JPH0760222A - 下水汚泥焼却灰からの有害物質溶出防止方法及びアスファルト皮膜化造粒物 - Google Patents

下水汚泥焼却灰からの有害物質溶出防止方法及びアスファルト皮膜化造粒物

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JPH0760222A
JPH0760222A JP5237500A JP23750093A JPH0760222A JP H0760222 A JPH0760222 A JP H0760222A JP 5237500 A JP5237500 A JP 5237500A JP 23750093 A JP23750093 A JP 23750093A JP H0760222 A JPH0760222 A JP H0760222A
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asphalt
incineration ash
sewage sludge
film
water
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JP5237500A
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Inventor
Yoshio Ogoshi
芳男 大越
Yuji Kobayashi
雄二 小林
Koji Takahashi
弘二 高橋
Zenichi Mashino
善一 間篠
Hajime Miyoshi
一 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的で、処理設備及び処理工程を簡素化で
きる下水汚泥焼却灰からの有害物質溶出防止方法を提供
する。 【構成】 粉末状の下水汚泥焼却灰に固化材及び水を添
加混合し、転動造粒法又は圧縮造粒法により造粒した
後、該造粒物の表面にアスファルト・水エマルジョンを
用いてアスファルト皮膜を形成させる。造粒物にアスフ
ァルト皮膜を形成した後、無機粉体を均一に付着させる
と、皮膜の剥離が防止され、信頼性をより向上させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水汚泥焼却灰から有
害物質の溶出を防止する方法及びアスファルト皮膜化造
粒物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】下水処理場から大量に発
生する汚泥(脱水汚泥、ケーキ状汚泥)はその量が膨大
なことから埋め立てのための土地確保が深刻な問題とな
っており、減容化が切望されている。そのため、埋め立
て地の確保がとりわけ困難な大都市では、汚泥を焼却す
るケースが主流となっている。従って、汚泥の焼却によ
り発生する灰の有効利用が重要な課題となってくるが、
なかでも多くを占める微粉末状の焼却灰は、飛散の問題
があることや有害物質(重金属類等)の溶出の問題が付
きまとうことから、特別なケースを除き直接有効利用さ
れるケースはなく、廃棄物として、管理された(生活環
境から遮断された)処分場で処分されている。この場
合、焼却灰に飛散防止の覆土を施し陸上で埋め立て処分
をするか、水面(海面)埋め立てによる処分をしてい
る。
【0003】このように、汚泥の焼却灰は廃棄物として
処分するにしても、飛散防止の点からそのままでは処分
できず、殊にその焼却灰を有効利用するためには浸透し
てくる水による有害物質の溶出の問題も考慮しなけられ
ばならず、何らかの2次的処理を施すことが必要となっ
てくる。
【0004】そこで、従来、汚泥の焼却灰の大量有効利
用を目的として下記のような試みがなされている。 焼却灰を高温加熱してガラス状に溶融スラグ化したの
ち、水で急冷又は徐冷することにより粒状物を形成し、
土木資材化する。 焼却灰をセメント等の水硬性物質を用いて固化処理
し、アスファルトやプラスチックを溶融皮膜化させ、土
木資材化する。
【0005】上記の方法によれば、焼却灰を溶融して
ガラス化させているので有害物質は溶出しにくくなり、
埋め戻し用土、路床材、路盤材等への有効利用が期待で
きる。しかし、この方法を利用した場合、焼却灰を溶融
させるために莫大なエネルギーコストを要し、しかも設
備費がかさむという問題がある。上記の方法によって
も、固化処理した焼却灰にアスファルトやプラスチック
の溶融皮膜を形成するために有害物質は溶出しにくくな
り、上記と同様、埋め戻し用土、路床材、路盤材等への
有効利用が期待できる。しかし、この方法は、皮膜化の
工程でアスファルトやプラスチックを溶融させるために
かなりのエネルギーコストを必要とし、また高温の溶融
アスファルトや溶融プラスチックを取り扱わなければな
らないため処理工程が煩雑になる上、処理設備が複雑化
する。更に、この方法で作製された皮膜化物は、環境温
度によっては処理機材等への付着あるいは皮膜化物どう
しの固着により皮膜が剥離し、有害物質が溶出するおそ
れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の実情に鑑みてなされたもので、特に上記の方
法における問題点を解決し、経済的で、しかも処理設備
及び処理工程を簡素化できる下水汚泥焼却灰からの有害
物質溶出防止方法を提供することをその課題とする。ま
た、本発明の別の課題は、皮膜化物の剥離に起因する上
記不具合を回避し、確実に有害物質の溶出を防止できる
下水汚泥焼却灰からの有害物質溶出防止方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、粉末状の下水汚
泥焼却灰に固化材及び水を添加混合し、転動造粒法によ
り造粒した後、該造粒物の表面にアスファルト・水エマ
ルジョンを用いてアスファルト皮膜を形成させることか
らなる下水汚泥焼却灰からの有害物質溶出防止方法が提
供される。また、本発明によれば、粉末状の下水汚泥焼
却灰に固化材及び水を添加混合し、圧縮造粒法により造
粒した後、該造粒物の表面にアスファルト・水エマルジ
ョンを用いてアスファルト皮膜を形成させることからな
る下水汚泥焼却灰からの有害物質溶出防止方法が提供さ
れる。また、本発明によれば、上記において、該造粒物
にアスファルト皮膜を形成した後、粒径1.4mm以下
の無機粉体を均一に付着させることを含む方法が提供さ
れる。また、本発明によれば、上記において、該無機粉
体として、下記の粒度分布を有するものを用いる方法が
提供される。 粒径(mm) 分布(重量%) 0.074以下 0〜 25 0.10 以下 5〜 35 0.15 以下 10〜 50 0.30 以下 25〜 80 0.50 以下 40〜 95 1.0 以下 80〜100 また、本発明によれば、上記において、該固化材とし
て、普通ポルトランドセメントを用いる方法が提供され
る。また、本発明によれば、下水汚泥焼却灰と固化材と
水との混合物からなる造粒物の表面に、アスファルト・
水エマルジョンを用いて形成したアスファルト皮膜を有
するアスファルト皮膜化造粒物が提供される。さらに、
本発明によれば、上記において、該アスファルト皮膜に
無機粉体が均一に付着しているアスファルト皮膜化造粒
物が提供される。
【0008】以下本発明の方法について詳述する。本発
明においては下水汚泥の焼却灰(以下、単に焼却灰とも
いう)が処理対象となる。この焼却灰の代表的なものと
しては、塩化鉄・石灰系焼却灰と高分子系焼却灰がある
が、本発明の処理対象はこれに限定されない。但し、焼
却灰の種類によっては粗大粒子を含む場合もあるので、
このような場合には緻密で均一な造粒物を得るため粉砕
や篩分けをするか、粒度の細かい種類の焼却灰を混合し
て調粒するのが望ましい。焼却灰は粉末状のものであれ
ばその粒径については特に制約はないが、粗大粒子を含
む場合にはその最大粒径は約1mm以下、より好ましく
は約0.5mm以下が望ましく、かつ粒度74μm以下
のものを5重量%以上、より好ましくは15重量%以上
含むのが望ましい。
【0009】本発明では、下水汚泥の焼却灰に固化材及
び水を添加混合して造粒し、造粒物の表面にアスファル
ト・水エマルジョンを被覆することにより造粒物にアス
ファルト皮膜を形成するが、造粒方法として転動造粒法
と圧縮造粒法を用いる。以下、各々の場合につき説明す
る。
【0010】先ず、転動造粒法を用いる方法について述
べる。この方法では、転動造粒に先立って、焼却灰を固
化材と混合する。固化材としてはセメントを使用するこ
とができ、その種類はどのようなものであってもよい
が、経済性の点から普通ポルトランドセメントが好まし
い。焼却灰と固化材の混合比は特に制約はないが、造粒
物の利用目的による目標強度と経済的観点から、一般的
には固化材を5〜30重量%程度混合させるのが好まし
い。また、焼却灰と固化材の混合は、例えば容器回転型
(Vブレンダー)、機械攪拌型(リボンブレンダー、ス
クリューミキサー等)、気流混合型、回転板点綴型等の
適宜の方式の混合機を利用して行うことができる。
【0011】次に、焼却灰と固化材の混合物を、適量の
水を散布して転動造粒する。この転動造粒には任意の方
式の転動造粒機を用いることができるが、水を散布する
ため皿型(パン型)転動造粒機の使用が最適である。回
転している転動造粒機に焼却灰・固化材混合物を連続的
に供給しながら水を散布すると、始めに小さな核が生成
し、それが次第に成長し、適当な粒径の造粒物となる。
造粒物の大きさは、焼却灰・固化材混合物の供給速度、
造粒機内滞留時間等により任意にコントロールできる
が、一般的な粒径は10〜30mmである。焼却灰・固
化材混合物に対する散布する水の割合は、焼却灰の種
類、粒度、固化材の混合割合等により変動するが、27
〜55重量%程度が好ましい。なお、塩化鉄・石灰系焼
却灰のように粗大粒子を含み調粒が必要な場合は、その
調粒の際に1〜4mm程度の粒度分のものを分別し、そ
れに水を散布するなどして予め湿らせて転動させておけ
ばそれが造粒核となり、そこに焼却灰・固化材混合物を
供給することで、より均質な造粒物を得ることができ
る。
【0012】転動造粒により造粒物を得た後、この造粒
物の表面にアスファルト・水エマルジョンを用いてアス
ファルト皮膜を形成する。アスファルト・水エマルジョ
ンとしては、アスファルトを水中に微細粒子として安定
に分散させたものであれば基本的にどのようなものでも
使用可能である。しかし、皮膜量を薄くするためにその
粘度ができるだけ低いもの、造粒物にエマルジョンが被
覆されたのちにスムーズにエマルジョンが壊れ、アスフ
ァルト粒子が容易に相互結着して連続した均一皮膜が形
成され易いもの、エマルジョンをつくる時に使用する分
散剤がアスファルト皮膜化造粒物から大量に溶出しない
ものが好ましい。このような要件を満たすものとして
は、市販のカチオン系あるいはノニオン系アスファルト
乳剤が挙げられる。アスファルト・水エマルジョンを用
いてアスファルト皮膜を形成する方法としては、例えば
造粒物をアスファルト・水エマルジョン中に浸漬し揺動
する方法、造粒物をネット上で揺動させながらアスファ
ルト・水エマルジョンを吹きつける方法を用いると容易
に皮膜形成が行えるが、これに限定されない。この場合
のアスファルト皮膜の形成メカニズムは次の通りであ
る。エマルジョンが造粒物を被覆すると、造粒物のアル
カリによりエマルジョンの安定性が失われ、アスファル
トと水が分離し易くなる。アスファルトと水が分離する
と、アスファルト粒子は相互に結着し始め、皮膜とな
る。一方、水の一部は造粒物中に吸収され、残りは皮膜
の表面に残留する。アスファルト皮膜の厚さは、アスフ
ァルト・水エマルジョンの性質(粘性、安定性等)によ
り決まるが、造粒物中に含まれる有害物質の溶出を効果
的に防止するためには0.2〜0.4mmの厚さが好ま
しい。
【0013】以上のようにしてアスファルト皮膜化造粒
物が得られるが、環境温度によってはアスファルト皮膜
が粘着性を示し、皮膜化造粒物どうしが相互に固着した
り、処理機材に付着したりしてその部分の皮膜が剥離す
るおそれがある。そこで、このような剥離を確実に防止
するために、本発明によれば、皮膜化造粒物の表面に無
機質材料からなる粉体(以下、無機粉体ともいう)を粉
がけ処理する工程を付加することができる。
【0014】粉がけに用いる無機粉体としては、通常の
砂のほか、採石細粒物、コンクリート粉砕物、焼却灰溶
融スラグ粉砕物、精錬スラグ粉砕物、鋳物廃砂、セラミ
ック(陶磁器、ガラス)粉砕物、砂質建設土砂等の産業
廃棄物も利用できる。粉がけに用いる無機粉体の粒径は
1.4mm以下であるのが好ましく、またその粒度分布
は下記の粒度分布(累積)を示すのが好ましい。 0.074mm以下 0−25重量% 好ましくは
3−15重量% 0.1 mm以下 5−35重量% 好ましくは
8−22重量% 0.15 mm以下 10−50重量% 好ましくは
15−37重量% 0.30 mm以下 25−80重量% 好ましくは
35−62重量% 0.50 mm以下 40−95重量% 好ましくは
55−85重量% 1.0 mm以下 80−100重量% 好ましくは
92−98重量% 無機粉体の粒度が細かすぎる場合は、皮膜形成時にアス
ファルト・水エマルジョンから分離した水の一部が無機
粉体中に浸透し、それが一種のバインダーとなりだんご
状に付着するものの無機粉体のアスファルト皮膜への食
い込みが不足し、付着した無機粉体が脱落しやすく、十
分な剥離防止効果が得られなくなる。また、粒度が大き
すぎると付着した粒子間の空隙部が大きくなり、アスフ
ァルトは常温では柔軟性があるためそこを通して皮膜ア
スファルトが空隙部に移動し、やはり十分な剥離防止効
果が得られなくなる。また、無機粉体のアスファルト皮
膜への付着量は無機粉体の粒度分布、造粒物の大きさに
より決まり、一義的には決まらないが、剥離防止効果が
十分でるような値に設定する。
【0015】無機粉体の粉がけは、例えば予め過剰の無
機粉体を皿型造粒機や円筒容器に入れ、それを回転させ
て無機粉体を揺動させておき、そこに皮膜化造粒物を投
入し転動させて行う。過剰の無機粉体は回収使用するこ
とができる。皿型造粒機を使用する場合には、無機粉体
の一部を、転動する造粒物にふりかけるとより効果的で
ある。また、無機粉体の皮膜化造粒物への付着をより確
実にするためには、付着が概ね完了した段階で、振動す
るネット上に移して転動させる。このようにすると、付
着した無機粉体のアスファルト皮膜への食い込みがよく
なり、堅牢な付着が達成できる。なお、粉がけ操作に使
用する容器は上記のほか、振動する容器を用いることも
できる。
【0016】次に、圧縮造粒法を用いる方法を述べる。
圧縮造粒法を用いる場合は、前述の転動造粒法の場合と
は、焼却灰の混合工程と造粒工程が異なるが、その他の
工程は同じであるので、ここでは混合工程と造粒工程に
ついてのみ説明する。
【0017】この方法では、圧縮造粒に先立って、焼却
灰を固化材及び水と混合する。固化材の種類、焼却灰と
固化材の混合比は、転動造粒の場合と同様である。添加
する水の量は、固化材による固化強度の発現を最大にす
るためには、圧縮造粒で最大の締め固め密度の得られる
量とすることが望ましいが、圧縮成型したときに水が排
出しない範囲であれば、必ずしもこれに制約されるもの
ではない。焼却灰と固化材と水の混合は、リボンミキサ
ー、パグミキサー、スクリューミキサー等の湿潤材料用
ミキサーを利用して行うことができる。
【0017】混合工程の後、焼却灰と固化材と水の混合
物は加圧圧縮成型により造粒される。加圧圧縮成型の原
理は、表面に成型物の母型であるポケットが刻まれた2
つのロールを反対方向に回転させ、ロール間に原料を供
給し、ロールの回転により圧縮成型するものである。該
混合物の加圧圧縮成型は、ブリケッティングマシン、タ
ブレッティングマシン、コンパクティングマシン等の成
型機を利用して行うことができる。加圧圧縮成型により
得られる造粒物の粒径は10〜30mmが適当である。
【0018】加圧圧縮成型により得られた造粒物は、転
動造粒法による場合と同様、その表面にアスファルト・
水エマルジョンを用いてアスファルト皮膜を形成する。
更に、アスファルト皮膜の剥離防止のため、前記と同
様、無機粉体を粉がけして皮膜表面に付着させる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を述べる。 実施例1 下記表1に示す高分子系焼却灰100重量部と普通ポル
トランドセメント7.5重量部を、Vブレンダーを用い
て混合し、その混合物を直径200mmの皿型造粒機に
供給し、散布機で水を散布しながら、直径10〜20m
mの造粒物を得た。
【0020】
【表1】
【0021】次に、この造粒物を網状のバスケットに入
れ、下記表2に示す性質を有する市販のカチオン系アス
ファルト乳剤であるアスファルト・水エマルジョン中に
浸漬させ、バスケットを揺動して造粒物の表面にアスフ
ァルト皮膜を形成した。
【0022】
【表2】
【0023】次に、前記と同じ仕様の造粒機内に、下記
表3のaに示す粒度分布を持つ砂を予め回転させてお
き、そこへアスファルト皮膜化造粒物を投入し、上部よ
り上記と同じ砂をふりかけながら、粉がけ処理を行っ
た。以上のようにして得られた最終造粒物の性状、特性
を表4に示す。なお、表4中、アスファルト皮膜厚は、
アスファルト乳剤に含まれるアスファルト分(蒸発残留
分)換算量をベースとして算出した平均皮膜厚であり、
無機質材料(砂)の付着量は、アスファルト皮膜形成前
の造粒物に対する重量比であり、圧縮強さは、作製直後
の非皮膜供試体(直径35mm、高さ20mmの円柱
体)の直径方向の圧潰強さ(7日材令)である。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】実施例2 実施例1においてカチオン系アスファルト乳剤の代わり
に表2に示す性質を有する市販のノニオン系アスファル
ト乳剤を用いた以外は同様にしてアスファルト皮膜化造
粒物を得て、実施例1と同様にして砂の粉がけ処理を行
った。最終造粒物の性状、特性を表4に併せて示す。
【0027】実施例3 実施例1において高分子系焼却灰の代わりに塩化鉄・石
灰系焼却灰を用いた以外は同様にして造粒物を得て、実
施例1と同様にしてアスファルト皮膜の形成、砂の粉が
け処理を行った。最終造粒物の性状、特性を表4に併せ
て示す。
【0028】実施例4 実施例2において高分子系焼却灰の代わりに塩化鉄・石
灰系焼却灰を用いた以外は同様にして皮膜化造粒物を得
て、実施例1と同様にして砂の粉がけ処理を行った。最
終造粒物の性状、特性を表4に併せて示す。
【0029】比較例1 実施例1においてアスファルト皮膜の形成及び砂の粉が
け処理をしなかった以外は同様にして、造粒物を得た。
【0030】比較例2 実施例3においてアスファルト皮膜の形成及び砂の粉が
け処理をしなかった以外は同様にして、造粒物を得た。
【0031】比較例3 実施例1で粉がけ処理に使用した砂そのもの。
【0032】実施例1〜4及び比較例1〜3において最
終的に得たもので常温下で養生した材令7日のものにつ
いて溶出試験を行った。その結果を表5に示す。表5に
おける溶出試験の方法A−7は、直径15〜20mmの
造粒物27〜35個を、重量比で10倍量のpH6の水
中に投入し、1日1回の割合で攪拌し、21日間水中に
維持した後、その水をJIS K0102−86の分析
方法で分析する方法、A−4はA−7の方法において攪
拌時に希硝酸を用いてpHを3.8〜4.0に調整する
こと以外は同様にして分析する方法、B−7及びB−4
の方法は、それぞれA−7及びA−4において造粒物の
代わりに粉がけ処理に使用した砂そのものを分析対象と
しA−7及びA−4に準じて分析する方法である。な
お、表5中Nは不検出(定量限界未満)であることを示
す。
【0033】
【表5】
【0034】以上の試験結果から、実施例1〜4のもの
は溶出液中にアスファルト乳剤の再溶出は認められず、
アスファルト乳剤によるアスファルトの皮膜化が効果的
に達成されており、かつ、有害物質の溶出も効果的に抑
えられていることがわかる。なお、アスファルト乳剤の
種類によっては有機物指標であるCOD値が若干高くな
ることが認められた。
【0035】また、実施例1〜4で得た最終造粒物につ
いて、作製直後及び溶出試験後にこれらを紙ヤスリ上で
擦り皮膜の安定性を調べた。その結果、いずれの最終造
粒物も、作製直後及び溶出試験後共に剥離性は全く見ら
れず、アスファルトは造粒物に堅牢に皮膜されているこ
とが分かった。
【0036】実施例5 実施例1において粉がけに使用する砂として表3のbに
示す粒度分布を持つ砂を用いた以外は同様にして最終造
粒物を得た。
【0037】実施例1及び実施例5の最終造粒物につい
て、これらを作製直後にそれぞれ直径76mmのプラス
チック製円筒容器に充填し、0.24kgf/cm2
相当する重しを載せ、載荷試験により固着性を調べた。
これらの実施例で粉がけに使用した砂は、その粒度分布
が、前記において好ましい粒度分布であるとして示した
範囲内にあり、載荷1日後の結果は全く固着性を示さ
ず、固着性に関し著しい改善がみられた。
【0038】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、アスフ
ァルト皮膜の形成を、常温で操作できるアスファルト・
水エマルジョンを用いて行うため、経済的であり、処理
設備、処理工程も簡素化できる。また、アスファルト・
水エマルジョンは溶融アスファルトと違って粘度が低い
ため、薄い均一な皮膜がスムーズに形成でき、アスファ
ルトの使用量も少なくてすむ。さらに、加熱を行わない
ので、発泡現象が生じないため、アスファルト皮膜にピ
ンホールができず、内部からの有害物質の溶出防止効果
が高いものとなる。請求項3及び4の発明によれば、ア
スファルト皮膜化造粒物に無機粉体を均一に付着させる
ため、アスファルト皮膜化造粒物同士の固着あるいはア
スファルト皮膜化造粒物の処理機材等への付着によるア
スファルト皮膜の剥離性が改善され、有害物質の溶出が
より効果的に防止される。請求項5の発明によれば、固
化材として普通ポルトランドセメントを用いるので、経
済性の点でより有利なものとなる。請求項7の発明によ
れば、下水汚泥焼却灰を有効利用し、かつ有害物質の溶
出が効果的に防止されたアスファルト皮膜化造粒物が提
供される。請求項6の発明によれば、剥離性が改善さ
れ、有害物質の溶出がさらに確実に防止されたアスファ
ルト皮膜化造粒物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B09B 3/00 301 T (72)発明者 小林 雄二 茨城県猿島郡総和町西牛谷755−5 (72)発明者 高橋 弘二 神奈川県横須賀市桜が丘2−4−16 (72)発明者 間篠 善一 埼玉県草加市瀬崎町1334−17 (72)発明者 三好 一 東京都小金井市本町4−13−4

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状の下水汚泥焼却灰に固化材及び水
    を添加混合し、転動造粒法により造粒した後、該造粒物
    の表面にアスファルト・水エマルジョンを用いてアスフ
    ァルト皮膜を形成させることからなる下水汚泥焼却灰か
    らの有害物質溶出防止方法。
  2. 【請求項2】 粉末状の下水汚泥焼却灰に固化材及び水
    を添加混合し、圧縮造粒法により造粒した後、該造粒物
    の表面にアスファルト・水エマルジョンを用いてアスフ
    ァルト皮膜を形成させることからなる下水汚泥焼却灰か
    らの有害物質溶出防止方法。
  3. 【請求項3】 該造粒物にアスファルト皮膜を形成した
    後、粒径1.4mm以下の無機粉体を均一に付着させる
    ことを含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該無機粉体として、下記の粒度分布を有
    するものを用いる請求項3に記載の方法。 粒径(mm) 分布(重量%) 0.074以下 0〜 25 0.10 以下 5〜 35 0.15 以下 10〜 50 0.30 以下 25〜 80 0.50 以下 40〜 95 1.0 以下 80〜100
  5. 【請求項5】 該固化材として、普通ポルトランドセメ
    ントを用いる請求項1〜4のいずれか一項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 下水汚泥焼却灰と固化材と水との混合物
    からなる造粒物の表面に、アスファルト・水エマルジョ
    ンを用いて形成したアスファルト皮膜を有するアスファ
    ルト皮膜化造粒物。
  7. 【請求項7】 該アスファルト皮膜に無機粉体が均一に
    付着している請求項6に記載のアスファルト皮膜化造粒
    物。
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