JPH0734820A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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Publication number
JPH0734820A
JPH0734820A JP18099093A JP18099093A JPH0734820A JP H0734820 A JPH0734820 A JP H0734820A JP 18099093 A JP18099093 A JP 18099093A JP 18099093 A JP18099093 A JP 18099093A JP H0734820 A JPH0734820 A JP H0734820A
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JP
Japan
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intake
pin
exhaust valve
drive shaft
control device
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Pending
Application number
JP18099093A
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English (en)
Inventor
Makoto Nakamura
信 中村
Seinosuke Hara
誠之助 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Unisia Jecs Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転条件に適したバルブリフト特性を得ると
ともに、ピン36,37と係合溝30,33との間の摩
耗を防止し、かつ始動性確保を図る。 【構成】 機関と同期回転する駆動軸21の外周に円筒
状カムシャフト22が配設され、カムシャフト22のフ
ランジ部27と駆動軸21に連結固定されたスリーブ2
8のフランジ部32との間に、環状ディスク29が配設
される。環状ディスク29は揺動自在な制御環35によ
り保持されており、両フランジ部27,32の係合溝3
0,33に係合する一対のピン36,37が回転可能に
取り付けられている。環状ディスク29は主に機関回転
速度に応じて駆動機構39により揺動制御され、高速側
ではカムシャフト22等と同心状態を保つ位置に、低速
側では偏心状態となる位置に、択一的に切り換えられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の運転状態
に応じて吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可変制御
する吸排気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変制御する装置は、従来から種々の形式のものが提供さ
れているが、その一つとして例えば実開昭57−198
306号公報に記載されているものがある。
【0003】図9及び図10は、この従来の吸排気弁駆
動制御装置を示すもので、その概略を説明すれば、図中
2は駆動軸1の外周に回転自在に設けられて、吸気バル
ブ16をバルブスプリング17のばね力に抗して開作動
させるカムであって、この円筒状のカム2はカム軸受用
ブラケット3と駆動軸1にキー4を介して固設されたフ
ランジ部5とにより軸方向の位置決めがなされている。
また、カム2の一側部に係合溝6を有するフランジ部7
が形成されている一方、上記フランジ部5にも係合溝8
が形成され、かつ両フランジ部5,7間に円環状のディ
スク9が介装されている。このディスク9は、両側の対
向位置に上記両係合溝6,8に係合するピン10,11
が設けられているとともに、外周が制御環12に回転自
在に保持されている。この制御環12は、外周の突起1
2aを介してシリンダヘッド側の支持孔13に揺動自在
に支持されているとともに、該突起12aの反対側に位
置する歯車部12bがロッカシャフト14外周の歯車環
14aに噛合している。
【0004】そして、上記制御環12は、歯車環14a
及び歯車部12bを介して図外の駆動機構により機関運
転状態に応じて一方あるいは他方向へ揺動するようにな
っている。即ち、ディスク9の中心Cが図9に示す位置
にある場合は、駆動軸1とディスク9との回転中心が一
致し、したがってディスク9は、ピン11と係合溝8を
介して駆動軸1に等速で同期回転し、かつカム2はピン
10と係合溝6を介してディスク9に等速で同期回転す
る。
【0005】また、機関運転状態の変化に伴い駆動機構
によってロッカアーム15を軸支するロッカシャフト1
4を回動させると、制御環12が突起12aを支点とし
て揺動し、これによってディスク9の中心Cが駆動軸1
の中心に対し偏心する。この状態では、係合溝6,8を
有するディスク9とピン10,11とによって一種の偏
心軸継手が構成され、カム2が駆動軸1に従動して回転
するものの、両者の回転速度は不等速となる。つまり、
駆動軸1の1回転の間に、ディスク9の回転位相が駆動
軸1に対して変化し、同時にカム2の回転位相もディス
ク9に対して変化する。したがって、カム2は、駆動軸
1に対し、図11の(a)に破線もしくは一点鎖線で示
すように位相差を生じ、この結果、同図(b)のよう
に、実線で示すバルブリフト特性を、破線もしくは一点
鎖線のように変化させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置にあっては、図11の破線および一点鎖線で示
す間を、機関運転条件に応じて連続的に変化させるよう
にしているため、図9のように3者の中心が一致してい
る同心状態の期間は、実際には運転中ほとんど無く、運
転の大部分の期間では、各ピン10,11と係合溝6,
8との間で滑りを生じるようになる。このため、各ピン
10,11や係合溝6,8の対向内面6a〜8bが摩耗
し易く、経時的に、両者6,8、10,11間に比較的
大きな隙間が発生する。この結果、カムシャフト1の正
負の回転トルク変動に伴い打音が発生したり、バルブタ
イミングのずれが発生して制御精度が低下するといった
問題を生じる虞れがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、機関の回転に
同期して回転する駆動軸と、この駆動軸と同軸上に配設
され、かつ吸排気弁を駆動するカムを外周に有するカム
シャフトと、このカムシャフトの端部に設けられ、かつ
半径方向に沿って係合溝が形成されたフランジ部と、こ
のフランジ部に対向するように上記駆動軸側に設けら
れ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成されたフランジ
部と、上記両フランジ部の間に配設された揺動自在な環
状ディスクと、この環状ディスクの両側部に互いに反対
方向に突設されて、上記両フランジ部の各係合溝内に夫
々係合するピンと、上記環状ディスクを機関運転状態に
応じて揺動させる駆動機構と、を備えた吸排気弁駆動制
御装置において、上記環状ディスクを、上記駆動軸と略
同心な第1制御位置と、所定量偏心した第2制御位置と
に択一的に切換制御することを特徴としている。
【0008】特に、請求項2の発明では、機関高速側で
第1制御位置に、低速側で第2制御位置に制御するよう
にした。
【0009】また請求項3の発明では、上記駆動機構が
油圧式駆動機構からなり、かつ油圧供給時に第1制御位
置に、油圧解除時に第2制御位置となることを特徴とし
ている。
【0010】さらに、請求項4の発明では、摩耗を抑制
するために、上記ピンを環状ディスクの保持孔内に回転
自在に嵌合支持するとともに、上記係合溝の内側面に面
接触するように、ピンの突出部分に平面部を形成した。
【0011】請求項5の発明では、上記ピンの円筒面と
上記平面部との間に生じる段部を一方のフランジ面に当
接させるとともに、上記保持孔を貫通したピンの基端面
を他方のフランジ面に当接させて、該ピンを軸方向に位
置決めするようにした。
【0012】
【作用】環状ディスクの中心が駆動軸の中心と合致して
いる第1制御位置では、カムシャフトは上記環状ディス
ク等を介して駆動軸に同期して等速で、つまり位相差な
しで回転する。この状態では、ピンと係合溝とは、実質
的に滑りを生じない。
【0013】一方、駆動機構によって環状ディスクが一
方向へ揺動した第2制御位置では、環状ディスクの中心
が駆動軸の中心から偏心するため、駆動軸とカムシャフ
トとが不等速で連動するようになり、回転中に位相差を
生じる。したがって、駆動軸側のフランジ部の係止溝と
一方側ピン並びにカムシャフト側のフランジ部の係止溝
と他方側のピンの摺動位置が、駆動軸の1回転毎に移動
する。これにより、バルブタイミングおよびその作動角
が変化する。この第2制御位置では、各ピンが係合溝と
滑りつつ回転力の伝達を行う。
【0014】本発明では、上記第1制御位置と第2制御
位置とが択一的に切換制御されるので、運転時間の中の
かなりの期間でピンと係合溝との滑りがなくなり、その
摩耗が抑制される。特に、回転速度の高い機関高速側で
第1制御位置とすることにより、摩耗抑制の上で一層有
利となる。
【0015】また、駆動機構の油圧解除時に低速側に適
した第2制御位置となるようにすれば、油圧系統の万一
の故障時や油圧が不十分な始動時に、低速側に適したバ
ルブリフト特性となり、運転性悪化や始動性悪化を生じ
ない。
【0016】
【実施例】以下、この発明に係る吸排気弁駆動制御装置
の一実施例を図1〜図6に基づいて説明する。図におい
て、21は図外の機関クランク軸からスプロケットを介
して回転力が伝達される駆動軸、22は該駆動軸21の
外周に一定の隙間をもって配置され、かつ駆動軸21の
中心Xと同軸上に設けられた中空円筒状のカムシャフト
である。上記駆動軸21は、機関前後方向に延設されて
いると共に、中空状に形成されている。またカムシャフ
ト22は、各気筒毎に分割して構成されている。
【0017】上記カムシャフト22は、図示せぬシリン
ダヘッド上端部のカム軸受に回転自在に支持されている
と共に、図2に示すように、外周の所定位置に、吸気弁
23をバルブスプリング24のばね力に抗してバルブリ
フター25を介して開作動させる複数のカム26…が一
体に設けられている。また、カムシャフト22は、上述
したように複数個に分割形成されているが、その一方の
分割端部に、フランジ部27が設けられている。また、
この複数に分割されたカムシャフト22の端部間に、そ
れぞれスリーブ28と環状ディスク29が配置されてい
る。上記フランジ部27は、図4にも示すように、中空
部から半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝30が形
成されていると共に、環状ディスク29の一方の表面に
摺接するフランジ面27aを有している。
【0018】上記スリーブ28は、小径な一端部がカム
シャフト22の他方の分割端部内に回転自在に挿入され
ている共に、駆動軸21外周に嵌合しており、かつ直径
方向に貫通した連結ピン31を介して該駆動軸21に連
結固定されている。また、スリーブ28の他端部に設け
られたフランジ部32は、カムシャフト22側のフラン
ジ部27と対向して位置し、かつ図5にも示すように、
半径方向に沿った細長い矩形状の係合溝33が形成され
ていると共に、外周面に環状ディスク29の他方の表面
に摺接するフランジ面28aを有している。上記係合溝
33は、カムシャフト22側フランジ部27の係合溝3
0と180°異なる反対側に配置されている。
【0019】上記環状ディスク29は、略ドーナツ板状
を呈し、内径がカムシャフト22の内径と略同径に形成
されていて、駆動軸21の外周面との間に環状の隙間部
Sが形成されていると共に、小巾の外周部29aが環状
のベアリングメタル34を介して制御環35の内周面に
回転自在に保持されている。また、互いに180°異な
る直径線上の対向位置にそれぞれ保持孔29b,29c
が貫通形成されており、該保持孔29b,29cには、
各係合溝30,33に係合する一対のピン36,37が
嵌合配置されている。この各ピン36,37は、互いに
カムシャフト軸方向へ逆向きに突出しており、円筒面か
らなる基部が保持孔29b,29c内に回転自在に嵌合
支持されていると共に、環状ディスク29表面から突出
する先端部に、図4及び図5に示すように、上記係合溝
30,33の対向内面30a,30b、33a,33b
と当接する2面巾状の平面部36a,36b、37a,
37bが形成されている。また、上記ピン36,37の
軸方向への位置決めは、突出方向については、ピン3
6,37の円筒面と上記平面部36a,36b、37
a,37bとの間に生じる段部36c,37cとフラン
ジ面27a,28aとの当接により、また後退方向につ
いては、上記保持孔29b,29cを貫通したピン3
6,37の基端面36d,37dとフランジ面28a,
27aとの当接により、それぞれ行われる。
【0020】上記制御環35は、略円環状をなすととも
に、図2に示すように、外周の一部にボス部35aを有
し、該ボス部35aを貫通した揺動軸38を支点とし
て、駆動軸21の軸方向と直交する面に沿って上下に揺
動自在に構成されている。またボス部35aと反対側の
外周面にレバー部35bが半径方向に沿って突設されて
おり、該レバー部35bを介して駆動機構39により揺
動位置が制御されるようになっている。
【0021】上記駆動機構39は、図2及び図6に示す
ように、シリンダヘッドの所定部位に互いに対向して形
成された第1,第2シリンダ40,41と、各シリンダ
40,41内に出没自在に嵌合した油圧ピストン42及
びリテーナ43と、上記第1シリンダ40内に画成され
る油圧室40aに油圧を給排して油圧ピストン42を進
退させる油圧回路44とを備えている。上記油圧ピスト
ン42及びリテーナ43は、互いに対向し、かつ両者の
先端の間で、上記レバー部35bの円弧状先端部を上下
方向から挾持するようになっている。
【0022】上記第2シリンダ41内に設けられたリテ
ーナ43は、略有底円筒状に形成され、第2シリンダ4
1内に配設されたコイルスプリング45のばね力で突出
方向に付勢されている。また、このリテーナ43は、ス
トッパ部41bにより後退位置が規制されるようになっ
ており、このストッパ部41bに当接した最大後退位置
つまり油圧ピストン42の最大突出位置において、環状
ディスク29の回転中心Yと駆動軸21の中心Xとが同
心状態となるように設定されている。尚、図2の符号4
1cはエア抜き孔を示す。
【0023】上記油圧回路44は、一端部が機関のオイ
ルパン46内に、他端部が油圧室40aにそれぞれ連通
した油通路47と、該油通路47のオイルパン46側に
設けられたオイルポンプ48と、該オイルポンプ48の
下流側に設けられた3ポート2位置型の電磁切換弁49
とから主として構成されている。尚、この油圧回路44
は、一般に機関潤滑系統を利用して構成され、オイルポ
ンプ48等を機関潤滑系統と共用したものとなる。上記
電磁切換弁49は、機関回転数や吸入空気量等の運転条
件信号に基づいてコントローラ50により切換制御され
る。具体的には、上記電磁切換弁49のON−OFFの
切換は、図8に示すような特性に沿って行われるように
なっており、低速側の領域AでOFFに、高速側の領域
BでONに、それぞれ制御される。そして、該電磁切換
弁49がON作動すると、油通路47が連通して、油圧
室40aに油圧が供給され、OFF作動すると油通路4
7下流部分とドレン通路51とが連通して油圧を解放す
るようになっている。尚、機関停止時には、電磁切換弁
49は、OFF状態に保たれる。
【0024】次に、上記のように構成された実施例の作
用について説明する。
【0025】先ず、高速側の領域Bでは、上述したよう
に、コントローラ50から電磁切換弁49にON信号が
出力される。これにより、オイルポンプ48から油通路
47に圧送された作動油はそのまま油圧室40aに供給
される。従って、該油圧室40aの内圧上昇に伴い油圧
ピストン42が図2,図6の実線で示すようにコイルス
プリング45のばね力に抗してレバー部35bを限界位
置まで押し下げるので、制御環35つまり環状ディスク
29の回転中心Yと駆動軸21の中心Xが合致する。こ
の場合は、環状ディスク29と駆動軸21との間に回転
位相差は生じず、またカムシャフト22の中心と環状デ
ィスク29の中心Yも合致しているため、両者22,2
9間の回転位相差も生じない。そのため、駆動軸21,
環状ディスク29およびカムシャフト22の3者は、ピ
ン36,37を介して等速で同期回転する。この結果、
図7の(A)の実線に示すようなバルブリフト特性が得
られる。また、このときには、ピン36,37と係合溝
30,33との間で実質的に滑りが生じないようにな
る。
【0026】一方、低速側の領域Aでは、コントローラ
50から電磁切換弁49にOFF信号が出力される。こ
れにより、油通路47の上流側を遮断すると共に、油通
路47の下流側とドレン通路51とが連通される。この
ため、油圧室40a内の油圧が解放され、油圧ピストン
42がバルブスプリング24及びコイルスプリング45
のばね力で後退する。従って、制御環35は、図2,図
6の一点鎖線で示すようにリテーナ43により押し上げ
られる形となり、揺動軸38を支点として上方へ揺動し
て、環状ディスク29の中心Yが駆動軸21の中心Xか
ら偏心する。この状態では、スリーブ28の係合溝33
とピン37並びにカムシャフト22の係合溝30とピン
36との摺動位置が駆動軸21の1回転毎に移動し、環
状ディスク29の角速度が変化する不等速回転になる。
【0027】特に、一方の係止溝33とピン37の摺動
位置が駆動軸21の中心Xに接近する角度領域では、他
方の係止溝30とピン36の摺動位置が中心Xから離れ
る関係になる。この場合は、環状ディスク29は、駆動
軸21に対して角速度が小さくなり、さらに環状ディス
ク29に対しカムシャフト22の角速度も小さくなる。
したがって、カムシャフト22の角速度は、駆動軸21
に対して2重に減速された状態になる。逆に、一方の係
止溝33とピン37の摺動位置が駆動軸21の中心Xか
ら離間する角度領域では、他方の係止溝30とピン36
の摺動位置が中心Xに接近する関係になる。この場合
は、環状ディスク29は、駆動軸21に対して角速度が
大きくなり、さらに環状ディスク29に対しカムシャフ
ト22の角速度も大きくなる。したがって、カムシャフ
ト22の角速度は、駆動軸21に対して2重に増速され
た状態になる。
【0028】これにより、図7の(B)に一点鎖線で示
すように、駆動軸21とカムシャフト22との間で比較
的大きな位相差が与えられる。また、回転位相差の最
大,最小点の途中に同位相点(P点)が存在する。尚、
図7(B)の特性図では、カムシャフト22が相対的に
進む方向の位相差を正に、相対的に遅れる方向の位相差
を負にしてある。そして、カムシャフト22が相対的に
遅れ側となる領域(P1点以前の領域およびP2〜P3
の領域)に位置する吸気弁23の開弁時期は、上記位相
差に伴って遅れることになる。逆に、カムシャフト22
が相対的に進み側となる領域(P1〜P2の領域)に位
置する吸気弁23の閉弁時期は、位相差に伴って進むこ
とになる。従って、図7の(A)に一点鎖線で示すよう
なバルブリフト特性が得られ、その作動角は小さくな
る。
【0029】このように、低速側の領域Aで一点鎖線の
ような特性となることにより、低速域での充填効率が向
上し、低速トルクが増大する。しかも、開弁時期が遅れ
ることで、バルブオーバーラップが小さくなり、アイド
ル時の燃費が良好になるとともに、アイドル安定性が向
上する。
【0030】逆に、高速側の領域Bでは、相対的に作動
角が大きく、閉弁時期が遅いため、高速域での充填効率
が向上する。しかも、バルブオーバーラップ増大による
排気効率向上により、高速域でのトルク,出力が向上す
る。
【0031】そして、上記構成では、領域Aの偏心状態
と領域Bの同心状態とが択一的に切り換えられるので、
ピン36,37と係合溝30,33との間で滑りが生じ
ない期間が占める割合を大きく確保でき、その摩耗を抑
制できる。
【0032】しかも、各ピン36,37が回転自在であ
るとともに、その両側縁が平面部36a,36b,37
a,37bに形成されているため、各係止溝30,33
の対向内面30a,30b、33a,33bと常に面接
触状態で当接し、経時的な摩耗が一層抑制される。
【0033】また、上記実施例では、ピン36,37と
係合溝30,33との摩耗の上で不利な高速域において
同心状態となり、その滑り接触が回避されるので、摩耗
がさらに効果的に抑制される。
【0034】また上記実施例では、油圧室40aへの油
圧供給時に同心状態となり、油圧解放時に偏心状態つま
り低速用バルブリフト特性となる。従って、オイルポン
プ48による発生油圧が十分に高くならない機関始動時
においても、確実に低速用バルブリフト特性に保つこと
ができ、始動性ならびに始動直後の運転性を良好に得る
ことができる。しかも、万一、油圧系統の故障により油
圧を供給できないような場合でも低速用バルブリフト特
性に固定されるため、機関の運転が十分に可能となる。
【0035】尚、本発明は上記実施例の構成に限定され
るものではなく、排気弁側あるいは吸気弁,排気弁の両
方に適用することも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装置によれば、回転
力を伝達する各ピンと係合溝との滑りがない運転期間を
比較的大きな割合で確保することができ、ピンと係合溝
との間の摩耗を抑制できる。
【0037】また、高速側で油圧供給により同心状態と
なるようにすれば、高速時の摩耗促進を防止できるとと
もに、油圧の低い始動時に確実に低速用バルブリフト特
性とすることができ、始動性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す一部破断図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】本実施例の要部を示す平面図。
【図4】図3のB−B線断面図。
【図5】図3のC−C線断面図。
【図6】駆動機構の構成を示す概略図。
【図7】駆動軸とカムシャフトとの回転位相差の特性お
よびバルブリフト特性を対比して示す特性図。
【図8】機関運転条件に対する切換制御の領域を示す特
性図。
【図9】従来の吸排気弁駆動制御装置の断面図。
【図10】図9のD−D線断面図。
【図11】従来の吸排気弁駆動制御装置の回転位相差特
性およびバルブリフト特性を示す特性図。
【符号の説明】
21…駆動軸 22…カムシャフト 27…フランジ部 32…フランジ部 29…環状ディスク 30,33…係合溝 36,37…ピン 36a,36b、37a,37b…平面部 39…駆動機構。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、 この駆動軸と同軸上に配設され、かつ吸排気弁を駆動す
    るカムを外周に有するカムシャフトと、 このカムシャフトの端部に設けられ、かつ半径方向に沿
    って係合溝が形成されたフランジ部と、 このフランジ部に対向するように上記駆動軸側に設けら
    れ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成されたフランジ
    部と、 上記両フランジ部の間に配設された揺動自在な環状ディ
    スクと、 この環状ディスクの両側部に互いに反対方向に突設され
    て、上記両フランジ部の各係合溝内に夫々係合するピン
    と、 上記環状ディスクを機関運転状態に応じて揺動させる駆
    動機構と、 を備えた吸排気弁駆動制御装置において、 上記環状ディスクを、上記駆動軸と略同心な第1制御位
    置と、所定量偏心した第2制御位置とに択一的に切換制
    御することを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 機関高速側で第1制御位置に、低速側で
    第2制御位置に制御することを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 上記駆動機構が油圧式駆動機構からな
    り、かつ油圧供給時に第1制御位置に、油圧解除時に第
    2制御位置となることを特徴とする請求項2記載の内燃
    機関の吸排気弁駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 上記ピンを環状ディスクの保持孔内に回
    転自在に嵌合支持するとともに、上記係合溝の内側面に
    面接触するように、ピンの突出部分に平面部を形成した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃
    機関の吸排気弁駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 上記ピンの円筒面と上記平面部との間に
    生じる段部を一方のフランジ面に当接させるとともに、
    上記保持孔を貫通したピンの基端面を他方のフランジ面
    に当接させて、該ピンを軸方向に位置決めすることを特
    徴とする請求項4記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007198367A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Hitachi Ltd 内燃機関の可変動弁装置
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