JPH0751590A - 湿式分散粉砕法 - Google Patents

湿式分散粉砕法

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JPH0751590A
JPH0751590A JP21794993A JP21794993A JPH0751590A JP H0751590 A JPH0751590 A JP H0751590A JP 21794993 A JP21794993 A JP 21794993A JP 21794993 A JP21794993 A JP 21794993A JP H0751590 A JPH0751590 A JP H0751590A
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JP
Japan
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slurry
pulverizing
liquid
stirring mill
medium stirring
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Application number
JP21794993A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Yamaguchi
雅嗣 山口
Kyosuke Matagawa
恭輔 俣川
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Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の小型化、多連台数の減少及び循環時間
の短縮が可能で、且つ媒体攪拌ミル内部、配管中、送液
ポンプ内等での閉塞を防止でき、更に不必要な超微粒子
の発生や粒子の二次凝集を抑えることができる湿式分散
粉砕法を提供できる。 【構成】 固体粉末を液体の存在下で粉砕する湿式分散
粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散するプレミ
キシング工程とスラリーを媒体攪拌ミルで微粉砕する工
程との間に、スラリーを回転子と固定子の組み合わせに
より剪断力及び圧力の変化を付与して粉砕する連続式分
散機で粉砕する工程を有することを特徴とする湿式分散
粉砕法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式分散粉砕法に関
し、特に種々の微粒子含有材料の製造工程等に使用する
のに好適な湿式分散粉砕法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体の粉体を微粒子として得るための微
粒子粉砕方法は、固体を取り扱う各種の化学工業におい
て広く使用され、種々の材料を所望の程度に粉砕するた
めの各種の方法が開発されている。最近、高性能化又は
複合機能化した新素材の開発に伴い、一層の微粒子化、
粉体の組成や粒子径の均一化等を目的とした種々の技術
が更に研究開発されている。その中でも、湿式分散粉砕
方法は粉体の組成や粒子径を均一にしやすい点で優れて
いる。
【0003】従来、フロアブル農薬の製造工程、イン
キ、塗料、コーティング剤の製造工程等に一般的に使用
されている湿式分散粉砕法としては、原料のプレミキシ
ング処理を行いスラリー化した処理物を媒体攪拌ミルに
より粉砕処理する方法が知られている。即ち、図8に示
した概略図のように、液体と固体粉体を混合機1により
プレミキシングしたスラリーをポンプ6により媒体攪拌
ミル4に送って粉砕処理することにより、製品スラリー
が得られる。これらの方法は、所望の微粒子径が小さい
場合等には、媒体攪拌ミル1台での循環処理(図8)あ
るいは複数台を多連し連続処理を行ったりする。媒体攪
拌ミルを多連化する場合、ミルの型式や運転条件(メデ
ィア径、主軸回転数、吐出量等)が同一でない場合もあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術においては、媒体攪拌ミルの処理の前には、プレ
ミキシング処理のみが行われていたので、粒径の比較的
大きい粒子のまま媒体攪拌ミルに適用されていた。この
粒径の比較的大きい粒子を含むスラリーを媒体攪拌ミル
により粉砕処理するには、従来では、ある程度処理能力
の高い媒体攪拌ミルを使用するか、媒体攪拌ミルを所定
時間循環運転するかあるいは媒体攪拌ミルを複数設置す
る等の必要があった。媒体攪拌ミルは、従来他の装置と
比較すると、かなり高額で且つ消費電力も高い装置であ
る。従って、従来の方法は、高額な装置で消費電力が多
い媒体攪拌ミルを使用しているため、実際上高いイニシ
ャルコストで且つ高いランニングコストにならざるを得
なかった。
【0005】更に、従来の方法においては所望の粒径が
かなり小さい場合には、更に高い処理能力の媒体攪拌ミ
ルによる処理を行うか、媒体攪拌ミルを長時間循環運転
するかあるいは媒体攪拌ミルを多連化する等の処置を施
す必要があった。この場合には、更に一層のイニシャル
コスト及びランニングコストのアップになってしまって
いた。また、上記従来の技術のように、原料混合物にプ
レミキシング処理のみを行った場合、得られたスラリー
中にはより粒径の大きい粗大粒子が残存してしまうこと
が多くなる。プレミキシング処理からの該粗大粒子を含
むスラリーをそのまま媒体攪拌ミルへ送ると、粗大粒子
が媒体攪拌ミル内、配管中及び送液ポンプ内等で閉塞し
てしまう。これに対して、閉塞を防止するためには、媒
体攪拌ミルの滞留時間の短縮やメディア径の大径化等を
行う必要がある。しかし、これでは所望の粒度を得るた
めには、高額で且つ消費電力も高い装置である媒体攪拌
ミル等の装置の多連化等につながり、設置スペース、イ
ニシャルコスト、ランニングコストが増大するという問
題が発生してしまう。
【0006】また、上記の如く、媒体攪拌ミルの長時間
循環運転や多連化すると、設置スペース、イニシャルコ
スト、ランニングコストの増大に加えて、過度の粉砕に
より不必要な微粒子が発生したり、生成した粒子が凝集
状態になったり、生成後に凝集する場合などの二次凝集
の発生が起きてしまうという問題もあった。本発明の目
的は、上記従来の問題を解決することにあり、装置の小
型化、多連台数の減少及び循環時間の短縮が可能であ
り、且つ媒体攪拌ミル内部、配管中、送液ポンプ内等で
の粉末による閉塞を防止でき、更に不必要な超微粒子の
発生や粒子の二次凝集を抑えることができる湿式分散粉
砕法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 (1) 固体粉末を液体の存在下で粉砕する湿式分散粉
砕法において、固体粉末を液体と混合分散するプレミキ
シング工程、前記プレミキシング工程からのスラリー
を、回転子と固定子の組み合わせにより剪断力及び圧力
変化を付与して粉砕する連続式分散機で粉砕する工程、
及び前記粉砕工程からのスラリーを媒体攪拌ミルで微粉
砕する工程を有することを特徴とする湿式分散粉砕法。
【0008】(2) 固体粉末を液体の存在下で粉砕す
る湿式分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散
するプレミキシング工程、前記プレミキシング工程から
のスラリーを、回転子と固定子の組み合わせにより剪断
力及び圧力変化を付与して粉砕する連続式分散機で粉砕
する工程、前記粉砕工程からのスラリーを媒体攪拌ミル
で微粉砕する工程、及び前記微粉砕工程からの粉砕物を
液体分級機へ送って微粉砕物を分離する工程を有するこ
とを特徴とする湿式分散粉砕法。
【0009】(3) 固体粉末を液体の存在下で粉砕す
る湿式分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散
するプレミキシング工程、前記プレミキシング工程から
のスラリーを、回転子と固定子の組み合わせにより剪断
力及び圧力変化を付与して粉砕する連続式分散機で粉砕
する工程、前記粉砕工程からのスラリーを液体分級機へ
送って微粉砕物と粗粉砕物とに分離する工程、及び前記
分離工程からの該微粉砕物は製品粉砕物として取り出さ
れ、該粗粉砕物は媒体攪拌ミルにより微粉砕される工程
を有することを特徴とする湿式分散粉砕法。
【0010】(4) 固体粉末を液体の存在下で粉砕す
る湿式分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散
するプレミキシング工程、前記プレミキシング工程から
のスラリーを液体分級機へ送って微粉砕物と粗粉砕物と
に分離する工程、前記分離工程からの該微粉砕物は製品
粉砕物として取り出され、該粗粉砕物は回転子と固定子
の組み合わせにより剪断力及び圧力変化を付与して粉砕
する連続式分散機により粉砕される工程、及び前記粉砕
工程からのスラリーを媒体攪拌ミルで微粉砕する工程を
有することを特徴とする湿式分散粉砕法。
【0011】即ち、本発明は、図1に示すように、プレ
ミキシング処理として液体と固体粉体を混合機1により
混合したスラリーを、媒体攪拌ミル4で処理する前に、
回転子と固定子の組み合わせにより剪断力及び圧力変化
を付与して粉砕する連続式分散機2(以下、単に分散機
ともいう)で処理を行う。プレミキシング処理したスラ
リーを分散機2で処理することにより、スラリーが分散
されるとともに、ある程度まで粉体を粉砕することがで
きる。これにより、媒体攪拌ミル4での処理負担を少な
くできる。即ち、スラリーの粉砕処理が、分散機2によ
りある程度行われているため、処理能力が低い媒体攪拌
ミル4を用いることができたり、処理時間も短くできた
り、あるいは媒体攪拌ミル4の使用台数を少なくしたり
できる。
【0012】また、媒体攪拌ミル4に投入するスラリー
中に存在し、装置中で閉塞を起こす粗大粒子を、該分散
機2により粉砕して、著しく減少させるかもしくは無く
してしまうことができる。粗大粒子を粉砕することによ
り、メディアの大径化や流速を上げなくても、媒体攪拌
ミル4内部、配管中、送液ポンプ内等での粗大粒子によ
る閉塞を防止でき、始めから小径メディアを使用するこ
とができる。従って、上記のことから、装置の小型化、
多連台数の減少及び循環時間の短縮が可能になり、設置
スペース、イニシャルコスト、ランニングコストの削減
ができる。更に、多連台数の減少及び循環時間の短縮が
可能になり、微粒子を生成する際の連続粉砕処理工程が
行わなくてもよいことから、連続粉砕処理工程による不
必要な微粒子の発生、及び生成した粒子が凝集状態にな
ったり、生成後に凝集する場合等の二次凝集の発生を防
止できるうる。
【0013】また、上記方法に、図2〜図4に示すよう
に、液体分級機3による処理を加えることで、所望の粒
度に達した粒子は取り出されて製品とし、不十分な粒度
のものは更に本発明の粉砕工程(分散機2及び/又は媒
体攪拌ミル4による工程)により粉砕処理される。この
ことにより、微粒子を生成する際の連続粉砕処理工程に
よる不必要な微粒子の発生、及び生成した粒子が凝集状
態になったり、生成後に凝集する場合等の二次凝集の発
生をも更に防止できるうる。ここで、本発明においては
粗大粒子が存在しないため、液体分級機の分級精度が高
くなる。
【0014】本発明は、図2に示したように、前記図1
に示した方法と同様にプレミキシング処理を行い、分散
機2で処理したスラリーを媒体攪拌ミル4で処理し、こ
こでは更に液体分級機3により処理する。ここで、所望
の粒度に達した粒子を製品粉砕物としてストックタンク
5に移すようにする。この場合、それ以外の粒子である
所望の粒度に達してない粒子は媒体攪拌ミル4で再処理
し、更に、所望の粒度に達した粒子を製品粉砕物として
ストックタンク5に移すようにすることが好ましい。こ
れにより、より粒度が均一な製品粉砕物を得ることがで
きる。
【0015】本発明は、図3に示したように、前記図1
または図2における方法と同様に、プレミキシング処理
を行い、分散機2で分散粉砕した後、媒体攪拌ミル4で
の処理の前に、液体分級機3による処理をする。これに
より、所望の粒度に達したものを取り出して製品とし、
それ以外の粒子のみを媒体攪拌ミル4で処理することに
より、一定粒径以上の粒子だけを媒体攪拌ミル4で処理
するので、媒体攪拌ミル4で処理するスラリー量の削減
が可能になり、媒体攪拌ミル4の処理負担を削減でき
る。この場合、上記のように媒体攪拌ミル4で処理した
のち、更に該処理した粉砕物を上記の液体分級機3で再
度処理し、所望の粒度に達してない粒子だけを媒体攪拌
ミル4で処理するようにすれば、より粒度が均一な製品
スラリーを得ることができる。
【0016】本発明は、図4に示すように、前記原料で
ある粉体と液体を混合機1により混合したスラリーを液
体分級機3による処理を行い、所望の粒度であるものは
製品粉砕物としてストックタンク5に移し、それ以外の
粒子のみを分散機2で処理し、更にそのスラリーを媒体
攪拌ミル4により粉砕する。液体分級機3による処理を
粉砕処理(分散機2及び媒体攪拌ミル4による処理)前
に行うことにより、更に、一定粒径以上の粒子だけを分
散機2及び媒体攪拌ミル4で処理するので、分散機2及
び媒体攪拌ミル4で処理するスラリー量の削減が可能に
なり、分散機2及び媒体攪拌ミル4の処理負担がより削
減できる。この場合、再度液体分級機3による処理を行
うことにより、所望の粒度に達したものは製品として取
り出し、それ以外のもののみを該分散機で再処理するよ
うにすることが好ましい。
【0017】次に本発明の方法に用いる各種装置につい
て説明する。スラリーを回転子と固定子の組み合わせに
より剪断力及び圧力変化を付与して粉砕する連続式分散
機としては、櫛歯状に位置する固定子と回転子とにそれ
ぞれ形成された通路にスラリーを通しながら、回転子を
回転させてスラリーを分散し、且つ粉砕する構成の分散
機を用いることができる。分散機はポンプ作用を兼ね備
えた場合、タンクやポンプを介さず、直接媒体攪拌ミル
や液体分級機にスラリーを投入する事も可能になる。こ
のような分散機としては、例えば日鉄鉱業製の乳化分散
機キャビトロンを用いることができる。また、液体中の
固体は、この分散機により粉砕されて微粒子に形成され
るのであるが、微粒子の意味は適用する材料や業種によ
り相違がある。本発明は、分散液中に粒径が1μm以下
の粒子を分散させるのに特に有効である。
【0018】次に、本発明に用いる分散機2について図
面を参照して詳しく説明する。分散機2は、原料スラリ
ーを分散させるとともに、該スラリーに剪断力及び圧力
変化を付与して粒子粉体を粉砕する機能及びポンプ機能
を有するものである。分散機2は、図5の斜視図に示す
ように、原料スラリーの分散と剪断力及び圧力変化の付
与を行う分散部11と後述するロータ22を回転駆動す
る駆動部12とにより構成されている。分散部11の断
面構造は、図6の分散部11の模式図に示すように一定
間隔で櫛歯形に形成したステータ23間に櫛歯形に形成
したロータ22を回転自在に設けたものである。ステー
タ23、ロータ22の構成を更に詳細に述べると、ステ
ータ23は分散機の要部説明図である図7に示すように
平面円弧状の歯23aを所定間隙G、gで環状に配列し
たものである。ロータ22は円板体の一側面に平面円弧
状の歯22aを形成したものであり、歯22aはステー
タ23の半径方向の間隙G間に嵌まり込むように形成さ
れている。なお、ロータ22の中心部は軸24に固定さ
れ、軸24の一端には図示を省略したプーリが固定され
ている。そして、プーリと図示を省略したモータとにベ
ルトが掛け回され、モータを駆動することによりロータ
22が例えば矢印A方向に回転するようになっている。
また、ステータ22はパイプを取り外して、扉のように
開閉できる構成になっている。
【0019】前記ステータ23を構成する各歯23aの
間隙gは極めて小に設定され、ロータ22を構成する各
歯22aの間隙gも極めて小に設定されている。また、
間隙G間にロータ22を回転自在に設けることにより、
各歯22a、23aの半径方向の間隙も極めて小にな
る。原料スラリーは、図6に示すようにパイプ13を介
して分散部11の中心部に供給され、分散部11のポン
プ作用により外側方向に押し出される。この際の移動形
態を見ると、スラリーは図7に示す矢印b方向に移動す
るのであるが、ロータ22が回転しているので、間隙g
から出るときと入るときロータ22によって矢印aで示
す剪断力が作用する。ステータ23及びロータ22は、
中心から外側方向に向けて多層に形成され、間隙gも多
数が形成されているので、剪断力はスラリーに万偏なく
作用し、また多数に形成された間隙gのずれによりスラ
リーの遠心流れの封じ込め、開放を繰り返す事により圧
力変化を繰り返し生じ、スラリー中に混合している固体
粉体を粉砕する。固体粉体が粉砕されたスラリーは、パ
イプ13を介して次の工程に供給される。
【0020】プレミキシング工程で用いられる、粉体と
液体を混合する混合機は、原料である粉体と液体を混合
し、分散するものである。本発明における粉体と液体を
混合する混合機としては、通常の湿式分散粉砕法に用い
るプレミキシング処理に適用される混合機であれば、い
ずれでもよい。例えば、ディゾルバー型攪拌機、プロペ
ラ型攪拌機、パドル型攪拌機、タービン型攪拌機等を用
いることができる。
【0021】本発明に用いることできる媒体攪拌ミル4
としては、液体中の粉体スラリーを微粉砕するものであ
り、通常の湿式分散粉砕法に用いる媒体攪拌ミルに適用
される粉砕機であれば、いずれでもよい。例えば、媒体
攪拌ミル4は、ボール、ビーズ等の粉砕媒体を充填した
ミルを、攪拌棒、回転ディスク等によって強制的に攪拌
することにより、粉砕を行う装置が挙げられる。
【0022】液体分級機3としては、スラリー中に存在
する粒子の中から所定の粒径の範囲に達した粒子とそれ
以外の粒子を分離するものであり、通常の湿式分散粉砕
法に用いる液体用分級機であれば、いずれでもよい。例
えば、液体分級機3としてはスラリーに旋回運動を与
え、主として粒子に作用する遠心力によって、所定の粒
径の粒子を沈降分離するものが好ましく用いることがで
きる。本発明の方法により、分散粉砕することのできる
材料としては、無機系、有機系材料等いずれでも分散粉
砕することができる。本発明においては、水酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウム、タルク等に好適に用いられる。
本発明の方法を利用して製造することができる製品とし
ては、フロアブル農薬(除草剤、殺虫剤、殺菌剤等)、
インキ(カーボンインキ等)、塗料(感熱塗料、磁性塗
料等)、コーティング剤(電子写真感光体等)等が挙げ
られる。
【0023】本発明の方法は、上述の如く、それらを構
成する上記の各装置は、前述の4つの態様の順序で配置
され、各々の装置間はパイプで連結され、適宜送液ポン
プ、ストックタンク等を配置させることができる。但
し、図1〜図4においては、本発明の湿式分散粉砕法の
概略図を示したものであるから、その送液ポンプ、スト
ックタンク等は省略した。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらに限定されるものではない。 プレミキシング処理 原料分散液である水酸化カルシウムの15重量%スラリ
ーを、ディゾルバー攪拌機(アイメックス社製)により
羽根最外周速10m/secで、30分間プレミキシン
グした。これにより得られた水酸化カルシウムスラリー
の粒度分布は、D10=3.12μm、D50=78.75
μm、D90=285.94μmであった。但し、粒度分
布はROBOT SIFTER RPS−85(セイシ
ン企業製)により測定した。 実験例1 前記と同様にプレミキシング処理により得られた水酸化
カルシウムスラリーを更に、連続回転式ホモジナイザ
ー、キャビトロン CD1010型(処理室容量0.0
143リットル、日鉄鉱業(株)製)によりロータ最外
周速40m/secで、流量8リットル/分、滞留時間
0.11秒で分散した。ここで得られた水酸化カルシウ
ムスラリーの粒度分布は、D10=1.46μm、D50
19.18μm、D90=74.4μmであった。但し、
粒度分布はMICROTRAC FRA(日機装(株)
製)により測定した。
【0025】実験例2(実施例1) プレミキシング処理をした水酸化カルシウムスラリーに
前記実験例1と同様の処理をした後、更に媒体攪拌ミ
ル、サンドグラインダー SLG1/2G(ベッセル容
量2リットル、φ1.0〜φ1.5のガラスビーズを8
0%充填、充填後の処理室容量1リットル)(アイメッ
クス(株)製)によりディスク最外周速8m/sec
で、流量600ml/分、滞留時間100秒で分散粉砕
した。得られたスラリーの粒度分布は、実験例1と同様
の方法で測定したところ、D10=1.06μm、D50
2.87μm、D90=25.1μmであった。 実験例3(比較例1) プレミキシング処理のみをした水酸化カルシウムスラリ
ーに、実験例2で用いた媒体攪拌ミルにより同じ処理を
した。但し、流量を400ml/分に変更した。得られ
たスラリーの粒度分布は、実験例1と同様の方法で測定
したところ、D10=1.02μm、D50=2.86μ
m、D90=34.9μmであった。
【0026】以上の結果が示すように、連続回転式ホモ
ジナイザーを使用した実施例1とそれを用いていない比
較例1は、同等の粒度分布を有するスラリーが得られる
が、実施例1は媒体攪拌ミルの吐出量が比較例1より5
0%多い。即ち、連続回転式ホモジナイザーを使用する
ことにより、媒体攪拌ミルの吐出量を50%増やしても
同等の品質のスラリーが得られる。
【0027】実験例4(実施例2) 実験例2において、スラリーの流量を200ml/分に
変更した他は、実験例2と同様の方法で、所望の粒径の
スラリーを製造した。得られたスラリーの粒度分布は、
実験例1と同様の方法で測定したところ、D10=0.9
5μm、D50=2.47μm、D90=13.4μmであ
った。 実験例5(比較例2) 比較例1において、スラリーの流量を200ml/分に
変更した他は、比較例1と同様の方法で、所望の粒径の
スラリーを製造した。得られたスラリーの粒度分布は、
実施例1と同様の方法で測定したところ、D10=1.0
0μm、D50=2.57μm、D90=14.39μmで
あった。実施例2と比較例2の結果から、連続回転式ホ
モジナイザーを使用する事により、媒体攪拌ミルの処理
条件が同じであれば、より細かい粒径でシャープな製品
スラリーが得られることが判る。
【0028】実験例6(実施例3) 実験例2における、サンドグラインダー SLG1/2
Gの代わりに、ウルトラビスコミル UVM−2(ベッ
セル容量2リットル、φ0.4〜φ0.6のガラスビー
ズを85%充填、充填後の処理室容量1リットル)(ア
イメックス(株)製)を用いる以外は、実験例2と同様
の方法で原料スラリーを分散粉砕した。得られたスラリ
ーの粒度分布は、実験例1と同様の方法で測定したとこ
ろ、D10=0.98μm、D50=2.51μm、D90
13.97μmであった。 実験例7(比較例3) 比較例1において、スラリーの流量を600ml/分に
変更し、サンドグラインダー SLG1/2Gの代わり
に、上記ウルトラビスコミル UVM−2を用いた以外
は、比較例1と同様の方法で、製品スラリーを製造し
た。しかしながら、粗粒子が媒体攪拌ミル内等で閉塞し
てしまい、運転不能になってしまった。実施例3及び比
較例3の結果から、小径メディアを使用した媒体攪拌ミ
ルを用いても、連続回転式ホモジナイザーを使用する事
により、大量処理した場合でも高品質の製品が得られる
ことが判る。
【0029】実験例8(実施例4) 実験例1において、流量500ml/分で分散を行った
他は実験例1と同様の方法で処理をしたスラリーを、更
に液体サイクロンである、LMC♯5(ラサ工業(株)
製)で処理し、その後上記サンドグラインダー SLG
1/2Gにより分散粉砕した。得られた製品スラリーの
粒度分布は、D10=1.01μm、D50=2.53μ
m、D90=14.21μmであった。この実施例4は、
比較例2に比べて、粒度分布で同等以上で、生産量が
2.5倍、更に電力消費量は製品キログラム当たり46
%になった。即ち、実施例4のように、液体サイクロン
を用いて所望の粒径に達しない粗粒子のみを媒体攪拌ミ
ルに供することにとより、従来より粒度分布及び生産量
が向上しているにもかかわらず、電力消費量が削減でき
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の湿式分散粉砕方法は次のような
効果がある。 粒度分布が均一な微粒子スラリーが得られるのと同時
に、該装置の小型化、多連台数の減少及び循環時間の短
縮が可能になり、設置スペース、イニシャルコスト及び
ランニングコストの低減を実現した。 媒体攪拌ミルで処理するスラリー中の粗大粒子を粉砕
することで、メディアの大径化や流速を上げなくても、
媒体攪拌ミル内部、配管中、送液ポンプ内等での閉塞を
防止できる。 連続粉砕処理を少なくできることから、過粉砕による
不必要な超微粒子の発生や粒子の二次凝集を抑えること
ができる。 処理スラリー中の粗大粒子を粉砕してしまうので、液
体分級機の分級精度を良好にすることができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式分散粉砕法の第1の態様を示す概
略図である。
【図2】本発明の湿式分散粉砕法の第2の態様を示す概
略図である。
【図3】本発明の湿式分散粉砕法の第3の態様を示す概
略図である。
【図4】本発明の湿式分散粉砕法の第4の態様を示す概
略図である。
【図5】本発明に用いられる分散機の斜視図である。
【図6】本発明に用いられる分散機の分散部の模式図で
ある。
【図7】本発明に用いられる分散機の作用を示す要部の
説明図である。
【図8】従来の湿式分散粉砕法の概略図である。
【符号の説明】
1 混合機 2 分散機 3 液体分級機 4 媒体攪拌ミル 5 ストックタンク 6 ポンプ 11 分散部 12 駆動部 13 パイプ 22 ロータ 23 ステータ 24 軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体粉末を液体の存在下で粉砕する湿式
    分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散するプ
    レミキシング工程、前記プレミキシング工程からのスラ
    リーを、回転子と固定子の組み合わせにより剪断力及び
    圧力変化を付与して粉砕する連続式分散機で粉砕する工
    程、及び前記粉砕工程からのスラリーを媒体攪拌ミルで
    微粉砕する工程を有することを特徴とする湿式分散粉砕
    法。
  2. 【請求項2】 固体粉末を液体の存在下で粉砕する湿式
    分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散するプ
    レミキシング工程、前記プレミキシング工程からのスラ
    リーを、回転子と固定子の組み合わせにより剪断力及び
    圧力変化を付与して粉砕する連続式分散機で粉砕する工
    程、前記粉砕工程からのスラリーを媒体攪拌ミルで微粉
    砕する工程、及び前記微粉砕工程からの粉砕物を液体分
    級機へ送って微粉砕物を分離する工程を有することを特
    徴とする湿式分散粉砕法。
  3. 【請求項3】 固体粉末を液体の存在下で粉砕する湿式
    分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散するプ
    レミキシング工程、前記プレミキシング工程からのスラ
    リーを、回転子と固定子の組み合わせにより剪断力及び
    圧力変化を付与して粉砕する連続式分散機で粉砕する工
    程、前記粉砕工程からのスラリーを液体分級機へ送って
    微粉砕物と粗粉砕物とに分離する工程、及び前記分離工
    程からの該微粉砕物は製品粉砕物として取り出され、該
    粗粉砕物は媒体攪拌ミルにより微粉砕される工程を有す
    ることを特徴とする湿式分散粉砕法。
  4. 【請求項4】 固体粉末を液体の存在下で粉砕する湿式
    分散粉砕法において、固体粉末を液体と混合分散するプ
    レミキシング工程、前記プレミキシング工程からのスラ
    リーを液体分級機へ送って微粉砕物と粗粉砕物とに分離
    する工程、前記分離工程からの該微粉砕物は製品粉砕物
    として取り出され、該粗粉砕物は回転子と固定子の組み
    合わせにより剪断力及び圧力変化を付与して粉砕する連
    続式分散機により粉砕される工程、及び前記粉砕工程か
    らのスラリーを媒体攪拌ミルで微粉砕する工程を有する
    ことを特徴とする湿式分散粉砕法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003286445A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Kansai Paint Co Ltd 熱硬化型粉体水分散液塗料組成物の製造方法
WO2008123527A1 (ja) 2007-03-27 2008-10-16 Sumitomo Chemical Company, Limited 固体微粒子分散液、電極および電気二重層キャパシタの製造方法

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