JPH0740107U - コンクリート製品成型装置における締固め用振動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成のもとに、振幅，振動数等を任意
にコントロールすることができる締固め用振動装置を提
供すること、また他の目的は保全の必要性が少ない締固
め用振動装置を提供すること。 【構成】 コンクリート製品成型装置において、少なく
とも一方が電磁石７からなる磁石対を振動機２としてこ
れを基台１と型枠４側可動部との中間に設けると共に、
前記電磁石７には磁石対が互いに反発する方向の振動電
流もしくは脈動電流を供給する電源回路８を接続したこ
とを主要特徴とし、かつ電源回路８としてパルス電流を
出力する電源回路を採択し、あるいは磁石の斥力作用利
用型の非接触式ガイド１３を付設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリート製品成型装置において振動により締固める場合の振動 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

コンクリート製品成型時の締固めのための振動装置としては、例えば特開昭５ １−３１７１５公報に記載されているように、複数の型枠を取り付けたテーブル もしくは型枠自体に、電動モータにより駆動される偏心錘の回転により振動を得 る型式の振動機を設けることが行われており、専らこのような型式の振動装置が 使用されている

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

電動モータにより駆動される偏心錘の回転により振動を得る型式の振動機を設 ける型式の振動装置は、構造が複雑であるばかりでなく、その振幅，振動数等を 任意に変化させることが実際上困難であり、しかも振動数については機械的に限 度がある。

【０００４】 そこで本考案の目的は、簡単な構成のもとに、振幅，振動数等を任意にコント ロールすることができる締固め用振動装置を提供することにあり、他の目的は保 全の必要性が少ない締固め用振動装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

コンクリート製品成型装置において、少なくとも一方が電磁石からなる磁石対 を振動機としてこれを基台と型枠側可動部との中間に設けると共に、前記電磁石 には磁石対が互いに反発する方向の振動電流もしくは脈動電流を供給する電源回 路を接続したことを主要特徴とし、かつ電源回路としてパルス電流を出力する電 源回路を採択し、あるいは磁石の斥力作用利用型の非接触式ガイドを付設する。

【０００６】

【作用】

磁石対における一方の電磁石のコイルにその電磁石の極性が他方の磁石と反発 する方向の振動電流もしくは脈動電流を供給すると、磁石対はその電流に基づい て反発を繰り返えすから、磁石対が上下関係の重合状態に設けられ、下方の磁石 が基台に固定されると共に、上方の磁石が型枠側可動部に固定されている場合に は、型枠側可動部が磁石対の反発力による上昇動と重力による下降動との繰り返 しにより上下方向に振動し、また磁石対を横方向の重合状態に設ける場合には、 重力に代わる弾撥手段もしくは反対方向に作用する別の磁石対を付設する等の必 要手段を講じることにより往復動を繰り返して横方向へ振動し、その振幅および 振動数はそれぞれ供給電流の密度および周期により制御される。

【０００７】 両磁石が電磁石から構成される磁石対の場合は、両磁石に極性が逆となるよう に振動電流もしくは脈動電流を供給することにより、両磁石の対向磁極が同一極 性となり、周期的に強力に反発する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例について詳細に説明する。 本考案の締固め用振動装置の適用対象としてのコンクリート製品成型装置とし ては、例えば図１に示すように、基台１の上部に振動機２，２を介設した状態の もとに振動台３を設けるほか、この振動台３の上部にはコンクリート製品成型用 の複数の型枠４を取り付けたテーブル５をローラコンベヤ（図示せず）等の輸送 手段により搬入並びに搬出することができるようにすると共に、振動台３とテー ブル５とをクランプ手段（図示せず）により固定することができるようにし、型 枠４内の生コンクリートの締め固めに際して振動機２，２を駆動して型枠側可動 部の振動台３を上下方向に振動させるようにした型式を採択する。

【０００９】 上記型式のコンクリート製品成型装置に対する本考案の特殊構成としては、振 動機２について、例えば図２のように、比較的薄型の永久磁石６と電磁石７とを その永久磁石６の磁極が上下方向となるような重積状態に設けると共に、電磁石 ７には永久磁石６に対して反発する方向のパルス等の脈動電流を供給する電源回 路８を接続し、これにより型枠側可動部即ち振動台３を供給パルスの周期および パルス幅に応じた期間において、磁石対の反発により上昇させると共に重力によ り下降させ、このような上下動の繰り返しにより振動台３並びに型枠４を数１０ ０〜数１０００回／分の振動数のもとに振動させるようにする。

【００１０】 振動機２について、図３のように、比較的薄型の電磁石７と９とを重積状態に 設けると共に、両電磁石７と９とにはそれぞれそれらが互いに反発する方向のパ ルス等の脈動電流を供給する電源回路８，８を接続し、これにより振動台３を供 給パルスの周期およびパルス輻に応じた期間において、磁石対の反発により上昇 させると共に重力により下降させ、このような上下動の繰り返しにより振動台３ 並びに型枠４を振動させるようにしてもよく、なおこの場合の供給電流について は、同一周波数の交流を逆位相のもとに供給することによってもパルス供給の場 合と同様に振動を得ることができるのである。

【００１１】 以上のほか、前記振動機２の軸心部分には非磁性体のガイド軸１０を基台１に 固設すると共に、永久磁石６，電磁石７，９にはガイド軸１０に対応した嵌合孔 １１を設け、永久磁石６，電磁石９をガイド軸１０の案内のもとに摺動するよう にし、これにより振動台３の横ずれを防止するようにするのがよく、また別に図 １のように振動台３の周囲の適宜位置と基台１における取付座１２，１２との間 に互いに反発する関係の磁石対を設け、これにより摺擦部分のない非接触型のガ イド１３，１３を構成して振動台３の横ずれを防止するようにしてもよい。

【００１２】 なお基台１と振動台３との間には、例えば図１のように、前記振動機２の両磁 石が接触もしくは僅かな間隙が生じる程度に保つことができる強度の空気ばね， 磁石ばね，金属製ばね等の緩衝部材１４，１４を設け、あるいは前記振動機２の 両磁石間に僅かな間隙が生じる程度に保つことができるストッパ１５，１５を設 け、これにより振動を停止した場合に振動機２に機械的衝撃が加わるのを防止す るようにするのが望ましい。

【００１３】 図２の実施例における電磁石７のコイルに対して供給する電流については、図 ４の（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）のように断続的な電流もしくは脈動的な電 流でよく、また図３の実施例における電磁石７のコイルに供給する電流および電 磁石９のコイルに供給する電流については、図５の（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ ｅ）のようにそれぞれ逆極性の断続的な電流あるいは脈流もしくは逆位相の交番 電流でよい。

【００１４】 上記実施例は上下方向に振動する場合であるが、本考案は振動方向が横方向の 場合あるいは傾斜した方向の場合においても上下方向の振動の場合と同様に適用 することができること当然である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、次のような効果がある。 ａ．コンクリート製品成型装置における基台と型枠側可動部との中間に介設する 振動機として、これを少なくとも一方が電磁石からなる磁石対により構成すると 共に、電磁石には磁石対が互いに反発する方向の振動電流もしくは脈動電流を供 給するようにしたから、簡単な構成のもとに、振幅，振動数等を任意にコントロ ールすることができ、従って各種コンクリート製品に対し最適な条件のもとに振 動による締固めを行うことができる。 ｂ．偏心錘を電動機により回転させる従来の振動機に比較して、保全の必要性が 少なくて足り、なお磁石の斥力作用利用型の非接触式ガイドを付設することによ り、保全の必要性がほとんどなく、保守コストが著しく安価となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の締固め用振動装置を適用したコンクリ
ート製品成型装置の正面図である。

【図２】一実施例における振動機の縦断面図である。

【図３】他の実施例における振動機の縦断面図である。

【図４】振動機に供給する電流の波形図である。

【図５】振動機に供給する電流の波形図である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ 振動機 ４ 型枠 ７ 電磁石 ８ 電源回路 １３ 非接触式ガイド

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台（１）と型枠（４）側可動部との中
   間に振動機（２）を介設して型枠（４）内の生コンクリ
   ートを締固めるようにしたコンクリート製品成型装置に
   おいて、前記振動機（２）として少なくとも一方が電磁
   石（７）からなる磁石対により構成すると共に、前記電
   磁石（７）には磁石対が互いに反発する方向の振動電流
   もしくは脈動電流を供給する電源回路（８）を接続した
   ことを特徴とするコンクリート製品成型装置における締
   固め用振動装置。
2. 【請求項２】 電磁石（７）に電流を供給する電源回路
   （８）としてパルス電流を出力する電源回路を採択した
   請求項１のコンクリート製品成型装置における締固め用
   振動装置。
3. 【請求項３】 磁石の斥力作用利用型の非接触式ガイド
   （１３），（１３）を付設した請求項１または請求項２
   のコンクリート製品成型装置における締固め用振動装
   置。