JPH0762467A - 分散強化型銅合金及び分散強化型銅合金の製造方法 - Google Patents

分散強化型銅合金及び分散強化型銅合金の製造方法

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JPH0762467A
JPH0762467A JP5210030A JP21003093A JPH0762467A JP H0762467 A JPH0762467 A JP H0762467A JP 5210030 A JP5210030 A JP 5210030A JP 21003093 A JP21003093 A JP 21003093A JP H0762467 A JPH0762467 A JP H0762467A
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dispersion
copper alloy
copper
strengthened
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Keizo Shimamura
慶三 島村
Tatsuhiko Matsumoto
辰彦 松本
Kagetaka Amano
景隆 天野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高真空で使用しても真空度をさほど低下させ
ることがなく、しかも電気伝導度や機械的強度も良好な
分散強化型銅合金を提供する。 【構成】 酸化銅粉末と酸化アルミニウム粉末と炭素粉
末または硼素粉末とを混合し、酸化銅粉末を400℃以
下の還元性雰囲気中で選択的に還元した後成形、焼結し
て、銅母相中に0.5〜6体積%の酸化アルミニウムか
らなる分散粒子が均一に分散されてなり、銅母相中の酸
素固溶量が5ppm以下であって、かつ炭素及び硼素の
少なくとも1種が10ppm以上100ppm未満分散
された分散強化型銅合金を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高真空でも好適に使用
できる分散強化型銅合金及び分散強化型銅合金の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、銅母相中に金属酸化物等の分散粒
子を均一に分散せしめてなる分散強化型銅合金は、磁場
発生用コイル、半導体用リードフレーム、溶接用電極等
に幅広く用いられている。またこのような分散強化型銅
合金の製造方法としては、銅合金粉末中の添加金属元素
を選択的に酸化して金属酸化物からなる分散粒子を形成
した後焼結する内部酸化法や、酸化銅と分散粒子となる
金属酸化物とを混合後酸化銅を選択的に還元して焼結す
る選択還元法が以前より知られている。特にこれらのう
ち、例えば特開平2−213433号に開示された選択
還元法で得られる分散強化型銅合金では、分散粒子とな
る金属酸化物から銅母相中への金属元素等の混入がほと
んどなく、また金属酸化物の分散性も良好で、電気伝導
度や機械的強度についてはすでに充分な特性が得られて
いる。
【0003】このような分散強化型銅合金に対し、最近
では高真空で使用されるジャイロトロン発振管用部材、
核融合装置用高熱流束部材、高エネルギー加速器用構造
部材等への応用も期待されている。しかしながら従来の
分散強化型銅合金は、高真空下加熱や高エネルギー粒子
の照射等によりガスを放出し、系の真空度を低下せしめ
て機器の作動に悪影響を及ぼすことがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
分散強化型銅合金においては、加熱や高エネルギー粒子
の照射等でガスを放出することがあるため、高真空での
使用には適さないという問題があった。
【0005】本発明はこのような問題に鑑み、高真空で
使用しても真空度をさほど低下させることがなく、しか
も電気伝導度や機械的強度も良好な分散強化型銅合金及
び分散強化型銅合金の製造方法を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、銅母
相中に0.5〜6体積%の分散粒子が均一に分散されて
なる分散強化型銅合金において、前記銅母相中の酸素固
溶量が5ppm以下であって、かつ炭素及び硼素の少な
くとも1種が10ppm以上100ppm未満分散され
た分散強化型銅合金である。すなわち本発明の分散強化
型銅合金は、銅母相中の酸素固溶量を極めて微量とした
ことを特徴とするものである。
【0007】上述したように分散強化型銅合金では、以
前より電気伝導度や機械的強度の向上を目的として、金
属元素等の銅母相中への固溶を抑えつつ分散粒子の分散
性を高めることが試みられており、このような観点から
分散強化型銅合金粉末を内部酸化法や選択還元法により
生成する際の酸化あるいは還元の最適条件も報告されて
いる。しかしながら本発明者らが研究を進めた結果、銅
母相中の固溶元素の全体量が少なく、分散粒子の分散性
も良好な分散強化型銅合金粉末をいかに生成しても、こ
れを焼結するまでの間に大気中の酸素による汚染を受け
ると、焼結後の分散強化型銅合金においては銅母相中に
酸素がある程度固溶してしまうという知見を得た。この
ような知見に基づき本発明者らは、従来の分散強化型銅
合金から高真空下で放出されるガスが、主として分散強
化型銅合金粉末を生成した後に銅母相中に固溶した酸素
であることを見出し、具体的に銅母相中の酸素固溶量を
5ppm以下としたとき高真空下でのガスの放出が抑制
されることを確認して本発明を完成するに至った。
【0008】なお本発明では、銅母相中の酸素以外の元
素の固溶量も少ない方が好ましい。具体的には、銅母相
において純銅からの電気伝導度の低下量が5%IACS
以内(電気抵抗率の絶対値が1.77μΩcm以上)と
なるように、固溶元素の全体量を制御することが望まれ
る。
【0009】さらに本発明の分散強化型銅合金において
は、強い脱酸能を有する炭素及び硼素の少なくとも1種
を分散させることにより、銅母相中に固溶する極めて微
量の酸素の高真空下での放出が抑えられる。ここで炭素
及び硼素の少なくとも1種の分散量を10ppm以上1
00ppm未満としたのは、その分散量が10ppm未
満だと高真空下でのガスの放出量が増加し、分散量が1
00ppm以上だと得られる分散強化型銅合金の機械的
強度や加工性が低下するからである。なおこのとき、炭
素及び硼素は1種のみが含有されても2種がともに含有
されてもよく、炭素及び硼素の2種が含有される場合は
炭化硼素として分散強化型銅合金中に分散されていても
構わない。
【0010】本発明において前記分散粒子としては、酸
化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化
珪素、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化クロ
ム、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化硼
素、炭化チタン、炭化硼素、硼化チタン等還元性雰囲気
中で酸化銅より化学的に安定な化合物が例示される。特
に好ましくは酸化アルミニウムであり、このとき上述し
たような理由から、銅母相中のアルミニウムの固溶量は
0.04重量%以下であることが好ましい。本発明で分
散粒子の分散量を0.5〜6体積%としたのは、0.5
体積%未満だと充分な機械的強度が得られず、6体積%
を越えると電気伝導度が低下するうえ二次加工も困難と
なるからである。
【0011】また分散粒子の粒径は、分散強化型銅合金
の機械的強度、延性、加工性等の観点から好ましくは
0.1μm以下、より好ましくは0.005μm以上
0.05μm以下とする。さらに本発明では、分散粒子
の存在しない銅母相の領域の平均径が0.3μm以下で
あることが好ましい。これは、この平均径が0.3μm
を越えると、得られる分散強化型銅合金の機械的強度が
不充分となるおそれがあるからである。なおここで、分
散粒子の存在しない銅母相の領域の平均径の算出方法に
ついて説明する。まず、分散強化型銅合金のサンプルか
ら薄膜試料を作成し、透過型電子顕微鏡で得られた薄膜
試料の100000倍の写真を写す。このときの顕微鏡
写真を図1に模式的に示す。次いで、図1に示されるよ
うに写真上で分散粒子1以外の位置の任意の10点を選
び、各点を含み分散粒子1を含まないで描ける最大の円
を10個描き(ただし各点がこの円の中心になるとは限
らない)、これらの円の直径の平均値を分散粒子1の存
在しない銅母相2の領域の平均径とする。
【0012】次に、本発明の分散強化型銅合金の製造方
法を詳細に説明する。まず、酸化銅粉末と還元性雰囲気
中で酸化銅よりも化学的に安定な分散粒子の原料粉末と
炭素及び硼素のいずれかを主成分とする脱酸剤粉末とを
用意する。このとき酸化銅粉末としては、酸化第一銅
(Cu2 O)、酸化第二銅(CuO)、非化学量論的な
酸化銅(CuOx )のいずれであってもよいが、分散粒
子を均一に分散させる観点から、粒径が5μm以下、さ
らには1μm以下であることが好ましい。
【0013】また分散粒子の原料粉末としては、上述し
たような還元性雰囲気中で酸化銅より化学的に安定な化
合物が1種または2種以上混合して用いられる。この分
散粒子の原料粉末の粒径は、銅母相中に均一に分散させ
る観点から好ましくは1μm以下、より好ましくは0.
05μm以下である。
【0014】さらに前記脱酸剤粉末としては、加熱によ
り容易に炭素や硼素とガスに分解し、かつ焼結後に不純
物として分散強化型銅合金中に残留して特性を低下させ
ることのない化合物であれば特に限定されないが、好ま
しくは炭素粉末、硼素粉末、炭化硼素粉末が用いられ
る。この脱酸剤粉末の粒径は1μm以下であることが好
ましい。これは脱酸剤粉末の粒径が大きすぎると、得ら
れる分散強化型銅合金において銅母相中の酸素含有量を
5ppm以下とすることが困難となり、また大粒径の未
反応粒子が残留して機械的強度が低下するおそれがある
からである。
【0015】続いて、これら酸化銅粉末、分散粒子の原
料粉末及び脱酸剤粉末を配合した後、機械的に粉砕・混
合して混合粉末を調製する。このとき、酸化銅粉末、分
散粒子の原料粉末及び脱酸剤粉末は一度に配合しても、
また酸化銅粉末、分散粒子の原料粉末をまず配合して粉
砕・混合した後脱酸剤粉末を配合してさらに粉砕・混合
を行なってもよい。さらに、酸化銅粉末、分散粒子の原
料粉末を配合して粉砕・混合を行なった後、脱酸剤粉末
を水あるいはアルコール、アセトン等の有機溶媒の溶液
として加えることもできる。
【0016】ここでは、分散粒子の原料粉末は酸化銅粉
末の還元後の銅母相中に0.5〜6体積%の分散粒子が
分散されるような配合量で配合する。さらに脱酸剤粉末
の配合量としては、同一の製造プロセスで脱酸剤粉末を
配合しない場合に銅母相中に混入する酸素量に対する当
量比が、1.2〜1.5となるように設定されればよ
い。この理由は、脱酸剤粉末の配合量が少なすぎると、
得られる分散強化型銅合金において銅母相中の酸素固溶
量を5ppm以下とすることが困難となり、また脱酸剤
粉末の配合量が多すぎると、未反応の炭素や硼素が10
0ppm以上残留し、分散強化型銅合金の機械的強度、
加工性が低下するおそれがあるからである。具体的に
は、本発明の分散強化型銅合金を製造する前にあらかじ
め脱酸剤粉末を配合しないで分散強化型銅合金を製造
し、得られた分散強化型銅合金について銅母相中に固溶
した酸素と析出した酸化銅の酸素との合計量を測定し
て、測定された酸素量に対する1.2〜1.5当量を脱
酸剤粉末の配合量とする。
【0017】なお上述したような粉砕・混合は、ボール
ミル、アトライター等公知の混合装置を使用して行なう
ことができる。この際に、容器及びボールは非金属製で
あることが好ましい。これは、金属製の容器やボールを
用いて粉砕・混合を行なうと、混合粉末中に鉄等の金属
が混入して、得られる分散強化型銅合金の電気伝導度が
著しく低下するおそれがあるからである。また混合粉末
は、酸化銅粉末及び分散粒子の原料粉末の粒径が0.0
5μm以下、脱酸剤粉末の粒径が0.5μm以下となる
ように調製することが好ましい。
【0018】次いで、前記混合粉末を400℃以下の還
元性雰囲気に保持された還元炉に装入して、水素等の還
元性ガスにより混合粉末中の酸化銅粉末を選択的に還元
する。ここで混合粉末が400℃を越えて加熱される
と、脱酸剤粉末が酸化銅の還元に消費され、この後大気
からの酸素汚染により銅母相中に固溶する酸素を充分に
除去できなくなるので、混合粉末は400℃以下の温度
で保持される必要がある。さらには、混合粉末を150
℃以上400℃以下の温度で保持することがより好まし
い。
【0019】なおこの還元は、酸化銅粉末を金属銅の状
態まで還元でき、かつ分散粒子の原料粉末は完全には還
元されないような還元ポテンシャルを有する還元性雰囲
気で行なわれる。ただし、分散粒子の原料粉末が全く還
元されない還元ポテンシャルを有する還元性雰囲気にす
る必要はない。例えば、分散粒子の原料粉末がTiO2
からなる場合、TiOまでであれば還元されても何ら問
題はない。
【0020】次に、前記還元により生成した分散強化型
銅合金粉末をプレス等により所定の形状に成形して成形
体を作成する。この後、得られた成形体を還元性雰囲気
または不活性雰囲気中で焼結することにより、本発明の
分散強化型銅合金が製造される。ここで、前記還元の後
例えば成形体の作成時等に大気中から銅母相中に混入し
た酸素は、分散強化型銅合金粉末中の脱酸剤粉末と反応
してほとんどが銅母相外部に除去される。すなわち、前
記脱酸剤粉末が炭素を主成分とする場合は、銅母相中の
酸素は焼結中一酸化炭素または二酸化炭素となって放出
され、一方前記脱酸剤粉末が硼素を主成分とする場合
は、銅母相中の酸素は酸化硼素となって得られる分散強
化型銅合金中に微量が分散されるが、その特性にはほと
んど影響を及ぼさない。しかも、脱酸剤粉末中の炭素や
硼素は上述したような酸素との反応にすべて消費される
ことはなく、結果的に炭素及び硼素の少なくとも1種を
10ppm以上100ppm未満含有する分散強化型銅
合金を得ることができる。
【0021】なおこのとき、ホットプレス、高温静水圧
プレス(HIP)により分散強化型銅合金粉末の成形、
焼結を同時に行なってもよく、特に硼素を主成分とする
脱酸剤粉末を用いたときは、低温焼結が可能で得られる
分散強化型銅合金の機械的強度に優れるホットプレス、
HIPは好ましい。ただし、炭素を主成分とする脱酸剤
粉末を用いたときは、焼結中に放出される一酸化炭素や
二酸化炭素を系外に逃す必要があり、金属製カン等に密
封されるHIPはあまり好ましくない。またHIP以外
の方法で焼結を行なう場合も、一酸化炭素や二酸化炭素
を系外に逃すために焼結時の雰囲気を一度は真空とする
ことが好ましい。さらに本発明の分散強化型銅合金は、
そのまま使用することもできるし、必要に応じ二次加工
を行なってから使用してもよい。
【0022】上述したような本発明の分散強化型銅合金
の製造方法は、分散強化型銅合金粉末の生成に当って選
択還元法を用いているので、混合粉末を調製する工程か
ら脱酸剤粉末を酸化銅粉末及び分散粒子の原料粉末とと
もに配合して、得られる分散強化型銅合金における銅母
相中の酸素固溶量を極めて微量とすることができる。す
なわち、分散強化型銅合金粉末を内部酸化法により生成
する場合は、酸化による分散粒子の形成を阻害する脱酸
剤粉末を分散強化型銅合金粉末を生成する前に配合でき
ず、たとえ分散強化型銅合金粉末の生成後に脱酸剤粉末
を配合しても、脱酸剤粉末を均一かつ緻密に混合するこ
とは困難でこの後の酸素の固溶防止の効果は小さい。こ
れに対し、選択還元法を用いた本発明の分散強化型銅合
金の製造方法においては、分散強化型銅合金粉末を生成
する前の混合粉末中に脱酸剤粉末を配合して均一かつ緻
密に混合することができるため、結果として大気からの
酸素汚染により銅母相中に固溶する酸素を充分に除去す
ることが可能となる。しかも、酸素の除去に供されなか
った脱酸剤粉末に由来する炭素や硼素は、そのまま分散
強化型銅合金中に分散されるので、銅母相中にわずかに
残留する固溶酸素の高真空下での放出をも抑えることが
できる。
【0023】
【実施例】まず、酸化銅粉末として粒径1μmの酸化第
二銅粉末を用い、これに分散粒子の原料粉末として粒径
0.02μmの酸化アルミニウム粉末を前記酸化銅粉末
の還元後の銅母相中に2体積%の分散粒子が分散される
ような配合量で配合し、さらに脱酸剤粉末として粒径
0.5μmの炭素粉末または硼素粉末を表1に示す配合
量でそれぞれ配合して、9種類の試料を用意した。続い
て、これらの混合粉末を酸化アルミニウム製の容器及び
ボールからなるボールミル中4日間乾式で粉砕・混合し
た。次いで、得られた混合粉末を酸化アルミニウムから
なるボート中に入れ、全圧1気圧のアルゴンと水素との
混合ガス気流中で200℃から還元を開始し400℃に
到達後アルゴンの供給を停止して純水素気流中3時間保
持した。冷却後、生成した分散強化型銅合金粉末をカー
ボン型中に充填し、真空中900℃の温度にて400k
g/cm2 の圧力でホットプレス成形を行ない分散強化
型銅合金を製造した。
【0024】次に、得られた9種類の分散強化型銅合金
からそれぞれ試験片を切り出し、銅母相中の酸素固溶
量、炭素または硼素の分散量を測定するとともに、電気
伝導度、機械的強度として室温での0.2%耐力、加工
性として99%まで冷間圧延加工したときのクラック発
生の有無及びガス放出特性について評価試験を行なっ
た。なお前記酸素固溶量の測定に当っては、直径6m
m、長さ6mmの試験片を流動ヘリウム雰囲気中銅の融
点(1083℃)よりも250℃高い温度で炭素るつぼ
を用いて加熱・溶解し、ヘリウム中に抽出される一酸化
炭素量をガスクロマトグラフにて定量して酸素量に換算
した。ただし表1中の試料1,2,6では、銅母相中の
酸素固溶量が5ppmを越えてはるかに多いため、銅母
相中に固溶した酸素とともに析出した酸化銅の酸素があ
わせて分析されている。またガス放出特性は、直径20
mm、厚さ4mmの試験片をガス放出特性評価試験装置
内に設置した後、試験片をその周囲に設けた高周波コイ
ルにより2分間で500℃まで加熱し、この間に放出さ
れるガス量を質量分析計にて測定して評価した。結果を
表1に併記する。さらに表1中では、各試料の炭素粉末
または硼素粉末の配合量について、脱酸剤粉末を配合し
なかった試料1の分散強化型銅合金における銅母相中に
固溶した酸素及び析出した酸化銅の酸素との合計量に対
する当量比を算出した。表1に示されるように、銅母相
中の酸素固溶量が5ppm以下で、炭素または硼素の分
散量が10ppm以上100ppm未満である試料3,
4,7,8の分散強化型銅合金は、ガス放出量が極めて
微量で、電気伝導度及び機械的強度も良好であることが
確認された。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
真空で使用しても真空度をさほど低下させることがな
く、しかも電気伝導度や機械的強度も良好な分散強化型
銅合金を実現でき、その工業的価値は大なるものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 銅母相領域の平均径の算出方法を説明するた
めの模式図である。
【符号の説明】
1…分散粒子、2…銅母相。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅母相中に0.5〜6体積%の分散粒子
    が均一に分散されてなる分散強化型銅合金において、前
    記銅母相中の酸素固溶量が5ppm以下であって、かつ
    炭素及び硼素の少なくとも1種が10ppm以上100
    ppm未満分散されたことを特徴とする分散強化型銅合
    金。
  2. 【請求項2】 分散粒子が酸化アルミニウムからなり、
    銅母相中に固溶したアルミニウムが0.04重量%以下
    であることを特徴とする請求項1記載の分散強化型銅合
    金。
  3. 【請求項3】 酸化銅粉末と還元性雰囲気中で酸化銅よ
    りも化学的に安定な分散粒子の原料粉末と炭素及び硼素
    のいずれかを主成分とする脱酸剤粉末とを混合して混合
    粉末を調製する工程と、前記混合粉末中の酸化銅粉末を
    400℃以下の還元性雰囲気中で選択的に還元して分散
    強化型銅合金粉末を生成する工程と、前記分散強化型銅
    合金粉末を焼結して分散強化型銅合金を得る工程とを具
    備することを特徴とする請求項1記載の分散強化型銅合
    金の製造方法。
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