JPH0739794Y2 - ロールボックスパレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、各種物品等の荷役、輸送、保管を行うための
ロールボックスパレットに関するものである。

〈従来の技術〉 ロールボックスパレットは周知の通り、キャスタ付きの
台車上にパイプあるいはパネル等の主として３面の囲い
部材が折り畳み自在に設けられ、各種の物品を搭載して
荷役、輸送、保管を行うものである。

このようなロールボックスパレットにおいて、上下方向
に所要の間隔で棚板が掛け止めされ、例えば、植木鉢等
を棚板に載せて輸送している。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このロールボックスパレットに複数段の棚板を掛け止め
する手段としては、ロールボックスパレットを格納する
ときには折り畳む関係で、着脱可能とする必要があり、
そのために両側面囲い部材の前方と後方とに棚板を載架
する棚受具が設けられている。

この場合、棚板のピッチを変更するときには、その都度
棚板を持ち上げて所定位置の棚受具をセットして載架さ
せる面倒な作業を必要とする。

また、ロールボックスパレットを折り畳んで格納すると
きには、棚板を取り外して格納する必要があり、別個に
棚板を格納するスペースを要するばかりでなく、棚板が
紛失したりする問題がある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は上記従来の問題点を解消したロールボックスパ
レットを提供するもので、その特徴とする構成は、底板
が折り畳み可能に取付けられ、かつキャスタを備えたフ
レーム上に両側面と奥面との３面の囲い部材が互いにヒ
ンジで折り畳み可能に連結されたロールボックスパレッ
トにおいて、前記両側面の囲い部材の前方上下方向に内
側回転では水平位置に、外側回転では囲い部材と平行に
位置する複数個の前面棚受具を所定の間隔で配置し、前
記両側面囲い部材と奥面囲い部材とのヒンジ部の隅角部
に中央に上下方向に貫通した案内溝を有し、この案内溝
を中央にして一方の上下方向の面に前記複数個の前面棚
受具と対応する位置に前傾凹溝を、他方の上下方向の面
には前記前傾凹溝の複数ピッチ間隔で後傾凹溝を設けた
後面棚支持部材を固設し、前記前面棚受具と後面棚支持
部材に載架される棚板は、その後方両側面に前記後面棚
支持部材の前、後傾凹溝に支持される鍔付軸部材が突設
されているものである。

〈作用〉 本考案は上記の構成により、棚板を載架するときは、棚
板の前方を前面棚受具に掛け止めし、棚板の後方は、そ
の両側面に突設した鍔付軸部材を後面棚支持部材の前傾
凹溝に支持する。

棚板位置の掛け変えは、棚板の前方を持ち上げて鍔付軸
部材を前傾凹溝から外すと、必然的に中央の案内溝に入
り、所要の前傾凹溝まで滑らせて選択した前傾凹溝に鍔
付軸部材を支持させ、これと対応する前面棚受具に棚板
前方を掛け止めする。

また、ロールボックスパレットを格納するために折り畳
むときには、棚板の前方を前面棚受具から外して複数の
棚板を前傾凹溝と後傾凹溝とに振り分けて支持すること
により、棚板は鍔付軸部材を枢支点にして自重で囲い部
材と平行な面で垂れ下がり、囲い部材に支持された状態
でロールボックスパレットと一体的に格納するものであ
る。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
及び第２図において、１はロールボックスパレットであ
り、周知の通り、底板２が折り畳み可能に取付けられ、
かつキャスタ3aを備えたフレーム３上に左右両側面の囲
い部材4a、4bと奥面の囲い部材4cが互いにヒンジ５で連
結され、折り畳み自在に設けら、使用時には開き止めサ
イドバー６が両側面の囲い部材4a、4b間に掛け止めされ
た構造である。囲い材4a、4b、4cは図例ではパイプフレ
ームによるものであるが、パネル等のものもある。

本考案は上記のようなロールボックスパレット１におい
て、前記両側面の囲い部材4a、4bの前方上下方向に複数
個の前面棚受具７を所定の間隔で配置し、前方両側面囲
い部材4a、4bと奥面の囲い部材4cとのヒンジ５部の隅角
部に後面棚支持部材８を固設している。

前記前面棚受具７は第６図で示すように、ストッパを兼
ねた取付け板7aに軸7bにより内外側方向に回転可能に枢
支され内側回転では水平位置に、外側回転では囲い部材
4a、4bと平行に位置するようにした構造である。

また前記後面棚支持部材８は第２図、第３図及び第４図
で示すように、中央に上下方向に貫通した案内溝8aを有
し、この案内溝8aを中央にして一方の上下方向の面に前
記複数個の前面棚受具７と対応する位置に前傾凹溝8b
を、他方の上下方向の面には前記前傾凹溝8bの複数ピッ
チ間隔で後傾凹溝8cを設けた構造である。

前記前面棚受具７と後面棚支持部材８に載架される棚板
９は第５図で示すように、その後方両側面に前記後面棚
支持部材８の前、後傾凹溝8a、8bに支持される鍔9a付の
軸部材9bが突設された構造のものである。

本考案は上記の通りの構造であるから、棚板９を載架す
る場合は、前面棚受具７を内側に回転して水平に位置
し、棚板９の後方の軸部材9bを後面棚支持部材８の案内
溝8aに挿入所定位置の前傾凹溝8bに係合支持させ、棚板
９の前方を前記前面棚受具７に掛け止めする。この要領
で複数段の棚板９を載架するものである。

また、上記載架された棚板９の上下位置を変更する場合
は、棚板９の前方を前面棚受具７より持ち上げて後方に
押動することにより、後方の軸部材9bは前傾凹溝8bの傾
斜角度で中央の案内溝8aに必然的に案内される。この案
内溝8aに案内された軸部材9bは案内溝8a内を自由に上下
摺動するため、棚板９は上下方向に自由に移動し、所望
の位置の前傾凹溝8bに軸部材9bを係合支持することによ
り棚板７の後方位置が変更設定され、次いで、その位置
と対応する前面棚受具７を内側に回転し、これに棚板９
の前方を掛け止めすることにより棚板９の上下位置変更
が得られる。

さらに、両側面及び奥面の囲い部材4a、4b、4cを折り畳
んでロールボックスパレット１を格納する場合は、前方
両側面及び奥面面の囲い部材4a、4b、4cの折り畳みの前
に棚板９の前方を持ち上げて前方棚受具７を外側に回転
し、そのまま持ち上げを解放すると、棚板９は後方の前
傾凹溝8bに支持されている軸部材9bを支点にして自重で
前方が下方に回転し、奥面の囲い部材4cと平行な面で垂
れ下がる。そこで、複数の棚板９の全てを前傾凹溝8bの
支持状態で垂れ下げると、上下の棚板９同志が重なるた
め、これを避けるために一部の棚板９は後傾凹溝8cに軸
部材9bを掛け変えすることにより、複数の棚板９は重合
することなく平行な状態で吊り下げられる。

従って、棚板９は奥面の囲い部材4cに取付けられた状態
で格納され、折り畳まれて格納されるロールボックスパ
レット１と常に一体となっている。尚、後傾凹溝8cは第
３図の実線で示すように前傾凹溝8bと同位置に設けても
よいが、仮想線で示すように、前傾凹溝8bとずれた位相
差持たせて設けると軸部材9bの掛け変え操作を容易にす
ることができる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、底板が折り畳み可能に取
付けられ、かつキャスタを備えたフレーム上に両側面と
奥面との３面の囲い部材が互いにヒンジで折り畳み可能
に連結されたロールボックスパレットにおいて、前記両
側面の囲い部材の前方上下方向に内側回転では水平位置
に、外側回転では囲い部材と平行に位置する複数個の前
面棚受具を所定の間隔で配置し、前記両側面囲い部材と
奥面囲い部材とのヒンジ部の隅角部に中央に上下方向に
貫通した案内溝を有し、この案内溝を中央にして一方の
上下方向の面に前記複数個の前面棚受具と対応する位置
に前傾凹溝を、他方の上下方向の面には前記前傾凹溝の
複数ピッチ間隔で後傾凹溝を設けた後面棚支持部材を固
設し、前記前面棚受具と後面棚支持部材に載架される棚
板は、その後方両側面に前記後面棚支持部材の前、後傾
凹溝に支持される鍔付軸部材を突設した構成であるか
ら、棚板の載架及び掛け変え操作が迅速、容易に行うこ
とができると共に、ロールボックスパレットを折り畳ん
で格納するときには、棚板も囲い部材の折り畳み状態に
不都合な影響を与えることなく囲い部材に吊り下げ格納
を可能とし、常にロールボックスパレットに付随されて
いるため、棚板の格納場所を別個に必要とせず、棚板の
紛失も回避することができる利点を有し、極めて実用的
なロールボックスパレットを提供するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案のロー
ルボックスパレットの正面図、第２図は同側面図、第３
図は後面棚支持部材の一部側面図、第４図は同平面図、
第５図は棚板の平面図、第６図は前面棚受具の斜視図で
ある。 １…ロールボックスパレット、２…台車、３…キャス
タ、4a、4b、4c…囲い部材、５…ヒンジ、７…前面棚受
具、８…後面棚支持部材、8a…案内溝、8b…前傾凹溝、
8c…後傾凹溝、９…棚板、9a…鍔、9b…軸部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底板が折り畳み可能に取付けられ、かつキ
   ャスタを備えたフレーム上に両側面と奥面との３面の囲
   い部材が互いにヒンジで折り畳み可能に連結されたロー
   ルボックスパレットにおいて、前記両側面の囲い部材の
   前方上下方向に内側回転では水平位置に、外側回転では
   囲い部材と平行に位置する複数個の前面棚受具を所定の
   間隔で配置し、前記両側面囲い部材と奥面囲い部材との
   ヒンジ部の隅角部に中央に上下方向に貫通した案内溝を
   有し、この案内溝を中央にして一方の上下方向の面に前
   記複数個の前面棚受具と対応する位置に前傾凹溝を、他
   方の上下方向の面には前記前傾凹溝の複数ピッチ間隔で
   後傾凹溝を設けた後面棚支持部材を固設し、前記前面棚
   受具と後面棚支持部材に載架される棚板は、その後方両
   側面に前記後面棚支持部材の前、後傾凹溝に支持される
   鍔付軸部材が突設されていることを特徴とするロールボ
   ックスパレット。