JPH075303A - 光学素子,そのスタンパおよびそれらの製造方法,ならびに光学素子を利用したドット・マトリクス検出装置およびドット・マトリクス表示装置 - Google Patents

光学素子,そのスタンパおよびそれらの製造方法,ならびに光学素子を利用したドット・マトリクス検出装置およびドット・マトリクス表示装置

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JPH075303A
JPH075303A JP6037560A JP3756094A JPH075303A JP H075303 A JPH075303 A JP H075303A JP 6037560 A JP6037560 A JP 6037560A JP 3756094 A JP3756094 A JP 3756094A JP H075303 A JPH075303 A JP H075303A
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optical element
stamper
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microlens
light
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JP6037560A
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English (en)
Inventor
Shigeru Aoyama
茂 青山
Osamu Nishizaki
修 西崎
Takeshi Kurahashi
毅 倉橋
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塵埃に強く,ARコートのだれや電解メッキ
のエッジ効果をできるだけ低減できる光学素子を提供す
る。 【構成】 基板11上に,六角形状の開口をもつ平凸マイ
クロレンズ素子12が配列されることによりマイクロレン
ズ・アレイ10が構成されている。隣接するマイクロレン
ズ素子12の間にはレンズ効果を持たない間隙がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は光学素子,そのスタンパおよび
それらの製造方法,ならびに光学素子を利用したドット
・マトリクス検出装置およびドット・マトリクス表示装
置に関する。
【0002】
【背景技術】多数のマイクロレンズが二次元的に配列さ
れてなる光学素子,すなわちマイクロレンズ・アレイは
ファイン・オプティクス,その他の分野において今後,
重要な光学素子としての需要が高まることが予想され
る。たとえば,液晶TV(テレビジョン)プロジェクタ
において利用可能であり,マイクロレンズ・アレイの各
マイクロレンズは液晶パネルの各画素(表示領域)に対
応して配置される。この場合,マイクロレンズ・アレイ
は数万から数十万個のマイクロレンズを含むことが要求
される。
【0003】光利用効率を向上させるためには多数のマ
イクロレンズを隙間なく密接して配置することが良いと
されている。しかしながらこのような配置には次のよう
な問題点がある。
【0004】その1つは塵埃の問題である。平凸マイク
ロレンズの隣接箇所は谷になっており,しかも谷の傾斜
が鋭角であるから塵埃がたまりやすく,かつ付着した塵
埃は布等で拭き取るのが困難である。
【0005】その2はレンズ表面での反射損(フレネル
損)を低減させる目的でレンズ表面に形成する無反射
(AR=Anti-Reflection )コートに関する問題であ
る。ARコート材としてフッ化マグネシウム等の無機材
料が用いられる。このようなARコート材はスパッタリ
ング法または蒸着法等によりレンズ表面に堆積される。
しかしながら,ARコート材が平凸マイクロレンズ間の
谷の部分に廻り込んでたまりやすく,堆積が進むにした
がってARコート膜厚が谷の部分で厚くなり,レンズ形
状にだれが生じやすい。
【0006】その3は作製法における問題である。マイ
クロレンズ・アレイは微細な曲率構造をもっているので
切削研磨加工法により作製するのは困難であるから,ス
タンパを用いた複製法が量産に適しているといわれてい
る。スタンパを作製するための方法には切削加工法およ
び電鋳加工法がある。
【0007】切削加工法はバイトを用いて平凸マイクロ
レンズの型を切削するものであるが,平凸マイクロレン
ズ間の谷に当る型部分については鋭い山を形成しなけれ
ばならない。この鋭い山の部分は細いので切削加工時に
曲ったり,折れたりしやすい。
【0008】電鋳加工法は,触媒を用いた無電解メッキ
による原盤表面の導体化,電解メッキによるスタンパ材
の堆積,および形成されたスタンパの原盤からの剥離と
いうプロセスにより行なわれる。
【0009】このプロセスにおける電解メッキにおい
て,レンズ間の谷の部分でいわゆるエッジ効果が生じ,
谷の部分におけるスタンパ材の堆積量が他の部分と比較
して少ないかまたは全く堆積しなくなる。これにより,
所望のスタンパ形状,所望のスタンパ強度が得られな
い。
【0010】
【発明の概要】この発明は上述した諸問題を解決または
少なくとも低減することができる光学素子,そのスタン
パおよびこれらの製造方法を提供するものである。
【0011】この発明はまた上記光学素子を利用したド
ット・マトリクス検出装置および表示装置を提供する。
【0012】この発明による光学素子は,平凸レンズ構
造で,六角形またはそれ以上の多角形形状の開口をもつ
複数個のマイクロレンズが,レンズ機能を有しない間隙
をあけて基板上に配置されているものである。
【0013】ここで六角形またはそれ以上の多角形と
は,すべての辺が直線であるもののみならず,辺の一部
が弧であるものも含む概念である。マイクロレンズの開
口形状はできるだけ間隙が均一でかつ配列が容易なも
の,すなわち光利用効率が高くなるものを選択すること
が好ましい。配列には,行,列とも配列の位相が一致し
ている(行,列方向に規則正しく配列したもの)ストラ
イプ配列,行または列の少なくとも一方の位相が1列ま
たは1行ごとに半周期(半ピッチ)ずれたデルタ配列,
行または列の少なくとも一方の位相がずれたランダム配
列等がある。
【0014】この発明による光学素子では複数個のマイ
クロレンズがレンズ間に間隙をあけて配置されているの
で,たとえレンズ間の谷間に塵埃が付着してもその除去
が比較的容易である。またARコートをする場合におい
ても,レンズ間の谷の部分が鈍角となりコート材のだれ
が緩和される。スタンパの作製においても,切削加工の
場合にはバイトの押圧力はレンズ間の間隙に対応する山
の部分で吸収されるのでこの山の部分が折れたり曲った
りするおそれが少なくなる。電鋳加工においても,レン
ズ間の谷の部分が鈍角となるためにエッジ効果が生じに
くく,原盤形状を正確に転写できるようになる。
【0015】この発明による光学素子の製造方法は,六
角形またはそれ以上の多角形形状で可溶性をもつレンズ
母材を複数個相互に間隔をあけて基板上に形成し,レン
ズ母材を溶融することによりその上面に丸みをもたせ,
溶融レンズ母材を硬化させるものである。
【0016】レンズ母材は溶融されると表面張力により
その表面が丸みを帯びる。複数のレンズ母材は相互に間
隔をあけて配置されているから,溶融されても表面張力
によりその位置にとどまり,隣接するものと融合しあう
ことはない。溶融レンズ母材の表面が丸みを帯びたとこ
ろで硬化させることにより,マイクロレンズが形成され
る。
【0017】このようにしてこの発明によると,比較的
簡単な方法によりマイクロレンズ・アレイとしての光学
素子を作製することができる。
【0018】レンズ母材は成形法,フォトレジスト等の
マスクを用いた露光,現像等の通常のIC製造工程で用
いられる技術を利用して作製することができるので,比
較的容易にマイクロレンズ・アレイを作製することがで
きる。
【0019】この発明による光学素子の製造方法は比較
的容易に実現可能であり,しかも溶融レンズ母材の表面
に働く表面張力の等方性により非点収差の殆どないない
しは少ないマイクロレンズ・アレイが実現される。
【0020】この発明は,上述した光学素子を量産する
のに適したスタンパの製造方法を提供している。この発
明によるスタンパの製造方法は,上記製造方法により作
製された光学素子を原盤として,スタンパ材料をその上
に堆積させ,原盤を除去することによりスタンパを作製
するものである。
【0021】この発明はさらに上記スタンパを用いた光
学素子の製造方法を提供している。この発明による光学
素子の製造方法は,上記の製造方法により作製されたス
タンパ内に溶融樹脂を注入し,樹脂を硬化させたのちス
タンパを除去することにより光学素子を作製するもので
ある。この製造方法は光学素子を量産するのに適してい
る。
【0022】この発明は上述した光学素子を利用したド
ット・マトリクス検出装置およびドット・マトリクス表
示装置を提供している。
【0023】この発明によるドット・マトリクス検出装
置は,複数の受光素子を含み,これらの受光素子の受光
面が相互に間隙をあけて二次的に配列されてなる受光装
置と,平凸レンズ構造を持ち入射光を上記受光素子にそ
れぞれ導く複数個のマイクロレンズの集合体であり,上
記マイクロレンズの開口が非円形形状を持ち,上記マイ
クロレンズがレンズ機能を有しない間隙をあけて二次的
に配列されてなる光学素子とを備えている。
【0024】この発明によるドット・マトリクス表示装
置は,複数の表示領域が相互に間隔をあけて二次元的に
配列されてなる表示素子と,上記表示素子に照射する光
を発生する光源と,上記表示素子と光源との間に配置さ
れ,平凸レンズ構造をもち上記光源からの光を上記表示
素子の表示領域にそれぞれ導く複数個のマイクロレンズ
の集合体からなり,上記マイクロレンズの開口が非円形
形状をもちかつレンズ機能を有しない間隔をあけて二次
元的に配列されている光学素子とを備えている。
【0025】上記マイクロレンズの開口が方形または六
角形もしくはそれ以上の多角形形状であることが好まし
い。
【0026】
【実施例の説明】図1および図2はこの発明の実施例に
よる光学素子,すなわちマイクロレンズ・アレイを示し
ている。
【0027】マイクロレンズ・アレイ10は,基板11と,
この基板11上に形成されかつ二次元的に配列された複数
の平凸マイクロレンズ素子12とから構成されている。こ
れらの基板11およびマイクロレンズ素子12はいずれも透
明な材料により形成されている。
【0028】この実施例では平凸マイクロレンズ素子12
は正六角形の開口を有しており,デルタ配列で基板11上
に配置されている。隣接するマイクロレンズ素子12相互
間には等しい幅で小さな間隙13が設けられている。これ
らの間隙は集光,コリメート等のレンズ作用を行なわな
い。
【0029】図3は上述したマイクロレンズ・アレイ10
の製造工程を示している。この図において,図1および
図2に示すものと同一物には同一符号に添字Aが付され
ている。たとえば基板11は基板11Aと表記される。
【0030】ガラス基板11A上にポジティブ・タイプの
フォトレジスト12aをコートする(図3(A) )。
【0031】形成すべきレンズ母材の形状(六角形状)
の遮光部分をもつマスク14を用い(ポジティブ・タイプ
のフォトレジストの場合),各遮光部分がレンズ母材を
形成すべき場所に位置するように位置決めし,フォトレ
ジスト12aを露光する(図3(B) )。
【0032】露光後,現像することにより,基板11A上
にフォトレジストよりなるレンズ母材12bが残る。必要
に応じてニアUV(near UV:波長の長い紫外光)を照
射して,フォトレジスト・レンズ母材12bの融点を下げ
ておく(図3(C) )。フォトレジスト・レンズ母材12b
間に間隙13Aが形成されている。
【0033】最後に,全体をベーク(加熱)すると,レ
ンズ母材12bが溶融する。溶融したレンズ母材12bは表
面張力によって上面が丸みを帯びる。この溶融レンズ母
材12bは表面張力によって流れ出すことはない。レンズ
母材12b間に間隙13Aがあるので,隣接する溶融レンズ
母材12bがくっつくこともない。この後,レンズ母材12
bを硬化させることにより,平凸マイクロレンズ素子12
Aをもつマイクロレンズ・アレイ10Aまたはその原盤10
Aが得られる(図3(D) )。
【0034】レンズ母材12bの作製工程において,第1
段階としてレンズ母材12bの台となるべき部分を形成
し,この台をディープUV照射により硬化させ,その上
にレンズ母材12bを形成するようにすることもできる。
【0035】フォトレジストに代えて,電子ビーム(E
B)レジストを用いることも可能である。この場合には
電子ビーム露光が行なわれる。
【0036】上述のようにして作製されたマイクロレン
ズ・アレイ10Aをそのまま利用することが可能である。
好ましくは,上述したマイクロレンズ・アレイ10Aを原
盤としてスタンパを作製し,このスタンパを用いてマイ
クロレンズ・アレイを量産する。
【0037】スタンパの作製およびスタンパを利用した
マイクロレンズ・アレイの作製の工程について次に説明
する。
【0038】マイクロレンズ・アレイ10Aを原盤とし
て,電鋳法等によりニッケル等のスタンパ材料をこの原
盤10A上に堆積し,ニッケル・スタンパを作製する。ス
タンパと原盤10Aとを分離する。スタンパは,マイクロ
レンズ素子12Aに対応する凹部を有する形状をもつ。
【0039】このようにして得られたスタンパの凹部を
もつ面と別途用意したガラス等よりなる基板との間に溶
融樹脂を充填し,スタンパと基板との間に適当な圧力を
加えた状態で樹脂を硬化させる。樹脂にはたとえば紫外
線硬化樹脂を用い,基板側から紫外線を照射することに
よりこの樹脂を硬化させることができる。スタンパの上
記凹部の部分にマイクロレンズ素子が樹脂によって成形
される。
【0040】最後にスタンパを除去すれば,基板上に多
数のマイクロレンズ素子が形成されたマイクロレンズ・
アレイが得られる。このマイクロレンズ・アレイと上述
のマイクロレンズ・アレイ10Aは同形であり,いずれも
利用可能である。
【0041】図4および図5は変形例を示している。
【0042】図4においては六角形状開口をもつ平凸マ
イクロレンズ素子12が1行おきに,変形された開口をも
つ平凸マイクロレンズ素子12Bに置きかえられている。
このマイクロレンズ素子12Bの開口形状は,六角形の対
向する二辺が円弧になっているものである。
【0043】図5においては平凸マイクロレンズ素子と
して,対向する二辺が平行な直線でこれらの直線が2つ
の円弧により結ばれた,楕円形に近い開口をもつ平凸マ
イクロレンズ素子12Cが用いられている。
【0044】このように,基板上に形成されるマイクロ
レンズ素子の開口形状には種々の形のものを用いること
ができる。
【0045】図6はマイクロレンズ・アレイの応用例の
一つであるドット・マトリクス検出装置を示している。
【0046】このドット・マトリクス検出装置は,上述
したマイクロレンズ・アレイ10と受光装置20とから構成
されている。受光装置20は多数の受光素子を持ち,これ
らの受光素子の受光面22がマイクロレンズ・アレイ10の
平凸マイクロレンズ素子12と同じように配置されてい
る。1個の平凸マイクロレンズ素子12と1個の受光面22
とが対応する。入射光がマイクロレンズ素子12によって
集光されまたはコリメートされて対応する受光素子の受
光面22に導かれる。
【0047】図7はマイクロレンズ・アレイの他の応用
例としてのドット・マトリクス表示装置,具体的には液
晶表示装置を示している。
【0048】ドット・マトリクス表示装置は光源30と,
マイクロレンズ・アレイ10と液晶パネル40とから構成さ
れている。光源30として導光板が図示されている。この
導光板には蛍光灯等からの光が導入される。光源として
この他に複数本の蛍光灯から構成されるもの等がある。
液晶パネル40にはよく知られているように,光の透過率
が外部から与えられる信号によって制御される多数の表
示領域42がある。この表示領域42にはいわゆる画素電極
が設けられている。表示領域42は遮光膜(ブラック・マ
トリクス)によって相互に隔絶されている。遮光膜の形
成された部分には走査電極や信号電極が走っている。詳
細な構造については後述する。
【0049】液晶パネル40の表示領域42とマイクロレン
ズ・アレイの平凸マイクロレンズ素子12とは1対1に対
応している。光源30からの光はマイクロレンズ素子12に
よって集光され,対応する表示領域42にそれぞれ入射す
ることになる。
【0050】図8は液晶パネル40とマイクロレンズ・ア
レイ10とを一体化した応用例を示している。(A) は一部
切欠き平面図,(B) は断面図であり,表示領域42を明ら
かにするために遮光膜44のみが図示されている。詳細構
造については後述する。
【0051】図9は液晶パネル40とマイクロレンズ・ア
レイ10とを一体化した他の応用例を示している。図8に
示すものと同一物には同一符号が付されている。マイク
ロレンズ・アレイ10と液晶パネル40との間にガラス基板
43が設けられている。図9に示す構成は,マイクロレン
ズ・アレイ10のマイクロレンズ素子12の凸状面が液晶パ
ネル40側に位置している点で図8に示すものと異なり,
マイクロレンズ素子12の間の間隙に塵埃がたまりにくい
構造となっている。もっとも,図8に示す構造のものに
おいても,マイクロレンズ・アレイ10の外側にガラス基
板を設ければ塵埃の侵入を防止できる。
【0052】図8および図9のいずれにおいても,マイ
クロレンズ・アレイ10のマイクロレンズ素子12と液晶パ
ネル40の表示領域42とは一対一に対応しており,入射光
はマイクロレンズ素子12によって集光され,対応する表
示領域42に入射する。
【0053】図10は液晶パネル40とマイクロレンズ・ア
レイ10とを一体化した構造の詳細を示すものである。こ
こでは絶縁膜やスイッチング素子の内部構造は図示が省
略されている。図11は液晶パネルを構成する2枚のガラ
ス基板のうちの一方の面上に形成された画素電極,スイ
ッチング素子および導体配線パターンの等価回路を示し
ている。
【0054】これらの図を参照して,液晶パネル40は,
基本的には,わずかの間隔(たとえば2μm程度)をあ
けて配置された2枚のガラス基板51および52と,これら
のガラス基板51と52との間の空隙に充填された液晶53と
から構成されている。
【0055】一方のガラス基板51の内面には多数本の走
査電極54Aと信号電極54Bがそれぞれ一定間隔で縦,横
に配列して形成されている。これらの走査電極54Aと信
号電極54Bは相互に絶縁されている(図10においては信
号電極54Bの図示が省略されている)。以下の説明にお
いて,走査電極54Aと信号電極54Bとをまとめていうと
きには,導体配線パターン54ということにする。
【0056】ガラス基板51の内面において,これらの走
査電極54Aと信号電極54Bとによって囲まれた領域に,
画素電極56が相互に絶縁された状態でマトリクス状に形
成されている。画素電極56はそれぞれ隣接する信号電極
54Bに三端子スイッチング素子(たとえばFETからな
る薄膜トランジスタ)57を介して接続されている。スイ
ッチング素子57の制御端子(たとえばゲート端子)は隣
接する走査電極54Aにそれぞれ接続されている。さら
に,これらの電極54A,54Bおよび56を覆うように配向
膜58がガラス基板51の内面の全面に形成されている。
【0057】他方のガラス基板52の内面には各画素電極
56に対向する位置にR,GおよびBのカラー・フィルタ
61が形成されているとともに,走査電極54Aおよび信号
電極54Bに対応する位置に遮光膜(ブラック・マトリク
ス)62が形成されている。カラー・フィルタ61の配列に
はトライアングル配列,モザイク配列,ストライプ配列
等があるのはよく知られている。
【0058】ガラス基板52の内面には,カラー・フィル
タ61を覆うように,その全面に共通電極63が形成され,
さらにその上に配向膜64が形成されている。
【0059】画素電極56および共通電極63は透明導電体
膜(たとえばITO膜)により形成されている。これに
対して,走査電極54A,信号電極54Bおよび遮光膜62は
金属等の不透明膜である。したがって,入射光が透過で
きるのは走査電極54Aと信号電極54Bによって囲まれた
画素電極56のある領域(これは遮光膜62によって覆われ
ていない領域と一致する)だけである。この光の透過が
可能な領域が図8,図9に示す表示領域42であり,一般
に画素または開口と呼ばれる。透光膜62が上述した遮光
膜44に対応する。
【0060】マイクロレンズ・アレイ10としてはここで
はマイクロレンズ素子12と基板とが一体になったものが
図示されている。これは上述したスタンパに溶融樹脂を
注入し,硬化させることにより作製される。マイクロレ
ンズ・アレイ10は,各マイクロレンズ素子12が液晶パネ
ル40の各開口(画素または表示領域)に一対一に対応す
るように配置されている。マイクロレンズ素子12と液晶
パネル40のガラス基板51との間には樹脂層15が充填され
ている。この樹脂層15の屈折率はマイクロレンズ素子12
の屈折率よりも小さい(このような2種類の樹脂は容易
に入手可能である),したがってマイクロレンズ素子12
は集光作用を行う。
【0061】図12はこのような液晶パネル40とマイクロ
レンズ・アレイ10とを一体化した構成のもの(以下,こ
れを一体化液晶パネル74と呼ぶ)を利用して構成される
液晶TV(テレビジョン)プロジェクタの全体的な光学
的構成を示すものである。
【0062】光源71によって発生した光は,光源71の後
方に配置された放物面鏡72で反射してほぼ平行化され,
コンデンサ・レンズ73によって集光される。このコンデ
ンサ・レンズ73によって集光される光の光路上に一体化
液晶パネル74が配置されている。一体化液晶パネル74の
前,後には偏光方向が互いに直交する2枚の偏光板75,
76が設けられている。
【0063】一体化液晶パネル74は,上述したように,
多数の画素(開口,表示領域)を有し,これらの画素に
おける光の透過率(偏光板75,76との協働により)が外
部から与えられる映像信号によって制御される。これに
より映像信号によって表わされる画像が一体化液晶パネ
ル74の面上に現われる。一体化液晶パネル74および偏光
板75,76を透過した光によって表わされる画像が結像レ
ンズ77を通して遠方のスクリーン78上に結像される。
【0064】一体化液晶パネル74における画像の表示は
次のようにして行なわれる。
【0065】走査電極54Aに順次走査電圧が印加され
る。各走査ごとに,走査電極54Aに印加された走査電圧
によって対応画素のスイッチング素子57がオンとなる。
これにより,信号電極54Bと画素電極56とが接続され
る。各走査において,信号電極54Bと共通電極63との間
に表示すべき画像を表わす映像信号に相当する電圧が順
次印加されていく。したがって,各画素において,画素
電極56と共通電極63との間には映像信号に応じた電圧が
印加されることになる。
【0066】液晶パネル40内の液晶53は画素電極56と共
通電極63との間に電圧を印加しない状態では一方向に配
向している。この配向方向は入射側に配置された偏光板
75の偏光方向と一致している。光源71からのランダム偏
光の入射光は偏光板75によって直線偏光の光に変換され
る。この直線偏光の光はその偏光方向を保存した状態で
液晶パネル40を通過する。出射側の偏光板76の偏光方向
は入射側の偏光板75の偏光方向と直交しているから,液
晶パネル40を通過した光は出射側の偏光板76を透過しな
い。
【0067】液晶パネル40の画素電極56と共通電極63と
の間に適当な電圧(映像信号の白レベルに相当)を印加
すると,液晶53の配向方向がらせん状に90°回転する。
入射側の偏光板75によって変換された直線偏光の光は液
晶パネル40を通過するときにその偏光方向が90°回転さ
せられる。90°回転した液晶パネル40の出射光の偏光方
向は出射側の偏光板76の偏光方向と一致するからこの光
は偏光板76を透過する。
【0068】液晶53の配向方向の回転角は液晶パネル40
の画素電極56と共通電極63との間に印加される電圧に依
存する。
【0069】したがって,上述した液晶パネル40の走査
において,各画素ごとに電極56と63との間に印加される
映像信号に対応する電圧に応じて,透過する光の光量が
変化し,液晶パネル40および偏光板75,76によって,映
像信号により表わされる画像が出現することになる。
【0070】液晶パネル40の各画素において,入射光が
透過するのは開口の部分のみである。
【0071】近年の高画質化,高分解能化に伴い,画素
の大きさ(一例として一辺の長さが100 μm程度)が縮
小化している。ところが導体配線パターン54(走査電極
54Aおよび信号電極54B)はすべての画素の周囲に張り
巡らす必要がある。導体配線パターン54の幅を縮小する
と,歩留りと信頼性が低下し,また電気抵抗が増大する
ので,あまり細くすることはできない。したがって,い
きおい画素における開口の面積の割合が減少してしま
う。そうすると,液晶パネル40を透過できる光量が減少
し,画面が暗くなるという問題が生じる。
【0072】このような問題点を解決するために,液晶
パネル40の光入射側にマイクロレンズ・アレイ10が設け
られている訳である。マイクロレンズ・アレイ10のマイ
クロレンズ素子12は入射光を集光することにより対応す
る開口に光を集める。これにより,画面が明るくなる。
【0073】図6から図10に示す応用例においてマイク
ロレンズ・アレイのマイクロレンズ素子は方形でもよ
い。マイクロレンズ素子の配置もストライプ配列等とし
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例によるマイクロレンズ・アレ
イの平面図である。
【図2】この発明の実施例によるマイクロレンズ・アレ
イの断面図である。
【図3】(A) から(D) はマイクロレンズ・アレイまたは
その原盤の製造工程を示す断面図である。
【図4】変形例を示す平面図である。
【図5】変形例を示す平面図である。
【図6】ドット・マトリクス検出装置の概要構成を示す
斜視図である。
【図7】ドット・マトリクス表示装置の概要構成を示す
斜視図である。
【図8】ドット・マトリクス表示装置を示し,(A) は一
部切欠き平面図,(B) は断面図である。
【図9】ドット・マトリクス表示装置を示し,(A) は一
部切欠き平面図,(B) は断面図である。
【図10】液晶パネルとマイクロレンズ・アレイとを一
体化した構成を示す拡大断面図である。
【図11】液晶パネルにおける電極の等価回路図であ
る。
【図12】液晶TVプロジェクタの全体的構成を示す。
【符号の説明】
10 マイクロレンズ・アレイ(光学素子) 11 基板 12,12A,12B,12C 平凸マイクロレンズ素子 13,13A 間隔 20 受光装置 22 受光素子の受光面 30 光源 40 液晶パネル(表示素子) 42 表示領域

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平凸レンズ構造で,六角形またはそれ以
    上の多角形形状の開口をもつ複数個のマイクロレンズ
    が,レンズ機能を有しない間隙をあけて基板上に配置さ
    れている光学素子。
  2. 【請求項2】 六角形またはそれ以上の多角形形状で可
    溶性をもつレンズ母材を複数個相互に間隔をあけて基板
    上に形成し,レンズ母材を溶融することによりその上面
    に丸みをもたせ,溶融レンズ母材を硬化させる,請求項
    1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の製造方法により作製さ
    れた光学素子を原盤として,スタンパ材料をその上に堆
    積させ,原盤を除去することによりスタンパを作製す
    る,スタンパの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法により作製さ
    れた光学素子を製造するためのスタンパ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の製造方法により作製さ
    れたスタンパ内に溶融樹脂を注入し,樹脂を硬化させた
    のちスタンパを除去することにより光学素子を作製す
    る,光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 六角形またはそれ以上の多角形形状で可
    溶性をもつレンズ母材を複数個相互に間隔をあけて基板
    上に形成し,レンズ母材を溶融することによりその上面
    に丸みをもたせ,溶融レンズ母材を硬化させることによ
    り,平凸レンズ構造で,六角形またはそれ以上の多角形
    形状の開口をもつ複数個のマイクロレンズが,レンズ機
    能を有しない間隙をあけて基板上に配置されてなる光学
    素子を製造する方法。
  7. 【請求項7】 複数の受光素子を含み,これらの受光素
    子の受光面が相互に間隙をあけて二次的に配列されてな
    る受光装置と,平凸レンズ構造を持ち入射光を上記受光
    素子にそれぞれ導く複数個のマイクロレンズの集合体で
    あり,上記マイクロレンズの開口が非円形形状を持ち,
    上記マイクロレンズがレンズ機能を有しない間隙をあけ
    て二次的に配列されてなる光学素子と,を備えたドット
    ・マトリクス検出装置。
  8. 【請求項8】 上記マイクロレンズの開口が方形,また
    は六角形もしくはそれ以上の多角形形状である,請求項
    7に記載のドット・マトリクス検出装置。
  9. 【請求項9】 複数の表示領域が相互に間隔をあけて二
    次元的に配列されてなる表示素子と,上記表示素子に照
    射する光を発生する光源と,上記表示素子と光源との間
    に配置され,平凸レンズ構造をもち上記光源からの光を
    上記表示素子の表示領域にそれぞれ導く複数個のマイク
    ロレンズの集合体からなり,上記マイクロレンズの開口
    が非円形形状をもちかつレンズ機能を有しない間隔をあ
    けて二次元的に配列されている光学素子と,を備えたド
    ット・マトリクス表示装置。
  10. 【請求項10】 上記マイクロレンズの開口が方形また
    は六角形もしくはそれ以上の多角形形状である,請求項
    9に記載のドット・マトリクス表示装置。
  11. 【請求項11】 上記表示素子が液晶表示素子である,
    請求項9に記載のドット・マトリクス表示装置。
JP6037560A 1993-02-15 1994-02-14 光学素子,そのスタンパおよびそれらの製造方法,ならびに光学素子を利用したドット・マトリクス検出装置およびドット・マトリクス表示装置 Pending JPH075303A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006027934A1 (ja) * 2004-09-10 2006-03-16 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 透光型表示パネルとその製造方法
KR100741772B1 (ko) * 2004-02-05 2007-07-24 엘지전자 주식회사 액정표시장치용 반투과 반사 시트 및 그 제조방법

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