JPH0743735A - 表示素子用電極基板及びその製造方法 - Google Patents

表示素子用電極基板及びその製造方法

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JPH0743735A
JPH0743735A JP5208631A JP20863193A JPH0743735A JP H0743735 A JPH0743735 A JP H0743735A JP 5208631 A JP5208631 A JP 5208631A JP 20863193 A JP20863193 A JP 20863193A JP H0743735 A JPH0743735 A JP H0743735A
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film
electrode substrate
display element
sputtering
ito
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JP5208631A
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Yuji Segawa
雄司 瀬川
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
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    • G02F1/13439Electrodes characterised by their electrical, optical, physical properties; materials therefor; method of making

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層構造を有する表示素子用基板の内部応力
を緩和する。 【構成】 表示素子用電極基板は、樹脂層1と下地層2
とパタニングされた導電層3とを順に重ねた積層体を含
む。下地層1はスパッタリングにより成膜されたSiO
2 膜8からなる。導電層3は低温スパッタリングにより
成膜された第1ITO膜9と、高温スパッタリングによ
り成膜された第2ITO膜10を重ねた複合体からな
る。SiO2 膜8は零に近い内部応力を有し、第1IT
O膜9は引張内部応力を有し、第2ITO膜10は該引
張内部応力を相殺可能な圧縮内部応力を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示素子用電極基板及び
その製造方法に関する。より詳しくは、積層構造を有す
る電極基板の内部応力緩和構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一対の電極基板を互いに貼り合わ
せたフラットパネル構造を有する表示素子が盛んに開発
されている。図8に、その一例としてアクティブマトリ
クス型液晶表示素子の一般的な構造を示す。図示する様
に、この液晶表示素子は所定の間隙を介して一対の電極
基板を接合したフラットパネル構造である。説明の便宜
上、一方の電極基板を駆動基板101と呼び、他方の電
極基板を対向基板102と呼ぶ事にする。両基板10
1,102の間には液晶103が保持されている。駆動
基板101の内表面にはマトリクス状に交差配列した走
査線104と信号線105とが形成されている。各交点
には画素電極106が形成されている。この画素電極1
06は例えばITO(インジウムと錫の複合酸化物)等
からなる透明導電膜を所定の形状にパタニングしたもの
である。個々の画素電極106に対応してスイッチング
駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)107が形成され
ている。TFT107のドレイン電極は画素電極106
に接続されており、ソース電極は対応する信号線105
に接続されており、ゲート電極は対応する走査線104
に接続されている。一方、対向基板102の内表面には
対向電極108とカラーフィルタ膜109が重ねて形成
されている。対向電極108は同じくITO等からな
り、個々の画素電極106との間で画素を構成する。カ
ラーフィルタ膜109は画素毎にRGB三原色のセグメ
ントに分割されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9は、図8に示した
対向基板の構造例を示す模式的な断面図である。ガラス
基材201の表面にカラーフィルタ膜202が形成され
ている。カラーフィルタ膜202はRGB三原色のセグ
メントに分割されているとともに、各セグメントの境界
には遮光領域となるブラックマスク203が形成されて
いる。カラーフィルタ膜202の上には透明樹脂層から
なる平坦化膜204が成膜されている。さらにその上に
はITO膜からなる対向電極205が形成されている。
このITO膜は必要に応じてパタニングされる。
【0004】ITO膜をパタニングする場合には、エッ
チング工程やレジスト剥離工程が行なわれる。これらの
工程では、酸やアルカリ溶液を用いる為平坦化膜204
が膨潤する事がある。平坦化膜204が膨潤するとパタ
ニングされたITO膜のエッジが浸蝕を受けた様にギザ
ギザの状態となり、断線等の欠陥が起る可能性もある。
そこで、ITO膜と平坦化膜204の間に下地層として
無機材料のSiO2 膜を介在させる場合がある。しかし
ながら、SiO2 膜を設けると、平坦化膜204の上に
は二層の無機膜が形成される事になり、夫々の膜の内部
応力の影響で対向電極205の剥離やクラックが発生す
るという課題がある。
【0005】一般的に剥離やクラックを防止する為の対
処方法として、SiO2 膜とITO膜の内部応力が夫々
零に近づく様な成膜条件を選定する。あるいは、例えば
SiO2 膜が引張内部応力を呈する時にはITO膜が圧
縮内部応力を呈する様な成膜条件を選定する。しかしな
がら、ITO膜の場合、その膜質は成膜条件に大きく左
右される。例えば、スパッタリングでITO膜を堆積す
る場合、コンタミネーションやターゲット状態等の僅か
な違いで、均質な膜を得られない事がある。従って、実
際の製造工程で、ITOの成膜条件を常に最適なものに
保持しておく事は困難であり、繁雑な手間が掛ってしま
う。
【0006】なお、製造工程上及び信頼性の観点から、
ガラス基材の上に先ずITO膜を成膜し、その上にカラ
ーフィルタ膜を成膜した方が容易であり且つ有利であ
る。しかしながら、この構造ではITO膜と液晶の間に
誘電物質からなるカラーフィルタ膜が介在する為、動作
性能の点で不利になる。特に、高デュティー駆動のカラ
ー液晶表示素子では、カラーフィルタ膜上にITO膜を
形成する構造が不可欠である。その理由としては以下の
ものが挙げられる。第1に、ツイストネマティックモー
ドやスーパーツイストネマティックモードでは、液晶の
誘電率異方性(Δε)が正であり、オン電圧とオフ電圧
で液晶画素の電気容量が変化する。従って、ITO膜上
にカラーフィルタ膜を積層した構造では、液晶に印加さ
れるオン/オフ電圧比が著しく悪化し、コントラストの
低下をもたらす。第2に、ITO膜上にカラーフィルタ
膜を設けると、これにより印加電圧の降下が起る為これ
を補う様に駆動電圧を予め高めに設定しなければならな
い。
【0007】以上、アクティブマトリクス液晶表示素子
の対向基板を例に挙げて従来の技術の課題を説明した
が、上述した問題点は対向基板に固有のものではなく、
一般に樹脂層と下地層と導電層とを順に重ねた積層体を
含む表示素子用電極基板に共通する。即ち、従来の電極
基板構造では、下地層と導電層の内部応力により、剥離
やクラックが生じるという課題がある。そこで、本発明
は表示素子用電極基板の内部応力緩和構造を提供する事
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決し、本発明の目的を達成する為に以下の手段を
講じた。即ち、本発明にかかる表示素子用電極基板は、
一般的に樹脂層と下地層とパタニングされた導電層とを
順に重ねた積層体を含んでいる。前記下地層はスパッタ
リングにより成膜されたSiO2 膜からなる。本発明の
特徴事項として、前記導電層は低温スパッタリングによ
り成膜された第1のITO膜と、高温スパッタリングに
より成膜された第2のITO膜を重ねた複合層からな
る。構造的には、前記SiO2 膜は零に近い内部応力を
有し、前記第1のITO膜は引張内部応力を有し、前記
第2のITO膜は該引張内部応力を相殺可能な圧縮内部
応力を有する。かかる構造を有する表示素子用電極基板
は例えばカラー液晶表示素子の対向基板に適用できる。
この場合には、対向基板はカラーフィルタ膜が形成され
たガラス基材を含んでおり、上述した樹脂層は該カラー
フィルタ膜を被覆する平坦化膜となる。あるいは、本発
明にかかる表示素子用電極基板はモノカラーの液晶表示
素子の対向基板に適用できる。この場合には、対向基板
はブラックマスクとなる金属膜が形成されたガラス基材
を含んでおり、前記樹脂層は該金属膜を被覆する絶縁膜
である。さらには、本発明にかかる構造は表示素子のプ
ラスチック基板に適用できる。プラスチック基板はガラ
ス基板に比べコストやハンドリングの面で有利である。
この場合には、前記樹脂層自体が厚肉のプラスチック基
材を構成する。その上にSiO2 膜からなる下地層を介
して第1及び第2のITO膜が成膜される事になる。
【0009】本発明にかかる表示素子用電極基板を製造
する為に以下の手段を講じた。即ち、樹脂層と下地層と
導電層とを含む表示素子用電極基板の製造方法におい
て、該樹脂層の上にスパッタリングでSiO2 膜を成膜
して下地層を設ける下地処理工程を先ず行なう。次に、
該SiO2 膜の上に低温スパッタリングで第1のITO
膜を成膜する低温スパッタリング工程を行なう。続い
て、該第1のITO膜に重ねて高温スパッタリングによ
り第2のITO膜を成膜し複合構造の導電層を設ける高
温スパッタリング工程を行なう。最後に、該導電層を所
定の形状にパタニングし透明電極を形成するパタニング
工程を行なう。好ましくは、前記低温スパッタリング工
程及び高温スパッタリング工程はともに、10-3Torr台
の成膜ガス圧条件でスパッタリングを行なう事を特徴と
する。又、前記低温スパッタリング工程は常温でスパッ
タリングを行ない、前記高温スパッタリング工程は25
0℃程度の成膜温度条件でスパッタリングを行なう事を
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、導電層は従来の様に単層構造
ではなく複合構造となっており、低温スパッタリングに
より成膜された第1のITO膜と、高温スパッタリング
により成膜された第2のITO膜を重ねたものである。
成膜処理の終了した状態では、第1のITO膜は引張内
部応力を有し、第2のITO膜は圧縮内部応力を有す
る。成膜条件を最適化する事により、引張内部応力と圧
縮内部応力を同等レベルとし互いに相殺する事ができ
る。又、樹脂層と導電層との間に介在する下地層を構成
するSiO2 膜はスパッタリング成膜条件を最適化する
事により、その内部応力を零に近づける事ができる。従
って、積層構造全体で見ると内部応力が緩和された状態
となり、クラックや剥離を有効に防止する事が可能にな
る。
【0011】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる表示素子用電極
基板の第1実施例を示しており、カラーアクティブマト
リクス型液晶表示素子の対向基板に適用したものであ
る。図示する様に、表示素子用電極基板は、樹脂層1と
下地層2と導電層3とを順に重ねた積層体を含んでい
る。本例では、さらにガラス基材4を含んでおり、その
表面にはカラーフィルタ膜5が形成されている。カラー
フィルタ膜5はRGB三原色のセグメントに分割されて
おり、隣合うセグメントの境界にはブラックマスク6が
形成されている。上述した樹脂層1はカラーフィルタ膜
5を被覆する平坦化膜7として機能し、例えば透明樹脂
から構成されている。
【0012】本発明の特徴事項として、下地層2は、ス
パッタリングにより成膜されたSiO2 膜8からなる。
又、導電層3は、低温スパッタリングにより成膜された
第1ITO膜9と、高温スパッタリングにより成膜され
た第2ITO膜10を重ねた複合層からなる。SiO2
膜8は零に近い内部応力を有する。第1ITO膜9は引
張内部応力を有する。第2ITO膜10は該引張内部応
力を相殺可能な圧縮内部応力を有する。
【0013】次に図1に示した表示素子用電極基板の製
造方法を説明する。先ず最初に、予めカラーフィルタ膜
5が形成されたガラス基材4の表面に、透明樹脂をスピ
ンコートあるいは印刷等により塗布し焼成を加えて平坦
化膜7を形成する。次に、平坦化膜7の上にスパッタリ
ングでSiO2 膜を成膜して下地層1を設ける下地処理
工程を行なう。次に、SiO2 膜8の上に低温スパッタ
リングで第1ITO膜9を成膜する低温スパッタリング
工程を行なう。続いて、第1ITO膜9に重ねて高温ス
パッタリングにより第2ITO膜10を成膜し、複合構
造の導電層3を設ける高温スパッタリング工程を行な
う。最後に、該導電層3を所定の形状にパタニングし透
明な対向電極を形成するパタニング工程を行なう。対向
電極のパタンとしてはベタ形状を採用する場合がある。
この時には、基板周辺のみから導電層3をエッチングに
より除去するパタニング工程を行なう。対向電極として
複数の領域に分割されたパタンを用いる場合もある。
又、単純マトリクス型液晶表示素子の電極基板として用
いる場合には、ストライプ状にパタニングされる事にな
る。以上の製造方法において、好ましくは前記低温スパ
ッタリング工程及び高温スパッタリング工程はともに、
10-3Torr台の成膜ガス圧条件でスパッタリングを行な
う。又、低温スパッタリング工程は例えば常温でスパッ
タリングを行ない、高温スパッタリング工程は例えば2
50℃程度の成膜温度条件でスパッタリングを行なう。
【0014】次に、図2ないし図5を参照してSiO2
膜8、第1ITO膜9、第2ITO膜10の内部応力に
ついて詳細な説明を加える。先ず最初に、SiO2
は、例えば常温スパッタリングにより成膜され、その厚
みは0.05μm程度である。この場合、図2に示す様
にSiO2 膜は一般に圧縮応力を呈する。但し、その大
きさにはガス圧力依存性があり、スパッタリング時のガ
ス圧力が高くなるにつれ零に近づいていく。
【0015】次に、第2ITO膜10については、低抵
抗化の為にカラーフィルタ膜の耐熱温度である250℃
程度の高温で成膜され、その厚みは0.2μm程度、シ
ート抵抗は10Ω/□程度である。この場合、図3に示
す様に、第2ITO膜は圧縮応力を呈し、ガス圧が6mT
orr の付近で零に近づく。図2及び図3に示した様に、
SiO2 膜及び比較的高温で成膜した第2ITO膜はと
もに圧縮応力を呈し、このままでは応力の影響によりI
TO膜に剥離やクラックが発生する惧れがある。これを
防止する為には、SiO2 とITOの両者ともに最も零
に近い圧縮応力となる成膜条件を選定することが考えら
れる。しかしながら、実際にはスパッタリングで成膜可
能なガス圧力の範囲において、SiO2 及びITOは圧
縮応力を呈している。又、前述した様にITOの膜質は
その成膜条件に対して非常に敏感であり制御が難しい。
従って、単純な成膜条件の調整のみにより内部応力の緩
和を図る事は実際上困難である。
【0016】そこで、本発明では下地のSiO2 膜と高
温成膜された第2ITO膜の中間に低温成膜された第1
ITO膜を介在させている。膜応力は一般に薄い方が小
さくなる事から、本例では第1ITO膜は、例えば0.
05μmの厚みで成膜される。又、成膜温度は常温(2
5℃)に設定した。常温成膜された第1ITO膜はSi
2 膜と高温成膜された第2ITO膜の間の応力緩衝層
としての役割を果す。常温でスパッタリング成膜された
ITO単層の膜応力を図4に示す。スパッタリングされ
た段階では、成膜可能なガス圧力の範囲で第1ITO膜
は圧縮応力を呈する。前述した様に工程順としては常温
成膜された第1ITO膜の上に第2ITO膜が高温成膜
される。通常高温で成膜する場合、基板温度を所定の成
膜温度に保持する為、例えば20分程度のプリヒートが
真空チャンバ内で行なわれる。よって、常温成膜された
第1ITO膜は加熱され非晶質の状態から結晶化される
事になる。一般に、ITOは200℃程度以上の温度か
ら結晶化する。
【0017】結晶化する事により膜応力が変化し、図5
に示す様に、第1ITO膜は圧縮応力から引張応力へと
変わる。なお、グラフ上引張応力は正符号で表わされ、
圧縮応力は負符号で表わされている。図5から明らかな
様に、引張応力の値はガス圧力に対する依存性が少な
く、例えば3〜6×109 dyne/cm2 程度であり、変動
があまりない。一般に、ITOの膜質は、結晶化する事
により引張応力が働く様になり、又、電子等のキャリア
が動きやすくなり抵抗値も低下する。一方、SiO2
に関しては加熱処理によりその膜応力はあまり変動しな
い為、特に考慮する必要はない。
【0018】以上の結果から、次の様な成膜条件を設定
する事により、膜応力の影響によるITO膜の剥離やク
ラックが有効に防止できる事が判明した。下地のSiO
2 膜については、膜応力が零に近い様な成膜ガス圧力に
設定する。図2に示したグラフの例では、スパッタリン
グのガス圧力を6mTorr 付近に設定すれば良い。次に、
常温成膜される第1ITO膜については、加熱処理によ
り+109 dyne/cm2台の引張応力となる様な成膜条件
に設定する。例えば、図5のグラフに示す様に、ガス圧
力は10-3Torr台に設定すれば良い。高温成膜される第
2ITO膜については、常温成膜された第1ITO膜の
引張応力が+109 dyne/cm2 台である事を考慮し、圧
縮応力で−109 dyne/cm2 台の値となる様に成膜条件
を設定する。例えば、図3のグラフの例ではスパッタリ
ングのガス圧力条件を10-3Torr台に設定すれば良い。
【0019】本発明によれば、高温成膜された第2IT
O膜に発生する圧縮応力を、常温成膜された第1ITO
膜の引張応力で相殺し、さらにSiO2 膜の応力は零に
近づく様に設定する事により、積層構造全体の膜応力を
零に近づける事ができる。換言すると、常温成膜された
(一般的には低温成膜された)第1ITO膜を付加する
事により応力の緩衝層としての機能を果させる事ができ
る。又、緩衝層がITO膜である為、その上の高温成膜
されたITO膜との密着性は当然良好であり、複合層と
する事に関し何等悪影響は生じない。
【0020】図6は、本発明にかかる表示素子用電極基
板の第2実施例を示す模式的な断面図であり、モノカラ
ータイプのアクティブマトリクス液晶表示素子の対向基
板に適用した例である。理解を容易にする為、図1に示
した第1実施例と対応する部分については対応する参照
番号を付してある。本例では、ガラス基材4の表面には
カラーフィルタ膜が形成されておらず、単にブラックマ
スク6のみが所定の形状でパタニングされている。この
ブラックマスク6は画素領域以外を遮閉する為に設けら
れたものであり、例えばCrやMo等の金属膜から作製
される。その上に、樹脂層1として絶縁膜17が形成さ
れている。この絶縁膜17の上には下地のSiO2 膜8
を介して第1ITO膜9及び第2ITO膜10が成膜さ
れている。従って絶縁膜17は金属膜からなるブラック
マスク6とITO膜を互いに電気的に絶縁する機能を奏
する。本実施例においても、SiO2 膜8をスパッタリ
ングにより成膜し、第1ITO膜9を低温でスパッタリ
ング成膜し、第2ITO膜10を高温でスパッタリング
成膜する事により、膜応力を緩和する事ができる。
【0021】図7は、本発明にかかる表示素子用電極基
板の第3実施例を示す模式的な断面図である。図1に示
した第1実施例と対応する部分には対応する参照番号を
付して理解を容易にしている。本例では樹脂層1と下地
層2と導電層3とを順に重ねた積層体だけで表示素子用
電極基板を構成している。即ち、樹脂層1が肉厚のプラ
スチック基材27からなり、所謂プラスチック電極基板
構造となっている。従来のガラス電極基板に比べ軽量で
あり且つハンドリングが容易になるとともに、コスト面
でも有利である。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明によれ
ば表示素子用電極基板において、下地のSiO2 膜と高
温成膜された第2ITO膜の間に常温成膜された第1I
TO膜を介在させる事により、応力緩和が可能となりI
TO膜の剥離やクラックを防止する事ができるという効
果がある。又、スパッタリングの成膜ガス圧力を10-3
Torr台に設定する事により、広い範囲の条件で低温スパ
ッタリング及び高温スパッタリングを用いたITOの成
膜が可能になるという効果がある。かかる構造は、マト
リクス液晶表示素子の対向基板に限られず、広く樹脂層
の上にITO膜をパタニング形成する構造に対して適用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる表示素子用電極基板の第1実施
例を示す断面図である。
【図2】SiO2 膜の成膜ガス圧力と膜応力との関係を
示すグラフである。
【図3】高温成膜されたITO膜のスパッタリングガス
圧力と膜応力との関係を示すグラフである。
【図4】常温成膜されたITO膜のスパッタリングガス
圧力と膜応力との関係を示すグラフである。
【図5】常温成膜した後加熱処理を施したITO膜のス
パッタリングガス圧力と膜応力との関係を示すグラフで
ある。
【図6】本発明にかかる表示素子用電極基板の第2実施
例を示す断面図である。
【図7】本発明にかかる表示素子用電極基板の第3実施
例を示す断面図である。
【図8】従来のアクティブマトリクス型液晶表示素子の
一般的な構成を示す模式図である。
【図9】従来の表示素子用電極基板の一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 樹脂層 2 下地層 3 導電層 4 ガラス基材 5 カラーフィルタ膜 6 ブラックマスク 7 平坦化膜 8 SiO2 膜 9 第1ITO膜 10 第2ITO膜 17 絶縁膜 27 プラスチック基材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂層と下地層とパタニングされた導電
    層とを順に重ねた積層体を含む表示素子用電極基板であ
    って、 前記下地層はスパッタリングにより成膜されたSiO2
    膜からなり、 前記導電層は低温スパッタリングにより成膜された第1
    のITO膜と、高温スパッタリングにより成膜された第
    2のITO膜を重ねた複合層からなる表示素子用電極基
    板。
  2. 【請求項2】 前記SiO2 膜は零に近い内部応力を有
    し、前記第1のITO膜は引張内部応力を有し、前記第
    2のITO膜は該引張内部応力を相殺可能な圧縮内部応
    力を有する請求項1記載の表示素子用電極基板。
  3. 【請求項3】 カラーフィルタ膜が形成されたガラス基
    材を含んでおり、前記樹脂層は該カラーフィルタ膜を被
    覆する平坦化膜である請求項1記載の表示素子用電極基
    板。
  4. 【請求項4】 ブラックマスクとなる金属膜が形成され
    たガラス基材を含んでおり、前記樹脂層は該金属膜を被
    覆する絶縁膜である請求項1記載の表示素子用電極基
    板。
  5. 【請求項5】 前記樹脂層は厚肉のプラスチック基材を
    構成する請求項1記載の表示素子用電極基板。
  6. 【請求項6】 樹脂層と下地層と導電層とを含む表示素
    子用電極基板の製造方法において、 該樹脂層の上にスパッタリングでSiO2 膜を成膜して
    下地層を設ける下地処理工程と、 該SiO2 膜の上に低温スパッタリングで第1のITO
    膜を成膜する低温スパッタリング工程と、 該第1のITO膜に重ねて高温スパッタリングにより第
    2のITO膜を成膜し複合構造の導電層を設ける高温ス
    パッタリング工程と、 該導電層を所定の形状にパタニングし透明電極を形成す
    るパタニング工程とを有する事を特徴とする表示素子用
    電極基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記低温スパッタリング工程及び高温ス
    パッタリング工程はともに、10-3Torr台の成膜ガス圧
    条件でスパッタリングを行なう事を特徴とする請求項6
    記載の表示素子用電極基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記低温スパッタリング工程は常温でス
    パッタリングを行ない、前記高温スパッタリング工程は
    250℃程度の成膜温度条件でスパッタリングを行なう
    事を特徴とする請求項6記載の表示素子用電極基板の製
    造方法。
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