JPH0765260B2 - ガラス繊維マットの製造方法およびその装置 - Google Patents

ガラス繊維マットの製造方法およびその装置

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JPH0765260B2
JPH0765260B2 JP1316199A JP31619989A JPH0765260B2 JP H0765260 B2 JPH0765260 B2 JP H0765260B2 JP 1316199 A JP1316199 A JP 1316199A JP 31619989 A JP31619989 A JP 31619989A JP H0765260 B2 JPH0765260 B2 JP H0765260B2
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glass fiber
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unidirectional fiber
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博 木村
真 前田
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Ube-Nitto Kasei Co Ltd
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Ube-Nitto Kasei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、積層された一方向性繊維層と無方向性繊維層
(ランダム繊維層)をニードリングすることによってガ
ラス繊維マットを製造する方法およびその装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来のガラス繊維マット製造装置を第13図に示す。この
場合先ず、マット製造ラインの始端部において、ガラス
繊維束(ケーキ、ロービングまたはヤーン)を巻直した
ワープビーム1から、一方向繊維束2をベルトコンベヤ
3上に供給して一方向性繊維層を形成し、その上にラン
ダム状に連続ガラス長繊維束4を振り落として無方向性
繊維層5を積層する。この一方向性繊維層と無方向性繊
維層5の積層体は続いて、乾燥機6に通されて乾燥さ
れ、そしてニードラー7に送られ、このニードラー7に
おいてニードリングによって絡合される。それによって
一方向性繊維層と無方向性繊維層5は一体化されてガラ
ス繊維マットとなる。
このガラス繊維マットは例えばFRTPスタンパブルシート
(原板)を製作するために用いられる。このスタンパブ
ルシートは、特公昭63−15135号公報、特公昭61−11264
2公報、定期刊行物「プラスチック・エージ」第194頁
(1989年4月発行)等に開示されているような公知方法
で、ガラス繊維マットに溶融樹脂を含浸させることによ
り製作される。スタンパブルシートは更に、所定の大き
さ、枚数にカットされ、そしてスタンピング成形されて
自動車のバンパービーム等の、一方向に高強度および高
弾性を有する成形品に成形される。
〔発明が解決しようとする課題〕
最終的な製品であるこの成形品、例えばバンパービーム
はその性能(例えば曲げ破壊強さ)が安定していなけれ
ばならない。そのためには、成形品の強度を要求される
方向に一方向性繊維層のガラス繊維束が正しく配向され
ていることが必要である。これは、成形品の原板である
スタンパブルシートにおいても、またスタンパブルシー
トを製作するのに用いられるガラス繊維マットにおいて
も同様に必要である。つまり、一方向性繊維層と無方向
性繊維層がニードリングにより絡合されてガラス繊維マ
ットになるときに、一方向性繊維層を構成するガラス繊
維束がマットの幅方向においてできるだけ均一な間隔で
平行に(蛇行しないように)配列されることが必要であ
る。この配列均一性が成形品の性能を左右することにな
るのである。
しかしながら、従来の方法では、コンベヤの入口ではマ
ットの幅方向に均一にガラス繊維束が配列されてはいる
が、一方向性繊維層の上に無方向性繊維層が振り落とさ
れ重ね合わされて乾燥機の中を通過する際に、熱風の勢
いにより配列が乱される。更に、コンベヤ上を進行して
ニードラーの手前まで来ると、今度は、ニードラーの振
動により更に配列が乱される。このような状態でニード
リングされたガラス繊維マットは一方向性繊維層を構成
するガラス繊維束の配列が非常に不均一であるので、こ
のようなマットを用いて作成したスタンパブルシートか
らは安定した性能の成形品は得られない。
そこで、本発明の目的は前述のような欠点を除去し、マ
ットの幅方向においてガラス繊維束が一定間隔をおいて
平行に配列されるガラス繊維マットの製造方法およびそ
の装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この目的は、方法の発明においては、水平に配置された
ベルトコンベヤ上にガラス繊維束を振り落として無方向
性繊維層を形成し、この無方向性繊維層を乾燥機で乾燥
し、一方向繊維束供給装置により、前記の乾燥した無方
向性繊維層の上に一方向繊維束を供給して一方向繊維層
を積層し、その際、一方向繊維束を幅方向において一定
間隔をおいて平行に案内し、積層された一方向性繊維層
と無方向性繊維層をニードラーに供給してニードリング
することによってガラス繊維マットを形成し、このガラ
ス繊維マットをデリベリーローラによって搬出すること
によって達成される。
更に、積層された一方向性繊維層と無方向性繊維層をニ
ードリングすることによってガラス繊維マットを製造す
る装置の発明においては、水平に配置されたベルトコン
ベヤと、このベルトコンベヤ上にガラス繊維束を振り落
として無方向性繊維層を形成する無方向繊維束供給装置
と、この無方向繊維束供給装置の前方に配置された乾燥
機と、無方向性繊維層上にガラス繊維束を供給して一方
向性繊維層を形成するための、乾燥機の前方に配置され
た一方向繊維束供給装置と、一方向繊維束供給装置から
供給された一方向繊維束を幅方向において一定間隔をお
いて平行に案内するための櫛形ガイドと、一方向繊維束
供給装置から供給された一方向繊維束に一定の張力を加
える手段と、積層された一方向性繊維層と無方向性繊維
層を、ニードリングによって絡合するための、前記一方
向繊維束供給装置の前方に配置されたニードラーと、こ
のニードラーの前方に配置された、ガラス繊維マットを
搬出するためのデリベリーローラとを備えていることに
よって達成される。
この場合、一方向繊維束供給装置がガラス繊維束を巻き
取ったワープビームであることが望ましい。更に、一方
向繊維束供給装置がロービング、ヤーン、ケーキからガ
ラス繊維束を案内するパイプおよびガイドと、このガラ
ス繊維束を無方向性繊維層上に供給する回転駆動される
フィードローラとからなっていることが望ましい。更
に、一方向繊維束に一定の張力を加える手段がワープビ
ームまたはフィードローラに取付けられた電磁クラッチ
であり、この電磁クラッチが間歇回転運動するデリベリ
ーローラと同期して作動し、その制動作用により一方向
繊維束に張力を加えることが望ましい。更に、一方向繊
維束に一定の張力を加える手段がワープビームまたはフ
ィードローラの回転駆動装置であり、この回転駆動装置
が間歇回転運動するデリベリーローラの平均引き取り速
度とほぼ同じ周速で回転して一方向繊維束に張力を加え
ることが望ましい。更に、一方向繊維束に一定の張力を
加える手段が、一方向繊維束に軽く押しつけられるよう
に配置されたテンションローラであることが望ましい。
〔実施例〕
次に、図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
第1図には、本発明によるガラス繊維マット製造装置の
実施例が示してある。第1図において、10,11ははほぼ
水平に配置されたベルトコンベヤである。ベルトコンベ
ヤ10の始端範囲(第1図において右側の範囲)には、図
示していない無方向繊維束供給装置によって連続ガラス
長繊維束12がランダム状に振り落されて無方向性繊維層
(ランダム繊維層)13が形成される。この無方向繊維束
供給装置はコンベヤの搬送方向に一定間隔で複数個(図
示実施例では4個)配置され、幅方向に所定の速度で往
復運動しながら連続ガラス繊維束12を渦巻状に落下させ
るものである(例えば特公昭63−6660号公報参照)。連
続ガラス繊維束12は例えば単糸径23μのフィラメントを
400本束ねたものであり、無方向性繊維層13の単位面積
当りの重量が例えば440g/m2になるように振り落とされ
る。
このようにして形成された無方向性繊維層13はベルトコ
ンベヤ10によって搬送されて乾燥機14を通過する。この
乾燥機14は約50℃の熱風を無方向性繊維層13に吹きつけ
て乾燥させる。
無方向性繊維層13は続いて、ベルトコンベヤ11に移送さ
れる。このベルトコンベヤ11の終端範囲において、無方
向性繊維層13上に一方向繊維束15がワープビーム16から
供給される。ワープビーム16には、例えば単糸径23μ、
集束本数2000本、水分率4〜5%のガラス繊維束(ケー
キ、ロービングまたはヤーン)が予め2.2m幅に4mmピッ
チで540本、約200mの長さで巻直してある。ワービーム1
6はその軸によって回転自在に軸受され、そして回転を
制動するための図示していない電磁クラッチが取付けら
れている。この電磁クラッチは間歇回転運動する後述の
デリベリーローラと同期して作動し、一方向繊維束15を
張る役目をする。しかし、ワープビーム16は回転駆動装
置により回転させることもできる。この場合、ワープビ
ーム16は間歇回転運動するデリベリーローラの平均引き
取り速度とほぼ同じ速度で回転し、同様に、一方向繊維
束を張る役目をする。
ワープビーム16から引き出された一方向ガラス繊維束15
は、櫛形ガイド17を通過した後、無方向性繊維層13上に
供給される。この櫛形ガイド17はピッチが可変のものが
好ましい。櫛形ガイド17には、一方向繊維束15を1本ず
つ通してもよいし、2本ずつ通してもよい。この櫛形ガ
イド17自体は繊維工業の分野で知られているので、ここ
では詳しく説明しない。
積層された一方向性繊維層と無方向性繊維層13は続い
て、ニードラー18に供給され、一方向性繊維層の側から
針が侵入するようにしてニードリングを行う。それによ
って、両層は絡合し、一体化され、ガラス繊維マットと
なる。このニードラー18自体は公知であるので、ここで
は詳しく説明しない。
ニードラー18の出口側には、ガラス繊維マット19を搬出
するためのデリベリーローラ20が設けられている。この
デリベリーローラ20は間歇的に回転駆動される。
上記のように構成されたガラス繊維マット製造装置の場
合には、一方向繊維束15の供給装置であるワープビーム
16が乾燥機14とニードラー18の間に配置されているの
で、乾燥機18の熱風吹きつけによって一方向繊維束の配
列が乱れることがない。更に、櫛形ガイド17を通して一
方向繊維束15を案内し、かつ一方向繊維束15にテンショ
ンをかけるようにしたので、互いに一定間隔をおいて平
行に案内供給され、ニードラー18の振動を受けても蛇行
しないで真直ぐに無方向性繊維層13上に配列される。
電磁クラッチによるテンション付与の場合には、デリベ
リーローラ20が回転しているときに電磁クラッチが制動
力が弱まって一方向繊維束15に一定張力を加え、そして
デリベリーローラ20が停止したときに電磁クラッチの制
動力が増大し、ワープビーム16の回転を停止する。
ワープビーム16の回転駆動装置によるテンション付与の
場合には、間歇回転運動するデリベリーローラの平均引
き取り速度とほぼ同じ速度でワープビームが回転駆動さ
れるので、デリベリーローラ20の停止中には、一方向繊
維束15がたるむが、デリベリーローラが再び回転すると
張られるので、一方向繊維束15を均一に配列するという
点では問題がない。
第2図には、一方向繊維束15に張力を加えるための他の
装置が示してある。この装置は、ワープビーム16から引
き出された一方向繊維束15に軽く押しつけられるように
ばね21で付勢されたテンションローラ22からなってい
る。この場合、テンションローラ22は回転自在で軸受し
てもよいし、また回転しないようにしてもよい。更に、
ばね21を用いないで、テンションローラの自重だけで一
方向繊維束15に張力を付与するようにしてもよい。
第3〜12図には、一方向繊維束供給装置の変形例が示し
てある。第1図に示した一方向繊維束供給装置としての
ワープビーム16の場合には、先ずロービングやケーキ、
ヤーンを多数準備して一旦張力を揃えて平行に配列して
ワープビームに巻直すという工程が必要であるため、コ
ストがかさみ経済的でない。更に、ガラス繊維マットの
生産もワープビーム16に巻かれたガラス繊維の長さ(例
えば200m)に制限される。ワープビーム16のガラス繊維
束を使いきると、生産を一旦停止してワープビームを交
換しなければならない。交換作業は540本のガラス繊維
束を1本ずつ結び直して櫛形ガイドを通過させ、長さも
調整して一定張力がかかるようにしなければならない。
これら一連の作業には、数時間を要し、非常に能率が悪
い。
第3〜12図に示す一方向繊維束供給装置の変形例16′
は、ワープビーム16の前記欠点を除去するために、ロー
ビングやケーキ、ヤーンをワープビームに巻き直さない
で、ニードラー18に直接供給するようにしたものであ
る。
一方向繊維束供給装置16′は実質的に、ロービング、ケ
ーキまたはヤーンの巻体23を載せる棚24と、このロービ
ング、ケーキまたはヤーンの巻体23から引き出されたガ
ラス繊維束(一方向繊維束)15を案内する硬質の直線上
パイプ25と、このパイプ25に接続されたフレキシブルパ
イプ26と、このフレキシブルパイプ26からガラス繊維束
が供給されるフィードローラ27とからなっている。
ロービング、ケーキまたはヤーンの巻体23を載せる棚24
は、マット製造ラインから離れたところに、例えばV字
状に配列されている。ガラス繊維束15は第4図と第5図
に示すように、ロービング、ケーキまたはヤーンの巻体
23から引き出され、ステンレス製のガイド棒28を跨いで
2本を一緒にしてガイド板29の穴を通過する。このガイ
ド板29は棚24の側面にねじ等で固定され、その穴にはチ
タンガイド30が取付けられている。次に、ガラス繊維束
15は、先端にキャップ31とチタンガイド32を取付けた硬
質塩化ビニル製の直線状パイプ25内へ導かれる(第6図
参照)。
もしここで、パイプ25によって個々のガラス繊維束の隔
離を行わなければ、ガラス繊維束15は、引き出し時にピ
ンと張った状態になったり、大きく垂れ下がった状態に
なったりするので、ガラス繊維束同士が交錯し、絡まっ
てしまう。すると、ガラス繊維束15は互いに擦れ合いな
がら進み、単糸切れが起こり、毛羽が発生し、ついには
ガラス繊維束15が切断してしまう。前記の塩化ビニルパ
イプ25はガラス繊維束15を互いに隔離して、このような
トラブルの発生を未然に防ぐ働きをする。
更に、ガラス繊維束15が上下動をすると、ガラス繊維束
にかかる張力も変動する。つまり、ガラス繊維束が大き
く垂れ下がったときには、張力も大きくなり、垂れ下が
りが小さいときは張力も小さい。しかし、前述のよう
に、ガラス繊維束15を直線状のパイプ25に通して引き取
ると、ガラス繊維束15が上下動をする範囲を最小限にで
き、張力の変動も小さくできる。
これらの目的に適したパイプ25の材質としては、金属製
でもプラスチック製でもよいが、金属製ではパイプが重
くなり、これを吊るしておくための架台も丈夫なものに
しなければならないし、ガラス繊維束のバインダーに含
まれる過酸化物による腐食にも抵抗力のあるものを選定
する必要がある。一方、プラスチック製ならば、タック
性のない硬質プラスチックのものが軽量で架台も簡単な
ものでよいし、腐食の必要もない。内壁面が平滑であれ
ば、例えばフッソ系樹脂製、オレフィン系樹脂製、塩化
ビニル製、ABS、PC、アクリル系等のパイプを使用する
ことができる。特に、配管用に広く市販されている硬質
塩化ビニル製のパイプがコスト、性能面から好適であ
る。
直線状のパイプ25を出たガラス繊維束は、緩やかなカー
ブを描く内壁面が波形のフレキシブルパイプ26を通り、
フィードローラ27へ導かれる。フレキシブルパイプ26の
役割は、ガラス繊維束15の摩耗をできるだけ少なくして
緩やかに方向を変えることである。そのために、フレキ
シブルパイプ26は内壁面が波形になっていてガラス繊維
束15とパイプ26の接触面積が少ないことが望ましい。第
7a図から第7e図は、フレキシブルパイプ26の例を示して
いる。第7a図のものは、波形がリング状に独立していて
一定間隔をおいて形成されている。第7b図のものは、波
形が1条または複数条のねじ状に形成されている。第7c
図のものは、内壁面に独立したリング状の突出部が形成
されている。第7d図のものは、突出部が1条または複数
条のねじ状に形成されている。第7e図のものはフレキシ
ブルパイプの中にバネが挿入固定されている。
フレキシブルパイプ26の材質についても直線状のパイプ
25と同様なものが好適である。つまり、軽量で内壁面の
表面が滑らかに仕上げられているものがよい。例えば、
電線保護管として広く市販されている未来工業(株)製
の商品名「ミラフレキ SS、MFS−16」が好適である。
ガラス繊維束15はフレキシブルパイプ26から入口ガイド
35(フィードローラ27に対して入口側に位置するため入
口ガイドと称する)を経てフィードローラ27に供給され
る。この入口ガイド35は第8図に示すように、フレキシ
ブルパイプ26の外径に等しい内径の鉄パイプ36と、この
鉄パイプが溶接された鉄板37、鉄パイプ36の開口部にガ
イド押え38によって取付けられたチタンガイド39からな
っている。鉄板37は後述のフィードローラ27の全長にわ
たって延びていて弧状に反った長方形の形をしている。
この鉄板37には、第9図の平面図に示すように、多数の
鉄パイプ36が鉄板37の幅方向と長手方向に互いにずらし
て配置固定されている。個々の鉄パイプ36にはフレキシ
ブルパイプ26が挿入されて固定されている。
ガラス繊維束15はフレキシブルパイプ26から、チタンガ
イド39を経て、ゴム被覆の3本のローラ41,42,43からフ
ィードローラ27に供給される。このとき、鉄板37が平ら
であると、入口ガイド35(フレキシブルパイプ26、チタ
ンガイド39または鉄パイプ36)の中心線40(第8図参
照)と、フィードローラ27の第1ローラ41の接線とが一
致しないので、ガラス繊維束15はチタンガイド39の縁で
擦られながら走行する。すると、チタンガイド39の縁で
の接触角が大きいほど毛羽の発生が多くなり、発生した
毛羽は、走行するガラス繊維束15に付着してフィードロ
ーラ27の表面にも移行し、次々と毛羽を発生し、ついに
はガラス繊維束を切断してフィードローラに巻き付かせ
てしまう。このようなトラブルを防ぐために、入口ガイ
ド35の中心線40(法線)は、フィードローラ27の第1ロ
ーラ41の接線に一致するように配置されている(第10図
と第10A図参照)。このようにすると、ガラス繊維束15
はチタンガイド39の縁での接触角が小さくなり、ほとん
ど毛羽が発生しなくなる。
入口ガイド35を出たガラス繊維は、チタンガイド39の間
隔でフィードローラ27に供給されるが、各ガラス繊維束
15のピッチが8mmと非常に狭いため、チタンガイド39と
フィードローラ27の間で第11図の右側に示すように綾に
なることがある。綾になったままでフィードローラ27に
接すると、ガラス繊維束15aとガラス繊維束15bが重なっ
たままで、フィードローラ27の各ローラ(例えば第1ロ
ーラ41と第2ローラ42)間に挟まれる(第12図参照)。
すると、ガラス繊維束15a,15bに隣接するガラス繊維束1
5cは、第1ローラ41と第2ローラ42の間で挟持される力
が小さくなるので引き取り速度が遅くなり、正常に送ら
れるガラス繊維束に比ベニードラー18への供給張力が大
きくなる。すると、このガラス繊維束15cにはスタンパ
ブルシートの作製時に樹脂の含浸が悪くなり、強度の発
現を妨げたり、また成形品の外観を悪くする。そこで、
第11図に示すような櫛形のガイド44が第1ローラ41の手
前に設けられている。このガイド44により、隣接するガ
ラス繊維束15は綾になることなく、フィードローラ27に
引き取られる。
ガラス繊維束15はフィードローラ27から、ニードラー18
の入口に設けられたピッチ可変の櫛形ガイド17を経て、
均一な配列および張力でニードラー17に供給される。そ
れによって、ガラス繊維束(一方向繊維束)15は、第8
図においてフィードローラ27の下方を右側から左側へ搬
送されて来る無方向性繊維層13上に積層されてニードリ
ングされる。
このように、ロービング、ケーキまたはヤーンを一方向
繊維束としてガラス繊維マット製造装置(例えばそのニ
ードラー)に直接供給するようにしたので、ロービン
グ、ケーキまたはヤーンをワープビームに巻き直す工程
が不要である。また、ロービング、ケーキまたはヤーン
の巻体の交換は、ガラス繊維が終わりに近づいたものか
ら順々に、新しい巻体のロービング、ケーキまたはヤー
ンの始端部を繋ぐことにより行われ、ワープビームの場
合のように長さや張力を調整する必要がないので、非常
に簡単である。更に、この巻体の交換がガラス繊維マッ
ト製造設備を停止せずに行われるので、ガラス繊維マッ
トを連続的に生産することができる。
〔発明の効果〕
本発明によるガラス繊維マット製造方法と装置の場合に
は、一方向繊維束供給装置を乾燥機とニードラーの間に
配置したので、乾燥機の熱風吹きつけによる一方向繊維
束の配列の乱れが生じない。更に、櫛形ガイドを通して
一方向繊維束を案内し、かつ一方向繊維束にテンション
をかけるようにしたので、一方向繊維束は互いに一定間
隔をおいて平行に案内供給され、ニードラーの振動を受
けても蛇行しないで真直ぐに無方向性繊維層上に配列さ
れる。
従って、本発明によるガラス繊維マット製造方法と装置
により性能の安定したガラス繊維マットを製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるガラス繊維マットの製造
装置を示す斜視図、第2図は一方向繊維束に張力をかけ
る装置の一例を示す図、第3〜12図は一方向繊維束供給
装置の変形例を示す図であり、第3図はこの変形例によ
る一方向繊維束供給装置を備えたガラス繊維マット製造
設備の平面図、第4図は一方向繊維束供給装置のロービ
ング巻体と棚と硬質パイプの位置関係を示す斜視図、第
5図は第4図の側面図、第6図は硬質パイプの入口部分
を示す断面図、第7a図、第7b図、第7c図、第7d図および
第7e図はフレキシブルパイプの異なる例を示す断面図、
第8図はフィードローラの手前に設けられた入口ガイド
の断面図、第9図は入口ガイドの鉄板と鉄パイプの平面
図、第10図は入口ガイドとフィードローラの位置関係を
示す概略側面図、第10A図は第10図の部分拡大図、第11
図はフィードローラを示す斜視図、第12図はフィードロ
ーラの間で綾になって重なったガラス繊維束を示す図、
第13図は従来のガラス繊維マットの製造装置を示す斜視
図である。 10,11……コンベヤベルト、12……ガラス長繊維束、13
……無方向性繊維層、14……乾燥機、15……一方向繊維
束、16……ワープビーム、17……櫛形ガイド、18……ニ
ードラー、19……ガラス繊維マット、20……デリベリー
ローラ、21……ばね、22……テンションローラ、23……
ロービング、ケーキまたはヤーンの巻体、24……棚、25
……直線状パイプ、26……フレキシブルパイプ、27……
フィードローラ、28……ガイド棒、29……ガイド板、30
……チタンガイド、31……キャップ、32……チタンガイ
ド、35……入口ガイド、36……鉄パイプ、37……鉄板、
38……ガイド押え、39……チタンガイド、40……入口ガ
イドの中心線、41,42,43……ローラ、44……櫛形ガイド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平に配置されたベルトコンベヤ上にガラ
    ス繊維束を振り落として無方向性繊維層を形成し、 この無方向性繊維層を乾燥機で乾燥し、 一方向繊維束供給装置により、前記の乾燥した無方向性
    繊維層の上に一方向繊維束を供給して一方向繊維層を積
    層し、その際、一方向繊維束を幅方向において一定間隔
    をおいて平行に案内し、 積層された一方向性繊維層と無方向性繊維層をニードラ
    ーに供給してニードリングすることによってガラス繊維
    マットを形成し、 このガラス繊維マットをデリベリーローラによって搬出
    することを特徴とするガラス繊維マットの製造方法。
  2. 【請求項2】積層された一方向性繊維層と無方向性繊維
    層をニードリングすることによってガラス繊維マットを
    製造する装置において、 水平に配置されたベルトコンベヤと、 このベルトコンベヤ上にガラス繊維束を振り落として無
    方向性繊維層を形成する無方向繊維束供給装置と、 この無方向繊維束供給装置の前方に配置された乾燥機
    と、 無方向性繊維層上にガラス繊維束を供給して一方向性繊
    維層を形成するための、乾燥機の前方に配置された一方
    向繊維束供給装置と、 一方向繊維束供給装置から供給された一方向繊維束を幅
    方向において一定間隔をおいて平行に案内するための櫛
    形ガイドと、 一方向繊維束供給装置から供給された一方向繊維束に一
    定の張力を加える手段と、 積層された一方向性繊維層と無方向性繊維層を、ニード
    リングによって結合するための、前記一方向繊維束供給
    装置の前方に配置されたニードラーと、 このニードラーの前方に配置された、ガラス繊維マット
    を搬出するためのデリベリーローラとを備えていること
    を特徴とするガラス繊維マットの製造装置。
  3. 【請求項3】一方向繊維束供給装置がガラス繊維束を巻
    き取ったワープビームであることを特徴とする、請求項
    2記載のガラス繊維マットの製造装置。
  4. 【請求項4】一方向繊維束供給装置がロービング、ヤー
    ン、ケーキからガラス繊維束を案内するパイプおよびガ
    イドと、このガラス繊維束を無方向性繊維層上に供給す
    る回転駆動されるフィードローラとからなっていること
    を特徴とする、請求項2記載のガラス繊維マットの製造
    装置。
  5. 【請求項5】一方向繊維束に一定の張力を加える手段が
    ワープビームまたはフィードローラに取付けられた電磁
    クラッチであり、この電磁クラッチが間歇回転運動する
    デリベリーローラと同期して作動し、その制動作用によ
    り一方向繊維束に張力を加えることを特徴とする、請求
    項2から請求項4までのいずれか一つに記載のガラス繊
    維マットの製造装置。
  6. 【請求項6】一方向繊維束に一定の張力を加える手段が
    ワープビームまたはフィードローラの回転駆動装置であ
    り、この回転駆動装置が間歇回転運動するデリベリーロ
    ーラの平均引き取り速度とほぼ同じ周速で回転して一方
    向繊維束に張力を加えることを特徴とする、請求項2か
    ら請求項4までのいずれか一つに記載のガラス繊維マッ
    トの製造装置。
  7. 【請求項7】一方向繊維束に一定の張力を加える手段
    が、一方向繊維束に軽く押しつけられるように配置され
    たテンションローラであることを特徴とする、請求項2
    から請求項4までのいずれか一つに記載のガラス繊維マ
    ットの製造装置。
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