JPH0737309B2 - エレベータかごの操作盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベータかごの操作盤に関し、より詳しく
は、操作盤を備えた表板のロック機構の改良に関するも
のである。

〔従来の技術〕

第５図及び第６図は実開昭58-144568号公報等に示され
た従来のエレベータかごの操作盤を示すもので、図中、
（１）はエレベータかごの出入口を開閉する戸で、この
戸（１）の近傍部には、第６図に示す如く、断面溝形状
の外枠たるケース（２）を立設し、この縦長のケース
（２）の反戸（１）側の一側壁には、複数のヒンジ
（３）の一端部を締結具を用いてそれぞれ螺着してお
り、この複数のヒンジ（３）の他端部には、該ケース
（２）を覆蔽する断面略倒Ｌ字状の表板（４）を取着し
ている。然して、表板（４）は、複数のヒンジ（３）を
介してケース（２）に水平方向に揺動（開放）可能に枢
支されている。また、上記ケース（２）の戸（１）寄り
の他側壁における上部及び下部には、平面略Ｌ字状の螺
子座（５）を溶着し、この複数の螺子座（５）には、螺
子孔（図示せず）をそれぞれ穿設している（第６図参
照）。

（６）は上記表板（４）に設けた操作盤たる多数の操作
釦、（７）は表板（４）に設けた操作盤たる複数の表示
灯で、この複数の表示灯（７）は、エレベータかごの移
動方向を表示する作用を営む（第５参照）。

（８）は表板（４）のケース（２）に対向する内面に止
着したヒンジで、このヒンジ（８）の揺動部には、表板
（４）に設けた孔（図示せず）を開閉自在に閉塞する開
き戸（９）を止着し、この水平方向に揺動自在の開き戸
（９）には、施錠機構（10）を設けており、この施錠機
構（10）の施錠に伴い、開き戸（９）の表板（４）から
水平方向への揺動が拘束されるようになっている（第６
図参照）。

（11）は表板（４）の上下部の螺子孔（図示せず）にそ
れぞれ螺挿した化粧螺子で、この複数の化粧螺子（11）
の螺杆部が上記複数の螺子座（５）の螺子孔にそれぞれ
螺合されることにより、表板（４）がケース（２）に固
定されるようになっている。

従って、複数の化粧螺子（11）が複数の螺子座（５）に
それぞれ螺合されることにより、表板（４）がケース
（２）に固定されることとなる。そして、この固定に際
し、複数の化粧螺子（11）の頭部は、第５図に示す様
に、エレベータかご内にそれぞれ露呈する。

尚、この種の先行技術文献として上記公報の他に、特公
昭55-39518号、実開昭56-32733号、58-180858号、60−1
65355号、及び実公昭59-25813号公報等がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のエレベータかごの操作盤は以上のように構成さ
れ、複数の化粧螺子（11）の頭部がエレベータかご内に
露呈するので、乗客に不快感を与え、意匠の多様性の向
上を図り得なかった。さらに、子供等の悪戯の対象にさ
れ易かった。

この点に鑑み、上記諸公報は、化粧螺子（11）の頭部を
隠蔽して該弊害を除去せんと種々の提案をしているが、
これらの提案では、化粧螺子（11）の頭部を確実に隠蔽
することができず、又隠蔽に成功しても、その効果を大
幅に上回る不利益（保守点検作業の著しい困難化等）を
伴わざるを得なかったので、実施に極めて困難を生じて
いた。

本発明は叙上の点に鑑みなされたもので、簡易な構成で
化粧螺子の隠蔽を図ることができるエレベータかごの操
作盤を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明においては上述の目的を達成するため、エレベー
タかごの戸の近傍部に設けられたケースと、このケース
に揺動自在に支承され当該ケースを覆蔽する操作盤を有
した表板と、この表板の内側部に軸支され上記ケース側
部の爪部材に係合して表板の揺動を拘束する鉛直方向に
揺動自在のラッチと、上記表板の内面に配設されたスイ
ッチケースと、このスイッチケースのガイド部材内に配
置され人為操作に基づき移動して上記ラッチの爪部材に
対する係合を連動解除する操作レバーと、上記表板に設
けられた孔を揺動自在に閉塞し開放されることにより上
記操作レバーに対する人為操作を許容する開き戸とから
エレベータかごの操作盤を構成したことを特徴としてい
る。

〔作用〕

本発明によれば、ケース側部の爪部材に係合して表板の
揺動を拘束する揺動自在のラッチを表板の内側部に軸支
させているので、化粧螺子の省略が可能となり、従っ
て、意匠性の向上及び悪戯の防止を図ることができる。

〔実施例〕

以下、第１図〜第４図に示す一実施例に基づき、本発明
を詳述すると、図中、（12）は上記ケース（２）の他側
壁における上下部に締結具を用いてそれぞれ螺着した爪
部材、（13）は表板（２）の戸（１）寄りの内側部に取
着した縦長の取付台で、この取付台（13）の立面上下部
には、第２図に示す如く、締結具を用いて軸（14）をそ
れぞれ螺着し、この複数の軸（14）には、ラッチ（掛け
金）（15）をそれぞれ鉛直方向に揺動自在に軸支させて
おり、この複数のラッチ（15）の先端の鉤部（15a）
は、第３図に示す如く、上記複数の爪部材（12）にそれ
ぞれ係合して表板（４）の揺動を拘束するようになって
いる。

（16）は上記取付台（13）と複数のラッチ（15）の取付
孔（15b）とに接続した複数の引張り発条で、このコイ
ル状の複数の引張り発条（16）は、第３図に示す様に、
複数のラッチ（15）を下方に弾圧付勢してその鉤部（15
a）を上記爪部材（12）にそれぞれ係合させる機能を営
む。（17）は取付台（13）に締結具を用いて螺着したス
トッパーで、このストッパー（17）は、第２図及び第３
図に示す如く、上方のラッチ（15）の後部に干渉してラ
ッチ（15）の爪部材（12）に対する係合を適正ならしめ
る作用を営む。（18）は複数のラッチ（15）の後部間に
螺子を用いて鉛直に接続したロッドで、このロッド（1
8）は、複数のラッチ（15）の揺動を同期させる機能を
営む。そして、このロッド（18）の中央部には、第４図
に示す如く、鍔部（19）を取着している。尚、第３図に
おける矢印は、ロッド（18）の移動方向を示す。

（20）は表板（４）の内面に取着したスイッチケース
で、このスイッチケース（20）の立面部の開き戸（９）
対向部には、第２図及び第４図に示す様に、螺子を用い
てガイド部材（21）を水平に螺着し、このガイド部材
（21）の溝（21a）内には、人為操作用の操作レバー（2
2）を摺動自在に嵌入しており、この操作レバー（22）
と上記鍔部（19）には、動力伝達用のワイヤロープ（2
3）を螺子を介して接続している。また、上記溝（21a）
内には、操作方向並びに操作結果を表示する矢印及び
「OPEN」の英文字（21b）を設けている（第４図参
照）。そして、上記操作レバー（22）の人為操作は、第
２図に示す如く、開き戸（９）の開放を条件に許容され
るようになっている。

（24）は表板（４）の内面に取着したブラケットで、こ
のブラケット（24）の軸部には第２図及び第４図に示す
如く、プーリ（25）を回動自在に軸支させており、この
プーリ（25）には、上記ワイヤロープ（23）を巻回して
該ワイヤロープ（23）の移動を円滑ならしめている。

尚、（10a）は上述した施錠機構（10）のキーで、その
他の部分については従来例と同様である。

従って、ケース（２）に固定された表板（４）を揺動さ
せるには、開き戸（９）の鍵穴にキー（10a）を挿し込
んで一方向に回し、施錠機構（10）を解錠して開き戸
（９）を開き、操作レバー（22）を第４図示右方向に引
っ張れば良い。すると、ワイヤロープ（23）が移動して
ロッド（18）を下方に移動させ、複数のラッチ（15）が
引張り発条（16）・（16）に抗してそれぞれ揺動し、そ
の鉤部（15a）の爪部材（12）に対する係合を解除して
表板（４）の揺動（開放）を許容する。尚、その後、ラ
ッチ（15）は引張り発条（16）の復元作用に基づき元の
状態に復帰してストッパー（17）に当接させ位置決めさ
れる。

他方、開放された表板（４）をケース（２）に固定する
場合には、表板（４）をケース（２）に向けて手で押す
だけで良い。すると、複数のラッチ（15）の先端が複数
の爪部材（12）に当接後、引張り発条（16）・（16）に
抗して上方に揺動し、その後、鉤部（15a）が爪部材（1
2）に係合して表板（４）をケース（２）に強固に固定
する。然して、その後、開き戸（９）を閉塞し、開き戸
（９）の鍵穴にキー（10a）を挿し込んで他方向に回
し、施錠機構（10）を施錠すれば良い。

以上のように本発明によれば、ケース（２）他側壁の複
数の爪部材（12）にそれぞれ係合して表板（４）の揺動
を拘束する複数のラッチ（15）を視認不可能な表板
（４）の内側部に取付台（13）、及び複数の軸（14）を
介して設けているので、螺子座（５）及び化粧螺子（1
1）を省略することが可能となり、従って、意匠性の著
しい向上、意匠の多様化、及び悪戯の確実な防止が期待
できる。さらに、表板（４）の固定・開放に係る操作を
簡素化できるので、操作性や保守点検作業等の作業性の
著しい向上が可能となる。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、エレベータかごの戸の近
傍部に設けられたケースと、このケースに揺動自在に支
承され当該ケースを覆蔽する操作盤を有した表板と、こ
の表板の内側部に軸支され上記ケース側部の爪部材に係
合して表板の揺動を拘束する鉛直方向に揺動自在のラッ
チと、上記表板の内面に配設されたスイッチケースと、
このスイッチケースのガイド部材内に配置され人為操作
に基づき移動して上記ラッチの爪部材に対する係合を連
動解除する操作レバーと、上記表板に設けられた孔を揺
動自在に閉塞し開放されることにより上記操作レバーに
対する人為操作を許容する開き戸とからエレベータかご
の操作盤を構成しているので、意匠性、操作性、作業性
の向上、意匠の多様化、及び悪戯の防止を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るエレベータかごの操作盤をエレベ
ータかご内から見た図、第２図は第１図のＩ−Ｉ線断面
図、第３図は第２図のII−II線断面図、第４図は第２図
のIII−III線断面図、第５図は従来のエレベータかごの
操作盤を示す第１図相当図、第６図は第５図のIV−IV線
断面図である。 図中、（１）はエレベータかごの戸、（２）はケース、
（４）は表板、（９）は開き戸、（12）は爪部材、（1
5）はラッチ、（20）はスイッチケース、（21）はガイ
ド部材、（22）は操作レバーである。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータかごの戸の近傍部に設けられた
   ケースと、このケースに揺動自在に支承され当該ケース
   を覆蔽する操作盤を有した表板と、この表板の内側部に
   軸支され上記ケース側部の爪部材に係合して表板の揺動
   を拘束する鉛直方向に揺動自在のラッチと、上記表板の
   内面に配設されたスイッチケースと、このスイッチケー
   スのガイド部材内に配置され人為操作に基づき移動して
   上記ラッチの爪部材に対する係合を連動解除する操作レ
   バーと、上記表板に設けられた孔を揺動自在に閉塞し開
   放されることにより上記操作レバーに対する人為操作を
   許容する開き戸とを備えたことを特徴とするエレベータ
   かごの操作盤。