JPH075286A - 非常用炉心冷却系の補助装置 - Google Patents

非常用炉心冷却系の補助装置

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Publication number
JPH075286A
JPH075286A JP5141923A JP14192393A JPH075286A JP H075286 A JPH075286 A JP H075286A JP 5141923 A JP5141923 A JP 5141923A JP 14192393 A JP14192393 A JP 14192393A JP H075286 A JPH075286 A JP H075286A
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JP
Japan
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core
pressure vessel
fusible plug
water
water injection
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Application number
JP5141923A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Matsumoto
知行 松本
Hiroaki Suzuki
洋明 鈴木
Taichi Takii
太一 滝井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH075286A publication Critical patent/JPH075286A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】非常用炉心冷却系が作動せず又は作動が不十分
な場合でも炉心溶融事故の発生を防止できる非常用炉心
冷却系の補助装置を提供する。 【構成】冷却材喪失事故等が発生しかつECCSが作動
しないと過熱蒸気が炉心上部7に流出する。この熱によ
って可溶栓8のカラー24の温度が上昇して溶融し受け
皿25に拡がり、プレート21はボルト頂部22aがフ
ランジ9aに当接するまで落下して可溶栓8は開栓す
る。また自動減圧装置15が作動して圧力容器2内の減
圧が進んで水プール5の静水圧より小さくなると、冷却
水は可溶栓8から炉心上部7に注入を開始する。これに
よって炉心3内の燃料棒14は冷却されて、炉心3の損
傷・溶融が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所の原子炉
炉心の冷却系に係わり、特に、冷却材喪失事故時におい
て炉心の冷却を行う非常用炉心冷却系の補助装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、沸騰水型原子炉においては、機
械工学便覧C7(1988)に記載のように、圧力容器
内に核***性物質の燃料棒を配した炉心を有し、炉心で
発生した熱を冷却水で冷却している。このとき、配管破
断の発生や給水系の故障で冷却水が供給されなくなる冷
却材喪失事故が発生した場合等、炉心の冷却が損なわれ
るおそれがあるときに備え、通常、炉心の損傷を防ぐた
めの安全装置として非常用炉心冷却系(以下適宜、EC
CSという)が設置されており、ポンプ等の動的機器あ
るいは水プール等の静的機器を用いて圧力容器内に冷却
水が注入されて炉心の冠水が維持される。
【0003】しかし、通常の設計基準を超えるようなさ
らに苛酷な事故として、このECCSが何らかの原因で
作動しない場合が想定される。かかる場合には、炉心の
冠水が維持されずに炉心が損傷・溶融する炉心溶融事故
が発生し、炉心溶融物が原子炉圧力容器を破って格納容
器内のドライウェル下部に流出してくることが考えられ
る。
【0004】かかる場合の安全装置に関する従来技術と
して、例えば、特開平3−152497号公報において
受動型ドライウェル注水装置が提案されている。この公
知技術は、炉心溶融物が格納容器内に流出してきたとき
にその熱で注水装置の溶融栓を溶かすことにより、自動
的に格納容器内の水源から冷却水がドライウェルの下部
に導かれて炉心溶融物を冷却するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の課題が存在する。すなわち、上記公知
技術の受動型ドライウェル注水装置は、ECCSが作動
しない場合に損傷・溶融して圧力容器の外に流出してき
た炉心溶融物を冷却するものであり、炉心が溶融する前
に炉心の冷却を行い炉心溶融事故の発生を防止する点に
は考慮されていない。
【0006】また一方、通常ECCSは、高圧注水系
(HPCF)、低圧注水系(LPFL)、及び自動減圧
系を有し、冷却材喪失事故の直後等、圧力容器内が比較
的高圧の状態において高圧注水系(HPCF)によって
注水し、その後圧力容器内の圧力の低下に伴い低圧注水
系(LPFL)が作動を開始し、このLPFLによって
事故後長期にわたっての炉心の冠水を維持する。このと
き自動減圧系は、電気駆動のモータ等電気的手段によっ
て事故後の圧力容器内の減圧を行い、HPCFの注水を
促進するとともにLPFLの作動開始時期を早める役割
を果たす。しかしながら、原子炉一次系配管の破断が小
規模で冷却水の流出が遅く、かつ何らかの電気的故障が
発生して自動減圧系が作動しない場合等は、圧力容器内
が減圧されないのでHPCFの注水が促進されずまたL
PFLの作動開始が遅れ、すなわちECCSの作動が不
十分となる。したがってこのとき最悪の場合には長期に
わたって炉心の冠水を維持することができなくなり、最
終的に炉心溶融事故が発生するおそれがある。
【0007】また一方、加圧水型原子炉においては多数
のHPCFが設けられ自動減圧装置が設けられていない
のが通常であるが、上記と同様圧力容器内が減圧されな
い場合にその状態が続けばLPFLの注水開始に至ら
ず、やはりECCS全体としてHPCFだけでは作動が
不十分となり炉心溶融事故が発生するおそれがある。
【0008】本発明の目的は、非常用炉心冷却系が作動
せず又は作動が不十分な場合でも炉心溶融事故の発生を
防止できる非常用炉心冷却系の補助装置を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、原子炉の圧力容器内における炉心
の上方に配置され高温で溶融し開栓する可溶栓と、前記
圧力容器外の前記炉心より高い位置に配置された水源
と、前記可溶栓と前記水源とを連結する注水配管とを備
え、前記圧力容器内の蒸気が所定温度に達すると前記可
溶栓が開栓し前記水源から該炉心に注水する注水手段を
有することを特徴とする非常用炉心冷却系の補助装置が
提供される。
【0010】好ましくは、前記非常用炉心冷却系の補助
装置において、前記注水手段の前記注水配管に逆止弁を
設けたことを特徴とする非常用炉心冷却系の補助装置が
提供される。
【0011】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、原子炉の圧力容器内における炉心の上方に配置
され高温で溶融し開栓する可溶栓と、前記可溶栓を一端
に備え他端を前記圧力容器外に開口する減圧配管とを備
え、該圧力容器内の蒸気が所定温度に達すると前記可溶
栓が開栓し前記圧力容器内の蒸気を該圧力容器外へ流出
させる減圧手段を有することを特徴とする非常用炉心冷
却系の補助装置が提供される。
【0012】さらに上記目的を達成するために、本発明
によれば、原子炉の圧力容器内における炉心の上方に配
置され高温で溶融し開栓する第1の可溶栓と、前記第1
の可溶栓を一端に備え他端を前記圧力容器外に開口する
減圧配管とを備え、該圧力容器内の蒸気が第1の所定温
度に達すると前記第1の可溶栓が開栓し前記圧力容器内
の蒸気を該圧力容器外へ流出させる減圧手段と、前記原
子炉の前記圧力容器内における前記炉心の上方に配置さ
れ高温で溶融し開栓する第2の可溶栓と、該圧力容器外
の該炉心より高い位置に配置された水源と、前記第2の
可溶栓と前記水源とを連結する注水配管とを備え、前記
圧力容器内の蒸気が第2の所定温度に達すると該第2の
可溶栓が開栓して該水源から前記炉心に注水する注水手
段とを有することを特徴とする非常用炉心冷却系の補助
装置が提供される。
【0013】好ましくは、前記非常用炉心冷却系の補助
装置において、前記注水手段の前記注水配管に逆止弁を
設けたことを特徴とする非常用炉心冷却系の補助装置が
提供される。
【0014】また好ましくは、前記非常用炉心冷却系の
補助装置において、前記第1の可溶栓が溶融し開栓する
前記第1の所定温度は、前記第2の可溶栓が溶融し開栓
する前記第2の所定温度よりも低い温度であることを特
徴とする非常用炉心冷却系補助装置が提供される。
【0015】
【作用】以上のように構成した本発明においては、炉心
の上方に配置された可溶栓が注水配管によって水源と連
結されている注水手段を有することにより、冷却材喪失
事故等が発生しかつ何らかの原因でECCSが作動しな
かったときでも、圧力容器内の蒸気の温度が上昇し所定
温度に達すると可溶栓が溶融して開栓し静水圧により水
源の冷却水が炉心に注水される。これによって炉心の冠
水が維持され、炉心溶融事故の発生を防止することがで
きる。
【0016】また、前記注水手段の前記注水配管に逆止
弁を設けたことにより、可溶栓開栓後圧力容器内が十分
に減圧されるまでの間の蒸気の逆流を防止して冷却水の
注入を確実に行える。
【0017】さらに本発明においては、炉心の上方に配
置された可溶栓を一端に備えた減圧配管の他端が圧力容
器外に開口している減圧手段を有することにより、冷却
材喪失事故等が発生しかつ自動減圧系の不作動等で圧力
容器内が減圧されずECCSの作動が不十分であったと
きでも、圧力容器内の蒸気の温度が上昇し所定温度に達
すると可溶栓が溶融して開栓し圧力容器内の蒸気を圧力
容器外へ流出させる。これによって圧力容器内が十分に
減圧され、ECCSを十分に作動させることができる。
よって炉心溶融事故の発生を防止できる。
【0018】また本発明においては、炉心の上方に配置
された第1の可溶栓を一端に備えた減圧配管の他端が圧
力容器外に開口している減圧手段と、炉心の上方に配置
された第2の可溶栓が注水配管によって水源と連結され
ている注水手段とを有することにより、冷却材喪失事故
等が発生しかつ自動減圧系の不作動等で圧力容器内が減
圧されないときでも、圧力容器内の蒸気の温度が上昇し
第1の所定温度に達すると第1の可溶栓が溶融して開栓
し、圧力容器内の蒸気を圧力容器外へ流出させ圧力容器
内が十分に減圧される。そしてここでさらにECCSが
作動しなかったときでも、圧力容器内の蒸気の温度が第
2の所定温度に達すると第2の可溶栓が溶融して開栓
し、減圧手段によって十分に減圧された圧力容器内の炉
心に静水圧によって水源の冷却水が注入され炉心の冠水
が維持される。これによって、炉心溶融事故の発生を防
止することができる。
【0019】さらに、前記注水手段の前記注水配管に逆
止弁を設けたことにより、前記第1の可溶栓が開栓後圧
力容器内が減圧手段で十分に減圧されるまでの間の蒸気
の逆流を防止して冷却水の注入を確実に行える。また、
前記第1の所定温度が前記第2の所定温度より低い温度
であることにより、圧力容器内の蒸気の温度が上昇する
とまず第1の可溶栓が開栓して圧力容器内の減圧を行
い、その後さらに一定時間後蒸気の温度が上昇してから
前記第2の可溶栓が開栓する。よって注水手段が冷却水
の注入を開始する時にはすでに十分な減圧が行われるこ
ととなって、冷却水の注入を円滑・確実に行える。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図7により説
明する。本発明の第1の実施例を図1〜図3により説明
する。本実施例の非常用炉心冷却系の補助装置を有する
原子炉の要部構造を図1に示す。本実施例の非常用炉心
冷却系の補助装置は、炉心に注水を行う注水機構を有す
るものである。
【0021】図1において、原子炉の格納容器1内に
は、燃料棒14を配置した炉心3を内部に有する圧力容
器2、圧力容器2の外側に設置された圧力抑制プール
4、炉心3より上方に置かれた水プール5、隔離時凝縮
器(以下適宜ICという)60を備えドライウェル冷却
系をなすICプール6、電気駆動により圧力容器2内の
減圧を行う自動減圧装置15、及び本実施例のECCS
の補助装置であり水プール5の冷却水11を炉心3に供
給する注水機構100が設けられている。注水機構10
0は、炉心上部7に配置され高温になると溶融し開栓す
る可溶栓8と、水プール5と可溶栓8とを結ぶ配管9
と、配管9の途中に設けられた逆止弁10とを有する。
通常の状態では可溶栓8は閉栓しており、可溶栓8中に
は水プール5からの冷却水が充填されている。
【0022】可溶栓8の構造を図2に示す。図2におい
て、可溶栓8は、プレート(または盲フランジ)21、
複数のボルト22、ナット23、カラー24、受け皿2
5、及びOリング26を有し、配管9のフランジ9aに
取り付けられている。
【0023】またカラー24は比較的融点が低い可溶金
属で作られ、ボルト22のボルト頂部22aをフランジ
9aから隔離するように機能する。この可溶金属として
は融点が300℃〜700℃である金属、例えば、鉛・
スズ・銀・ビスマス・アンチモン・テリウム・亜鉛・銅
等の複数の金属の合金として得ることができる。
【0024】さらにボルト22は、フランジ9a及びプ
レート21において配管9から離れた位置に設けられた
孔に挿入されており、すなわち、プレート21及びフラ
ンジ9aは、配管9内に充満した状態である冷却水から
カラー24を隔離し、カラー24が冷却されるのを防止
する役割を果たす。
【0025】以上の構成において、原子炉の通常運転時
は、炉心上部7は単相あるいは二相の冷却水で満たさ
れ、可溶栓8は冷却水中に浸かった形となっている。し
かし、配管破断による冷却材喪失事故等が発生し、か
つ、何らかの原因でECCSが作動せず炉心3内の水位
が低下して炉心3の冷却が損なわれる状態となると、燃
料棒14や可溶栓8は蒸気中に露出する。蒸気による冷
却には限界があるので崩壊熱によって燃料棒14の温度
が上昇し、燃料棒14の周辺に存在する蒸気が加熱され
て過熱蒸気となり炉心上部7に流出する。すると、この
過熱蒸気の熱によって可溶栓8のカラー24の温度が上
昇して溶融し受け皿25に拡がる。これによってプレー
ト21はボルト頂部22aがフランジ9aに当接するま
で落下して可溶栓8は開栓する。またこのとき一方で、
炉心3内の水位の低下を検知して自動減圧装置15が作
動して蒸気を圧力抑制プールに放出し、圧力容器2内が
減圧されている。配管9内部に充填されている冷却水に
は水プール5からの重力による静水圧が働いているの
で、この圧力容器2内の減圧が進んでこの静水圧より小
さくなると、冷却水は圧力差により可溶栓8から炉心上
部7に注入を開始する。この結果、炉心3内の燃料棒1
4は冷却されて、炉心3の損傷・溶融が防止される。ま
たこのとき、可溶栓8開栓後圧力容器2内が十分に減圧
されるまでの間は、配管9の逆止弁10によって蒸気の
逆流を防止して冷却水の注入を確実に行う。
【0026】さらに、ICプール6内のIC60で格納
容器1から蒸気を吸い込んで凝縮してその凝縮水を水プ
ール5に戻すことにより、長期に渡り炉心3に水を供給
し続けるための冷却水を確保し、水プール5の水源だけ
では不十分である場合についても冷却能力を維持するこ
とができる。また、このときIC60が同時に吸い込ん
だ不凝縮性ガスは圧力抑制プール4に戻される。
【0027】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
のECCSの補助装置による炉心冷却作用を図3に示
す。図3は、ジルカロイの被覆管にUO2ペレットを充
填した構造の燃料棒14を用いまた可溶栓8のカラー2
4には融点が650℃である合金(例えば鉛合金等)を
用いた場合に、冷却材喪失事故事故発生後ECCSが作
動しない条件において燃料棒14の最高温度(以下燃料
最高温度という)及び炉心上部7の蒸気温度(以下炉心
上部温度という)の経時変化を計算により求めてそれぞ
れ破線と実線とで表し、本実施例の補助装置を有する場
合と従来技術の補助装置を有さない場合とを比較したも
のである。
【0028】図3において、事故発生後約0.5時間で
燃料最高温度及び炉心上部温度が上昇を開始する。EC
CSの補助装置を有さない従来技術においては、燃料最
高温度は上昇を続け事故発生後約1時間で燃料棒14の
融点(約2250℃)に到達してついには炉心全体が溶
融する。また炉心上部温度は、燃料最高温度に比べ多少
遅れて上昇するが、燃料棒が融点に達した事故発生後1
時間で約1100℃、さらに事故発生後約2時間で燃料
棒14の融点(約2250℃)に到達し、その後は燃料
最高温度と同様に、ほぼこの融点温度で推移する。
【0029】一方、本実施例においては、燃料最高温度
及び炉心上部温度は事故直後は従来技術の場合と同様の
挙動で上昇するが、事故発生後約0.75時間(約45
分)経過して炉心上部温度が可溶栓8のカラー24の融
点温度である650℃に達するのでカラー24が溶融し
て可溶栓8が開栓し、注水冷却を開始する。これにより
燃料最高温度及び炉心上部温度はともに急激に低下し、
炉心3の溶融が防止される。
【0030】以上説明したように、本実施例によれば、
炉心3の上方に配置された注水機構100の可溶栓8が
配管9によって水プール5と連結されているので、冷却
材喪失事故等が発生しかつ何らかの原因でECCSが作
動しなかったときでも、圧力容器2内の蒸気の温度が上
昇して可溶栓8のカラー24の融点に達するとカラー2
4が溶融して可溶栓8が開栓し、水プール5の冷却水が
静水圧によって炉心3に注水される。これによって炉心
3の冠水が維持され、炉心溶融事故の発生を防止するこ
とができる。すなわち炉心3の損傷を防ぎ原子炉の安全
性を高めることができる。また、配管9に逆止弁10を
設けたので、可溶栓8が開栓後圧力容器2内が十分に減
圧されるまでの間の蒸気の逆流を防止し、冷却水の注入
を確実に行えるとともに、通常運転時に誤って可溶栓8
が開いても炉心3内の冷却水が流出するおそれがない。
【0031】本発明の第2の実施例を図4及び図5によ
り説明する。本実施例の非常用炉心冷却系の補助装置を
有する原子炉の全体構造を図4に示す。本実施例は、静
的安全系のみを用いたECCSを有する原子炉において
本発明のECCSの補助装置を用いた実施例である。本
実施例の非常用炉心冷却系の補助装置は、圧力容器内の
減圧を行う減圧機構を備えるものである。
【0032】図4において、原子炉の格納容器81内に
は、炉心83を内部に有する圧力容器82、圧力容器8
2の外周に設置された圧力抑制プール84とその上部の
気相空間とから成る圧力抑制室50、圧力抑制室50の
上部のドライウェル51、ドライウェル51と圧力抑制
プール4とを連結するベント管52、及び鋼製の格納容
器壁53に接し圧力抑制プール4の外側に設置された外
周プール54を有する。
【0033】格納容器81内には、圧力容器82より上
部に位置する蓄圧注水タンク55と逆止弁57とを備え
一端が圧力容器82と連結された蓄圧式注水装置85、
圧力容器82より上部に位置する重力落下水プール56
と逆止弁58とを備え圧力容器82と連結された重力落
下式注水装置86とが設けられ、この2つがECCSを
構成する。
【0034】また格納容器81内には、これらのほか
に、主蒸気配管61に設けられ電気駆動により圧力容器
82内の減圧を行う自動減圧装置65、圧力抑制プール
84と圧力容器82とを逆止弁59を介し連結する冠水
系、及び本実施例のECCSの補助装置であり静的手段
によって圧力容器82内の減圧を行う減圧機構200と
が設けられている。また格納容器81の外には、内部に
IC60を備えドライウェル冷却系をなすICプール6
6が設けられ、外部から水を補給することが可能な構成
である。
【0035】減圧機構200は、炉心上部87に配置さ
れ高温になると溶融して開栓する可溶栓12と、一端に
可溶栓12を備え他端が圧力容器82外に開口する配管
13とを有する。
【0036】可溶栓12の構造を図5に示す。図5にお
いて、可溶栓12は、プレート(または盲フランジ)4
2、複数のボルト43、ナット44、カラー45、受け
皿46、及びOリング47を有し、配管13の先端に設
けられた支持金具40の端板40aに取り付けられてい
る。このとき配管13内に存在するのは冷却水ではなく
気体であるので、第1の実施例の可溶栓8と異なり、本
実施例の可溶栓12におけるカラー45の断熱について
は特別に留意する必要はない。
【0037】またカラー45は可溶金属で作られ、ボル
ト43のボルト頂部43aを端板41から隔離するよう
に機能する。可溶金属としては、第1の実施例の可溶栓
8と同様融点が300℃〜700℃である鉛・スズ等の
複数の金属の合金として得ることができる。
【0038】上記の構成において、原子炉の通常運転時
は、炉心上部87は単相あるいは二相の冷却水で満たさ
れ、可溶栓12は冷却水中に浸かった形となっている。
ここで配管破断による冷却材喪失事故等が発生すると炉
心83内の水位が低下し、通常は、この水位の低下を検
知して電気駆動の自動減圧装置65が作動し圧力容器8
2内の減圧を開始する。しかし、自動減圧装置65が電
気的故障等何らかの原因で作動せず、ECCSの作動が
不十分である場合があり得る。このときには第1の実施
例と同様、炉心上部87の過熱蒸気の熱によって可溶栓
12のカラー45の温度が上昇して溶融し受け皿46に
拡がる。これによってプレート42はボルト頂部43a
が端板41に当接するまで落下し可溶栓12は開栓す
る。この結果、圧力容器82内の蒸気は配管13を介し
て格納容器81内に流出し、炉心83の圧力を低下させ
ることができる。これによってECCSすなわち蓄圧式
注水装置85及び重力落下式注水装置86の冷却水が流
入を開始する。また本実施例の原子炉においても、第1
の実施例と同様、ICプール66及びIC60で格納容
器81内の蒸気を凝縮して冷却水を確保し、長期の冷却
能力を維持する。
【0039】本実施例によれば、減圧機構200の配管
13の一端に炉心83の上方に配置された可溶栓12を
備えられ他端が圧力容器外に開口しているので、冷却材
喪失事故等が発生しかつ自動減圧装置65の不作動等に
より圧力容器82内が減圧されず、ECCSである蓄圧
式注水装置85及び重力落下式注水装置86の作動が不
十分であったときでも、圧力容器82内の蒸気の温度が
上昇し可溶栓12のカラー45の融点に達するとがカラ
ー45が溶融して可溶栓12が開栓し圧力容器82内の
蒸気を圧力容器82外へ流出させる。これによって圧力
容器82内が十分に減圧され、ECCSである蓄圧式注
水装置85及び重力落下式注水装置86を十分に作動さ
せることができる。よって炉心溶融事故の発生を防止で
きる。
【0040】本発明の第3の実施例を図6及び図7によ
り説明する。第2の実施例と共通の部品は共通の番号で
示す。本実施例の非常用炉心冷却系の補助装置を有する
原子炉の全体構造を図6に示す。本実施例は動的安全系
のみを用いたECCSを有する原子炉において、本発明
のECCSの補助装置を用いた実施例である。本実施例
の非常用炉心冷却系の補助装置は、炉心に注水を行う注
水機構と圧力容器内の減圧を行う減圧機構との双方を備
えるものである。
【0041】図6において、原子炉の格納容器91内に
は、燃料棒を配置した炉心93を内部に有する圧力容器
92、圧力抑制プール94、炉心93より上方に置かれ
た水プール95、電気駆動により圧力容器92内の減圧
を行う自動減圧装置90、及び水プール95の冷却水を
炉心上部97に供給する注水機構300aと静的手段に
よって圧力容器92内の減圧を行う減圧機構300bと
からなる本実施例のECCSの補助装置300が設けら
れている。また格納容器91外には、内部にIC89を
備えドライウェル冷却系をなすICプール96が設けら
れ、外部から水を補給することが可能な構成である。
【0042】一般に、ポンプ等の動的機器を備えたEC
CSは複数の注水系統で構成される。図6に示す原子炉
においては、例えば、一つの注水系統の配管が破損して
冷却水が流出したときに、加えて他の一つの系統が故障
した場合でも、残った一つの系統が作動して炉心を冷却
するように、3系統の注水系統120a,120b,1
20cが備えられている。これら3つの注水系統120
a〜cは、動力源であるジーゼル発電機71a〜c、事
故発生直後において圧力容器92内が比較的高圧である
状態で作動する高圧注水ポンプ72a〜c、圧力容器9
2内が低圧になった後に作動してその後の炉心93の冠
水を維持する低圧注水ポンプ73a〜c、及び熱交換器
74a〜cを有する。また注水系統120a,cはそれ
ぞれ、作動弁75a1と75a2,75c1と75c2、逆
止弁76a1と76a2,76c1と76c2、及び炉心9
3への注水口である注水ヘッダ77a,cを有する。ま
た、これら3つの注水系統120a〜cはいずれも、水
源として復水貯蔵タンク79の水と圧力抑制プール94
の水とを利用できる構成である。
【0043】本実施例のECCSの補助装置300の注
水機構300aは、第1の実施例の注水機構100とほ
ぼ同様の構成であり、炉心上部97に配置され高温にな
ると溶融し開栓する可溶栓98と、水プール95と可溶
栓98とを結ぶ配管99と、配管99の途中に設けられ
た逆止弁110とを有する。
【0044】可溶栓98の構造を図7に示す。図7にお
いて、可溶栓98は、プレート(または盲フランジ)3
1、複数のボルト32、ナット33、カラー34、受け
皿35、及びOリング36を有し、配管99に接続する
U字型形状の上昇配管29のフランジ29aに取り付け
られている。ここにおいて、通常運転時は、上昇配管2
9内の冷却水38は炉心93の冷却水によって加熱され
て蒸発し、その蒸気圧が冷却水38を押し下げて上昇配
管29内の静水圧とバランスしている。この結果、プレ
ート31から液面までの間にガス空間19が形成される
ので、カラー34の断熱は第1の実施例における可溶栓
8に比しさらに確実になる。またカラー34は可溶金属
で作られ、ボルト32のボルト頂部32aをフランジ2
9aから隔離するように機能する。可溶金属は、第1及
び第2の実施例と同様、鉛・スズ等の融点が300℃〜
700℃である複数の金属の合金として得ることができ
る。
【0045】またECCSの補助装置300の減圧機構
300bは、炉心上部に配置され高温になると溶融して
開栓する可溶栓112と、一端に可溶栓112を備え他
端が圧力抑制プール94の中に開口する配管113とを
有する。このとき配管113の開口部が圧力抑制プール
94中であることより、減圧機構300b作動時におい
てドライウェルの圧力の急上昇を抑制することができ
る。可溶栓112の構造は第2の実施例における可溶栓
12とほぼ同一である。すなわち、可溶栓112は、可
溶金属である複数個のカラー45を有し、配管113の
先端に接続フランジを介して設けられた支持金具の端板
に取り付けられている(図5参照)。但し、この可溶金
属としては、前述した注水機構300aの可溶栓98の
カラー34に用いた可溶金属より融点が低い材料を用い
る。これによって、減圧機構300bの可溶栓112が
注水機構300aの可溶栓98よりも早く溶融し先に開
栓するので、後に注水機構300aの可溶栓が開栓した
時点では既にある程度減圧が進んでおり、確実に注水機
構300aにより冷却水を炉心93に注水することがで
きる。
【0046】以上の構成において、配管破断による冷却
材喪失事故等が発生しかつ自動減圧装置90が作動しな
いためにECCSの3つの注水系統120a〜cの作動
が不十分であったとしても、まず、第2の実施例と同様
に炉心上部97の過熱蒸気の熱によって可溶栓112が
開栓して圧力容器92内の蒸気が格納容器91内に流出
して炉心93の圧力を低下させる。これによってECC
Sの注水系統120a〜cからの冷却水が流入できるよ
うになる。
【0047】またここで、さらに何らかの原因でECC
Sが作動しなかったとしても、過熱蒸気の熱によって、
減圧機構300bの可溶栓112に引き続いて注水機構
300aの可溶栓98のカラー34が溶融して可溶栓9
8が第1の実施例の可溶栓8と同様の動作で開栓し、水
プール95の冷却水が配管99を介し可溶栓98から炉
心上部97に注入される。これによって炉心93内は冷
却され、炉心93の溶融が防止される。またICプール
96内のIC89で長期に渡り冷却能力を維持する点は
第1及び第2の実施例と同様である。
【0048】以上説明したように、本実施例によれば、
減圧機構300bの配管113の一端に炉心93の上方
に配置された可溶栓112が備えられ他端が圧力容器9
2外に開口しており、かつ、炉心93の上方に配置され
た注水機構300aの可溶栓98が配管99によって水
プール95と連結されているので、冷却材喪失事故等が
発生しかつ自動減圧装置90の不作動等で圧力容器92
内が減圧されないときでも、圧力容器92内の蒸気の温
度が上昇し可溶栓112のカラー45の融点に達すると
カラー45が溶融して可溶栓112が開栓し、圧力容器
92内の蒸気を圧力容器92外へ流出させ圧力容器92
内が十分に減圧される。そしてここでさらにECCSで
ある3つの注水系統120a〜cが作動しなかったとき
でも、圧力容器92内の蒸気の温度が可溶栓98のカラ
ー34の融点に達するとカラー45が溶融して可溶栓9
8が開栓し、減圧機構300bによって十分に減圧され
た圧力容器92内の炉心93に水プール95の冷却水が
静水圧によって注入され炉心93の冠水が維持される。
これによって、炉心溶融事故の発生を防止することがで
きる。よって炉心93の損傷を防ぎ原子炉の安全性を高
めることができる。
【0049】また注水機構100は動的機器を用いず静
的手段のみによるので、その故障確率は1×10-2/要
求時より小さく信頼度が高い。したがって例えば、動的
機器を用いたECCSを使用した従来の原子炉における
炉心の損傷発生確率が1×10-6/炉年であるとする
と、本実施例の非常用炉心冷却系の補助装置をさらに追
加した場合の炉心の損傷発生確率は1×10-8/炉年以
下となり、原子炉の安全性を非常に高めることができ
る。
【0050】さらに、動的機器である3つの注水系統1
20a〜cは定期検査時にメインテナンスが必要である
が、例えばこれら注水系統120a〜cについて事故・
故障・メインテナンスが重なっていずれも作動できない
場合でも減圧機構300bと注水機構300aで炉心9
3を冷却できるので、通常運転中に定期検査のメインテ
ナンスを行うことができ、定期検査時間の短縮を達成す
ることができる。よってプラントの稼働率を向上させる
ことができ、経済性の高いプラントを提供することがで
きる。
【0051】また、減圧機構300bの可溶栓112の
カラー45に用いる可溶金属を、注水機構300aの可
溶栓98のカラー34に用いる可溶金属より融点が低い
材料を用いるので、圧力容器92内の蒸気の温度が上昇
するとまず可溶栓112が開栓して減圧機構300bに
より圧力容器92内の減圧を行い、その後さらに一定時
間後蒸気の温度が上昇してから可溶栓98が開栓する。
よって注水機構300aが冷却水の注入を開始する時に
はすでに減圧機構300bにより十分な減圧が行われる
こととなって、冷却水の注入を円滑・確実に行える。こ
のとき注水機構300aの配管99に逆止弁110が設
けられているので、可溶栓98が開栓後圧力容器92内
が減圧機構300bで十分に減圧されるまでの間の蒸気
の逆流を防止し冷却水の注入をさらに確実に行えるとと
もに、通常運転時に誤って可溶栓。98が開いても炉心
93内の冷却水が流出するおそれがない。
【0052】なお上記実施例においては、注水機構30
0aにおいて可溶栓98を使用したが、これを用いずに
代わりに第1の実施例において使用した可溶栓8を使用
してもよく、この場合も同様の効果を得る。また、以上
第1〜第3の実施例においては、可溶栓としては、カラ
ーに可溶金属を用いたが、ある温度で溶融することによ
り開栓する構成であれば他の構造であってもよく、また
溶融する物質は可溶金属に限られず、例えば、融点の高
い特殊ガラス等であってもよく、この場合も同様の効果
を得る。
【0053】さらに、以上第1〜第3の実施例において
は沸騰水型原子炉についてのECCSの補助装置につい
て説明したが、本発明は加圧水型原子炉についても適用
可能であり、この場合にも同様の効果を得る。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、炉心の上方に配置され
た可溶栓が注水配管によって水源と連結されている注水
手段を有するので、冷却材喪失事故等が発生しかつ何ら
かの原因でECCSが作動しなかったときでも、圧力容
器内の蒸気の温度が上昇し所定温度に達すると可溶栓が
溶融して開栓し静水圧により水源の冷却水が炉心に注水
される。これによって炉心の冠水が維持され、炉心溶融
事故の発生を防止することができる。また注水手段は静
的手段のみによるので、故障確率が極めて低く信頼性が
高い。よって炉心の損傷を防ぎ原子炉の安全性を高める
ことができる。
【0055】また、注水手段の注水配管に逆止弁を設け
たので、可溶栓開栓後圧力容器内が十分に減圧されるま
での間の蒸気の逆流を防止して冷却水の注入を確実に行
えるとともに、通常運転時に誤って可溶栓が開いても炉
心内の冷却水が流出するおそれがない。
【0056】さらに本発明によれば、炉心の上方に配置
された可溶栓を一端に備えた減圧配管の他端が圧力容器
外に開口している減圧手段を有するので、冷却材喪失事
故等が発生しかつ自動減圧系の不作動等で圧力容器内が
減圧されずECCSの作動が不十分であったときでも、
圧力容器内の蒸気の温度が上昇し所定温度に達すると可
溶栓が溶融して開栓し圧力容器内の蒸気を圧力容器外へ
流出させる。これによって圧力容器内が十分に減圧さ
れ、ECCSを十分に作動させることができる。よって
炉心溶融事故の発生を防止できる。
【0057】また本発明によれば、炉心の上方に配置さ
れた第1の可溶栓を一端に備えた減圧配管の他端が圧力
容器外に開口している減圧手段と、炉心の上方に配置さ
れた第2の可溶栓が注水配管によって水源と連結されて
いる注水手段とを有するので、冷却材喪失事故等が発生
しかつ自動減圧系の不作動等で圧力容器内が減圧されな
いときでも、圧力容器内の蒸気の温度が上昇し第1の所
定温度に達すると第1の可溶栓が溶融して開栓し、圧力
容器内の蒸気を圧力容器外へ流出させ圧力容器内が十分
に減圧される。そしてここでさらにECCSが作動しな
かったときでも、圧力容器内の蒸気の温度が第2の所定
温度に達すると第2の可溶栓が溶融して開栓し、減圧手
段によって十分に減圧された圧力容器内の炉心に静水圧
によって水源の冷却水が注入され炉心の冠水が維持され
る。これによって、炉心溶融事故の発生を防止すること
ができる。また注水手段は静的手段のみによるので、故
障確率が極めて低く信頼性が高い。よって炉心の損傷を
防ぎ原子炉の安全性を高めることができる。さらに動的
機器を有する非常用炉心冷却装置の場合は定期検査時に
メインテナンスが必要であるが、減圧手段と注水手段の
みで炉心を冷却できるので、通常運転中に定期検査のメ
インテナンスを行うことができ、定期検査時間の短縮を
達成することができる。よってプラントの稼働率を向上
させることができ、経済性の高いプラントを提供するこ
とができる。
【0058】さらに、注水手段の注水配管に逆止弁を設
けたので、第1の可溶栓が開栓後圧力容器内が減圧手段
で十分に減圧されるまでの間の蒸気の逆流を防止して冷
却水の注入を確実に行えるとともに、通常運転時に誤っ
て可溶栓が開いても炉心内の冷却水が流出するおそれが
ない。また、第1の所定温度が第2の所定温度より低い
温度であるので、圧力容器内の蒸気の温度が上昇すると
まず第1の可溶栓が開栓して圧力容器内の減圧を行い、
その後さらに一定時間後蒸気の温度が上昇してから第2
の可溶栓が開栓する。よって注水手段が冷却水の注入を
開始する時にはすでに十分な減圧が行われることとなっ
て、冷却水の注入を円滑・確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による非常用炉心冷却系
の補助装置を有する原子炉の要部構造図である。
【図2】可溶栓の構造図である。
【図3】非常用炉心冷却系の補助装置による炉心冷却作
用を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例による非常用炉心冷却系
の補助装置を有する原子炉の全体構造図である。
【図5】可溶栓の構造図である。
【図6】本発明の第3の実施例による非常用炉心冷却系
の補助装置を有する原子炉の全体構造図である。
【図7】可溶栓の構造図である。
【符号の説明】
2 圧力容器 3 炉心 5 水プール 7 炉心上部 8 可溶栓 9 配管(注水配管) 10 逆止弁 12 可溶栓 13 配管(減圧配管) 24 カラー 34 カラー 45 カラー 82 圧力容器 83 炉心 85 蓄圧式注水装置 86 重力落下式注水装置 87 炉心上部 92 圧力容器 93 炉心 95 水プール 97 炉心上部 98 可溶栓(第2の可溶栓) 99 配管(注水配管) 100 注水機構 110 逆止弁 112 可溶栓(第1の可溶栓) 113 配管(減圧配管) 120a〜c 注水系統 200 減圧機構 300 ECCSの補助装置 300a 注水機構 300b 減圧機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の圧力容器内における炉心の上方
    に配置され高温で溶融し開栓する可溶栓と、前記圧力容
    器外の前記炉心より高い位置に配置された水源と、前記
    可溶栓と前記水源とを連結する注水配管とを備え、前記
    圧力容器内の蒸気が所定温度に達すると前記可溶栓が開
    栓し前記水源から該炉心に注水する注水手段を有するこ
    とを特徴とする非常用炉心冷却系の補助装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非常用炉心冷却系の補助
    装置において、前記注水手段の前記注水配管に逆止弁を
    設けたことを特徴とする非常用炉心冷却系の補助装置。
  3. 【請求項3】 原子炉の圧力容器内における炉心の上方
    に配置され高温で溶融し開栓する可溶栓と、前記可溶栓
    を一端に備え他端を前記圧力容器外に開口する減圧配管
    とを備え、該圧力容器内の蒸気が所定温度に達すると前
    記可溶栓が開栓し前記圧力容器内の蒸気を該圧力容器外
    へ流出させる減圧手段を有することを特徴とする非常用
    炉心冷却系の補助装置。
  4. 【請求項4】 原子炉の圧力容器内における炉心の上方
    に配置され高温で溶融し開栓する第1の可溶栓と、前記
    第1の可溶栓を一端に備え他端を前記圧力容器外に開口
    する減圧配管とを備え、該圧力容器内の蒸気が第1の所
    定温度に達すると前記第1の可溶栓が開栓し前記圧力容
    器内の蒸気を該圧力容器外へ流出させる減圧手段と、前
    記原子炉の前記圧力容器内における前記炉心の上方に配
    置され高温で溶融し開栓する第2の可溶栓と、該圧力容
    器外の該炉心より高い位置に配置された水源と、前記第
    2の可溶栓と前記水源とを連結する注水配管とを備え、
    前記圧力容器内の蒸気が第2の所定温度に達すると該第
    2の可溶栓が開栓して該水源から前記炉心に注水する注
    水手段とを有することを特徴とする非常用炉心冷却系の
    補助装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の非常用炉心冷却系の補助
    装置において、前記注水手段の前記注水配管に逆止弁を
    設けたことを特徴とする非常用炉心冷却系の補助装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の非常用炉心冷却系の補助
    装置において、前記第1の可溶栓が溶融し開栓する前記
    第1の所定温度は、前記第2の可溶栓が溶融し開栓する
    前記第2の所定温度よりも低い温度であることを特徴と
    する非常用炉心冷却系補助装置。
JP5141923A 1993-06-14 1993-06-14 非常用炉心冷却系の補助装置 Pending JPH075286A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996020486A1 (de) * 1994-12-23 1996-07-04 Siemens Aktiengesellschaft Notkühleinrichtung für eine kernreaktoranlage und verfahren zur notkühlung eines reaktorkerns
JPH10319166A (ja) * 1997-05-06 1998-12-04 Commiss Energ Atom 偶発的炉心溶融時に作動する炉心回収装置を内蔵する水型原子炉
WO2014133658A1 (en) * 2013-02-27 2014-09-04 Westinghouse Electric Company Llc Pressurized water reactor depressurization system

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