JPH0740627Y2 - 車両用パワーウンドウ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、従来のパワーウインドウの開閉位置制御を可
能にした，いわゆるサーボパワーウインドウ機構とし
て、サッシュレスドアのパワーウインドウを利用した乗
降性向上システムである，ドア開でパワーウインドウは
自動下降し、ドア閉でパワーウインドウは自動上昇する
装置，いわゆるセルフアクティブ機構を組合わせた車両
用パワーウインドウ装置に関し、詳しくは、セルフアク
ティブ作動時の窓ガラス下降位置を任意に調整可能にし
たものに関する。

【従来の技術】

従来、この種のパワーウインドウ装置としては、例えば
特開昭57−108381号公報に示されるようなものが知られ
ている。このパワーウインドウ装置は、下降用レギュレ
ータスイッチに、ドア開時にウインドウレギュレータモ
ータを作動してドアガラスを下降させる第１のスイッチ
（ドアスイッチ）とタイマ回路との直列回路を並列に接
続すると共に、上昇用レギュレータスイッチに、ドア閉
時にドアガラスを上昇させる第２のスイッチと所定時間
回路を遮断する危険防止用タイマとの直列回路を並列に
接続し、乗員の乗降性と窓閉時の手や頭の挾み込み防止
とを図ったものである。

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記先行技術のものにあっては、ドア開時に
窓ガラスを自動下降して乗降性の向上を図るセルフアク
ティブ作動において、窓ガラスの下降量がタイマにより
予め設定されている。このため、この窓ガラスの下降量
を調整する場合はユニット内のタイマを操作する必要が
あり、マイコン制御のものはプログラムデータの書き換
えが必要になって、乗員の好みにセットできない。 ここで、セルフアクティブ作動の窓ガラスの下降位置
は、乗員の体形，乗降場所，ドアの開放量等により最適
値があり、下降位置が特に不充分な場合は乗降性を有効
に向上し得ない。従って、種々の状況に対し乗員により
最適下降位置に調整し得ることが望まれる。 また、この場合の下降量調整スイッチとして専用スイッ
チを付加すると、そのスペースの確保とコスト高を招く
ため、スイッチの兼用化が望まれる。 本考案は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、既存のスイッチをセルフアクティ
ブ作動の下降位置調整に兼用して、セルフアクティブ作
動の窓ガラス下降位置を任意に調整可能にした車両用パ
ワーウインドウ装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の車両パワーウインド
ウ装置は、ドア閉時のパワーウインドウ作動用として昇
降用スイッチと、ドア開時のセルフアクティブ作動用と
して調整用スイッチを有するものにおいて、セルフアク
ティブ作動時に上記調整用スイッチにより窓ガラスの自
動下降を行い、その後上記昇降用スイッチにより下降位
置を調整するように構成するものである。

【作用】

上記構成に基づき、ドア開時のセルフアクティブ作動に
おいては、調整用スイッチの設定値に応じ窓ガラスが自
動下降し、その下降終了後更にパワーウインドウ側昇降
用スイッチの操作により、下降位置が任意に調整されて
種々の状況に対し下降量が最適化される。

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 第１図において、符号１はドアの窓ガラスであり、昇降
機構２を介してモータ３に連結する。また、バッテリ４
が直接およびイグニッションスイッチ５を介して制御ユ
ニット６に接続し、更に電源制御回路７を介して制御ユ
ニット６等にドア開時にモータ３側に給電すべく接続す
る。制御ユニット６は、モータ動作制御回路8,正逆転回
路９を介してモータ３に接続する。 一方、ドアの開閉に応じてON,OFFするドアスイッチ10,
モータ３の回転を検出するパルス発生器11,窓ガラスの
昇降量を任意に設定可能なスライド式の昇降用スイッチ
12,セルフアクティブ機能によりドア開に応じて窓ガラ
スを自動下降する際に窓ガラスを所定下降位置に設定す
る調整用スイッチ13を有し、これらのスイッチ等が制御
ユニット６に接続する。 ここで、イグニッションスイッチ５のON信号，ドアスイ
ッチ10の閉信号，昇降用スイッチ12の信号はパワーウイ
ンドウ機構に用いられ、昇降用スイッチ12の昇降位置に
応じてモータ動作制御回路8,正逆転回路９によりモータ
３を所定量正逆転する。また、イグニッションスイッチ
５のOFF信号，ドアスイッチ10の開信号，調整用スイッ
チ13および昇降用スイッチ12の信号はセルフアクティブ
機構に用いられ、ドア開時に調整用スイッチ13,昇降用
スイッチ12の下降位置に応じてモータ動作制御回路8,正
逆転回路９により、モータ３を所定の下降方向に回すよ
うになっている。 そこで、かかる構成のパワーウインドウ装置の作用を、
第２図のフローチャートを用いて述べる。 先ず、イグニッションスイッチ５をONしてエンジン運転
し、ドアを閉じて車両走行する場合は、ステップS4,S5,
S6,S7,S9に進み、ステップS9での昇降用スイッチ12の窓
開閉位置によりステップS10で動作判定する。そして昇
降用スイッチ12により或る下降位置にセットされると、
ステップS11に進んでモータ動作制御回路8,正逆転回路
９によりモータ３が一方に回り、昇降機構２により窓ガ
ラス１を下降動作することになる。この場合に、モータ
３の回転がパルス発生器11により検出され、昇降用スイ
ッチ12による設定値とモータ回転量とが一致すると、ス
テップS13に進んで動作停止する。また昇降用スイッチ1
2により或る上昇位置にセットされると、ステップS10か
らS12に進み、同様にして窓ガラス１は上昇動作するの
であり、こうしてサーボパワーウインドウが作動する。 一方、イグニッションスイッチ５がOFFするエンジン停
止時は、ステップS6,S7によりタイマセットされて低消
費電力モードに入り、所定時間後にステップS14,S15に
進んでストップモードで、外部割込みを待つ。 そこで、かかるエンジン停止時にドアを開けると、ドア
スイッチ10がONして制御ユニット６のＧに割込みがかか
り、電源制御回路７によりモータ側に給電される。ま
た、このドア開時にはステップS4からS17,S18,S19に進
み、調整用スイッチ13の下降位置に基づいてさらにステ
ップS10,S11に進んで窓ガラス１は自動下降してセルフ
アクティブ作動する。そして調整用スイッチ13の設定値
により所定量下降すると、ステップS8によりオープンフ
ラッグをセットしてステップS9に進み、昇降用スイッチ
12のデータを読込む。 このため、乗員が上記セルフアクティブ作動の窓開放で
は不充分と判断し、昇降用スイッチ12により調整用スイ
ッチ13の設定位置に比べて開放方向に多くセットされて
いると、ステップS9からS10,S11に進んで昇降用スイッ
チ12に応じた位置まで更に窓ガラス１は下降する。こう
して、セルフアクティブ作動による窓ガラス１の自動下
降位置は、パワーウインドウ側の昇降用スイッチ12の操
作で種々の状況に対して適切なものに調整され得る。 その後、乗員が車両に乗ったり、または開放した窓から
荷物を積込んでドアを閉じると、ステップS4からS5,S16
に進んでドアクローズの指令を受け、ステップS10からS
12に進んで窓ガラス１を上昇動作する。これによりドア
閉時に窓ガラス１は、自動的に閉じて元の状態に戻る。 なお、本考案は実施例の電気回路のみに限定されず、ま
た昇降用スイッチ12は、スライド式のものに限らずダイ
ヤル式のものなど適宜のものを採用することができる。

【考案の効果】

以上述べてきたように、本考案によれば、 サーボパワーウインドウとセルフアクティブ作動との組
合せにおいて、セルフアクティブ作動時の窓下降位置を
任意に調整し得るので、種々の状況に対し窓の下降量を
最適化して、セルフアクティブ作動の効果を最大限発揮
することが可能になる。さらに、セルフアクティブ作動
の調整にパワーウインドウ側昇降用スイッチを兼用する
ので、コストが低減し、便益性が一層向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の車両用パワーウインドウ装置の実施例
を示す電気回路図、 第２図はパワーウインドウおよびセルフアクティブの各
作用のフローチャート図である。 １……窓ガラス、２……昇降機構、３……モータ、６…
…制御ユニット、10……ドアスイッチ、12……昇降用ス
イッチ、13……調整用スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】窓ガラスの昇降量を任意に設定可能な昇降
   用スイッチ（12）により窓ガラスを昇降するサーボパワ
   ーウインドウ機能と、 ドア開で窓ガラスを調整用スイッチ（13）により設定さ
   れた所定の下降位置まで自動下降し、ドア閉で窓ガラス
   を自動上昇させるセルフアクティブ機能とを備えるもの
   において、 上記セルフアクティブ機能が作動するドア開時に上記調
   整用スイッチ（13）による下降位置よりも上記昇降用ス
   イッチ（12）による下降位置を優先したことを特徴とす
   る車両用パワーウインドウ装置。