JPH0738411U - 空調および排煙用ダクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建造物等に設備される、継目フランジを備え
た空調および排煙用ダクトであって、火災時等の高温に
おいて断熱性および遮断性を発揮する。 【構成】 このダクトは継目フランジを備え、この継目
フランジ内にガスケットを挟着して組み立てられ、前記
ガスケットの少なくとも一方の面に、および／または前
記継目フランジの少なくとも一方の接合面に被覆材を形
成して構成される。この被覆材は高温でカーボン化され
る化合物および高温でガスを放出して前記カーボン化さ
れた化合物を膨張する化合物を主成分として含有する。
これが高温に置かれると、カーボン化されて熱の伝導が
低減化され、かつガスの発生によりカーボン化された化
合物を膨張してフランジ間のすき間が完全に補われ、こ
の結果、断熱性および遮断性が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建造物等に設備される空調および排煙用ダクトに係り、詳細には、継 目フランジを備え、この継目フランジ間にガスケットを挟着して組み立てられ、 ダクトからのガス漏れを防止する空調および排煙用ダクトに係り、特に火災時に おいて断熱性および遮断性を発揮する空調および排煙用ダクトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

建造物等に設備される空調および排煙用ダクトは通常、図１に示されるように 、継目フランジ１を備えたパーツ２を該フランジ１部分でガスケット３を介して 互いに連結することにより組み立てられ、フランジ部からの空気漏れを防ぐこと を目的としている。この種のガスケットは火災時に不燃性を有することが必要で ある。

【０００３】 上述のダクトに用いられるガスケットとして従来、クロロプレンゴムスポンジ 、ポリ塩化ビニル樹脂スポンジ等の有機系材料からなるもの、ロックウールフエ ルト、バルキー化工されたガラス繊維等の無機系材料からなるもの等が知られて いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

しかし、前者の有機系材料からなるガスケットでは、不燃性を有しているとは 言えず、また、後者の無機系材料からなるガスケットでは、不燃性を有している ものの、高価であるのみならず、特に火災時における断熱性や遮断性については 必ずしも充分とは言えない。

【０００５】 そこで、本考案の目的は継目フランジを備え、この継目フランジ間にフランジ 部分からの空気漏れを防ぐ目的でガスケットを挟着して組み立てられる空調およ び排煙用ダクトにおいて、特に火災時において断熱性および遮断性を発揮し、前 述の公知技術に存する欠点を改良した空調および排煙用ダクトを提供することに ある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

前述の目的を達成するため、本考案によれば、継目フランジを備え、この継目 フランジ間にガスケットを挟着して組み立てられる空調および排煙用ダクトにお いて、前記ガスケットの少なくとも一方の面に、および／または前記継目フラン ジの少なくとも一方の接合面に被覆材を形成してなり、この被覆材が高温でカー ボン化される化合物および高温でガスを放出して前記ガーボン化された化合物を 膨張する化合物をそれぞれ主成分として含有することを特徴する。

【０００７】

【考案の具体的説明】

以下、本考案を添付図面を用いて詳述すると、図１は本考案にかかるダクトの 分解斜視図であり、図２は組み立ての終了した本考案にかかるダクトの完成斜視 図であり、図３は図２におけるフランジ部分の断面図である。

【０００８】 図１に示されるように本考案にかかるダクト５は継目フランジ１、１を備え、 この継目フランジ間にガスケット３を挟着して組み立てられる。これを詳述する と、ガスケット３はパーツ２、２…２の対向する継目フランジ１、１間に配置さ れ、具体的には図示しないが、いずれか一方の継目フランジ１面に貼り付けるこ とにより配置され、次いで、図２に示されるように、対向する両フランジ１、１ を合わせ、押さえ金具４によって両フランジ１、１を連結することにより、パー ツ２、２…２が連結され、ダクト５が組み立てられる。このとき、ガスケット３ は図３に示されるように、継目フランジ１、１間に挟着されている。

【０００９】 上述のガスケット３はクロロプレンゴムスポンジ、ポリ塩化ビニル樹脂スポン ジ等の有機系材料を基材とするが、この有機系材料に限らず、ロックウールフエ ルト、バルキー化工されたガラス繊維等の無機系材料であってもかまわない。

【００１０】 本考案はガスケット３の一方の面３ａ、または両方の面３ａ、３ａ、および／ または継目フランジ１、１の一方の接合面１ａ、または両方の接合面１ａ、１ａ に被覆材６を形成することを特徴とする。図３はガスケットの一方の面３ａ、ま たはフランジ１の一方の接合面１ａに被覆材６を形成した例の断面図である。

【００１１】 前述の被覆材６は火災時等の高温でカーボン化される化合物および前述の高温 でガスを放出して前述カーボン化された化合物を膨張する化合物を主成分として 含有する。前者の高温でカーボン化される化合物としては、でんぷん、グリコー ス、フエノール樹脂、ペンタエリスリトール、尿素樹脂等が挙げられ、これらの 一種を単独で、あるいは複数種を併せて使用に供せられる。後者の高温でガスを 放出する化合物としては種々の酸化物が挙げられるが、特にリン酸系化合物が用 いられる。

【００１２】 このような被覆材６は、主成分である上述の二成分にラテックス、でんぷん、 ビニル系等のウオーターボーンタイプのポリマーを結合剤として含有しせめ、さ らに必要に応じて無機系充填剤を含有せしめ、これに水を加えて固形分量を50〜 70％に調整して液状コーテイング材とし、この液状コーテイング材をガスケット 面３ａや、接合面１ａに塗布し、乾燥してフイルム状とすることによりガスケッ ト面３ａあるいは接合面１ａ上に形成される。

【００１３】

【作用】

上述の構成からなる本考案にかかるダクト５は継目フランジ１、１間にガスケ ット３が挟着された状態で火災等の高温中に置かれると、被覆材６がカーボン化 されて熱の伝導が低減され、このため断熱性を呈することになる。さらに、被覆 材６はガスを発生して前記カーボン化された化合物を膨張せしめ、このためフラ ンジ１、１間のすき間を補って遮断性を完全にし、すき間からの煙のもれを完全 に防止すると同時に、ダクトの外側から内側への煙や火の侵入をも防止する。

【００１４】

【考案の効果】 以上のとおり、本考案にかかるダクトはガスケットの少なくとも一方の面に、 および／または継目フランジの少なくとも一方の接合面に被覆材を形成し、この 被覆材が高温でカーボン化される化合物および高温でガスを放出して前記カーボ ン化された化合物を膨張する化合物を主成分として含有するから、特に火災時に おいて、断熱性および遮断性を発揮し、空調および排煙用ダクトとして最適であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるダクトの分解斜視図である。

【図２】組み立ての終了した本考案にかかるダクトの完
成斜視図である。

【図３】図２におけるフランジ部分の断面図である。

【符号の説明】

１ 継目フランジ １ａ 接合面 ２ パーツ ３ ガスケット ３ａ 面 ４ 押さえ金具 ５ ダクト ６ 被覆材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ１６Ｌ 23/02 (72)考案者 石井 光彦 千葉県市原市藤井367−１ (72)考案者 牛山 泰 東京都武蔵野市御殿山２−１−５

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 継目フランジを備え、この継目フランジ
   間にガスケットを挟着して組み立てられる空調および排
   煙用ダクトにおいて、前記ガスケットの少なくとも一方
   の面に、および／または前記継目フランジの少なくとも
   一方の接合面に被覆材を形成してなり、この被覆材が高
   温でカーボン化される化合物および高温でガスを放出し
   て前記カーボン化された化合物を膨張する化合物をそれ
   ぞれ主成分として含有することを特徴とする空調および
   排煙用ダクト。
2. 【請求項２】 前記高温でカーボン化される化合物がで
   んぷん、グリコース、フエノール樹脂、ペンタエリスリ
   トールおよび尿素樹脂の群から選択される一種またはそ
   れ以上の化合物である請求項１の空調および排煙用ダク
   ト。
3. 【請求項３】 前記高温でガスを放出して前記カーボン
   化された化合物を膨張する化合物がリン酸系化合物であ
   る請求項１の空調および排煙用ダクト。
4. 【請求項４】 請求項１の被覆材がさらに結合剤を含有
   してなる請求項１の空調および排煙用ダクト。