JPH0761078A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JPH0761078A
JPH0761078A JP21070093A JP21070093A JPH0761078A JP H0761078 A JPH0761078 A JP H0761078A JP 21070093 A JP21070093 A JP 21070093A JP 21070093 A JP21070093 A JP 21070093A JP H0761078 A JPH0761078 A JP H0761078A
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ink
recording medium
printing
recording
carriage
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JP21070093A
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English (en)
Inventor
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Yuji Akiyama
勇治 秋山
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Miyuki Matsubara
美由紀 松原
Fumihiro Gotou
史博 後藤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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  • Ink Jet (AREA)
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  • Handling Of Continuous Sheets Of Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク浸透速度が著しく異なる種々の記録媒
体に対応可能なインクジェットプリンタを提供する。 【構成】 インクジェットプリンタは記録媒体12への
浸透・吸収を速めた組成のインクを吐出可能な複数のノ
ズルを有する印字ヘッド1を少なくとも1組搭載し印字
領域を移動するキャリッジ201を有する。このキャリ
ッジ上に記録媒体押圧部材111,211を印字領域1
20内の記録方向前後左右に設け、印字動作直後に押圧
部材のコロ111a,111b,211a,211bで
記録媒体を押圧保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ
に関し、特にインクジェット方式のプリンタにおける画
像品位向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に従来例のシリアル方式インクジ
ェットカラープリンタを示す。印字ヘッド(記録ヘッ
ド)1は複数のノズル列を有しインク滴を吐出すること
により記録媒体上にドット形成により画像記録を行うデ
バイスである。異なる印字ヘッドからは異なる色インク
が吐出され、これらのインク滴の混色により記録媒体上
に色画像が形成される。印字データはケーブル9により
プリンタ本体の電気回路から印字ヘッドに伝達される。
印字ヘッド列1K(黒)、1C(シアン)、1M(マゼ
ンタ)、1Y(イエロー)はキャリッジ201上に搭載
されており、一走査中ではこの順番でインクを吐出す
る。例えばレッド(以下R)を作る場合、まずマゼンタ
(以下M)が記録媒体上に着弾されそのあとMのドット
上にイエロー(以下Y)が着弾されてレッドのドットと
して見えるようになる。以下同様にグリーン(以下G)
の場合はC、Yの順番に、ブルー(以下B)ではC、M
の順番にそれぞれ着弾し色を形成する。ただし、各印字
ヘッドは一定間隔(P1)をもって配置されているた
め、例えばGのベタ印字をするときCを印字した後2*
P1分遅れてYの印字が行われる。すなわち、Cベタの
上にYベタを印字することになる。このキャリッジ20
1は速度検知手段5によりキャリッジの走査速度及び印
字位置を検出して主走査方向の移動制御を行う。この動
力源はキャリッジ駆動モーター8であり、ベルト6,7
により伝達されて摺動軸上を移動する。この主走査方向
の動作中に桁方向の印字が行われる。桁方向の印字動作
は片方向印字と両方向印字がある。通常、片方向印字は
キャリッジがホームポジション(以下HP)から反対方
向に移動する時(往方向)のみ印字し、HPに戻る方向
(復方向)は印字動作を行わない。すなわち、高精度の
印字が可能となる。それに対して両方向印字は、往・復
両方向とも印字動作を行う。これによって高速度の印字
が可能になる。回復ユニット400は印字ヘッドの状態
を常に良好に保つ機能を有しており、非印字状態ではキ
ャップ列420が印字ヘッドの吐出面を閉塞し乾燥等を
防止する。このためキャリッジ201が回復ユニット4
00と対向する位置をホームポジション(以下HP)と
称している。印字動作中の回復ユニットの機能を説明す
る。実際の印字動作は一つのヘッド内の全てのノズルを
常に用いているのではない。また複数色の印字ヘッドを
有していても印字データが転送されない不使用ヘッドも
ある。このようにキャリッジ走査中に(印字ヘッドがキ
ャップされていない状態で)インクの吐出がある時間連
続して行われないと印字ヘッド表面の固着、乾燥等でイ
ンクの吐出性能が低下し画像劣化が生ずる場合がある。
この現象を防止するため印字ヘッドはある時間間隔で印
字データ以外にヘッド内のノズルを用いて吐出を行い、
印字ヘッド表面の状態を常に最適に保っている。この動
作を予備吐出と称している。上述した予備吐出による吐
出インクは記録媒体やプリンタ内部に飛散し汚れが発生
しないように回復ユニット400内のキャップ420に
向けて吐出され不図示の回復ポンプにより吸引されて廃
インクタンク内に貯蔵される。従って、上述した印字中
予備吐出動作を行うときはキャリッジ201は片方向、
両方向印字ともにHPに戻り、キャップ列420に対向
する必要がある。副走査方向の送りは、不図示の紙送り
モーターにより駆動された紙送り部材(ゴムローラ等)
により、記録媒体12が送られる。同図矢印A方向から
給紙され、印字位置に到達したら上述した印字ヘッド列
により印字動作が行われる。その後、排紙機構(ユニッ
ト)2,3により矢印B方向に排出される。またインク
の供給はインクカセット10K,10C,10M,10
Yから各印字ヘッド1まで各色毎に供給される。
【0003】このように記録媒体12が搬送され印字を
行うが、図12に示すように、各印字ヘッド1と記録媒
体との距離L(以下紙間L)はインクの着弾時間を短縮
しヨレ等を少なくするために極力短い方がよい。そこで
従来の装置では紙押え板13を用いて記録媒体の浮きを
押えたり、また記録媒体上に着弾したインク滴により膨
潤し凸凹状(以下コックリング状態)になった記録媒体
をキャリッジ主走査方向に回転し、紙浮きを防止するコ
ロ11のような機構を用いていた。この場合、インクの
浸透速度の遅い普通紙(塗布材等をコーティングしてい
ない通常の記録紙)を用いる場合には上述したコロ11
はキャリッジ主走査方向の印字領域外(インクドットが
着弾する以前の領域)に配置していた。すなわち、印字
直後の記録媒体表面にインクが未定着のまま残存してい
る状態で上述したコロ11が接触すると残存インクがコ
ロに転写し記録媒体を汚してしまうからである。また、
インク浸透速度の十分速いコート紙を用いる場合は印字
領域内に上述したコロ11を配置し印字直後に接触させ
ても汚れ等の問題は発生しない。図13にインクの吸収
速度と吸収量の関係を塗工紙と非塗工紙について示す。
カラープリンタの場合混色による色表現を行うので1ド
ット当り40plのインク滴を用いた場合2色混色で8
0plになる。プリンタ装置の解像度が360dpiの
とき、上述した条件ではインクの吸収量は16nl/m
2 になる。一例としてインクの吸収量が10から20
nl/mm2 の場合を見ると塗工紙の場合10msec
以下で吸収、定着しているが非塗工紙の場合、約200
msecから500msecの時間が必要となる。この
ように従来から用いられている塗工紙用インクは記録媒
体への吸収、定着時間が極端に遅いため上記のような紙
浮き防止のコロを印字直後に接触させることは不可能だ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の塗工紙用インク
を用いた場合印字直後に印字面をコロ等により押えつけ
ることはその定着時間から不可能であった。そのため上
述したコックリング状態による印字汚れを避けるため、
定着時間が長い記録媒体を用いる時は上述した紙間Lを
大きくする必要があった。これはキャリッジ回りに機構
を追加しキャリッジが記録媒体から離れる構成としてい
た。また、インクの吸収時間を考慮して印字領域から離
れたところに紙浮き防止部材を配置する構成をとる装置
もあった。ところが上述したような構成をもった場合、
1)往復走査を行うキャリッジ系を前後に移動させかつ
印字精度を保つ構成にするには機構が複雑になりその分
コストが上昇してしまう。また、記録媒体の種類(塗工
紙、非塗工紙、あるいは薄紙、厚紙等)によってキャリ
ッジの印字位置を移動させる手間が必要だった。2)イ
ンク吸収時間を考慮して印字領域から紙浮き防止部材を
離してしまうとその分印字装置が大きくなってしまいム
ダなスペースを必要としてしまう。また、印字から離れ
た箇所で記録媒体を押し付けてもコックリング防止には
あまり効果的ではない。あるいは、記録媒体搬送方向の
印字直後に押圧部材を配置できないと記録媒体の先頭部
分の余白(先端余白)が大きくなり記録媒体1枚当りの
印字領域が狭くなってしまう。3)紙間Lを離してしま
うとインク滴のヨレ量が増大し、主滴以外のインク滴が
目立つようになるため、細かいノイズのような多数の点
が発生し著しい画像劣化が生じる等の欠点があり高品質
の画像が得られないという欠点があった。
【0005】そこで、本発明の課題は、浸透速度の速い
インクの使用と印字領域内に強制押圧部材を配置するこ
とを組み合わせることにより、インク浸透速度が著しく
異なる種々の記録媒体に対応可能なインクジェットプリ
ンタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の発明は、記録媒体への浸透・吸収を速めた組成のイ
ンクを吐出可能な複数のノズルを有する印字ヘッドを少
なくとも1組搭載し、印字領域を移動するキャリッジを
有する記録装置において、前記キャリッジ上に記録媒体
押圧部材を前記印字領域内の記録方向前後左右に設け、
印字動作直後に記録媒体を押圧保持することを特徴とす
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェットプリンタにおいて、前記インクの吸収
による記録媒体表面上の凸凹状波打ち現象の前記キャリ
ッジ走査方向周期Lよりも短い間隔で前記記録媒体押圧
部材対が配設されていることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体押圧
部材の記録媒体接触部に撥水性を持たしたことを特徴と
する。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェットプリンタにおいて、前記記録媒体押圧
部材が記録媒体から離れる機構あるいは前記キャリッジ
走査方向に移動可能であることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
4のいずれかに記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記印字ヘッドは、前記インクを吐出するために利
用されるエネルギを発生する素子として、前記インクに
膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体
を有することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のインクジェットプリンタは、非イオン
性浸透性界面性剤を用いたりアルコール等を含有し記録
媒体へのインクの浸透・吸収を速めたインクを複数のノ
ズルを有する印字ヘッドから吐出し、キャリッジ上に記
録媒体押圧部材を印字領域内の記録方向前後左右に設け
て印字動作直後に記録媒体を押圧することにより、記録
紙先端部の紙浮きを防止している。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0013】(第1実施例)図1に本発明のインクジェ
ットプリンタの第1実施例を示す。図2には図1のイン
クジェットプリンタの側面図を示す。従来例と同一の部
材については同一の記号を用いている。本例ではキャリ
ッジ201上に1ライン中キャリッジ走査時印字領域1
20の前後左右に押圧部材111,211を配置した。
上述した押圧部材111,211は不図示の弾性部材に
より記録媒体表面に圧接している。紙送り方向であるB
方向の前後にはキャリッジ走査方向に回転可能なコロ状
の部材が配設されている。紙送り方向上流側(印字前)
のコロ111aと印字ヘッド1との距離をe1、また、
下流側のコロ111bとの距離をe2とする。同様に記
録媒体左右方向では図1向って左側の押圧部材211の
コロ211aと印字ヘッドとの距離をd1、向って右側
の押圧部材211のコロ211bと印字ヘッドとの距離
をd2とする。まず距離e1は記録紙先端部の浮きを防
止する機能がある。従って、e1が小さければその分紙
面状の印字領域が広くなる。同様に、距離e2は記録紙
の下端(後端)部の浮きを抑制するため下端余白を小さ
くする効果がある。上述したe1,e2は紙送り方向の
距離であるので、本実施例のような一般的なシリアルプ
リンタの場合、改行・紙送り時間はキャリッジ走査時間
に比べて長いため、インクの吸収・定着時間に囚われず
印字領域に近付けることが可能である。距離d1は本実
施例の場合Y(イエロー)ヘッドの左側に配設されてい
る。すなわち、一般的な片方向印字方式の場合、KCM
Yの順番で印字されるためこの距離がインクの吸収定着
時間によって大きく影響を浮ける。距離d2に関しては
上述した片方向印字の場合、印字動作以前にコロ部が記
録媒体に接触押圧しているためインクによる汚れ等は発
生しない。従って、片方向印字のみの場合と両方向印字
を行う場合で距離d2は異なった値になる。片方向印字
の場合、インクの吸収・定着時間によらず距離d2は短
い方が、印字汚れや紙間近接による画像品位向上には効
果的である。ここで、インクの吸収・定着時間とキャリ
ッジ走査速度すなわち印字速度の関係を下表1で見てみ
る。インク滴が80plでプリンタ解像度が360dp
iのときに100%ベタ画像を印字した場合の浸透性能
である。塗工紙のインク吸収速度は従来例で説明したよ
うに約10〜20msecであるのに対して、非塗工紙
の場合は従来のインクを用いた場合約200〜500m
secであった。
【0014】
【表1】
【0015】ここで本発明に用いる非塗工紙用インクの
組成について詳述すると、下表2の通りである。
【0016】
【表2】
【0017】インクジェット記録装置用インクの中に
は、界面活性剤を添加したものが提案されている。この
種のインクは、コピー紙やボンド紙といった普通紙に対
しても非常に定着が速く、カラー記録では異なる色のイ
ンク記録領域が隣接した場合にでも不当な色の混じり合
い(境界にじみまたはブリード)がなく、均一な着色
(色ムラが少ない)という特徴をもっている。その一組
成例を下表3に示す。
【0018】
【表3】
【0019】これはインク中に界面活性剤が添加されて
いることにより吸収体へのインクの吸収性が非常に良く
なったためと考えられる。そのことをより分かりやすく
検証するために組成および組成のインク中にそれぞ
れ圧縮した吸収体(ポリウレタンフォーム)を浸してイ
ンクが吸収された高さを測定したところ、組成のイン
クでは数ミリ程度とほとんどインクを吸収しなかったの
に対して、組成のインクでは数センチ以上と圧倒的な
吸収性の違いを見せた。
【0020】浸透剤としてはエアロゾルOT型、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸エステ
ルナトリウムなどのアニオン系の界面活性剤や下記一般
式(化1)
【0021】
【化1】
【0022】で表される高級アルコールのエチレンオキ
サイド付加物、下記一般式(化2)
【0023】
【化2】
【0024】で表されるアルキルフェノールのエチレン
オキサイド付加物、下記一般式(化3)
【0025】
【化3】
【0026】で表わされるエチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド共重合体、下記一般式(化4)
【0027】
【化4】
【0028】で表されるアセチレングリコールのエチレ
ンオキサイド付加物などの非イオン性界面活性剤が優れ
ている。
【0029】ただし、上述したアニオン系の界面活性剤
は起泡力が大きく取扱いが不便であることや境界にじみ
(ブリード)や色の均一性やフェザリングなどの画像特
性がアニオン系界面活性剤よりも非イオン性界面活性剤
の方が良好であったため、本発明においては上述した一
般式(化1)〜(化4)に示したような非イオン性界面
活性剤を用いた。
【0030】これまであげたエチレンオキサイド型非イ
オン界面活性剤の中でもアセチレングリコールのエチレ
ンオキサイド付加物がインク吸収体への吸収性、記録媒
体上での画像特性、記録ヘッドからの吐出特性などにお
いて非常にバランスが良好であり、好ましい。さらにこ
の化合物は付加するエチレンオキサイドの数Nによって
親水性および浸透性がコントロールされる。Nが6より
小さい場合には、浸透性は良好であるがインクへの溶解
性が良くない。また、Nが14より大きくなった場合は
浸透性は低下し、添加量が多くなるだけで効果的とはい
えず、むしろ吐出特性に弊害をもたらす。このようにこ
の化合物はエチレンオキサイドの付加数が6〜14の間
にあることが好ましい。
【0031】これらの非イオン性界面活性剤の添加量は
0.1〜20重量%であることが好ましい。0.1%以
下では画像特性および浸透性が十分ではなく、20%以
上ではもはやそれ以上の効果が出ず、かえってコスト,
インクとして信頼性などに対して不利になってしまうた
めである。
【0032】この他、インク成分には一般的に記録剤と
しての染料、目詰まり防止を目的とした多価アルコール
等の低揮発性有機溶剤や、発泡安定性・記録媒体上での
定着性を目的としたアルコール類等の有機溶剤が必要に
応じて添加される。
【0033】本発明のインクを形成する水溶性有機溶媒
としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含む
アルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコ
ールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(ま
たはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメ
チル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテル類;メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;N−メチル−2−ピロ
リドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン等の含窒素環状化合物等をあげることがで
きる。これらの水溶性有機溶剤は画像特性や吐出信頼性
を悪化させない量で含有することができる。好ましくは
多価アルコール類や多価アルコール類のアルキルエーテ
ル類であり、その含有量は、1〜30重量%であること
が望ましい。
【0034】このとき、本発明で使用されるインク中の
純水の量については50〜90重量%の間にあることが
好ましい。
【0035】本発明において使用する染料は直接染料,
酸性染料,塩基性染料,反応性染料,分散染料,建染染
料等があげられる。これらの染料の含有量は液媒体成分
の種類、インクに要求される特性、記録ヘッドの吐出量
などに依存して決定されるが、一般的にはインクの全重
量に対して0.5〜15重量%、好ましくは1〜7重量
%の範囲とされる。
【0036】この他にチオジグリコールや尿素(または
その誘導体)をインク中に添加することにより吐出特性
や目づまり(固着)防止効果が飛躍的に向上することが
わかった。これらの添加により染料のインク中への溶解
性が良化するためと考えられる。チオジグリコールや尿
素(またはその誘導体)の含有量は好ましくは1〜30
重量%であり、必要に応じて添加することができる。
【0037】本発明のインクの主成分はこれまでの通り
であるが、その他にポリビニルアルコール,セルロース
類,水溶性樹脂等の粘度調整剤;ジエタノールアミン,
トリエタノールアミン,緩衝液などのpH調整剤、防カ
ビ剤などを本発明の目的を妨げない範囲において必要に
応じて添加することができる。
【0038】また、インクを帯電させるタイプのインク
ジェット記録装置に使用されるインクを調合するために
は、塩化リチウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム
等の無機塩などの比抵抗調整剤が添加される。
【0039】上述したような非イオン性浸透性界面活性
剤を用いたインクや上述した界面活性剤を用いない高浸
透性インク(アルコール等を含有し浸透性を高めた)を
用いた場合、インク吸収速度は約30〜100msec
の値をとる。(本実施例では吸収速度を非イオン性浸透
性界面活性剤入りインク[インクC]を100msec
程度、またアルコール等を用いた高浸透性インク[イン
クB]を30msec程度として扱った)これらのイン
ク吸収時間に対してキャリッジ速度(印字速度)をパラ
メータにしたときのキャリッジ移動距離を表したのが表
1である。すなわち、インク吸収時間とキャリッジ移動
距離の関係から図1中の距離d1,d2が決定する。例
えばキャリッジ走査速度が432mm/sec(1秒間
に17インチの印字速度)においては、インク浸透時間
10msecのインクAの場合は印字ヘッドから約4.
3mm離れた位置に記録媒体押圧部材111を配置して
も印字直後のインクが上述した押圧部材に転写し紙面を
汚すことはない。同様にインク浸透時間100msec
のインクCの場合には印字ヘッドから約43mm離して
押圧部材111を配置すれば印字面を汚すことなく紙間
を小さくして画像品位向上が可能となる。このようにイ
ンクの種類と印字速度の関係から必要なヘッド押圧部材
間距離dが求められる。また、従来例の説明で行ったフ
ァイン記録方式による間引きマルチパス印字時は1走査
当りの印字デューティが少ないためインク浸透時間は非
間引き印字の場合より有利である。従って、上述したフ
ァイン記録方式を行えば押圧部材と印字ヘッドとの距離
を表1の値より少なく設定することが可能になり画像品
位向上により効果的である。以上の説明ではキャリッジ
201の外側に押圧部材を配置したが印字ヘッドの並び
間隔がインク浸透速度に比べて十分大きいときは上述し
たキャリッジ201中、すなわち印字ヘッドの間に配置
してもよい。例えば、KCMY各印字ヘッド1K,1
C,1M,1Yの間に1つあるいは複数個の押圧部材を
取り付ければ一層の画像品位向上効果がある。以上、シ
リアル方式のプリンタについて説明したが、本発明は印
字ヘッドが記録媒体の幅に設置されたラインプリンタに
も適応できる。ラインプリンタの場合は押圧部材コロの
回転方向は記録媒体搬送方向になる。また上述の説明中
のインク浸透速度とキャリッジ速度、キャリッジ移動距
離の関係はインク浸透速度と記録媒体搬送速度の関係に
なる。また押圧部材111のコロ111a,111bと
印字ヘッドとの距離e1,e2が重要となり上述した記
録媒体搬送速度に合わせた値が必要となる。以上の説明
では記録媒体押圧部材にコロ状の部品を用いて説明した
が、上述した押圧部材は球形の部材であってもよい。ま
た図1には押圧部材111を前後に1つずつしか示さな
かったが複数の押圧部材を用いればなお効果的である。
このようにインク浸透(吸収)速度の速いインクと印字
領域内強制押圧部材を組み合わせることにより吸収速度
の大きく異なる記録媒体に対応しつつ紙間小による画像
品位向上を達成できた。
【0040】以上、複数色インクを複数ヘッドを用いて
印字するカラープリンタについて説明したが、モノカラ
ープリンタについても考える。単色印字、特に黒印字の
場合濃度を高め画像品位を向上させるためにインク滴の
量を多めに設定する場合がある。一例としてインク滴1
ドット100plの場合を考えると20nl/mm2
なる。このように単色印字の場合にもインク吸収速度と
キャリッジ移動距離の関係から押圧部材と印字ヘッドと
の距離が決る。印字ヘッドが1つ搭載されているだけな
ので押圧部材間隔は図1のd1+d2になる。この間隔
より記録媒体のコックリング(吸収インクによる紙面の
凸凹)の周期が短ければ印字による紙面の凸凹部による
汚れがなく紙間を近付けることが可能になる。非塗工紙
のコックリング周期を1インチ前後とすると上記d1+
d2が1インチ以下になっていればよいことになる。表
1から、キャリッジ走査速度432mm/secのと
き、インクCの場合インク浸透時間は43.2msec
なので、このままでは紙面上のインクが上述した押圧部
材に転写してしまう。そこで間引き印字であるファイン
記録印字と併用して上述した押圧部材を使用する。
【0041】(ファイン記録方式の説明)カラー、モノ
クロを問わず高品位な画像を印字するに当っては、発色
性、階調性、一様性など様々な要素が必要となる。特に
一様性に関しては、印字ヘッド制作行程中に生じるわず
かなノズル単位のばらつきが、印字したときに、各ノズ
ルの吐出量や吐出方向に影響を及ぼし、最終的には印字
画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因とな
る。
【0042】濃度ムラの具体例を簡略化のため単色の印
字ヘッドの例で図3,図4を用いて説明する。図3
(A)において、91は印字ヘッドであり、簡単のため
8個のマルチノズル92により構成された場合を示す。
93はマルチノズル92によって吐出されたインクドロ
ップレットであり、通常はこの図のように揃った吐出量
で、揃った方向にインクが吐出されるのが理想である。
もし、このような吐出が行われれば、図3(B)に示し
たように紙面上に揃った大きさのドットが着弾され、全
体的にも濃度ムラの無い一様な画像が得られる。(図3
(C)) しかし、実際には先にも述べたようにノズル1つ1つに
はそれぞれバラツキがあり、そのまま上記と同じように
印字を行ってしまうと、図4(A)に示したようにそれ
ぞれのマルチノズル92より吐出されるインクドロップ
93の大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙面上におい
ては図4(B)に示すように着弾される。この図によれ
ば、ヘッド主走査方向に対し、周期的にエリアファクタ
ー100%を満たせない白紙の部分が生じたり、また逆
に必要以上にドットが重なりあったり、あるいはこの図
中央に見られる様な白スジが発生したりしている。この
ような状態で着弾されたドットの集まりはノズル並び方
向に対し、図4(C)に示した濃度分布となり、結果的
には、通常人間の目でみた限りで、これらの現象が濃度
ムラとして感知される。また、紙送り量のバラツキに起
因するスジも目立つ場合もある。そこでこの濃度ムラ、
つなぎスジ対策として、特開昭60−107975号に
モノクロのインクジェット記録装置において次のような
方法が考案されている。図5および図6によりその方法
を簡単に説明する。この方法によると図3および図4で
示した印字領域を完成させるのに印字ヘッド91を3回
スキャンしているが、その半分4画素単位の領域は2パ
スで完成している。この場合印字ヘッドの8ノズルは、
上4ノズルと、下4ノズルのグループに分けられ、1ノ
ズルが1回目のスキャンで印字するドットは、規定の画
像データを、ある所定の画像データ配列に従い、約半分
に間引いたものである。そして2回目のスキャン時に残
りの画像データへドットを埋め込み、4画素単位領域の
印字を完成させる。以上のような記録方式をファイン記
録法と称す。この記録法を用いると、図4で示した印字
ヘッドと等しいものを使用しても、各ノズル固有の印字
画像への影響が減少するので、印字された画像は図5
(B)のようになり、図4(B)に見えるような黒スジ
や白スジが余り目立たなくなる。従って濃度ムラも図5
(C)に示すように図4の場合と比べ、かなり緩和され
る。このような記録を行う際、1スキャン目と2スキャ
ン目では、画像データをある決った配列に従い互いに埋
め合わせる形で分割するが、通常この画像データ配列
(間引きパターン)とは図6に示すように、縦横1画素
毎に、丁度千鳥格子になるものを用いるのが最も一般的
である。従って、単位印字領域(ここでは4画素単位)
においては千鳥格子を印字する1スキャン目と、逆千鳥
格子を印字する2スキャン目によって印字が完成される
ものである。図6(A),(B),(C)はそれぞれこ
の千鳥、逆千鳥パターンを用いたときに一定領域の記録
がどのように完成されていくかを図3〜図5と同様、8
ノズルを持った印字ヘッドを用いて説明したものであ
る。まず1スキャン目では、下4ノズルを用いて千鳥パ
ターンの記録を行う(図6(A))。次に2スキャン目
には紙送りを4画素(全ノズルの1/2)だけ行い、逆
千鳥パターンの記録を行う(図6(B))。さらに3ス
キャン目には再び4画素(全ノズルの1/2)だけの紙
送りを行い、再び千鳥パターンの記録を行う(図6
(C))。このようにして順次4画素単位の紙送りと、
千鳥、逆千鳥パターンの記録を交互に行うことにより、
4画素単位の記録領域を1スキャン毎に完成させてい
く。以上説明したように、同じ領域内に異なる2種類の
ノズルにより印字が完成されていくことにより、濃度ム
ラの無い高画質な画像が得られることが可能である。
【0043】以上のような間引きマルチパス印字、4パ
スの場合なら1ライン中最大印字デューティーは25%
であるため表1に示される100%印字よりもインク浸
透時間が短縮される。デューティーが1/4のときイン
クCでもインク定着距離が4倍とれるとしたら、上述し
た距離d1+d2が20mm前後となりコックリング周
期以下で押圧部材を使用可能となる。このように間引き
マルチパルス印字を用いればその分インク定着時間がか
せげるため押圧部材間距離を短く設定でき、より高画質
化が可能となった。
【0044】また、本発明では押圧部材が常時記録媒体
に接触・圧接していると述べたが上述したコックリング
部以外では記録媒体に非接触で、コックリング部の記録
媒体が浮き出た部分のみ押圧する構成にしても構わな
い。
【0045】(第2実施例)本実施例の記録装置を図7
に示す。本実施例では各色の印字ヘッドを記録媒体搬送
方向に並べた方式を示す。本方式の場合、印字ヘッド1
K,1C,1M,1Yおよびキャリッジ201の横幅を
第一実施例の方式よりも小型化できる。その結果、印字
領域前後に配置する記録媒体押圧部材311を駆動して
いる印字ヘッドのすぐ近くに配設することが可能とな
る。記録媒体押圧部材311の位置が印字動作の位置に
近ければその分コックリング防止や紙間小による画像品
位向上に効果的である。そこで本実施例では距離d1
1,d22をより短くするために記録媒体押圧部材31
1の表面(記録媒体接触面)にインクが定着しにくいよ
うに撥水処理を施す。撥水材料についてはフッソ系の材
料等の塗布や混入があげられる。このように撥水効果の
ある押圧部材を用いることにより縦並びヘッドタイプで
の記録媒体押えがより効果的に達成でき画像品位が向上
した。
【0046】(第3実施例)本実施例の記録装置を図8
に示す。印字ヘッド1はあるシーケンスに従って回復装
置400(図11)の対向位置に移動し回復動作を行
う。一連の回復動作の中にはワイパー部材541(図1
1)により印字ヘッドのインク吐出面を拭き余分なイン
ク滴やゴミ等を除去するワイパークリーニングと呼ばれ
るシーケンスがある。このときのワイパーと上述した押
圧部材との位置関係を図9に示す。このワイパークリー
ニング動作時には上述した記録媒体押圧部材411のコ
ロ411aはワイパー541に接触すると逆に汚れたイ
ンクやゴミを押圧部材411のコロ411aに転写して
しまいかえって記録媒体12の表面を汚してしまう。そ
こで本実施例では上述した押圧部材411が印字範囲外
では記録媒体から退避し非接触状態になるような構成と
する。図8に示した例はワイパー取り付け部材上に突起
部511を設けた。この突起部511は、印字ヘッド1
が印字領域中にあるときは図8(A)のように押圧部材
411と紙間方向ではオーバーラップしているが上述し
た押圧部材411とは接触しない。次に印字ヘッドが印
字領域からワイパー部材方向に接近すると上述した突起
部511が押圧部材411と接触し記録媒体から離れる
方向に移動する。図8(B)のようにワイパー部材から
離れるためワイパー部材中のインクが付着したりするこ
とがない。またこのような退避機構は回復装置400に
設置してもよい。あるいは逆にワイパー、回復装置の方
が押圧部材411から離れる機構を用いても構わない。
または、上述した押圧部材がキャリッジ走査方向に移動
できるようにしておけば上記キャリッジがプリンタ装置
の左右端に移動したときに上述した押圧部材をキャリッ
ジ中に格納あるいは移動できることによりキャリッジ移
動範囲を縮小でき装置全体の大きさを小型化できる。こ
のときの様子を図10に示す。プリンタ装置の左右端あ
るいはキャリッジ走査範囲両端部130a,130bに
キャリッジが移動すると記録媒体押圧部材411は上述
の装置両端部あるいはキャリッジ走査範囲両端部に設け
られた押圧部材解除部(図10では上述の両端部が上述
した押圧部材解除部を兼ねている)により記録媒体押圧
部材はキャリッジ装置上部あるいはキャリッジ装置内部
に移動・格納される。このように上述した押圧部材の移
動・格納にはキャリッジ上に搭載されたソレノイド等の
電気機械変換器(図示しない)を用いてもよい。
【0047】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
(印字)ヘッド、記録装置(プリンタ)において優れた
効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の
高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0048】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0049】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0050】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0051】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0052】また、本発明のインクジェットプリンタの
構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を
行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出
手段を挙げることができる。
【0053】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0054】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0055】さらに加えて、本発明インクジェットプリ
ンタの形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように浸透・吸収性の高い
インクと印字領域中に配設された記録媒体押圧部材を組
み合わせたことにより、吸収性の著しく異なった記録媒
体に対応した印字記録装置を実現できた。また、記録媒
体搬送方向の前後にも押圧部材が配設可能になったので
記録紙の先端・後端余白が少なくなり記録領域の拡大が
可能になった。また、上記押圧部材を移動・退避可能な
構成としたことによりワイパークリーニング部材による
汚れ防止あるいは装置全体の小型化が可能になった。あ
るいは、間引きマルチパス印字方式をも用いることによ
り記録媒体押圧部材をコックリング周期に近付けて紙面
状の凸凹をより有効に押えることにより高画質化が達成
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の状態を示す正面図である。
【図2】第1実施例を示す押圧部材側面図である。
【図3】ファイン記録方法を示す模式図であり、(A)
はインクドットの吐出状態、(B)はインクドットの着
弾状態、(C)はインクドットの濃度分布を示す。
【図4】ファイン記録方法を示す図であり、(A)はイ
ンクドットの吐出状態、(B)はインクドットの着弾状
態、(C)はインクドットの濃度分布を示す。
【図5】ファイン記録方法を示す図であり、(A)はイ
ンクドットの吐出状態、(B)はインクドットの着弾状
態、(C)はインクドットの濃度分布を示す。
【図6】(A),(B),(C)はインクドット着弾状
態を示す模式図であり、千鳥,逆千鳥間引きパターンを
示す。
【図7】第2実施例の状態を示す正面図である。
【図8】第3実施例を示す押圧部材側面図であり、
(A)は印字領域内の状態、(B)は印字領域外の状態
を示す。
【図9】第3実施例の状態を示す正面図である。
【図10】押圧部材解除状態を表す正面図である。
【図11】従来例を示すプリンタ全体斜視図である。
【図12】従来例を示すキャリッジ系断面図である。
【図13】塗工紙、非塗工紙におけるインクの吸収特性
を示す線図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド 1K,1C,1M,1Y 印字ヘッド列 2,3 排紙ユニット 4 摺動軸 5 速度検知手段 6,7 ベルト 8 キャリッジ駆動モーター 9 ケーブル 9′ 供給ケーブル列 10 インクカートリッジ 10K,10C,10M,10Y インクカセット 11 コロ 12 記録媒体 13 紙押え板 111 記録媒体押圧部材 111a,111b コロ 120 1ライン中キャリッジ走査時印字領域 130a,130b キャリッジ走査範囲両端部 201 キャリッジ 211 記録媒体押圧部材 211a,211b コロ 311 記録媒体押圧部材 400 回復ユニット 411 記録媒体押圧部材 411a,411b コロ 420 キャップ列 500 インク受け部材 511 突起部材 L 紙間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後藤 史博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体への浸透・吸収を速めた組成の
    インクを吐出可能な複数のノズルを有する印字ヘッドを
    少なくとも1組搭載し、印字領域を移動するキャリッジ
    を有する記録装置において、 前記キャリッジ上に記録媒体押圧部材を前記印字領域内
    の記録方向前後左右に設け、印字動作直後に記録媒体を
    押圧保持することを特徴とするインクジェットプリン
    タ。
  2. 【請求項2】 前記インクの吸収による記録媒体表面上
    の凸凹状波打ち現象の前記キャリッジ走査方向周期Lよ
    りも短い間隔で前記記録媒体押圧部材対が配設されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプ
    リンタ。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体押圧部材の記録媒体接触部
    に撥水性を持たしたことを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記記録媒体押圧部材が記録媒体から離
    れる機構あるいは前記キャリッジ走査方向に移動可能で
    あることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記印字ヘッドは、前記インクを吐出す
    るために利用されるエネルギを発生する素子として、前
    記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電
    気熱変換体を有することを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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