメチル基を表す。〕に、R7OH
(式中、R7は直鎖、分枝或いは環状の炭素数12までの
アルキル基で任意に窒素原子で置換されていてもよく、
さらに窒素原子はメチル基或いはベンジル基で置換され
ていてもよい基を示す。)で表されるアルコール存在下
で酵素を作用させることにより、一般式[III]
【0014】
【化11】
【0015】〔式中、Xは一般式[II]
【0016】
【化12】
【0017】(式中、R1、R2、R3は同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニ
トリル基、トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4
は酵素及びアルカリ条件下に容易にエステル交換する置
換基を表し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアル
キル基を示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル
基、低級アシルオキシメチル基を表し、R7は直鎖、分
枝或いは環状の炭素数12までのアルキル基で任意に窒素
原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子はメチル
基或いはベンジル基で置換されていてもよい基を示す。
*は光学活性点を示す。〕で表される1,4−ジヒドロピ
リジン化合物を得ることができた。
【0018】さらに、R8OH(式中、R8は炭素数4ま
でのアルキル基で、途中、酸素或いはイオウ原子で中断
されていてもよい基を表す。)で表されるアルコールの
存在下、アルカリ条件において他方のエステル部位でエ
ステル交換が進行し、効率よく医薬品として価値の高い
一般式[IV]
【0019】
【化13】
【0020】〔式中、Xは一般式[II]
【0021】
【化14】
【0022】(式中、R1、R2、R3は同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニ
トリル基、トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4
は酵素及びアルカリ条件下に容易にエステル交換する置
換基を表し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアル
キル基を示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル
基、低級アシルオキシメチル基を表し、R7は直鎖、分
枝或いは環状の炭素数12までのアルキル基で任意に窒素
原子で置換されていてもよく、さらに窒素原子はメチル
基或いはベンジル基で置換されていてもよい基を示し、
8は炭素数4までのアルキル基で、途中、酸素或いは
イオウ原子で中断されていてもよい基を表す。*は光学
活性点を示す。〕で表される光学活性1,4−ジヒドロピ
リジン化合物を合成することができた。
【0023】前記一般式[I]、[II]、[III]及び
[IV]において、更に具体的に説明する。
【0024】R4は酵素及びアルカリ条件下に容易にエ
ステル交換する置換基、例えばカルバモイルメチル基、
メチルアミノカルボニルメチル基、ジメチルアミノカル
ボニルメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキ
シカルボニルメチル基等を表す。
【0025】R5はメチル基、エチル基などの低級アル
キル基や置換基のあるアルキル基を示し、例えば当該置
換基としては弗素、塩素、水酸基、低級アルコキシル基
等を表す。
【0026】R6は水素原子、低級アルコキシメチル
基、低級アシルオキシメチル基を表す。
【0027】R7は直鎖、あるいは分枝或いは環式の炭
素数12までのアルキル基、又はハロゲンやアルキル基、
アルコキシル基で置換されたベンゼン環を含む炭素数12
までのアルキル基を示し、任意に窒素原子で置換されて
いてもよく、さらに窒素原子はメチル基或いはベンジル
基で置換されていてもよい基を示す。
【0028】R8は炭素数4までの直鎖あるいは分枝し
たアルキル基を表し、鎖の中間に酸素原子或いはイオウ
原子を含んでいても良い。
【0029】本発明に用いる酵素としては上記一般式
[I]で表されるプロキラルな1,4−ジヒドロピリジン
化合物から上記一般式[IV]で表される光学活性1,4
−ジヒドロピリジン化合物を生成させる活性を有する酵
素ならいかなるものでもよいが、具体的には、アスペル
ギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bacillus)属由
来のプロテアーゼが挙げられる。更に詳しくは、アスペ
ルギルス・メレウス(Aspergillus melleus),バチル
ス・スブチリス(Bacillus subtilis)等に由来するプ
ロテアーゼが挙げられる。例えば、これらのプロテアー
ゼは、プロザイム,プロテアーゼP,セアプローゼS,
アシラーゼ,プロレザー等の商品名(以上、天野製薬社
製)で市販されており、これらを利用できる。
【0030】用いる酵素は粗製品であっても、精製され
たものであってもよい。又、これらの酵素を生産する菌
体も利用できる。
【0031】本発明の反応は通常、0〜40℃、1〜120
時間で行い、反応系を攪拌するように行うのが好まし
い。又、このようなプロテアーゼはそのまま用いてもよ
いが、適当な担体に担持させて固定化リアクターとして
もよい。
【0032】本発明の反応は、通常は水溶媒中で行われ
る。この際に反応水溶液に適当な緩衝作用を有する塩類
を添加することが望ましい。また、エステル交換反応を
利用した一般式[I]から一般式[IV]の反応の際し
ては反応基質の溶解性を向上するためにアルコール以外
の有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒としては
アセトン、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ
る。添加量は通常50%(V/V)以下である。
【0033】又、アルカリ条件下におけるエステル交換
反応に際しては、アルコール中アルカリ金属類のアルコ
キシド(例えば、メタノール中ナトリウムメチラート、
エタノール中ナトリウムエチラート等)を用いるか、或
いは、0.5〜2規定の水酸化アルカリ水溶液中、0.5〜10
倍量のアルコールを添加してもよい。この際、用いるア
ルコールにより任意にエステル置換基を導入することが
可能となる。
【0034】反応生成物は、クロロホルム、ベンゼン、
エーテル等で抽出、分離できる。更に反応生成物は例え
ばシリカゲルカラムクロマトグラフィー等を用いて容易
に精製できる。
【0035】以下、参考例、実施例により本発明をより
具体的に詳述するが、本発明はこれらに限定されたもの
ではない。
【0036】参考例1 ヒドロキシ酢酸エチル(10g)にジメチルアミノピリジ
ン(10mg)を溶解し、70-80℃でジケテン(7.4ml)を1.
5時間で適下し、さらに、70-80℃で2時間攪拌した。得
られたエトキシカルボニルメチルアセトアセテートをm
−ニトロベンズアルデヒド(7.3g)を溶解したイソプロ
ピルアルコール(150ml)に加え、さらに28%アンモニ
ア水(6ml)を加えた後、3時間加熱還流した。放冷
後、溶媒を濃縮し塩化メチレンで抽出し、水洗、塩化メ
チレン層を硫酸マグネシウムで乾燥した、濃縮残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)に付し、黄色結晶(14.7g,62%)を得た。参
考例1の反応式は以下の通りである。
【0037】
【化15】
【0038】参考例2 参考例1の方法で得られた結晶をエタノール中アンモニ
アガスの存在で24時間室温で放置することにより、効率
よくビス(カルバモイルメチルエステル)を得た。参考
例2の反応式は以下の通りである。
【0039】
【化16】
【0040】
【実施例】
実施例1 ビス(カルバモイルメチル) 1,4−ジヒドロ−2,6−ジ
メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジン
ジカルボキシレート(1.73g)を0.02Mリン酸緩衝液(pH
7.8,400ml)に懸濁させ、セアプローゼS(8.65g)を
加え、さらにジメチルスルホキシド(5ml)に溶解した
(S)−N−ベンジル−3−ピロリジノール(4.6g)を
加え、25℃にて48時間攪拌した。
【0041】反応液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル
層を水洗後、濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=29/
1)に付し、淡黄色結晶(1.32mg,62%)を得た。
〔(S)−N−ベンジル−3−ピロリジニル カルバモ
イルメチル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3
−ニトロフェニル)−3−ピリジンジカルボキシレー
ト〕生成物の比旋光度および各種スペクトルデータを示
す。
【0042】 [α]D 20 : +5.8°(c=0.8, Acetone) IR (KBr) : 3450, 330, 1675cm-1 1 H-NMR (CDCl3) ppm : 1.32-2.78(6H,m,3×CH2), 2.31
(3H,s,CH3), 2.38(3H,s,CH3),3.61(2H,s,CH2N), 4.51(2
H,ABq,J=3.6Hz,OCH2CO),5.09(1H,s,>CH-), 5.10-5.30(1
H,m,>CH-), 5.60(2H,s,NH2),6.42(1H,s,NH),7.18-8.17
(9H,m,Aromatic)13 C-NMR(CDCl3) ppm : 19.03, 19.31, 31.75, 39.71, 5
2.38, 59.94, 61.98,73.80, 100.85, 103.24, 121.48,
122.67, 126.99,128.18, 128.70, 134.32, 138.47, 14
5.29, 147.96,148.19, 149.72, 165.69, 166.77, 170.4
6 実施例1の反応式は以下の通りである。
【0043】
【化17】
【0044】実施例2 実施例1で得られたジエステル(267mg)をメタノール
(10ml)に溶解し、氷冷下、ナトリウム(200mg)を加
え、室温で3時間攪拌した。
【0045】反応液を氷冷水に加え、塩化メチレン(10
ml)で抽出した。塩化メチレン層を水洗後、乾燥し、濃
縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジ
クロロメタン/メタノール=29/1)に付し、淡黄色結
晶(201mg,82%)を得た。〔(S)−N−ベンジル−
3−ピロリジニル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4
−(3−ニトロフェニル)−3−ピリジンジカルボキシ
レート〕生成物の比旋光度および各種スペクトルデータ
を示す。
【0046】 [α]D 20 : +64.3°(c=0.9, Methanol) IR (KBr) : 3380, 1690cm-1 1 H-NMR (CDCl3) ppm : 1.30-2.92(6H,m,3×CH2), 2.33
(3H,s,CH3), 2.35(3H,s,CH3),3.64(5H,s,CH2+CH3O), 5.
06(1H,s,>CH-), 5.02-5.28(1H,m,>CH-), 5.93(1H,s,N
H),7.12-8.17(9H,m,Aromatic)13 C-NMR(CDCl3) ppm : 19.65, 31.93, 39.99, 51.19, 5
2.61, 60.00, 60.22,73.92, 103.35, 121.42, 123.07,
127.10, 128.35,128.81, 134.55, 138.92, 145.00, 14
8.41, 149.89,166.88, 167.62
【0047】
【化18】
【0048】実施例3 ビス(カルバモイルメチルエステル)(432mg)を0.02
Mリン酸緩衝液(pH7.8,100ml)に懸濁させ、セアプロ
ーゼS(2.2g)を加え、さらにジメチルスルホキシド
(1ml)に溶解したN−ベンジル−N−メチルアミノエ
タノール(1.2g)を加え、25℃にて48時間攪拌した。
【0049】反応液を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル
層を水洗後、濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=29/
1)に付し、黄色結晶(302mg,58%)を得た。
〔(S)−N−ベンジル−N−メチル−アミノエチル
カルバモイルメチル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−
4−(3−ニトロフェニル)−3−ピリジンジカルボキ
シレート〕生成物の比旋光度および各種スペクトルデー
タを示す。
【0050】 [α]D 20 : -13.5°(c=1.0, Acetone) IR (KBr) : 3420, 3400, 1690cm-1 1 H-NMR (CDCl3) ppm :
【0051】
【化19】
【0052】実施例4 実施例3で得られた(S)−N−ベンジル−N−メチル
−アミノエチル,カルバモイルメチル 1,4−ジヒドロ
−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3−
ピリジンジカルボキシレート(261mg)をメタノール(1
0ml)に溶解し、氷冷下、ナトリウム(200mg)を加え、
室温で3時間攪拌した。
【0053】反応液を氷冷水に加え、塩化メチレン(10
ml)で抽出した。塩化メチレン層を水洗後、乾燥し、濃
縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジ
クロロメタン/メタノール=29/1)に付し、淡黄色結
晶(120mg,50%)を得た。
【0054】得られたジエステルは、文献記載の各種ス
ペクトルデータにより、ニカルジピンのS−体と同定し
た。
【0055】
【化20】
【0056】
【発明の効果】このように、本発明の前記式[I]で表
すプロキラルな1,4−ジヒドロピリジン化合物を酵素触
媒によるエステル交換で前記式[III]で表される光学
活性1,4−ジヒドロピリジン化合物を不斉収率、反応収
率の両面において工業的に実施する上に極めて優れた結
果が得られ、さらにアルコール存在下で反応を行うこと
によってエステル交換反応が行われ、前記式[III]か
ら前記式[IV]で表される光学活性体が製造できる。本
発明により従来ラセミ体として開発、医薬として医療に
供されている多くの1,4−ジヒドロピリジン系医薬品を
光学活性体として開発、医療に供する新規方法を見い出
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 征治 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城屋 敷51 天野製薬株式会社中央研究所内 (72)発明者 阿知波 一雄 静岡県静岡市上沓谷町15−5

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 で表される1,4−ジヒドロピリジン化合物〔式中、Xは
    一般式[II] 【化2】 (式中、R1、R2、R3は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、
    トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4は酵素及び
    アルカリ条件下に容易にエステル交換する置換基を表
    し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアルキル基を
    示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル基、低級
    アシルオキシメチル基を表す。〕に、R7OH(式中、
    7は直鎖、分枝或いは環状の炭素数12までのアルキル
    基で任意に窒素原子で置換されていてもよく、さらに窒
    素原子はメチル基或いはベンジル基で置換されていても
    よい基を示す。)で表されるアルコール存在下で酵素を
    作用させ、一方のエステル残基をエステル交換して一般
    式[III] 【化3】 〔式中、Xは一般式[II] 【化4】 (式中、R1、R2、R3は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、
    トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4は酵素及び
    アルカリ条件下に容易にエステル交換する置換基を表
    し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアルキル基を
    示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル基、低級
    アシルオキシメチル基を表し、R7は直鎖、分枝或いは
    環状の炭素数12までのアルキル基で任意に窒素原子で置
    換されていてもよく、さらに窒素原子はメチル基或いは
    ベンジル基で置換されていてもよい基を示す。*は光学
    活性点を示す。〕で表される1,4−ジヒドロピリジンを
    得、アルカリ条件下でR8OH(式中、R8は炭素数4ま
    でのアルキル基で、途中、酸素或いはイオウ原子で中断
    されていてもよい基を表す。)で表されるアルコールを
    作用させ、他方のエステル残基をエステル交換させるこ
    とにより得られる一般式[IV] 【化5】 〔式中、Xは一般式[II] 【化6】 (式中、R1、R2、R3は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、
    トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4は酵素及び
    アルカリ条件下に容易にエステル交換する置換基を表
    し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアルキル基を
    示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル基、低級
    アシルオキシメチル基を表し、R7は直鎖、分枝或いは
    環状の炭素数12までのアルキル基で任意に窒素原子で置
    換されていてもよく、さらに窒素原子はメチル基或いは
    ベンジル基で置換されていてもよい基を示し、R8は炭
    素数4までのアルキル基で、途中、酸素或いはイオウ原
    子で中断されていてもよい基を表す。*は光学活性点を
    示す。〕で表される光学活性1,4−ジヒドロピリジン化
    合物の合成法。
  2. 【請求項2】一般式[III] 【化7】 〔式中、Xは一般式[II] 【化8】 (式中、R1、R2、R3は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、
    トリフロロメチル基を表す。)を表し、R4は酵素及び
    アルカリ条件下に容易にエステル交換する置換基を表
    し、R5は低級アルキル基、置換基のあるアルキル基を
    示し、R6は水素原子、低級アルコキシメチル基、低級
    アシルオキシメチル基を表し、R7は直鎖、分枝或いは
    環状の炭素数12までのアルキル基で任意に窒素原子で置
    換されていてもよく、さらに窒素原子はメチル基或いは
    ベンジル基で置換されていてもよい基を示す。*は光学
    活性点を示す。〕で表される1,4−ジヒドロピリジン化
    合物。
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