JPH073875U - スポット溶接装置 - Google Patents

スポット溶接装置

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JPH073875U
JPH073875U JP3267593U JP3267593U JPH073875U JP H073875 U JPH073875 U JP H073875U JP 3267593 U JP3267593 U JP 3267593U JP 3267593 U JP3267593 U JP 3267593U JP H073875 U JPH073875 U JP H073875U
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秀雄 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中間電極を用いたスポット溶接装置におい
て、運転経費の低減と溶接作業性の改善を図る。 【構成】 対向配置された一対の電極1,2のうちのい
ずれか一方の電極2側に中間電極10を介在させるよう
したスポット溶接装置において、上記中間電極10の先
端面を単一の溶接打点を覆い得る面積を有するワーク当
接面12aとし、またその後端面を電極当接面11fとす
るとともに、支持部材7により上記ワーク3に接離する
方向に移動可能で且つ移動軸線回りに非回動状態で支持
させる。かかる構成により、ワーク3の中間電極10側
の面においては、電極押圧力が上記中間電極10により
被接合部材4,5の溶融部分の外側の非溶融部分で支持
されることで溶接痕の発生がなくなる。また、溶接作業
中における中間電極10の不用意な回動がないことから
該中間電極10のワーク当接面12aとワーク3との密
着性が良好に維持され、信頼性の高い溶接が実現され
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本願考案は、ワークを挟んで接離可能に対向配置された一対の電極のうちの一 方の電極と上記ワークとの間に中間電極を介在させるようにしたスポット溶接装 置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スポット溶接装置は、接離可能に対向配置された一対の電極間に相互に接合さ れる複数枚の被接合部材からなるワークを配置し、該ワークをその両側から上記 一対の電極で押圧挟持して該両電極間に所定の電圧を印加することで上記ワーク の各被接合部材間を局所的に溶融させて接合させるものである。従って、この場 合、両電極によってワークの溶融接合部分に押圧力がかけられていることでこの 溶接部分の両面側にそれぞれ凹状の溶接痕ができる。
【0003】 ところで、近年、特に自動車分野においては、ユーザーの高級嗜好の影響を受 けて、自動車部品をスポット溶接にて製作する場合、特に外部に露出して人目に つく部分の溶接痕は自動車の商品価値の低下につながるため極力排除することが 要求されている。
【0004】 かかる背景から、例えば、実開平2ー148786号公報には、スポット溶接 に際して、ワークの溶接痕が嫌われる側の面とこれに対応する電極との間に裏金 部材として銅等の良導電性材料からなる厚板状の中間電極を介在させ、該中間電 極を介して一対の電極でワークを押圧挟持し且つこの電極間に電圧を印加すると で該中間電極側に溶接痕を発生させることなく上記ワークの各被接合部材を局所 的に溶接する技術が提案されている。即ち、中間電極とワークとを広い範囲に亘 って接触させてワークの溶融部分の外側の非溶融部分で上記電極による押圧力を 支持することで、該溶融部分に局部的に押圧力がかるのを回避し、これにより溶 接痕の発生を未然に防止するようにしたものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、このような厚板状の中間電極を用いてスポット溶接を行う場合、上 掲公知例にも開示されるように、該中間電極は、これを複数の溶接打点を同時に 覆い得るような大きさに形成するとともに、特にそのワーク側への当接面の面形 状を該ワークの面形状に合致させるのが通例である。ここで、中間電極を複数の 溶接打点を同時に覆い得るような大きさに形成するのは、各溶接打点毎に中間電 極の着脱作業を行うとすれば作業の段取り替えに時間がかかって作業能率が低下 するため、複数溶接打点に対して一回の段取り替え作業で中間電極の配置が完了 するようにするためである。また、中間電極のワーク側への当接面の面形状を該 ワークの面形状に合致させるのは、各溶接打点においてワークと中間電極とが確 実に密着していないと正常なナゲット(被接合部材間に生じる溶融金属層)ができ ず、事後剥離が起こることも考えられるので、これを防止するためである。
【0006】 一方、スポット溶接は、一対の電極間に電圧をかけてその抵抗熱によってワー クの被溶接部を接合するものであり、理論的には最も接触抵抗の大きい部分、即 ち、一対の電極を結ぶ直線上に位置するワークの被接合部材相互間の接触点のみ が溶融し、中間電極とワークとの間には抵抗熱は発生しないはずである。しかし 、実際には、上記溶融部分からの伝導熱を受けるため連続的に溶接が行なわれる ような場合には該中間電極が高温となり長期の使用中、次第にこれが損耗するこ とになる。また、このように中間電極が損耗した場合には、該中間電極とワーク との間に隙間が生じるため、ここにアークが発生し、該中間電極の損耗がさらに 増長される等の悪循環が生じることも考えられる。
【0007】 従って、かかる状態に至った時には、中間電極の面形状とワークの面形状の合 致状態を回復すべく、該中間電極を再加工することが必要となる。しかし、この 場合、例え上述の如き不都合が発生している部分が中間電極によってカバーされ る複数の溶接打点のうちの一つであったとしても、該中間電極が厚板状であるが ために、この不都合の生じる部分のみを選択的に再加工して中間電極全体をワー クの面形状に合致させるということは不可能であり、従って、例え複数の溶接打 点のうちの一つに再加工を行えば良い場合であっても、該中間電極全体を再加工 しなければならず、この結果、メンテナンス工数が嵩んで運転経費が高くつく等 の問題が生じるおそれがある。
【0008】 そこで本願考案は、中間電極を用いたスポット溶接装置において、メンテナン ス性を良好ならしめもって運転経費の低減を図るとともに、併せて溶接作業にお ける作業性の向上等をも図らんとしてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願考案ではかかる課題を解決するための具体的手段として、請求項1記載の 考案では、ワークをその板厚方向に挟む方向に接離可能なる如く一対の電極を対 向配置するとともに、該一対の電極のうちのいずれか一方の電極はこれを直接上 記ワークに当接させ、他方の電極はこれを中間電極を介して上記ワークに当接さ せるようにしたスポット溶接装置において、上記中間電極は、その先端面を単一 の溶接打点を覆い得る面積を有するワーク当接面とし、またその後端面を電極当 接面1とするとともに、支持部材により上記ワークに接離する方向に移動可能で 且つ移動軸線回りに非回動状態で支持されていることを特徴としている。
【0010】 請求項2記載の考案では、請求項1記載のスポット溶接装置において、上記中 間電極を、上記支持部材に支持される電極本体と、該電極本体の先端部に着脱自 在に取り付けられるとともにその先端面を上記ワーク当接面としたチップとで構 成したことを特徴としている。
【0011】 請求項3記載の考案では、請求項1または2記載のスポット溶接装置において 、上記支持部材に対して上記中間電極を複数個取り付けるとともに、該複数の中 間電極の各ワーク当接面の面形状を、上記ワークの上記各中間電極が対応する部 位の面形状にそれぞれ合致せしめことを特徴としている。
【0012】
【作用】
本願各考案ではかかる構成とすることによってそれぞれ次のような作用が得ら れる。
【0013】 請求項1記載の考案では、一方の電極の押圧方向前方位置に配置されると ともに支持部材により電極押圧方向に移動可能で且つ移動軸線回りに非回動状態 で支持された中間電極のワーク当接面と、これに対向配置された他方の電極との 間にワークを配置する。この状態で、上記一対の電極をそれぞれ接近方向に移動 させ、上記一方の電極で中間電極の電極当接面を押圧してこれを前方へ押し出し てそのワーク当接面をワークの一方の面に押圧当接させ、また他方の電極をワー クの他方の面に直接押圧当接させて、該中間電極と他方の電極との間でワークを 挟持する。ここで、上記一対の電極間に所定の電圧を印加することで、上記中間 電極を介して上記一対の電極間に電流が流れ、最も接触抵抗の大きいワークの各 被接合部材の接合部分が抵抗熱により溶融して両者が溶着されるものである。
【0014】 この場合、ワークの中間電極が配置された側の面においては、該中間電極のワ ーク当接面が単一の溶接打点を覆い得る面積、具体的にはナゲットの横断面積よ りも大きい面積を有していることから、該ワークの中間電極側の面においては被 接合部材の溶融部分の外側の非溶融部分で上記電極による押圧力が支持されるこ とから、該面には溶接痕が生じず、他方の電極側の面のみに溶接痕が生じること になる。
【0015】 また、上記中間電極のワーク当接面の面形状はこれに対応するワークの面と密 着させる必要上、該ワークの面形状が非平面(例えば、曲面形状)である場合には これに合致させるべく非平面形状に形成されるが、この場合、上記中間電極が支 持部材に非回動状態で支持されていることから、溶接作業中に上記中間電極が回 動してワーク面と中間電極のワーク当接面との密着性が損なわれるというような ことが確実に回避されるものである。
【0016】 請求項2記載の考案では、上記記載の作用に加えて次のような特有の作 用が得られる。即ち、上記中間電極が支持部材に支持される電極本体と該電極本 体の先端に取り付けられてワーク当接面を形成するチップとの分割構造とされて いるので、例えば、長期の使用により上記ワーク当接面が次第に摩滅した場合に は、チップのみを新品に取り替えたり、あるいはこのチップを再加工することで 、上記電極本体になんら手を加えることなく再使用が可能となる。
【0017】 請求項3記載の考案では、上記または記載の作用に加えて次のような 特有の作用が得られる。即ち、支持部材に対して中間電極が複数個取り付けられ ており、しかも該各中間電極のワーク当接面がそれぞれ対応するワークの面形状 に合致せしめられているので、上記支持部材をワークに対して一回位置決めすれ ば、順次一対の電極を各中間電極側に移動させることで複数の溶接打点に対して 溶接を行うことができ、従来の厚板状の中間電極を用いる場合と同様の作業性が 確保されるものである。
【0018】 また、この場合、各溶接打点毎に中間電極が設けられていることで、例えば、 複数の溶接打点のうちのいずれか一つにおいてワークとの密着性が損なわれて良 好な溶接が確保できなくなったような場合には、この問題の生じている中間電極 のみの取り替えること、あるいはそのチップを再加工することによって、他の中 間電極にはなんら手を加えることなく、全溶接打点について良好な溶接性を回復 させることができるものである。
【0019】 さらに、上記各中間電極がワークの複数の溶接打点にそれぞれ対応して配置さ れていることから、特に手作業で溶接ガンを操作して溶接を行う場合においては 、作業者は各中間電極に対して電極を当てがうことで確実に各溶接打点に対して 溶接を行うことができ、例えば、従来の厚板状中間電極を使用する場合のように 作業者が溶接ガンの操作に先だって上記中間電極の溶接打点と思われる位置にマ ークをつけ、このマークを目印に溶接ガンを移動させるような必要がなくなるも のである。
【0020】
【考案の効果】
従って、本願各考案のスポット溶接装置によればそれぞれ次のような効果が得 られる。
【0021】 (a) 請求項1記載のスポット溶接装置によれば、単一の溶接打点を覆い得る 面積のワーク当接面をもつ中間電極を使用することで、該中間電極側のワーク面 における溶接痕を防止できることで、製品としての溶接成形品の商品価値が高め られる。
【0022】 また、溶接作業中における中間電極の不用意な回動に起因するワーク面と中間 電極のワーク当接面との密着性の低下が防止されることから、信頼性が高く且つ 精度の良い溶接部を得ることができるものである。
【0023】 (b) 請求項2記載のスポット溶接装置によれば、上記(a)記載の効果に加えて 、中間電極を支持部材に支持される電極本体とワーク当接面を有するチップとの 分割構造とすることで、例えば、長期の使用によりワーク当接面が摩滅したよう な場合には、チップのみを新品に取り替えたり、あるいはこのチップを再加工す ることで、上記電極本体になんら手を加えることなく再使用が可能となることか ら、例えば、中間電極全体を取り替えるような場合に比して、運転経費の低減が 図れるという効果も得られるものである。
【0024】 (c) 請求項3記載のスポット溶接装置によれば、上記(a)及び(b)記載の効果 に加えて、支持部材に複数の中間電極を取付け且つそれらの各ワーク当接面をワ ークの面形状に合致させることで、一回位置決め作業により複数の溶接打点に対 して連続的に溶接を行うことができ、高い溶接作業性を確保することができると いう効果がある。
【0025】 また、各溶接打点毎に中間電極を設け且つ該各中間電極毎にメンテナンスがで きるようにしていることから、従来の厚板状の中間電極を使用する場合のような 各溶接打点毎のメンテナンスが不可能な場合に比して、メンテナンスコストの低 減が図れるものである。
【0026】 さらに、各中間電極をワークの複数の溶接打点にそれぞれ対応して配置するこ とで、特に手動溶接時においては各溶接打点への的確な溶接が可能となり、信頼 性が高く且つ精度の良好な溶接が可能となり、延いては溶接製品の品質向上にも 寄与し得るものである。
【0027】
【実施例】
以下、本願考案のスポット溶接装置を添付図面に基づいて具体的に説明すると 、図1には本願考案の実施例にかかるスポット溶接装置Zの要部が示されている 。このスポット溶接装置Zは、溶接ガン(図示省略)に相互に接離可能に対向配置 された第1電極1と第2電極2と、後述の中間電極アセンブリ9とを備えている 。
【0028】 上記中間電極アセンブリ9は、図1及び図2に示すように、支持フレーム6に 対して固定ボルト8,8,・・により着脱自在に固定された平板状の中間電極ホル ダー7(特許請求の範囲中の支持部材に該当する)に、後述の中間電極10を所定 の配置パターンで複数個(この実施例では5個)取り付けて構成される。
【0029】 中間電極10は、図3及び図4に示すように、電極本体11とチップ12との 二分割構造とされている。
【0030】 上記電極本体11は、上記各電極1,2よりも大径の銅製ロッド体で一体構成 されるものであって、その軸方向の中段部に位置する胴部11aを上記中間電極 ホルダー7に対する支持部とする一方、その先端部11bはこれを先端側に向っ て次第に縮径するテーパー状に形成し、ここに後述のチップ12を装着し得るよ うにしている。また、電極本体11の後端部11cは、上記胴部11aよりも所定 寸法だけ大径に形成され、その後端面は上記第1電極1が当接する電極当接面1 1fとされている。尚、この後端部11cと上記胴部11aとの連続部には、肩部 11dが形成されている。
【0031】 また、上記電極本体11には、上記後端部11cの外周面から上記先端部11b の先端面11eにかけてL字状に貫通形成された二本の冷却水通路23,23が設 けられるとともに、該各冷却水通路23,23の後端部11c側の端部にはそれぞ れ冷却水入口管21と冷却水出口管22が装着されている。
【0032】 このように構成された電極本体11は、上記中間電極ホルダー7に形成した取 付穴37に圧入固定されたブッシュ15に対して、上記中間電極ホルダー7の下 面側から上記先端部11bを上方へ向けた状態で軸方向に摺動可能に嵌挿される ことで該中間電極ホルダー7側に支持されている。そして、この支持状態におい ては、上記胴部11aの端部寄りに設けたストッパー17で下方への抜け止めが 行なわれるとともに、上記ブッシュ15と上記肩部11dとの間に縮装配置した スプリング18により常時下方へ付勢されている。従って、この電極本体11は 、その軸方向に外力が作用しない状態(図3の状態)においては、上記ストッパー 17とブッシュ15とが係合した最下端位置(以下の説明においては、この時の 電極本体11、即ち、中間電極10の位置を後退位置という)に位置せしめらる 。これに対して、上記電極当接面11fに上記第1電極1を介して上方への押圧 力がかけられた場合には、電極本体11は上記スプリング18を縮小変位させて 上方へ移動する(以下、この電極本体11の最上昇位置を前進位置という)。
【0033】 さらに、この電極本体11と上記ブッシュ15との間には、該電極本体11と ブッシュ15との相対回転(即ち、電極本体11と中間電極ホルダー7との相対 回転)を規制するためのキー16が設けられており、該電極本体11のブッシュ 15に対する回転方向における相対位置は該電極本体11の進退変位に拘わらず 常時一定に維持されることとなる。
【0034】 上記チップ12は、銅製の円形キャップ体で一体構成されるものであって、そ の頂面はワーク当接面12aとされる。そして、このワーク当接面12aは、これ が対応するワーク3の面形状に合致する形状とされる。尚、この実施例において 、図1に示すように、ワーク3は大きな曲率半径をもつ湾曲面とされているので 、ワーク当接面12aもこのワーク3の面形状に沿った湾曲面とされている。そ して、その場合における該ワーク当接面12aのチップ軸心に直交する面への投 影面積は、ワーク3の一つの溶接打点を覆い得る大きさ(具体的には、該ワーク 3に形成されるナゲット部分を含んでその外側の所定範囲までを覆い得る大きさ )に設定される。
【0035】 また、このチップ12の内周側は、上記電極本体11の先端部11bに対して 密接嵌合し得るテーパー面をもつテーパー穴12bとされており、該チップ12 は該テーパー穴12bを上記電極本体11の先端部11bに押圧嵌合させることで 該電極本体11側と一体化され、該電極本体11の先端面11eとの間に所定大 きさの空室24を形成する。尚、ここで、上記チップ12を電極本体11の先端 部11bに嵌合固定するに際しては、該チップ12のワーク当接面12aの面形状 が上記ワーク3の対応する部分の面形状に合致する如くその周方向の相対位置が 厳密に設定される。従って、上述のように上記電極本体11が中間電極ホルダー 7に対して相対回動が規制された状態で支持されていることから、該中間電極ホ ルダー7とワーク3との相対位置が正確に設定された状態においては、常に上記 ワーク当接面12aとワーク3との適正な対応が確保されることになる。
【0036】 ところで、この実施例においては、上記中間電極ホルダー7には、上述の如き 構成を有する5個の中間電極10,10,・・が、ワーク3側の溶接打点に沿って 併置されるが、その場合、各中間電極10,10,・・のチップ12のワーク当接 面12aは、それぞれワーク3の対応する部分の面形状に合致するようにその面 形状が設定されることは勿論であるが、特にこの実施例においては、図1に示す ように、ワーク3のセット状態において該ワーク3と各中間電極10,10,・・ のワーク当接面12a,12a,・・との間隔がほぼ一定となるように上記電極本体 11の先端部11bの長さ寸法を調整している。従って、本願考案の他の実施例 においては、この間隔調整をチップ12の軸方向の長さ調整によって行うことも 、あるいはかかる間隔調整をすることなく各中間電極10,10,・・の各部の寸 法を一定に設定して該各ワーク当接面12a,12aとワーク3との間隔を順次異 ならせるようにすることも可能である。
【0037】 続いて、上述の如く構成されたスポット溶接装置Zを使用して、二枚の被接合 部材4,5を積層してなるワーク3に対してスポット溶接を行う場合を例にとっ て、その場合の手順等について説明すると、先ず最初に、床面側に固定された上 記支持フレーム6と中間電極ホルダー7との相対位置を調整し、該中間電極ホル ダー7に取り付けられた各中間電極10,10,・・とこれらにそれぞれ対応する ワーク3の各溶接打点との上下方向及び平面方向における相対位置を正確に決め る。
【0038】 次に、第1電極1と第2電極2とをそれぞれ後退させ、該第2電極2と各中間 電極10,10,・・(即ち、中間電極アセンブリ9)との間に所定大きさのワーク セット用空間を形成した状態で、該セット用空間にワーク3を配置し且つこれを セット台(図示省略)に固定する。これで準備作業が完了する。尚、このワーク3 のセット作業に際しては、比較的大きなセット用空間が設けられていることから 、該ワーク3と中間電極10あるいは第2電極2との干渉による該ワーク3の損 傷を未然に防止することができ、特に溶接痕が嫌われる中間電極10側の面に損 傷が発生しないことで製品の歩留りが良好となるものである。
【0039】 次に、上記第1電極1と第2電極2とを使用して、各溶接打点に対して順次ス ポット溶接を行う。即ち、図1に鎖線図示するように、例えば、五つの溶接打点 のうち、中央の溶接打点に対して最初にスポット溶接を行う場合には、上記中間 電極アセンブリ9の中央の中間電極10の所へ第1電極1と第2電極2とを移動 させ、然る後、この第1電極1と第2電極2とをそれぞれ接近方向に移動させる 。この場合、ワーク3の上面側の被接合部材4においては、上記第2電極2が接 近してこれが直接当接されるが、下方側の被接合部材5においては、先ず第1電 極1が中間電極10側に移動してその電極当接面11fに当接し、該中間電極1 0をそのまま押し上げることで該中間電極10が被接合部材5側に移動してその チップ12のワーク当接面12aが被接合部材5に当接せしめられるものである 。そして、上記第2電極2と中間電極10とがともにワーク3の被接合部材4及 び被接合部材5に当接した後、両電極1,2間に所定の押圧力をかけて上記ワー ク3を上記第2電極2と中間電極10との間で挟持させるとともに、上記両電極 1,2間に所定の電圧を印加する。
【0040】 この両電極1,2間への電圧の印加により、上記ワーク3と中間電極10を介 して上記両電極1,2間に電流が流れ、その導電経路中において最も接触抵抗の 大きい上記ワーク3の被接合部材4と被接合部材5の接触部に抵抗熱が発生し、 該部分が溶融して接合が行なわれるものである。この場合、被接合部材4側にお いては、第2電極2が直接当接し且つ溶融部分に大きな押圧力がかけられること で溶接痕が生じる。しかし、被接合部材5側においては、上記チップ12のワー ク当接面12aがワーク3の溶融範囲(即ち、ナゲットの横断面積部分)よりも大 きな面積を有していることから、上記押圧力は溶融部分ではなくてその外側の非 溶融部分において支持されることで溶接痕の発生が防止されるものである。即ち 、一方の面に溶接痕のない溶接成形品を得ることができるものである。
【0041】 所定の通電時間が経過し溶接が完了すると、上記各電極1,2をそれぞれ後退 させて次の溶接打点に対する溶接に備えるが、この各電極1,2の後退により上 記中間電極10はこれに対する外力が消滅するため、上記スプリング18のバネ 力によってその前進位置側から後退位置に自動復帰され、既に後退している第2 電極2とこの中間電極10との間にセット用空間を再び形成する。
【0042】 このような一対の電極1,2による溶接作業を残りの四つの溶接打点(即ち、残 りの四つの中間電極10,10,・・が対応する部位)に順次行うことで、五つの 溶接打点の全てにスポット溶接が施されるものである。そして、全溶接打点への 溶接が終了すると、上記ワーク3をセット台から取り外すが、この場合、上述の ように各電極1,2の後退に伴って自動的に第2電極2と中間電極10との間に セット用空間が形成されるので、該ワーク3をこの第2電極2あるいは中間電極 10に接触させることなく(即ち、干渉による損傷を生じることなく)取り外すこ とができ、それだけ製品の品質が良好に維持され、延いては製品の歩留りが良好 となるものである。
【0043】 ところで、上述の如くして各溶接打点にスポット溶接が行なわれる場合、上記 各中間電極10,10,・・が、中間電極ホルダー7に対して非回動状態とされて いるため、各溶接打点ともにワーク3と中間電極10のワーク当接面12aとが 密着した状態での溶接が確保され、これにより精度の高い且つナゲットが良好に 形成され強度上の信頼性が高い溶接成形品を得ることができるものである。
【0044】 さらに、長期の使用により上記各中間電極10,10,・・のいずれかの消耗が 他のものに比して大きくなり、そのワーク当接面12aとワーク3との密着状態 が低下しその中間電極10による溶接打点の信頼性が損なわれるようになったよ うな場合には、該中間電極10におけるワーク3との密着状態を回復させること が必要となる。この場合、この実施例のものにおいては、不都合の生じている中 間電極10のみについて、しかもそのチップ12を新しいものに取り替えること 、あるいはこのチップ12を再加工することで、それ以外の各中間電極10,1 0,・・になんら手を加えることなく中間電極アセンブリ9全体としての性能回 復を図ることができるものである。従って、例えば、従来のように厚板状の中間 電極を使用するスポット溶接の場合のように、中間電極によってカバーされる複 数の溶接打点のうちのいずれか一つの溶接打点に不都合がある場合でも該中間電 極を全体的に再加工しなければならないものに比して、中間電極10,10,・・ のメンテナンスが容易であるとともに、メンテナンス工数も少なくて良く、それ だけメンテナンスコストが低下し、延いてはスポット溶接装置全体としての運転 経費の低減が図れるものである。
【0045】 また、上述の如く各中間電極10,10,・・を順次使用してこれら各中間電極 10,10,・・に対応する溶接打点にスポット溶接を行う場合、上記冷却水入口 管21に冷却水を供給し、該冷却水を冷却水通路23を介して空室24から冷却 水出口管22側に循環させる。このようにチップ12の背面側の空室24に冷却 水が導入されることで該チップ12の昇温が効果的に防止され、該チップ12の 熱害による損耗が可及的に防止され、該チップ12の耐久性が向上し、また該チ ップ12の交換頻度の減少によりスポット溶接装置の運転経費の低減が図れるも のである。
【0046】 さらに、中間電極アセンブリ9の各中間電極10,10,・・が、ワーク3の各 溶接打点に対応して配置されているので、例えば、厚板状の中間電極を使用する 従来のスポット溶接装置の如く作業に先だって中間電極に溶接打点の目印をつけ るというような必要がなく、それだけ作業の簡略化、作業性の向上が図れるとと もに、各溶接打点に対して的確に溶接を施すことができることから作業上の信頼 性が向上するものであり、かかる利点は特に手動溶接において顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案の実施例にかかるスポット溶接装置の
要部正面図である。
【図2】図1のII-II矢視図である。
【図3】図2のIII-III断面図である。
【図4】図3のIV-IV矢視図である。
【符号の説明】
1は第1電極、2は第2電極、3はワーク、4及び5は
被接合部材、6は支持フレーム、7は中間電極ホルダ
ー、8は固定ボルト、9は中間電極アセンブリ、10は
中間電極、11は電極本体、11fは電極当接面、12
はチップ、12aはワーク当接面、15はブッシュ、1
6はキー、17はストッパー、18はスプリング、21
は冷却水入口管、22は冷却水出口管、23は冷却水通
路、24は空室、37は取付穴である。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークをその板厚方向に挟む方向に接離
    可能なる如く一対の電極を対向配置するとともに、該一
    対の電極のうちのいずれか一方の電極はこれを直接上記
    ワークに当接させ、他方の電極はこれを中間電極を介し
    て上記ワークに当接させるようにしたスポット溶接装置
    であって、 上記中間電極は、その先端面が、単一の溶接打点を覆い
    得る面積を有するワーク当接面とされ、またその後端面
    が電極当接面とされるとともに、支持部材により上記ワ
    ークに接離する方向に移動可能で且つ移動軸線回りに非
    回動状態で支持されていることを特徴とするスポット溶
    接装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記中間電極は、上
    記支持部材に支持される電極本体と、該電極本体の先端
    部に着脱自在に取り付けられるとともにその先端面を上
    記ワーク当接面としたチップとで構成されていることを
    特徴とするスポット溶接装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、上記支持部
    材に対して上記中間電極が複数個取り付けられるととも
    に、該複数の中間電極の各ワーク当接面の面形状が、上
    記ワークの上記各中間電極が対応する部位の面形状にそ
    れぞれ合致せしめられていることを特徴とするスポット
    溶接装置。
JP3267593U 1993-06-17 1993-06-17 スポット溶接装置 Pending JPH073875U (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012076124A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Honda Motor Co Ltd 間接給電式溶接装置
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