JPH0751809A - 耐食耐熱超合金薄板の製造方法 - Google Patents

耐食耐熱超合金薄板の製造方法

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JPH0751809A
JPH0751809A JP21682593A JP21682593A JPH0751809A JP H0751809 A JPH0751809 A JP H0751809A JP 21682593 A JP21682593 A JP 21682593A JP 21682593 A JP21682593 A JP 21682593A JP H0751809 A JPH0751809 A JP H0751809A
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roll
mass
casting
heat
resistant
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Hiroshi Morikawa
広 森川
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 JIS規格のNCF718に規定されるよう
な耐食耐熱超合金を連続鋳造して溶湯から薄板を直接的
に製造できる方法を提供することにより,鍛造や熱間圧
延工程を省略し,大幅な省工程,コスト低減を図る。 【構成】 Ni:50〜55mass%,Cr:17〜
21mass%,Mo:2.8〜3.3mass%,A
l:0.2〜0.8%,Ti:0.65〜1.15mass
%,Nb+Ta:4.75〜5.50mass%を含有
し,残部がFe及び不可避不純物からなる組成の耐食耐
熱超合金の溶湯を真空誘導炉で溶製し,該溶湯を,鋳造
時の熱的定常状態において熱膨張した際にロールギャッ
プが幅方向一定となるべく常温で逆クラウン形状をし
た,銅製もしくは銅合金製の内部水冷されたロールスリ
ーブを備えた双ロール式連鋳機により連続鋳造して薄板
を製造するものであって,その連続鋳造する際の圧着負
荷Pが, 1.4r1/2・b ≦ P ≦ 5.7r1/2・b P:圧着負荷(kN) r:初期ロール半径(mm) b:板幅(mm) を満足するように制御された耐食耐熱超合金薄板の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,50〜55mass%
のNi,17〜21mass%のCr,2.8〜3.3m
ass%のMo,0.2〜0.8mass%のAl,0.
65〜1.15mass%のTi,4.75〜5.50m
ass%のNb+Taを含有し,残部がFe及び不可避
不純物からなる組成の耐食耐熱超合金の薄板を製造する
方法に関し,特に2枚割れの欠陥のない健全な内部品質
を有する耐食耐熱超合金の薄板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】50〜55mass%のNi,17〜2
1mass%のCr,2.8〜3.3mass%のMo,
0.2〜0.8massのAl,0.65〜1.15mas
s%のTi,4.75〜5.50mass%のNb+Ta
を含有し,残部がFe及び不可避不純物からなる組成の
合金(以下「本合金」という)は,JIS規格のNCF
718に規定される耐食耐熱超合金として工業的に広く
知られている。本合金は,特に高温における強度及び耐
酸化性が優れているため,従来よりジェットエンジン部
品や原子炉用部品といった特殊な用途に利用され,最近
では自動車部品や電子機器部品材料などにも広く利用さ
れている。
【0003】従来,本合金の薄板の製造に関し,以下の
方法が知られている。 1.上記組成の合金を真空誘導炉で溶解・鋳造し,凝固
させて得た鋳塊を所望の厚さの熱延板となるまで熱間圧
延を繰り返し行う方法。 2.上記組成の合金を真空誘導炉で溶解・鋳造し,凝固
させて得られた鋳塊を電極として,さらに真空アーク溶
解炉によって再溶解・凝固させて鋳塊を製造し,この鋳
塊を鍛造後,所望の厚さの熱延板となるまで熱間圧延を
繰り返し行う方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,本合金
は高温において強度が高い反面,高温での変形抵抗が大
きいため熱間加工性が極めて悪いといった性質がある。
また,本合金は凝固末期における偏析に起因して粗大な
炭化物やラーベス相(Laves phase)が生成
しやすいため,脆化が起こり,熱間圧延中に割れが発生
しやすい。そのため,本合金を熱間圧延するときの圧下
率を大きくできず,また,圧延可能な温度範囲が狭いと
いった問題をもっている。
【0005】そのため,上記した従来の製造方法によっ
て本合金の鋳塊から薄板を得るためには,小さな圧下率
で相当の回数の熱間圧延を繰り返し行わなければなら
ず,また圧延中に材料温度が下がると圧延が困難となる
ため,一定圧延回数毎に加熱炉に材料を入れて加熱する
工程が必要であった。従って,従来の製造方法は,著し
く多い工程と多大のエネルギーを必要とし,製造コスト
高を招いていた。
【0006】ここで,溶湯から直接薄板を得る手段とし
て双ロール法も知られているが,本合金のように液相線
温度と固相線温度との差が150K以上もある耐食耐熱
超合金について,従来の双ロール法をそのまま適用して
薄板を連続鋳造すると,得られた薄板の厚み中心部に大
きな2枚割れやバルジングが発生しやすく,健全な薄板
が安定して製造できないといった問題があった。
【0007】本発明は,JIS規格のNCF718に規
定されるような耐食耐熱超合金を連続鋳造して溶湯から
薄板を直接的に製造できる方法を提供することにより,
鍛造や熱間圧延工程を省略し,大幅な省工程,コスト低
減を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め,Ni:50〜55mass%,Cr:17〜21m
ass%,Mo:2.8〜3.3mass%,Al:0.
2〜0.8%,Ti:0.65〜1.15mass%,N
b+Ta:4.75〜5.50mass%を含有し,残部
がFe及び不可避不純物からなる組成の耐食耐熱超合金
の溶湯を真空誘導炉で溶製し,該溶湯を,鋳造時の熱的
定常状態において熱膨張した際にロールギャップが幅方
向一定となるべく常温で逆クラウン形状をした,銅製も
しくは銅合金製の内部水冷されたロールスリーブを備え
た双ロール式連鋳機により連続鋳造して薄板を製造する
ものであって,その連続鋳造する際の圧着負荷Pが, 1.4r1/2・b ≦ P ≦ 5.7r1/2・b P:圧着負荷(kN) r:初期ロール半径(mm) b:板幅(mm) を満足するように制御された耐食耐熱超合金薄板の製造
方法を提供する。
【0009】
【作用】本発明者らは,先ず,種々のNi基合金を双ロ
ール法により鋳造し,得られた薄板の品質を調査した。
その結果,偏析係数が高いNb,Mo,Ti等の成分を
多量に含有する耐食耐熱超合金の薄板を双ロール法によ
り溶湯から直接製造すると,得られた薄板の表面にラン
ダムに膨らみが生じることが分かった。そして,その膨
らんだ位置の断面を調べると,板厚の中心部で上面側シ
ェルと下面側シェルが接合していないいわゆる2枚割れ
が観察された。
【0010】そこで,このような2枚割れを生じた合金
の液相線温度と固相線温度をDTA(示差熱分析装置)
により測定したところ,何れの合金も液相線と固相線と
の温度差が150K以上となり,しかも,凝固末期に共
晶反応に相当するピークが認められた。
【0011】ここで,熱間圧延において,2枚割れと同
様の現象として鰐口割れが報告されており〔講座・現代
の金属学 材料偏11 金属加工:日本金属学会(19
86)p192〕,この報告によれば,鰐口割れはロー
ルで圧延される際,変形抵抗の小さい板厚中心部が優先
的に変形し,厚み方向で引っ張り応力が働いた結果に発
生すると説明されている。薄板連鋳における2枚割れ
は,熱間圧延における鰐口割れのようには開口せず,板
内部に点在して生じるが,その形態から鰐口割れと同様
のメカニズムによって生じるものと推察される。
【0012】そして,偏析係数が高いNb,Mo,Ti
などの成分を多く含有する合金について2枚割れが発生
しやすいのは,最終凝固部に成分偏析が生じて,ロール
キス点近傍においても板厚中心部に濃化溶湯がフィルム
状に残留しやすいため,両側から成長してきたそれぞれ
の凝固シェルの接合面に延性がなく,かつ,接合力が小
さいことに起因していると考えられる。本発明の対象と
するNCF718のような合金は,耐食耐熱超合金の中
でも特に2枚割れを生じやすい。
【0013】一方,2枚割れが生じないように圧着負荷
を小さくすると,バルジングが生じやすくなる。即ち,
圧着負荷が小さい場合,両ロール面からの凝固シェルの
成長が最も遅い領域では,板がロールから離脱した後も
未凝固溶鋼が板厚中心部に多く存在し,復熱によりバル
ジングが生じると推察される。
【0014】そこで次に,常温状態で幅方向における半
径が一定(フラット)のロールを備えた双ロール式薄板
連鋳機を使用して本合金を鋳造し,その際,ロールキス
点直下での板表面温度をサーモグラフィーにより連続的
に測定することによって,板表面の温度むらと2枚割れ
とバルジングの発生位置との関係を調査した。その結
果,以上のように常温で幅方向における半径が一定のロ
ールは,鋳造時において偏熱膨張によりクラウン形状
(ロール中央部が樽型に膨らんだ形状)に変形膨張し
て,ロール中心部の直径が最も大きくなり,その影響で
薄板の幅方向中心部に局部的に大きな圧下が生じ,図1
に示すように板幅方向中心部が板表面温度の最も低い強
冷却部となった。そして,2枚割れはその強冷却部で生
じた。
【0015】一方,熱膨張によりロール端部の直径が中
央部の直径に比べて小さくなったことに伴い,薄板の幅
方向両端部の圧下が相対的に小さく,また,薄板両端部
付近の板表面温度が全体的に高いものとなり,図2に示
すように,圧下の小さい薄板両端部付近において特に温
度が高い緩冷却部でバルジングが発生した。
【0016】次に,以下に示すような1〜3のロールス
リーブをそれぞれ備えた双ロール式連鋳機を用いて,本
合金を双ロール法により鋳造し,得られた薄板について
2枚割れ及びバルジングの発生頻度と,圧着負荷との関
係を調べた。 1.常温で幅方向における半径が一定(フラット)の,
鋼製の内部水冷されたロールスリーブ 2.常温で幅方向における半径が一定(フラット)の,
銅合金製の内部水冷されたロールスリーブ 3.鋳造時の熱的定常状態において熱膨張した際にロー
ルギャップが幅方向一定となるべく常温で逆クラウン形
状をした,銅合金製の内部水冷されたロールスリーブ なお,用いたロールの半径は何れも幅方向中央部で20
0mmであり,得られた板幅は300mmであった。
【0017】その結果,図3に示す結果が得られた。即
ち,全体的には圧着負荷が大きいほど2枚割れの発生頻
度が高く,また,圧着負荷を過度に小さくするとバルジ
ングの発生頻度が高くなるという先と同様の結果が得ら
れた。一方,相対的に見ると「3.鋳造時の熱的定常状
態において熱膨張した際にロールギャップが幅方向一定
となるべく常温で逆クラウン形状をした,銅合金製の内
部水冷されたロールスリーブ」を備えた双ロール式連鋳
機によって薄板を鋳造した場合が,2枚割れとバルジン
グを発生しない圧着負荷の範囲が最も広くなり,NCF
718に対して,2枚割れがなく,かつ,バルジング欠
陥もない薄板を安定して得るためには,該ロールの場合
は鋳造中の圧着負荷を6kN以上,24kN以下の範囲
に制御すればよいことが分かった。
【0018】以上の結果から,鋳造時の熱的定常状態に
おいて熱膨張した際にロールギャップが幅方向一定とな
るべく常温で逆クラウン形状をした,銅製もしくは銅合
金製の内部水冷されたロールスリーブを備えた双ロール
式連鋳機により連続鋳造して薄板を製造することとし
た。
【0019】なお,ロール材質としては,熱伝導率が大
きくて,しかも,硬度が高く耐摩耗性にも優れた析出硬
化型銅合金が実用的である。また,更に摩耗量を減少さ
せるために厚さ2mm以下のNiあるいはNi+Feメ
ッキをロール表面に施すようにしても良い。
【0020】また,鋳造中の圧着負荷は,ロール半径が
200mmで板幅が300mmの場合において,6kN
以上,24kN以下の範囲に制御すれば良いが,この範
囲は,ロール径と板幅によって変化するものである。こ
こで,圧延における圧延荷重Pは,次の(1)式で表さ
れる。 P = km・ld・b …(1) ここで,km:平均変形抵抗 ld:接触長 b :板幅 そして,接触長ldは,次の(2)式で示される。 ld = (r・△h)1/2 …(2) ここで,r :ロール半径 △h:圧下量 従って,(1)式と(2)式より,次の(3)式が得ら
れる。 P = km・(r・△h)1/2・b …(3)
【0021】双ロール法では,km・(△h)1/2は未
知であるが,上記調査の結果に示されるように,半径
(r)200mmのロールを備えた双ロール実験装置を
用いて板幅(b)300mmの鋳造実験をした場合に適
正圧着負荷の下限値が6kNで,上限値が24kNであ
ったことから,(3)式にそれぞれの値を代入すると, 下限値(6kN)の場合:km・(△h)1/2=1.4
(N/mm3/2) 上限値(24kN)の場合:km・(△h)1/2=5.7
(N/mm3/2) となる。
【0022】しかして,本発明においては,ロール半径
rの双ロール機で板幅bのNCF718を鋳造する場合
において,鋳造中の圧着負荷Pを以下の範囲に制御する
ことによって,2枚割れとバルジングの発生防止を図る
こととした。 1.4r1/2・b ≦ P ≦ 5.7r1/2・b …(4)
【0023】
【実施例】以下,本発明の実施例を具体的に示す。表1
に,実施例において用いた発明例(ヒートNo.1〜
6)と比較例(ヒートNo.7〜9)の各条件と調査結
果を示す。
【0024】
【表1】
【0025】〔本発明例:ヒートNo.1〜4〕鋳造時
の熱的定常状態において熱膨張した際にロールギャップ
が幅方向一定となるべく常温で逆クラウン形状をした,
析出硬化型の銅合金製の内部水冷されたロールスリーブ
を備えた双ロール式連続鋳造機を用い,真空誘導炉で溶
製した500kgのNCF718の溶湯を,平均鋳造速
度25m/minで連続的に鋳造した。ロール半径は2
00mmで,常温においてロール中央部よりも端部で半
径が0.1mm大きい,幅方向にテーパが形成された逆
クラウン形状のロールスリーブを使用した。ロール径
(常温時)は,ロール中央部で200.0mm,ロール
端部で200.1mmであった。ロールの有効胴長は3
00mmとした。そして,ヒートNo.1,2,3,4
として,厚み1.5mm,2.0mm,2.4mm,3.0
mmの薄板(何れも板幅は300mm)をそれぞれ製造
した。
【0026】各供試合金の組成は,Ni:52〜53m
ass%,Cr:19〜20mass%,Mo:2.9
〜3.0mass%,Al:0.45〜0.70mass
%,Ti:0.85〜1.05mass%,Nb+Ta:
4.95〜5.10mass%残部がFe及び不可避不純
物であった。
【0027】そして,以上のように板幅(b)300m
m,ロール半径(r)200mmの条件のもとにおい
て,鋳造中の圧着負荷Pが,上記(4)式を満足すべく 6kN ≦ P ≦ 24kN となるように,鋳造速度を変えることによって制御し
た。
【0028】以上の条件で製造したヒートNo.1〜4
(本発明例)の薄板について超音波探傷機による調査を
行うとともに,薄板を幅方向に切断した断面を観察して
2枚割れの調査を行ったところ,表1に示すように,何
れの場合も鋳造初期の非定常域を除いて2枚割れが認め
られなかった。また,何れもバルジングは発生していな
かった。
【0029】〔本発明例:ヒートNo.5〕ヒートNo.
1〜4と同様に,常温で逆クラウン形状をした,析出硬
化型の銅合金製の内部水冷されたロールスリーブを備え
た双ロール式連続鋳造機を用いて,ヒートNo.1〜4
と同じ組成の合金溶湯500kgを平均鋳造速度36m
/minで連続的に鋳造した。なお,ロール半径は30
0mmであり,ロール径(常温時)は,ロール中央部で
300.0mm,ロール端部で300.1mmで,ロール
の有効胴長は300mmとした。そして,厚み2.0m
mで板幅が300mmの薄板を製造した。
【0030】そして,以上のように板幅(b)300m
m,ロール半径(r)300mmの条件のもとにおい
て,鋳造中の圧着負荷Pが,上記(4)式を満足すべく 7kN ≦ P ≦ 30kN となるように,鋳造速度を変えることによって制御し
た。
【0031】以上の条件で製造したヒートNo.5(本
発明例)の薄板について,先と同様に超音波探傷器によ
る調査を行うとともに,薄板を幅方向に切断した断面を
観察して2枚割れの調査を行ったところ,表1に示すよ
うに,鋳造初期の非定常域を除いて2枚割れが認められ
なかった。また,バルジングも発生していなかった。
【0032】〔本発明例・ヒートNo.6〕ヒートNo.
5と同様に,常温で逆クラウン形状をした,析出硬化型
の銅合金製の内部水冷されたロールスリーブを備えた双
ロール式連続鋳造機を用い,ヒートNo.5と同じ組成
の合金溶湯500kgを平均鋳造速度36m/minで
連続的に鋳造した。なお,ロール半径を300mm,ロ
ールの有効胴長を600mmとした。ロール径(常温
時)は,ロール中央部で300.0mm,ロール端部で
300.15mmの条件で,厚み2.0mm,板幅600
mmの薄板を製造した。
【0033】そして,以上のように板幅(b)600m
m,ロール半径(r)300mmの条件のもとにおい
て,鋳造中の圧着負荷Pが,上記(4)式を満足すべく 14kN ≦ P ≦ 60kN となるように,鋳造速度を変えることによって制御し
た。
【0034】以上の条件で製造したヒートNo.6(本
発明例)の薄板について,先と同様に超音波探傷器によ
る調査を行うとともに,薄板を幅方向に切断した断面を
観察して2枚割れの調査を行ったところ,表1に示すよ
うに,鋳造初期の非定常域を除いて2枚割れが認められ
なかった。また,バルジングも発生していなかった。
【0035】〔比較例・ヒートNo.7〕本発明例のヒ
ートNo.1〜4で使用したロールと同じロールを用
い,鋳造当初において18kN(本発明範囲内)として
いた圧着負荷を,途中から29kN((4)式で定めら
れる上限値を越える範囲)まで増加し,その状態で薄板
を約10mほど鋳造し続けた後,再び18kNに戻すよ
うにした。なお,溶湯組成やその他の鋳造条件は,ヒー
トNo.1〜4と同じ条件とした。
【0036】以上の条件で製造したヒートNo.7(比
較例)の薄板について,同様の手法で2枚割れの調査を
行ったところ,圧着負荷を29kNに増加した時期に対
応する位置で,幅約10mm程度の2枚割れがほぼ連続
的に認められた。
【0037】〔比較例・ヒートNo.8〕本発明例のヒ
ートNo.1〜4で使用したロールと同じロールを用
い,鋳造当初において14kN(本発明範囲内)として
いた圧着負荷を,途中から4kN((4)式で定められ
る下限値よりも低い範囲)まで下げ,その状態で薄板を
約10mほど鋳造し続けた後,再び14kNに戻すよう
にした。なお,溶湯組成やその他の鋳造条件は,ヒート
No.1〜4と同じ条件とした。
【0038】以上の条件で製造したヒートNo.8(比
較例)の薄板は,圧着負荷が4kNに減少した時期に対
応する位置で,バルジングがほぼ連続的に認められた。
【0039】〔比較例・ヒートNo.9〕逆クラウン加
工をしていない,常温時においてフラットな直径400
mm,有効胴長300mmの銅合金製ロールスリーブを
鋳造機に装着して鋳造を行った。鋳造中の圧着負荷を
(4)式から求められる圧着負荷の範囲内である15〜
22kNとした。
【0040】以上の条件で製造したヒートNo.9(比
較例)の薄板について,先と同様の手法で2枚割れの調
査を行ったところ,薄板の幅方向のほぼ中央部に連続的
な2枚割れが認められた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば,難熱間加工材であるN
CF718合金を溶湯から直接鋳造して,2枚割れやバ
ルジング欠陥のない薄板を得ることができる。従って,
本合金の薄板製造において,格段の省設備,省エネルギ
ー及び省力化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】常温時にフラットなロールスリーブを備えた双
ロール式薄板連鋳機で鋳造したNCF718合金の板表
面温度の分布と,2枚割れの発生を示す図面
【図2】常温時にフラットなロールスリーブを備えた双
ロール式薄板連鋳機で鋳造したNCF718合金の板表
面温度の分布と,バルジングの発生を示す図面
【図3】圧着負荷とバルジング及び2枚割れの発生頻度
との関係を示すグラフ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni:50〜55mass%,Cr:17
    〜21mass%,Mo:2.8〜3.3mass%,A
    l:0.2〜0.8%,Ti:0.65〜1.15mass
    %,Nb+Ta:4.75〜5.50mass%を含有
    し,残部がFe及び不可避不純物からなる組成の耐食耐
    熱超合金の溶湯を真空誘導炉で溶製し,該溶湯を,鋳造
    時の熱的定常状態において熱膨張した際にロールギャッ
    プが幅方向一定となるべく常温で逆クラウン形状をし
    た,銅製もしくは銅合金製の内部水冷されたロールスリ
    ーブを備えた双ロール式連鋳機により連続鋳造して薄板
    を製造するものであって,その連続鋳造する際の圧着負
    荷Pが, 1.4r1/2・b ≦ P ≦ 5.7r1/2・b P:圧着負荷(kN) r:初期ロール半径(mm) b:板幅(mm) を満足するように制御された耐食耐熱超合金薄板の製造
    方法。
JP21682593A 1993-08-10 1993-08-10 耐食耐熱超合金薄板の製造方法 Withdrawn JPH0751809A (ja)

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