JPH0741384Y2 - 引出し等のレール装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、特に机等に使用される
引出しのレール装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、Ｖカット工法にて、表面に可橈性
シートをラミネートした板体にて形成された胴部を有す
るいわゆるシュプラーゼ引出しに使用されるレール装置
は、胴部に形成された引出し方向の嵌合溝に、家具本体
に固定されたレール受け突条を嵌合させるか、あるいは
嵌合溝にスチール製のレールを後方に突出させて取付
け、これを家具本体に取付けたスチール製のレール受け
に支持せしめる様にしていた。

【０００３】前者の場合、構造は簡単であるが、引出し
の引出し量が小さく、引出し内部が十分に使用出来ない
という欠点があった。また、後者の場合、レールが引出
しの後方に突出した分、引出しの引出し量は大きく、内
部の使用は容易であるが、引出し前端に荷重が負荷され
た場合、引出しの後方に突出したレール部分に強い応力
が発生し、レール後部が変形したり、あるいはレールが
嵌合溝からはずれるという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記問題を解
決する事を課題とする。すなわち、構造が簡単で、取付
作業は従来より容易で、引出し側に新らたな加工を必要
とせず、しかも強度的にすぐれた引出し等のレール装置
を提供する事を課題とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】引出しの左右嵌合溝に嵌合
されるレールの後端部に、引出し側に突出し、引出しの
後嵌合溝に嵌合する後補強突片が形成されているもので
ある。

【０００６】

【実施例】図３は引出しの胴部１の一部を示し、胴部１
の正面側には、正面板（図示せず）がダボにて連結さ
れ、底部には底板（図示せず）がとりつけられている。

【０００７】胴部１は合板パーティクルボード等の木質
材よりなる基板１１の外面側の略中央部長手方向に溝を
形成し、表面を塩化ビニール等のフイルムシート１２で
ラミネートし、該シートの外面側の一部を残して、Ｖ字
溝を形成し、該Ｖ字溝を内側に折り曲げて傾斜面同士を
つき合わせて接着剤にて接着し、左右側板１３、１３、
後板１４を形成している。そして、前記長手方向に形成
された溝が、左右嵌合溝１５、１５、後嵌合溝１６とな
る。

【０００８】図１は前記引出しの胴部にとりつけられる
レール２を示している。レール２はレール本体３と、レ
ール本体３の後端部内面に一体にとりつけられた補強板
５より形成されている。

【０００９】レール本体３は、後端部を除く全体が上下
突片３１、３２、取付片３３より断面略コ字形で、前記
左右嵌合溝１５に密に嵌合する大きさに形成され、取付
片３３には所定間隔を有して長手方向に複数個の連結部
６が形成されている。下突片３２の所定位置には、前ス
トッパー（図示せず）が上方に隆出して形成されてい
る。

【００１０】連結部６は、上下突片３１、３２と取付片
３３の角部に形成された連結用切り欠き６１、６１が形
成され、該連結用切り欠き６１、６１の長手方向中央部
に臨んで、上下方向に突出する三角形状の連結突起６
２、６２を有する、取付片３３の上下端部に形成された
連結片部６３、６３と、連結片部６３、６３に隣接され
た連結用切り欠き６１、６１とほぼ同寸法の長孔６４、
６４より構成されている。

【００１１】すなわち、レール本体３は、左右嵌合溝１
５に嵌合した状態で、長孔６４、６４をマイナスドライ
バー等の工具にて外方に押し広げて連結片部６３、６３
を外方に変形せしめ、連結突起６２、６２を左右嵌合溝
１５、１５の上下端面にくい込ませ、胴部１と連結され
る。

【００１２】補強板５は、レール本体３の後端部内面に
連結される長方形の基板５１と、基板５１の前端部が内
方に突出して折り曲げられた断面略コ字形の後補強突片
５２より形成されている。そして、後補強突片５２は、
レール２が左右嵌合溝１５、１５にとりつけられた時、
後嵌合溝１６に嵌合する。

【００１３】すなわち、補強板５は、レール本体３の後
端部外面に、上下に所定間隔を有して、摺動輪３０、３
０が回動自在に取りつけられる時に同時に取りつけられ
て本体３と一体化される。符号５３はレール本体３と補
強板５の前側の取付部を示している。

【００１４】図２はレール２を支持するレール受け６を
示している。レール受け６は、前端部を除いて、支持突
片６１と連結基板６２からなる断面逆Ｌ字形に形成され
ている。そして、連結基板６２の前端上部に周部が連結
基板６２の上端面より突出して回転自在に固定輪６０が
とりつけられている。

【００１５】支持突片６１は、前記レール２の摺動輪３
０、３０間に位置し、固定輪６０と共にレール２を摺動
自在に支持する。そして、支持突片６１の後端部には、
下方に傾斜する傾斜支持部６３が形成され、引出しが家
具本体に収納された時、傾斜支持部６３に摺動輪３０、
３０が位置して、引出しの不測の突出を防止する。

【００１６】符号６４・・・は、引出し方向に所定数形
成された取付孔を示し、符号６５は引出し収納時に下方
の摺動輪３０が衝突する後ストッパー突片を示してい
る。

【００１７】

【考案の効果】以上の如く本考案は、レール後端部に引
出し側に突出し、後嵌合溝に嵌合する後補強突片を形成
しているので、レールを左右嵌合溝に取りつけた状態で
後補強突片は後嵌合溝に嵌合し、この状態で引出しが引
き出されて前ストッパーが固定輪に当接した状態で、引
出しに不測の方向から荷重が負荷されても、後補強突片
はレール本体と一体的に後嵌合溝にも嵌合しているの
で、レール本体の後端部が変形したり、左右嵌合孔から
レールが脱落したりする事はない。

【００１８】又、後補強突片が嵌合する後嵌合溝は、従
来通り左右嵌合溝が形成される時に同時に形成されてい
るので、後補強突片を嵌合する新たな加工は一切必要な
い。

【００１９】また、レールの取付作業もレールを左右嵌
合溝に嵌合すれば、同時に後補強突片が後嵌合溝に嵌合
して、レールの前後方向への移動が規制されるので、レ
ールの位置決めを行なう事が出来、取付作業が非常に容
易に行なえる。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】引出しのレールの要部斜視図

【図２】図２は引出しレールの要部斜視図

【図３】引出しの胴部の一部切断斜視図

【符号の説明】 １ 引出しの胴部 １３ 左右側板 １４ 後板 １５ 左右嵌合溝 １６ 後嵌合溝 ２ レール ５２ 後補強突片 ６ レール受け

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引出しの左右側板側面と、後板の後面に、引出し方向と
   これに直交する方向に連続して、左右嵌合溝と後嵌合溝
   が形成され、左右嵌合溝にレールが嵌合固定され、家具
   本体にレールを支持するレール受けが固定された引出し
   等のレール装置において、レール後端部に引出し側に突
   出し、前記後嵌合溝に嵌合する後補強突片が形成されて
   いることを特徴とする引出し等のレール装置。