JPH0737872U

JPH0737872U - 駆動装置付運搬車

Info

Publication number: JPH0737872U
Application number: JP6944993U
Authority: JP
Inventors: 藤正光内; 方利郎押
Original assignee: Taisei Corp
Current assignee: Taisei Corp
Priority date: 1993-12-27
Filing date: 1993-12-27
Publication date: 1995-07-14

Abstract

(57)【要約】【目的】路面条件の悪い工事現場等で、廃材などの運搬
手段として利用される運搬車を、運搬物の積載重量や、
搬送路の状態に対応して自走行、人力走行の使い分けが
できる構成とし、運搬物の効率的な運搬を可能とする駆
動装置付運搬車を提供することを目的とする。【構成】手押式運搬車と、駆動装置５ｅを有する無限軌
道車輪５とからなる運搬車であって、前記駆動装置を有
する無限軌道車輪５は、前記手押式運搬車の荷台３下面
に、昇降装置４を介して装備させた駆動装置付運搬車
１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建設廃棄物などの運搬車に係り、特に、手押し手段と自走手段が適宜使い分けることのできる駆動装置付運搬車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、廃棄物などの運搬車には、手押式のキャリヤ運搬車をはじめリヤカーなどの手押式のものと、駆動装置を装備した自走式のものが知られている。手押式のいわゆるキャリヤ運搬車は、作業者が人力で所定位置まで搬送するようになっているのが普通である。また、キャリヤ運搬車に代わるリヤカーなどの運搬車もあるが、いずれも人力により運搬物を搬送するものである。また、駆動装置を有する自走行式の運搬車には、バッテリー等からの電源により駆動モータを作動し、運転するものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記した従来の手押式運搬車も自走式運搬車にも、以下に述べるような問題点があった。まず、手押式のキャリヤ運搬車は、車輪の直径が１５０ｍｍと小さく、搬送路の段差や、エレベータと設置床の溝などの障害が存在すると、運搬物を積載したままでは、人力であるため、容易にその障害を越えることができず、運搬に支障をきたし、効率的な運搬作業を確保する上で難点があった。

【０００４】その点リヤカーは、車輪の直径が大きく搬送路に多少の段差や、エレベータとその設置面との溝が存在しても、容易にその障害を越えていけるが、リヤカーの積載重量が大きくなると、前記手押式のキャリヤ運搬車と同様に人力であるため、作業者が複数で押さない限り、動かすことが困難となる場合があった。

【０００５】また、電動キャリヤは、バッテリーを駆動源として自走するが、キャリアの車輪径が小さく、搬送路に段差などの障害があると、その障害を乗り越えるためには、不都合である。また、電動キャリヤを使用中は、バッテリーの電力を常に消費し、搬送路に障害が多く存在する場合は、消費電力も大きくなり、バッテリーの使用時間が減少する。

【０００６】いずれにしても、従来の手押式運搬車も自走式運搬車も、路面が整備されている場合を想定して構成されている関係上、工事現場等、路面条件の悪い場所で、例えば、建築廃材等の運搬手段として用いるには不適切であった。

【０００７】本考案は、上記の問題点に鑑み創案されたものであり、特に、路面条件の悪い工事現場等で、廃材などの運搬手段として利用される運搬車を、運搬物の積載重量や、搬送路の状態に対応して自走行、人力走行の使い分けができる構成とし、運搬物の効率的な運搬を可能とする駆動装置付運搬車を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、手押式運搬車と、駆動装置を有する無限軌道車輪とからなる運搬車であって、前記駆動装置を有する無限軌道車輪は、前記手押式運搬車の荷台下面に、昇降装置を介して装備させた駆動装置付運搬車として構成した。また、前記手押式運搬車は、その車輪が、いずれも昇降機構を装備している駆動装置付運搬車として構成した。

【０００９】

【作用】

本考案は、上記のように構成したので以下のような作用を有する。積載した運搬物の重量が軽く、かつ、路面条件が良い場所では、運搬車を作業者が人力で押し動かして運搬する。そして、路面条件が悪く、しかも積載重量が重い場合は、昇降装置を作動し、駆動装置を有する無限軌道車輪を荷台下面から降下接地し、その無限軌道車輪を駆動して、いわゆるキャタピラ車として走行させ、運搬作業を行うことができる。なお、車輪を昇降自在とした場合は、車輪の昇降動作により、手押式、自走行式のどちらかを選択的に使用する。したがって、無限軌道車輪は、必要に応じて使用できるため、駆動源の使用時間が少なくて済むため、バッテリーなどの駆動源を小さく構成することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の第１の実施例を図面に基づいて説明する。図１は駆動装置付運搬車の全体を示す側面図、図２は駆動装置付運搬車の背面図である。

【００１１】図１および図２で示すように、駆動装置付運搬車１の構成は、収納ボックス２、荷台３およびキャスターホイール６からなる手押式運搬車と、駆動装置としての駆動モータ５ｄを備える無限駆動車輪５とから成る。そして、前記無限軌道車輪５は、昇降装置４を介して前記荷台３の下面に装備されている。

【００１２】図１で示すように、前記荷台３は、側面視がＬ字形に構成され、その垂直部分にハンドル３ａを取り付け、このハンドル３ａの直下に操作スイッチ３ｂを備えている。この操作スイッチ３ｂは、昇降装置４の操作と、無限軌道車輪の駆動モータ５ｄの操作をするスイッチである。

【００１３】前記キャスタホイール６は、支持脚６ａの下部に車輪ホルダ６ｃを介して車輪６ｂを取り付けており、ハンドル３ａ側下部の車輪ホルダ６ｃ，６ｃは、水平方向に回動できる構成としている。また、前記荷台３の下面には、収納体８に昇降装置４が収納され、この昇降装置４を介して無限軌道車輪５が装備されている。そして、前記収納体８は、側板８ｃおよび取付板８ｂを備えている。そして、この収納体８を昇降ガイド８ａにより荷台３に昇降自在に取り付けている。なお、前記昇降ガイド８ａは、上下限にストッパ８ａ₁、８ａ₂を有し、この両ストッパ間をガイド板８ａ₃がジャッキ４ａの作動と伴に上下動し、ガイド板８ａ₃が上下のストッパ８ａ₁、８ａ₂ に当接すると、リミットスイッチが作動し、ジャッキ４ａの作動を停止する構成としている。

【００１４】前記昇降装置４は、後述する無限軌道車輪５を昇降駆動するジャッキ４ａと、このジャッキ４ａを作動させる作動モータ４ｂを備えており、作動モータ４ｂのシャフト４ｃを回動させることで、ジャッキ４ａの作動を行わせている。前記ジャッキ４ａは、その上端を支持部材４ａ₁を介して、前記荷台３の下部に取り付け、ジャッキ４ａの下端は、支持部材４ａ₂を介して取付板８ｂに取り付けている。また、前記作動モータ４ｂは、昇降により上下前後に移動するため、ジャッキ４ａのスクリュー受け金物を介して、シャフト４ｃに結合されている。

【００１５】前記無限軌道車輪５は、収納体８に支持脚５ｅにより支持され、左右一対の覆帯５ｃ，５ｃと、これら覆帯５ｃ，５ｃを駆動するスプロケット５ａ，５ａと、前記覆帯５ｃ，５ｃの内周側に設けたカバー５ｆを備え、前記取付板８ａに設けた駆動モータ５ｄからの駆動を、駆動ベルトによりスプロケットの回転軸に伝達する構成としている。また、この駆動モータ５ｄの駆動源としてバッテリー７を取付板に備えている。

【００１６】したがって、上記構成の駆動装置付運搬車１を使用する場合は、運搬物を積載し、作業者が、人力で押し動かして運搬車１を搬送する。そして、搬送路中に、段差などの障害が有る場合は、ハンドル３ａ近傍に設置した操作スイッチ３ｂを操作し、昇降装置４を介して無限軌道車輪５を降下接地して、この無限軌道車輪の駆動力により段差や、間隙などの障害を乗り越えて行く。

【００１７】また、運搬車１が障害を通過したら、再び操作スイッチを操作し、昇降装置４を介して無限軌道車輪５を上昇させ、キャスタホイール６により運搬車１を支持搬送する。

【００１８】つぎに、図３で示すように、駆動装置付運搬車１０は、無限軌道車輪１５を固定し、キャスタホイール１６が昇降自在な構成とする実施例を示す。すなわち、運搬車１０の構成は、運搬物の収納ボックス１２と、荷台１３と、この荷台１３に支持脚１５ｅを介して設けた無限軌道車輪１５と、前記荷台１３の四隅に取付部材としての取付フレーム１８を介して昇降自在に設けたキャスタホイール１６ …とから構成されている。そして、前記キャスタホイール１６は、昇降装置１４により、昇降作動されている。

【００１９】前記昇降装置１４は、作動モータ１４ｂと、この作動モータ１４ｂに駆動されるシャフト１４ｃと、このシャフト１４ｃの回転方向により上下に伸縮するジャッキ１４ａとから構成されている。そして、前記ジャッキ１４ａは、その上端部を支持部材１４ａ₁を介して荷台１３に支持し、その下端部を支持部材１４ａ₁ を介して取付フレーム１８に支持している。また、前記作動モータ１４ｂは、昇降ガイド１８ａにより荷台１３に昇降自在に取り付けている。

【００２０】前記取付フレーム１８は、下部側に車輪ホルダ１６ｃにより、車輪１６ｂを回動自在に支持しており、取付フレーム１８の上部側には、キャスタホイールガイド１６ａが、伸縮自在に設けられ、このキャスタホイールガイド１６ａの上端を荷台１３に支持している。

【００２１】また、無限軌道車輪１５は、前記取付フレーム１８の内側位置に支持脚１５ｅを介して設置されており、左右一対の覆帯１５ｂと、この覆帯１５ｂを駆動させるスプロケット１５ａ，１５ａと、覆帯１５ｂのカバー１５ｆと、前記スプロケット１５ａ，１５ａの駆動モータ１５ｄなどを備えている。

【００２２】したがって、この駆動装置付運搬車１０を使用する場合は、ふだんは、昇降装置１４の作動により、キャスタホイール１６を降下させ、このキャスタホイール１６で、運搬車１０を支持して搬送する。そして、搬送路に溝などの障害が有る場合は、昇降装置を作動し、キャスタホイール１６を上昇させる。それに伴って、無限軌道車輪１５で運搬車１を支持し、駆動モータを作動させ、この無限軌道車輪１５の駆動力で、障害となる溝などを通過する。その後、無限軌道車輪１５の駆動力が必要なければ、昇降装置を作動させ、再びキャスタホイール１６で運搬車１０を支持し、作業者の人力により運搬車を搬送する。

【００２３】また、前記昇降装置が作動して荷台１３と、取付フレーム１８の間隔が開くとき、作動モータ１４ｂは、昇降により、上下前後に移動するため、シャフト１４ｃがスクリュー受け金物を介して結合されている。

【００２４】なお、収納ボックスの運搬物を投棄した後は、運搬車１、１０は、キャスタホイール６，１６で支持され人力で搬送されることで、短時間に移動することができる。

【００２５】また、図示していないが、キャスタホイールの車輪には、ブレーキが設置されている。さらに、運搬車は、キャスタホイールおよび無端軌道車輪の両者を昇降自在とすることで、作業者の身長にあわせたハンドルの位置が設定でき、運搬物を積載している場合、作業者の人力が最大限に発揮できるようにすることができる。

【００２６】そして、上記した実施例の昇降装置は、油圧ジャッキ、空気圧ジャッキを使用しても良い。また、駆動モータと作動モータの電源を同じバッテリであっても専用バッテリであっても構わない。さらに、駆動装置は、ガソリンエンジンなどの液体燃料を使用するものであっても良い。そして、キャスターホイールのそれぞれが昇降自在になるように構成しても構わない。

【００２７】

【考案の効果】

以上に述べたように本考案は次の優れた効果を発揮する。駆動装置付運搬車は、無限軌道車輪を昇降自在に備えているため、搬送路中に段差や、溝、ぬかるみなどの搬送上の障害があっても、無限軌道車輪により、それら障害を通過して搬送でき、平坦な搬送路では、キャスタホイールにより搬送でき、必要に応じて、作業者の人力、駆動装置の自走行が選択できる。

【００２８】バッテリーを電源とする無限軌道車輪を使用する場合は、搬送路中に障害があるときのみなので、バッテリーの容量が小さくて済み、経済性に優れている。駆動装置付運搬車は、作業者の手押し、または、駆動力による無限軌道車輪の自走行が必要に応じて選択的に使用できるため、作業者の負担を軽くし、搬送中の事故の原因を減ずることができる。無限軌道車輪、キャスタホイールの両方を昇降自在とすることで、作業者の人力が最大限に発揮できる高さにハンドルを設置できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の駆動装置付運搬車の全体を示す側面図
である。

【図２】本考案の駆動装置付運搬車の背面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す駆動装置付運搬車の
側面図である。

【符号の説明】

１、１０駆動装置付運搬車８、１８
取付部材２、１２収納ボックス３、１３荷台４、１４昇降装置５、１５無限軌道車輪６、１６キャスタホイール７バッテリー

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】手押式運搬車と、駆動装置を有する無限
軌道車輪とからなる運搬車であって、前記駆動装置を有
する無限軌道車輪は、前記手押式運搬車の荷台下面に、
昇降装置を介して装備させたことを特徴とする駆動装置
付運搬車。
【請求項２】前記手押式運搬車は、その車輪が、いず
れも昇降機構を装備している請求項１に記載の駆動装置
付運搬車。