JPH073392A - 窒化用鋼 - Google Patents
窒化用鋼Info
- Publication number
- JPH073392A JPH073392A JP14802493A JP14802493A JPH073392A JP H073392 A JPH073392 A JP H073392A JP 14802493 A JP14802493 A JP 14802493A JP 14802493 A JP14802493 A JP 14802493A JP H073392 A JPH073392 A JP H073392A
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- JP
- Japan
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- steel
- nitriding
- less
- wear resistance
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】短時間の窒化処理で優れた耐摩耗性を示す窒化
用鋼を提供することを目的とする。 【構成】重量％で、Ｃ：０．２５％超え、０．３５％未
満、Ｓｉ：０．０５〜１．０％、Ｍｎ：０．１〜１．０
％、Ｓ：０．１０％以下、Ｃｒ：１．０超え、２．０％
以下、Ｍｏ：１．５超え、２．５％以下、Ｖ：０．３〜
０．６％、Ａｌ：０．２０％以上、０．３０％以下、を
含有し、残部がＦｅおよび不可避的不純物からなる窒化
用鋼。
用鋼を提供することを目的とする。 【構成】重量％で、Ｃ：０．２５％超え、０．３５％未
満、Ｓｉ：０．０５〜１．０％、Ｍｎ：０．１〜１．０
％、Ｓ：０．１０％以下、Ｃｒ：１．０超え、２．０％
以下、Ｍｏ：１．５超え、２．５％以下、Ｖ：０．３〜
０．６％、Ａｌ：０．２０％以上、０．３０％以下、を
含有し、残部がＦｅおよび不可避的不純物からなる窒化
用鋼。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性に優れた迅速
窒化用鋼に関する。
窒化用鋼に関する。
【０００２】
【従来の技術】鋼の表面硬化処理方法の一つとして窒化
処理がある。この窒化処理は同じ表面硬化処理方法であ
る高周波焼入れや浸炭焼入れに比べて熱処理歪が小さい
ため、有効な表面硬化処理法として広く利用されてい
る。
処理がある。この窒化処理は同じ表面硬化処理方法であ
る高周波焼入れや浸炭焼入れに比べて熱処理歪が小さい
ため、有効な表面硬化処理法として広く利用されてい
る。
【０００３】窒化処理用鋼材としては、一般的には、機
械構造用炭素鋼（ＪＩＳＧ４０５１）やクロムモリブデ
ン鋼（ＪＩＳＧ４１０５）が用いられるが、アルミニウ
ム・クロム・モリブデン鋼（ＪＩＳＧ４２０２）のよう
な窒化用鋼が用いられる場合もある。しかし、いずれの
鋼種も、一般的な窒化処理では硬化深さが浅く、耐摩耗
性に問題を生じることがあった。
械構造用炭素鋼（ＪＩＳＧ４０５１）やクロムモリブデ
ン鋼（ＪＩＳＧ４１０５）が用いられるが、アルミニウ
ム・クロム・モリブデン鋼（ＪＩＳＧ４２０２）のよう
な窒化用鋼が用いられる場合もある。しかし、いずれの
鋼種も、一般的な窒化処理では硬化深さが浅く、耐摩耗
性に問題を生じることがあった。
【０００４】これを改善するため、特公昭５５−３１１
６８号公報では、Ｃｒ−Ｍｏ−Ｖ添加鋼を溶体化後、窒
化することによって表面硬さ及び有効硬化深さの向上を
図っている。
６８号公報では、Ｃｒ−Ｍｏ−Ｖ添加鋼を溶体化後、窒
化することによって表面硬さ及び有効硬化深さの向上を
図っている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
５５−３１１６８号公報に開示された技術では、窒化時
に析出強化を利用することに重点を置いているため窒化
時間が長いこと、また、Ａｌは対摩耗性向上に有効な元
素であるものの、窒化性及び析出硬化性の少なくとも一
方を損なうので使用されていないこと等、未だ改善すべ
き余地が残されている。
５５−３１１６８号公報に開示された技術では、窒化時
に析出強化を利用することに重点を置いているため窒化
時間が長いこと、また、Ａｌは対摩耗性向上に有効な元
素であるものの、窒化性及び析出硬化性の少なくとも一
方を損なうので使用されていないこと等、未だ改善すべ
き余地が残されている。
【０００６】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、短時間の窒化処理で優れた耐摩耗性を示す窒
化用鋼を提供することを目的とする。具体的には、２４
時間以内の窒化処理で、ＨV ７５０の深さが０．２５ｍ
ｍ以上となる耐摩耗性に優れた迅速窒化用鋼を提供する
ことを目的とする。
であって、短時間の窒化処理で優れた耐摩耗性を示す窒
化用鋼を提供することを目的とする。具体的には、２４
時間以内の窒化処理で、ＨV ７５０の深さが０．２５ｍ
ｍ以上となる耐摩耗性に優れた迅速窒化用鋼を提供する
ことを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、重量
％で、Ｃ：０．２５％超え、０．３５％未満、Ｓｉ：
０．０５〜１．０％、Ｍｎ：０．１〜１．０％、Ｓ：
０．１０％以下、Ｃｒ：１．０％超え、２．０％以下、
Ｍｏ：１．５％超え、２．５％以下、Ｖ：０．３〜０．
６％、Ａｌ：０．２０％以上、０．３０％未満以下、を
含有し、残部がＦｅおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする窒化用鋼を提供する。
％で、Ｃ：０．２５％超え、０．３５％未満、Ｓｉ：
０．０５〜１．０％、Ｍｎ：０．１〜１．０％、Ｓ：
０．１０％以下、Ｃｒ：１．０％超え、２．０％以下、
Ｍｏ：１．５％超え、２．５％以下、Ｖ：０．３〜０．
６％、Ａｌ：０．２０％以上、０．３０％未満以下、を
含有し、残部がＦｅおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする窒化用鋼を提供する。
【０００８】本願発明者らは、短時間の窒化処理で優れ
た耐摩耗性を示す迅速窒化用鋼を得るべく鋭意研究を行
った結果、Ｍｏ及びＶを多量に添加すると共にＡｌを適
量添加することにより、２４時間以内の窒化処理で、Ｈ
V ７５０の深さが０．２５ｍｍ以上となり、耐摩耗性に
優れることを見出した。
た耐摩耗性を示す迅速窒化用鋼を得るべく鋭意研究を行
った結果、Ｍｏ及びＶを多量に添加すると共にＡｌを適
量添加することにより、２４時間以内の窒化処理で、Ｈ
V ７５０の深さが０．２５ｍｍ以上となり、耐摩耗性に
優れることを見出した。
【０００９】上記構成の本発明は、本願発明者らのこの
ような知見に基づいてなされたものである。以下、本発
明の成分限定範囲とその限定理由を示す。なお、以下に
示す％表示は、いずれも重量％を示すものである。
ような知見に基づいてなされたものである。以下、本発
明の成分限定範囲とその限定理由を示す。なお、以下に
示す％表示は、いずれも重量％を示すものである。
【００１０】Ｃ：強度確保のため必要な元素であり、こ
の観点から０．２５％を超えることが必要である。しか
し、その量が０．３５％を超えると靱性が低下する。従
ってＣ含有量を０．２５％超え、０．４５％以下の範囲
に規定する。
の観点から０．２５％を超えることが必要である。しか
し、その量が０．３５％を超えると靱性が低下する。従
ってＣ含有量を０．２５％超え、０．４５％以下の範囲
に規定する。
【００１１】Ｓｉ：脱酸に必要であるとともに強度確保
に必要な元素であるが、０．０５％未満では所望の効果
が得られない。一方、その量が１．０％を超えると靱性
が低下する。従ってＳｉ含有量を０．０５〜１．０％の
範囲に規定する。
に必要な元素であるが、０．０５％未満では所望の効果
が得られない。一方、その量が１．０％を超えると靱性
が低下する。従ってＳｉ含有量を０．０５〜１．０％の
範囲に規定する。
【００１２】Ｍｎ：強度確保のため必要な元素である
が、０．１％未満では必要な強度が得られない。一方、
その量が１．０％を超えると靱性が低下する。従ってＭ
ｎ含有量を０．１〜１．０％の範囲に規定する。
が、０．１％未満では必要な強度が得られない。一方、
その量が１．０％を超えると靱性が低下する。従ってＭ
ｎ含有量を０．１〜１．０％の範囲に規定する。
【００１３】Ｓ：被削性改善のために必要な元素であ
り、強度レベルに応じて適宜添加される。しかし、その
量が０．１％を超えるとＭｎＳの量、サイズが増大し、
靭性が低下する。従ってＳ量を０．１％以下に規定す
る。
り、強度レベルに応じて適宜添加される。しかし、その
量が０．１％を超えるとＭｎＳの量、サイズが増大し、
靭性が低下する。従ってＳ量を０．１％以下に規定す
る。
【００１４】Ｃｒ：窒化特性を向上させる元素である
が、１．０％以下ではその効果が小さい。一方、その量
が２．０％を超えると靱性が低下する。従ってＣｒ含有
量を１．０超え、２．０％以下の範囲に規定する。
が、１．０％以下ではその効果が小さい。一方、その量
が２．０％を超えると靱性が低下する。従ってＣｒ含有
量を１．０超え、２．０％以下の範囲に規定する。
【００１５】Ｍｏ：Ｖと複合添加することにより有効硬
化深さを著しく向上させる機能を有する。しかし、その
量が１．５％以下ではその機能を有効に発揮することが
できず、２．５％を超えると効果が飽和するとともにコ
ストアップにつながる。従ってＭｏ含有量を１．５％超
え、２．５％以下の範囲に規定する。
化深さを著しく向上させる機能を有する。しかし、その
量が１．５％以下ではその機能を有効に発揮することが
できず、２．５％を超えると効果が飽和するとともにコ
ストアップにつながる。従ってＭｏ含有量を１．５％超
え、２．５％以下の範囲に規定する。
【００１６】Ｖ：Ｍｏと複合添加することにより有効硬
化深さを向上させる元素であるが、０．３％未満ではそ
の効果が不十分である。一方、その量が０．６％を超え
てもその効果が飽和する。従ってＶ含有量を０．３％以
上、０．６％以下の範囲に規定する。
化深さを向上させる元素であるが、０．３％未満ではそ
の効果が不十分である。一方、その量が０．６％を超え
てもその効果が飽和する。従ってＶ含有量を０．３％以
上、０．６％以下の範囲に規定する。
【００１７】Ａｌ：Ａｌは、窒化処理時に表面硬さを上
昇させる作用を有する。要求される耐摩耗性に見合う硬
化深さを得るために十分な表面硬さにする観点から０．
２％以上が必要であるが、０．３％以上では硬化深さに
悪影響を及ぼす。従って、Ａｌ含有量を０．２％以上、
０．３％未満に規定する。
昇させる作用を有する。要求される耐摩耗性に見合う硬
化深さを得るために十分な表面硬さにする観点から０．
２％以上が必要であるが、０．３％以上では硬化深さに
悪影響を及ぼす。従って、Ａｌ含有量を０．２％以上、
０．３％未満に規定する。
【００１８】本発明の窒化用鋼は、上述のような組成を
有している限り、その製造方法は問わず、その用途に応
じて適宜製造方法が選択される。また、本発明の窒化用
鋼に窒化処理を施すに際しても、その処理方法は特に限
定されず、通常行われている窒化処理方法を適用するこ
とができる。
有している限り、その製造方法は問わず、その用途に応
じて適宜製造方法が選択される。また、本発明の窒化用
鋼に窒化処理を施すに際しても、その処理方法は特に限
定されず、通常行われている窒化処理方法を適用するこ
とができる。
【００１９】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
１に示す化学成分の鋼を１５０ｋｇ真空溶解炉にて溶製
後、３０ｍｍφに熱間鍛造し、その後９５０℃×１時間
の焼ならしを行い、供試材とした。
１に示す化学成分の鋼を１５０ｋｇ真空溶解炉にて溶製
後、３０ｍｍφに熱間鍛造し、その後９５０℃×１時間
の焼ならしを行い、供試材とした。
【００２０】この供試材を２５ｍｍφ丸棒に切削加工
し、Ｎ2 −ＮＨ3 −ＣＯ2 雰囲気を用いたガス窒化炉に
て５８０℃で２０時間のガス窒化を行った後、硬さ試験
片を切断し、この試験片の硬さを測定した。
し、Ｎ2 −ＮＨ3 −ＣＯ2 雰囲気を用いたガス窒化炉に
て５８０℃で２０時間のガス窒化を行った後、硬さ試験
片を切断し、この試験片の硬さを測定した。
【００２１】表１に表面硬さ、硬化深さを合わせて示
す。表１中表面硬さは、表面から０．０５ｍｍ位置の硬
さ、硬化深さはＨV ７５０となる距離で評価した。な
お、番号１〜４は本発明の範囲内の組成である実施例、
番号５〜９は本発明の範囲から外れる比較例であり、さ
らに番号１０は従来例であり、ＪＩＳのＳＡＣＭ６４５
である。
す。表１中表面硬さは、表面から０．０５ｍｍ位置の硬
さ、硬化深さはＨV ７５０となる距離で評価した。な
お、番号１〜４は本発明の範囲内の組成である実施例、
番号５〜９は本発明の範囲から外れる比較例であり、さ
らに番号１０は従来例であり、ＪＩＳのＳＡＣＭ６４５
である。
【００２２】
【表１】
【００２３】表１から、本発明の範囲内の番号１〜４は
いずれも、２４時間以内の迅速窒化処理で硬化深さが
０．２５ｍｍを超え、良好な耐摩耗性を得るための条件
を満足していた。
いずれも、２４時間以内の迅速窒化処理で硬化深さが
０．２５ｍｍを超え、良好な耐摩耗性を得るための条件
を満足していた。
【００２４】これに対して、比較例の番号５は本発明の
範囲よりもＣｒが低く、番号６はＭｏが低く、番号７は
Ｖが低く、番号８はＡｌが低く、いずれも硬化深さが小
さく、０．２５ｍｍ未満となった。また、比較例の番号
９とＪＩＳ窒化鋼である従来例の番号１０は、いずれも
Ａｌ量が高すぎ、表面硬さは高いものの、硬化深さは小
さかった。このように、比較例、従来例はいずれも、必
要な耐摩耗性に十分な硬化深さが得られなかった。
範囲よりもＣｒが低く、番号６はＭｏが低く、番号７は
Ｖが低く、番号８はＡｌが低く、いずれも硬化深さが小
さく、０．２５ｍｍ未満となった。また、比較例の番号
９とＪＩＳ窒化鋼である従来例の番号１０は、いずれも
Ａｌ量が高すぎ、表面硬さは高いものの、硬化深さは小
さかった。このように、比較例、従来例はいずれも、必
要な耐摩耗性に十分な硬化深さが得られなかった。
【００２５】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、２４時
間以内の迅速窒化処理で、ＨV ７５０となる深さが０．
２５ｍｍ以上となり、短時間の窒化処理で優れた耐摩耗
性が得られる窒化用鋼が提供される。
間以内の迅速窒化処理で、ＨV ７５０となる深さが０．
２５ｍｍ以上となり、短時間の窒化処理で優れた耐摩耗
性が得られる窒化用鋼が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 信行 東京都千代田区丸の内１丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石黒 守幸 東京都千代田区丸の内１丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 椛澤 均 埼玉県蓮田市大字閏戸2358−１ 株式会社 日本テクノ内 (72)発明者 桑原 美博 新潟県長岡市下条町777番地 長岡電子株 式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ：０．２５％超え、０．３
５％未満、Ｓｉ：０．０５〜１．０％、Ｍｎ：０．１〜
１．０％、Ｓ：０．１０％以下、Ｃｒ：１．０超え、
２．０％以下、Ｍｏ：１．５超え、２．５％以下、Ｖ：
０．３〜０．６％、Ａｌ：０．２０％以上、０．３０％
未満、を含有し、残部がＦｅおよび不可避的不純物から
なることを特徴とする窒化用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14802493A JPH073392A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 窒化用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14802493A JPH073392A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 窒化用鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH073392A true JPH073392A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15443407
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14802493A Pending JPH073392A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 窒化用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH073392A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6353448A (ja) * | 1986-08-23 | 1988-03-07 | Horiba Ltd | 発色吸光分析方法 |
| FR2783840A1 (fr) * | 1998-09-30 | 2000-03-31 | Aubert & Duval Sa | Acier permettant des cinetiques de nitruration elevees, procede pour son obtention et pieces formees avec cet acier |
| US7775728B2 (en) | 2006-03-31 | 2010-08-17 | Nidec Copal Corporation | Focal plane shutter for cameras |
| JP2019119899A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 愛知製鋼株式会社 | Ｃｖｔリング素材、ｃｖｔリング部材及びこれらの製造方法 |
-
1993
- 1993-06-18 JP JP14802493A patent/JPH073392A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6353448A (ja) * | 1986-08-23 | 1988-03-07 | Horiba Ltd | 発色吸光分析方法 |
| FR2783840A1 (fr) * | 1998-09-30 | 2000-03-31 | Aubert & Duval Sa | Acier permettant des cinetiques de nitruration elevees, procede pour son obtention et pieces formees avec cet acier |
| WO2000018975A1 (fr) * | 1998-09-30 | 2000-04-06 | Aubert & Duval | Acier de nitruration, procede pour son obtention et pieces formees avec cet acier |
| US7775728B2 (en) | 2006-03-31 | 2010-08-17 | Nidec Copal Corporation | Focal plane shutter for cameras |
| US8277133B2 (en) | 2006-03-31 | 2012-10-02 | Nidec Copal Corporation | Focal plane shutter for cameras |
| JP2019119899A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 愛知製鋼株式会社 | Ｃｖｔリング素材、ｃｖｔリング部材及びこれらの製造方法 |
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