JPH07333560A - 偏波依存性損失の低減方法及び偏波依存性損失を低減した光学素子モジュール - Google Patents

偏波依存性損失の低減方法及び偏波依存性損失を低減した光学素子モジュール

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JPH07333560A
JPH07333560A JP6126451A JP12645194A JPH07333560A JP H07333560 A JPH07333560 A JP H07333560A JP 6126451 A JP6126451 A JP 6126451A JP 12645194 A JP12645194 A JP 12645194A JP H07333560 A JPH07333560 A JP H07333560A
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Japan
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polarization
incident light
optical element
dependent loss
glass plate
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JP6126451A
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English (en)
Inventor
Hidenari Maeda
英成 前田
Chikao Aoki
周生 青木
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 この光変調器は、入射光27から1次回折光28
へ伝搬する光に対して、変調素子25より変調をかける機
能を有する。そして、入射光27の進行方向に対して所定
の角度にガラス板11が配置されている。音響光学媒体21
には屈折率nに異方性があるため、入射光が垂直偏波で
あるときの回折効率ηsに比べて入射光が水平偏波のと
きの回折効率ηpが低くなり、偏波依存性回折効率変動
Δηが生じる。一方、ガラス板11は音響光学媒体21の偏
波依存性回折効率変動Δηとは逆の傾向の偏波依存性透
過率変動ΔTを有している。 【効果】 光学素子モジュール全体としての偏波依存性
損失変動ΔLは、偏波依存性回折効率変動Δηから偏波
依存性透過率変動ΔT分を低減した値になり、偏波依存
性損失変動が小さい光学素子モジュールを実現すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音響光学素子モジュ
ール等の光学素子モジュールにおける偏波依存性損失の
低減に関するものである。
【0002】
【従来技術】音波による光の回折現象(音響光学効果)
を利用して光変調器や光偏波器、光フィルタ等(以下総
称して音響光学素子モジュールという)を構成すること
ができる。これらは例えば光通信装置に利用されてお
り、”「光エレクトロニクスの基礎」,AMNON YARIV
著,多田・神谷訳,丸善,12章319頁〜334頁”等に記載
されている。
【0003】以下、音響光学素子モジュールを用いた光
変調器について、図2の構成図を用いて説明する。
【0004】この光変調器は、音響光学媒体21,トラン
スデューサ22,吸音材23,AM変調機能付発振器24及び
変調素子25から構成されており、入射光27から1次回折
光28へ伝搬する光に対して、変調素子25によって変
調をかける機能を有する。
【0005】変調素子25より印加されたディジタルある
いはアナログのベースバンド変調信号が、AM変調機能
付発振器24へ入力される。このAM変調機能付発振器24
からの出力は、所定の周波数f(例えば120MHz)の搬送
波がAM変調されたものであり、トランスデューサ22へ
伝送される。そしてこのトランスデューサ22からは、搬
送波の強度に応じた強さの超音波進行波26が、音響光学
媒体21(例えば二酸化テルルTeO2で音速v=4260m/
s)の中を吸音材23に向けて伝搬する構成となってい
る。
【0006】入射光27(例えば、波長λが1550nmのレー
ザ光)は、音響光学媒体21の垂直方向に対してθ(ラジ
アン)の角度を持って入射される。すると、入射光27は
超音速進行波26との相互作用によりブラッグ回折が生じ
て、その結果2θ分の角度を変えて出射する1次回折光
28を得る。
【0007】入射角θは、”入射光27の波長λ”,”搬
送波の周波数f”及び”音響光学媒体21中での音速v”
によって決定され、2θ=λ・f/vの関係を有する。
【0008】ここで、入力された入射光27の電界強度I
iと1次回折光28の電界強度Irの比、即ちIr/Iiを回
折効率ηと呼び、次の(1)式で表わされる。
【0009】
【数1】
【0010】この(1)式中では、音響光学媒体21の屈
折率をn,光弾性定数をP,密度をρ,超音波進行波26
の幅をL,超音波進行波の高さをH,エネルギーをPa
で表わしている。
【0011】(1)式に表わされるように、回折効率η
は超音波進行波26の強度Paに依存している。言い換え
ると、回折効率ηは変調素子25へ入力するベースバンド
変調信号に依存する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
の音響光学素子では、TeO2等の音響素子自体が屈折率n
に異方性があるため、入射光が垂直偏波であるときの回
折効率ηsに比べて、入射光が水平偏波のときの回折効
率ηpが約20%(=1dB)程度低くなるという問題が
ある。
【0013】例えば、この音響光学素子モジュールを光
変調器として光信号路に挿入した場合、偏波依存性損失
が1dBあることになり、この結果、偏波の変動によって
1dBの光電力の攪乱を来すことになる。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上説明した課題を解決
するために、本発明の偏波依存性損失の低減方法は、入
射光の透過率に偏波依存性を有するガラス板を入射光に
対して傾きをもって配置し、入射光に対してこのガラス
板の偏波依存性とは逆の傾向の偏波依存性を有する光学
素子に、ガラス板を透過した入射光が入射するよう配置
する。このような構成によって、光学素子の偏波依存性
損失変動からガラス板の偏波依存性透過率変動分を低減
するようにしたものである。
【0015】あるいは、入射光の透過率に偏波依存性を
有するガラス板を入射光に対して傾きをもって配置し、
入射光に対してガラス板の偏波依存性と同じ傾向の偏波
依存性を有する光学素子に、ガラス板を透過したこの入
射光の偏波面が90度回転して入射するよう配置する。
このような構成によって、光学素子の偏波依存性損失変
動からガラス板の偏波依存性透過率変動分を低減するよ
うにしたものである。
【0016】あるいは、本発明の偏波依存性損失を低減
した光学素子モジュールは、入射光に対して傾きをもっ
て配置された、入射光の透過率に偏波依存性を有するガ
ラス板と、入射光に対してガラス板の偏波依存性とは逆
の傾向の偏波依存性を有し、ガラス板を透過した入射光
が入射する光学素子とから構成するものである。
【0017】あるいは、入射光に対して傾きをもって配
置された、入射光の透過率に偏波依存性を有するガラス
板と、入射光に対してガラス板の偏波依存性と同じ傾向
の偏波依存性を有し、ガラス板を透過したこの入射光の
偏波面が90度回転して入射する光学素子ととから構成
するものである。
【0018】
【作用】偏波依存性損失補償用のガラス板は、入射光が
垂直偏波である場合と水平偏波である場合で透過率が異
なる偏波依存性を有しており、このガラス板を光学素子
の偏波依存性とは逆の傾向になるように配置するので、
光学素子モジュール全体としてみたときの偏波依存性損
失変動は、光学素子の偏波依存性回折効率変動からガラ
ス板の偏波依存性透過率変動分を低減した値になる。
【0019】
【実施例】図1は、この発明の第1の実施例である、音
響光学素子モジュールを用いた光変調器の構成を示した
構成図である。
【0020】この光変調器は、図1に示したように偏波
依存性損失補償用ガラス板11,音響光学媒体21,トラン
スデューサ22,吸音材23,AM変調機能付発振器24及び
変調素子25から構成されている。そして、光に対して透
明な媒質を超音波が伝搬しているときに媒質中に周期的
屈折率の変動が現われることを利用して、入射光27から
1次回折光28へ伝搬する光に対して変調素子25によって
変調をかける機能を有し、光通信装置や光関連測定器等
の光変調部に適用可能である。
【0021】変調素子25より印加されたディジタルある
いはアナログのベースバンド変調信号は、AM変調機能
付発振器24へ入力される。このAM変調機能付発振器24
からの出力は、所定の周波数f(例えば120MHz)の搬送
波がAM変調されたものであり、トランスデューサ22へ
伝送される。このトランスデューサ22からは、搬送波の
強度に応じた強さの超音波進行波26が、音響光学媒体21
(例えば二酸化テルルTeO2で音速v=4260m/s)の中
を吸音材23に向けて伝搬される。そして、入射光27の進
行方向に対してφ1(ラジアン)の角度に、偏波依存性
損失補償体として機能する、屈折率1.57のBK7からなる
偏波依存性損失補償用ガラス板11(以下ガラス板11と称
する)が配置されている。
【0022】入射光27は波長λが1550nmのレーザ光ビー
ムであり、ガラス板11を通過後、音響光学媒体21に、こ
の音響光学媒体21の垂直方向より特定の角度θ(ラジア
ン)を持って入射される。
【0023】一般的に、入射光が超音波進行波の波面に
平行に入射されると、各進行波層からの回折光が特定の
方向で同相となり出力される。このとき1次の側帯波成
分については常に同相関係が成立するが、高次成分は位
相関係がくずれて打ち消し合い、1次の側帯波成分の回
折光のみ強く現われる。この入射光と超音波進行波との
相互作用をブラッグ回折と呼ぶ。
【0024】入射光27と超音波進行波26との間にも上記
ブラッグ回折が生じて、2θ分の角度を変えて出射する
1次回折光28を得る。入射光27の入射角θは、”入射光
27の波長λ”,”搬送波の周波数f”及び”音響光学媒
体21中での音速v”によって決定され、2θ=λ・f/
vの関係を有する。
【0025】このときの回折効率ηは、上記(1)式に
示すように超音波進行波26の強度Paに依存する。そし
てこの超音波進行波26の強度Paはトランスジューサ22
に入力されるAM変調機能付発振器の出力によって決定さ
れ、すなわち、変調素子25へ入力するベースバンド変調
信号に依存することになる。このようにして、この光変
調器は、入射光27から1次回折光28へ伝搬する光に対し
て、変調素子25より変調をかける機能を有する。
【0026】次に、ガラス板11の作用について詳細に説
明する。図3の模式図にガラス板11と入射光27の関係を
示す。
【0027】入射光27はガラス板11の光学研磨面に対し
て、垂直方向からφ1の角度で空気中を進行し、この光
学研磨面でφ2(ラジアン)の角度に屈折してガラス板1
1内を直進する。そして再び、光学研磨面でφ1の角度に
屈折して空気中に出射する。従って、入射光27は、ガラ
ス板11を通過することにより2回の屈折を行うことにな
る。
【0028】ここで一般的に、入射光の水平偏波成分の
強度透過率をTpとし、垂直偏波成分の強度透過率をTs
とすると、Tp及びTsは各々(2)式及び(3)式で表
わされる。
【0029】
【数2】
【0030】
【数3】
【0031】この(2)式及び(3)式において、Nは
屈折の回数を表わし、図3に示したガラス板11を入射光
27が透過する場合、N=2となる。
【0032】φ1とφ2の関係はスネルの法則により、媒
質間の屈折率の関係によって決定され、空気の屈折率を
n1,ガラス板の屈折率をn2とすると次式で表わされ
る。
【0033】sinφ1/sinφ2=n2/n1 ・・・(4) n1及びn2が定数であることから、φ1を決定すること
により一意的にTp及びTsが決定される。またφ1≠0の
ときに、(2)式と(3)式の関係から明らかなよう
に、Tp>Tsの関係をもつ。そして、Tp,Tsによる偏
波依存性透過率変動ΔT(dB)は次式で表わされる。
【0034】 ΔT=10Log(Ts/Tp)<0 ・・・(5) 次に、このガラス板11を透過した入射光27が音響光学媒
体21に入射されると、上記発明が解決使用とする課題の
欄で述べた通り、音響光学媒体21には屈折率nに異方性
があるため、入射光が垂直偏波であるときの回折効率η
sに比べて入射光が水平偏波のときの回折効率ηpが低く
なり、偏波依存性回折効率変動Δη(dB)が生じる。こ
の偏波依存性回折効率変動Δηは、以下の(6)式で表
わされる。
【0035】 Δη=10Log(ηs/ηp)>0 ・・・(6) これ偏波依存性透過率変動ΔT及び偏波依存性回折効率
変動Δηによるトータルの偏波依存性損失変動ΔL(d
B)は、以下の(7)式で表わされる。
【0036】ΔL=Δη+ΔT ・・・(7) これらの(5)式と(6)式の大小関係と(7)式から
明らかなように、Δηに対してΔTの符号が正負逆にな
るようにガラス板11は配置されている。その結果、ΔL
はΔηよりΔTだけ低減されることになる。
【0037】上記(2)式〜(5)式に基づき、例えば
φ1がπ/4ラジアンのときに、ΔTは−0.9dBとな
る。Δηが1dBのとき、従来の構成ではΔLが1dBであ
るのに対して、この実施例の構成ではΔLを1−0.9
=0.1dBに低減することができる。
【0038】また、φ1を適切に選ぶことにより、最適
設計が可能となる。
【0039】(2)式,(3)式及び(4)式に基づ
き、φ1を0ラジアンから1.5ラジアンまで変化させ
たときのTp及びTsの計算結果を図4に示す。φ1がブ
リュースタ角(約1ラジアン)を超えるとTpが急激に
小さくなるのでφ1は1.2ラジアン以下に設定するの
が望ましいことがわかる。
【0040】一方、φ1とΔTの関係は(2)式〜
(5)式により表わされ、φ1を0ラジアンから1.5
ラジアンまで変化させたときのΔTの計算結果を図5に
示す。ΔTの効果はφ1が0.4ラジアン以上で顕著に
発生することがわかる。
【0041】これらの図4及び図5に示された結果から
わかるように、φ1は0.4〜1.2ラジアンの範囲内
であることが望ましい。
【0042】以上説明したように、この第1の実施例に
よれば、音響光学媒体21の偏波依存性回折効率変動Δη
とは逆の傾向の偏波依存性透過率変動ΔTを有するガラ
ス板11を設けたので、この光変調器の偏波依存性損失変
動ΔLは、偏波依存性回折効率変動Δηから偏波依存性
透過率変動ΔT分を低減した値になり、偏波依存性損失
変動が小さい光変調器を実現することができる。
【0043】本発明は、音響光学素子モジュールに適用
するだけでなく、入射光の強度透過率等に偏波依存性を
有する干渉膜フィルタや、偏波無為存であることが望ま
しいアイソレータ等の一般的な光学素子モジュールにも
適用可能である。
【0044】図6はこの発明の第2の実施例の光学素子
モジュールの構成を示した構成図であり、入射光の強度
透過率に偏波依存性を有する光学素子12と、偏波依存性
損失補償用ガラス板11と同様の機能を果たすガラス板13
から構成されており、光通信装置の光学処理部や一般的
な光関連装置の光学処理部に適用可能である。
【0045】この光学素子モジュールは、入射光27が、
光学素子12に入射される前に、ガラス板13にφ1ラジア
ンの角度をもって入射するように配置されている。
【0046】そして光学素子12は、入射光27の強度透過
率に偏波依存性を有しており、例えば第1の実施例の音
響光学媒体21と同様に、入射光27が垂直偏波であるとき
の強度透過率ηsに比べて、入射光27が水平偏波のとき
の強度透過率ηpが低くなる。この結果として、この光
学素子12には上記(6)式の偏波依存性透過率変動Δη
(dB)が生じる。
【0047】ガラス板13は、第1の実施例と同様に
(2)式〜(5)式を満足する。ただし、(2)式及び
(3)式のNはN=2であり、トータルの偏波依存性損
失変動ΔL(dB)は(7)式となる。そしてその結果、
ΔLをΔη−ΔTに低減することができる。
【0048】以上説明したように、この第2の実施例の
ような一般的な光学素子モジュールであっても、光学素
子が強度透過率に偏波依存性を有する場合、ガラス板13
を設けることによって、トータルの偏波依存性損失変動
ΔLは光学素子の偏波依存性透過率変動Δηよりガラス
板の偏波依存性透過率変動ΔTだけ低減することにな
り、偏波依存性損失変動が小さい光学素子モジュールを
実現することができる。この第2の実施例では、光学素
子12の偏波依存性は、第1の実施例の音響光学媒体21と
同様に、入射光27が垂直偏波であるときの強度透過率η
sに比べて、入射光27が水平偏波のときの強度透過率ηp
が低くなるものとして説明したが、入射光27が水平偏波
のときの強度透過率ηpに比べて垂直偏波であるときの
強度透過率ηsが低くなるような、逆の傾向の偏波依存
性を有する光学素子であっても適用可能である。その場
合は、ガラス板15と光学素子12の偏波面が90度回転し
て直交しているように配置してやればよい。
【0049】例えば図6において、ガラス板13の水平偏
波面が紙面鉛直方向、垂直偏波面がこれに直交している
とすると、光学素子12の垂直偏波面が紙面鉛直方向にな
るように配置してやればよい。
【0050】偏波面を90度回転して直交して配置する
ことによって、必然的にガラス板15への入射光27が、垂
直偏波であれば光学素子12へは水平偏波として入射さ
れ、垂直偏波であれば光学素子12へは水平偏波として入
射される。その結果、上記説明した両者の偏波依存性が
逆である場合と同様に、トータルの偏波依存性損失変動
ΔLは光学素子の偏波依存性透過率変動Δηよりガラス
板の偏波依存性透過率変動ΔTだけ低減することにな
り、偏波依存性損失変動が小さい光学素子モジュールを
実現することができる。
【0051】また、偏波依存性損失補償体としてBK7か
らなるガラス板15を用いたが、これに限定されず、偏波
依存性を有していれば誘電体膜等も適用することができ
る。同様に、この第2の実施例では偏波依存性損失補償
体の偏波依存性透過率変動を用いて偏波依存性損失変動
を低減しているが、偏波依存性損失補償体の偏波依存性
反射率変動を利用して光学素子の偏波依存性損失変動を
低減することもできる。
【0052】次に、上記第2の実施例と同様に、本発明
を一般的な光学素子モジュールにも適用した第3の実施
例について、図7を用いて説明する。
【0053】図7はこの発明の第3の実施例の光学素子
モジュールの構成を示した構成図であり、入射光の強度
透過率に偏波依存性を有する光学素子12と、偏波依存性
損失補償用ガラス板11と同様の機能を果たす第1のガラ
ス板13及び第2のガラス板14から構成されている。
【0054】この光学素子モジュールは、入射光27が、
光学素子12に入射される前に、第1のガラス板13及び第
2のガラス板14にφ1ラジアンの角度をもって入射する
ように配置されている。
【0055】第2のガラス板14も第1のガラス板13と同
様に動作するため、第3の実施例も第2の実施例と同様
に(2)式〜(5)式を満足する。ただし、屈折の回数
が4になるので、(2)式及び(3)式のNはN=4と
なる。
【0056】その結果、(5)式のΔTは第2の実施例
に比べて2倍になり、より大きな偏波依存性損失変動低
減効果を有することになる。
【0057】すなわち、ガラス板13と同様のガラス板を
増加させると、ガラス板のトータル枚数をMとして
(2)式及び(3)式のNは、N=2・Mとなる。
【0058】以上説明したように、この第3の実施例に
よれば、M枚(Mは2以上)のガラス板を設けたので、
偏波依存性損失変動がより小さい光学素子モジュールを
実現することができる。
【0059】次に、上記第2,第3の実施例と同様に、
本発明を一般的な光学素子モジュールにも適用した第4
の実施例について、図8を用いて説明する。
【0060】図8はこの発明の第4の実施例の光学素子
モジュールの構成を示した構成図であり、入射光の強度
透過率に偏波依存性を有する光学素子12と、偏波依存性
損失補償用の片面無反射コーティングガラス15から構成
されている。
【0061】この光学素子モジュールは、入射光27が、
光学素子12に入射される前に、片面無反射コーティング
ガラス15にφ1ラジアンの角度をもって入射するように
配置されている。
【0062】片面無反射コーティングガラス15もガラス
板13と同様に動作するため、第4の実施例も第2の実施
例と同様に(2)式〜(5)式を満足する。ただし、
(2)式及び(3)式のNはN=1になる。そしてその
結果、(5)式のΔTは第2の実施例に比べて半減する
が、片面無反射コーティングガラス15による損失増加を
極めて少なくすることができる。
【0063】以上説明したように、この第4の実施例に
よれば、片面無反射コーティングガラス15を設けたの
で、偏波依存性損失変動が低減し、かつ片面無反射コー
ティングガラス15による損失増加が極めて小さい光学素
子モジュールを実現することができる。
【0064】これらの第2〜第4の実施例から明らかな
ように、本発明によれば光学素子の偏波依存性の大小に
合わせて、偏波依存性損失補償用ガラス板の特性や枚数
を自由に設定することができ、光学素子モジュールの特
性に合わせた最適な偏波依存性損失変動の低減が可能と
なる。
【0065】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明を光学素子モ
ジュールに適用すれば、光学素子の偏波依存性とは逆に
なるように偏波依存性損失補償用のガラス板等を配置す
るので、光学素子モジュールの偏波依存性損失変動ΔL
は、偏波依存性回折効率変動Δηから偏波依存性透過率
変動ΔT分を低減した値になり、偏波依存性損失変動が
小さい光学素子モジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例である、音響光学素子
を用いた光変調器の構成を示した構成図である。
【図2】従来の音響光学素子を用いた光変調器の構成を
示した構成図である。
【図3】ガラス板11と入射光27の関係を示した模式図で
ある。
【図4】φ1を0ラジアンから1.5ラジアンまで変化
させたときの、Tp及びTsの計算結果を示した図であ
る。
【図5】φ1を0ラジアンから1.5ラジアンまで変化
させたときの、ΔTの計算結果を示した図である。
【図6】この発明の第2の実施例の構成を示した構成図
である。
【図7】この発明の第3の実施例の構成を示した構成図
である。
【図8】この発明の第4の実施例の構成を示した構成図
である。
【符号の説明】
11,13,14 偏波依存性損失補償用ガラス板 12 光学素子 15 片面無反射コーティングガラス 21 音響光学媒体 22 トランスデューサ 23 吸音材 24 AM変調機能付発振器 25 変調素子 26 超音波進行波 27 入射光 28 1次回折光

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光の透過率に偏波依存性を有するガ
    ラス板を、前記入射光に対して傾きをもって配置し、 前記入射光に対して前記ガラス板の偏波依存性とは逆の
    傾向の偏波依存性を有する光学素子を、この光学素子に
    前記ガラス板を透過した前記入射光が入射するように配
    置し、 前記光学素子の偏波依存性損失変動から前記ガラス板の
    偏波依存性透過率変動分を低減することを特徴とする偏
    波依存性損失の低減方法。
  2. 【請求項2】 入射光の透過率に偏波依存性を有するガ
    ラス板を、前記入射光に対して傾きをもって配置し、 前記入射光に対して前記ガラス板の偏波依存性と同じ傾
    向の偏波依存性を有する光学素子を、この光学素子に前
    記ガラス板を透過した前記入射光の偏波面が90度回転
    して入射するように配置し、 前記光学素子の偏波依存性損失変動から前記ガラス体の
    偏波依存性変動分を低減することを特徴とする偏波依存
    性損失の低減方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の偏波依存性損失の
    低減方法において、前記ガラス板として片面無反射コー
    ティングガラスを用いることを特徴とする偏波依存性損
    失の低減方法。
  4. 【請求項4】 入射光に対して偏波依存性を有する偏波
    依存性損失補償体を、前記入射光が入射するように配置
    し、 前記入射光に対して前記偏波依存性損失補償体の偏波依
    存性とは逆の傾向の偏波依存性を有する光学素子を、こ
    の光学素子に前記偏波依存性損失補償体から出た前記入
    射光が入射するように配置し、 前記光学素子の偏波依存性損失変動から前記偏波依存性
    損失補償体の偏波依存性変動分を低減することを特徴と
    する偏波依存性損失の低減方法。
  5. 【請求項5】 入射光に対して偏波依存性を有する偏波
    依存性損失補償体を、前記入射光が入射するように配置
    し、 前記入射光に対して前記偏波依存性損失補償体の偏波依
    存性と同じ傾向の偏波依存性を有する光学素子を、この
    光学素子に前記偏波依存性損失補償体から出た前記入射
    光の偏波面が90度回転して入射するよう配置し、 前記光学素子の偏波依存性損失変動から前記偏波依存性
    損失補償体の偏波依存性変動分を低減することを特徴と
    する偏波依存性損失の低減方法。
  6. 【請求項6】 入射光に対して傾きをもって配置された
    前記入射光の透過率に偏波依存性を有するガラス板と、 前記入射光に対して前記ガラス板の偏波依存性とは逆の
    傾向の偏波依存性を有し前記ガラス板を透過した前記入
    射光が入射する光学素子とを有することを特徴とする偏
    波依存性損失を低減した光学素子モジュール。
  7. 【請求項7】 入射光に対して傾きをもって配置された
    前記入射光の透過率に偏波依存性を有するガラス板と、 前記入射光に対して前記ガラス板の偏波依存性と同じ傾
    向の偏波依存性を有し且つ前記ガラス板を透過した前記
    入射光の偏波面が90度回転して入射する光学素子とを
    有することを特徴とする偏波依存性損失を低減した光学
    素子モジュール。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の偏波依存性損失を
    低減した光学素子モジュールにおいて、前記透過率に偏
    波依存性を有するガラス板として片面無反射コーティン
    グガラスを用いることを特徴とする偏波依存性損失を低
    減した光学素子モジュール。
  9. 【請求項9】 入射された入射光に対して偏波依存性を
    有する偏波依存性損失補償体と、 前記入射光に対して前記偏波依存性損失補償体の偏波依
    存性とは逆の傾向の偏波依存性を有し前記偏波依存性損
    失補償体を出た前記入射光が入射する光学素子とを有す
    ることを特徴とする偏波依存性損失を低減した光学素子
    モジュール。
  10. 【請求項10】 入射された入射光に対して偏波依存性
    を有する偏波依存性損失補償体と、 前記入射光に対して前記偏波依存性損失補償体の偏波依
    存性と同じ傾向の偏波依存性を有し前記偏波依存性損失
    補償体を出た前記入射光の偏波面が90度回転して入射
    する光学素子とを有することを特徴とする偏波依存性損
    失を低減した光学素子モジュール。
  11. 【請求項11】 請求項7又は10記載の光学素子モジ
    ュールにおいて、前記入射光の偏波面が90度回転して
    前記光学素子に入射するように、前記ガラス体或いは前
    記偏波依存性損失補償体の偏波面に対して光学素子の偏
    波面を直交しては位置し、前記入射光が前記ガラス体或
    いは前記偏波依存性損失補償体に水平偏波として入射し
    た場合は前記光学素子に垂直偏波として入射し、前記ガ
    ラス体或いは前記偏波依存性損失補償体に垂直偏波とし
    て入射した場合は前記光学素子に水平偏波として入射す
    るようにしたことを特徴とする光学素子モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012175607A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ伝送路設計方法

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JP2012175607A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ伝送路設計方法

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