JPH0734100A - 固形洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）； （Ａ）界面活性剤 ３５〜９８重量％、 （Ｂ）液状又は半固形油 １〜３０重量％、 （Ｃ）ゲル化剤 ０．０１〜５重量％、 を含有する固形洗浄剤組成物。 【効果】優れた起泡力を有するとともに良好な使用感を
与え、使用時にふやけや溶け崩れがなく、さらに使用後
の皮膚にしっとり感を与え続ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は固形洗浄剤組成物に関
し、さらに詳しくは、使用感に優れ、しかも使用時のふ
やけ、溶け崩れが防止された固形洗浄剤組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
固形洗浄剤には、優れた泡立ちと好ましい使用感を与え
るものが要求されてきている。一般に使用されている石
鹸、例えば高級脂肪酸のアルカリ金属塩は、泡立ちには
優れているものの、アルカリによる刺激があり、また、
すすぎ時に大量の石鹸スカムが肌に付着することにより
つっぱるといった欠点を有している。これらの欠点を是
正するために、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素
等の油分、プロピレングリコール等の保湿剤を配合する
試みがなされている。また、石鹸に合成界面活性剤を配
合したコンビネーションバー、合成界面活性剤を添加剤
（バインダー）で固めたシンデットバー等を得る試みも
なされている。

【０００３】しかし、石鹸に例えば高級脂肪酸を添加し
た場合においても、アルカリ度の低下はわずかであり、
また使用後のつっぱり感はほとんど改良されない。油分
や保湿剤を添加する場合にも、少量の添加では所望の効
果が得られず、また多量に配合すると泡立ちが著しく阻
害され、固形物性に悪影響を及ぼす欠点がある。また、
コンビネーションバーやシンデットバーには、使用時に
溶け崩れ、ふやけ等が生じるという物性上の欠点があ
る。上記ふやけ、溶け崩れ等を防止するためにパラフィ
ンワックス類などを配合した固形洗浄剤が知られてい
る。しかし、これらの添加剤は、少量ではふやけ、溶け
崩れ等を防止するのに十分な効果を示さず、一方、多量
に配合すれば泡立ちを劣化させるという欠点を有してお
り、また、使用後の肌に適度なしっとり感を付与する効
果を示すものではない。

【０００４】そこで、優れた起泡力を有するとともに良
好な使用感を与え、しかも使用時にふやけ、溶け崩れ等
を生じることのない固形洗浄剤組成物の開発が望まれて
いた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、後述する洗浄活性化剤、特
定の油分及びゲル化剤を配合することにより、優れた起
泡力及び使用感を与えるとともに、ふやけや溶け崩れを
起こさず、さらに使用後の皮膚にしっとり感を付与する
固形洗浄剤が得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。

【０００６】すなわち、本発明は下記成分（Ａ）、
（Ｂ）及び（Ｃ）； （Ａ）界面活性剤 ３５〜９８重量％、 （Ｂ）液状又は半固形油 １〜３０重量％、 （Ｃ）ゲル化剤 ０．０１〜５重量％、 を含有することを特徴とする固形洗浄剤組成物を提供す
るものである。

【０００７】本発明に使用される成分（Ａ）の界面活性
剤としては、本発明の固形洗浄剤が、石鹸である場合に
は油脂類の鹸化物又は脂肪酸のアルカリ中和物が、コン
ビネーションバーである場合には上記油脂類の鹸化物又
は脂肪酸のアルカリ中和物及び合成界面活性剤が、さら
にシンデットバーである場合には合成界面活性剤が使用
される。

【０００８】油脂類の鹸化物又は脂肪酸のアルカリ中和
物としては、好ましくは例えば、牛脂、羊脂等に代表さ
れる動物油脂；ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆
油、オリーブ油、綿実油などに代表される植物油脂の各
単独ないし混合物を苛性ソーダで鹸化するか、あるいは
これらの油脂を分解して得られる脂肪酸の各単独ないし
混合物を苛性ソーダ、苛性カリ、アルカノールアミン等
の塩基で中和したものが挙げられる。

【０００９】合成界面活性剤としては、好ましくは例え
ばアシルグリセリルサルフェート、アシルイセチオネー
ト、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルサルフェート、アルキルグリセリルエーテル
スルフォネート、アルキルスルホスクシネート、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルアセテート、Ｎ−アシル
−β−アラニネート、Ｎ−アシルサルコシネート、メチ
ルアシルタウレート、α−スルホ脂肪酸エステル、Ｎ−
アシルグルタメート、アルキルリン酸エステル、アルキ
ルグルコシド、ベタイン、スルホベタイン及びそれらの
混合物からなる群から選択されるものである。

【００１０】成分（Ａ）は、本発明組成物中に３５〜９
８重量％（以下、単に「％」で示す）含有される。

【００１１】本発明に使用される成分（Ｂ）の常温にお
いて液状又は半固形を呈する油分としては、好ましくは
例えば、ワセリン、流動パラフィン、スクワランなどの
炭化水素類、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、ミンク油
などの植物油、脂肪酸トリグリセリド、ジカプリン酸ネ
オペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ミ
リスチン酸イソパルミチル、イソステアリン酸コレステ
リル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ミリスチ
ン酸ジグリセリド等のエステル化油などが挙げられる。
これらは１種又は２種以上を任意に選択して使用でき
る。

【００１２】成分（Ｂ）は本発明組成物中に１〜３０
％、好ましくは２〜２０％含有される。

【００１３】本発明に使用される成分（Ｃ）のゲル化剤
としては、液状又は半固形油に比較的少量（通常１０％
以下）添加したとき、３次元網目構造を形成して、これ
を固化（ゲル化）させうる物質であれば特に限定されな
いが、例えば１２−ヒドロキシステアリン酸；ジベンジ
リデンソルビトール；デキストリンのパルミチン酸、ス
テアリン酸等高級脂肪酸エステル（例えば千葉製粉社
製、レオパール）；ジセチルリン酸アルミニウム等のジ
アルキルリン酸多価金属塩（例えば特公平１−４１１２
２号記載）及びジアルキルリン酸ポリアルミニウム塩
（例えば特開平１−１９３２７８号記載）；ラウロイル
グルタミン酸ジブチルアミド（例えば味の素社製、ＧＰ
−１）；ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸などが
挙げられる。これらは１種でも、２種以上を混合して使
用してもよい。

【００１４】成分（Ｃ）は本発明組成物中に０．０１〜
５％、好ましくは０．０２〜３％含有される。

【００１５】本発明の固形洗浄剤組成物には、組成物の
ゲル化を一層促進するために、さらに成分（Ｄ）として
固形油を配合することが好ましい。固形油としては、好
ましくは例えばカルナウバロウ、キャンデリラロラ等の
天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス等の石油系ワックス、オゾケライト、セレ
シン等の鉱物系ワックス、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸又はミリ
スチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリル
アルコール等の高級アルコール又はラウリン酸モノグリ
セリド、ステアリン酸モノグリセリル等のグリセリン脂
肪酸エステルなどが挙げられる。これらは１種でも、ま
た２種以上を混合して使用してもよい。

【００１６】固形油は、本発明組成物中に１〜３０％含
有せしめることが好ましく、２〜２０％含有せしめるこ
とがさらに好ましい。

【００１７】本発明の固形洗浄剤には上記成分の他に、
必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常
の皮膚洗浄剤の配合成分である高級脂肪酸や高級脂肪酸
エステル、シリコーンなどの過脂肪剤やプロピレングリ
コール、グリセリン等の保湿剤、香料、色素、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、殺菌剤、防腐剤などを配合すること
ができる。

【００１８】本発明の固形洗浄剤組成物である石鹸を製
造するには、前記成分（Ａ）の油脂類の鹸化物及び／又
は脂肪酸のアルカリ中和物を石鹸素地として得た後、こ
れに成分（Ｂ）及び（Ｃ）、さらに必要に応じ、（Ｄ）
並びに他の添加剤を加え、常法に従い、混合、混練、押
し出し、型打ちすればよい。

【００１９】コンビネーションバーを製造するには、前
記成分（Ａ）の油脂類の鹸化物及び／又は脂肪酸のアル
カリ中和物と合成界面活性剤との混合物に成分（Ｂ）及
び（Ｃ）、さらに必要に応じ、（Ｄ）並びに他の添加剤
を加え、常法に従い混合、混練、押し出し、型打ちすれ
ばよい。

【００２０】また、シンデットバーを製造するには、ま
ず、成分（Ａ）の合成界面活性剤に成分（Ｂ）及び
（Ｃ）、さらに必要に応じ、（Ｄ）並びに他の添加剤を
加え、常法に従い混合、混練、押し出し、型打ちすれば
よい。

【００２１】

【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例１〜６及び比較例１〜４

【００２２】表１に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法
に従い製造した。得られたそれぞれの組成物について、
使用時のふやけ及び洗浄後のしっとり感を下記に示す評
価方法及び評価基準により評価した。結果を併せて表１
に示す（表１中Ｂはバランスを意味する）。

【００２３】（ふやけ）各固形洗浄剤組成物について、
同条件下の浴室で２週間使用し、その後の状態を目視で
評価した。評価基準は以下のとおりである。 ◎：全くふやけていない。 ○：あまりふやけていない。 △：ややふやけている。 ×：非常にふやけている。

【００２４】（しっとり感）各固形洗浄剤について専門
パネリスト１０名が官能評価を行なった。評価基準は以
下のとおりであり、結果は平均値で示した。 ５：しっとりする。 ４：ややしっとりする。 ３：どちらともいえない。 ２：あまりしっとりしない。 １：しっとりしない。

【００２５】

【表１】

【００２６】実施例７ 以下に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法に従い製造し
た。

【００２７】

【表２】 （組成） （重量％） 石鹸素地 バランス ラウリン酸グリセリル硫酸ナトリウム １５ ラウリルアミドプロピルベタイン ７ ワセリン ５ １２−ヒドロキシステアリン酸 ０．１ ラウリン酸モノグリセリド ８ ステアリン酸 ２ 顔料 ０．４ 香料 １．２

【００２８】実施例８ 以下に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法に従い製造し
た。

【００２９】

【表３】 （組成） （重量％） ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム バランス ラウリン酸モノグリセリル ２０ ワセリン ５ １２−ヒドロキシステアリン酸 ０．０５ 顔料 ０．５ 香料 １．２

【００３０】実施例９ 以下に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法に従い製造し
た。

【００３１】

【表４】 （組成） （重量％） ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム バランス ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム １０ ラウリン酸モノグリセリル １５ イソオクタン酸トリグリセリド １０ １２−ヒドロキシステアリン酸 ０．１ 顔料 ０．３ 香料 １．１

【００３２】実施例１０ 以下に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法に従い製造し
た。

【００３３】

【表５】 （組成） （重量％） ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム バランス ステアリン酸 １５ 流動パラフィン ７ １２−ヒドロキシステアリン酸 ０．１５ 顔料 ０．５ 香料 １．０

【００３４】実施例１１ 以下に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法に従い製造し
た。

【００３５】

【表６】 （組成） （重量％） 石鹸素地 バランス ヤシ油脂肪酸モノグリセリド １０ ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド ２ スクワラン ８ デキストリン脂肪酸エステル ０．１６ 顔料 ０．３ 香料 １．２

【００３６】実施例１２ 以下に組成を示す固形洗浄剤組成物を常法に従い製造し
た。

【００３７】

【表７】 （組成） （重量％） 石鹸素地 バランス ＰＯＥ（６）ラウリルエーテル酢酸ナトリウム １０ スクワラン ５ ジステアリルリン酸アルミニウム ０．０５ 顔料 ０．２ 香料 １．２

【００３８】実施例７〜１２で得られた固形洗浄剤組成
物はいずれも、ふやけや溶け崩れを生じることなく、使
用後皮膚にしっとり感を与えるものであった。

【００３９】

【発明の効果】本発明の固形洗浄剤組成物は、優れた起
泡力を有するとともに良好な使用感を与えるものであ
り、しかも使用時にふやけや溶け崩れを起すことなく、
さらに使用後の皮膚にしっとり感を長時間にわたり与え
続けるものである。

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【手続補正書】

【提出日】平成６年７月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２７

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２７】

【表２】 （組成） （重量％） 石鹸素地 バランス ラウリン酸グリセリル硫酸ナトリウム １５ ラウリン酸アミドプロピルベタイン ７ ワセリン ５ １２−ヒドロキシステアリン酸 ０．１ ラウリン酸モノグリセリド ８ ステアリン酸 ２ 顔料 ０．４ 香料 １．２

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１１Ｄ 9:24 9:26）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）； （Ａ）界面活性剤 ３５〜９８重量％、 （Ｂ）液状又は半固形油 １〜３０重量％、 （Ｃ）ゲル化剤 ０．０１〜５重量％、 を含有することを特徴とする固形洗浄剤組成物。
2. 【請求項２】さらに下記成分（Ｄ）； （Ｄ）固形油 １〜３０重量％、 を含有する請求項１記載の固形洗浄剤組成物。