JPH0754434Y2 - 廻縁補助部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、廻縁及び天井板が支持でき、且つ壁側及び天
井側に貼られたクロスの端末が処理できる廻縁補助部材
に関する。

〈従来の技術〉 仕上げの異なる二つの部材が出会う隅角部では、見映え
を良くするために種々の部材が用いられる。例えば、壁
上端と天井端縁との隅角部に用いられる廻縁もその一つ
である。

廻縁は隅角部に沿って伸びる長い縁木で、天井板に上面
が当接された状態で取付けられるようになっている。従
って、廻縁は壁上端と天井端縁とを同時に見切ること
で、隅角部を見映えの良いものとしている。

近年工業生産住宅などでは、耐火性，施工性などの向上
を図る目的で、壁材や天井板に石膏ボードが多用されて
いる。このような場合においても、天井側の石膏ボード
には廻縁の上面が当接状態で取付けられ、石膏ボード端
縁が見切られることで、隅角部は見栄映え良く納められ
るようになっている。

〈考案が解決しようとする課題〉 石膏ボードが用いられた天井板端縁には、隅角部での見
映えを良くするために廻縁が当接状態で取付けられてい
る。しかしながら、近年天井板に用いられた石膏ボード
へもクロス貼りが行なわれるようになり、廻縁と石膏ボ
ードとが当接状態となっていることから、石膏ボードに
貼られたクロスは、端部を廻縁と石膏ボードとの見切り
に沿って切断するに止める外なく、クロス端部が露出状
態となることにより隙間が生じたり、隅角部の見映えが
低下する虞れ等があった。

本考案は上記状況に鑑みてなされたもので、廻縁，天井
板が支持できると共に、クロスの端部処理が行なえる廻
縁補助部材を提供し、もって廻縁近傍の見映え向上を図
ることを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するための本考案に係る廻縁補助部材の
構成は、裏面が壁面に取付けられ、該壁面と天井板との
隅角部に沿って伸びる基片と、該基片の下端縁に形成さ
れ前記壁面に貼られたクロスの上端部をのみ込む間隙を
前記壁面との間に形成する折曲片と、前記基片の表面に
水平に直交して突設され接着手段により前記基片の表面
に固定された廻縁の上面に当接し該廻縁を位置決めする
第一水平片と、前記天井板に貼られたクロスの端部をの
み込む間隙を隔て該第一水平片の上方に該第一水平片と
平行となるように前記基片に突設され上面に前記天井板
の端縁が載置されると共に先端側下面が前記天井板の下
面と段差が生じないようにテーパ状に欠切された第二水
平片とから形成されることを特徴とした廻縁補助部材。

〈作用〉 第一水平片と折曲片とに当接した廻縁が壁面に取付けら
れた基片に接着手段を介して固定され、廻縁は壁面との
間に間隙を形成して壁面に支持される。第二水平片の上
面に天井板の端縁が載置され、天井板の下面と廻縁の上
面との間に間隙が形成される。廻縁と壁面及び廻縁と天
井板との間に形成された間隙にクロスの端部が夫々のみ
込まれ、クロスは端部が露出することなく廻縁に見切ら
れる。よって隙間が生じても隠れて外部から露見しな
い。

〈実施例〉 以下本考案に係る廻縁補助部材の好適な一実施例を図面
を参照して詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係る廻縁補助部材が用いら
れた壁と天井との隅角部を表す断面図を示す。

壁面１の上方には本実施例に係る廻縁補助部材２の基片
３が釘４により取付けられている。基片３は壁面１と天
井側の石膏ボード５との隅角部に沿って伸びている。基
片３の下端縁には、下端縁が壁面１との間に間隙が形成
されるように折曲された折曲片６が形成されている。折
曲片６と壁面１との間に形成された間隙７には壁面１に
貼られたクロス８の上端部がのみ込まれるようになって
いる。

基片３の表面には、水平状態で基片３と直交する第一水
平片９が突設されている。第一水平片９と折曲片６との
間の基片３の表面には接着手段である粘着テープ10が貼
着されている。粘着テープ10の表面には廻縁11の裏面が
接着固定され、廻縁11は上面と裏面下端とが夫々第一水
平片９と折曲片６とに当接することで所定の位置に位置
決めされるようになっている。つまり、廻縁11は基片３
を介して壁面１に取付けられるようになっている。

第一水平片９の上方には、第一水平片９と平行な第二水
平片12が基片３に突設されている。第一水平片９と第二
水平片12との間には石膏ボード５に貼られたクロス８の
端部がのみ込まれる間隙13が形成されている。第二水平
片12の上面には石膏ボード５の端縁が載置されるように
なっている。従って、石膏ボード５の端縁が載置される
ようになっている。従って、石膏ボード５は、廻縁11の
上面から間隙13を隔て第二水平片12に支持されるように
なっている。第二水平片12の先端側下面は先端に向うに
従い肉薄となるようなテーパ状に成形されている。従っ
て、第二水平片12に載置された石膏ボード５の下面と、
第二水平片12の先端縁との境には段差が生じないように
なっている。つまり、石膏ボード５から第二水平片12に
亘り貼着されるクロス８は、段部が生じることなく間隙
13にのみ込まれるようになっている。

廻縁補助部材２は、基片3,折曲片6,第一水平片9,第二水
平片12が押出成形などの一体成形で製作されることが望
ましい。

上述の廻縁補助部材の作用を説明する。

壁面１に取付けられた廻縁補助部材２に粘着テープ10を
介して廻縁11が折曲片6,第一水平片９とに当接して固定
され、廻縁11は壁面１との間に間隙７を隔てて取付けら
れる。第二水平片12の上面に石膏ボード５が載置され、
石膏ボード５が壁面１に支持されると共に、石膏ボード
５の下面と廻縁11の上面との間には間隙13が形成され
る。間隙7,13にクロス８の端部がのみ込まれ、クロス８
は端部が露出することなく廻縁11により見切られる。

上述の廻縁補助部材２によれば、廻縁11が間隙７を隔て
て壁面１に取付けられ、石膏ボード５が廻縁11の上面と
間隙13を隔てて支持されるようにしたので、壁面１と石
膏ボード５とに貼られたクロス８の端部を夫々間隙7,13
にのみ込ませることができる。また、第二水平片12の先
端側下面が石膏ボード５の下面と面一状態となるように
テーパ状となっているので、石膏ボード５から第二水平
片12に亘り貼られ、間隙13にのみ込まれるクロス８の表
面には、段差が生じることがない。この結果、クロス８
が貼られる壁面１と石膏ボード５とへの廻縁11の納まり
を見映えの良いものとすることができる。

尚、上記施工において附着力を増大させる為、和紙の増
貼りを行えばより好適である。

〈考案の効果〉 本考案に係る廻縁補助部材は、廻縁が壁面との間に間隙
を隔てて取付けられると共に、天井板が廻縁の上面と間
隙を隔てて支持され、天井板が載置される第二水平片の
先端側下面を天井板下面と段差が生じないようにテーパ
状としたので、壁面及び天井板に貼られるクロスの端部
を段差を生じさせることなく、間隙にのみ込ませること
ができる。この結果、廻縁近傍を見映え良く納めること
ができるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例に係る廻縁補助部材が用いら
れた壁と天井との隅角部を表す断面図である。 １……壁面,2……廻縁補助部材,3……基片,5……石膏ボ
ード（天井板）,6……折曲片,7,13……間隙,8……クロ
ス,9……第一水平片,11……廻縁,12……第二水平片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】裏面が壁面に取付けられ、該壁面と天井板
   との隅角部に沿って伸びる基片と、該基片の下端縁に形
   成され前記壁面に貼られたクロスの上端部をのみ込む間
   隙を前記壁面との間に形成する折曲片と、前記基片の表
   面に水平に直交して突設され接着手段により前記基片の
   表面に固定された廻縁の上面に当接し該廻縁を位置決め
   する第一水平片と、 前記天井板に貼られたクロスの端部をのみ込む間隙を隔
   て、該第一水平片の上方に該第一水平片と平行となるよ
   うに前記基片に突設され上面に前記天井板の端縁が載置
   されると共に先端側下面が前記天井板下面と段差が生じ
   ないようにテーパ状に切欠された第二水平片とから形成
   されることを特徴とした廻縁補助部材。