JPH0751817B2 - アンボンド型充填鋼管コンクリ−ト柱の構造 - Google Patents

アンボンド型充填鋼管コンクリ−ト柱の構造

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JPH0751817B2
JPH0751817B2 JP18491986A JP18491986A JPH0751817B2 JP H0751817 B2 JPH0751817 B2 JP H0751817B2 JP 18491986 A JP18491986 A JP 18491986A JP 18491986 A JP18491986 A JP 18491986A JP H0751817 B2 JPH0751817 B2 JP H0751817B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、引張軸力に対する構造強度を向上させたアン
ボンド型充填鋼管コンクリート柱の構造に関するもので
ある。
「従来の技術」 周知のように構造物の柱や杭に採用される充填鋼管コン
クリート構造は、鋼管の内部にコンクリートを打設した
ものであり、鋼管とコンクリートとは接着状態となって
いる。即ち、この種の構造の柱に軸方向の圧縮力が作用
した場合には、鋼管とコンクリートが一体的に歪むため
に、鋼管は、軸方向の応力と、面内剪断力と、コンクリ
ートからの円周方向の応力を受けることになり、ミーゼ
スの降伏条件から塑性状態となり易く、局部的な座屈を
生じる虞がある。従って前記構造の充填鋼管コンクリー
ト柱にあっては、増大した軸方向応力等で鋼管がかなり
の応力レベルに達してしまい、周方向応力によるコンフ
ァインド効果(鋼管の周方向応力により、コンクリート
が膨らもうとするのを締め付ける作用)を十分発揮でき
ず、結果的に必要以上に大きな断面積の柱とならざるを
得ない欠点があった。
そこでこのような欠点を解決するものとして、本発明者
らは、先に、特願昭60−45285号明細書において、変形
吸収部を設けたアンボンド型充填鋼管コンクリート柱
(以下単に、アンボンド柱と略称する)を提案してい
る。このアンボンド柱は、鋼管とコンクリートの境界面
にコンクリートと鋼管との付着を無くするためのアンボ
ンド処理層を設け、鋼管の適宜位置に多数の透孔を形成
して変形吸収部を設けたものである。
前記構造のアンボンド柱にあっては、鋼管とコンクリー
トが分離状態となっており、コンクリートが軸方向に圧
縮されて変形した場合でも鋼管はコンクリートとは別体
として挙動し、更に、変形吸収部が鋼管の軸方向の変形
分を吸収するために、ミーゼスの降伏条件に対する余裕
を大きくできるものであった。
従って前記構造のアンボンド柱において鋼管は、内部の
コンクリートからリングテンションのみを受けることに
なり、余裕のある周方向応力で優れたコンファインド効
果を発揮するために、コンクリートの耐力を著しく上昇
させることができ、結果的に柱の断面積を小さくするこ
とが可能となる優れた特徴を有していた。
「発明が解決しようとする問題点」 ところが前記構造のアンボンド柱にあっては、軸力や剪
断力が作用した場合、鋼管とコンクリートが別々に挙動
し、しかも、鋼管に変形吸収部を設けているがために、
地震時等に作用する引張り軸力に対する構造強度が十分
ではない問題を有していた。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、本発明者
らが先に提案したアンボンド柱が有する優れた構造特性
に加え、引張軸力に対する構造強度も高めたアンボンド
型充填鋼管コンクリート柱の構造を提供することを目的
とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、前記問題点を解決するために、柱状のコンク
リート部にその長さ方向に適宜間隔で複数の環状の切欠
部を形成してコンクリート部を複数のコンクリート柱部
に区分し、各コンクリート柱部の外方に、アンボンド処
理層を介して鋼管を設け、この鋼管は、その上下端部を
上方または下方の他の鋼管の端部と離間し、上下の鋼管
の端部どうしの間に変形吸収部を形成して設けるととも
に、各鋼管の上端と下端に、内向きフランジ状の支圧板
を前記切欠部に挿入して形成する一方、前記切欠部の内
側のコンクリート部に、上下のコンクリート柱部にまた
がる補強鉄筋を埋設したものである。
「作用」 圧縮軸力はコンクリート柱部が受け、鋼管はコンクリー
トにコンファインド効果を与える反作用としてリングテ
ンションを受けることになり、コンクリート柱部の耐力
を向上させてその断面積を小さくすることが可能とな
る。
更に、鋼管に引張軸力が作用した場合、支圧板がコンク
リート柱部の端部に当接してこれを受けるとともに、切
欠部の内側のコンクリート部においては補強鉄筋が引張
軸力に対する構造強度を向上させる。
「実施例」 第1図ないし第3図は、本発明の一実施例を示すもの
で、本実施例のアンボンド型充填鋼管コンクリート柱
(以下アンボンド柱と略称する)Aは第1図と第2図に
示す構造を有し、第3図に示すように建築物の骨組みK
のための柱として用いられ、建築物の高さに対応する高
さに形成されている。
第1図と第2図において、符号1は鋼管であり、2はそ
の内部に充填されたコンクリートからなるコンクリート
部を示している。
前記コンクリート部2の外周には、建築物Kの階高に対
応する間隔ごとであって、しかも、各々が建築物の各階
の中央部近傍高さに位置するように環状の切欠部2aを形
成して周段部2bが形成され、これら切欠部2aによってコ
ンクリート部2は複数のコンクリート柱部2Aに区分さ
れ、各切欠部2aの内側には小径部2Bが形成されている。
そして、前記各コンクリート柱部2Aの外方には、アンボ
ンド処理層3を介して鋼管1が、上下の他の鋼管1との
間に所要幅の間隙をあけて変形吸収部Hを形成して設け
られている。更に、各鋼管1の上下両端には各々内向き
フランジ状の支圧板4が設けられ、各鋼管1は上下の支
圧板4,4をコンクリート柱部2Aの各周段部2bに当接させ
てコンクリート柱部2Aを囲んで設けられている。なお、
前記アンボンド処理層3は、コンクリート柱部2Aは鋼管
1を分離して別々に挙動させるためのもので、パラフィ
ン、アスファルト、オイル、グリース、ワセリン等の低
摩擦材、あるいは、有機溶剤に粉体を溶解させた分離材
等からなっている。
また、前記切欠部2aの内側のコンクリート柱2Aの内部に
は、両端部にナット等の係止部材5を一体化した補強ボ
ルト等の補強鉄筋6が複数(本実施例の場合6本)埋設
されている。前記補強鉄筋6は、各端部の係止部材5を
上下のコンクリート柱部2A,2Aの内部に位置させて各々
鉛直に、かつ、各々前記支圧板4の内周側に支圧板4の
周方向に沿って等間隔に並ぶように埋設されている。
なお、第3図に示すように各鋼管1の高さ方向中央部近
傍に各階用の梁材8が溶接され構造物Aの骨組みが構成
されている。また、梁材8を接合した鋼管1の内部側に
は、第1図の2点鎖線で示すように梁材8に連続する鋼
製のスチフナ9をコンクリート部2に内含させて設ける
こともできる。
次に前記構成のアンボンド柱Aの作用について説明す
る。
前記構造のアンボンド柱Aにあっては、引張軸力が作用
した場合、各鋼管1の支圧板4が周段部2bに当接して前
記引張軸力受けるとともに、コンクリート柱部2Aに埋設
された補強鉄筋6が前記引張軸力を受けるために、本発
明者らが先に提案したアンボンド柱に比較してより優れ
た軸方向引張耐力を発揮する。従ってアンボンド柱Aを
用いて構築される建築物は地震時に作用する引張り軸力
に対して十分高い強度を有する。なお、引張軸力が作用
した場合、コンクリート柱部2Aの周段部2bにおいては、
環状の支圧板4が前記周段部2bを押圧してこの部分に応
力を発生させるとともに、補強鉄筋6の係止部材5の周
囲部分でも応力を発生させる関係から、前記周段部2bの
周辺部分から各係止部材5に向かう応力がアーチ状に発
生し、良好な応力状態を得ることができる。また、アン
ボンド柱Aに引張り剪断力が作用した場合、この剪断力
を補強鉄筋6が受けるようになっている。
一方、アンボンド柱Aに軸方向の圧縮力が作用してコン
クリート部2に大きな歪を生じた場合、鋼管1とコンク
リート部2は、アンボンド処理層3によって分離され、
しかも、鋼管1と他の鋼管1との間に変形吸収部Hが設
けられているために、各鋼管1はこの変形吸収部Hによ
って許容される距離分だけ上下方向に移動することがで
き、これによって鋼管1の座屈は防止される。(なおこ
の点に鑑み、上下の鋼管1,1どうしの間の間隙は、コン
クリート部2の歪に伴う変形による鋼管1の移動量を吸
収できる大きさに設定される。)従って鋼管1は、軸力
をほとんど受けずにコンクリート柱部2Aに対してコンフ
ァインド効果を発揮することができ、その反作用として
リングテンションを受ける。即ちアンボンド柱Aは、圧
縮に強いコンクリート柱部2Aによって軸力を受け、引張
りに対して強い鋼管1でリングテンションを受ける。そ
の結果、アンボンド柱Aは、鋼管1とコンクリート部2
との相乗効果により従来の充填鋼管コンクリート柱に比
較して格段に高い圧縮耐力が保証されることになり、そ
の分、断面積を小さくできる効果がある。
また、補強鉄筋6を支圧板4の内周側に所定間隔で複数
配置しているために、アンボンド柱Aに作用する周回り
のモーメントに対する構造強度も向上している。
更に、切欠部2aを形成してコンクリート柱部2Aの断面積
を欠損させたことによる構造強度の低下の問題は、補強
鉄筋6…が小径部2B周りのコンクリート部分を補強する
ことによって解消している。
ところで、前述の構成のアンボンド柱Aを構築するに
は、鋼管1,1どうしをゴムや鋼鉄等からなる環状の捨て
型枠を介して接続して建築現場に立設し、鋼管1…の内
部にコンクリートを充填して構築すれば良い。また、前
記捨て型枠は、アンボンド柱Aの構築後に除去しても良
いし、型枠が軟質ゴムのように変形自在なものならば鋼
管1,1の間に残しておいても良い。
「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば以下に説明する効果
を奏する。
(1)本発明のアンボンド柱に引張軸力が作用した場
合、各鋼管の支圧板がコンクリート柱部の端部に当接し
て前記引張軸力に対抗するのに加え、コンクリート柱部
に埋設された補強鉄筋が前記引張軸力を受けるために、
本発明者らが先に提案したアンボンド柱に比較してより
優れた軸方向引張耐力を発揮する。なお、前記の如くア
ンボンド柱に引張軸力が作用した場合、コンクリート柱
部の端部においては、環状の支圧板がコンクリート柱部
の端部を押圧してこの部分に応力を生じるとともに、補
強鉄筋の周囲部分でも応力を生じる関係から、前記端部
の周辺部分から各補強鉄筋に向かう応力アーチが発生す
るために、良好な応力状態を得ることができる。
(2)また、アンボンド柱の切欠部に引張り剪断力が作
用しても補強筋がこれに対抗するために、アンボンド柱
は引張り剪断耐力にも強い構造である。
(3)一方、アンボンド柱に軸方向の圧縮力が作用して
コンクリート部に大きな歪を生じた場合、鋼管とその内
部のコンクリート部がアンボンド処理層によって分離さ
れていて、しかも、鋼管は他の鋼管との間に変形吸収部
を介して設けられているために、この変形吸収部によっ
て許容される分だけ上下方向に移動することができ、鋼
管は座屈することがない。従って鋼管は軸力をほとんど
受けずにコンクリート柱部に対してコンファインド効果
を発揮することができ、その反作用としてリングテンシ
ョンを受ける。即ちアンボンド柱は、圧縮に強いコンク
リート柱部によって軸力を受け、引張りに対して強い鋼
管でリングテンションを受ける。その結果、アンボンド
柱は、鋼管とコンクリート部との相乗効果により従来の
充填鋼管コンクリート柱に比較して格段に高い圧縮耐力
が保証されることになり、その分、横断面積を小さくで
きる効果がある。
(4)更に、切欠部を形成することによって生じるコン
クリート柱部の断面欠損による構造強度低下の問題は、
切欠部の内側のコンクリート部に補強筋を埋設して強度
を向上させることによって解消できるために、本発明の
アンボンド柱はコンクリート部に切欠部を有していても
十分な構造強度を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、本発明の一実施例を示すもの
で、第1図は一部を破断とした要部の側面図、第2図は
要部の水平断面図、第3図は、アンボンド柱を用いて構
築された建築物の骨組みの一部を示す側面図である。 A……アンボンド柱(アンボンド型充填鋼管コンクリー
ト柱)、K……骨組み、1……鋼管、2……コンクリー
ト部、2A……コンクリート柱部、2B……小径部、2a……
切欠部、2b……周段部、3……アンボンド処理層、4…
…支圧板、5……係止部材、6……補強ボルト(補強鉄
筋)、8……梁材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼管と、この鋼管の内周面に形成されたア
    ンボンド処理層と、このアンボンド処理層の内側に形成
    されたコンクリート部から構成され、鋼管の適宜位置に
    変形吸収部を設けてなるアンボンド型充填鋼管コンクリ
    ート柱の構造であって、前記コンクリート部は、その長
    さ方向に適宜間隔で複数の環状の切欠部を形成して複数
    のコンクリート柱部に区分され、各コンクリート柱部の
    外方には、アンボンド処理層を介して鋼管が、その上下
    端部を上方または下方の他の鋼管の端部と離間して上下
    の鋼管の端部どうしの間に変形吸収部を形成して設けら
    れるとともに、各鋼管の上端と下端には、内向きフラン
    ジ状の支圧板が前記切欠部に挿入して形成される一方、
    前記切欠部の内側のコンクリート部には、上下のコンク
    リート柱部にまたがる補強鉄筋が埋設されてなることを
    特徴とするアンボンド型充填鋼管コンクリート柱の構
    造。
JP18491986A 1986-08-06 1986-08-06 アンボンド型充填鋼管コンクリ−ト柱の構造 Expired - Lifetime JPH0751817B2 (ja)

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