JPH0743781A - カメラのファインダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファインダの視野の明るさを保ちつつ、中央
部のスーパーインポーズ表示と周縁部の視野外表示とを
低コストで簡単にかつファインダ光学系をほぼ大きくす
ることなく可能とするカメラのファインダ装置を提供す
る。 【構成】 被写体像の結像に寄与するファインダ対物光
学系を有するカメラのファインダ装置において、上記フ
ァインダ対物光学系によって視野マスク５の付近の位置
で結像された被写体像を正立像にして接眼レンズ７に導
く第１プリズム４および第２プリズム６でなる反転光学
系と、半透過のハーフミラーコーティングがされてい
る、上記第２プリズム６の第１反射面６ａに設けられた
ファインダ画面の視野中央付近に対応する第１反射面中
央部６ｃおよび視野外に対応する第１反射面周縁部６ｄ
と、これら第１反射面中央部６ｃおよび第１反射面周縁
部６ｄに対して上記ファインダ対物光学系内の結像位置
と第２プリズム６の第１反射面６ｃにより光学的に等価
となる位置に設けられたファインダ情報を表示するＬＣ
Ｄ板９とを備えたカメラのファインダ装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラのファインダ装
置、より詳しくは、被写体像の結像に寄与するファイン
ダ対物光学系を有するカメラのファインダ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】被写体像の結像に寄与するファインダ対
物光学系を有するカメラのファインダ装置は、従来より
種々のものが提案されている。

【０００３】このようなものの一例として、例えば、特
願平５−８４９２０号に、光軸に沿って順に、対物レン
ズ、この対物レンズの中間像が距離測定範囲枠が刻設さ
れた射出端面付近に結像されるようになっている第１プ
リズム、撮影範囲枠、第２プリズム、接眼レンズを有す
る実像ファインダにおいて、例えばその第２プリズムの
第１反射面に補助プリズムを接合し、この接合面を中央
のみハーフミラー、他の周縁部は全反射ミラーとして、
各種の光学表示をスーパーインポーズするものが提案さ
れている。

【０００４】また、上記カメラのファインダ装置の他の
例として、特開平４−１７４４１９号公報には、対物レ
ンズと、この対物レンズの実像面近傍に配置された視野
枠及びフィールドレンズと、上記対物レンズにより作ら
れる実像面上に形成される物体像を観察するための接眼
レンズと、上記視野枠と上記接眼レンズとの間に配置さ
れた反射面を有するプリズムを備えたファインダ光学系
において、上記プリズムの反射面の一部に反射光軸に垂
直な透過面を設けて、この透過面を通して情報表示像を
入れて表示するものが開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記特願平５−８４９
２０号に記載のものでは、視野全体を暗くしないで中央
部にスーパーインポーズ表示できるという利点を有する
が、その他の視野外表示については考えられていない。

【０００６】また、上記特開平４−１７４４１９号公報
に記載のものは、視野外の表示には使えるが、中央部の
スーパーインポーズ表示はできない。また、プリズムを
異形にする必要があり、ガラスのプリズムでは加工が困
難である。

【０００７】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、明るいファインダ視野を有していて、視野中
央付近の表示と視野以外の部分の表示とを低コストで簡
単に行える小型なカメラのファインダ装置を提供するこ
とを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明によるカメラのファインダ装置
は、被写体像の結像に寄与するファインダ対物光学系を
有するカメラのファインダ装置において、上記ファイン
ダ対物光学系からの被写体像を正立像にして接眼レンズ
に導く複数の反射面を有する反転光学系と、ファインダ
画面の視野中央付近と該視野以外の部分の少なくとも一
方に相当する上記複数の反射面の内の少なくとも１つに
設けられた半透明又は透明な部分透過反射面と、上記部
分透過反射面に対して上記反転光学系又は上記ファイン
ダ対物光学系内の結像位置と光学的に等価な位置に設け
られた情報表示手段とを有し、上記情報表示手段からの
光を上記部分透過反射面を透過させて、上記ファインダ
画面に情報を重合するようにしている。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１ないし図３は、本発明の一実施例を示したも
のである。ファインダの前端部には入射絞り１が設けら
れていて、この入射絞り１の開口１ａを通った被写体か
らの光線は、対物レンズ２，３を通って、反転光学系た
る第１プリズム４に入射する。該被写体像は、この第１
プリズム４の第１反射面４ａでまず上方へ、次に第２反
射面４ｂで前方へと反射されて、この第１プリズム４の
出射端面近傍に配設された視野マスク５の付近に結像す
るようになっている。さらに、この被写体像は、反転光
学系たる第２プリズム６の第１反射面６ａで図１の左方
向に反射され、次に第２反射面６ｂで後方へと反射され
て、接眼レンズ７を通って撮影者に観察されるようにな
っている。なおこのとき、対物レンズの像は、第１プリ
ズム４で上下方向に反転され、次に第２プリズム６で左
右方向に反転される。

【００１０】上記第２プリズム６の第１反射面６ａは、
その視野中央付近に対応する第１反射面中央部６ｃと視
野外に対応する第１反射面周縁部６ｄには半透過のハー
フミラーコーティングがされていて、これらを除いた他
の部分には全反射コーティングがされている。この第１
反射面６ａのコーティングは、まず該第１反射面中央部
６ｃおよび第１反射面周縁部６ｄにマスキングした状態
で、アルミニウムなどを第１反射面６ａに蒸着し、次に
同第１反射面中央部６ｃ，第１反射面周縁部６ｄのマス
キングを取除いて、第１反射面６ａ全面にハーフミラー
コーティングを施すことによって作製される。

【００１１】この第２プリズム６の第１反射面６ａに
は、補助プリズム８が接合されている。この補助プリズ
ム８は、略直角三角柱形状であり、その斜辺を一辺とす
る面で上記第１反射面６ａに接合されている。

【００１２】この補助プリズム８の図１の右側であっ
て、上記第２プリズム６の第１反射面６ａによって視野
マスク５付近の結像面と等価となる位置付近には、情報
表示手段たるＬＣＤ板９が配置されている。

【００１３】このＬＣＤ板９は、第２プリズム６の上記
第１反射面中央部６ｃに対応する位置には、視野中央に
スーパーインポーズ表示する表示パターン、例えば合焦
表示や測距範囲表示などが設けられ、また第１反射面周
縁部６ｄの部分に対応する位置には、視野外表示する表
示パターン、例えばシャッタースピード表示やストロボ
撮影表示などが設けられたものである。

【００１４】ＬＣＤ板９上のこれらの表示は、該ＬＣＤ
板９に接続された図示しないＬＣＤ駆動回路によりオン
／オフされることで、表示パターン部の透過，不透過の
状態が切り換えられるように構成されている。

【００１５】このＬＣＤ板９の補助プリズム８と反対側
の面には拡散板１０が配置されていて、採光レンズ１２
からの光がミラー１１で反射された後、該拡散板１０で
拡散されてＬＣＤ板９を照明するようになっている。

【００１６】照明されたＬＣＤ板９の表示パターンの像
は、補助プリズム８，第１反射面中央部６ｃおよび第１
反射面周縁部６ｄを透過して、第２プリズム６，接眼レ
ンズ７を通り、被写体像とともに撮影者に観察される。

【００１７】視野マスク５の枠内の視野は、中央部分の
みハーフミラー部となっている第１反射面中央部６ｃの
ためにわずかに暗くなるが、この暗くなる部分は一部分
であるために、視野全体としては明るい被写体像が観察
される。

【００１８】視野外の右側には、ハーフミラー部となっ
ている第１反射面周縁部６ｄを通った視野外の表示が観
察されるが、この第１反射面周縁部６ｄは、視野マスク
５のある結像面位置に近いために、視野枠右端にかなり
近い位置に配置しても、視野内の光線がけられる等の影
響を与えない。従って視野外のＬＣＤ表示は、視野枠内
の被写体像から大きく離れず、見やすくなっている。

【００１９】また、視野外のハーフミラー部となってい
る第１反射面周縁部６ｄは、単に透過部としてもよい。
この場合は、第１反射面周縁部６ｄをマスキングしてハ
ーフミラーコーティングを施せば、第１反射面中央部６
ｃはハーフミラー，第１反射面周縁部６ｄは透過、他は
全反射とすることができる。

【００２０】また、ＬＣＤ照明には、ここでは、採光レ
ンズ１２とミラー１１を用いたが、ここでミラー１１
を、赤外光を透過するダイクロイックミラーとして、こ
のダイクロイックミラーの後方側（採光レンズ１２の反
対側）に赤外光発光部材を配設すれば、採光レンズ１２
を赤外アクティブ方式の測距用の投光レンズまたは受光
レンズと兼用することができる。

【００２１】さらに、自然光によりＬＣＤの照明を行う
のではなく、ＬＥＤ等の人工照明手段を設けて照明を行
うようにしてもよく、あるいは、周囲が明るい場合には
自然光を、周囲が暗い場合には人工照明を用いるなどし
て、自然光と人工照明を併用してもよい。

【００２２】また、表示素子としてＬＣＤを用いたが、
ＬＥＤ等の自己発光型表示素子を用いてもよいことはい
うまでもない。

【００２３】ファインダの反転光学系として、ここでは
２つのプリズムを組み合わせて用いたが、この代わりに
ミラーを用いて同様な反転光学系を構成してもよい。こ
の場合には、上記第１反射面６ａに相当する反射面を薄
いミラーで構成し、そこに第１反射面中央部６ｃ，第１
反射面周縁部６ｄのハーフミラーを設けるようにすれ
ば、補助プリズム８は不要である。

【００２４】また、反転光学系の反射面の方向および順
序も、上記実施例に述べたものに限定されるものではな
く、例えば、まず左右方向に像を反転させ、次に上下方
向に反転させるものとしてもよい。

【００２５】表示のためのハーフミラー部を設ける反射
面も、反転光学系が有する他の反射面に設けることも可
能であり、この場合には、表示素子を被写体像が結像す
る面と等価な位置に配置すれば、同様に表示を観察する
ことができる。

【００２６】このような実施例によれば、ファインダ全
体の視野の明るさを低下することなく、視野中央のスー
パーインポーズ表示と視野外のファインダ情報表示とを
１つの表示素子たるＬＣＤで行うことが可能になり、小
型で低コストなカメラのファインダ装置とすることがで
きる。

【００２７】さらに、反転光学系たるプリズムは、第２
プリズムの奥行をわずかに広げるのみでファインダを高
くする必要がなく、ひいてはカメラ高さを増加させずに
済むという利点を有する。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、明
るいファインダ視野を有していて、視野中央付近の表示
と視野以外の部分の表示とを低コストで簡単に行える小
型なカメラのファインダ装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すカメラのファインダ装
置の平端面図。

【図２】上記実施例のファインダ装置の正面図。

【図３】上記実施例のファインダ装置の右側端面図。

【符号の説明】

２，３…対物レンズ ４…第１プリズム ５…視野マスク ６…第２プリズム ６ａ…第１反射面 ６ｃ…第１反射面中央部 ６ｄ…第１反射面周縁部 ７…接眼レンズ ８…補助プリズム ９…ＬＣＤ板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被写体像の結像に寄与するファインダ対
   物光学系を有するカメラのファインダ装置において、 上記ファインダ対物光学系からの被写体像を、正立像に
   して接眼レンズに導く複数の反射面を有する反転光学系
   と、 ファインダ画面の視野中央付近と該視野以外の部分の少
   なくとも一方に相当する、上記複数の反射面の内の少な
   くとも１つに設けられた半透明又は透明な部分透過反射
   面と、 上記部分透過反射面に対して、上記反転光学系又は上記
   ファインダ対物光学系内の結像位置と光学的に等価な位
   置に設けられた情報表示手段と、 を有し、 上記情報表示手段からの光を上記部分透過反射面を透過
   させて、上記ファインダ画面に情報を重合するようにし
   たことを特徴とするカメラのファインダ装置。