JPH0763936B2 - 研磨用砥石およびその製造方法 - Google Patents

研磨用砥石およびその製造方法

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JPH0763936B2
JPH0763936B2 JP63071301A JP7130188A JPH0763936B2 JP H0763936 B2 JPH0763936 B2 JP H0763936B2 JP 63071301 A JP63071301 A JP 63071301A JP 7130188 A JP7130188 A JP 7130188A JP H0763936 B2 JPH0763936 B2 JP H0763936B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は硬脆材、金属材、合成樹脂等の被研磨材を精密
研磨仕上げするのに好適な研磨用砥石に関し、さらに詳
しく言うと、研磨表面に水を供給しながら研磨する場合
においても、その水によって軟化・膨潤することのな
い、研磨寿命の長い研磨用砥石に係るものである。
[従来の技術] 液体ボンド砥石は砥粒に少量の液体を加えて均一に混合
し、型枠に入れて圧縮成形した砥石であり、この液体ボ
ンド砥石は硬脆材のセラミック類、金属材、ガラス、合
成樹脂等の精密研磨に広く使用されている。
この液体ボンド砥石については、たとえば『谷、河田
「液体ボンド砥石を用いた高能率研磨法の開発」日本機
械学会論文集第50巻、471号、昭和60−11』、『谷、河
田「液体ボンド砥石を用いた高能率研磨法の開発」生産
研究第37巻、7号、1985,7』、『谷、河田「液体ボンド
砥石の境面研磨への適用」昭和60年度精機学会秋季大会
学術講演会論文集』、『谷、河田「液体ボンド砥石によ
るシリコンウエハの高能率研磨」昭和61年度精密工学会
春季大会学術講演会論文集』、『河田「液体ボンド砥石
を用いた高能率・高精度研磨法」日本機械学会誌、第90
巻第821号、昭和62年4月』等に記載されている。
これらの文献に記載の液体ボンド砥石は、砥粒と液体と
の混合比をペンデュラー域とファニキュラー域との間に
あるように設定し、混合、圧縮、成形等の操作により製
造される砥石である。
その場合、液体の混合比が小さいので混合物の流動性が
悪く、砥粒と液体との混合が不均一になる。そこで、そ
の不均一な混合状態のままで前記混合物を圧縮成形する
と、成形された液体ボンド砥石は密度や硬さにばらつき
が生じ、研磨の際に部分的に砥石が崩壊したり、研磨の
仕上りにむらが生じる。そのようなペンデュラー域とフ
ァニキュラー域との間になるような砥粒と液体との混合
比は砥粒や液体の種類、砥粒の粒径、形状等により異な
るのであるが、通常、砥粒の10%〜20%程度であると考
えられていて、非常に小さいものである。
本出願人は、未だ公知ではないが、前記文献に記載の液
体ボンド砥石の欠点を解消する液体ボンド砥石として、
砥粒を結合する液体を、この液体より揮発し易い他の液
体で希釈し、過剰量のこの稀釈液と前記砥粒とを均一に
混合し、その後に過剰分の液体を除去することにより、
あるいは砥粒と液体との混合比を、混合、圧縮、成形の
操作に都合の良い条件になるように任意に設定し、砥粒
と液体とを混合し、圧縮成形し、その後に乾燥処理によ
り液体の含有量を減少させることにより、ペンデュラー
域に達した状態の液体ボンド砥石を提案し、かつ、ペン
デュラー域に達した状態の液体ボンド砥石を使用する研
磨方法として、研磨時に、前記液体ボンド砥石に水その
他の液体を添加することを提案している。かかる提案に
係る研磨方法では、研磨時の水の添加により、液体ボン
ド砥石における砥粒の充填形態がペンデュラー域からフ
ァニキュラー域に達するので、良好な精密研磨を実現す
ることができる。
[発明が解決しようとする課題] 砥粒を液体で結合してペンデュラー域とファニキュラー
域との間にあるような砥粒の充填状態となった従来公知
の液体ボンド砥石を使用して研磨処理作業を行う場合、
研磨中に発生する摩擦熱による被研磨材の温度上昇を抑
制したり、液体ボンド砥石の表面に付着する切り屑を除
去したりするために、液体ボンド砥石の表面に水もしく
は水性液体を流したり、あるいは噴霧したりすることが
行なわれる。
しかしながら、前述のように、研磨中に水もしくは水性
液体をかけたり噴霧したりすると、液体ボンド砥石の内
部に水が侵入し、その結果、ペンデュラー域とファニキ
ュラー域との間にある砥粒の充填状態が急速にキャピラ
リー状態あるいは極端な場合にはスラリー状態になって
しまい、液体ボンド砥石による研磨が不可能になってし
まう。
また、本出願人が提案している研磨方法においては、砥
粒の充填状態がペンデュラー域に達している液体ボンド
砥石を使用して研磨する際に前記と同様に液体ボンド砥
石の表面に水もしくは水性液体を流したり、あるいは噴
霧したりすることにより、ペンデュラー域からファニキ
ュラー域へと砥粒の充填状態を変化せしめて良好な研磨
状態を実現している。
しかしながら、本発明者らがさらに検討したところ、本
出願人が提案している研磨方法においては、研磨時に添
加する水等が液体ボンド砥石の研磨面からわずかに深い
所までしか侵入しないのであれば良好な研磨が実現され
るのであるが、研磨時に液体ボンド砥石に添加する水の
添加量を管理しないでいると、添加する水等が徐々に液
体ボンド砥石の内部深くに侵入してボンド剤を軟化ある
いは液化させ、液体ボンド砥石全体が軟化することが判
明した。
研磨時に液体ボンド砥石に添加する水等の添加量を厳密
に管理するのは極めて煩雑である。
と言って、添加する水等の量を管理しないままに過剰量
の水を添加すると、前述のように、過剰の水が液体ボン
ド砥石の内部深くに浸透することにより、液体ボンド砥
石が軟化し、研磨時の押圧力により崩壊し、その砥粒が
削りとられる。
そして、研磨中に液体ボンド砥石中に水が侵入すること
により、砥粒の減耗量が異常に大きくなって、砥石の寿
命が短くなり、ひいては加工コストの増大を招いてしま
う。
以上のように、従来の液体ボンド砥石においても、また
本出願人の提案に係る液体ボンド砥石においても、研磨
時に研磨面に供給する水やその他の冷却液体による砥石
の軟化を防止することが大きな課題となっている。
本発明の目的は前記課題を解決し、研磨時に供給する水
もしくは水性液体による砥石の軟化を防止した研磨用砥
石、あるいは研磨時に添加する水等の添加量を厳格に管
理せずに水等を添加してもその水等によって容易に軟化
しない研磨用砥石を提供することであり、また本発明の
他の目的は前記研磨用砥石を製造する新規な方法を提供
することである。
[課題を解決するための手段および作用] 前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、砥
粒を液状結合剤で結合し、圧縮成形してなる成形体が、
砥粒に対して0.05〜5重量%の割合の撥水剤を含有する
ことを特徴とする研磨用砥石である。
前記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、砥
粒と液状結合剤と撥水剤とを混合し、圧縮成形すること
を特徴とする研磨用砥石の製造方法である。
前記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、砥
粒と液状結合剤との混合物を圧縮して成形体に成形し、
この成形体に撥水剤を付与することを特徴とする研磨用
砥石の製造方法である。
本発明の研磨用砥石を構成する砥粒としては、研磨性を
有する粒子ならば特に制限がなく、例えばダイヤモン
ド、コランダム、エメリ、ザクロ石、珪石、トリボリ、
焼成ドロマイト、熔融アルミナ、人造エメリ、炭化ケイ
素、炭化ホウ素、酸化鉄、焼成アルミナ、酸化クロム、
酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム、シリカ、シラス等を挙げることができ
る。
前記砥粒の粒径は、30μm以下の微粉が好ましい。な
お、砥粒粒度の選択は、基本的には要求される被研磨材
の仕上り面粗さによるものであるが、砥石の強度として
は砥粒が微細であればある程大きいから、砥粒径が大き
いときには、微細な砥粒を混合して強度を増加させるこ
ともできる。
前記液状結合剤としては砥粒を結合して成形体にするこ
とができるものならば特に制限が無く、たとえば、水、
アルカリ性溶液、酸性溶液、その他の塩類を含有する水
溶液、高分子溶液、油状液体、磁性流体などを挙げるこ
とができる。また、観点を変えて言うならば、前記液状
結合剤は、添加剤として有機物質を含有する液状結合
剤、添加剤として無機物質(この場合、金属を含まな
い。)を含有する液状結合剤のいずれでもよい。
前記有機物質としては、たとえば、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル系樹
脂、ウレタン樹脂、カルボキシメチルセルロース(CM
C)、でんぷん、石油樹脂等などを挙げることができ
る。
前記無機物質としては、水ガラス、塩化マグネシウム等
を挙げることができる。
液状結合剤の液の状態としては、溶液、エマルジョン、
サスペンジョンのいずれの形であっても良い。
液状結合剤は、前述のように、砥粒を結合することがで
きれば、単なる水であっても良いのであるが、通常の場
合、添加剤を含有する液状結合剤を使用するのが好まし
い。この添加剤は、砥粒同士をさらに強固に結合させ
て、研磨用砥石の機械的強度を著しく大きくするのとの
作用を有する。
液状結合剤の研磨用砥石中の含有量は、砥粒がペンデュ
ラー域とファニキュラー域との中間の充填状態にあり、
好ましくはペンデュラー域の充填状態にあるような含有
量範囲内である。
液状結合剤のかかる含有量は、砥粒の種類、砥粒の平均
粒径、液状結合剤の種類、液状結合剤中に含まれる添加
剤の種類とその量によって変化するので一概に規定する
ことができないが、通常、液状結合剤の含有量は、砥粒
の10〜20重量%であるとペンデュラー域とファニキュラ
ー域との中間の充填状態にある砥粒の充填状態を実現す
ることができ、また、砥粒をペンデュラー域の充填状態
にするのであれば、通常、液状結合剤の砥粒中の含有量
は砥粒の1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%であ
る。
液状結合剤に添加剤を含有せしめるのであれば、前記添
加剤の研磨用砥石中の含有量は、砥粒、液状結合剤を形
成する液体の種類等により相違して一概に規定すること
ができないが、一般的には砥粒に対して1重量%以下で
ある。
前記撥水剤としては、撥水性を付与し得る物質ならばい
ずれのものでも用いることができ、例えばシリコンオイ
ル、シリコンエマルジョン、水溶性シリコン、パラフィ
ンワックス、天然ワックス、ワックスエマルジョン、フ
ッ素撥水剤等を挙げることができる。
前記撥水剤の研磨用砥石における含有量は、通常、砥粒
に対して0.05〜5重量%、好ましくは1〜3重量%であ
る。
前記撥水剤の含有量が0.05重量%未満であると、研磨用
砥石に良好な撥水性が付与されず、また、前記含有量が
5重量%を超えると、撥水性が強くなり過ぎて研磨用砥
石の研磨表面に水等を添加した場合に研磨用砥石の研磨
面から所定の深さまでに水等が浸透しなくなる。
この撥水剤の添加量は、重要な事柄である。と言うの
は、撥水剤を前記範囲の割合で含有することにより、研
磨用砥石で研磨する際に水等を添加すると、水等が研磨
用砥石の研磨面から所定の深さにまで浸透するがそれ以
上には特に浸透しないと言う微妙な作用が働くからであ
る。そして、このような微妙な作用が働くことによっ
て、研磨用砥石の研磨時には、セルフドレッシングが阻
害されることなく達成されると共に、水等が研磨用砥石
の内部深くにまで浸透しないから研磨用砥石の軟化が防
止される。
なお、この撥水剤は、また前記液状結合剤と同様に、研
磨用砥石中では、砥粒を結合する作用をも有していると
考えられる。
請求項1に記載の研磨用砥石は、様々の方法により製造
することができるのであるが、特に請求項2および請求
項3に記載の方法により製造するのが好ましい。
請求項2に記載の方法は、前記砥粒と前記液状結合剤と
前記撥水剤とを混合し、圧縮成形することを特徴とす
る。
混合に際する各成分の配合割合としては、各成分の種類
等により相違して一概に規定することができないけれ
ど、一般的には、前記砥粒が砥粒がペンデュラー域とフ
ァニキュラー域との中間の充填状態にあり、好ましくは
ペンデュラー域の充填状態にあるような含有量範囲内で
ある。
混合に際しては、前記含有量の範囲内となるように設定
された割合の各成分を直ちに混合,混練しても良いが、
混合、圧縮、成形の操作に都合の良い条件になるように
各成分の配合割合を任意に設定し、しかる後各成分を混
合しても良い。
混合操作は通常の混合機、混合造粒機を使用することが
できる。
混合により得られた混合物は、次いで圧縮されて所定の
形状に成形される。
圧縮成形は通常の圧縮成形機により行うことができる。
圧縮成形に要する圧力は100kg/cm2以上、望ましくは300
kg/cm2以上が好ましい。
請求項2に記載の発明においては、前記成形体中の砥粒
がペンデュラー域充填状態にあるように、砥粒と液状結
合剤と撥水剤とを混合して得られる混合物を圧縮成形し
て得られる成形体に、液体の含有量を減少させる液体減
量処理を行うのが好ましい。なお、場合によっては、砥
粒と液状結合剤と撥水剤とを混合して得られる混合物に
ついて前記液体減量処理を行っても良いし、また、砥粒
と液状結合剤と撥水剤とを混合して得られる混合物を圧
縮成形するのと同時に前記液体減量処理を行っても良
い。
このような処理を経て得られる研磨用砥石にあっては、
含有される液体が砥粒の表面に吸着された状態になって
いて、前記液体が容易に砥粒から分離しない安定な状態
になる。したがって、砥粒がかかる充填状態にある研磨
用砥石は、長期間の保存によっても機械的強度に変化を
生じず、したがって、長期間の保存が可能になり、ま
た、機械的強度が低下しないので容易に崩壊したり破損
したりしないから、運搬や装置への取り付けを容易なも
のとすることができる。
前記液体減量処理としては、たとえば、乾燥機を使用す
る乾燥処理、吸液剤を接触させる吸液処理などを挙げる
ことができる。
液体減量処理として乾燥処理を採用する場合、好ましく
は50〜70℃で10時間ないし数十時間、一段または多段の
乾燥を行ない、研磨用砥石中の液体含有量を約5重量%
以下にすることが好ましい。
また、液体減量処理として吸液処理を採用する場合にお
いても、研磨用砥石中の液体含有量が前記範囲内にある
ように吸液処理を行なうのが好ましい。
請求項3に記載の方法は、砥粒と液状結合剤との混合物
を圧縮して成形し、この成形体に撥水剤を付与すること
を特徴とする。
混合に際する砥粒と液状結合剤との配合割合は、各成分
の種類等により相違して一概に規定することができない
けれど、一般的には、前記砥粒が砥粒がペンデュラー域
とファニキュラー域との中間の充填状態にあり、好まし
くはペンデュラー域の充填状態にあるような含有量範囲
内である。
混合に際しては、前記含有量の範囲内となるように設定
された割合の各成分を直ちに混合,混練しても良いが、
混合、圧縮、成形の操作に都合の良い条件になるように
各成分の配合割合を任意に設定し、しかる後各成分を混
合しても良い。
混合操作、混合後の圧縮成形操作については、前記請求
項2における場合と同様である。
また、前記成形体中の砥粒がペンデュラー域の充填状態
にあるように、砥粒と液状結合剤とを混合して得られる
混合物を圧縮成形して得られる成形体に、液体の含有量
を減少させる液体減量処理を行うのが好ましい。なお、
場合によっては、砥粒と液状結合剤とを混合して得られ
る混合物について前記液体減量処理を行っても良いし、
また、砥粒と液状結合剤とを混合して得られる混合物を
圧縮成形するのと同時に前記液体減量処理を行っても良
い。
液体減量処理については、前記請求項2に置けるのと同
様である。
かくして得られた成形体は、撥水剤を付与する撥水処理
に付される。
撥水処理は、撥水剤を含有する液あるいは撥水剤そのも
のに前記成形体を浸漬する浸漬操作、撥水剤を含有する
撥水剤含有液あるいは撥水剤を噴霧する噴霧操作等によ
り行なうことができる。
浸漬操作における撥水剤を含有する液の撥水剤の濃度は
適宜に決定することができ、また、その撥水剤の濃度に
応じて浸漬する時間および浸漬回数も決定することがで
きる。
噴霧操作における撥水剤含有液における撥水剤の濃度お
よび噴霧時間および噴霧回数も前記浸漬処理に準じて適
宜に決定することができる。
なお、この撥水剤も砥粒を結合する作用を有しているの
で、撥水処理後、余分の撥水剤を除去することが望まし
い。
請求項2および請求項3に記載の方法により得られる請
求項1に記載の研磨用砥石は、撥水姓を有するのである
が、この研磨用砥石に水等をかけた場合、研磨用砥石の
表面から一定の深さまでにしか水等が浸透しない特異な
性質を備えることになる。
そこで、本発明の研磨用砥石を使用して被研磨材を研磨
する場合に、研磨用砥石に水を噴霧したり流しかけたり
しながら研磨すると、その際、研磨用砥石の表面から一
定の深さまでは水が浸透し、内部深くにまで水が浸透し
ないので、研磨用砥石の軟化が防止される。しかも、研
磨時に、研磨用砥石と被研磨材との摺動部において、砥
粒がファニキュラー状態に変換し、セルフドレッシング
機能が一段と促進されることになり、良好な研磨状態に
なる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1) アルミナW#1000砥粒(砥粒の平均直径15μm)500g
に、溶剤型キシレン樹脂(固形分45重量%)80gと砥石
に対して1重量%のシリコンオイル(メチルハイドロジ
エンポリシロキサン)とを添加し、次いで、混合造粒機
で混合,造粒し、型枠に入れて180kg/cm2で圧縮して圧
縮成形し、その成形物を取り出して95℃で8時間乾燥
し、研磨用砥石を得た。このようにして得た研磨用砥石
は接触角110゜の良好な撥水性を有するものであった。
また得られた砥石は被研磨材を研磨するのに充分な硬度
HRR50(JIS Z2245に準拠)、曲げ強度15kg/cm2、圧縮
強度10kg/cm2を有していた。
更に、この液体ボンド砥石を用いて硬脆材である窒化ケ
イ素を、研磨面に水を流しながら加工圧10kg/cm2で相対
回転速度30m/min.で摺動,研磨したところ、加工能率は
1.2μm/min.であり、研磨延時間1時間における加工用
砥石の減耗量は2.0mmであった。これは、セルフドレッ
シングが活発に生じ、砥石の目つまりを十分に抑え、し
かも長時間にわたって高能率に研磨することができたこ
とを示すものである。
(実施例2) 炭化ケイ素(SiC)C#3000砥粒1kgと結合剤であるアク
リルエマルジョン250gとに、砥粒に対して1.5〜3.0重量
%のパラフィンワックス系エマルジョンを滴下し、次い
で、混合造粒機で混合,造粒し、型枠に入れて400kg/cm
2で圧縮して成形し、その成形物を取り出して60〜70℃
で6時間乾燥し、研磨用砥石を得た。このようにして得
た研磨用砥石は接触角100゜の良好な撥水性を有するも
のであった。また得られた砥石は被研磨材を研磨するの
に充分な硬度HRR90、曲げ強度30kg/cm2、圧縮強度15kg/
cm2を有していた。
更に、この液体ボンド砥石を用いて硬脆材である3イン
チφのシリコン単結晶を、研磨面に水を流しながら加工
荷重120kgで相対回転速度30m/min.で摺動,研磨したと
ころ、加工能率は10μm/min.であり、研磨延時間1時間
における加工用砥石の減耗量は0.4mmであった。これ
は、セルフドレッシングが活発に生じ、砥石の目つまり
を十分に抑え、しかも長時間にわたって高能率に研磨す
ることができたことを示すものである。
(実施例3) 炭化ケイ素C#1000砥粒1kgに、耐水性のない水溶性バ
インダーであるCMC溶液(濃度3%)350gとにシリコン
(ジメチルポリシロキサン)系エマルジョン20gを滴下
しながら混合、造粒した。造粒物を型枠に入れて300kg/
cm2で圧縮して成形し、その成形物を取り出して50℃で
8時間乾燥し、研磨用砥石を得た。このようにして得た
研磨用砥石は接触角100゜の良好な撥水性を有するもの
であった。また得られた砥石は被研磨材を研磨するのに
充分な硬度HRR30、曲げ強度25kg/cm2、圧縮強度10kg/cm
2を有していた。
更に、この液体ボンド砥石を用いて金属材のアルミニウ
ムを、研磨面に水を流しながら加工圧200g/cm2で相対回
転速度70m/min.で摺動,研磨したところ、加工能率は40
μm/min.であり、研磨延時間10分における加工用砥石の
減耗量は50μmであった。これは、セルフドレッシング
が活発に生じ、砥石の目つまりを十分に抑え、しかも長
時間にわたって高能率に研磨することができたことを示
すものである。
[発明の効果] 請求項1に記載の発明によると、水を噴霧したり流しか
けたりしながら研磨しても、研磨用砥石の表面から一定
の深さまでは水が浸透し、内部深くにまで水が浸透しな
いので、研磨用砥石の軟化が防止され、砥石の物理的強
度を低下させないので、砥石の減耗量が少なく寿命を長
くすることができ、また、ドレッシング作用が活発に行
なわれ常に新しい切り刃が生成して超精密研磨できる。
従って本研磨用砥石はガラス、セラミックス、超硬合
金、金属シリコーン、各種金属、プラスチックス、その
他各材料の精密研磨に適用できるものである。
また請求項2および3に記載の発明によると、請求項1
に記載の優れた性能を有する研磨用砥石を簡単な操作で
製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒を液状結合剤で結合し、圧縮成形して
    なる成形体が、砥粒に対して0.05〜5重量%の割合の撥
    水剤を含有することを特徴とする研磨用砥石。
  2. 【請求項2】砥粒と液状結合剤と撥水剤とを混合し、圧
    縮成形することを特徴とする研磨用砥石の製造方法。
  3. 【請求項3】砥粒と液状結合剤との混合物を圧縮して成
    形体に成形し、この成形体に撥水剤を付与することを特
    徴とする研磨用砥石の製造方法。
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JPS521693A (en) * 1975-06-24 1977-01-07 Kyoei Kenmazai Kk Abrasives
JPS5218286A (en) * 1975-08-04 1977-02-10 Heiwa Kogyo Shoji Kk Grindstone for non ferric metal

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01246078A (ja) 1989-10-02

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