JPH0753216A - 二酸化チタン微粉末およびその製造方法 - Google Patents

二酸化チタン微粉末およびその製造方法

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JPH0753216A
JPH0753216A JP20325893A JP20325893A JPH0753216A JP H0753216 A JPH0753216 A JP H0753216A JP 20325893 A JP20325893 A JP 20325893A JP 20325893 A JP20325893 A JP 20325893A JP H0753216 A JPH0753216 A JP H0753216A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散性および耐光性に優れたジルコニウム・
アルミニウム固溶アナタース型二酸化チタン微粉末であ
って、食品包装材料、紫外線劣化防止剤、紫外線遮蔽シ
ートおよびフィルム、日焼け防止用化粧料等に有用な易
分散性ジルコニウム・アルミニウム固溶アナタース型二
酸化チタン微粉末の提供。 【構成】 0.005〜0.1μmの範囲内の大きさで
あり、かつ結晶構造中にジルコニウムおよびアルミニウ
ムが固溶したことを特徴とするアナタース型二酸化チタ
ン微粉末、および粒子表面が被覆されたことを特徴とす
る前記のアナタース型二酸化チタン微粉末、およびそれ
らの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】産業上の利用分野 本発明は、分散性および耐光性に優れたジルコニウム・
アルミニウム固溶アナタース型二酸化チタン微粉末に関
し、更に詳しくは、食品包装材料、紫外線劣化防止剤、
紫外線遮蔽シートおよびフィルム、日焼け防止用化粧料
等に有用な易分散性ジルコニウム・アルミニウム固溶ア
ナタース型二酸化チタン微粉末に関する。
【0002】従来の技術 0.1μm以下の粒子径を有する二酸化チタン微粉末
は、例えば樹脂に配合された時可視光線を透過させ、一
方、紫外線を遮蔽して紫外線によって変色、変質する物
質を保護するので、食品や医薬品などのプラスチックス
包装材、農園芸用プラスチックス被覆材、化粧品などに
利用されている。このような二酸化チタン微粉末は、微
粒子であるが故に凝集力が極めて強く樹脂への分散が難
しい。従って樹脂に添加混合した場合に未分散の凝集粒
子が分散媒樹脂中に残存する為、前記の大きさの二酸化
チタン微粉末が有する本来の可視光線高透過能および紫
外線遮蔽能を実質的には利用できていないのが実状であ
る。更に、上記の大きさの二酸化チタンの微粉末は光活
性が強い為分散媒樹脂を酸化、劣化させるとの問題点を
も有している。
【0003】上記の問題点を解決するため、二酸化チタ
ンの表面を被覆処理し、分散性を改善する方法が提案さ
れていた。たとえば、特公昭63−51974は上記問
題点を改良した微粉末二酸化チタン組成物として、実質
的に0.01〜0.1μmの範囲内の大きさの微細な二
酸化チタンの粒子表面をケイ素及び(又は)アルミニウ
ムの酸化物で処理した二酸化チタン組成物を開示してい
る。また、特開平2−194063は分散性及び耐候性
に優れた微粒子二酸化チタン粉末として、中核となる最
大粒子径が0.1μm以下である微粒子二酸化チタン表
面に、微粒子二酸化チタンの重量に対してSnO2とし
て0.1〜5%のスズの含水酸化物および/又はZrO
2として0.1〜5%のジルコニウムの含水酸化物を最
内層に被覆し、次に微粒子二酸化チタンの重量に対して
SiO2として0.1〜8%のケイ素の含水酸化物を中
間層に被覆し、最後に該粒子二酸化チタンの重量に対し
Al23として0.1〜10%の含水酸化物を最外層に
被覆してなる微粒子二酸化チタン粉末を開示している。
【0004】その他にも表面処理により分散性の改良を
図るいくつかの出願があるが、いずれの場合にも二酸化
チタン粉末の表面に被覆層を設けるに際し、まず二酸化
チタン微粉末を一次粒子に分散させることが必要とな
る。しかし、従来の二酸化チタン微粉末は水中での分散
性に問題があり、二酸化チタンを一次粒子に分散させる
操作自体が難しく、そのため分散性に優れた二酸化チタ
ン微粉末を工業的に安定して製造することは困難であっ
た。
【0005】ジルコニウム固溶二酸化チタン微粒子の製
造に関しては、Suyamaらは気相法により合成でき
たと報告している(Y.Suyama,M.Tanak
a,A.Kato:Ceramurgia Inter
n.,Vol.5,No.2,pp.84〜88(19
79))。しかしながら彼らの合成したジルコニウム固
溶二酸化チタン微粒子は0.3μm以上の大きさの粗大
粒子を混在しており、可視光線高透過能および紫外線遮
蔽能において劣るものである。尚、ジルコニウムとアル
ミニウムが同時に固溶したアナタース型二酸化チタン微
粉末の報告例はない。
【0006】発明が解決しようとする課題 このように従来の二酸化チタン微粉末は、分散性が悪
い光活性が強い工業的に安定して被覆を設けること
が容易ではない等の問題を有していた。そこで、優れた
分散性と耐光性を有し、かつ工業的に容易に且つ安定し
て製造できる新規な二酸化チタン微粉末の出現が望まれ
ていた。また、ジルコニウム及びアルミニウムが固溶し
たアナタース構造を有する二酸化チタン微粉末について
の合成例はなかった。
【0007】本発明は二酸化チタン微粉末が持つ、上記
の欠点を改良した新規なジルコニウム及びアルミニウム
が固溶したアナタース構造を有する二酸化チタン微粉末
およびその製造法を提供することを目的とする。
【0008】課題を解決する手段 本発明者らは上記の課題を解決する為鋭意研究を行った
結果、アナタース構造を有する二酸化チタン微粉末にジ
ルコニウム及びアルミニウムを固溶させることにより、
分散性と耐光性が改善されることを見いだし本発明を完
成した。すなわち、本発明は0.005〜0.1μmの
範囲内の大きさであり、かつ結晶構造中にジルコニウム
およびアルミニウムが固溶したことを特徴とするアナタ
ース型二酸化チタン微粉末を提供するものである。さら
に本発明は前記粒子表面に被覆層、好ましくはケイ素の
含水酸化物およびアルミニウムの含水酸化物からなる群
から選ばれた少なくとも1種の含水酸化物である被覆層
を有する前記二酸化チタン微粉末を提供するものであ
る。
【0009】上記二酸化チタン粒子の製造方法は、チタ
ニアゾルに水溶性のジルコニウム化合物および水溶性の
アルミニウム化合物を添加後、アルカリを添加して中和
し濾過水洗した後700〜1000℃で焼成すればよ
い。さらにケイ素および/又はアルミニウムの被覆層を
設ける場合には、上記の焼成後、焼成物を水中に分散し
て水性スラリーとし、このスラリーに水溶性の、ケイ素
化合物及びアルミニウム化合物からなる群より選ばれる
少なくとも1種の化合物を添加後、中和すればよい。
【0010】ジルコニウムおよびアルミニウムの添加量
は、好ましくはTiO2に対して、各々ZrO2として
0.5〜25重量%、望ましくは1〜15重量%、Al
23として0.5〜10重量%、望ましくは1〜7重量
%が適当である。ZrO2の添加割合がこの範囲よりも
少ないと分散性や耐光性の改善効果が得られ難く、ま
た、多すぎる場合には、耐光性に関しては特に特性差は
生じないものの、分散性が悪くなる。Al23は、粒成
長やアナタースからルチルへの転移を防止する効果を有
している。従って、Al23の添加割合がこの範囲より
も少ないと粒子径の小さいアナタース構造を有する微粉
末を工業的に安定して製造することが難しくなり、ま
た、多すぎる場合には、紫外線遮蔽効果が小さくなるの
で好ましくない。
【0011】本発明にかかる微粉末の粒径は0.005
〜0.1μmの範囲内であればよいが、0.005〜
0.05μmの範囲がより好ましい。
【0012】なお、従来ルチル型の超微粉末は知られて
いたが、価格が高いために用途が限られるという問題点
があった。本発明は、耐光性においてルチル型より一般
に劣るアナタース型の二酸化チタンでも、ジルコニウム
とアルミニウムを固溶させることにより十分に満足のゆ
く耐光性が得られることを見いだしたものであり、安価
で高性能の材料を提供する点で大きな意義を有するもの
である。
【0013】本発明のジルコニウム・アルミニウム固溶
二酸化チタン微粉末は水中での分散性および分散安定性
に優れているので、各種の水溶性樹脂に混合して容易に
塗膜化でき、また、化粧用基剤或いは他の化粧料成分へ
の分散混合が容易である。更に、粗大な凝集粒子を実質
的に含まないので、塗料、プラスチックスの粘度調整
剤、高温時の物性低下防止の為のシリコンゴム充填剤、
顔料、トナーなどの表面被覆剤、アルミニウム・メタリ
ック塗料のフロストカラー顔料、繊維、フィルムなどの
固体潤滑剤等として好適に使用し得る。特に、従来の二
酸化チタンよりもウレタンとの親和性が良好であり、且
つ光活性が小さいので、紫外線に弱いとされるポリウレ
タン弾性系の繊維に好適に使用される。
【0014】さらに本発明にかかるジルコニウム及びア
ルミニウムが固溶したアナタース構造を有する二酸化チ
タン微粉末は、水中での分散性に優れており容易に一次
粒子に分散できるので、樹脂中での分散性を改善する為
の含水酸化物等による表面処理を容易かつ均一に行うこ
とができ、樹脂中での優れた分散性と耐光性を有する、
表面に被覆層を有する微粉末を工業的に容易に安定して
製造することができる。
【0015】本発明のジルコニウム・アルミニウム固溶
アナタース型二酸化チタン微粉末は代表的には以下の方
法で製造される。即ち、硫酸チタニル水溶液を加熱加水
分解して生成する凝集沈澱物を洗浄後解膠して得られる
チタニアゾル、あるいはチタンの塩酸酸性水溶液を加熱
加水分解後解膠して得られたチタニアゾルに、水溶性の
ジルコニウム化合物および水溶性のアルミニウム化合物
を添加後、アルカリを加えて中和した後、洗浄、乾燥、
焼成すればよい。
【0016】チタニアゾルの成分であるチタニア微粒子
は、含水酸化チタンを意味し、本発明においては、非晶
質のものやアナタース型の構造を示すものが使用され
る。硫酸チタニル水溶液を加熱加水分解して生成する凝
集沈澱物からのチタニアゾルは、凝集沈澱物を洗浄した
後スラリー状とし、水酸化ナトリウム水溶液やアンモニ
ア水等のアルカリで中和し、濾過、洗浄して硫酸根を除
去する。この後、スラリー化し、塩酸や硝酸等の一塩基
酸を加えて、該スラリーのpHを3以下、望ましくは2
〜1に調整して解膠することで得られる。また、チタン
の塩酸酸性水溶液を加熱加水分解して生成する凝集沈澱
物からのチタニアゾルは、濾過、洗浄後、スラリー化
し、塩酸や硝酸等の一塩基酸を加えて、該スラリーのp
Hを3以下、望ましくは2〜1に調整することで容易に
得られる。
【0017】チタニアゾルに添加する水溶性のジルコニ
ウム化合物としては、オキシ塩化ジルコニウム、塩化ジ
ルコニウムおよび硫酸ジルコニウム等があり、水溶性の
アルミニウム化合物としては塩化アルミニウム、ポリア
ルミニウムクロライド、硫酸アルミニウム、アルミン酸
ナトリウム等がある。
【0018】ジルコニウム化合物やアルミニウム化合物
を添加する時のチタニアゾルの濃度は、TiO2として
50〜250g/l、望ましくは80〜200g/lが
適当である。ジルコニウム化合物およびアルミニウム化
合物の添加量は、生成二酸化チタン中のジルコニウムお
よびアルミニウムの量が上記の好ましい範囲内になるよ
うにすることが好ましい。
【0019】尚、添加したジルコニウムやアルミニウム
の全てが二酸化チタンの結晶格子中に存在する必要はな
く、本発明の効果が損なわれない程度でその一部が、チ
タン酸ジルコニウム(ZrTiO4)、酸化ジルコニウ
ム、チタン酸アルミニウム、非晶質の酸化アルミニウム
等として混在していても何ら差し支えない。
【0020】焼成温度は、700〜1000℃の範囲、
好ましくは800〜950℃の範囲が適当である。即
ち、焼成温度がこの範囲よりも低くなると、吸着水分量
が多くなって、例えば、樹脂に混合する際に分散が難し
くなるなど好ましくない影響を与える。一方、高くなる
と、二酸化チタン粒子同士が固着したり、あるいは焼結
したりして0.1μmよりも大きい粗大粒子が生成する
ので好ましくない。
【0021】上記の方法により本発明の二酸化チタンが
製造されるが、焼成温度によっては少量のルチル型の結
晶が生ずることもある。本発明の効果を損なわない範囲
においてルチル型の結晶を含むことができることは当然
であるが、ルチル型の割合は約10重量%以下であるこ
とが望ましい。また、出発原料中にルチル型の構造を有
するチタニア微粒子を混在させ、アナタース型の二酸化
チタン微粒子とルチル型の二酸化チタン微粒子の混合物
を製造することもできるし、得られたアナタース型の二
酸化チタン微粒子をルチル型の二酸化チタン微粒子と混
合して使用することもできる。これらの場合には、希望
する特性に応じて両者を任意の割合で混合できることは
言うまでもない。
【0022】本発明のジルコニウム・アルミニウム固溶
アナタース型二酸化チタン微粉末は水分散性に優れたも
のではあるが、塗料中での分散性や分散安定性について
は分散媒樹脂や溶剤との馴染みが問題となり、樹脂や溶
剤の種類によっては分散安定性に問題が生じる場合があ
る。このような場合には公知の方法で、粒子表面をケイ
素やアルミニウムの含水酸化物などで被覆処理して馴染
みを改善することが好ましい。本発明のジルコニウム・
アルミニウム固溶二酸化チタン微粉末は水分散性に優れ
ているので、このような被覆処理が特に有効に活用され
る。被覆材の種類は特に限定するものではなく、使用さ
れる樹脂や溶剤の種類に応じて公知の物質により処理す
ることができる。たとえば、前述のケイ素および/又は
アルミニウムの酸化物による処理をしてもよいし、スズ
の含水酸化物および/又はジルコニウムの含水酸化物を
最内層に被覆し、次にケイ素の含水酸化物を中間層に被
覆し、最後にアルミニウムの含水酸化物で被覆してもよ
い。その他、チタニウム、セリウムまたは亜鉛等の含水
酸化物で被覆することもできる。さらに、公知の有機被
覆材、たとえばステアリン酸アルミニウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、アルカノールアミンのような界面活
性剤、多価アルコール、オルガノシロキサン化合物、シ
ラン系、チタネート系およびアルミニウム系のカップリ
ング剤なども使用できる。一般的には、ケイ素および/
又はアルミニウムの含水酸化物による処理が好適に行わ
れる。
【0023】この被覆処理は公知の方法で行うことがで
きる。例えば、ケイ素および/又はアルミニウムの含水
酸化物により処理をする場合には、前記の焼成工程で得
られたジルコニウム・アルミニウム固溶二酸化チタン
を、TiO2として100〜400g/l、望ましくは2
00〜300g/lの濃度となるよう水中に分散させて
水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩やアルミニ
ウム化合物を添加後、アルカリや酸を添加して中和する
ことでなされる。たとえば、水溶性のケイ酸塩としてケ
イ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、塩酸、硝酸
等の酸を上記水性スラリーに添加して、該スラリーのp
Hを7に調整する。また、たとえば水溶性のアルミニウ
ム化合物として硫酸アルミニウムを使用した場合には、
水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリを添加
してジルコニウム・アルミニウム固溶二酸化チタンを分
散させた水性スラリーのpHを7に調整する。
【0024】ケイ素やアルミニウムの含水酸化物の処理
量は、SiO2及びAl23に換算してTiO2に対して
それぞれ1〜20重量%が適当である。処理量がこれよ
り少ないと充分な分散性改善効果が得られず、また、こ
の量が多すぎると紫外線遮蔽効果が低下するので好まし
くない。
【0025】また、有機被覆材による処理方法も公知で
あり、必要に応じ適当な方法により処理することができ
る。
【0026】尚、天然産のルチル型酸化チタンやイルメ
ナイト等の鉱石をTiO2源として合成したチタニアゾ
ルは、ニオブ、タンタル、鉄等を始めとする鉱石に由来
する各種の不純物を含んでいるが、顔料用途で許容され
ている程度の量を含有していても何ら問題はない。
【0027】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。以下の実施例は単に例示の為に記すものであ
り、発明の範囲がこれらによって制限されるものではな
い。
【0028】実施例1 硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタン
を上澄み液の電気伝導度が1100μS/cmになるま
で純水で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し
て、該スラリーのpHを9に調整し、1時間撹拌を続け
た。その後、塩酸を滴下して、該スラリーのpHを7に
調整した後、上澄み液の電気伝導度が250μS/cm
になるまで純水を用いて洗浄した。
【0029】この後、該スラリーに塩酸を添加してスラ
リーのpHを1.0に調整後、15時間撹拌を続け、T
iO2として130g/lのアナタース型の結晶構造を
有するチタニアゾル1リットルを得た。ZrO2として
240g/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を48m
l添加後、Al23として100g/lのポリアルミニ
ウムクロライド60mlを加え、1時間撹拌した。その
後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、スラリーのp
Hを7に調整した。上澄み液の電気伝導度が60μS/
cmになるまで純水で洗浄した後、濾過、乾燥した。こ
の乾燥物を900℃で1時間焼成して0.007〜0.
02μmの粒子径を持つ微粉末を得た。
【0030】この微粉末をX線回折により調べたとこ
ろ、アナタース型二酸化チタンと同様な回折パターンを
示したものの、回折線の位置はアナタース型二酸化チタ
ンのそれよりも低角度側にシフトしていた。高純度ケイ
素粉末(99.9%)を内部標準としてアナタース型二
酸化チタンの(101)面に対応する格子面間隔dを求
めたところ、3.528Åであった。
【0031】比較例 1 実施例1で使用したチタニアゾル1リットルに水酸化ナ
トリウム水溶液を添加して、スラリーのpHを7に調整
した。上澄み液の電気伝導度が60μS/cmになるま
で純水で洗浄した後、濾過、乾燥した。この乾燥物を9
00℃で1時間焼成したところ、0.04〜0.19μ
mの粒子径を持つ微粉末が得られた。
【0032】この微粉末をX線回折により調べたところ
ルチル型二酸化チタンとアナタース型二酸化チタンの2
相混合物であった。ルチル型二酸化チタンの(110)
面の回折強度とアナタース型二酸化チタンの(101)
面の回折強度との比よりこれらの2相の量的割合を求め
たところ、ルチル型二酸化チタンが約85重量%、アナ
タース型二酸化チタンが約15重量%であった。
【0033】なお、高純度ケイ素粉末(99.9%)を
内部標準としてアナタース型二酸化チタンの(101)
格子面間隔dを求めたところ3.521Åであった。
【0034】比較例 2 実施例1で使用したチタニアゾル1リットルにZrO2
として240g/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液を
48ml添加後、1時間撹拌した。その後、水酸化ナト
リウム水溶液を添加して、スラリーのpHを7に調整し
た。上澄み液の電気伝導度が60μS/cmになるまで
純水で洗浄した後、濾過、乾燥した。この乾燥物を90
0℃で1時間焼成して0.02〜0.05μmの粒子径
を持つ微粉末を得た。
【0035】この微粉末をX線回折により調べたとこ
ろ、ルチル型二酸化チタンとアナタース型二酸化チタン
の2相混合物であった。ルチル型二酸化チタンの(11
0)面の回折強度とアナタース型二酸化チタンの(10
1)面の回折強度との比よりこれらの2相の量的割合を
求めたところ、ルチル型二酸化チタンが約10重量%、
アナタース型二酸化チタンが約90重量%であった。
【0036】尚、双方の回折線ともに、本来の二酸化チ
タンの回折線の位置よりも低角度側にシフトしていた。
高純度ケイ素粉末(99.9%)を内部標準としてアナ
タース型二酸化チタンの(101)面に対応する格子面
間隔dを求めたところ、3.534Åであった。
【0037】前記した実施例および比較例のアナタース
の(101)格子面間隔dの測定値の比較から、実施例
1の微粉末は、Zr4+およびAl3+がアナタース型二酸
化チタンの結晶格子中のTi4+と置換固溶した結晶であ
ることが分かる。
【0038】比較例 3 比較例1において、焼成条件を750℃で1時間とした
他はすべて比較例1と同様な条件で処理したところ、
0.01〜0.05μmの粒子径を持つアナタース型二
酸化チタンの微粉末が得られた。
【0039】実施例 2 実施例1で得られた微粉末200gを150g/lの水
性スラリーとし、Al23として200g/lのアルミ
ン酸ナトリウム水溶液30mlを添加した後、塩酸を滴
下して、該スラリーのpHを6.5に調整した。濾過、
洗浄して110℃で乾燥した。
【0040】実施例 3 実施例1で得られた微粉末400gを200g/lの水
性スラリーとし、SiO2として85g/lケイ酸ナト
リウム水溶液290mlを添加した後、更にAl23
して107g/lの硫酸アルミニウム水溶液を243m
l添加した。該スラリーに水酸化ナトリウム水溶液を滴
下してpHを7.5に調整した。濾過、洗浄して110
℃で乾燥した。
【0041】実施例1〜3および比較例1,3で得られ
た微粉末を太陽光に8時間暴露したところ、比較例の微
粉末の色調はいずれも青黒く変色したのに対し、実施例
の微粉末のそれは特に変色しなかった。
【0042】また、実施例1および比較例1,3の微粉
末を0.01重量%濃度になるように水中に分散し、1
0mm厚の石英セルに入れ、可視光線(550nm)及
び紫外線(320nm)の透過率を、日本分光製分光光
度計Ubest−50型で測定した結果を第1表に示
す。この表より、本発明の微粉末の分散液は、高い可視
光線透過率を有していることが分かる。また、実施例1
および比較例3の分散液を3日間放置した後の上記特性
を測定したところ、比較例3の微粉末の分散液について
は可視光線および紫外線透過率ともに大きくなったのに
対し、実施例の微粉末のそれは特に変化せず、水中での
分散安定性に優れていた。
【0043】実施例2および3の微粉末をニトロセルロ
ース溶液に配合してニトロセルロース塗料を作製する際
の塗料を5分毎にグラインドゲージで調べたところ、1
0μm以下になるまでの分散時間はいずれも15〜20
分であり、分散性に優れているものであった。
【0044】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.005〜0.1μmの範囲内の大き
    さであり、かつ結晶構造中にジルコニウムおよびアルミ
    ニウムが固溶したことを特徴とするアナタース型二酸化
    チタン微粉末。
  2. 【請求項2】 粒子表面に被覆層を有することを特徴と
    する請求項1記載の二酸化チタン微粉末。
  3. 【請求項3】 被覆層がケイ素の含水酸化物およびアル
    ミニウムの含水酸化物からなる群から選ばれた少なくと
    も1種の含水酸化物であることを特徴とする請求項2記
    載の二酸化チタン微粉末。
  4. 【請求項4】 チタニアゾルに水溶性のジルコニウム化
    合物および水溶性のアルミニウム化合物を添加後、アル
    カリを添加して中和し、濾過水洗した後700〜100
    0℃で焼成することを特徴とする請求項1記載の二酸化
    チタン微粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 チタニアゾルに水溶性のジルコニウム化
    合物および水溶性のアルミニウム化合物を添加後、アル
    カリを添加して中和し、濾過水洗した後700〜100
    0℃で焼成し、この後該焼成物を水中に分散して水性ス
    ラリーとし、このスラリーに水溶性の、ケイ素化合物及
    びアルミニウム化合物からなる群より選ばれる少なくと
    も1種の化合物を添加後、中和することを特徴とする請
    求項3記載の二酸化チタン微粉末の製造方法。
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