JPH0757603A - マイクロリレー - Google Patents

マイクロリレー

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Publication number
JPH0757603A
JPH0757603A JP19735493A JP19735493A JPH0757603A JP H0757603 A JPH0757603 A JP H0757603A JP 19735493 A JP19735493 A JP 19735493A JP 19735493 A JP19735493 A JP 19735493A JP H0757603 A JPH0757603 A JP H0757603A
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JP
Japan
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movable
substrate
pair
micro relay
micro
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Withdrawn
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JP19735493A
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English (en)
Inventor
Susumu Hirata
進 平田
Tetsuya Inui
哲也 乾
Yorishige Ishii
頼成 石井
Koji Matoba
宏次 的場
Zenjiro Yamashita
善二郎 山下
Kenji Ota
賢司 太田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電流が小さくかつ広い温度範囲で使用可
能な小型のマイクロリレーを提供する。 【構成】 本発明に従うマイクロリレーは、永久磁石1
20を挟んで対向する位置に2組の固定接点110a・
110b,110c・110dが設けられたフェライト
基板150上に、枠部210に連結部230を介して支
持される可動部220が接合されてなる。可動部220
は、シリコンから構成される基体部260がパーマロイ
から構成される磁性体層240,250に挟み込まれて
なり、磁性体層240,250上には、連結部230を
中心として対向する位置に2組のヒータ対271L・2
72R,271R・272Lが設けられ、ヒータ272
L,272R上には2組の可動接点222L,222R
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシーンの一
種であるマイクロリレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は、従来のマイクロリレーの一例
を示す斜視図である。
【0003】図14に示すような従来のマイクロリレー
は、面方位(110)のシリコン基板500に異方性エ
ッチングにより深溝加工を施して得られる多数のシリコ
ンフィン510の側面に、電解法により金属520を電
鋳してバイメタルを形成し、さらに対向するシリコンフ
ィン510にそれぞれ電流開閉用の固定接点540およ
び可動接点550を設けて製作される。
【0004】このようにして製作される従来のマイクロ
リレーは、以下のように動作する。まず金属520を挟
み込むように配置される駆動電極560a,560b間
に電流を流すと、抵抗加熱によるジュール熱が発生して
バイメタル530が加熱される。この時、シリコンフィ
ン510の線膨張係数(λSi)と金属520、たとえば
Niの線膨張係数(λNi)とは異なり、λSi<λNiであ
るため、加熱されたバイメタル530は矢印で示される
方向に変位する。これにより固定接点540と可動接点
550が閉成して閉回路に電流が流れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなバイメタ
ルを駆動源とする従来のマイクロリレーには以下のよう
な問題点があった。
【0006】従来のマイクロリレーは、ラッチ機能を有
していなかったため、回路に電流を流し続けるためには
駆動電極560a,560b間に電流を流し続ける必要
があった。このため、消費電流が大きいという問題があ
った。
【0007】また、従来のマイクロリレーは、環境温度
の変化によりバイメタル530が変位してしまうため誤
動作を生じることがあった。このため、従来のマイクロ
リレーを広範囲の温度条件下で使用することは不可能で
あった。
【0008】本発明は従来の課題を解消するためになさ
れたものであって、消費電力が小さくかつ広い温度範囲
で使用可能なより小型のマイクロリレーを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロリ
レーは、複数組の固定接点が設けられたフェライト基板
と、固定接点に対応する複数組の可動接点が設けられた
可動部とを具備してなるマイクロリレーであって、可動
部は、基板上に設けられた枠体に連結部を介して支持さ
れるものであり、かつ可動部は、枠部に連結され、枠部
と同一材料で構成される基体部と、基体部の対向する一
対の主表面上に設けられ、基体部よりも線膨張係数の大
きい材料で構成される一対の磁性体層と、磁性体層のそ
れぞれにおいて、連結部を中心として対向する位置に設
けられる2組のヒータ対と、ヒータ上に設けられる可動
接点とを備え、固定接点が設けられたフェライト基板に
は、連結部を中心とした可動部の変位を保持するための
永久磁石が設けられていることを特徴とする。
【0010】また本発明に係る好ましい局面において、
枠部に連結される基体部がシリコンから構成されてもよ
い。基体部を構成する材料としてシリコンを用いる場合
には、磁性体層を構成する材料としてパーマロイ等の軟
磁性体材料を好ましく用いることができる。磁性体層を
構成する材料としては、残留磁化の小さいものがより好
ましい。
【0011】
【作用】本発明に係るマイクロリレーにおいては、可動
部は基板上に設けられた枠部に連結部を介して支持され
るものであり、かつ可動部は、枠部に連結され、枠部と
同一材料で構成される基体部と、基体部の対向する一対
の主表面上に設けられ、基体部よりも線膨張係数の大き
い材料で構成される一対の磁性体層と、磁性体層のそれ
ぞれにおいて、連結部を中心として対向する位置に設け
られる2組のヒータ対と、ヒータ上に設けられる可動接
点とを備えている。
【0012】このように一対の磁性体層は基体部よりも
線膨張係数の大きい材料で構成されているので、2組の
ヒータ対のうちいずれか1組のヒータ対に電流を流す
と、発生するジュール熱によって電流を流したヒータ対
のそれぞれのヒータ下に設けられた磁性体層に変形が生
じる。この結果、平衡状態にあった可動部は、連結部を
中心として変形した磁性体層から基体部を挟んで対向す
る変形していない磁性体層の方向へ回転する。
【0013】これにより、可動部の可動接点と基板上の
固定接点とが閉成して電気回路に電流が流れる。このと
き、同時にフェライト基板、永久磁石および可動部の磁
性体層において磁気回路が形成され、可動部の可動接点
が基板上の固定接点に吸着される。よって、その後1組
のヒータ対に流す電流を断っても、可動部の可動接点と
基板上の固定接点が閉成した状態はそのまま安定的に保
持され、もう1組のヒータ対に電流を流すまで電気回路
に電流が流れ続ける。
【0014】このように、本発明に係るマイクロリレー
では、従来のように電気回路を閉じ続けるためにバイメ
タル部に電流を流し続ける必要がなく、可動部の可動接
点と基板上の固定接点を一旦閉成させれば永久磁石によ
り変位が保持されるため、ヒータ対に流す電流を断って
も電気回路は閉じた状態に保持される。したがって、本
発明に係るマイクロリレーでは、消費電力を小さく抑え
ることができる。
【0015】また、可動部を取り巻く環境温度が変化し
た場合にも、基体部および基体部よりも線膨張係数の大
きい材料で構成される磁性体層がいずれもほぼ同一温度
になる。したがって、連結部を中心とした可動部全体の
変位量が釣り合って回転運動は0となり、平衡状態が安
定的に保持される。このように、本発明に係るマイクロ
リレーは、環境温度が変化しても誤動作を生じることが
ないので、広い温度範囲で使用することができる。
【0016】さらに、本発明に係るマイクロリレーで
は、枠体に連結される基体部がシリコンからなること
で、可動部の製作において異方性エッチングを用いた微
細加工を施すことができるため、マイクロリレーをより
小型化することができる。
【0017】
【実施例】本発明に従う一実施例について図面を参照し
て説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例に従うマイクロ
リレーの斜視図である。また図2は、図1に示したマイ
クロリレーの構造を示す分解斜視図である。さらに図3
は、図1に示したマイクロリレーの概略的な断面図であ
る。
【0019】図1および図2を参照して、マイクロリレ
ーは、2組の固定接点が設けられた基板部100と、基
板部100の上方に配設され、固定接点に対応する2組
の可動接点が設けられた可動部220とから構成され
る。
【0020】基板部100は、中央部に二重の溝部が設
けられたフェライト基板150と、フェライト基板15
0の内側の溝部に設置される断面が五角形状の永久磁石
120とからなる。フェライト基板150表面において
永久磁石120を挟んで向かい合う領域には、L字型の
2組の固定接点110a・110b,110c・110
dが設けられている。 さらに、各固定接点110a,
110b,110c,110d上には、球状のスペーサ
130が1個ずつ設置されている。
【0021】一方、可動部220は、シリコン単結晶か
らなる枠部210に連結部230を介して支持されてい
る。
【0022】可動部220は、枠部210に連結され、
枠部と同一材料すなわちシリコン単結晶で構成される基
体部260と、基体部260の対向する一対の表面上に
設けられ、パーマロイ等の軟磁性体材料で構成される磁
性体層240,250とからなる。
【0023】図3を参照して、可動部220の磁性体層
240,250上には、それぞれ2組のヒータ271L
・272R,272L・271Rが設けられている。さ
らに、ヒータ272L,272R上には、固定接点11
0a・110b,110c・110dにそれぞれ対応す
る2組の可動接点222L,222Rが設けられてい
る。
【0024】枠部210がスペーサ130を介して基板
部100上に配設され、さらに永久磁石120の稜線が
可動部220の支点となるように位置合わせされること
により、可動部220が基板部100上に揺動可能に設
置されている。
【0025】上述のような構造を有するマイクロリレー
のリレー動作について説明する。図4〜図8は、本実施
例のマイクロリレーのリレー動作を示すための概略的な
断面図である。
【0026】図4に示すように、可動部220が永久磁
石120上で平衡状態にあるマイクロリレーにおいて、
1組のヒータ271L,272Rに電流を流す。これに
より、ヒータ271L,272Rにおいて抵抗加熱によ
るジュール熱が発生する。
【0027】ここで、可動部220の基体部260を構
成する材料すなわちシリコン単結晶の線膨張係数
(λSi)と、一対の磁性体層240,250を構成する
材料すなわちパーマロイの線膨張係数(λM )とは異な
りλSi<λM であるので、図5に示すように、可動部2
20において磁性体層240のヒータ271Lの下の領
域および磁性体層250のヒータ272Rの下の領域が
変形する。その結果、平衡状態にあった可動部220が
連結部を中心として矢印で示すように反時計回りに回転
するように駆動される。
【0028】これにより、可動部220の可動接点22
2Lとフェライト基板150上に設けられた固定接点1
10a・110bとが閉成して電気回路に電流が流れ
る。
【0029】このとき同時にフェライト基板150、永
久磁石120および磁性体層250においてフェライト
基板150と可動部220との間に磁気回路50aが形
成される。これにより、可動接点222Lが固定接点1
10a・110bに吸着される。よって、その後1組の
ヒータ271L,272Rに流す電流を断つと、磁性体
層240,250の変形は解消されるものの、図6に示
すように、可動接点222Lと1組の固定接点110a
・110bとが閉成した状態はそのまま保持され、電気
回路に電流が流れ続ける。
【0030】さらに、今度はもう1組のヒータ271
R,272Lに電流を流す。これにより、ヒータ271
R,272Lにおいて抵抗加熱によるジュール熱が発生
する。
【0031】ここで、可動部220の基体部260を構
成する材料すなわちシリコン単結晶の線膨張係数
(λSi)と一対の磁性体層240,250を構成する材
料すなわちパーマロイの線膨張係数(λM )とは異なり
λSi<λM であるので、図7に示すように、可動部22
0において磁性体層240のヒータ271Rの下の領域
および磁性体層250のヒータ272Lの下の領域が変
形する。その結果、可動接点222Lと1組の固定接点
110a・110bとが閉成した状態が解除され、可動
部220が連結部を中心として矢印で示すように時計回
りに回転するように駆動される。
【0032】これにより、可動部220の可動接点22
2Rとフェライト基板150上に設けられた固定接点1
10c・110dとが閉成して、もう一方の電気回路に
電流が流れる。
【0033】このとき同時にフェライト基板150、永
久磁石120および磁性体層250においてフェライト
基板150と可動部220との間に磁気回路50bが形
成される。これにより、可動接点222Rが固定接点1
10c・110dに吸着される。よって、その後もう1
組のヒータ271R,272Lに流す電流を断つと、磁
性体層240,250の変形は解消されるものの、図8
に示すように、可動接点222Rと1組の固定接点11
0c・110dとが閉成した状態はそのまま保持され、
電気回路に電流が流れ続ける。
【0034】上述のような動作を繰返すことでリレー動
作を実現することができる。さらに、マイクロリレーの
入力信号、出力信号の例を用いてリレー動作を補足的に
説明する。
【0035】1組のヒータ271L,272Rに電流を
ON,OFFするスイッチ動作を0,1の矩形パルスで
模式的に表現したものが図9(a)のP1であり、1組
のヒータ271R,272Lに電流をON,OFFする
スイッチ動作を0,1の矩形パルスで模式的に表現した
ものが図9(b)のP2である。
【0036】ここで、1組のヒータ271L,272R
に電流をONするための信号を「手段1」と呼ぶものと
し、1組のヒータ271R,272Lに電流をONする
ための信号を「手段2」と呼ぶものとする。
【0037】図9(a)のP1に示すように、「手段
1」が入力されると、「手段1」の立ち上がりに応答し
て固定接点110a・110bと可動接点222Lが閉
成され、閉回路に電流が流れる。
【0038】この状態をON状態で模式的に表現したも
のが、図9(c)のP3に示す「状態1」である。図9
(c)のP3に示すように、「状態1」は、次にもう1
組のヒータ271R,272Lに電流をONするための
信号すなわち「手段2」が入力されるまで任意の時間期
間保持される。
【0039】図9(b)のP2に示すように、「手段
2」が入力されると、「手段2」の立ち上がりに応答し
て、図9(c)のP3に示すように「状態1」が解除さ
れるとともに固定接点110c・110dと可動接点2
22Rが閉成され、別の閉回路に電流が流れる。
【0040】この状態をON状態で模式的に表現したも
のが、図9(d)のP4に示す「状態2」である。図9
(d)のP4に示すように、「状態2」は、次にもう1
組のヒータ271L,272Rに電流をONするための
信号すなわち「手段1」が入力されるまで任意の時間期
間保持される。
【0041】このように、「手段1」、「手段2」を交
互に入力することで、その立ち上がりに応答して「状態
2」から「状態1」に、あるいは「状態1」から「状態
2」にリレーされる。
【0042】次に、上述のような構造を有するマイクロ
リレーの温度適応性について説明する。
【0043】たとえば、本実施例のマイクロリレーで
は、温度25℃の常温で平衡状態にある可動部220を
温度75℃の高温条件下においた場合には、基体部26
0および一対の磁性体層240,250はいずれも同じ
温度75℃になる。このため、連結部230を中心とし
て対向する磁性体層における変位量がほぼ等しくなり、
時計回りへ回転する力と反時計回りへ回転する力とが釣
り合って可動部220の回転量は0となる。このよう
に、本実施例のマイクロリレーは環境温度が変化して
も、平衡状態を安定的に保持することができるので誤動
作することはない。
【0044】本実施例のマイクロリレーは、以下のよう
な方法により製造することができる。
【0045】まず、基板部100の製造工程について図
面に基づいて説明する。図10(a)〜図10(d)
は、基板部100の製造方法を工程順に示した平面図お
よび断面図である。
【0046】図10(a)に示すように、フェライトか
らなる基板150の主表面に絶縁膜としてSiO2 膜4
10をスパッタ法により成膜する。
【0047】次に、図10(b)に示すように、このS
iO2 膜410上にAu層を蒸着し、さらにAu層上に
フォトレジスト膜を塗布し、形成すべき固定接点の形状
に対応したパターンを形成する。このパターンに従いイ
オンミリングによりAu層のエッチングを行い、基板1
50主表面の四隅にL字型の固定接点110a,110
b,110c,110dを形成する。
【0048】次に、図10(c)に示すように、基板1
50の主表面中央にダイシングによって二重の溝部43
0,440を形成する。外側の溝部430は、リレー動
作時に磁気回路を形成するためのものであり、中央部の
溝部440は永久磁石を装着するためのものである。
【0049】さらに、図10(d)に示すように、中央
部の溝部440に予め所定の形状に加工した永久磁石1
20を装着する。以上のようにしてフェライト基板の中
央部に永久磁石120が設けられた基板部100が形成
される。
【0050】次に、可動部220の製造工程について図
面に基づいて説明する。図11(A)〜(D)、図12
(E)〜(H)、図13(I)〜(L)は、枠部210
に連結部230を介して支持される可動部220の製造
方法を工程順に示した上面図、断面図および背面図であ
る。
【0051】図11(A)に示すように、シリコンから
なる基板300の表裏両主面に熱酸化膜310を形成す
る。
【0052】次に、図11(B)に示すように、基板3
00の裏面にフォトレジスト膜を塗布し、形成したい枠
部の形状に対応したパターンを形成する。このパターン
に従ってCHF3 により熱酸化膜310のエッチングを
行なう。この結果、基板300の表面および裏面外周部
に熱酸化膜310が残存する。
【0053】次に、この状態のシリコン基板300を水
酸化カリウム溶液中に浸漬すると、熱酸化膜310が除
去された部分すなわちシリコンが露出した部分がエッチ
ングされる。これにより、図11(C)に示すような構
造体320が形成される。
【0054】さらに、シリコンからなる基板300の表
面上にフォトレジスト膜を塗布し、形成したい可動部お
よび連結部の形状に対応したパターンを形成する。この
パターンに従ってCHF3 により熱酸化膜310のエッ
チングを行なう。この結果、図11(D)に示すように
基板300の表面において領域315の熱酸化膜310
のみが除去される。
【0055】次に、図12(E)に示すように、このよ
うにして得られた構造体320の両面にフォトレジスト
膜330を塗布し、形成したい可動部の形状に対応した
パターンを形成する。
【0056】さらに、図12(F)に示すように、上述
のパターンをマスクとしてシリコン基体部の両面にパー
マロイ等の軟磁性体材料を電解めっき法によりめっきす
る。このようにして基体部を挟み込むようにして一対の
磁性体層240,250を形成する。
【0057】次に、図12(G)に示すように、構造体
320の表裏両面にスパッタ法によりSiO2 膜35
1,352を成膜する。これにより磁性体層250,2
40およびフォトレジスト膜330上に絶縁膜が形成さ
れる。
【0058】次に、構造体320の両面にNi層をスパ
ッタ法で成膜する。さらにこのNi層上にフォトレジス
ト膜を塗布し、形成すべきヒータの形状に対応したパタ
ーンを形成する。このパターンに従ってイオンミリング
によりNi層のエッチングを行なう。これにより、図1
2(H)に示すように、磁性体層240,250上にヒ
ータ271,272が形成される。
【0059】さらに、図13(I)に示すように、構造
体320の表裏両面に絶縁膜としてSiO2 膜370を
スパッタ法により成膜する。
【0060】次に、構造体320の表面にAu層を蒸着
する。さらにこのAu層上にフォトレジスト膜を塗布
し、形成すべき可動接点の形状に対応したパターンを形
成する。このパターンに従ってイオンミリングによりA
u層をエッチングすることにより、図13(J)に示す
ような可動接点222L,222Rが形成される。
【0061】さらに、図13(K)に示すように、構造
体320の外周部に設けられた不要なフォトレジスト膜
330および絶縁膜をアセトン等の有機溶剤を用いたリ
フト法により剥離する。このようにして得られたシリコ
ン基板300を水酸化カリウム溶液中に浸漬すると、図
13(L)に示すように、熱酸化膜310で覆われてい
ない部分すなわちシリコンが露出した領域のシリコン基
板が除去され、図1に示すような枠部210に連結部2
30のみで連結された可動部220が得られる。
【0062】この後、枠部210を基板部100上に所
定の大きさのスペーサ130を介してエポキシ樹脂等の
接着剤を用いてあるいはまたその他の有効な手段を用い
て接着すると、図1に示すような本実施例のマイクロリ
レーが完成する。
【0063】
【発明の効果】本発明に従うマイクロリレーでは、可動
部の可動接点と基板上の固定接点を一旦閉成させれば、
フェライト基板、永久磁石および可動部の磁性体層にお
いて形成される磁気回路によって接着が保持されるた
め、その後ヒータ対に流す電流を断っても、電気回路は
閉じた状態に保持される。このように、本発明に従うマ
イクロリレーにはラッチ機能が付与されるため、消費電
力を小さく抑えることができる。
【0064】また、本発明に従うマイクロリレーでは、
環境温度が変化しても連結部を中心とした可動部全体の
変位量が釣り合って回転運動は0となり平衡状態が安定
的に保持されるため、誤動作を生じることがない。した
がって、本発明に従うマイクロリレーは広い温度範囲で
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従うマイクロリレーを示す
斜視図である。
【図2】図1に示したマイクロリレーの構造を示す分解
斜視図である。
【図3】図1に示したマイクロリレーの構造を示す概略
的な断面図である。
【図4】本発明の実施例に従うマイクロリレーのリレー
動作を示す図である。
【図5】本発明の実施例に従うマイクロリレーのリレー
動作を示す図である。
【図6】本発明の実施例に従うマイクロリレーのリレー
動作を示す図である。
【図7】本発明の実施例に従うマイクロリレーのリレー
動作を示す図である。
【図8】本発明の実施例に従うマイクロリレーのリレー
動作を示す図である。
【図9】(a)および(b)は、本発明の実施例に従う
マイクロリレーの入力状態を模式的に示すタイミング図
であり、(c)および(d)は、本発明の実施例に従う
マイクロリレーの出力状態を模式的に示すタイミング図
である。
【図10】本発明の実施例に従うマイクロリレーの基板
部の製造方法を工程順に示す図である。
【図11】本発明の実施例に従うマイクロリレーの可動
部の製造方法を工程順に示す図である。
【図12】本発明の実施例に従うマイクロリレーの可動
部の製造方法を工程順に示す図である。
【図13】本発明の実施例に従うマイクロリレーの可動
部の製造方法を工程順に示す図である。
【図14】従来のマイクロリレーの構造を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
100 基板部 110a,110b,110c,110d 固定接点 120 永久磁石 210 枠部 220 可動部 230 連結部 240,250 磁性体層 260 基体部 222L,222R 可動接点 なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 的場 宏次 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山下 善二郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数組の固定接点が設けられたフェライ
    ト基板と、 前記固定接点に対応する複数組の可動接点が設けられた
    可動部とを具備してなるマイクロリレーであって、 前記可動部は、前記基板上に設けられた枠体に連結部を
    介して支持されるものであり、かつ前記可動部は、 前記枠部に連結され、前記枠部と同一材料で構成される
    基体部と、 前記基体部の対向する一対の主表面上に設けられ、前記
    基体部よりも線膨張係数の大きい材料で構成される一対
    の磁性体層と、 前記磁性体層のそれぞれにおいて、前記連結部を中心と
    して対向する位置に設けられる2組のヒータ対と、 前記ヒータ上に設けられる前記可動接点とを備え、 前記固定接点が設けられたフェライト基板には、前記連
    結部を中心とした前記可動部の変位を保持するための永
    久磁石が設けられていることを特徴とする、マイクロリ
    レー。
  2. 【請求項2】 前記基体部がシリコンからなる、請求項
    1に記載のマイクロリレー。
JP19735493A 1993-08-09 1993-08-09 マイクロリレー Withdrawn JPH0757603A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100782389B1 (ko) * 2006-05-02 2007-12-07 김태민 래치 타입의 소형 릴레이
JPWO2019187844A1 (ja) * 2018-03-28 2021-04-01 住友精密工業株式会社 Memsデバイスの製造方法、memsデバイス及びそれを用いたシャッタ装置

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