JPH0742810U - パイロット回路の配管接続用ブロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の油圧ショベルでは、油圧パイロッ
ト回路の途中に設けた合流用のブロックに対して、Ｔ形
接続金具等の各種接続金具を枝状にしかも芋継ぎ式に連
結している。そのために組立時の作業性が悪くて組立コ
ストが高くかかるし、またブロック付近のスペース占有
が大きくて各種機器のレイアウトにも支障を及ぼしてい
た。この問題点を解決する。 【構成】 本考案のパイロット回路のブロック装置で
は、ブロックの前後左右の側面部に配管接続金具螺着用
のねじ穴を穿設し、またブロックの内部に上記ねじ穴を
連通する油路を形成し、また上記ブロックの上面と下面
を合わせ面に設定し、またブロック内部の上記油路に通
じかつブロックの上面から下面に通じるたて方向油路を
開穿し、所要の配管数に応じてブロックを単数個乃至複
数個重ね合わせて構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械，作業車両に装備した油圧用の パイロット回路の配管接続用ブロック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７は、油圧ショベルのパイロット回路の配管状態を示す要部斜視図である。 図において、１Ｌ，１Ｒは油圧ショベルの運転席（図示していない）の前側の左 右に設けられている作業用の操作レバー、２Ｌ，２Ｒは操作レバー１Ｌ，１Ｒに よって操作される作業用油圧リモコン弁、３Ｌ，３Ｒは運転席の前方に設けられ ている左右の走行用ペダル、４Ｌ，４Ｒは走行用ペダル３Ｌ，３Ｒによって操作 される走行用油圧リモコン弁、５はパイロット回路に設けているブロック、６は パイロット回路の多数本の配管である。図８は、図７のＣ部におけるブロック５ とそのブロック５に接続している各種接続金具を示す平面図である。図において 、７，〜，１２はそれぞれ配管６用の接続金具である。なお符号Ｔは接続金具７ ，８，９のそれぞれタンク連通口、符号Ｐは接続金具１０，１１，１２のパイロ ット圧流通口である。図９は、図７に示すパイロット回路の要部油圧回路図であ る。図において、１３は油タンク、１４はパイロット圧油圧源であるパイロット ポンプ、１５，〜，１８は油圧リモコン弁２Ｌ内の各パイロット弁、１９，〜， ２２は油圧リモコン弁２Ｒ内の各パイロット弁、２３，２４は油圧リモコン弁４ Ｌ内の各パイロット弁、２５，２６は油圧リモコン弁４Ｒ内の各パイロット弁で ある。

【０００３】 従来より油圧ショベルのパイロット回路では、パイロット切換弁（図示してい ない）等に作用させるパイロット圧油と、上記パイロット切換弁等のパイロット ポートからの戻り油をブロック５、及びそのブロック５に接続した接続金具１０ ，〜，１２、７，〜，９を通じてそれぞれ合流させるようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

油圧ショベルの従来技術のパイロット回路では、そのパイロット回路の途中に 設けた合流用のブロックに対して、Ｔ形接続金具等の各種接続金具を枝状にしか も芋継ぎ式に連結している。そのために組立時の作業性が悪く、組立コストが高 くかかっていた。また油圧ショベルに油圧アクチュエータの装備を追加したとき にはパイロット配管をふやさなければならないが、その場合には新たに別のブロ ックを追加してそのブロックと元のブロックとを配管で継ないだり、または新規 に接続金具を配管の途中に介設していた。したがって上記のようにブロック付近 のスペース占有が大きくて、油圧ショベル内部の各種機器のレイアウトにも支障 を及ぼしていた。また各種接続金具をブロックに対して枝状に連結しているので 、油圧ショベルの振動、又は油圧配管の振動により油洩れをおこすおそれもあり 、また点検修理作業は困難でメンテナンス性が悪かった。本考案は、上記の問題 点を解決できる配管接続用ブロック装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のブロック装置では、パイロット圧油圧源からのパイロット圧を各種油 圧アクチュエータ制御用のそれぞれパイロット切換弁の左又は右のパイロットポ ートに作用させてパイロット切換弁を切換作動するようにし、また操作したパイ ロットポートと反対側のパイロットポートからの戻り油をブロックを介して油タ ンクに戻すようにしている建設機械のパイロット回路の配管接続用ブロックにお いて、ブロックの前後左右の側面部に配管接続金具螺着用のねじ穴を穿設し、ま たブロックの内部に上記ねじ穴を連通する油路を形成し、また上記ブロックの上 面と下面を合わせ面に設定し、またブロック内部の上記油路に通じかつブロック の上面から下面に通じるたて方向油路を開穿し、所要の配管数に応じてブロック を単数個乃至複数個重ね合わせ、その重ね合わせたブロックの上端面側と下端面 側を油密に形成して構成した。また上記の場合、ブロックを機体の固定部に取付 けるためにブロックにボルト穴を形成し、そのボルト穴にボルトを挿通し、その ボルトにて重ね合わせたブロックを締付けるとともにそのブロックを機体に対し 固定するようにした。あるいはまたブロックの底面に基板を設け、その基板を機 体に対して取付けるようにし、また重ね合わせたブロックをタイボルトで締付け るようにした。

【０００６】

【作用】

本考案のブロック装置では、パイロット回路の所要の配管数に応じて重ね合わ せるブロックの個数を選択し、各ブロックの前後左右の側面部に穿設したねじ穴 に対してそれぞれ配管を１組の接続金具を介して接続することができる。したが って、従来技術のブロック周辺における枝状に連結した各種接続金具を不要にす ることができる。またブロックに取付用のボルト穴を形成したので、ブロックを 機体の固定部に取付けるとき重ね合わせたブロックの締付けを確実に保持すると ともに、ブロックの機体に対する着脱を容易にすることができる。またブロック の底面に基板を設けたものでは、短いボルトでブロックを安定して取付けること ができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基いて詳細に説明する。図１は、本考案のブロ ック装置の一実施例状態を示す要部斜視図である。図において、２７，２８，２ ９はそれぞれブロック、３０は上面板、３１は上面板３０と一体形に形成されブ ロック２７，２８，２９を連結するタイボルト、３２は基板、３３は機体（図示 していない）に取付用のボルト、３４，〜，３７はそれぞれ接続金具、３８，〜 ，４６はそれぞれ戻り油用の配管、４７は盲プラグである。図２は、本考案の第 １実施例ブロック装置を示す正面図である。図において、４８，４８は複数個の ブロック、４９はブロック４８の前後左右の側面部に穿設した接続金具螺着用の ねじ穴、５０はブロック４８の内部に形成した油路、５１は上面板、５２は下面 板、５３は上面板５１に一体形に形成した一つのポート、５４は締付用のボルト 、５５は上面板５１，ブロック４８，４８，下面板５２のそれぞれ合わせ面に設 けているＯリング、５６は上面板５１とタイボルト５３との間に設けているＯリ ングである。図３は、図２におけるブロック４８の平面図である。図において、 ５７はたて方向油路、５８はＯリング５５嵌着用の溝穴、５９はボルト５４用の ボルト穴である。図４は、図３のＡより見たブロック４８の正面図である。図５ は、図３のＢ−Ｂより見たブロック４８の断面図である。

【０００８】 次に、本考案の第１実施例ブロック装置の構成を図２〜図５について述べる。 本考案では、ブロック４８の前後左右の側面部に配管接続金具螺着用のねじ穴４ ９を穿設し、またブロック４８の内部に上記ねじ穴４９を連通する油路５０を形 成し、また上記ブロック４８の上面と下面を合わせ面に設定し、またブロック４ ８内部の上記油路５０に通じかつブロック４８の上面から下面に通じるたて方向 油路５７を開穿し、所要の配管数に応じてブロック４８を単数個乃至複数個重ね 合わせ、その重ね合わせたブロック４８，４８の上端面側に上面板５１を、また 下端面側に下面板５２を油密に取付けて構成した。そして上記の場合、ブロック ４８を機体の固定部に取付けるためにブロック４８にボルト穴５９を形成し、そ のボルト穴５９にボルト５４を挿通し、そのボルト５４にて重ね合わせたブロッ ク４８を締付けるとともにそのブロック４８を機体に対し固定するようにした。

【０００９】 次に、本考案の第１実施例ブロック装置の作用について述べる。本考案では、 パイロット回路の所要の配管数に応じて重ね合わせるブロック４８の個数を選択 し、各ブロック４８のねじ穴４９に対してそれぞれ配管を１組の接続金具を介し て接続することができる。したがって、従来技術のブロック５（図７に示す）周 辺における枝状に連結した各種接続金具を不要にすることができる。またブロッ ク４８に取付用のボルト穴５９を形成したので、ブロック４８を機体の固定部に 取付けるとき重ね合わせたブロック４８，４８の締付けを確実に保持するととも にブロック４８の機体に対する着脱を容易にすることができる。

【００１０】 なお本考案では、上面板５１，ブロック４８，４８，下面板５２のそれぞれ合 わせ面にシール部材としてＯリング５５を配設しているが、Ｏリング５５に限ら ず他のパッキン（液体パッキンを含む）などのシール部材を設けてもよい。また ブロック４８の平面視形状を四角形にしているが、四角形に限らず多角形，円形 などの形状にしてもよい。多角形又は円形にすると、配管を配管方向に合わせて ブロック接続できるので、見映えも良くなる。

【００１１】 次に図６は、本考案の第２実施例ブロック装置を示す正面図である。図におい て、４８’，４８’は複数個のブロック、４９はブロック４８’の前後左右の側 面部に穿設した接続金具螺着用のねじ穴、５０はブロック４８’の内部に形成し た油路、３０は上面板、３１’は上面板３０と一体形に形成されブロック４８’ ，４８’を連通するタイボルト、３２は基板、５３はブロック４８’，４８’を 位置決めするために形成されているインロー部、３３は取付用のボルト、５５’ はＯリングである。次に、本考案の第２実施例ブロック装置の構成及び作用を図 ６について述べる。本考案では、重ね合わせたブロック４８’及び４８’の底面 に基板３２を設け、その基板３２を機体に対してボルト３３で取付けるようにし 、また重ね合わせたブロック４８’，４８’をタイボルト３１’で締付けるよう にした。それにより、短いボルト３３でブロック４８’を安定して取付けること ができる。なおブロック４８’の平面視形状は、第１実施例ブロック装置の場合 に述べたように多角形，円形などの形状にしてもよい。

【００１２】

【考案の効果】

油圧ショベルの従来技術のパイロット回路では、そのパイロット回路の途中に 設けた合流用のブロックに対して、Ｔ形接続金具等の各種接続金具を枝状にしか も芋継ぎ式に連結している。そのために組立時の作業性が悪くて組立コストが高 くかかるし、またブロック付近のスペース占有が大きくて各種機器のレイアウト にも支障を及ぼしていた。しかし本考案のブロック装置では、ブロックの前後左 右の側面部に配管接続金具螺着用のねじ穴を穿設し、またブロックの内部に上記 ねじ穴を連通する油路を形成し、また上記ブロックの上面と下面を合わせ面に設 定し、またブロック内部の上記油路に通じかつブロックの上面から下面に通じる たて方向油路を開穿し、所要の配管数に応じてブロックを単数個乃至複数個重ね 合わせ、その重ね合わせたブロックの上端面側と下端面側を油密に形成して構成 した。また上記の場合、ブロックを機体の固定部に取付けるためにブロックにボ ルト穴を形成し、そのボルト穴にボルトを挿通し、そのボルトにて重ね合わせた ブロックを締付けるとともにそのブロックを機体に対し固定するようにした。あ るいはまたブロックの底面に基板を設け、その基板を機体に対して取付けるよう にし、また重ね合わせたブロックをタイボルトで締付けるようにした。それによ り本考案のブロック装置では、パイロット回路の所要の配管数に応じて重ね合わ せるブロックの個数を選択し、各ブロックの前後左右の側面部に穿設したねじ穴 に対してそれぞれ配管を１組の接続金具を介して接続することができる。したが って、従来技術のブロック周辺における枝状に連結した各種接続金具を不要にす ることができる。またブロックに取付用のボルト穴を形成したので、ブロックを 機体の固定部に取付けるとき重ね合わせたブロックの締付けを確実に保持すると ともに、ブロックの機体に対する着脱を容易にすることができる。またブロック の底面に基板を設けたものでは、短いボルトでブロックを安定して取付けること ができる。したがって本考案のブロック装置をそなえた油圧ショベルでは、組立 時の作業性を向上して組立コストの低減ができるとともに、ブロック周辺のスペ ース余裕を大きくできるので、油圧ショベル内部の各種機器のレイアウト性を向 上させることができる。また、ブロック周辺の点検修理などメンテナンス作業を 容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のブロック装置の一実施例状態を示す要
部斜視図である。

【図２】本考案の第１実施例ブロック装置を示す正面図
である。

【図３】図２におけるブロックの平面図である。

【図４】図３のＡより見たブロックの正面図である。

【図５】図３のＢ−Ｂより見たブロックの断面図であ
る。

【図６】本考案の第２実施例ブロック装置を示す正面図
である。

【図７】従来技術のパイロット回路の配管状態を示す要
部斜視図である。

【図８】図７のＣ部におけるブロックとその周辺を示す
平面図である。

【図９】図７に示すパイロット回路の要部油圧回路図で
ある。

【符号の説明】

５，２７〜２９，４８，４８’ ブロック ６，３８〜４６ 配管 ７〜１２，３４〜３７ 接続金具 １３ 油タンク １４ パイロットポンプ ３０，５１ 上面板 ３１，３１’ タイボルト ３２ 基板 ３３，５４ ボルト ４９ ねじ穴 ５０ 油路 ５２ 下面板 ５５，５６ Ｏリング ５７ たて方向油路

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイロット圧油圧源からのパイロット圧
   を各種油圧アクチュエータ制御用のそれぞれパイロット
   切換弁の左又は右のパイロットポートに作用させてパイ
   ロット切換弁を切換作動するようにし、また操作したパ
   イロットポートと反対側のパイロットポートからの戻り
   油をブロックを介して油タンクに戻すようにしている建
   設機械のパイロット回路の配管接続用ブロックにおい
   て、ブロックの前後左右の側面部に配管接続金具螺着用
   のねじ穴を穿設し、またブロックの内部に上記ねじ穴を
   連通する油路を形成し、また上記ブロックの上面と下面
   を合わせ面に設定し、またブロック内部の上記油路に通
   じかつブロックの上面から下面に通じるたて方向油路を
   開穿し、所要の配管数に応じてブロックを単数個乃至複
   数個重ね合わせ、その重ね合わせたブロックの上端面側
   と下端面側を油密に形成したことを特徴とするパイロッ
   ト回路の配管接続用ブロック装置。
2. 【請求項２】 実用新案登録請求の範囲請求項１記載の
   パイロット回路の配管接続用ブロック装置において、ブ
   ロックを機体の固定部に取付けるためにブロックにボル
   ト穴を形成し、そのボルト穴にボルトを挿通し、そのボ
   ルトにて重ね合わせたブロックを締付けるとともにその
   ブロックを機体に対し固定するようにしたことを特徴と
   するパイロット回路の配管接続用ブロック装置。
3. 【請求項３】 実用新案登録請求の範囲請求項１記載の
   パイロット回路の配管接続用ブロック装置において、ブ
   ロックの底面に基板を設け、その基板を機体に対して取
   付けるようにし、また重ね合わせたブロックをタイボル
   トで締付けるようにしたことを特徴とするパイロット回
   路の配管接続用ブロック装置。