JPH0760305A - 表面光沢の優れた冷延鋼板、その製造方法及びその製造 設備 - Google Patents
表面光沢の優れた冷延鋼板、その製造方法及びその製造 設備Info
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- JPH0760305A JPH0760305A JP22941093A JP22941093A JPH0760305A JP H0760305 A JPH0760305 A JP H0760305A JP 22941093 A JP22941093 A JP 22941093A JP 22941093 A JP22941093 A JP 22941093A JP H0760305 A JPH0760305 A JP H0760305A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は表面光沢の優れた冷延鋼板、その製
造方法及びその製造設備に関する。 【構成】 ストリップ１６はペイオフリール１で巻戻さ
れ、クリーニング３で洗浄され、入側ルーパー４を経
て、予熱帯５、直火加熱帯６、ラジアント・チューブ、
加熱帯７、ガスジェット冷却帯８で連続焼鈍され、間接
冷却装置９ａで冷却され、徐冷帯又はオーバーエイジン
グ帯１０、急冷帯１１で過時効処理され、酸洗槽１２で
表面清浄が行われる。２は溶接機である。ここでは酸洗
槽セクション最終で温水をストリップ１６にスプレー
し、上下ナイロンブラシロール１４に於いて表面洗浄を
行ない、鋼板表面に付着しているＳｉ、Ａｌの付着物を
除去される。 【構果】 調質圧延機１５のブライトロール１７の光沢
不良が防止出来る。
造方法及びその製造設備に関する。 【構成】 ストリップ１６はペイオフリール１で巻戻さ
れ、クリーニング３で洗浄され、入側ルーパー４を経
て、予熱帯５、直火加熱帯６、ラジアント・チューブ、
加熱帯７、ガスジェット冷却帯８で連続焼鈍され、間接
冷却装置９ａで冷却され、徐冷帯又はオーバーエイジン
グ帯１０、急冷帯１１で過時効処理され、酸洗槽１２で
表面清浄が行われる。２は溶接機である。ここでは酸洗
槽セクション最終で温水をストリップ１６にスプレー
し、上下ナイロンブラシロール１４に於いて表面洗浄を
行ない、鋼板表面に付着しているＳｉ、Ａｌの付着物を
除去される。 【構果】 調質圧延機１５のブライトロール１７の光沢
不良が防止出来る。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は表面光沢の優れた冷延鋼
板（狭義の冷延鋼板、ブリキ原板、その他各種の表面処
理、鍍金原板等を含む広義の冷延鋼板）、その製造方法
及びその製造設備に関する。
板（狭義の冷延鋼板、ブリキ原板、その他各種の表面処
理、鍍金原板等を含む広義の冷延鋼板）、その製造方法
及びその製造設備に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の冷延鋼板は種々の用途に多く使
用されており、その用途によっては鋼板の表面外観で商
品価値が大きく左右されるために、表面光沢の優れたも
のが強く要求されている。上記のような冷延鋼板の製造
方法としては、一般に、冷延鋼板の表面光沢の向上を図
るために、調質圧延機に使用するワークロールの粗度を
０．４５μｍ以下と小さくし、ドライ調質圧延を行う方
法が知られている。
用されており、その用途によっては鋼板の表面外観で商
品価値が大きく左右されるために、表面光沢の優れたも
のが強く要求されている。上記のような冷延鋼板の製造
方法としては、一般に、冷延鋼板の表面光沢の向上を図
るために、調質圧延機に使用するワークロールの粗度を
０．４５μｍ以下と小さくし、ドライ調質圧延を行う方
法が知られている。
【０００３】又、上記の方法で調質圧延機のワークロー
ル表面をブラシロール等により調質圧延中に研磨する方
法も知られている。更に、焼鈍後、調質圧延前に冷延鋼
板を電解処理して、鋼板表面に含水鉄酸化物を生成させ
て、その後ドライ調質圧延を行う方法も知られている
（特公昭５９−３７１２６号公報）。
ル表面をブラシロール等により調質圧延中に研磨する方
法も知られている。更に、焼鈍後、調質圧延前に冷延鋼
板を電解処理して、鋼板表面に含水鉄酸化物を生成させ
て、その後ドライ調質圧延を行う方法も知られている
（特公昭５９−３７１２６号公報）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法は冷延鋼板の表面光沢の向上にそれなりの効果が
あるが、次のような問題がある。調質圧延機に使用する
ワークロールの粗度を小さくする方法は、調圧量の増加
に伴い、ワークロールの粗度が粗くなり、光沢が劣化す
る。
た方法は冷延鋼板の表面光沢の向上にそれなりの効果が
あるが、次のような問題がある。調質圧延機に使用する
ワークロールの粗度を小さくする方法は、調圧量の増加
に伴い、ワークロールの粗度が粗くなり、光沢が劣化す
る。
【０００５】又、調質圧延機のワークロール表面をブラ
シロール等により調質圧延中に研磨する方法は、ブラシ
の選定、ブラシのワークロールへの押圧力などにより、
ワークロール研磨状況が変化し、製品の光沢の不均一が
発生しやすい。更に、特開昭５９−３７１２６号公報に
示すような方法は鋼板自体に塵埃が付着している場合は
電解処理しても、鋼板表面に含水鉄酸化物が不均一に生
成し易く、安定した表面光沢の優れた冷延鋼板の製造が
困難である。
シロール等により調質圧延中に研磨する方法は、ブラシ
の選定、ブラシのワークロールへの押圧力などにより、
ワークロール研磨状況が変化し、製品の光沢の不均一が
発生しやすい。更に、特開昭５９−３７１２６号公報に
示すような方法は鋼板自体に塵埃が付着している場合は
電解処理しても、鋼板表面に含水鉄酸化物が不均一に生
成し易く、安定した表面光沢の優れた冷延鋼板の製造が
困難である。
【０００６】本発明は以上のような問題点を解決するた
めに成されたものであり、表面光沢の優れた冷延鋼板、
その製造方法及びその製造設備を提供することを目的と
する。
めに成されたものであり、表面光沢の優れた冷延鋼板、
その製造方法及びその製造設備を提供することを目的と
する。
【０００７】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は冷
延鋼板の光沢度を低下させる原因について研究を重ねた
結果以下の知見を得て、本発明に到ったものである。 （１）連続焼鈍後、調質圧延前の冷延鋼板に粒径１０μ
ｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物が無数に付着している。
延鋼板の光沢度を低下させる原因について研究を重ねた
結果以下の知見を得て、本発明に到ったものである。 （１）連続焼鈍後、調質圧延前の冷延鋼板に粒径１０μ
ｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物が無数に付着している。
【０００８】図６は上記の冷延鋼板の顕微鏡拡大写真
（×６００倍）である。図６から明らかなように、冷延
鋼板の表面に不純物が無数に付着していることが判る。
また、この付着物の成分をエネルギー分散型分光器（Ｅ
ＤＳ呼称）で分析した結果を図７に示す。
（×６００倍）である。図６から明らかなように、冷延
鋼板の表面に不純物が無数に付着していることが判る。
また、この付着物の成分をエネルギー分散型分光器（Ｅ
ＤＳ呼称）で分析した結果を図７に示す。
【０００９】図７から不純物がＳｉ、Ａｌ成分を多く含
んでいることが判る。これらのことから、冷延鋼板表面
のＳｉ、Ａｌ成分を多く含んだ不純物は、連続焼鈍炉内
の断熱材に含まれている成分（Ａｌ2 Ｏ3 、ＳｉＯ2 ）
が大きく影響し、その他、鋼中成分、表面清浄材等から
の不純物も影響するものと推測される。（２）上記冷延
鋼板に付着している付着物をそのまま調質圧延するとワ
ークロールに付着物が付着して、ブライドルロール表面
を覆い、ワークロール表面が白色〜紫色〜茶色と経時的
に変色するため、圧延されるストリップの表面の光沢が
悪化してしまう。
んでいることが判る。これらのことから、冷延鋼板表面
のＳｉ、Ａｌ成分を多く含んだ不純物は、連続焼鈍炉内
の断熱材に含まれている成分（Ａｌ2 Ｏ3 、ＳｉＯ2 ）
が大きく影響し、その他、鋼中成分、表面清浄材等から
の不純物も影響するものと推測される。（２）上記冷延
鋼板に付着している付着物をそのまま調質圧延するとワ
ークロールに付着物が付着して、ブライドルロール表面
を覆い、ワークロール表面が白色〜紫色〜茶色と経時的
に変色するため、圧延されるストリップの表面の光沢が
悪化してしまう。
【００１０】本発明の対象とする冷延鋼板は種々の用途
に使用されても、それらの用途によって要求される鋼板
の表面外観が商品価値を保持出来るように、どんな用途
にも対応出来るものとし、本発明は鋼板表面の光沢度が
（Ｇｓ２０°）２００％以上で、表面粗さが０．４５μ
ｍＲａ以下である冷延鋼板とするものである。ここにお
いて、本発明の対象とする冷延鋼板は狭義の冷延鋼板、
ブリキ原板、その他各種の表面処理、めっき原板等を含
む広義の冷延鋼板である。
に使用されても、それらの用途によって要求される鋼板
の表面外観が商品価値を保持出来るように、どんな用途
にも対応出来るものとし、本発明は鋼板表面の光沢度が
（Ｇｓ２０°）２００％以上で、表面粗さが０．４５μ
ｍＲａ以下である冷延鋼板とするものである。ここにお
いて、本発明の対象とする冷延鋼板は狭義の冷延鋼板、
ブリキ原板、その他各種の表面処理、めっき原板等を含
む広義の冷延鋼板である。
【００１１】図１は本発明の冷延鋼板の光沢度と製品光
沢の評価との関係の実験結果を示す図である。この場
合、ブリキ原板、その他各種の表面処理、めっき原板等
はめっき状態等が表面粗さに左右されることから、表面
粗さを０．４５μｍＲａ以下として、実験を行ったもの
である。表面粗さが０．４５μｍＲａ超えではめっき状
態等に悪影響を与え、所定の光沢度を保持することが困
難であり、上記のようなブリキ原板等に使用することが
困難である。
沢の評価との関係の実験結果を示す図である。この場
合、ブリキ原板、その他各種の表面処理、めっき原板等
はめっき状態等が表面粗さに左右されることから、表面
粗さを０．４５μｍＲａ以下として、実験を行ったもの
である。表面粗さが０．４５μｍＲａ超えではめっき状
態等に悪影響を与え、所定の光沢度を保持することが困
難であり、上記のようなブリキ原板等に使用することが
困難である。
【００１２】下限には特に限定はないが実用的には０．
０３μｍＲａ程度である。評価は５段階で冷延鋼板のめ
っき後の光沢状況を目測によって評価した。 評価１：光沢 ×（商品価値なし） ２：光沢 ×〜△（商品価値が低い） ３：光沢 △〜○（商品価値が普通：光沢度を重要視し
ないもの対象） ４：光沢 ○ （商品価値が良好） ５：光沢 ◎ （商品価値が非常に良好）
０３μｍＲａ程度である。評価は５段階で冷延鋼板のめ
っき後の光沢状況を目測によって評価した。 評価１：光沢 ×（商品価値なし） ２：光沢 ×〜△（商品価値が低い） ３：光沢 △〜○（商品価値が普通：光沢度を重要視し
ないもの対象） ４：光沢 ○ （商品価値が良好） ５：光沢 ◎ （商品価値が非常に良好）
【００１３】図１から明らかなように、２００％未満で
は商品価値として十分でない。また、光沢度の上限につ
いては高い程良いが、光沢度が厳しく要求されるめっき
原版の場合でも光沢度（Ｇｓ２０°）７００〜１０００
％程度とする。
は商品価値として十分でない。また、光沢度の上限につ
いては高い程良いが、光沢度が厳しく要求されるめっき
原版の場合でも光沢度（Ｇｓ２０°）７００〜１０００
％程度とする。
【００１４】上記冷延鋼板を製造する方法として、連続
焼鈍後のストリップを酸洗液に浸漬せしめて表面洗浄を
行うとともに、その後水スプレーしながらブラシロール
に接触させて、その表面洗浄を行うものである。
焼鈍後のストリップを酸洗液に浸漬せしめて表面洗浄を
行うとともに、その後水スプレーしながらブラシロール
に接触させて、その表面洗浄を行うものである。
【００１５】連続焼鈍後のストリップを酸洗液に浸漬せ
しめて表面洗浄を行うのは、連続焼鈍等でストリップの
表面に付着した不純物を酸洗液でほぼ除去して、完全除
去を容易にすることによる。これにより、次の液体スプ
レーしながらブラシロールに接触させて表面洗浄を行う
ことが容易であり、確実に不純物を除去することが出来
る。液体スプレーとしては水スプレー、温水スプレー、
更には８５℃以上の熱水スプレーを用いることが出来
る。
しめて表面洗浄を行うのは、連続焼鈍等でストリップの
表面に付着した不純物を酸洗液でほぼ除去して、完全除
去を容易にすることによる。これにより、次の液体スプ
レーしながらブラシロールに接触させて表面洗浄を行う
ことが容易であり、確実に不純物を除去することが出来
る。液体スプレーとしては水スプレー、温水スプレー、
更には８５℃以上の熱水スプレーを用いることが出来
る。
【００１６】連続焼鈍、表面洗浄処理及び調質圧延を１
以上のラインで実施するものであり、連続焼鈍、表面洗
浄処理及び調質圧延を１ラインで実施する外に、表面洗
浄及び調質圧延を別ラインとして実施してもよい。
以上のラインで実施するものであり、連続焼鈍、表面洗
浄処理及び調質圧延を１ラインで実施する外に、表面洗
浄及び調質圧延を別ラインとして実施してもよい。
【００１７】又、連続焼鈍後、ストリップ表面を粒径１
０μｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物及び又はこれらの元素
を含んだ付着物が該ストリップ片面当り１万個／ｍ2 以
下になるように表面洗浄し、該ストリップにロール表面
粗さが０．３０μｍＲａ以下のスタンドの調質圧延機
で、シングルスタンドの場合は幅荷重を０．３Ｔ／ｍｍ
以上、ダブルスタンド以上の場合は各スタンドの幅荷重
の総和が０．３Ｔ／ｍｍ以上の圧下力で、ドライ調質圧
延を施すものとてある。この場合、ストリップを連続焼
鈍後、ブラシロールによってストリップ表面をブラッシ
ングすることが好ましい。
０μｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物及び又はこれらの元素
を含んだ付着物が該ストリップ片面当り１万個／ｍ2 以
下になるように表面洗浄し、該ストリップにロール表面
粗さが０．３０μｍＲａ以下のスタンドの調質圧延機
で、シングルスタンドの場合は幅荷重を０．３Ｔ／ｍｍ
以上、ダブルスタンド以上の場合は各スタンドの幅荷重
の総和が０．３Ｔ／ｍｍ以上の圧下力で、ドライ調質圧
延を施すものとてある。この場合、ストリップを連続焼
鈍後、ブラシロールによってストリップ表面をブラッシ
ングすることが好ましい。
【００１８】鋼板表面に粒径１０μｍ以下のＳｉ、Ａｌ
の付着物を鋼板片面当り１万個／ｍ2 以下にすることに
よって、調質圧延後の冷延鋼板の光沢度（Ｇｓ２０°）
２００％以上に保持することが出来る。この場合、５０
００個／ｍ2 以下にすることが好ましい。上記表面清浄
を行った後の調質圧延は圧延による光沢効果を増すため
に、ドライ調質圧延がよく、その調質圧延条件としては
伸長率を１〜３％の範囲とすることが出来る。
の付着物を鋼板片面当り１万個／ｍ2 以下にすることに
よって、調質圧延後の冷延鋼板の光沢度（Ｇｓ２０°）
２００％以上に保持することが出来る。この場合、５０
００個／ｍ2 以下にすることが好ましい。上記表面清浄
を行った後の調質圧延は圧延による光沢効果を増すため
に、ドライ調質圧延がよく、その調質圧延条件としては
伸長率を１〜３％の範囲とすることが出来る。
【００１９】又、形状と加工性を確保するために、シン
グルスタンドミルで調質圧延を行う場合は、シングルス
タンドのロール粗さを０．３０μｍ以下とし、幅荷重は
０．３Ｔ／ｍｍ〜１．０Ｔ／ｍｍとすることが好まし
い。尚、ダブルスタンドミルで調質圧延を行う場合は、
ダブルスタンドのロール粗さを０．３０μｍ以下とし、
各スタンドの幅荷重の総和が０．３Ｔ／ｍｍ〜１．０Ｔ
／ｍｍとすることが好ましい。上記のような圧下力で、
調質圧延を施し、光沢度（Ｇｓ２０°）２００％以上の
鋼板を安定して製造出来る。
グルスタンドミルで調質圧延を行う場合は、シングルス
タンドのロール粗さを０．３０μｍ以下とし、幅荷重は
０．３Ｔ／ｍｍ〜１．０Ｔ／ｍｍとすることが好まし
い。尚、ダブルスタンドミルで調質圧延を行う場合は、
ダブルスタンドのロール粗さを０．３０μｍ以下とし、
各スタンドの幅荷重の総和が０．３Ｔ／ｍｍ〜１．０Ｔ
／ｍｍとすることが好ましい。上記のような圧下力で、
調質圧延を施し、光沢度（Ｇｓ２０°）２００％以上の
鋼板を安定して製造出来る。
【００２０】本発明では表面清浄装置に酸洗槽を設け
て、連続焼鈍設備の冷却装置が直接冷却装置の場合は酸
洗液で表面清浄するようにし、間接冷却装置の場合は水
で表面清浄するようにして、上記製造方法を確実に効率
よく行わせることが出来る。叉、表面清浄装置は調質圧
延機の直前に設けても良い。この調質圧延機の直前に酸
洗槽を含む表面清浄装置を設ける時は、連続焼鈍設備、
過時効処理帯の雰囲気を酸化性としても良い。
て、連続焼鈍設備の冷却装置が直接冷却装置の場合は酸
洗液で表面清浄するようにし、間接冷却装置の場合は水
で表面清浄するようにして、上記製造方法を確実に効率
よく行わせることが出来る。叉、表面清浄装置は調質圧
延機の直前に設けても良い。この調質圧延機の直前に酸
洗槽を含む表面清浄装置を設ける時は、連続焼鈍設備、
過時効処理帯の雰囲気を酸化性としても良い。
【００２１】
【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明す
る。図２は冷延鋼板表面の顕微鏡拡大写真（×６００
倍）である。ここでは本発明の冷延鋼板は連続焼鈍後、
冷延鋼板の表面をナイロンブラシロールでブラッシング
したもので光沢度（Ｇｓ２０°）７００％、表面粗さが
０．３０μｍＲａである。前記した図６に示す従来の冷
延鋼板と比較すると明らかなように、鋼板表面の不純物
は非常に少なくなっていることが判る。
る。図２は冷延鋼板表面の顕微鏡拡大写真（×６００
倍）である。ここでは本発明の冷延鋼板は連続焼鈍後、
冷延鋼板の表面をナイロンブラシロールでブラッシング
したもので光沢度（Ｇｓ２０°）７００％、表面粗さが
０．３０μｍＲａである。前記した図６に示す従来の冷
延鋼板と比較すると明らかなように、鋼板表面の不純物
は非常に少なくなっていることが判る。
【００２２】従来の冷延鋼板はブラッシングしなかった
もので光沢度（Ｇｓ２０°）９０％、表面粗さが０．４
８μｍＲａあった。光沢度の測定はＪＩＳ Ｚ８７４１
により、光沢度計（ＤＲＯ３３グロス法）で測定した。
また、表面粗さ（Ｒａ）はＪＩＳ Ｂ０６０１で測定し
た。
もので光沢度（Ｇｓ２０°）９０％、表面粗さが０．４
８μｍＲａあった。光沢度の測定はＪＩＳ Ｚ８７４１
により、光沢度計（ＤＲＯ３３グロス法）で測定した。
また、表面粗さ（Ｒａ）はＪＩＳ Ｂ０６０１で測定し
た。
【００２３】図３は本発明の製造方法に用いる装置を連
続焼鈍ラインに適用した説明図である。ここでは連続焼
鈍、表面清浄及び調質圧延を連続的に行うようにしたも
のである。図３において連続焼鈍設備として、予熱帯
５、直火加熱帯６、ＲＴ加熱帯７、ガスジェット冷却帯
８、冷却装置９を備え、表面清浄として、酸化槽１２を
設け、酸化槽セクション最終で温水スプレー１３、上下
ナイロンブラシロール１４を備えている。１５は調質圧
延機である。ここでは冷却装置９は水冷ロールによる間
接冷却装置９ａを用いている。
続焼鈍ラインに適用した説明図である。ここでは連続焼
鈍、表面清浄及び調質圧延を連続的に行うようにしたも
のである。図３において連続焼鈍設備として、予熱帯
５、直火加熱帯６、ＲＴ加熱帯７、ガスジェット冷却帯
８、冷却装置９を備え、表面清浄として、酸化槽１２を
設け、酸化槽セクション最終で温水スプレー１３、上下
ナイロンブラシロール１４を備えている。１５は調質圧
延機である。ここでは冷却装置９は水冷ロールによる間
接冷却装置９ａを用いている。
【００２４】ストリップ１６はペイオフリール１で巻戻
され、クリーニング３で洗浄され、入側ルーパー４を経
て、予熱帯５、直火加熱帯６、ラジアント・チューブ
（ＲＴ呼称）加熱帯７、ガスジェット冷却帯８で連続焼
鈍され、間接冷却装置９ａで冷却され、徐冷処理帯（図
示しない）又はオーバーエイジング帯１０、急冷帯１１
で過時効処理され、酸洗槽１２で表面清浄が行われる。
され、クリーニング３で洗浄され、入側ルーパー４を経
て、予熱帯５、直火加熱帯６、ラジアント・チューブ
（ＲＴ呼称）加熱帯７、ガスジェット冷却帯８で連続焼
鈍され、間接冷却装置９ａで冷却され、徐冷処理帯（図
示しない）又はオーバーエイジング帯１０、急冷帯１１
で過時効処理され、酸洗槽１２で表面清浄が行われる。
【００２５】２は溶接機である。ここでは酸洗槽セクシ
ョン最終で温水をストリップ１６にスプレーし、上下ナ
イロンブラシロール１４に於いて表面洗浄を行ない、鋼
板表面に付着しているＳｉ、Ａｌの付着物を除去され
る。これによって、調質圧延機１５のブライトロール１
７の光沢不良が防止出来る。１８は巻取機である。
ョン最終で温水をストリップ１６にスプレーし、上下ナ
イロンブラシロール１４に於いて表面洗浄を行ない、鋼
板表面に付着しているＳｉ、Ａｌの付着物を除去され
る。これによって、調質圧延機１５のブライトロール１
７の光沢不良が防止出来る。１８は巻取機である。
【００２６】酸洗槽を含む表面清浄が徐冷処理帯又は過
時効処理帯の後に設けられる場合は、これらの雰囲気及
び／又は連続焼鈍帯の雰囲気は酸化雰囲気でも良い。
尚、本発明では調質圧延機前にストリップポリッシャー
にて鋼板の表裏面を洗浄することで、調質圧延機のブラ
イトロールの光沢不良を防止しても良い。
時効処理帯の後に設けられる場合は、これらの雰囲気及
び／又は連続焼鈍帯の雰囲気は酸化雰囲気でも良い。
尚、本発明では調質圧延機前にストリップポリッシャー
にて鋼板の表裏面を洗浄することで、調質圧延機のブラ
イトロールの光沢不良を防止しても良い。
【００２７】図４（ａ）、（ｂ）は本発明の冷延鋼板の
製造設備であり、（ａ）は表面清浄装置に酸洗槽を設け
て、連続焼鈍設備の冷却装置が直接冷却装置の場合であ
り、（ｂ）は連続焼鈍設備の冷却装置が間接冷却装置の
場合を示す図である。
製造設備であり、（ａ）は表面清浄装置に酸洗槽を設け
て、連続焼鈍設備の冷却装置が直接冷却装置の場合であ
り、（ｂ）は連続焼鈍設備の冷却装置が間接冷却装置の
場合を示す図である。
【００２８】（ａ）では連続焼鈍設備の冷却装置が水、
ミスト等による直接冷却装置の場合であり、ストリップ
１６はここで冷却されて、酸洗槽１２に入り、希硫酸
（３〜６％）又は希塩酸（１〜５％）の溶液に浸漬され
て、その表面に付着した不純物は十分に除去される。そ
の後、酸化槽セクション最終に設けられている水スプレ
ー１３、上下ナイロンブラシロール１４で、ブラッシン
グされる。このようにして表面清浄の行われた冷延鋼板
は無酸化雰囲気又は還元雰囲気の過時効処理を経て、調
質圧延機１５で調質圧延される。
ミスト等による直接冷却装置の場合であり、ストリップ
１６はここで冷却されて、酸洗槽１２に入り、希硫酸
（３〜６％）又は希塩酸（１〜５％）の溶液に浸漬され
て、その表面に付着した不純物は十分に除去される。そ
の後、酸化槽セクション最終に設けられている水スプレ
ー１３、上下ナイロンブラシロール１４で、ブラッシン
グされる。このようにして表面清浄の行われた冷延鋼板
は無酸化雰囲気又は還元雰囲気の過時効処理を経て、調
質圧延機１５で調質圧延される。
【００２９】（ｂ）では連続焼鈍設備の冷却装置がロー
ル冷却、非酸化性ガスによる冷却の間接冷却装置の場合
はであり、ストリップ１６はここで冷却されて、酸洗槽
１２に入る。この場合酸洗槽は酸洗液に代えて水張り
し、ストリップ１６は水洗されて、その後、酸化槽セク
ション最終に設けられている水スプレー１３、上下ナイ
ロンブラシロール１４で、ブラッシングされる。このよ
うにして表面清浄の行われた冷延鋼板は無酸化雰囲気又
は還元雰囲気の過時効処理を経て調質圧延機１５で調質
圧延される。
ル冷却、非酸化性ガスによる冷却の間接冷却装置の場合
はであり、ストリップ１６はここで冷却されて、酸洗槽
１２に入る。この場合酸洗槽は酸洗液に代えて水張り
し、ストリップ１６は水洗されて、その後、酸化槽セク
ション最終に設けられている水スプレー１３、上下ナイ
ロンブラシロール１４で、ブラッシングされる。このよ
うにして表面清浄の行われた冷延鋼板は無酸化雰囲気又
は還元雰囲気の過時効処理を経て調質圧延機１５で調質
圧延される。
【００３０】このように、本発明の製造設備を用いて、
本発明方法を実施して、鋼板表面に付着している粒径１
０μｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物はストリップ片面当り
１万個／ｍ2 以下に洗浄しつつ、ロールの光沢を維持し
ながら光沢度（ＧＳ２０°）２００％以上の冷延鋼板を
連続的、且つ安定して製造することが出来た。
本発明方法を実施して、鋼板表面に付着している粒径１
０μｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物はストリップ片面当り
１万個／ｍ2 以下に洗浄しつつ、ロールの光沢を維持し
ながら光沢度（ＧＳ２０°）２００％以上の冷延鋼板を
連続的、且つ安定して製造することが出来た。
【００３１】図５は上記のような本発明の方法によって
連続焼鈍後の冷延鋼板をブラッシングしたものと、比較
として、従来の方法のブラッシングしない鋼板を調質圧
延機のブライドルロール０．０３μｍＲａで調質圧延
し、ロール表面の光沢度（Ｇｓ２０°）の変化を調べた
もので、Ａが鋼板表面をブラッシングを行った本発明
例、Ｂがブラッシング処理しなかった従来例を示してお
り、ここでは、鋼板表面が光沢度（Ｇｓ２０°）７００
％の冷延鋼板を安定して製造することが出来る。一方、
従来例では圧延長さ５ｋｍで光沢度（Ｇｓ２０°）１０
０％を割り、ロール組替えしないと調質圧延を行うこと
が出来なかった。
連続焼鈍後の冷延鋼板をブラッシングしたものと、比較
として、従来の方法のブラッシングしない鋼板を調質圧
延機のブライドルロール０．０３μｍＲａで調質圧延
し、ロール表面の光沢度（Ｇｓ２０°）の変化を調べた
もので、Ａが鋼板表面をブラッシングを行った本発明
例、Ｂがブラッシング処理しなかった従来例を示してお
り、ここでは、鋼板表面が光沢度（Ｇｓ２０°）７００
％の冷延鋼板を安定して製造することが出来る。一方、
従来例では圧延長さ５ｋｍで光沢度（Ｇｓ２０°）１０
０％を割り、ロール組替えしないと調質圧延を行うこと
が出来なかった。
【００３２】これらを比較すると本発明の効果が明らか
に良いことが認められる。この場合の得られた冷延鋼板
の表面粗さは０．３０μｍＲａであった。これを錫めっ
き原版等として用いたが、商品価値が高く、非常に良好
であった。
に良いことが認められる。この場合の得られた冷延鋼板
の表面粗さは０．３０μｍＲａであった。これを錫めっ
き原版等として用いたが、商品価値が高く、非常に良好
であった。
【００３３】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、調質圧
延ロールへの微細なＳｉ、Ａｌの付着物のロール付着を
防止出来るので、それに起因するストリップ表面への悪
影響が回避できるので、表面光沢の優れた冷延鋼板を生
産性良く、連続的に安定して製造が可能であり、得られ
る冷延鋼板は光沢度を所定の値以上に確保したいるの
で、製品としての価値が高い。
延ロールへの微細なＳｉ、Ａｌの付着物のロール付着を
防止出来るので、それに起因するストリップ表面への悪
影響が回避できるので、表面光沢の優れた冷延鋼板を生
産性良く、連続的に安定して製造が可能であり、得られ
る冷延鋼板は光沢度を所定の値以上に確保したいるの
で、製品としての価値が高い。
【図１】本発明の冷延鋼板の光沢度と光沢評価との関係
を示す図である。
を示す図である。
【図２】本発明の冷延鋼板表面の顕微鏡拡大写真（×６
００倍）である。
００倍）である。
【図３】本発明の製造方法に用いる装置を適用した焼鈍
ラインの一実施例を示す図である。
ラインの一実施例を示す図である。
【図４】本発明の製造設備の要部の他の実施例を示す図
である。
である。
【図５】本発明の製造方法で得られる冷延鋼板の光沢度
の実験結果を示す図である。
の実験結果を示す図である。
【図６】従来の冷延鋼板表面の顕微鏡拡大写真である。
【図７】図６の不純物の成分のＥＤＳ分析結果を示す図
である。
である。
１ ペイオフリール ２ 溶接機 ３ クリーニング ４ 入側ルーバ ５ 予熱帯 ６ 直火加熱帯 ７ ＲＴ加熱帯 ８ ガスジェット冷却帯 ９ 冷却装置 ９ａ 間接冷却装置 ９ｂ 直接冷却装置 １０ オーバーエイジング帯 １１ 急冷帯 １２ 酸化槽 １３ 温水スプレー １４ 上下ナイロンブラシロール １５ 調質圧延機 １６ ストリップ １７ ブライトロール １８ 巻取機
Claims (11)
- 【請求項１】 鋼板表面の光沢度（Ｇｓ２０°）２００
％以上で、表面粗さが０．４５μｍＲａ以下である表面
光沢の優れた冷延鋼板。 - 【請求項２】 連続焼鈍後のストリップを酸洗液に浸漬
せしめて表面洗浄を行うとともに、その後液体スプレー
しながらブラシロールに接触させて、その表面洗浄を行
うことを特徴とする表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方
法。 - 【請求項３】 酸洗液が硫酸であることを特徴とする請
求項２記載の表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項４】 酸洗液が塩酸であることを特徴とする請
求項２記載の表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項５】 液体スプレーが８５℃以上の熱水スプレ
ーであることを特徴とする請求項２、請求項３又は請求
項４記載の表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項６】 連続焼鈍、表面洗浄処理及び調質圧延を
１以上のラインで実施することを特徴とする請求項２、
請求項３、請求項４又は請求項５記載の表面光沢の優れ
た冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項７】 連続焼鈍後、ストリップ表面を粒径１０
μｍ以下のＳｉ、Ａｌの付着物及び又はこれらの元素を
含んだ付着物が該ストリップ片面当り１万個／ｍ2 以下
になるように表面洗浄し、該ストリップにロール表面粗
さが０．３０μｍＲａ以下のスタンドの調質圧延機で、
シングルスタンドの場合は幅荷重を０．３Ｔ／ｍｍ以上
１．０Ｔ／ｍｍ以下、ダブルスタンド以上の場合は各ス
タンドの幅荷重の総和が０．３Ｔ／ｍｍ以上１．０Ｔ／
ｍｍ以下の圧下力で、ドライ調質圧延を施すことを特徴
とする請求項２、請求項３、請求項４、請求項５又は請
求項６記載の表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項８】 連続焼鈍後、ブラシロールによってスト
リップをブラッシングしながら表面清浄することを特徴
とする請求項７記載の表面光沢の優れた冷延鋼板の製造
方法。 - 【請求項９】 連続焼鈍設備、表面清浄装置、調質圧延
装置を配置してなる冷延鋼板の製造設備であって、前記
表面清浄装置に酸洗槽及び湯洗槽又は水洗槽を設けて、
連続焼鈍設備の冷却装置が直接冷却装置の場合は酸洗槽
に酸洗液を入れて、酸洗液で表面清浄するようにし、間
接冷却装置の場合は酸洗槽に水を入れて、水で表面清浄
するようにしたことを特徴とする冷延鋼板の製造設備。 - 【請求項１０】 連続焼鈍設備の冷却装置が直接冷却装
置とし、過時効装置又は徐冷装置の後に酸洗槽を配置し
たことを特徴とする請求項９記載の冷延鋼板の製造設
備。 - 【請求項１１】 請求項９において、連続焼鈍設備、過
時効装置又は徐冷装置の１以上の雰囲気を酸化雰囲気と
してなる冷延鋼板の製造設備。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22941093A JP3252553B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法及びその製造設備 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22941093A JP3252553B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法及びその製造設備 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0760305A true JPH0760305A (ja) | 1995-03-07 |
| JP3252553B2 JP3252553B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=16891788
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22941093A Expired - Fee Related JP3252553B2 (ja) | 1993-08-23 | 1993-08-23 | 表面光沢の優れた冷延鋼板の製造方法及びその製造設備 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3252553B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10209406B4 (de) * | 2001-09-21 | 2005-03-17 | Hitachi, Ltd. | Kontinuierliche Beiz- und Kaltwalzanlage und Verfahren zum Herstellen von kaltgewalztem Band |
| JP2012166254A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | San Alum Kogyo Kk | フレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法 |
| CN104894593A (zh) * | 2015-07-02 | 2015-09-09 | 傅宇晓 | 冷轧管材清洗液 |
| WO2018012939A1 (ko) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 주식회사 포스코 | 압연 설비 및 스테인리스 강판의 압연 방법 |
-
1993
- 1993-08-23 JP JP22941093A patent/JP3252553B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10209406B4 (de) * | 2001-09-21 | 2005-03-17 | Hitachi, Ltd. | Kontinuierliche Beiz- und Kaltwalzanlage und Verfahren zum Herstellen von kaltgewalztem Band |
| JP2012166254A (ja) * | 2011-02-16 | 2012-09-06 | San Alum Kogyo Kk | フレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法 |
| CN104894593A (zh) * | 2015-07-02 | 2015-09-09 | 傅宇晓 | 冷轧管材清洗液 |
| WO2018012939A1 (ko) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 주식회사 포스코 | 압연 설비 및 스테인리스 강판의 압연 방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3252553B2 (ja) | 2002-02-04 |
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|---|---|---|---|
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