JPH0765201B2 - スケール除去用組成物 - Google Patents
スケール除去用組成物Info
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- JPH0765201B2 JPH0765201B2 JP1315013A JP31501389A JPH0765201B2 JP H0765201 B2 JPH0765201 B2 JP H0765201B2 JP 1315013 A JP1315013 A JP 1315013A JP 31501389 A JP31501389 A JP 31501389A JP H0765201 B2 JPH0765201 B2 JP H0765201B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G1/00—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
- C23G1/28—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with molten salts
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、熱処理中または熱処理前の金属基体表面に塗
布し、熱処理の熱によって、同基体表面に既に発生して
いるスケールを除去し易い形態にするスケール除去用組
成物に関する。
布し、熱処理の熱によって、同基体表面に既に発生して
いるスケールを除去し易い形態にするスケール除去用組
成物に関する。
［従来技術および発明の課題］ 連続鋳造における高温スラブや熱間圧延後の高温コイル
等の金属基体は、通常空気雰囲気に曝されているため、
該基体表面は極めて酸化され易く、金属酸化物のスケー
ルが発生する。金属表面に発生したスケールは、冷却
後、酸洗等の手段によって除去されるが、たとえばステ
ンレス鋼の加熱時に発生したスケールは、非鉄成分を多
く含むため緻密で硬く、そのためスケールの除去ははな
はだ困難である。
等の金属基体は、通常空気雰囲気に曝されているため、
該基体表面は極めて酸化され易く、金属酸化物のスケー
ルが発生する。金属表面に発生したスケールは、冷却
後、酸洗等の手段によって除去されるが、たとえばステ
ンレス鋼の加熱時に発生したスケールは、非鉄成分を多
く含むため緻密で硬く、そのためスケールの除去ははな
はだ困難である。
したがって、このようなスケールを完全に除去するに
は、酸洗処理に長時間を要し、そのため金属製品の生産
効率が大幅に低下するとうう問題がある。
は、酸洗処理に長時間を要し、そのため金属製品の生産
効率が大幅に低下するとうう問題がある。
［課題の解決手段］ 本発明は、特定の溶融温度を有するフラックス成分、特
定のアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物または
塩類より成る充填剤、および特定の化合物または塩類よ
り成る攻撃剤を含有する組成物が、これを高温スラブや
熱処理中または熱処理前の金属基体表面に塗布すること
によって、スケールを機械的な剥離および／または酸洗
によって除去し易い形態にするという作用を有する事象
を見出だして完成されたものである。
定のアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物または
塩類より成る充填剤、および特定の化合物または塩類よ
り成る攻撃剤を含有する組成物が、これを高温スラブや
熱処理中または熱処理前の金属基体表面に塗布すること
によって、スケールを機械的な剥離および／または酸洗
によって除去し易い形態にするという作用を有する事象
を見出だして完成されたものである。
すなわち、本発明によりスケール除去用組成物は、 （Ａ）1000℃以下の溶融温度を有するフラックス成分、 （Ｂ）アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、
水酸化物および酸化物で構成された群から選んだ１種ま
たは２種以上の組み合せより成る充填剤、および （Ｃ）ハロゲン含有化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸
塩、亜硫酸塩およびリン酸塩で構成され群から選んだ１
種または２種以上の組み合せより成るスケール攻撃剤 を含有して成るものである。
水酸化物および酸化物で構成された群から選んだ１種ま
たは２種以上の組み合せより成る充填剤、および （Ｃ）ハロゲン含有化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸
塩、亜硫酸塩およびリン酸塩で構成され群から選んだ１
種または２種以上の組み合せより成るスケール攻撃剤 を含有して成るものである。
［作 用］ 本発明のスケール除去用組成物を構成する３つの成分の
うち、まずフラックス成分（Ａ）については、表面にス
ケール層を有した熱処理中の金属基体に当該組成物を塗
布すると、同基体の熱によって成分（Ａ）が速やかに溶
融してガラス質の被覆層を形成する。成分（Ａ）を連続
鋳造における高温スラブに塗布した場合も上記と同じく
ガラス質の被覆層が生成する。また、成分（Ａ）は、こ
れを熱処理前の金属基体に当該組成物を塗布した場合に
は、つぎの熱処理工程において溶融してやはりガラス質
の被覆層が形成せられる。
うち、まずフラックス成分（Ａ）については、表面にス
ケール層を有した熱処理中の金属基体に当該組成物を塗
布すると、同基体の熱によって成分（Ａ）が速やかに溶
融してガラス質の被覆層を形成する。成分（Ａ）を連続
鋳造における高温スラブに塗布した場合も上記と同じく
ガラス質の被覆層が生成する。また、成分（Ａ）は、こ
れを熱処理前の金属基体に当該組成物を塗布した場合に
は、つぎの熱処理工程において溶融してやはりガラス質
の被覆層が形成せられる。
また、充填剤成分（Ｂ）は、加熱処理後の金属基体を酸
洗する場合に、酸に溶解して酸の浸透性を向上させる、
酸の浸透媒体的な作用を有するものであって、酸はこの
充填剤を介して、本発明組成物の塗布層を通してスケー
ル層に浸透し、同と塗布層をスケールとともに剥離溶解
し、取り除く。
洗する場合に、酸に溶解して酸の浸透性を向上させる、
酸の浸透媒体的な作用を有するものであって、酸はこの
充填剤を介して、本発明組成物の塗布層を通してスケー
ル層に浸透し、同と塗布層をスケールとともに剥離溶解
し、取り除く。
また、スケール攻撃剤成分（Ｃ）は、加熱により単独で
あるいは溶解フラックス中で、溶融もしくは分解され、
金属表面のスケールを攻撃してスケール層を脆弱化し、
機械的に剥離し易い形態または酸洗で除去し易いハロゲ
ン化鉄等の形態でスケールを捕捉する。
あるいは溶解フラックス中で、溶融もしくは分解され、
金属表面のスケールを攻撃してスケール層を脆弱化し、
機械的に剥離し易い形態または酸洗で除去し易いハロゲ
ン化鉄等の形態でスケールを捕捉する。
かくして、スケール層を有した金属基体の表面に当該組
成物を塗布することによって、スケールは機械的に剥離
および／または酸洗によって容易に除去でき、鋼板等の
金属製品の生産効率を大幅に向上させることができる。
成物を塗布することによって、スケールは機械的に剥離
および／または酸洗によって容易に除去でき、鋼板等の
金属製品の生産効率を大幅に向上させることができる。
［発明の好適な態様］ （Ａ）フラックス成分 本発明のスケール除去用組成物中のフラックス成分とし
ては、たとえばSiO2を主成分とし、Al2O3,Fe2O3,CaO,Mg
O,Na2O,B2O3,TiO2,P2O5,ZnO,BaO,PbO等の酸化物成分が
含まれたガラス組成物や、K,Na,Li,Ca,Mg,Mn,Al,Fe等の
金属のリン酸塩、ホウ酸塩、さらにはホウ酸等が例示さ
れ、溶融温度が1000℃以下、特に400乃至800℃の範囲に
あるものが使用される。
ては、たとえばSiO2を主成分とし、Al2O3,Fe2O3,CaO,Mg
O,Na2O,B2O3,TiO2,P2O5,ZnO,BaO,PbO等の酸化物成分が
含まれたガラス組成物や、K,Na,Li,Ca,Mg,Mn,Al,Fe等の
金属のリン酸塩、ホウ酸塩、さらにはホウ酸等が例示さ
れ、溶融温度が1000℃以下、特に400乃至800℃の範囲に
あるものが使用される。
この溶融温度が前記範囲よりも高い場合には、熱処理中
の金属基体表面に塗布した際にガラス質の被覆層を形成
しにくくなり、スケール攻撃剤の効果が低下する。
の金属基体表面に塗布した際にガラス質の被覆層を形成
しにくくなり、スケール攻撃剤の効果が低下する。
スラックス成分（Ａ）は、上述の如く熱によってガラス
質の被覆層を形成するものであって、その含有量は、後
述する充填成分（Ｂ）およびスケール攻撃剤（Ｃ）との
３成分基準で、15乃至95重量％、好ましくは18乃至95重
量％である。フラックス成分の含有量が15％未満である
場合、十分なガラス質の被覆層を形成することができな
くなり、スケール攻撃剤の効果が低下する。また、フラ
ックス成分の含有量が95％より多い場合には、フラック
ス成分と金属基体表面との過剰な反応により、金属基体
表面の侵食が生じやすくなる。
質の被覆層を形成するものであって、その含有量は、後
述する充填成分（Ｂ）およびスケール攻撃剤（Ｃ）との
３成分基準で、15乃至95重量％、好ましくは18乃至95重
量％である。フラックス成分の含有量が15％未満である
場合、十分なガラス質の被覆層を形成することができな
くなり、スケール攻撃剤の効果が低下する。また、フラ
ックス成分の含有量が95％より多い場合には、フラック
ス成分と金属基体表面との過剰な反応により、金属基体
表面の侵食が生じやすくなる。
（Ｂ）充填剤 本発明において用いる充填剤は、アルカリ金属またアル
カリ土類金属の酸化物、水酸化物および酸化物で構成さ
れた群から選んだ１種または２種以上の組み合せより成
るものであって、たとえばNa2CO3,NaHCO3,K2CO3,KHCO3,
MgCO3,CaCO3,MgO,CaO,NaCH,Mg（OH）２等である。
カリ土類金属の酸化物、水酸化物および酸化物で構成さ
れた群から選んだ１種または２種以上の組み合せより成
るものであって、たとえばNa2CO3,NaHCO3,K2CO3,KHCO3,
MgCO3,CaCO3,MgO,CaO,NaCH,Mg（OH）２等である。
この充填剤は、上述の如く酸洗時に酸に溶解して酸の浸
透性を向上させるために用いられるものであり、前記成
分（Ａ）および成分（Ｃ）との３成分基準で、３乃至68
重量％、好ましくは５乃至65重量％の割合で使用され
る。
透性を向上させるために用いられるものであり、前記成
分（Ａ）および成分（Ｃ）との３成分基準で、３乃至68
重量％、好ましくは５乃至65重量％の割合で使用され
る。
充填剤の使用量がこの範囲よりも多いと、酸洗性は向上
するものの、スケール攻撃剤の効果が阻害される。
するものの、スケール攻撃剤の効果が阻害される。
（Ｃ）スケール攻撃剤 本発明において用いるスケール攻撃剤は、前述の如く、
熱によって溶融もしくは分解し、金属表面スケールを攻
撃してスケール層を脆弱化し、これを機械的に剥離し易
い形態もしくは酸洗し易い形態にして同層を除去し易く
するものであって、ハロゲン含有化合物、硝酸塩、亜硝
酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩で構成された群
から選んだ１種または２種以上の組み合せより成る。ハ
ロゲン含有化合物としてはNaCl,NaBr,CaCl2,K2SiF6,KBF
4,Na3AlF5等が例示され、硝酸塩としてはNaNO3,KNO3,Ca
（NO3）2,Mg（NO3）２等が例示され、亜硝酸塩としては
KNO2,NaNO2等が例示され、硝酸塩としてはK2SO4,KHSO4,
Na2SO4,NaHSO4,CaSO4,MgSO4等が例示され、亜硫酸塩と
してはK2SO3,KHSO3,Na2SO3,NaHSO3等が例示され、リン
酸系化合物としてはP2O4,P2O5,H3PO4,KH2PO4等が例示さ
れる。
熱によって溶融もしくは分解し、金属表面スケールを攻
撃してスケール層を脆弱化し、これを機械的に剥離し易
い形態もしくは酸洗し易い形態にして同層を除去し易く
するものであって、ハロゲン含有化合物、硝酸塩、亜硝
酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩で構成された群
から選んだ１種または２種以上の組み合せより成る。ハ
ロゲン含有化合物としてはNaCl,NaBr,CaCl2,K2SiF6,KBF
4,Na3AlF5等が例示され、硝酸塩としてはNaNO3,KNO3,Ca
（NO3）2,Mg（NO3）２等が例示され、亜硝酸塩としては
KNO2,NaNO2等が例示され、硝酸塩としてはK2SO4,KHSO4,
Na2SO4,NaHSO4,CaSO4,MgSO4等が例示され、亜硫酸塩と
してはK2SO3,KHSO3,Na2SO3,NaHSO3等が例示され、リン
酸系化合物としてはP2O4,P2O5,H3PO4,KH2PO4等が例示さ
れる。
スケール攻撃剤成分（Ｃ）は、成分（Ａ）および（Ｂ）
との３成分基準で、２乃至80重量％の割合で使用され
る。スケール攻撃剤の含有量が２％未満である場合、十
分なスケール攻撃能が得られず、スケール層は強固なま
まであって長時間酸洗しても除去できない。逆に、スケ
ール攻撃剤の含有量が80％を越えると、スケール層ばか
りではなく、スケール層の下の金属表面も浸蝕される。
との３成分基準で、２乃至80重量％の割合で使用され
る。スケール攻撃剤の含有量が２％未満である場合、十
分なスケール攻撃能が得られず、スケール層は強固なま
まであって長時間酸洗しても除去できない。逆に、スケ
ール攻撃剤の含有量が80％を越えると、スケール層ばか
りではなく、スケール層の下の金属表面も浸蝕される。
スケール除去方法 つぎに、上記スケール除去用組成物を用いたスケール除
去方法について説明する。
去方法について説明する。
上述した各成分より成る本発明のスケール除去用組成物
は、これを熱処理中あるいは熱処理前の既にスケールの
発生した金属基体表面を塗布することにより使用に供さ
れる。またこの組成物を連続鋳造における高温スラブに
塗布することもできる。スケール除去用組成物の使用形
態は、同組成物そのままでもよいが、これを適当なビヒ
クルで分散させ塗料化したものを使用してもよい。
は、これを熱処理中あるいは熱処理前の既にスケールの
発生した金属基体表面を塗布することにより使用に供さ
れる。またこの組成物を連続鋳造における高温スラブに
塗布することもできる。スケール除去用組成物の使用形
態は、同組成物そのままでもよいが、これを適当なビヒ
クルで分散させ塗料化したものを使用してもよい。
本発明のスケール除去用組成物を、表面にスケール層を
有した熱処理中の金属基体に塗布すると、同基体の熱に
よってフラックス成分（Ａ）が速やかに溶融してガラス
質の被覆層が形成せられる。また、当該組成物は表面に
スケール層を有した熱処理前の金属基体に室温にて塗布
してもよく、この場合はつぎの熱処理工程においてフラ
ックス成分（Ａ）が溶融し、やはりガラス質の被覆層が
形成せられる。
有した熱処理中の金属基体に塗布すると、同基体の熱に
よってフラックス成分（Ａ）が速やかに溶融してガラス
質の被覆層が形成せられる。また、当該組成物は表面に
スケール層を有した熱処理前の金属基体に室温にて塗布
してもよく、この場合はつぎの熱処理工程においてフラ
ックス成分（Ａ）が溶融し、やはりガラス質の被覆層が
形成せられる。
金属基体のスケール層は、こうして形成された溶融状の
ガラス質被覆層内のスケール攻撃剤成分（Ｃ）の作用に
よって脆弱化され、酸洗で除去し易いハロゲン化鉄等の
形態で同組成物中に捕捉される。
ガラス質被覆層内のスケール攻撃剤成分（Ｃ）の作用に
よって脆弱化され、酸洗で除去し易いハロゲン化鉄等の
形態で同組成物中に捕捉される。
スケールを捕捉した組成物のガラス質被覆層は、熱処理
後の冷却過程中に金属基体と熱膨張等によりクラック乃
至ヒビ割れを生じ、機械的に剥離され易くなる。また、
熱処理終了後の金属基体のスケール層は上述の如くスケ
ール攻撃剤成分（Ａ）の作用により脆弱化され、剥離し
易い形態になされているため、金属基体を屈曲させた
り、同基体にブラッシングロールをかけたりする等の機
械的にスケール剥離処理によっても、スケールを捕捉し
たガラス質被覆層を金属基体表面から剥離できる。
後の冷却過程中に金属基体と熱膨張等によりクラック乃
至ヒビ割れを生じ、機械的に剥離され易くなる。また、
熱処理終了後の金属基体のスケール層は上述の如くスケ
ール攻撃剤成分（Ａ）の作用により脆弱化され、剥離し
易い形態になされているため、金属基体を屈曲させた
り、同基体にブラッシングロールをかけたりする等の機
械的にスケール剥離処理によっても、スケールを捕捉し
たガラス質被覆層を金属基体表面から剥離できる。
熱処理終了後の金属基体は、通常、上記機械的スケール
剥離の後、HCl,H2SO4等の鉱酸による酸洗に付せられ
る。この酸洗によってガラス質の被覆層はスケールとと
もに容易に除去される。すなわち、上記酸洗処理を行な
うと、ガラス質の被覆層中に組み込まれているたとえば
アルカリ金属炭酸塩等の充填剤成分（Ｂ）は酸に攻撃さ
れ、液中に溶出する。その結果として、ガラス質の被覆
層は脆くなり、機械的にも壊れやすくなるとともに、こ
の溶出跡から酸がガラス質の被覆層内に浸入する。そし
て上述の如く、金属基体表面のスケール層は、スケール
攻撃剤成分（Ｃ）によって腐食され機械的に脆弱化さ
れ、またハロゲン化鉄等の酸洗し易い形態に転換されて
いるため、前記ガラス質の被覆層とともに、金属表面か
ら剥離し除去される。ただし、スケールを捕捉したガラ
ス質被覆層の除去が上記機械的剥離によって完全になさ
れる場合には、酸洗を行なわない場合もある。また、ス
ケールを捕捉したガラス質被覆層の除去は酸洗のみによ
って行ない、機械的剥離を省略する場合もある。
剥離の後、HCl,H2SO4等の鉱酸による酸洗に付せられ
る。この酸洗によってガラス質の被覆層はスケールとと
もに容易に除去される。すなわち、上記酸洗処理を行な
うと、ガラス質の被覆層中に組み込まれているたとえば
アルカリ金属炭酸塩等の充填剤成分（Ｂ）は酸に攻撃さ
れ、液中に溶出する。その結果として、ガラス質の被覆
層は脆くなり、機械的にも壊れやすくなるとともに、こ
の溶出跡から酸がガラス質の被覆層内に浸入する。そし
て上述の如く、金属基体表面のスケール層は、スケール
攻撃剤成分（Ｃ）によって腐食され機械的に脆弱化さ
れ、またハロゲン化鉄等の酸洗し易い形態に転換されて
いるため、前記ガラス質の被覆層とともに、金属表面か
ら剥離し除去される。ただし、スケールを捕捉したガラ
ス質被覆層の除去が上記機械的剥離によって完全になさ
れる場合には、酸洗を行なわない場合もある。また、ス
ケールを捕捉したガラス質被覆層の除去は酸洗のみによ
って行ない、機械的剥離を省略する場合もある。
かくして、本発明によれば、酸洗によるスケール除去も
しくは機械的なスケール除去を有効にかつ迅速に行なう
ことが可能となる。
しくは機械的なスケール除去を有効にかつ迅速に行なう
ことが可能となる。
［発明の効果］ 本発明によれば、高温で熱処理される金属基体に発生す
るスケールを機械的剥離および／または酸洗により、迅
速かつ効果的に除去することが可能となった。
るスケールを機械的剥離および／または酸洗により、迅
速かつ効果的に除去することが可能となった。
本発明によるスケール除去用組成物を、ステンレス鋼の
熱処理のようにスケール除去が困難である金属基体に適
用することによって、酸洗時間を短縮し以て生産効率を
大幅に向上させることができる。
熱処理のようにスケール除去が困難である金属基体に適
用することによって、酸洗時間を短縮し以て生産効率を
大幅に向上させることができる。
［実 施 例］ つぎに、本発明の優れた効果を実施例によって実証す
る。
る。
試料の調製 表１に示す組成の３種のガラス組成物ａ、ｂ、ｃを使用
し、表２に示す９種類の試料（No.1〜No.9）を調製し
た。
し、表２に示す９種類の試料（No.1〜No.9）を調製し
た。
試験片の寸法 SUS430ステンレス鋼板（4mm×50mm×100mm）より成る試
験片を用いた。
験片を用いた。
酸洗処理用の酸 酸として8wt％HClを用いた。
実施例１ 表２に記載のNo.1の配合物をボールミルを用いて粉砕し
て得た粉末1gを試験片の表面に塗布し、700℃で30分間
加熱した。ついでこの試験片を冷却後80℃で30秒間酸処
理したところ、形成されたガラス質被覆層はスケールを
伴って試験片から剥離され、スケールのない表面か現れ
た。
て得た粉末1gを試験片の表面に塗布し、700℃で30分間
加熱した。ついでこの試験片を冷却後80℃で30秒間酸処
理したところ、形成されたガラス質被覆層はスケールを
伴って試験片から剥離され、スケールのない表面か現れ
た。
比較例１ No.2の配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
750℃で20分間加熱した。形成されたガラス質被覆層は
半溶融状態であった。ついで冷却後実施例１と同様に酸
処理をしたところ、ガラス質被覆層は酸に溶解したが、
スケール層はほとんど残っていた。
750℃で20分間加熱した。形成されたガラス質被覆層は
半溶融状態であった。ついで冷却後実施例１と同様に酸
処理をしたところ、ガラス質被覆層は酸に溶解したが、
スケール層はほとんど残っていた。
比較例２ No.3の配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
800℃で20分間加熱した。形成されたガラス質被覆層は
半溶融状態であった。ついで冷却後実施例１と同様に酸
処理をしたところ、ガラス質被覆層は酸に溶解したが、
スケール層はそのまま残っていた。
800℃で20分間加熱した。形成されたガラス質被覆層は
半溶融状態であった。ついで冷却後実施例１と同様に酸
処理をしたところ、ガラス質被覆層は酸に溶解したが、
スケール層はそのまま残っていた。
実施例２ まず試験片を900℃で30分間加熱し、この状態でその表
面スケール層にNo.4の配合物から得た粉体0.8〜1.0gを
粉体ガンによって塗布し、そのまま大気中で室温まで冷
却した。冷却後試験片の表面の観察したところ、形成さ
れたガラス質被覆層はスケールを伴って試験片から剥離
し、スケールは完全に除去されていた。
面スケール層にNo.4の配合物から得た粉体0.8〜1.0gを
粉体ガンによって塗布し、そのまま大気中で室温まで冷
却した。冷却後試験片の表面の観察したところ、形成さ
れたガラス質被覆層はスケールを伴って試験片から剥離
し、スケールは完全に除去されていた。
比較例３ No.5の配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
700℃で30分間加熱した。ついで実施例１と同様に酸処
理したところ、ガラス質被覆層の大部分は酸に溶解した
が、スケール層は除去されなかった。
700℃で30分間加熱した。ついで実施例１と同様に酸処
理したところ、ガラス質被覆層の大部分は酸に溶解した
が、スケール層は除去されなかった。
比較例４ No.6の配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
900℃で30分間加熱した。形成されたガラス質被覆層は
半溶融状態であった。ついで試験片を機械的に曲げてガ
ラス質被覆層を剥離し、試験片の表面を観察したとこ
ろ、スケールはないが、鋼板生地が浸蝕されていた。
900℃で30分間加熱した。形成されたガラス質被覆層は
半溶融状態であった。ついで試験片を機械的に曲げてガ
ラス質被覆層を剥離し、試験片の表面を観察したとこ
ろ、スケールはないが、鋼板生地が浸蝕されていた。
実施例３ No.7に配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
700℃で30分間加熱した。冷却後この試験片の表面を観
察したところ、形成されたガラス質被覆層は一部剥離し
ていた。同被覆層はスレールウールを用いて除去したと
ころスケールの少ない表面が現れた。
700℃で30分間加熱した。冷却後この試験片の表面を観
察したところ、形成されたガラス質被覆層は一部剥離し
ていた。同被覆層はスレールウールを用いて除去したと
ころスケールの少ない表面が現れた。
実施例４ No.8の配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
650℃で１時間加熱した。ついで冷却後実施例１と同様
の酸処理をしたところ、形成されたガラス質被覆層はス
ケールを伴って試験片から剥離し、スケールのない表面
が現れた。
650℃で１時間加熱した。ついで冷却後実施例１と同様
の酸処理をしたところ、形成されたガラス質被覆層はス
ケールを伴って試験片から剥離し、スケールのない表面
が現れた。
実施例５ No.9の配合物を粉砕して得た粉末1gを試験片に塗布し、
700℃で30分間加熱した。ついで冷却後実施例１と同様
に酸処理したところ、形成されたガラス質被覆層は酸に
溶解し、スケールの少ない表面が現れた。
700℃で30分間加熱した。ついで冷却後実施例１と同様
に酸処理したところ、形成されたガラス質被覆層は酸に
溶解し、スケールの少ない表面が現れた。
Claims (2)
- 【請求項１】（Ａ）1000℃以下の溶融温度を有するフラ
ックス成分、 （Ｂ）アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、
水酸化物および酸化物で構成された群から選んだ１種ま
たは２種以上の組み合せにより成る充填剤、および （Ｃ）ハロゲン含有化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸
塩、亜硫酸塩およびリン酸塩で構成された群から選んだ
１種または２種以上の組み合わせより成るスケール攻撃
剤を含有し、 ３成分基準で、フラックス成分の含有量が15乃至95重量
％、充填剤の含有量が３乃至68重量％、スケール攻撃剤
の含有量が２乃至80重量％である、スケール除去用組成
物。 - 【請求項２】熱処理中および熱処理前の金属基体に、請
求項１記載のスケール除去用組成物を塗布することを特
徴とする金属のスケール除去方法。
Priority Applications (2)
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|---|---|---|---|
| JP1315013A JPH0765201B2 (ja) | 1988-12-07 | 1989-12-04 | スケール除去用組成物 |
| EP90112692A EP0431250A1 (en) | 1989-12-04 | 1990-07-03 | Scale removing composition and method |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30779488 | 1988-12-07 | ||
| JP63-307794 | 1988-12-07 | ||
| JP1315013A JPH0765201B2 (ja) | 1988-12-07 | 1989-12-04 | スケール除去用組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH0765201B2 true JPH0765201B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=17973317
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1315013A Expired - Fee Related JPH0765201B2 (ja) | 1988-12-07 | 1989-12-04 | スケール除去用組成物 |
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| JP (1) | JPH0765201B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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|---|---|---|---|---|
| JPH0774389B2 (ja) * | 1990-11-27 | 1995-08-09 | 川崎製鉄株式会社 | ステンレス鋼帯の連続焼鈍酸洗方法 |
| JP6757194B2 (ja) * | 2016-07-11 | 2020-09-16 | 日本パーカライジング株式会社 | スケール除去性に優れた熱処理前炭素鋼材、熱処理後炭素鋼材及びそれらの製造方法、並びに、スケール除去方法及び易脱スケール性皮膜形成用剤 |
-
1989
- 1989-12-04 JP JP1315013A patent/JPH0765201B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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