JPH0739275U - モータの冷却構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水性能を犠牲にすることなく、モータ作動
時に発生する熱を速やかに外部に放散することができ、
モータの過熱を未然に防止することができるモータの冷
却構造を提供する。 【構成】 モータ１のアーマチュアシャフト７の軸芯部
に、当該アーマチュアシャフト７を縦貫する貫通孔７ａ
を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、モータのアーマチュアシャフトの構造に係わり、さらに詳しくは 、アーマチュアからの放熱性を向上させることによってモータの作動時に発生す る熱をモータ外部に速やかに放散させて、モータの温度上昇を防止するのに利用 されるモータの冷却構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、モータの作動に伴って発生する熱を放散させるためのモータの冷却構造 としては、例えばモータのケーシングに放熱フィンを設けたり、あるいはモータ のアーマチュアシャフトに冷却用のファンを取付け、モータ内部に空気を流すこ とによってモータ内部を強制冷却するようにしたものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記冷却構造のうち、モータケーシングに放熱フィンを設けた モータにおいては、モータのアーマチュアで発生した熱がモータケーシングを介 して放熱されるという間接的な冷却となることから、冷却効率が必ずしも良いも のではないという問題点がある。

【０００４】 また、冷却ファンによる強制冷却の場合には、モータケーシングに空気を取入 れる通気孔を設けているので、防水性に難点があり、このような冷却構造を採り 入れたモータは、その取付け場所が限定されるという問題点があり、これら問題 点の解消がこのようなモータの冷却効率を向上させ、モータの性能を長期にわた って良好に維持するための課題となっていた。

【０００５】

【考案の目的】

この考案は、従来のモータの冷却構造における上記課題に着目してなされたも のであって、防水性能を犠牲にすることなく、モータ作動時に発生する熱を速や かに放散することができ、モータの過熱を未然に防止することのできるモータの 冷却構造を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わるモータの冷却構造は、モータのアーマチュアシャフトの軸芯 部に、当該アーマチュアシャフトを縦貫する貫通孔を設けてなる構成としており 、この考案に係わるモータの冷却構造の望ましい実施態様としては、前記貫通孔 を備えたアーマチュアシャフトの内面に凹凸を設けてなる構成としており、モー タの冷却構造における上記構成を前述した従来の課題を解決するための手段とし たことを特徴としている。

【０００７】

【考案の作用】

この考案に係わるモータの冷却構造においては、モータのアーマチュアシャフ トの軸芯部に貫通孔が設けてあるので、アーマチュアシャフトの外気との接触面 積が増え、モータの作動時にアーマチュアで発生したアーマチュアシャフトの貫 通孔から直接外部に放散されることからモータが速やかに冷却され、モータの過 熱が未然に防止されることになる。

【０００８】 すなわち、この考案は、アーマチュアで生じた熱を放散させるには、アーマチ ュアシャフトから直接放熱させることが最も効率的であることに着目してなされ たものであって、当該アーマチュアシャフトはそのほとんどがモータケーシング 内に収納されて外部への露出面積が少なく、放熱面が限定されているために速や かに放熱させることができないので、アーマチュアシャフトに当該シャフトを縦 貫する貫通孔を設けることによって外気との接触面積を増加させ、アーマチャア シャフトからの放熱性を向上させたものと言うことができる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案を実施例に基づいて具体的に説明する。

【００１０】 図１（ａ）および（ｂ）は、この考案に係わるモータの冷却構造を示す説明図 であって、図１（ａ）に示すモータ１は、円筒形をなすモータヨーク２と、該モ ータヨーク２の両端部に取付けられたエンドカバー３および４から構成されるモ ータケーシング内に、アーマチュア５とコンミテータ（整流子）６とアーマチュ アシャフト７からなるロータを収納しており、当該ロータのアーマチュアシャフ ト７は、前記モータケーシングの両エンドカバー３および４によって回転自在に 支持されている。

【００１１】 前記ロータのコンミテータ６には、ブラシ８が当接しており、図示しない外部 配線を介して当該ブラシ８に給電することによって、前記アーマチュアシャフト ５に電流が流れ、前記ロータが回転するようになっている。

【００１２】 前記アーマチュアシャフト７の軸芯部には、当該アーマチュアシャフト７を縦 貫する貫通孔７ａが形成してあり、図１（ｂ）は、当該アーマチュアシャフト７ の断面形状を示す拡大図である。

【００１３】 このような構造を有するモータ１においては、外部配線からブラシ８およびコ ンミテータ６を介して前記アーマチュア５に給電がなされると、ロータが回転す ると共に、前記アーマチュア５を流れる電流の一部が熱に変ることからロータの 温度が徐々に上昇し始めるが、この熱はアーマチュアシャフト７の貫通孔７ａか ら速やかに放散されるので、ある程度の昇温ののちはそれ以上高温となることは なく、モータ１の過熱が未然に防止され、所期のモータ性能が長期にわたって維 持されることになる。

【００１４】 なお、上記実施例においては、アーマチュアシャフト７に単純な円形の貫通孔 ７ａを設けた例を示したが、該貫通孔７ａを備えた中空アーマチュアシャフト７ の内面上に、図２に示すようなアーマチュアシャフト７の長手方向に沿ったセレ ーション状の凹凸、あるいは図３に示すようならせん状の凹凸などを設けること も必要に応じて望ましく、これによってアーマチュアシャフト７の外気との接触 面積がさらに増加し、放熱性をより一層向上させることが可能になる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係わるモータの冷却構造は、上記構成、すな わちモータのアーマチュアシャフトに貫通孔を設けたものであるから、モータの 作動に伴ってアーマチュアに発生する熱を速やかに外部に放散させることができ 、モータの過熱を未然に防止し、所期のモータ性能を長期にわたって維持するこ とができるという極めて優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）この考案に係わるモータの冷却構造の一
実施例を適用したモータの縦断面図である。 （ｂ）図１（ａ）に示したモータのアーマチュアシャフ
トの形状を示す拡大横断面図である。

【図２】（ａ）図１に示したアーマチュアシャフトの他
の形状例として内面にセレーション状の凹凸を設けた例
を示すアーマチュアシャフトの縦断面図である。 （ｂ）図２（ａ）に示したアーマチュアシャフトの横断
面図である。

【図３】（ａ）図１に示したアーマチュアシャフトのさ
らに他の形状例として内面にらせん状の凹凸を設けた例
を示すーアマチュアシャフトの縦断面図である。 （ｂ）図３（ａ）に示したアーマチュアシャフトの横断
面図である。

【符号の説明】

１ モータ ７ アーマチュアシャフト ７ａ 貫通孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータのアーマチュアシャフトの軸芯部
   に、当該アーマチュアシャフトを縦貫する貫通孔を設け
   てなることを特徴とするモータの冷却構造。
2. 【請求項２】 前記貫通孔を備えたアーマチュアシャフ
   トの内面に凹凸を設けてなることを特徴とする請求項１
   記載のモータの冷却構造。