JPH0753307B2 - 流体透過性材料及びその製造法 - Google Patents

流体透過性材料及びその製造法

Info

Publication number
JPH0753307B2
JPH0753307B2 JP62208778A JP20877887A JPH0753307B2 JP H0753307 B2 JPH0753307 B2 JP H0753307B2 JP 62208778 A JP62208778 A JP 62208778A JP 20877887 A JP20877887 A JP 20877887A JP H0753307 B2 JPH0753307 B2 JP H0753307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skeleton
porous body
fluid
ceramic porous
pores
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62208778A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6453760A (en
Inventor
孝男 堀江
正一 酒井
富彦 寺本
新一 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sharyo Ltd
Original Assignee
Nippon Sharyo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sharyo Ltd filed Critical Nippon Sharyo Ltd
Priority to JP62208778A priority Critical patent/JPH0753307B2/ja
Publication of JPS6453760A publication Critical patent/JPS6453760A/ja
Publication of JPH0753307B2 publication Critical patent/JPH0753307B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、流体透過性材料及びその製造法に係り、特に
内部に形成された連続気孔を通じて、流体を透過し得る
ようにした、鋳造品等の流体透過性成形品からなる、成
形型のベントホール材料等として好適に用いられ得る流
体透過性材料と、それを製造する方法に関するものであ
る。
(背景技術) 従来から、所定形状の成形品を得るための成形操作に
は、多くの方法が開発されてきており、例えば切削加工
による成形、鍛造による成形、プレス成形、鋳造、射出
成形、ブロー成形等が一般産業の中に浸透している。そ
の中で、成形素材(原材料)を可塑状態乃至は流動状態
として成形型の成形(製品)キャビティ内において成形
する方法が幾つか採用されており、例えばプラスチック
の射出成形やブロー成形、ガラス製品の成形等が知られ
ている。
そして、この成形型を用いる方法では、成形型の製品キ
ャビティ表面(内面)へ流動状態の原料を所定の圧力下
に押し付けて転写することによって、成形操作が行なわ
れることとなるが、製品形状によっては、原料と成形型
との間に空気の如きガスが挟み込まれ、成形の邪魔をす
ることがあるところから、そのような欠陥を解消するた
めに、成形型の製品キャビティ面には必ず排気孔乃至は
ガス抜き孔(ベントホール)が設けられているのであ
り、そしてそれは、成形方法と原料、スピード等、多く
の因子を絡み合わせて、設計されているのが現状であ
る。例えば、粘度、表面張力等の素材の物性やブロー圧
力、射出圧力等の成形圧力にて、排気孔の形状やサイズ
が選定され、またブロー速度や射出速度等の成形速度に
応じて、排気孔の構造、サイズ、数量が選定され、更に
は目詰まり、腐食、摩耗等の耐久性の点から、排気孔の
構造や材質等が適宜に選定されているのである。
ところで、従来より成形型に設けられるガス抜き手段と
しては、大きく分けて2種類のものが用いられており、
その一つは、型自身に直接孔を開いたり、型を多孔材で
作製するようにしたものであり、また他の一つは、ベン
トホールと呼ばれる排気孔を有する円筒状の部材を型へ
打ち込むようにした手段が取られており、多くは後者が
用いられ、そしてその代表的な構造は、スリット型、小
孔型等があり、機械加工(切削)、放電加工、焼結成形
により製作されている。なお、その開孔形状とサイズ
は、スリットタイプで0.1〜0.3mm幅×3mm深、小孔タイ
プで0.1〜0.5mmφ程度のものである。
しかしながら、このようなベントホール素材において
は、気孔断面形状が同一であるために、製品表面へのベ
ントホールの転写を無くそうとすると、その気孔サイズ
を小さくする必要があるが、その気孔サイズを小さくす
ると、排気効率の低下と目詰まりの発生が問題となるの
であり、またフィルタ等にも用いられているような焼結
体によるベントホールにおいては、開口サイズが2〜30
μmの範囲を持つが、大きなサイズでは強度不足や表面
粗度が悪く、それを改善しようとすれば、素材金属粒子
の難切削性から目詰まりを生じる等といった問題があ
り、その用途に適応した排気孔構造、排気孔サイズ、排
気能力のものを選定するのは、困難であったのである。
一方、本願出願人のうちの一人は、連続気孔を備えて、
流体を透過し得る特性を有する、従来の焼結体等に代わ
り得る新規な流体透過性材料として、先に、特公平2−
49825公報号、特公平3−72034号公報、特開昭63−1667
76号公報、特開昭63−176378号公報等において、多孔組
織を形成する骨格自体が中空の構造とされて、全体とし
て連続した空孔が該骨格内に形成されたセラミックス多
孔体を用い、その多孔構造の間隙内にマトリックス材料
を入り込ませて一体的な構造と為すことにより、かかる
セラミックス多孔体の多孔構造の骨格内に形成された空
孔を利用して、流体を透過せしめ得るようにした新規な
複合成形体材料を明らかにした。
そこで、本発明者らは、そのような新規な流体透過性材
料を用いて、それを、前記した成形型の材料として、特
にベントホール材料として利用することを検討したが、
そこには、解決されるべき一つの問題が内在しているこ
とが明らかとなったのである。即ち、かかる流体透過性
材料に形成された空孔(気孔)の大きさは200〜800μm
程度であるが、そのような大きさの空孔が型表面に開口
していると、その開口形状が製品表面に転写されてしま
うといった問題が依然として存在していることが明らか
となったのであり、それ故に、そのような流体透過性材
料の成形型への適用には、その空孔の開口部、即ち気孔
のサイズを更に小さくする必要があるのである。
(発明の目的) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その目的とするところは、内部
に埋設されたセラミックス多孔体の骨格内に形成された
空孔によって流体透過性が付与された鋳造品等の流体透
過性材料において、その空孔を利用した流体透過性能力
を著しく低下させることなく、その表面状態を改善し
て、例えばベントホール材料等の成形型材料として用い
られた場合において、かかる空孔開口部が製品表面に転
写されるのを阻止し得る構造を提供することにあり、ま
たそのような構造を実現するに有効な方法を提供するこ
とにある。
(発明の構成) そして、本発明は、かかる目的を達成するために、多孔
組織を構成する骨格自体が中空構造とされて、該骨格内
に連続した空孔が形成されたセラミックス多孔体の骨格
の間隙内にマトリックス材料が入り込み、該マトリック
ス材料からなる連続的な基地内に該セラミックス多孔体
が埋入された形態の一体的な複合構造を呈すると共に、
該セラミックス多孔体の骨格の空孔が開口せしめられた
部分を少なくとも含む表面部位に所定厚さの多孔質溶射
層が形成されて、該多孔質溶射層によって該空孔開口部
が覆蓋され、流体を透過せしめる空孔のサイズが実質的
に縮小せしめられていることを特徴とする流体透過性材
料にある。
また、本発明では、かくの如き流体透過性材料を製造す
るために、多孔組織を構成する骨格自体が中空構造とさ
れて、該骨格内に連続した空孔が形成されたセラミック
ス多孔体の存在下に、流動性マトリックス材料の成形操
作を実施し、かかるセラミックス多孔体の骨格の間隙内
に該マトリックス材料を入り込ませて、一体的な複合成
形品と為した後、かかる複合成形品を加工して、その表
面に前記セラミックス多孔体の骨格の空孔部を開口せし
め、更にその後、該複合成形品の少なくとも前記加工部
を含む表面に、溶射操作によって多孔質溶射層を形成す
る手法が、好適に採用されることとなるのである。
(具体的構成・実施例) ところで、かくの如き本発明に従って、例えば流体透過
性鋳造製品を製造する場合にあっては、先ず、第1図に
示されているように、鋳型内の所定位置に、第2図に示
されている如き特定構造のセラミックス多孔体を配置せ
しめた状態下において、所定の金属溶湯を注湯すること
により、第3図に示されている如き、三次元的に連続し
た気孔(空孔)を備えて、流体を透過し得る特性を有す
る鋳造品が製造されるのである。
なお、かかる第1図において、10は、上型12と下型14と
から構成される鋳型であり、一般に生型砂または樹脂を
硬化媒体に用いた自硬性鋳型砂等によって製作されたも
のであり、或いはパーマネント鋳型(金型)等からなる
ものである。また、かかる鋳型10内には、陶器製湯道1
6、押湯18及び所定形状の鋳造キャビティ20が形成され
ている。そして、このキャビティ20内に、所定の三次元
網目構造のセラミックス多孔体22がセットされているの
である。また、このような鋳型10のキャビティ20下部に
は、湯溜り24が設けられており、更に、所定の金属溶湯
26は、取鍋28より受湯口30を通じて注湯されることとな
る。
また、かかる第1図においては、第5図に示されている
如き、鋳造品32の全体に亘って、セラミックス多孔体22
が鋳込まれた製品を得るべく、セラミックス多孔体22が
鋳造キャビティ20内の全体に亘って位置する状態でセッ
トされているが、その鋳造品32におけるセラミックス多
孔体22の配設位置及びその形状は限定されるものではな
く、目的とする製品に応じて適宜に決定されるものであ
り、例えば該セラミックス多孔体22を、その幾つかの外
面が鋳造キャビティ20内面から浮いた状態でセットする
場合には、ケレン等の適当な止め金具が用いられる。
ここにおいて、この鋳造キャビティ20内に配置、固定さ
れるセラミックス多孔体22は、多孔組織を形成する骨格
自体が中空とされて、その骨格内に連続した空孔が形成
されたものであって、例えば第2図に示されている如
く、エステル系ポリウレタン等の樹脂を発泡させた後、
その骨格の周りに残った膜状物質(発泡膜)を圧縮空気
等を用いて除去することにより、得られた三次元網目構
造の骨格組織を有する合成樹脂発泡体に対し、その骨格
の表面にセラミックススラリー等のセラミックス材料を
付着させ、更に乾燥、焼成せしめて、かかる樹脂発泡体
を焼失せしめることにより得られる、三次元網目構造の
骨格34自体が中空とされて、全体として連続した空孔36
が該骨格34内に形成されたもの等が、用いられることと
なる。
なお、このようなセラミックス多孔体22を形成するセラ
ミックス材料としては、目的とする製品に要求される特
性に応じて、コージエライト、アルミナ、アルミナ・コ
ージエライト、炭化珪素、ムライト、ジルコニア等の公
知の材料が適宜に選択、採用されるものである。
そして、このような構造のセラミックス多孔体22が、前
述のように、鋳造キャビティ20内に配置された状態下に
おいて、その鋳造品に求められる物理特性に応じて管理
された化学成分を有する金属溶湯26が注湯せしめられる
のである。なお、かかる金属溶湯26としては、鋳鉄や鋳
鋼組成のものが一般に用いられるものであるが、その
他、銅合金やアルミニウム合金等の種々なる金属製品の
鋳造にも、本発明は有利に適用され得るものであり、そ
れ故かかる金属溶湯26としては、そのような製品原料に
応じて適宜に選定されるものであることは、言うまでも
ない。
また、このように注湯される金属溶湯26は、一般に、第
1図に示されている如く、受湯口30及び湯道16を通じ
て、鋳造キャビティ20内に導かれ、セラミックス多孔体
22の三次元網目構造の骨格34間の間隙を充満しつつ、押
湯18へ達し、それによって注湯作業が完了する。
なお、この金属溶湯26としては、上述したように、非
鉄、鉄系の制限はないが、鋳造キャビティ20内に導入さ
れる際、鋳型10内壁面との接触による温度降下は避けら
れず、更にセラミックス多孔体22の設置により、なおそ
の傾向が助長されることとなるところから、注湯時の溶
湯温度としては、通常のものより高めに設定することが
望ましい。また、かかる金属溶湯26をセラミックス多孔
体22の骨格組織間(セル内)に均等に侵入させ、凝固さ
せるために、必要に応じて、適量な押湯を設定し、適当
な溶湯ヘッドを与えるようにしても、何等差支えない。
そして、このように、金属溶湯26の注湯作業が終了した
後、その凝固が行なわれ、そして、その凝固の完了した
鋳造品にあっては、第3図に示されているように、セラ
ミックス多孔体22の三次元網目構造を有する骨格34にて
構成されるセル内に鋳造金属40が入り込んで、該鋳造金
属40がセラミックス多孔体22に対するマトリックスを構
成してなる一体的な構造を呈するもの(複合成形品)と
なるのである。
次いで、このようにして得られた複合成形品たる鋳造品
32には、その凝固が完了した後、通常の鋳造作業と同様
な、解枠、冷却、ショットブラスト等による清掃、グラ
インダ仕上げ等の工程を経て、目的とする流体透過性製
品と為すために、切削や研磨等の加工が施され、それに
よって、その表面に、内部に埋設されているセラミック
ス多孔体22の骨格34の露出面38における空孔36が開口せ
しめられ、第4図に示される如く、かかる空孔36が外部
に開口せしめられた表面38を有する鋳造品32とされるの
である。
その後、このように、所定の加工によって、セラミック
ス多孔体22の骨格34内の空孔36が外部に開口せしめられ
てなる、鋳造品32に対しては、ブラスト処理などの粗面
化処理が、必要に応じて施されることとなる。この粗面
化処理によって、少なくとも空孔開口表面は凹凸粗面状
態となり、その上に形成される多孔質溶射層の機械的な
結合力が、より一層向上せしめられることとなる。
次いで、かかる粗面化された或いは粗面化されていない
鋳造品32に対して、少なくともその空孔開口面を含む表
面に、通常の溶射操作によって所定の溶射材料が溶射せ
しめられて、そこに、多孔質溶射層が形成されることと
なる。そして、この溶射処理によって、鋳造品32の空孔
開口表面38は、第6図(a)及び(b)に示されるよう
に、多孔質溶射層42にて覆われ、しかもこの溶射層42
は、セラミックス多孔体22の骨格34の空孔36の開口部を
覆い、かかる空孔開口部が直接に露呈されないようにな
っているのである。
ところで、溶射技術は、低〜高融点の金属、合金、セラ
ミックス、プラスチックス等の材料を用いた被覆を可能
ならしめるものであり、母材への熱影響が少なく、形
状、大きさに制限され難いという特徴を持ちながら、粒
子間結合が弱く、素地との密着が悪く、多孔質であると
いう欠点を持っているが、本発明では、この従来から欠
点とされていた溶射層(42)の多孔質特性を利用して、
その多孔質な状態の層を流体透過性材料の表面に形成す
ることにより、内部のセラミックス多孔体22の骨格34の
空孔36の大きな開口部を覆蓋して、それが直接に露呈し
ないようにしつつ、かかる空孔36の外部との連通性を効
果的に保持せしめるようにしたのである。けだし、第6
図に示されるように、空孔36の開口部を溶射層42にて覆
蓋しても、かかる溶射層42は、所定の材料からなる溶射
粒子44の積層構造にて構成されているところから、かか
る溶射粒子44,44間に形成される気孔46が多数存在し、
そしてそのような気孔46が相互に連通することにより、
それら気孔46を介して、鋳造品32の空孔36が外部に連通
せしめられることとなるのであり、しかもそのような気
孔46は、空孔36よりも遥かにサイズの小さなものとなる
のである。
なお、このような鋳造品32の少なくとも空孔開口部を含
む表面(38)を覆う多孔質溶射層42は、一般に、近年に
おけるプラズマ溶射手法を含む通常の溶射技術によって
形成されることとなるが、この溶射操作によって溶射せ
しめられる材料としても、金属(合金を含む)は勿論の
こと、セラミックス、サーメット、更にはプラスチック
ス等の公知の溶射材料の中から、目的に応じて適宜に選
定されることとなる。
また、このような鋳造品32の少なくとも空孔開口部位を
含む表面(38)に形成される多孔質溶射層42の厚さとし
ても、目的に応じて適宜に選定されることとなるが、一
般に、50μm程度〜800μm程度の厚さとされるもので
あり、また溶射法によっては、2.5mmまでの厚さの溶射
層を形成することも可能であり、更にそのような溶射層
42の気孔46のサイズとしては、一般に、10〜150μm、
好ましくは40〜100μm程度の大きさとされることとな
る。そして、このように、溶射層42は、その層厚さが薄
いために、気孔サイズが小さい割には圧損が少なく、目
詰まりも減少する等の効果が得られるのである。
さらに、上記の如きポーラスな溶射層42を形成させるた
めには、温度、粒子スピード、溶射距離、原料パウダ
(溶射材料)の粒径、材質を管理する必要があり、また
かかる溶射層42の気孔率は溶射粒子の温度と速度、その
気孔径はパウダの材質と粒径に依存するものであるとこ
ろから、それらが、目的とする多孔質構造の溶射層42を
実現するために、種々管理されることとなるが、特に本
発明にあっては、溶射粉末としては、30〜70μm程度の
粒径の粉末が有利に用いられることとなる。
そして、このように、少なくとも空孔開口部位を含む表
面(38)に、多孔質溶射層42が形成されてなる鋳造品32
には、更に必要な加工が施され、例えば、必要に応じて
溶射層42表面が研削されて、第6図(b)に示されるよ
うな平坦な表面とされ、以て内蔵するセラミックス多孔
体22の骨格34内の空孔36に基づいて、流体を透過し得る
特性を付与された、目的とする流体透過性材料として用
いられるのである。
特に、このようにして得られた流体透過性材料は、その
空孔36の開口部上に気孔サイズの小さな多孔質溶射層42
が形成され、かかる空孔開口部が露呈されていないとこ
ろから、それを、ベントホール材料等の成形型の、特に
製品キャビティ形成面の少なくとも一部を構成する材料
として用いても、製品表面に空孔開口部が転写されるよ
うな恐れもないところから、そのような分野に有利に用
いられ得るものであるが、またその他、空孔開口部の直
接の開口によって影響を受けるような材料乃至は製品へ
の適用も有効であることは言うまでもなく、更にはベン
トホール等の吸気材料ばかりでなく、空孔36を通じて外
部に各種の流体を噴出するための材料乃至は製品として
も有効に利用され得るものである。
以上、流体透過性材料の一例としての鋳造品及びそれを
製造する具体例に基づいて、本発明を詳細に説明してき
たが、本発明が、そのような具体例及びそれに関連する
具体的な構成の説明のみに限定して解釈されるものでな
いことは、言うまでもないところである。
例えば、本発明において用いられるセラミックス多孔体
としては、例示の如き三次元網目構造を有する樹脂発泡
体の他、櫛状体若しくは剣山状製品等の、焼失性材料か
らなる構造体の骨格の周りに所定のセラミックス材料を
付着させ、そしてそれを焼成して焼結せしめることによ
り得られるもの等が、何れも良好に使用されるものであ
る。
また、上例では、本発明に従う流体透過性材料として、
流体透過性鋳造品を明らかにしたが、この例示の鋳造品
以外にも、マトリックス材料として、プラスチック材
料、ガラス材料、更にはセラミックス材料を用い、それ
らを所定のセラミックス多孔体の三次元網目構造の組織
間隙内に充填せしめ、またセラミックス材料にあって
は、そのような充填材料を焼結して、セラミックス多孔
体と一体的な構造と為すことにより、目的とする流体透
過性製品を製造することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において、実施され得るものであり、そのような実施態
様のものが、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、
何れも、本発明の範疇に属するものであることが理解さ
れるべきである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明は、骨格内が連
続した中空構造とされたセラミックス多孔体を一体的に
内在する鋳造品等の複合成形品において、かかるセラミ
ックス多孔体の骨格の空孔部が開口する部位を少なくと
も含むように、その空孔開口部位を含む表面に、多孔質
溶射層を形成して、目的とする流体透過性材料としたも
のであって、これにより、かかる流体透過性材料のセラ
ミックス多孔体の骨格の空孔による流体透過性の特性を
維持しつつ、その表面粗度の向上を有利に達成し得たの
であり、またかかる溶射層の少なくともその厚さや気孔
率、気孔サイズを変えることで、その流体透過性能をコ
ントロールすることが容易となる等の効果を奏し得たの
であり、そこに、本発明の大きな工業的意義が存するの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従う流体透過性材料を製造するため
の一工程を示す断面説明図であり、第2図は、そこにお
いて用いられるセラミックス多孔体を示す要部拡大断面
説明図であり、第3図は、かかる製造手法にて得られる
鋳造品を示す要部拡大断面説明図であり、第4図は、第
3図における鋳造品の加工面を示す拡大説明図であり、
第5図は、第3図における鋳造品の全体斜視図であり、
第6図(a)は、かかる鋳造品の加工面に多孔質溶射層
を形成した状態を示す要部拡大断面説明図であり、第6
図(b)は、多孔質溶射層の表面を研削加工した状態を
示す第6図(a)に対応する図である。 10:鋳型、20:鋳造キャビティ 22:セラミックス多孔体 26:金属溶湯、32:鋳造品 34:骨格、36:空孔 38:加工面、40:鋳造金属 42:多孔質溶射層、44:溶射粒子 46:気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺本 富彦 愛知県名古屋市熱田区三本松町1丁目番1 号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 星野 新一 愛知県春日井市気噴町北2―266 (56)参考文献 特開 昭61−163224(JP,A) 特開 昭62−30038(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔組織を構成する骨格自体が中空構造と
    されて、該骨格内に連続した空孔が形成されたセラミッ
    クス多孔体の骨格の間隙内にマトリックス材料が入り込
    み、該マトリックス材料からなる連続的な基地内に該セ
    ラミックス多孔体が埋入された形態の一体的な複合構造
    を呈すると共に、該セラミックス多孔体の骨格の空孔が
    開口せしめられた部分を少なくとも含む表面部位に多孔
    質溶射層が形成されて、該多孔質溶射層によって該空孔
    開口部が覆蓋され、流体を透過せしめる空孔のサイズが
    実質的に縮小せしめられていることを特徴とする流体透
    過性材料。
  2. 【請求項2】前記セラミックス多孔体が、三次元網目構
    造の骨格組織を有する構造体である特許請求の範囲第1
    項記載の流体透過性材料。
  3. 【請求項3】前記多孔質溶射層が、10〜150μmの気孔
    サイズを有している特許請求の範囲第1項または第2項
    記載の流体透過性材料。
  4. 【請求項4】前記マトリックス材料が、鋳鉄若しくは鋳
    鋼である特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れかに記
    載の流体透過性材料。
  5. 【請求項5】多孔組織を構成する骨格自体が中空構造と
    されて、該骨格内に連続した空孔が形成されたセラミッ
    クス多孔体の存在下に、流動性マトリックス材料の成形
    操作を実施し、かかるセラミックス多孔体の骨格の間隙
    内に該マトリックス材料を入り込ませて、一体的な複合
    成形品と為した後、かかる複合成形品を加工して、その
    表面に前記セラミックス多孔体の骨格の空孔部を開口せ
    しめ、更にその後、該複合成形品の少なくとも前記加工
    部を含む表面に、溶射操作によって多孔質溶射層を形成
    することを特徴とする流体透過性材料の製造法。
  6. 【請求項6】前記セラミックス多孔体が、三次元網目構
    造の骨格組織を有する構造体である特許請求の範囲第5
    項記載の製造法。
  7. 【請求項7】前記溶射操作に先立って、前記複合成形品
    の少なくとも前記加工部を含む表面に、粗面化処理が施
    される許請求の範囲第5項または第6項記載の製造法。
  8. 【請求項8】前記流動性マトリックス材料として、鋳鉄
    若しくは鋳鋼の溶湯を用いて、鋳造操作を実施し、得ら
    れる鋳造品中に前記セラミックス多孔体が埋入されてな
    る複合成形品が形成される特許請求の範囲第5項乃至第
    7項の何れかに記載の製造法。
JP62208778A 1987-08-21 1987-08-21 流体透過性材料及びその製造法 Expired - Fee Related JPH0753307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62208778A JPH0753307B2 (ja) 1987-08-21 1987-08-21 流体透過性材料及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62208778A JPH0753307B2 (ja) 1987-08-21 1987-08-21 流体透過性材料及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6453760A JPS6453760A (en) 1989-03-01
JPH0753307B2 true JPH0753307B2 (ja) 1995-06-07

Family

ID=16561941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62208778A Expired - Fee Related JPH0753307B2 (ja) 1987-08-21 1987-08-21 流体透過性材料及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0753307B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19621638C2 (de) * 1996-05-30 2002-06-27 Fraunhofer Ges Forschung Offenzellige Schaumkeramik mit hoher Festigkeit und Verfahren zu deren Herstellung

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61163224A (ja) * 1985-01-14 1986-07-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 複合部材およびその製造方法
JPS6230038A (ja) * 1985-08-01 1987-02-09 株式会社デンソー 多孔質セラミツク構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6453760A (en) 1989-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1671720B1 (en) Ceramic casting core and method
US4531705A (en) Composite and durable forming model with permeability
CA1292114C (en) Fluid-permeable article and method for producing the same
US5299620A (en) Metal casting surface modification by powder impregnation
JPH0519176Y2 (ja)
RU2456116C2 (ru) Способ формовки литейных форм
CA2545954A1 (en) Layer system and process for producing a layer system
CN101085463B (zh) 汽缸套和汽缸套的制造方法
CN1727097A (zh) 熔模铸造
KR910000953B1 (ko) 통기성을 갖춘 복합내구 성형형
CA3094276A1 (en) Method for producing a casting mould for filling with melt and casting mould
US5415219A (en) Grid casting mold for the casting of lead grids for accumulators and methods for its manufacture
JP2851293B2 (ja) 鋳物砂からの鋳型製造用不均質多孔性型具及びその製造方法
JPH0753307B2 (ja) 流体透過性材料及びその製造法
CN111730029A (zh) 一种基于3d打印的精密铸造方法
US7032647B2 (en) Pressure casting using a supported shell mold
CA1296861C (en) Continuous casting molds
JP2545384B2 (ja) 流体透過性製品の製造方法
JP2545383B2 (ja) 流体透過性製品の製造方法
JPH07112619B2 (ja) セラミックス被覆鋳造法
JP4376127B2 (ja) 減圧鋳造用金型の製造方法
JPS63256541A (ja) ガラス成形用型およびそれを用いたガラス製品の成形方法
JPS63176378A (ja) 流体透過性製品の製造方法
Ali et al. A review on the effects of ceramic sand particles on most casting defects
JP4266816B2 (ja) 外側の粗い表面を備えた軽金属製のシリンダライナを製造するための方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees