JPH075955B2 - 転炉ライニング補修装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鉄鋼業において、精錬反応に用いられる転炉の
炉壁耐火物の築造または補修用にかかる転炉ライニング
補修装置に関する。

〔従来の技術〕

転炉の炉壁耐火物（以下ライニングと云う）には多数の
定形耐火煉瓦が使用されており、その築造または補修に
は多くの人手を必要とし工費が嵩むために、前記定形耐
火煉瓦を能率的に炉内に搬入し補修を行う転炉ライニン
グ補修装置が開発され実用に供せられている。

たとえば特開昭49−8407号公報には第８図の概略縦断面
図に示すような転炉ライニング補修装置が開示されてい
る。

さて、第８図に示すように転炉１の上部に設けられた作
業床２には軌条3a,3bが設備されており、走行車輪4a,4b
を有する支持架台５は該軌条3a,3b上を前後進自在に移
動するように構成されている。

而して前記支持架台５の上面には環状軌条６が周設され
ており、転輪7a,7bを介してリング状台板８が回転自在
に搭載されている。

また前記リング状台板８の中央には煉瓦搬入用の垂直搬
送装置の１種であるトレーエレベータ９が転炉１の内腔
に向けて向けて垂下するように設けられ、さらに前記ト
レーエレベータ９の下端には耐火レンガを水平方向つま
り炉壁方向に搬送する水平コンベヤ装置10を備えた作業
台11が装着されている。

さらに前記リング状台板８には受け入れた耐火煉瓦をト
レーエレベータ９に供給する搬送コンベヤたとえばロー
ラコンベヤ12が設けられ、また前記支持架台５の外縁に
は支持アーム13a,13bで支持された多数のローラを列設
してなる環状のリングコンベヤ14が周設されており、フ
レーム（図示せず）によって前記作業床２に装着された
耐火煉瓦搬送装置15から供給される耐火煉瓦16は前記耐
火煉瓦搬送装置15とリングコンベヤ14間および該リング
コンベヤ14とローラコンベヤ12の間は主として人手によ
って移送され、ついでトレーエレベータ９に受け渡しさ
れる。

而して説明の都合上、各装置の駆動や制御装置は図示を
省略する。

前記第８図の転炉耐火ライニング補修装置はあらかじめ
炉外においてプログラム化された築造順に従って個々に
送給される耐火煉瓦を順に積むことが可能なので築造作
業を極めて能率的に行うことができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前記リングコンベヤ、搬送コンベヤおよび垂直搬送装置
からなる煉瓦搬送機構は極めて能率的な設備であるが、
近時次に述べるような課題が生じてきた。

その１つは耐火ライニングの寿命を延ばすために耐火煉
瓦の個々の寸法が大型化し、単量で40〜80kgに及ぶよう
な耐火煉瓦を採用するようになったこと。

その２は耐火煉瓦として耐火度が高く寿命の長いマグネ
シア・カーボン煉瓦など表面が滑らかでハンドリングが
容易でない特質を有する耐火煉瓦の種類が多くなったこ
と。

その３は耐火煉瓦として長さ方向の寸法の大きい、いわ
ゆる長尺物たとえば1000〜1200mm以上の長さを有する耐
火煉瓦を用いるようになったこと。

その４は築造に要する作業期間を短縮し、生産性を向上
させるため、煉瓦の搬送時間を大幅に短縮することを目
標としてリングコンベヤを始めとする搬送設備の速度を
最大限に上昇するように要求され始めたことなどであ
る。

そこで本発明者等は前記搬送設備について能率の向上と
省力化を図るため第９図の概略平面図に示すような搬送
設備を開発した。

第９図に示すようにトレーエレベータからなる垂直搬送
装置9aの前面には細幅複列のベルト型搬送コンベヤ17
（以下ベルトコンベヤと云う）を設け、該ベルトコンベ
ヤ17と垂直搬送装置9a（以下実施例に従ってトレーエレ
ベータと云う）間に破線で示す煉瓦移乗装置18を設け煉
瓦の乗り移りが自動的に行えるように構成した。

また回動ローラ19を列設してなるリングコンベヤ20と前
記ベルトコンベヤ17間には、破線で示す煉瓦掻き込み装
置21を設け、さらにベルトコンベヤからなる耐火煉瓦搬
送装置22（以下供給ベルトコンベヤと云う）と前記リン
グコンベヤ19間には破線で示すように煉瓦押し込み装置
23を設け、人手を借りることなく煉瓦の搬送が出来るよ
う設備した。かかる装置において、耐火煉瓦24aは供給
ベルトコンベヤ22で搬送され24bの位置において気圧又
は油圧プッシャーからなる煉瓦押し込み装置23によって
位置24cに示すようにリングコンベヤ20上に移される。

次にリングコンベヤ20から掻き込み用のシリンダー装置
を備えた煉瓦掻き込み装置21によりベルトコンベヤ17上
において24dで示す位置に掻き込まれ、ついでベルトコ
ンベヤ17により噛合交叉型の煉瓦移乗装置18まで運ばれ
該煉瓦移乗装置18を介しトレーエレベータ16を経て転炉
炉底まで搬送される。

而して前記トレーエレベータ16、煉瓦移乗装置18、ベル
トコンベヤ17はリング状台板25（以下台板と云う）に装
着されており、かつ該台板25は転輪および支持架台（と
もに図示せず）によって回動自在に支承されており、駆
動装置（図示せず）によって築造手順に従って、たとえ
ば第10図のように回動する。

この場合、耐火煉瓦24fは前述と同様に煉瓦押し込み装
置23によってリングコンベヤ20上の位置24gに押し出さ
れ、ついで回動ローラ19によって、煉瓦掻き込み装置21
の前面位置24hに達した時点で、ベルトコンベヤ17上に
掻き込まれ、位置24iに達したのち煉瓦移乗装置18によ
りトレーエレベータ16に移される。

ところで、本発明者等はかかる搬送装置を試作し煉瓦搬
送について実験を繰り返した結果、次のような問題点の
あることが判明した。

たとえば175トン転炉における煉瓦所要数はパーマ煉瓦
で約15,000個、ウエア煉瓦で7,800個が必要であり、こ
のため煉瓦の搬送は５秒に１個、しかも±0.2秒以下の
誤差で送給しないと総ての機器のマッチングがうまく行
かない。

しかるに回動ローラ19による搬送では耐火煉瓦と回動ロ
ーラ間に発生する滑りや回動ローラ19の起動、停止、回
動速度制御の諸要因により、搬送時間に少なからざる差
異が生じて、前期煉瓦掻き込み装置21、煉瓦移乗装置18
の前面において著しい渋滞が生じ、搬送設備として円滑
な運転ができず、種々調整を試みたが、回動ローラ19を
用いるリングコンベヤ20では搬送時間が長く作業余裕時
間が充分ある場合を除いて搬送時間を正確に設定するこ
とは極めて困難であることが判った。

本発明は耐火煉瓦の搬送時間が極めて正確に行われ、築
造能率が高い転炉ライニング補修装置を提供することを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は前記問題点を解決し、目的を達成するため、外
縁の囲繞するリングコンベヤと該リングコンベヤの内側
に設けられた垂直搬送装置と前記リングコンベヤと垂直
搬送装置間に配設された搬送コンベヤを有する支持架台
と、該支持架台を回動自在に支承すると共に転炉炉口上
に移動自在に乗架された台盤からなる転炉ライニング補
修装置において、前記リングコンベヤが円筒状ウエブに
平板リングを固着し断面Ｔ字状とした受台を備えかつ前
記円筒状ウエブを駆動する駆動装置を有し、支持架台に
対し方向自在に回動するよう構成されていることを特徴
とし、さらにリングコンベヤが平板リングの裏面に当接
転動する受ローラを備えた複数の支持架台で支承されて
いる構成のものであり、さらに加えて、駆動装置が受台
の円筒状ウエブに当接転動するフリクションローラを備
え、かつ前記フリクションローラを円筒状ウエブに押圧
する押圧力付加装置を有するものであることを特徴とす
る。

〔作用〕

本発明の転炉ライニング補修装置はリングコンベヤが円
筒状ウエブに平板リングを固着し断面Ｔ字状とした受台
を備えており、送給される耐火煉瓦を受け入れ順に正確
に所望位置に搬送でき、かつ搬送時間の狂いが全く無い
ので、各種搬送機器たとえば煉瓦押し込み装置、煉瓦掻
き込み装置、および搬送コンベヤ、煉瓦移乗装置、垂直
搬送装置などの諸機器における煉瓦受け渡しに渋滞が生
ずる原因を解消することができる。

またリングコンベヤは、円筒状ウエブを駆動する駆動装
置を備え支持架台に対し方向自在に回動するよう構成さ
れているので、築造作業に最も適した最短時間内で耐火
煉瓦を搬送することが可能になる。

〔実施例〕

第１図は本発明にかかるリングコンベヤ26の概略平面図
で、平板リング27と破線で示す円筒状ウエブ28で構成さ
れた受台29は支承架台30a〜30eを介して水平方向におい
て回動自在に支承されており、駆動装置31によって回動
方向自在に駆動される。

32は前記支承架台30a〜30eおよび駆動装置を搭載した支
持架台で、リングコンベヤ26は図で明らかなように該支
持架台32の外縁を囲繞する状態で支持されている。

次に33は垂直搬送装置で本実施例では図に示すようにト
レーエレベータであり、支持架台32の偏心位置に設備さ
れている。

このように支持架台32の偏心位置つまり転炉（図示せ
ず）に対しても同様に偏心した位置にトレーエレベータ
33を設けると底吹羽口レンガ（図示せず）や築造用治工
具等の搬出入が自由に実施できる利点がある。

また34は搬送コンベヤで本実施例では複列細幅ベルトコ
ンベヤとして構成されているが複列細幅チェーンコンベ
ヤを採用しても良い。

次に、第２図、第３図は前記支承架台30a〜30eの概略正
面図および概略説明図であって、受ローラ35a,35bは支
持架台32に固定された軸受金具36a,36bに回動自在に支
持され、平板リング27の裏面27aに当接して転動する。

さらに第３図に示す旋回ガイドローラ37は円筒状ウエブ
28に当接転動し、受台29の揺れを防止する。なお、38は
該旋回ガイドローラ37の軸受金具である。

次に、第４図は前記駆動装置31の概略正面図で、フリク
ションローラ39は支持軸40に固定され、該支持軸40は軸
受ボックス41を介して回動自在に軸支されている。

さらに前記軸受ボックス41は回動自在なアーム板42によ
って支持されており、また前記支持軸40の下端にはチェ
ーンホイール43が固着され、駆動チェーンホイール44に
よって該チェーンホイール43を介して該支持軸40が回動
される結果、前記フリクションローラ39が回転し、受台
29は回動する。

而して、45は駆動用原動機で、チェーンホイール46,47
およびチェーン48からなる動力伝達機構49を介して前記
駆動チェーンホイール44を駆動する。

さて、前記フリクションローラ39は受台29の円筒状ウエ
ブ28との接触によって生ずる反力により図に向って左方
に押され摩擦力が低下し、何等かの押圧力を加えない限
り動力伝達は困難である。

50は押圧力付加装置で、その構成部材の自在継手51はピ
ン52を介して前記アーム板42と回動自在に接続され、か
つ押圧シリンダー53、軸受装置54を介して支持金具55に
より揺動可能に支持されている。

前記押圧力付加装置50は前述の実施例に限ることなく長
さ調節可能であれば単一のロッドを用いることも出来る
が、その場合はフリクションローラ39は弾性材質のもの
たとえばゴム質で微小な動きを吸収できるものを採用す
ることが望ましい。

次に第５図は前記駆動装置31の概略平面図で説明の都合
上平板リング27は仮想線（二点鎖線）で示す。

前記アーム板42は軸受装置56を介して回動可能に支承さ
れているので、押圧力付加装置50の作動により円筒状ウ
エブ28の方向に常時押しつけられ、その結果フリクショ
ンローラ39は該円筒状ウエブ28に設定圧力で押しつけら
れる。

次に、第６図は本発明にかかるリングコンベヤ26の概略
平面図で、耐火煉瓦24aは第９図で説明した例と全く同
様に24b〜24eの位置で示すように正確なタイミングで搬
送される。

また第７図は築造手順が進行するに追随してトレーエレ
ベータ9aを半旋回させた状況を示すもので、耐火煉瓦24
aはリングコンベヤ26により24f〜24kの位置に正確なタ
イミングで第６図の場合と全く同様に搬送される。

即ち前記供給ベルトコンベヤ22からトレーエレベータ9a
に至るまで、制御攪乱要因が除かれたため、たとえばパ
ーマネント煉瓦のように170〜230mm長さの短尺煉瓦を４
〜５個１グループとして送給する場合も単位煉瓦が従来
のようにバラバラに***し、人手を介して整列すること
が必要になる例は全く無く、すべて１グループとして整
然と搬送することが出来る。

〔発明の効果〕

本発明の転炉ライニング補修装置は耐火煉瓦の長短およ
び軽重に関係なく、正確なタイミングでしかも迅速安全
に人手を必要とすること無く所望個所に耐火煉瓦を搬送
できるうえに、装置として騒音が少なく、制御し易いの
で、その実用効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるリングコンベヤの概略平面図、
第２図は支承架台の概略正面図、第３図は旋回ガイドロ
ーラの概略説明図、第４図、第５図は駆動装置の概略正
面図および概略平面図、第６図、第７図は本発明にかか
るリングコンベヤによる耐火煉瓦搬送状況説明図、第８
図は従来の転炉ライニング補修装置の概略縦断面図、第
９図、第10図は従来のリングコンベヤによる耐火煉瓦搬
送状況説明図である。 〔符号の説明〕 １……転炉、２……作業床、3a,3b……軌状、4a,4b……
走行車輪、５……支持架台、６……環状軌状、7a,7b…
…転輪、８……リング状台板、9,9a……トレーエレベー
タ、10……水平コンベヤ装置、11……作業台、12……ロ
ーラコンベヤ、13a,13b……支持アーム、14……リング
コンベヤ、15……耐火煉瓦搬送装置、16……耐火煉瓦、
17……ベルトコンベヤ、18……煉瓦移乗装置、19……回
動ローラ、20……リングコンベヤ、21……煉瓦掻き込み
装置、22……供給ベルトコンベヤ、23……煉瓦押し込み
装置、24a……耐火煉瓦、24b〜24k……耐火煉瓦の移動
位置、25……リング状台板、26……リングコンベヤ、27
……平板リング、28……円筒状ウエブ、29……受台、30
a〜30e……支承架台、31……駆動装置、32……支持架
台、33……トレーエレベータ、34……搬送コンベヤ、35
a,35b……受ローラ、36a,36b……軸受金具、37……旋回
ガイドローラ、38……軸受金具、39……フリクションロ
ーラ、40……支持軸、41……軸受ボックス、42……アー
ム板、43……チェーンホイール、44……駆動チェーンホ
イール、45……駆動用原動機、46,47……チェーンホイ
ール、48……チェーン、49……動力伝達機構、50……押
圧力付加装置、51……自在継手、52………ピン、53……
押圧シリンダー、54……軸受装置、55……支持金具

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外縁を囲繞するリングコンベヤと該リング
   コンベヤの内側に設けられた垂直搬送装置と前記リング
   コンベヤと垂直搬送装置間に配設された搬送コンベヤを
   有する支持架台と、該支持架台を回動自在に支承すると
   共に転炉炉口上に移動自在に乗架された台盤からなる転
   炉ライニング補修装置において、前記リングコンベヤが
   円筒状ウエブに平板リングを固着し断面Ｔ字状とした受
   台を備えかつ前記円筒状ウエブを駆動する駆動装置を有
   し、支持架台に対し方向自在に回動するよう構成されて
   いることを特徴とする転炉ライニング補修装置。
2. 【請求項２】リングコンベヤが平板リングの裏面に当接
   転動する受ローラを備えた複数の支承架台で支承されて
   いる特許請求の範囲第１項記載の転炉ライニング補修装
   置。
3. 【請求項３】駆動装置が受台の円筒状ウエブに当接転動
   するフリクションローラを備え、かつ前記フリクション
   ローラを円筒状ウエブに押圧する押圧力付加装置を有す
   る特許請求の範囲第１項記載の転炉ライニング補修装
   置。