JPH0757761B2 - β−グルカンとその製造方法及び用途 - Google Patents

β−グルカンとその製造方法及び用途

Info

Publication number
JPH0757761B2
JPH0757761B2 JP59044573A JP4457384A JPH0757761B2 JP H0757761 B2 JPH0757761 B2 JP H0757761B2 JP 59044573 A JP59044573 A JP 59044573A JP 4457384 A JP4457384 A JP 4457384A JP H0757761 B2 JPH0757761 B2 JP H0757761B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ganodelan
formula
glucan
ganoderan
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP59044573A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60188402A (ja
Inventor
旭 三崎
良昭 曽根
幹彦 吉田
叶 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK filed Critical Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Priority to JP59044573A priority Critical patent/JPH0757761B2/ja
Priority to US06/708,057 priority patent/US4769363A/en
Publication of JPS60188402A publication Critical patent/JPS60188402A/ja
Publication of JPH0757761B2 publication Critical patent/JPH0757761B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
    • C08B37/0024Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid beta-D-Glucans; (beta-1,3)-D-Glucans, e.g. paramylon, coriolan, sclerotan, pachyman, callose, scleroglucan, schizophyllan, laminaran, lentinan or curdlan; (beta-1,6)-D-Glucans, e.g. pustulan; (beta-1,4)-D-Glucans; (beta-1,3)(beta-1,4)-D-Glucans, e.g. lichenan; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/04Polysaccharides, i.e. compounds containing more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic bonds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Fertilizers (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、化学工業、食品工業、医薬品工業などの幅広
い用途を持つ、新規なβ−グルカン(ガノデラン)と、
その製造方法及び用途に関するものである。
本発明の新規なβ−グルカン(ガノデラン)は、繰り返
し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
る整数を示す。) で表わされる新規なβ−グルカンであって、例えば、ガ
ノデルマ属に属する微生物の培養物から分離、採取する
ことができる。
β−グルカンのある種のものは、血糖低下作用、コレス
テロール低下作用、細胞性免疫機構を介しての抗腫瘍作
用などの生理作用を示すことが知られており、医薬若し
くはその原料として注目されている。
なかでも、悪性腫瘍に対して抗腫瘍活性を示し、抗腫瘍
剤として注目されているβ−グルカンとしては、例え
ば、H.Saito et al.,Agr.Biol.Chem.,Vol.32,1261−126
9(1968)で報告されているポリア・ココス・ウオルフ
(Poria cocos Wolf)の子実体からのパキマン(Pachym
an)、T.Sasaki et al.,Carbohydrate Res.,Vol.47,99
−104(1976)で報告されているシイタケ(Lentinus ed
odes Berk)の子実体からのレンチナン(Lentinan)、
K.Tabata et al.,Carbohydrate Res.,Vol.89,121−135
(1981)で報告されているシゾフイラム・コミユン)Sh
izophyllum commune)の培養物からのシゾフイラン(Sh
izophyllan),A.Misaki et al.,Carbohydrate Res.,Vo
l.92,115−129(1981)で報告されているキクラゲの子
実体からのβ−グルカンなどがある。これらのβ−グル
カンは、D−グルコピラノース残基がβ−1,3結合した
主鎖を有し、これのC−6位の所々を分岐点としてD−
グルコピラノース残基がβ−1,6結合した短かい側鎖を
有しており、抗腫瘍剤などとして医薬品工業に利用され
ている。
本発明者等は、用途が医薬品工業のみならず、食品工
業、化学工業など、その他多くの工業分野にも利用でき
る新しいβ−グルカンの開発を目的に鋭意研究した。
その結果、ガノデルマ(Ganoderma)属に属する微生物
の培養物中に、D−グルコピラノース残基が主鎖として
β−1,3結合しており、その所々のD−グルコピラノー
ス残基のC−6位からD−グルコピラノース残基1個の
側鎖が、また、C−2位からD−グルコピラノース残基
2乃至4個の側鎖がそれぞれ分岐し、後者の側鎖中には
β−1、4結合を持っている新規構造のβ−グルカンを
見いだした。
従来、ガノデルマ属に属する微生物からの多糖類につい
ては、多数の報告が見られるが、そのほとんどは、子実
体からの抽出物である。例えば、T.Usui et al.,Garboh
ydrate Res.,Vol.115,273−280(1983)においては、コ
フキサルノコシカケ(Ganoderma applanatum)の子実体
を熱水抽出して、β−1、3グルカンにおける主鎖のD
−グルコピラノース残基3個に1個の割合でD−グルコ
ピラノース残基1個の側鎖についたβ−グルカンが、ま
た、T.Ukai et al.,Carbohydrate Res.,Vol.105,237−2
45(1982)においては、マンネンタケ(Ganoderma japo
nicum LLOYD)の子実体を1N−カセイソーダで抽出し
て、D−グルコピラノース残基30個に1個の割合でD−
グルコピラノース残基1個の側鎖についたβ−グルカン
が、更に、T.Miyazaki et al.,Carbohydrate Res.,Vol.
109,290−294(1982)においては、ガノデルマ・ルチダ
ム(Ganoderma lucidum)の子実体を0.1Mカセイソーダ
で抽出して、フコース、キシロース、マンノースがモル
比1:1:1からなるヘテロ多糖類が報告されている。
しかしながら、いずれも、本発明のβ−グルカンとは、
明らかに異なっている。そこで、本発明者等は、この新
規なβ−グルカンをガノデラン(Ganoderan)と命名し
た。
このガノデランは、次のような性質から、新規なβ−グ
ルカンであることが認められる。
(1) 均一性 超遠心および電気泳動で均一 (2) 元素分析 実測値 C=44.5%、H=6.1% N<0.1% 灰分<0.01% 計算値 C=44.4%、H6.17% (3) 溶解性 凍結乾燥品は25℃の水に易溶であるが、加熱乾燥品は25
℃の水に難溶である。
0.5N−カセイソーダ、ジメチルスルホキシドに易溶。
メタノール、エタノール、アセトン、クロロホルムおよ
び酢酸エチル等の有機溶媒には不溶。
(4) 物性 白色乃至淡黄色、無味、無臭。
水溶液は、ほぼ中性乃至微酸性。
(5) 呈色反応 アントロン−硫酸反応 陽性 フエノール−硫酸反応 陽性 カルバゾール反応 陰性 ヨード反応 陰性 (6) 赤外線吸収スペクトル KBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルは、図面に
示す如く、3,200乃至3,600cm-1附近にOH基の大きな吸収
を示し、890cm-1附近にβ−結合の吸収を示す。
(7) 構成糖 ガノデランを、無機酸または有機酸、例えば、72%硫酸
に室温で5分間放置後、7倍に水で稀釈し、100℃で4
乃至5時間保つか、または、90乃至100%の蟻酸に100℃
で10時間保つか、または、2M−トリクロロ酢酸に100℃
で6時間加熱するなどの方法により完全加水分解の後、
中和し、得られる糖を、ペーパークロマトグラフィー、
グルコースオキシダーゼ・パーオキシダーゼ法、また
は、アルディトール アセテート(Alditol acetate)
に誘導後ガスクロマトグラフィーで分析するとD−グル
コースであると判断される。
(8) 結合様式 i ガノデランをジメチルスルホキシドに溶解後、メチ
ル スルフイニル カーバニオンおよび沃化メチルを用
いる箱守法でメチル誘導体に導き、これを酸で加水分解
した後、メチル化糖をアルディトール アセテートに誘
導し、ガスクロマトグラフィー、質量分析器の組合せに
より同定、定量分析すると、生成物は、次のモル比を有
する。
2、3、4、6−テトラ−O−メチル−D−グルコース
1.0モルに対して、2、4、6−トリ−O−メチル−D
−グルコース約1.5乃至20モル、2、3、6−トリ−O
−メチル−D−グルコース約0.2乃至0.6モル、2、4−
ジ−O−メチル−D−グルコース約0.8乃至1.0モル、
4、6−ジ−O−メチル−D−グルコース約0.1乃至0.2
モル ii ガノデランを0.2%の0.5N−カセイソーダ水溶液の
比旋光度は、▲〔α〕25 D▼+10゜附近を示し、また、
メチル化ガノデラン0.15%のクロロホルム溶液を比旋光
度は、▲〔α〕25 D▼−40゜附近を示す。
iii ガノデランを0.05モルメタ過沃素酸ナトリウムで
完全に酸化した後、水素化ホウ素ナトリウムで還元し、
得られたポリオール型ガノデランを0.5モル硫酸により1
00℃で2乃至3時間加水分解するとグルコース、グリセ
ロールと少量のエリトリトールが得られる。
この混合物を還元した後、アセチル誘導体に導びき、ガ
スクロマトグラフィーにかけると、グリセロール、グル
コース、エリトリトールのモル比は、0.3乃至0.4:1.0:
0.03である。また、上記のポリオール型ガノデランを0.
05乃至0.1モル硫酸に90乃至100℃で1乃至2時間保つ
と、上記グリセロール、エリトリトールの他に、不溶性
物質が得られる。この物質を加水分解すると、D−グル
コースのみを生成し、また、メチル化した後加水分解す
ると、実質的に2、4、6−トリ−O−メチル−D−グ
ルコースであること、また、上記物質にエキソ−β−
1、3グルカナーゼを作用させるとD−グルコースのみ
が得られることなどから、ガノデランの主鎖は、D−グ
ルコピラノース残基がβ−1、3結合しているものと判
断される。
さらに、ガノデランの緩和スミス分解によって生成する
グリセロール(非還元末端グルコース残基に由来)及び
エリトリトール(1、4結合のグルコース残基に由来)
は、全て水可溶部に存在し、主鎖部分に1、4結合が存
在しないものと判断される。
上述の結果を総合的に判断すると、本発明のガノデラン
は、従来から知られている抗腫瘍性多糖であるβ−1、
3グルカンとは全く異なり、側鎖中にβ−1、4結合し
たD−グルコピラノース残基を有し、また、この側鎖
は、β−1、3結合を繰り返している主鎖のD−グルコ
ピラノース残基のC−2の位置から分岐しているという
新規な構造をもった多糖である。これら一連の構造解析
によって、明らかにされたガノデランの構造は、 繰り返し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
る整数を示す。) で表わされるβ−1、3グルコピラノース残基を主鎖と
するβ−グルカンであり、また、ガノデランを過沃素酸
若しくはその水溶性塩で酸化処理し、次いで、還元処理
して得られる主として側鎖のD−グルコピラノース残基
をポリアルコールに変換せしめたポリオール型ガノデラ
ンの構造は、繰り返し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
る整数を示し、 で表わされるβ−1、3グルコピラノース残基を主鎖と
するポリオール型β−グルカンである。
ガノデラン、またはポリオール型ガノデランの平均分子
量は、製造時のガノデルマ属に属する微生物の培養条件
によって変えることができるとともに、ガノデラン、ま
たはポリオール型ガノデランが塩酸や硫酸などで加水分
解されることなどから、約100,000乃至約10,000,000の
範囲で自由に調節することができる。
本発明のガノデランを製造する方法としては、例えば、
担子菌類、ヒダナシタケ目、サルノコシカケ科、ガノデ
ルマ属に属する、通称、霊芝、マンネンタケなどと呼ば
れるガノデルマ・ルチダム(Ganoderma lucidum)IFO 4
912,IFO 8346、ガノデルマ・ヤポニカム(Ganoderma ja
ponicum LLOYD)、また、通称、コフキサルノコシカケ
と呼ばれるガノデルマ・アプラナタム(Ganoderma appl
anatum)IFO 6498,IFO 6499、さらにガノデルマ・オレ
ゴネンス(Ganoderama oregonense Murril)ATCC 14785
などを、炭素源、窒素源、無機塩などの適当な栄養源を
含有する固体培地、または液体培地に植菌して、静置、
または通気撹拌などの培養方法で培養し、培養物中にガ
ノデランを産生せしめ、これを分離、採取すればよい。
培地の栄養源としては、本発明のガノデランを産生し得
るものであればよく、炭素源としては、グリセロール、
キシロース、グルコース、ソルビトール、フラクトー
ス、マルトース、イソマルトース、マルチトール、シュ
クロース、ラクトース、セロビオース、マルトトリオー
ス、マルトテトラオース、D.E.10乃至70の澱粉部分分解
物、廃糖蜜などが、窒息源としては、硝酸塩、アンモニ
ウム塩、尿素などの合成化合物やポリペプトン、酵母エ
キス、麦芽エキス、コーンスティープリカー、脱脂大豆
抽出物、ペプタイド、アミノ酸などの天然有機物など
が、無機塩としては、リン酸塩、カリウム塩、硫酸塩、
マグネシウム塩、必要に応じて、鉄塩、マンガン塩、カ
ルシウム塩などが適宜選択できる。培養時のpH、温度
は、該微生物が生育しガノデランを産生しうる条件であ
ればよく、通常、pH40乃至9.0、15℃乃至35℃の範囲か
ら選ばれる。また、培養期間は、ガノデランの産生量が
最大になる期間が選ばれ、通常、液体培地で通気撹拌培
養する場合、3乃至20日間である。液体培養でガノデラ
ンを生成蓄積せしめた培養液は高粘性液である。また、
固体培養してガノデランを生成蓄積せしめたものは、こ
れに水または熱水を加えて高粘性液を得る。
これらガノデラン含有高粘性液を過若しくは遠心分離
などの適当な方法で処理し、該微生物菌糸体などの不溶
物を除去し、透明な液若しくは上清を採取する。ま
た、必要ならば、菌子体から、熱水、希酸、希アルカリ
などで抽出採取してもよい。このようにして得られたガ
ノデラン含有液は、必要により濃縮し、次いで、冷却、
望ましくは凍結融解させるなどの方法、または、適当な
沈澱剤、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、アセトンなどの有機沈澱剤を加える方法などに
よりガノデランを白濁させ、沈澱物とする。
このガノデラン沈澱物を過、または遠心分離など適当
な方法で分離し、粗ガノデランを採取する。必要なら
ば、これを水に加熱溶解し、再沈澱を繰り返すか、また
は、常法に従って、活性炭、イオン交換樹脂にて脱色、
脱塩するなどの方法で精製し、濃縮してガノデランのシ
ラップ製品を、更に乾燥粉末化してガノデランの粉末製
品を採取することも容易である。
この際の乾燥方法としては、通風乾燥、熱風乾燥、噴霧
乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥などの方法が自由に利用で
きる。
このようにして得られたガノデランから、ポリオール型
ガノデランを製造するには、ガノデラン1重量部(以
下、本明細書では重量部を部と略称する。)に約0.01乃
至約0.5Mの過沃素酸若しくはその水溶性塩、例えば、メ
タ過沃素酸ナトリウム、メタ過沃素酸カリウムを含む水
溶液約50乃至500部に溶解、または懸濁させ、通常pH3乃
至8の範囲で反応させる。この操作は、通常、緩やかな
条件、例えば、暗所で室温以下の温度、望ましくは15℃
以下で1乃至5日間行ない酸化反応を終了させればよ
い。このようにして得られる主として側鎖部分が酸化さ
れたポリアルデヒド型ガノデランは、反応性に富んでお
り、例えば、共有結合による固定化酵素の担体などとし
て有利に利用できる。
更に、還元するには、酸化反応液にエチレングリコール
を添加するか、または透析処理するかなどの方法によ
り、過剰の過沃素酸を消費、または除去した後、これに
還元剤を加えて還元させる。また、必要ならば、酸化反
応液からポリアルデヒド型ガノデランを分離採取した後
に還元してもよい。
還元する方法は、ガノデランの酸化物が還元できればよ
く、例えば、ニッケル触媒による水素還元、水素過硼素
ナトリウムによる還元などが適宜選択できる。このよう
にして還元した反応液は、常法に従って、ニッケル触媒
を除去するか、または水素化硼素ナトリウムを有機酸を
添加するなどして分解させた後、ガノデラン製造の場合
と同様に、有機沈澱剤で水溶液からの沈澱を繰り返す
か、また、必要ならば、活性炭、イオン交換樹脂などで
脱色、脱塩して精製し、濃縮して、ポリオール型ガノデ
ランのシラップ製品を、更に、乾燥、粉末化してポリオ
ール型ガノデランの粉末製品を採取することも容易であ
る。
このようにして得られるガノデラン、またはポリオール
型ガノデランは、化学工業、食品工業、医薬品工業など
各種用途に、自由に利用できる。
化学工業用途としては、水溶性高分子の多糖であること
から、これらを含有せしめた組成物、成形物、例えば、
糊剤、粘質剤、乳化剤、粉末、顆粒、糸、布、フィル
ム、シート、被覆膜、カプセル、錠剤などが単独で、ま
たは他の材料と併用して、自由に製造できる。
食品工業用途としては、無味、無臭、無毒の水溶性高分
子多糖であることから、粘性付与、分散安定、ゲル形
成、保香などの目的で、通常の飲食物に対し配合剤とし
て利用されるだけでなく、不消化乃至難消化性の食物繊
維であり、コレステロール低下作用、重金属***促進作
用などを有していることから、健康増進食品などの配合
剤としても有利に利用できる。
また、医薬品工業用途としても自由に利用できるが、と
りわけ、細胞性免疫賦活による顕著な抗腫瘍作用が見い
だされたことより、抗腫瘍剤として好適である。
従って、ガノデラン、またはポリオール型ガノデラン単
独で、または、これらのいずれかに、1種若しくは2種
以上の他の抗腫瘍剤などの物質を含有せしめることによ
り、例えば、注射薬、内服薬、外用薬などとして、ガノ
デラン、またはポリオール型ガノデラン感受性の悪性腫
瘍、例えば、乳癌、肺癌、膀胱癌、子宮癌、大腸癌、胃
癌、白血病、リンパ腫、皮膚癌などの治療に、有利に用
いることができる。
次に、実験例を使って、ガノデランおよびポリオール型
ガノデランの抗腫瘍作用、毒性、用法および用量につい
て説明する。
実験 1. 4週令のICR−JCL雌マウスを各群10匹とし、Sarcoma 18
0腹水ガン約6×106を右鼠蹊部に移植した。移植後1日
目から、実施例1の方法で得たガノデラン、または実施
例3の方法で得たポリオール型ガノデランを、マウスKg
当り、それぞれ1mg、5mg、10mgを含む生理食塩水とし
て、1日1回、0.1mlずつ、連日10日間、腹腔内に注射
した。対照は、ガノデラン、または、ポリオール型ガノ
デラン無含有の生理食塩水を、同様に投与した。移植
後、35日目に解剖して腫瘍をとり出し、重量を測定し、
ガノデラン、またはポリロール型ガノデラン投与群の腫
瘍重量を、対照群のそれと比較して、腫瘍増殖抑制率
(%)を求めた。
但し、Aは対照群の10匹の平均腫瘍重量を示し、Bはガ
ノデラン、またはポリオール型ガノデラン投与群のそれ
ぞれの10匹ずつの平均腫瘍重量を示す。
結果は、第1表に示す。
第1表の結果から明らかなように、本発明のガノデラン
およびポリオール型ガノデランは、悪性腫瘍の増殖抑制
にきわめて効果的である。本実験は、多の温血動物、例
えば、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット
などの哺乳類、ニワトリ、ハトなどの鳥類などにおいて
も、その効果を同様に発現するものと認められている実
験である。
実験2 体重約25gのBDF1雄マウスを各群10匹とし、2mm角に切断
したルイス(Lewis)肺癌を、背部皮下に移植した。移
植後8日目から実施例2の方法で得られたガノデラン、
または実施例3の方法で得られたポリオール型ガノデラ
ンを、マウスKg当り、それぞれ0.02mg、0.1mg、1mgを含
む生理食塩水として、12回、0.1mlずつ、連日10日間、
静脈注射した。対照は、ガノデラン、またはポリオール
型ガノデラン無含有の生理食塩水を、同様に投与した。
移植後、23日目に解剖して腫瘍をとり出し、重量を測定
して、実験1と同様に腫瘍増殖抑制率(%)を求めた。
結果は、第2表に示す。
第2表の結果から明らかなように、本発明のガノデラン
およびポリオール型ガノデランは、治療がきわめて困難
とされている肺ガンなどの悪性腫瘍に対しても、顕著な
増殖抑制効果が見られる。
実験 3. 4週令マウスを用いて、実施例1の方法で得られたガノ
デランおよび実施例3の方法で得られたポリオール型ガ
ノデランを、常法に従って、経口、腹腔内、または静脈
の投与経路で急性毒性テストを行なった。
その結果、両β−グルカンともに、きわめて低毒性の物
質であって、投与可能な最大投与量においても、死亡例
は認められなかった。
従って、正確な値とはいえないが、両β−グルカンとも
そのLD50値は、 経口投与の場合 20g以上/Kg 腹腔内投与の場合 5g以上/Kg 静脈投与の場合 1.5g以上/Kg であった。
以上の実験からも明らかなように、本発明のガノデラン
およびポリオール型ガノデランは、その有効用量からも
極めて安全であり、悪性腫瘍の治療に有利に用いること
ができる。その投与方法としては、悪性腫瘍を治療しう
る方法であればよく、例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、
静脈などへの注射、経口投与、座剤として投与、外用剤
として塗布、点滴などの投与が適宜選択できる。
本発明のガノデラン、またはポリオール型ガノデランの
成人1日当りの用量は、投与方法によっても変るが、通
常、0.1mg乃至500gであり、例えば、経口の場合10mg乃
至500g、注射の場合0.1mg乃至100g程度が用いられる。
以下、本発明の実施例を述べる。
実施例 1. ガノデラン グルコース5w/v%、マルトエキス0.4w/v%、酵母エキス
0.1w/v%、KH2PO4 0.05w/v%、MgSO4・7H2O 0.05w/v%
および水からなる液体培地を、120℃で20分間滅菌した
後、冷却し、始発pHを6.6としてガノデルマ・ルチダム
(Ganoderma lucidum)IFO 4912を植菌し、27℃で8日
間通気撹拌培養した。
この培養液を遠心分離(7,000gで20分間)して、菌糸体
を除去した。
この時得た透明な上清に3倍容のエタノールを撹拌しな
がら加え、白色羽毛状のガノデランを含有した粗多糖
を、培養液10当り約15gの収率で得た。
この1gを水500mlに加えて均一に溶解し、次いで、徐々
に撹拌しつつ、4℃に1夜放置し、次いで、遠心分離
し、この沈澱部を水でよく洗浄し、加熱乾燥、粉末化し
て、白色のガノデラン粉末約750mgを得た。
本品は、化学工業、食品工業、医薬品工業など各種用途
に有利に利用できる。
なお、乾燥させることにより水難溶性となったガノデラ
ンを、窒素気流下で6N−カセインソーダとよく撹拌して
0.8%溶液を調製し、水で0.5N−カセイソーダに稀釈し
て比旋光度を測定すると、▲〔α〕25 D▼約+10゜を示
した。
更に、この溶液をセロハン膜で水に対して透析し、カセ
イソーダを除いた液は、ガノデランの均一な水溶液の状
態を保った。
実施例 2. ガノデラン 澱粉部分分解物(D.E.30の粉飴)6w/v%、小麦胚芽0.2w
/v%、コーンスティープリカー0.3w/v%、NH4NO3 0.1w/
v%、K2HPO4 0.1w/v%、MgSO4・7H2O 0.05w/v%、KCl
0.05w/v%、MnSO4・4H2O 0.0001w/v%および水からなる
液体培地を、120℃で20分間滅菌した後、冷却し、始発p
Hを6.2としてガノデルマ・アプラナタム(Ganoderma ap
planatum)IFO 6498を植菌し、30℃で6日間通気撹拌培
養した。
この培養液を、実施例1と同様に処理して、ガノデラン
を含有した粗多糖を、培養液10当り約28gの収率で得
た。
この1gを水400mlに加熱溶解し、次いで、冷却、凍結さ
せた後、融解して遠心分離し、この沈澱部を水でよく洗
浄し、凍結乾燥、粉末化して白色のガノデラン粉末約70
0mgを得た。
本品は、実施例1と同様に各種用途に有利に利用でき
る。
実施例 3. ポリオール型ガノデラン 実施例1の方法で得たガノデラン10gを、メタ過沃素酸
ナトリウム(NaIO4)6.6gを含む水溶液500mlに懸濁し、
10℃で7日間、暗室にて撹拌しつつ酸化反応させた。こ
の反後液を水に対して透析し、透析内液に水素化硼素ナ
トリウム(NaBH4)1.5gを加え、室温で2日間還元反応
を行なわせた後、酢酸を加えてpH6.0とし、過剰の水素
化硼素ナトリウムを分解し、更に水に対して透析した。
この透析内液に対して、3倍容のメタノールを加え、遠
心分離して沈澱物を採取し、この沈澱物を水に溶解し、
再沈澱させた後、水に溶解し、凍結乾燥、粉末化して白
色のポリオール型ガノデラン粉末約7.4gを得た。
本品は、ガノデランよりも水に対する溶解性に優れてお
り、化学工業、食品工業、医薬品工業などの各種用途に
有利に利用できる。
実施例 4. フィルム 実施例1の方法で得たガノデランの乾物に対して、グリ
セリンを10w/w%含有するガノデランの10w/v%水溶液を
調製し、これをガラス板上に流延して70℃の熱風で乾燥
し、透明で強靭なフィルムを得た。
本品は、透明で光沢があり、強靭である。また、酸素透
過度においても、ガスバリヤー性の大きいことにより、
酸化されやすい物品を被覆、または密封することが容易
であり、それら物品の貯蔵期間、有効期間を大幅に延長
することができる。
実施例 5. 繊維 実施例3の方法で得たポリオール型ガノデランの20w/v
%を含む防糸原液を80℃にして、直径0.3mm、長さ1mmの
円筒状のノズルより、圧力を3Kg/cm2かけて室温の空気
中にストランドを押し出し、水分を蒸散乾燥させつつ巻
取機にて巻き取った。
得られた繊維の太さは、約20ミクロンで、強靭であっ
た。この繊維は、撚ることも、編むことも、織ることも
できる。しかも、親水性であって、無毒であり、皮膚へ
の刺激がないという特徴を有しているので、例えば、脱
脂綿、生理綿、ガーゼ、手術糸などとして、また悪性腫
瘍治療用として、例えば、体内へ埋め込み成形物などと
して有利に利用できる。また、他の繊維と混防すれば、
その吸湿性、非帯電性、染色性を生かして、肌着、その
他衣料としても使用することができる。
実施例 6. 被覆膜 実施例2の方法で得たガノデランを含有する粗多糖の0.
5w/v%水溶液を35℃とし、これに産卵後、10時間以内の
新鮮卵を30秒間浸漬し、次いで、30℃の温風で1時間乾
燥して、卵表面状に被覆膜を形成させた。この被覆膜を
形成させた卵を、室温(15〜25℃)で保存して、その可
食期間を対照の無処理卵と比較した。その結果、被覆膜
を形成させた卵の保存期間は、約5〜10倍にも延長され
た。
実施例 7. カップ 実施例1の方法で得たガノデラン粉末を、撹拌しつつ水
を噴霧して含水率を約30w/w%とし、これを押し出し成
形機にかけてストランドを調製し、これを裁断して直径
2.5mm、長さ4mmのペレットを製造した。このペレットを
射出成形機に供給し、樹脂温度120℃にてカップ成形用
金型内に射出注入して成形した。強靭、かつ半透明なカ
ップが得られた。
実施例 8. 肥料杭 配合肥料(N=14%、P2O5=8%、K2O=12%)70部、
実施例1の方法で得たガノデラン含有粗多糖10部、硫酸
カルシウム15部、水5部とを充分混合した後、押出機
(L/D=20、圧縮比=1.8、ダイスの口径=30mm)で、80
℃に加熱して肥料杭を製造した。
本品は、肥料用容器が不要で取扱い容易であり、全層施
肥に適した強度を有し、さらに配合割合を変えることに
より、肥料成分の溶出速度を調節できるものである。
実施例 9. カプセル 実施例2の方法で得たガノデラン5w/v%およびゼラチン
10w/v%を含有する水溶液を60℃に加温し、脱気した
後、カプセル用金属棒を浸漬し、直ちに引き上げて40℃
の通風で徐々に乾燥した。弾性が強く、透明で光沢のあ
る高品質の硬質のカプセルが得られた。このカプセル
は、径口薬、座薬などの容器として好都合である。
実施例 10. 接着剤 ジメチルスルホキシド30部、水25部、実施例2の方法で
得たガノデラン2部、プルラン8部及びジベンジリデン
キシリット2部の混合物を温度90℃にて1時間撹拌し、
溶解せしめた後、これを直径14mm、高さ50mmの円筒状の
繰り上げ、繰り下げ可能な機構を備えた口紅式容器に注
入して、室温で放冷し、固形状接着剤を製造した。本接
着剤をクラフト紙に塗りつけたところ、薄く均一に塗布
することができ、初期接着力も充分であった。
実施例 11. 麺類 米粉70部、馬鈴薯澱粉20部、小麦粉10部、実施例1の方
法で得たガノデラン2部、10%食塩水約40部をよく混合
した後、これを蒸し上げ、更によく練り上げ、次いで、
麺帯生地を調製して一夜放置した。これを細断して麺線
にし、沸騰水中で3分間ゆでて調理麺を得た。この麺
は、こしの強い麺であった。
実施例 12. 珍味 トリ肉のミンチ30部を砂糖2部、醤油2部、みりん6部
と共にフライパンで煎りつけて調製したそぼろに、実施
例1の方法で得たガノデラン粉末3部を加えて、よく混
合した後、約150〜170℃で約50Kg/cm2に加熱、加圧して
結合成形し、約1cmの厚さのシート状成形物を得た。こ
れを適当な大きさに細断することにより、珍味とした。
ビールのつまみや、子供のおやつなどに好適である。
実施例 13. 魚肉練製品 解凍したスケソウする身4,000部に対し、マルトース80
部、グルタミン酸ナトリウム80部、馬鈴薯澱粉200部、
氷水300部、トリポリリン酸ナトリウム12部、食塩120部
および、予め実施例3の方法で得たポリオール型ガノデ
ラン10部とソルビトール1部とを溶解しておいた水溶液
100部を擂潰し、約120gずつを定形して板付した。
これらを、30分間で内部の品温が約80℃になるように蒸
し上げた。続いて、室温で放冷した後、4℃で24時間放
置して製品とした。
これらの製品は、いずれも足が強く、肌面が細やかで、
艶やかな光沢を有しており、食感も良好であった。
実施例 14. 揚げ物用衣 薄力粉100部に実施例2の方法で得たガノデラン1部を
加え、これに水300部を加えて撹拌混合して衣を得た。
この衣でエビ、サツマイモなどの種を包んで揚げたとこ
ろ、衣の口当りはよく、また種へのつきもよかった。
実施例 15. アイスクリーム 40w/w%クリーム70部、全脂加糖練乳200部、全乳460
部、脱脂粉乳20部、砂糖5部、マルトース5部及び実施
例2の方法で得たガノデラン5%水溶液4部を加熱して
混合し、70℃で30分間加熱殺菌した後、ホモゲナイザー
を通して3〜4℃に急冷し、一夜熟成の後、フリーザー
に入れた。
なめらかな口当りのよいアイスクリームが得られた。
実施例 16. レモンゼリー 寒天3部と実施例3の方法で得られたポリオール型ガノ
デラン5部を水200部、砂糖50部を加えて溶解し、続い
て65℃まで冷却した。
これにレモン香料および着香料の少量を加えた炭酸水35
0部を混合して型に入れ、冷却して艶やかなレモンゼリ
ーを得た。本品は、食物繊維ポリオール型ガノデランを
含有した健康増進食品である。
実施例 17. ヨーグルト 脱脂粉乳175部、砂糖80部、マルトース50部、実施例1
の方法で得たガノデラン30部を水1,200部に溶解し、ホ
モゲナイザーにかけた後、約85℃で30分間加熱して殺菌
し、次いで、40℃に冷却した。これに市販されているヨ
ーグルトの乳酸菌で調製したスターター30部を植菌し、
37℃で8時間培養してゲル状のヨーグルトを得た。
このヨーグルトは、なめらかで光沢もあり、口当りもよ
かった。本品は、ガノデランを含有し、コレステロール
低下作用を有する健康食品である。
実施例 18. 錠剤 実施例3のポリオール型ガノデランの20w/v%水溶液100
部に、マルトース140部、ビタミンA・パルミテート20
部を加え、充分に撹拌混合した後、ガラス板上に流延
し、風乾した。次いで、この乾燥物を粉末とした後、常
法に従って打錠機で錠剤を製造した。錠剤1g中には、ビ
タミンA・パルミテート10万IUを含有しており、30℃で
3ケ月放置した後も、ほとんど減少は認められなかっ
た。また、本品は経口用抗腫瘍剤として、例えば、胃
癌、十二指腸癌、直腸癌などの悪性腫瘍の治療剤として
も、有利に利用できる。
実施例 19. 錠剤 アスピリン50部に実施例1の方法で得たガノデラン14
部、コーンスターチ4部を充分に混合した後、常法に従
って打錠機により錠剤を製造した。
本品は吸湿性がなく、物理的強度も充分であり、しかも
水中での崩壊はきわめて良好であった。
実施例 20. 注射薬 実施例1の方法で得たガノデランを3w/v%水溶液とし、
次いで、活性炭にて脱色し、H型、OH型イオン交換樹脂
で脱塩精製し、減圧濃縮し、更に、メンブランフィルタ
ーにて無菌的に過した。得られた液を、1バイアル
当りガノデランが200mgになるように、滅菌した2ml容ガ
ラス容器に充填し、凍結乾燥し、密栓して注射用製剤と
した。本品は生理食塩水などでガノデランを溶解、また
は懸濁して、皮下、または筋肉内などに注射し、例え
ば、乳癌、肺癌、肝癌、白血病などの悪性腫瘍の治療に
有利に用いられる。
実施例 21. 注射薬 実施例3の方法で得たポリオール型ガノデランを約5w/v
%水溶液とし、次いで、実施例20と同様に活性炭、イオ
ン交換樹脂にて脱色、脱塩精製し、濃縮し、メンブラン
フィルターにて無菌的に過した。得られた液を、ポ
リオール型ガノデラン5w/v%の等張溶液とし、20ml容ア
ンプルビンに充填し、滅菌して注射用製剤とした。
本品は、腹腔内、静脈などに注射し、例えば、乳癌、膀
胱癌、子宮癌、大腸癌、胃癌などの悪性腫瘍の治療に有
利に用いられる。
実施例 22. 軟膏 実施例2の方法で得たガノデラン粉末を、少量の流動パ
ラフィンを加えて研和した後、ワセリンを加え10mg/gの
軟膏薬とした。
本品は、例えば、皮膚癌、乳癌、リンパ腫などの悪性腫
瘍の治療に有利に用いられる。
【図面の簡単な説明】
図面は、精製したガノデランの赤外線吸収スペクトルを
示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 5/00 C09J 105/00 C12P 19/04 7432−4B D01F 9/00 Z 7199−3B (56)参考文献 特開 昭60−43356(JP,A) 特公 昭52−44388(JP,B1)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰り返し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
    ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
    る整数を示す。) で表わされる分子量が約100,000乃至10,000,000のβ−
    グルカン(ガノデラン)。
  2. 【請求項2】ガノデルマ属に属する微生物を栄養培地中
    で培養し、培養物から菌糸体および不溶物を除去し、得
    られる溶液に有機溶剤を加えて沈殿物を生成させ、この
    沈殿物を分離し、精製し、採取することを特徴とする繰
    り返し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
    ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
    る整数を示す。) で表わされる分子量が約100,000乃至10,000,000のβ−
    グルカン(ガノデラン)の製造方法。
  3. 【請求項3】繰り返し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
    ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
    る整数を示す。) で表わされる分子量が約100,000乃至10,000,000のβ−
    グルカン(ガノデラン)を、過沃素酸若しくはその水溶
    性塩で酸化処理し、次いで、還元処理することにより、
    主として側鎖のD−グルコピラノース残基をポリアルコ
    ールに変換せしめることを特徴とするポリオール型β−
    グルカン(ポリオール型ガノデラン)の製造方法。
  4. 【請求項4】繰り返し単位が、式 (但し、式中、Glcはβ−結合したD−グルコピラノー
    ス残基を示し、nは3乃至20、mは1乃至3から選ばれ
    る整数を示す。) で表わされる分子量が約100,000乃至10,000,000のβ−
    グルカン(ガノデラン)、または、該β−グルカン(ガ
    ノデラン)を、過沃素酸若しくはその水溶性塩で酸化処
    理し、次いで、還元処理して得られるポリオール型β−
    グルカン(ポリオール型ガノデラン)を含有せしめたこ
    とを特徴とする組成物。
  5. 【請求項5】組成物が、成型物であることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項記載の組成物。
  6. 【請求項6】組成物が、飲食物であることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項または第5項記載の組成物。
  7. 【請求項7】組成物が、抗腫瘍剤であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第4項または第5項記載の組成物。
JP59044573A 1984-03-08 1984-03-08 β−グルカンとその製造方法及び用途 Expired - Fee Related JPH0757761B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59044573A JPH0757761B2 (ja) 1984-03-08 1984-03-08 β−グルカンとその製造方法及び用途
US06/708,057 US4769363A (en) 1984-03-08 1985-03-04 Beta-glucan

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59044573A JPH0757761B2 (ja) 1984-03-08 1984-03-08 β−グルカンとその製造方法及び用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60188402A JPS60188402A (ja) 1985-09-25
JPH0757761B2 true JPH0757761B2 (ja) 1995-06-21

Family

ID=12695242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59044573A Expired - Fee Related JPH0757761B2 (ja) 1984-03-08 1984-03-08 β−グルカンとその製造方法及び用途

Country Status (2)

Country Link
US (1) US4769363A (ja)
JP (1) JPH0757761B2 (ja)

Families Citing this family (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5082936A (en) * 1984-11-28 1992-01-21 Massachusetts Institute Of Technology Glucan composition and process for preparation thereof
US5028703A (en) * 1988-03-11 1991-07-02 Massachusetts Institute Of Technology Glucan composition and process for preparation thereof
US4992540A (en) * 1984-11-28 1991-02-12 Massachusetts Institute Of Technology Glucan composition and process for preparation thereof
JPH0692441B2 (ja) * 1986-03-03 1994-11-16 株式会社林原生物化学研究所 β−D−グルカンとその製造方法及び用途
DE3643467A1 (de) * 1986-12-19 1988-06-30 Wintershall Ag Verfahren zur extrazellulaeren herstellung nichtionischer biopolymerer und deren verwendung
US4908310A (en) * 1987-12-23 1990-03-13 University Of Kansas Water insoluble polysaccharide polymer and method thereof
JP2766439B2 (ja) * 1992-10-26 1998-06-18 鐘紡株式会社 コレステロール抑制剤
EP0640348A1 (en) * 1993-07-26 1995-03-01 Akzo Nobel N.V. Oil-based and water-based adjuvant mixture
US5589182A (en) * 1993-12-06 1996-12-31 Tashiro; Renki Compositions and method of treating cardio-, cerebro-vascular and alzheimer's diseases and depression
US5576015A (en) * 1995-03-02 1996-11-19 Donzis; Byron A. Substantially purified beta (1,3) finely ground yeast cell wall glucan composition with dermatological and nutritional uses
AUPN398295A0 (en) * 1995-07-05 1995-07-27 Carlton And United Breweries Limited Chemical compounds and processes for their production
US5786343A (en) * 1997-03-05 1998-07-28 Immudyne, Inc. Phagocytosis activator compositions and their use
US6482942B1 (en) 1999-01-12 2002-11-19 Biotechnology Services And Consulting, Inc. Method of isolating mucilaginous polysaccharides and uses thereof
US6485945B1 (en) * 1999-02-17 2002-11-26 Nurture, Inc. Polysaccharide compositions and uses thereof
US6323338B1 (en) * 1999-02-17 2001-11-27 Nurture, Inc. Method for concentrating β-glucan
CN1133653C (zh) * 1999-08-05 2004-01-07 武汉大学 灵芝α-(1→3)-D-葡聚糖硫酸酯衍生物及其用途和制备方法
US20040023923A1 (en) * 2000-07-03 2004-02-05 Morgan Keith Raymond Cold water soluble beta-glucan product and process for preparing the same
NO20014256D0 (no) 2001-09-03 2001-09-03 Bjoern Kristiansen Fremstilling av immunstimulerende forbindelse
CN100467583C (zh) * 2002-06-25 2009-03-11 株式会社艾迪科 含有β-葡聚糖的油脂组合物以及生产β-葡聚糖的新型微生物
EP1786280A1 (en) * 2004-07-02 2007-05-23 The Governors of the University of Alberta Aqueous solutions containing beta-glucan and gums
EP1774012A2 (en) * 2004-07-16 2007-04-18 Medimush A/S Immune modulating compounds from fungi
US7514085B2 (en) * 2004-07-16 2009-04-07 Medimush A/S Immune modulating compounds from fungi
CA2607004C (en) 2005-05-05 2016-01-26 Sensient Flavors Inc. Production of beta-glucans and mannans
WO2006119774A1 (en) * 2005-05-13 2006-11-16 Medimush As Feed or food products comprising fungal material
EP1896601A1 (en) * 2005-06-15 2008-03-12 Medimush A/S Bioactive agents produced by submerged cultivation of a basidiomycete cell
EP1896600A2 (en) * 2005-06-15 2008-03-12 Medimush A/S Anti-cancer combination treatment and kit-of-part
KR100885851B1 (ko) 2007-07-06 2009-03-06 건양대학교산학협력단 베타 글루칸을 이용한 미소구체 및 그의 제조방법
CA2939259C (en) 2013-02-11 2021-01-26 Glycanova As Basidiomycete-derived cream for treatment of skin diseases
JP5834114B1 (ja) * 2014-06-25 2015-12-16 日本食品化工株式会社 乳化剤および乳化食品
CN108148146A (zh) * 2017-05-03 2018-06-12 南昌大学 一种通过高碘酸氧化得到的新型抗肿瘤化合物
FR3090275B1 (fr) * 2018-12-21 2022-04-29 Covertis Substance biologiquement active, son procede de fabrication et son utilisation comme agent protecteur d’un tissu biologique
JP7263547B2 (ja) * 2019-11-20 2023-04-24 大日精化工業株式会社 ガスバリア性フィルム及び複合樹脂組成物
CN112730285A (zh) * 2020-12-22 2021-04-30 北京理工大学 一种检测灵芝多糖含量的高通量方法
WO2023248911A1 (ja) * 2022-06-22 2023-12-28 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着シート、積層体、及びβ-1,3-グルカン誘導体の製造方法
CN115725005A (zh) * 2022-12-19 2023-03-03 西藏天虹科技股份有限责任公司 高纯度灵芝多糖的制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2544454C3 (de) * 1975-10-04 1979-09-13 Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart Schaltungsanordnung zur Regelung der Fahrgeschwindigkeit eines Kraftfahrzeuges
JPS5385000A (en) * 1976-12-31 1978-07-26 Akira Misaki Glucan and its preparation
JPS6054322B2 (ja) * 1977-09-30 1985-11-29 株式会社林原生物化学研究所 成形物の製法
US4430322A (en) * 1980-11-07 1984-02-07 Merck & Co., Inc. Modified glucans as anti-caries agent and method of use
JPS59124901A (ja) * 1982-12-29 1984-07-19 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd 多糖誘導体
JPS6043356A (ja) * 1983-08-19 1985-03-07 Sunstar Inc マンネンタケエキス,その製法および該エキスを有効成分とする健康食品

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60188402A (ja) 1985-09-25
US4769363A (en) 1988-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0757761B2 (ja) β−グルカンとその製造方法及び用途
EP0236124B1 (en) Beta-d-glucan, and its production and uses
JP5102435B2 (ja) キトサン含有多糖、その製造方法及び用途
Winterowd et al. Chitin and chitosan
JPH11508772A (ja) 一定のpH、温度及び時間条件下での細胞の自己消化によるβ−グルカン−マンナン調製物の製造
EP1327448A1 (en) Homeostasis-maintaining agents
JP2005529191A (ja) バイオマスからの細胞壁誘導体及びその調製法
EP0490995A1 (en) Method for producing soluble glucans
EP1175907A1 (en) Remedies
US3987166A (en) Treatment of tumors with glucan compositions in mice and rats
CH634855A5 (fr) Procede de production de nouveaux derives de beta-1,3-glucanes.
Afiati et al. The effectiveness β-glucan of shiitake mushrooms and Saccharomyces cerevisiae as antidiabetic and antioxidant in mice Sprague Dawley induced alloxan
Prasad et al. Microbial exopolysaccharide: Sources, stress conditions, properties and application in food and environment: A comprehensive review
JPH06256208A (ja) 免疫賦活剤
KR100245998B1 (ko) 키토산을 함유한 김의 제조방법
JPS63185352A (ja) 腫瘍の予防効果を有する食品
JP4261071B2 (ja) 治療剤
JP2596900B2 (ja) 食品用保存剤
KR20030087468A (ko) 키토 올리고당을 함유하는 건강 맛소금의 제조방법 및 그방법에 의해 제조된 건강 맛소금
JP3201812B2 (ja) 低分子ペクチン及びこれを配合してなる飲食品
JPS62273921A (ja) 固形製剤
KR0136712B1 (ko) 가용성 저분자 키토산 함유 된장의 제조방법
EP0557627A1 (en) Limitedly enzyme-hydrolyzed polysaccharide and method for its production
JP3201811B2 (ja) 低分子ペクチン酸を配合してなる飲食品
JPH02203765A (ja) 抗腫瘍機能を有する食品及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees