JPH0750922A - 土壌代替物 - Google Patents

土壌代替物

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JPH0750922A
JPH0750922A JP5199382A JP19938293A JPH0750922A JP H0750922 A JPH0750922 A JP H0750922A JP 5199382 A JP5199382 A JP 5199382A JP 19938293 A JP19938293 A JP 19938293A JP H0750922 A JPH0750922 A JP H0750922A
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JP
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particles
soil
water
foam particles
antibacterial
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Application number
JP5199382A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Saeki
達哉 佐伯
Yukitaka Kadowaki
幸孝 門脇
Kohei Ueda
耕平 上田
Minoru Fujishima
稔 藤島
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 発泡体粒子1の表面上に、抗菌剤を担持させ
た親水性の無機質粒子である抗菌性粒子3をウレタンポ
リマー4によって固定する。 【効果】 発泡体粒子1と抗菌性粒子3との分離が、冠
水してもウレタンポリマー4による固定によって回避さ
れるから、冠水による発泡体粒子1の上層への移行が回
避される。よって、上記発泡体粒子1の外部への流出が
回避されて、培土の減少を抑制できるので、培土の減少
に起因する支承性の劣化を軽減できる。さらに、発泡体
粒子1の表面の抗菌性粒子3が培土中に露出するので、
抗菌性粒子3が菌やカビと効率よく接触でき、カビ等の
発生や増殖を抗菌性粒子3によって抑制できる。また、
抗菌剤の流出も防止できて、水道水の汚染や薬害も抑止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌の代替物として、
もしくは土壌に添加して土壌改良材として使用され、カ
ビ等の発生を抑制する土壌代替物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルの屋上やマンションのベラン
ダ、テラス等の建物の一部に庭園等の緑化が施されるこ
とが多く、そのような緑化における人工地盤上には、当
然のことながら培土が搬入され、その培土にて植物が栽
培される。
【0003】そのような培土には、通常、排水性、保水
性、透水性、通気性、保肥性や支承性に優れた良質な土
壌が要求されるが、堆肥等の不足により天然の良質な土
壌の入手が困難なものとなっている。また、天然の土壌
の嵩密度は1(g/cm3)を越えることが多く、そのような
土壌からなる培土の総重量が大となって、載置荷重量に
制限のある建物に悪影響を与えることがある。
【0004】そこで、上記の悪影響を回避するために、
例えば特公昭55-40005号公報に開示されている土壌代替
物が知られている。上記土壌代替物は、疎水性ポリマー
の発泡体粒子、親水性の無機質発泡体粒子、天然有機質
物質および無機質砂状物質を加え合わせたものであり、
天然の土壌より軽量なものである。
【0005】また、土壌病原菌によって、培土にて栽培
される植物、例えば野菜、果実、草木、木等に病害が発
生している。例えば、ビシウム属菌によるトマト、キュ
ウリ、大根、ゴボウ等の露地、温室または水耕栽培にお
ける苗立枯病および根腐病、アファノマイセス属菌によ
る、大根、カブ、白菜等の根くびれ病あるいはエンドウ
の根腐病、パーティシリウム菌による半身萎縮病、プラ
スモディオフォラ菌による根こぶ病、コルティシウム菌
による白絹病、フィトフトラ菌によるチューリップ疫
病、ピシウム菌によるチューリップ根腐病、ピシウム菌
による芝の春はげ病など、土壌病原菌によって多くの病
害が発生している。
【0006】これら病害の予防、治療に銅、無機有機銅
塩、チウラム、ベノミル剤、チオファネートメチル剤、
ジチアノン・銅、TPN、イプロジオン、キャプタン、
メプロニル、フルトラニル、ベノミル、バリダマイシ
ン、ペンシクロン、PCNB、エクロメゾール、メタラ
キシル、クロルピクリン、メチルイソシアネート、臭化
メチル、ダイホルタン、トリクラミド等の殺菌、抗菌剤
が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
土壌代替物では、培土に用いた場合、疎水性ポリマーの
発泡体粒子と、親水性の無機質発泡体粒子、天然有機質
物質および無機質砂状物質との間の密度の差が大きいた
め、多雨の際などの冠水時に、密度の小さい発泡体粒子
が培土の表面に浮き上がったり、上層部に移行したり
し、一方、密度の大きい無機質砂状物質が培土の下層に
沈降することがある。
【0008】したがって、上記従来の構成では、各構成
材が分離して、密度の小さい発泡体粒子が表層に集まっ
て外部に流出して、培土の全体量が減少することによ
り、栽培する植物を支える支承性が劣化するという問題
を生じている。
【0009】さらに、梅雨時期等のように湿度の高い状
態が続くと、土壌内の肥料成分によってカビ等が発生
し、美観を損ねると共に、植えられた植物に根腐れ等の
病害が発生するが、上記病害などを回避するために農薬
としての抗菌剤を用いると、残留農薬による人体への影
響が心配され、特に近年はゴルフ場での農薬大量使用に
よる河川や飲料水への農薬汚染が問題となっている一
方、植物も農薬による病害を生じ、農薬に対する耐性菌
による茄子の灰色カビ病や、銅による植物の成育障害な
どの薬害の発生という問題を生じている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の土壌代替物は、
以上の課題を解決するために、合成樹脂製の発泡体粒子
の表面上に、親水性の無機質粒子、親水性の無機質発泡
体粒子および動植物系の有機質土壌改良材からなる群か
ら選択された少なくとも一つの改質材と抗菌剤とが接着
剤によって固定されていることを特徴としている。
【0011】上記の合成樹脂製の発泡体粒子としては、
粒状に形成した合成樹脂製発泡体、あるいは合成樹脂製
の発泡体を粉砕して粒状化したものであり、使用される
合成樹脂としてはポリエチレン、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、ポリウレタン、合成ゴム等が使用され、特
に、ポリスチレンからなり、粒状に成形された発泡体粒
子、またはポリスチレン発泡体の粉砕粒子が好適で、そ
れの発泡倍率2〜60倍、さらに好ましくは40〜50倍、ま
た、粒径 0.1〜40mm、さらに好ましくは1〜5mmのもの
が使用される。
【0012】なお、上記発泡体粒子には、一旦使用した
発泡成形品を、粉砕機にて粉砕した再生品や、熱や溶媒
などにより減容した処理品も含む。また、前記の使用さ
れる合成樹脂には、難燃剤等の助剤を有していてもよ
い。なお、上記発泡成形体や発泡体粒子を製造するに
は、公知のいかなる方法が採用されてもよく、その製造
方法についてなんら制約を受けるものではない。
【0013】上記接着剤としては、水反応性ウレタンプ
レポリマーと水との混合物等の反応型接着剤や、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、ポバール、ア
クリル系樹脂、再生ゴム、ブチルゴム等の蒸発型接着剤
を挙げることができる。なお、上記蒸発型接着剤では、
水等の分散媒により希釈して用い、接着後は上記分散媒
を飛散させるために乾燥工程を必要としている。したが
って、反応型接着剤が、接着後の乾燥工程を省くことが
できるので、より好ましい。
【0014】上記水反応性ウレタンプレポリマーとして
は、遊離のイソシアネート基を有する物、例えば、親水
性ポリエーテルポリオールとそれに対し過剰量のイソシ
アネート化合物とを、遊離のイソシアネート基を生成す
るように反応させることにより得られる種々のウレタン
プレポリマーが使用される。
【0015】上記親水性ポリエーテルポリオールとして
は、例えば、ポリエチレングリコール単独やプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ソルビ
トール、ポリエステルポリオール、ビスフェノールA等
の多価アルコールが挙げられ、また、アルキレンオキサ
イド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド等の単独重合体や共重合体も挙げられる。
【0016】また、上記イソシアネート化合物として
は、トリレンジイソシアネート、3,3'−ビトリレン-4,
4'-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、3,3'−ジメ
チル−ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、ナフタリン−1,5-イソホ
ロンジイソシアネート等、イソシアネート基を複数有す
る化合物が挙げられる。
【0017】なお、上記水反応性ウレタンプレポリマー
では、酸性亜硫酸ナトリウム等のマスク剤を添加し、水
反応性ウレタンプレポリマーのイソシアネート基が上記
マスク剤でマスクされて安定化されていてもよい。ま
た、上記水反応性ウレタンプレポリマーには、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアジピン酸エステルや、
上記例示のイソシアネート化合物等の架橋助剤などの添
加剤を配合することができる。
【0018】なお、上記水反応性ウレタンプレポリマー
に対する水の添加量は、水反応性ウレタンプレポリマー
100重量部に対し、水 500〜5000重量部、好ましくは、
1000〜4000重量部である。
【0019】上記親水性の無機質粒子および親水性の無
機質発泡体粒子としては、塩基交換容量が高く、かつ、
保水力の高いものであれば特に限定されないが、塩基交
換容量(好ましくは5ミリ当量/100g以上)、かつ、保水
力(有効水分保持量を示すPF値 1.5〜3.0 )を有する
ものが好適である。
【0020】例えば、親水性の無機質粒子として、ゼオ
ライト、ベントナイト、モンモリロナイト、リン酸カル
シウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウ
ム、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、珪藻
土等が使用される。
【0021】一方、親水性の無機質発泡体粒子として、
バーミキュライト、パーライト、珪藻土焼成物(例え
ば、イソライト工業製、イソライトCG)などが使用さ
れる。
【0022】上記動植物系の有機質土壌改良材として
は、表面が水に濡れ易く、かつ保水性を有するものであ
れば特に限定されないが、例えば泥炭、ピートモス、バ
ーク堆肥、木炭灰などが使用される。
【0023】また、上記親水性の無機質粒子、親水性の
無機質発泡体粒子および動植物系の有機質土壌改良材を
含む改質材の大きさとしては、大きすぎれば発泡体粒子
や隣接する各改質材との接合点が少なくなり、相互間の
接着力が低下するので、発泡体粒子の粒子径の1/5以
下が好ましい。なお、本明細書では粒子径は粒状体の長
径を示す。また、ピートモスのように繊維状のものの場
合、その太さが発泡体粒子の粒子径の1/5以下が好ま
しい。
【0024】その他の添加材として化学肥料、動植物系
有機質肥料、あるいは、高分子系土壌改良材、例えば、
吸水性ポリマー、イオン交換樹脂などを付加してもよ
い。ただし、上記添加材は、発泡体粒子の表面に対し前
記改質材群から選択された少なくとも一つの改質材との
接着性を阻害しない範囲で用いる。
【0025】上記発泡体粒子と改質材と抗菌剤とを混合
して第1混合物を得るが、その混合割合は、発泡体粒子
をX容量部、改質材群から選択された少なくとも一つと
抗菌剤との合計を(100−X)容量部とすれば、30
≦X≦95が好ましい。
【0026】すなわち、発泡体粒子が30容量部未満で
あれば、発泡体粒子と、改質材と抗菌剤との接着性が悪
化し、かつ、軽量性が損なわれる。一方、発泡体粒子が
95容量部を越えると、保水性、保肥性および抗菌性が
劣化する。
【0027】上記の第1混合物をよく攪拌しながら、そ
の第1混合物に接着剤を所定量加えて分散させ第2混合
物を得る。上記接着剤として水反応性ウレタンプレポリ
マーと水とを用いる場合、上記水の添加量は、発泡体粒
子と、改質材との混合割合に応じて異なるが、改質材の
割合が多くなるほど、水を多く用いる。
【0028】この場合の水の添加量の基準は、発泡体粒
子、および改質材の表面全体を完全に被うことはない
が、後述するように、水反応性ウレタンプレポリマーを
添加した際に、発泡体粒子と改質材とが剥離しない量を
選定する。
【0029】前記の第2混合物を攪拌しながら、その第
2混合物に水反応性ウレタンプレポリマーを加える。こ
れにより、水反応性ウレタンプレポリマーの各イソシア
ネート基が、発泡体粒子と改質材との間や各改質材間に
介在する水と反応して架橋することにより、上記水反応
性ウレタンプレポリマーは3次元網目構造となってゲル
化して固化し、水に不溶であるウレタンポリマーとな
る。
【0030】この際、発泡体粒子の表面に、改質材と抗
菌剤とが、上記ウレタンポリマーによって接着され、ま
た、各改質材間や改質材と抗菌剤との間が上記ウレタン
ポリマーによって接着されて固定される。
【0031】また、親水性の無機質粒子および親水性の
無機質発泡体粒子の少なくともどちらか一方と、動植物
系の有機質土壌改良材とを併用する場合、親水性無機質
粒子および親水性無機質発泡体粒子の少なくともどちら
か一方と、発泡体粒子と、水とを混合して第2混合物を
調製し、その第2混合物に水反応性ウレタンプレポリマ
ーを加えた後、直ちに動植物系有機質土壌改良材を加え
てもよい。これにより、保水性や保肥性に優れた有機質
土壌改良材をより表面側に配設して露出させることがで
きる。
【0032】前記抗菌剤としては、抗菌性金属、例え
ば、金、銀、亜鉛、銅、錫、鉛、砒素、白金、鉄、アン
チモン、ニッケル、アルミニウム、バリウム、カドミウ
ム、マンガンから少なくとも一種の金属、またはそれら
の混合物、あるいはそれらの金属化合物、およびそれら
の水溶液を用いることができる。
【0033】また,この他に、現在市販されている抗菌
剤、例えばゼオミック(シナネン製)、アパサイダー
(サンギ製)、ノバロン(東亜合成化学製)、イオンピ
ュア(石塚ガラス製)、AIS(触媒化成工業製)など
でも可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0034】さらに、親水性無機質粒子または親水性無
機質発泡体粒子に抗菌剤を担持させた抗菌性粒子を発泡
体粒子の表面に接着によって固定してもよい。上記抗菌
性粒子としては、例えば、抗菌性金属イオンが混合さ
れ、非晶質リン酸カルシウム粒子を含むスラリーが造粒
化されたものである。
【0035】上記非晶質リン酸カルシウム(amorphous
calcium phosphate :以下、ACPと略す)粒子を含む
スラリーは、攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に、水溶
性高分子分散剤、例えばトリアクリル酸アンモニウム塩
を 0.1〜10重量%添加し、好ましくは 0.1〜3重量%添
加して混合溶液を得た後、攪拌下の上記混合溶液をリン
酸水溶液の滴下によってpH10〜5に調整することによ
り、粒径約0.1μm以下のACP微粒子を含むものであ
る。
【0036】このスラリー中に、50重量%以下となるよ
うに抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物、あるいはそれ
らの水溶液を混合した混合物をを噴霧乾燥造粒法などに
より造粒して抗菌性粒子を得た。
【0037】上記ACP微粒子は、粉末X線解析法によ
り、そのパターンからリン酸カルシウム〔Ca3(PO4)2
nH2O〕であり、また、そのパターンがブロードであるこ
とから、非晶質なリン酸カルシウムであることが確認さ
れる。その上、上記ACP微粒子は、結晶水を含むこと
から静電気的に活性な物質であると思われ、種々な菌体
やウイルスを吸着し易くなっていると想定される。
【0038】また、得られた抗菌性粒子が大きな比表面
積を備えるために、スラリーのACP微粒子はその粒径
が 0.1μm以下であることが、また、加える抗菌性金属
粉末および抗菌性金属化合物粉末の粒径は20μm以下で
あることが望ましい。その上、スラリーと加える抗菌性
金属粉末、抗菌性金属化合物粉末あるいは抗菌性金属水
溶液とは室温中で混合することが望ましい。
【0039】ただし、スラリーにおけるACP微粒子が
90重量%を越えると、スラリーの粘度が高くなるので、
造粒に不適となる。なお、スラリーにおけるACP微粒
子の含量を1〜90重量%の範囲で変えることにより、所
望の平均粒径を有する抗菌性粒子を得ることができる。
【0040】また、造粒法としては、得られる抗菌性粒
子が、多孔質、かつ、粒径 200μm以下の略球状で、か
つ、比表面積を10m2/g以上にできるものであれば、特に
限定されるものではないが、前述した噴霧乾燥造粒法の
他にフリーズドライ後に粉砕してなる造粒法、また、高
速撹拌型造粒法を用いてもよい。さらに、造粒法として
は、ペレタイザー、マルメライザー(不二パウダル株式
会社製)、CFグラニュレックス(フロイント産業社
製)等の造粒機を用いて行ってもよい。
【0041】
【作用】上記の構成によれば、合成樹脂製の発泡体粒子
を主とすることができるので、軽量化を図ることができ
る。また、発泡体粒子の表面に、改質材と抗菌剤とが接
着剤によって固定されているので、各発泡体粒子間に空
隙を有することができることにより通気性、透水性を有
し、また、各改質材によって保肥性、保水性を有し、そ
の上、発泡体粒子の表面に固定された各改質材による凹
凸によって各発泡体粒子の流動性も抑制されて植物の根
を支える支承性を有することができる。
【0042】このことから、培土に用いた場合、上記培
土に植物を上記の支承性によって植えることができ、ま
た、上記の通気性、透水性、保肥性、保水性により、良
好な成育状態を維持することができる。
【0043】その上、灌水や雨などにより培土が冠水し
ても、発泡体粒子と改質材との分離が接着剤による固定
によって回避されるから、従来のように密度の小さな発
泡体粒子が浮き上がることや、上層に移行することが防
止される。
【0044】さらに、上記構成では、発泡体粒子の表面
に抗菌剤が固定されるから、上記抗菌剤が露出すること
になり、上記抗菌剤が菌やカビと効率よく接触すること
ができ、かつ、上記抗菌剤の外部への流出も回避でき
る。
【0045】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を実施例1として図1に
基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例で
は、土壌代替物の製造方法を説明することにより、上記
土壌代替物の構成を説明する。まず、土壌代替物の製造
方法では、発泡ポリスチレン成形体(発泡倍率50倍、
見掛け比重0.02)を粉砕機にかけた後、直径5mmの丸穴
が多数穿設された節目皿を通過させて、図1(a)示す
ように、粒子径5mmアンダーの合成樹脂からなる発泡体
粒子1を得た。
【0046】上記発泡体粒子1を5000mlを計量して、
さらに水 450g計量して、ブレンダーに加え、攪拌し、
上記発泡体粒子1の表面に水2を付着させた。続いて、
上記混合物の中に、抗菌剤を有する親水性の無機質粒子
として、銀を含む非晶質リン酸カルシウム(銀添加量0.
5mol%)粒子からなる抗菌剤粒子3を 300g計量して上
記ブレンダー内に加え攪拌し、上記発泡体粒子1の表面
上に水2を介して付着させた。
【0047】続いて、上記ブレンダー内に接着剤として
の水反応性のウレタンプレポリマー(液温20℃、東邦
化学社製、商品名Hycel-OH-1)を45g加え攪拌して、ほ
ぼ均一に分散させることにより、図1(b)に示すよう
に、上記ウレタンプレポリマーが水と反応して架橋し水
に不要なウレタンポリマー4となり、上記抗菌剤粒子3
が発泡体粒子1の表面上に上記ウレタンポリマー4によ
って接着された土壌代替物を得た。
【0048】次に、上記抗菌性粒子3の製造方法につい
て説明する。このため、最初に、非晶質リン酸カルシウ
ム(amorphous calcium phosphate :以下、ACPと略
す)粒子を含むスラリーの製造方法について説明する
と、以下、図示しないが、まず、攪拌下の水酸化カルシ
ウム懸濁液に、水溶性高分子分散剤としてのトリアクリ
ル酸アンモニウム塩を 0.5重量%添加して混合溶液を得
た後、攪拌下の上記混合溶液をリン酸水溶液の滴下によ
ってpH10に調整することにより、粒径約0.1μm以下
のACP微粒子を含むスラリーを得た。
【0049】上記スラリーをイオン交換水により希釈し
て、ACPの濃度が20重量%となるように調製したAC
Pスラリーを得た。そのACPスラリーに、イオン交換
水に溶解した無水硝酸銀粉末を 0.1〜10 mol%となるよ
うに混合し、攪拌モータで1時間攪拌して混合物スラリ
ーを得た。
【0050】ACP粒子および銀イオンを含む上記混合
物スラリーを、定量ポンプによりスプレードライヤー
(大川原化工機械社製 L−8 )に供給する。スプレード
ライヤーのアトマイザーを高速回転させて、上記混合物
スラリーを、スプレードライヤー内の乾燥用の熱空気流
中に噴霧することにより、噴霧造粒法により造粒乾燥し
た。
【0051】造粒乾燥により得られた銀イオン含有AC
P微粉体である略球状の抗菌性粒子3は、サイクロンに
よって採取された。このとき、サイクロンにより採取し
きれない超微粉体はバグフィルターにより別に採取され
た。
【0052】なお、上記噴霧乾燥造粒における操作条件
は次の通りであった。定量ポンプによる原料としての混
合物スラリーの供給量は1〜3kg/hであり、エアフィル
ターを介して電気ヒーターによって加温された熱空気の
温度は、熱ガス室の入口温度が 200〜 250℃に、サイク
ロンに繋がる排出孔における出口温度が 100℃を常に越
えるように制御され、また、アトマイザーの回転数は 1
0000〜37000rpmの範囲内に設定された。
【0053】〔実施例2〕上記実施例1における抗菌剤
粒子3の使用量を 300gから 100gに代えて、他は同様
にして土壌代替物を得た。
【0054】〔実施例3〕まず、土壌代替物の製造方法
では、発泡ポリスチレン成形体(発泡倍率50倍、見掛け
比重0.02)を粉砕機にかけた後、直径5mmの丸穴が多数
穿設された節目皿を通過させて、図2(a)に示すよう
に、粒子径5mmアンダーの合成樹脂からなる発泡体粒子
1を得た。
【0055】上記発泡体粒子1を5000mlを計量して、
さらに水 500g計量して、ブレンダーに加え、攪拌し、
上記発泡体粒子1の表面に水2を付着させた。
【0056】次に、上記混合物の中に、親水性の無機質
粒子5として珪藻土微粉(クリミネ工業社製、商品名:
クニライト 401) 250g、ゼオライト微粉(日東粉化商
事社製、商品名:ZO#70) 250g、前記実施例1に記
載した抗菌剤粒子3を 100g計量して上記ブレンダー内
に加え攪拌し、上記発泡体粒子1の表面上に水2を介し
て付着させた。
【0057】その後、動植物系の有機質土壌改良材6と
しての木炭灰(松井工業社製、商品名:木質炭素ピノ
ス) 350mlと、親水性の無機質発泡体粒子7としての
真珠岩パーライト 600mlとを上記ブレンダー内に加え
て攪拌した。
【0058】続いて、上記ブレンダー内に接着剤として
の前記実施例1に記載したウレタンプレポリマーを60g
加え攪拌してほぼ均一に分散させると、上記ウレタンプ
レポリマーが水と反応して架橋することにより、図2
(b)に示すように、水に不溶なウレタンポリマー4と
なる。これにより、上記無機質粒子5、抗菌剤粒子3、
有機質土壌改良材6および無機質発泡体粒子7が発泡体
粒子1の表面上に上記ウレタンポリマー4を介して接着
された土壌代替物を得た。
【0059】次に、上記実施例3の土壌代替物を用い
て、その抗菌性を調べた。まず、上記実施例3で得られ
た土壌代替物を用いて三尺バナナ苗を鉢植えしたもの
と、比較例として抗菌剤の入っていない同様の土壌代替
物を用いて三尺バナナ苗を鉢植えしたものとを作製し
た。
【0060】上記各鉢植えに、充分な肥料(アミノール
化学研究所製、商品名:アミノ酸イチゴ用肥料5551)と
水をそれぞれ添加し、それらを、1週間、25℃、相対湿
度50%の恒温室に静置して結果を観察した。それらの結
果は、比較例の鉢植えには、3日目に肥料上に白色綿状
のカビが発生したのに対し、前記実施例3の土壌代替物
を用いた鉢植えには何ら変化は観察されなかった。
【0061】上記のように各実施例の構成によれば、培
土として用いた場合、合成樹脂製の発泡体粒子1を主と
することができるので、培土の軽量化を図ることがで
き、また、発泡体粒子1の表面に、改質材としての親水
性の無機質粒子および抗菌剤である抗菌性粒子3が接着
剤によって固定されているので、上記各発泡体粒子1…
間に空隙を有することができて、上記培土は、通気性、
透水性を有し、また、各抗菌性粒子3によって保肥性、
保水性を有し、その上、発泡体粒子1の表面に固定され
た各抗菌性粒子3による凹凸によって各発泡体粒子1の
流動性も抑制されて植物の根を支える支承性を有するこ
とができる。
【0062】このことから、上記構成を培土に用いた場
合、上記の支承性によって上記培土に植物を倒れること
なく植えることができ、また、上記の通気性、透水性、
保肥性、保水性により、上記植物の良好な成育状態を維
持することができる。
【0063】その上、灌水や雨などにより培土が冠水し
ても、発泡体粒子1と抗菌性粒子3との分離が接着剤に
よる固定によって回避されるから、従来のように密度の
小さな発泡体粒子1が浮き上がることや、上層に移行す
ることが防止される。
【0064】これにより、従来生じ易かった発泡体粒子
1の外部への流出や飛散を回避できるから、上記の流出
や飛散に起因する培土の減少による支承性の劣化を防止
できる。
【0065】さらに、上記構成では、発泡体粒子1の表
面に抗菌剤が固定されるから、上記抗菌剤が露出するこ
とになり、上記抗菌剤が菌やカビと効率よく接触するこ
とができ、かつ、上記抗菌剤の外部への流出も回避でき
る。
【0066】したがって、例えば、白色綿状のカビが発
生することによる美観の低下や、病害の発生もを防止で
き、その上、発泡体粒子1の表面上に固定された抗菌剤
の外部への流出も回避できて、上記抗菌剤による河川や
水道水の汚染や薬害も抑止できる。
【0067】この結果、上記構成は、土壌代替物として
好適に使用でき、特に、載置荷重制限を有する建物など
の屋上やベランダ等の人工地盤上の土壌代替物として好
適に用いることができる。
【0068】なお、上記各実施例の構成では、抗菌性粒
子3に、非晶質リン酸カルシウムの粒子に抗菌剤として
の銀を担持したものを用いたが、特に上記に限定される
ことはなく、例えば、親水性の無機質粒子である非晶質
リン酸カルシウムの粒子と、銀イオンを含む化合物とを
発泡体粒子1、水および有機質土壌改良材6および無機
質発泡体粒子7等と混合した後、水反応性ウレタンプレ
ポリマーをさらに混合し、上記非晶質リン酸カルシウム
粒子に銀イオンを吸着させながら、発泡体粒子1の表面
に、銀イオンを担持した非晶質リン酸カルシウム粒子、
有機質土壌改良材6および無機質発泡体粒子7等を接着
して固定してもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明の土壌代替物は、以上のように、
合成樹脂製の発泡体粒子の表面上に、親水性の無機質粒
子、親水性の無機質発泡体粒子および動植物系の有機質
土壌改良材からなる群から選択された少なくとも一つの
改質材と抗菌剤とが接着剤によって固定されている構成
である。
【0070】それゆえ、上記構成は、培土として用いた
場合、発泡体粒子と改質材との分離が接着剤による固定
によって回避されるから、灌水や雨等による冠水によっ
て従来のように密度の小さな発泡体粒子が、上記培土の
上層に移行することが防止される。よって、冠水による
上記発泡体粒子の流出や風による上記発泡体粒子の飛散
が回避されるから、培土の減少を抑制できるので、培土
の減少に起因する支承性の劣化を軽減できる。
【0071】さらに、上記構成では、発泡体粒子の表面
に抗菌剤が固定されるから、上記抗菌剤を培土中により
露出させることができ、上記抗菌剤が菌やカビと効率よ
く接触できるので、カビ等の発生や増殖を上記抗菌剤に
よって抑制でき、かつ、上記抗菌剤が外部に流出するこ
とが防止できるので、上記抗菌剤による水道水や河川の
汚染や、薬害も抑止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および実施例2の土壌代替物
の製造工程を示す模式断面図である。
【図2】本発明の実施例3の土壌代替物の製造工程を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1 発泡体粒子 3 抗菌性粒子(無機質粒子、抗菌剤) 4 ウレタンポリマー(接着剤)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の発泡体粒子の表面上に、親水
    性の無機質粒子、親水性の無機質発泡体粒子および動植
    物系の有機質土壌改良材からなる群から選択された少な
    くとも一つの改質材と抗菌剤とが接着剤によって固定さ
    れていることを特徴とする土壌代替物。
JP5199382A 1993-08-11 1993-08-11 土壌代替物 Pending JPH0750922A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002084873A (ja) * 2000-09-08 2002-03-26 Sekisui Plastics Co Ltd 土壌代替物
JP2003533430A (ja) * 2000-05-15 2003-11-11 ホルメン、アクティエボラーグ 植物生育のための窒素含有肥料
KR101138432B1 (ko) * 2003-06-20 2012-04-26 산토리 홀딩스 가부시키가이샤 식물 재배 베이스 본체 및 그 제조 방법
JP2021041371A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 株式会社キャスティングイン 銀担持物製造方法

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