JPH07328503A - 超音波振動子および超音波霧化装置 - Google Patents

超音波振動子および超音波霧化装置

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JPH07328503A
JPH07328503A JP15150594A JP15150594A JPH07328503A JP H07328503 A JPH07328503 A JP H07328503A JP 15150594 A JP15150594 A JP 15150594A JP 15150594 A JP15150594 A JP 15150594A JP H07328503 A JPH07328503 A JP H07328503A
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JP
Japan
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ultrasonic
emitting surface
ultrasonic wave
wave emitting
atomizing medium
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JP15150594A
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Inventor
Hirobumi Matsuda
博文 松田
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Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 霧化媒体が超音波放射面に滞留したり、霧化
されずに滴下してしまうことのない、効率よくかつ安定
した霧化の行える超音波振動子および超音波霧化装置を
提供する。 【構成】 超音波霧化装置は、超音波振動子1とこれを
取り付ける本体ケース3と霧化媒体を供給する液供給ポ
ンプ4と超音波振動子を駆動する発振器5とからなる。
この超音波振動子1の超音波放射面11aには細溝11
bが設けられており、供給された霧化媒体はこの超音波
放射面から放射される超音波により霧化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波振動子および該
超音波振動子を用いた超音波霧化装置に関し、主として
病院や医院等において手等を消毒殺菌するための消毒液
を霧化する等の用途に用いたり、溶融金属噴霧、農薬液
散布、くん蒸消毒液噴霧、気化器、タービン、ペンキ噴
霧器、スラリの噴霧およびバーナーや、燃料の噴射、芳
香材の散布に用いられる。
【0002】
【従来の技術】医療用として消毒液を霧化して手等に噴
出し消毒を行い、かつ手拭きの必要としない装置として
超音波霧化装置が要望されており、最近においていくつ
かの装置が開発されている。現在、液体を霧化するのに
超音波を利用する手段が一般的に採用されている。その
理由は、霧化量と霧化粒径とをそれぞれ超音波振動子へ
の供給電力および超音波周波数を可変することにより個
々に独立してコントロールできる利点を有しているため
である。従来の超音波霧化装置の構成例を図15,図1
6とともに説明する。図15は従来の超音波霧化装置に
用いる超音波振動子の構成を示す分解斜視図であり、図
16は超音波振動子を用いた超音波霧化装置の一部破断
正面図である。前面(手前側)が一部開口した本体ケー
ス3内に、ボルト締めランジュバン型超音波振動子8
(以下超音波振動子8とする)が本体ケース3の側面を
貫通して内方に突設された複数本の支持体33,34の
各先端で圧接され、後述する放射金属ブロックの超音波
放射面81aが水平に吊り下げ支持されている。超音波
振動子8は放射金属ブロック81とリア金属ブロック8
2との間に2個の円環状の圧電素子83,84とを介在
させるとともに、放射金属ブロック81と圧電素子8
3、圧電素子83と圧電素子84それぞれの間に電極板
85、86を介在させている。各金属ブロック81,8
2はその中央部分にネジ孔が貫通して形成されており、
また電極板85,86の一部にも貫通孔が設けられてお
り、これら各孔にボルト87を螺入することにより各構
成要素が締め付け固定されている。この超音波振動子8
は、圧電素子83,84の引張応力が圧縮応力よりも弱
いことからボルトで引っ張り応力を持たせて大きなパワ
ーを入力する超音波発生源として使用される。超音波振
動子の放射金属ブロックの下端面である超音波放射面8
1aには、網目状金属板9が接合固定されている。この
網目状金属板は同出願人が先に出願した特願平5−68
328号に媒体拡散部として開示したものであり、これ
により液体の霧化が促進される。
【0003】また、網目状金属板9あるいは放射金属ブ
ロック81の側面に消毒液を供給するための液供給ノズ
ル41,43が、各々の先端の液供給口を網目状金属板
の上方に位置するように本体ケースに貫通固定されてい
る。この各液供給ノズル41,43には液貯留タンク
(図示せず)の消毒液が液供給ポンプ4の駆動によりチ
ューブ42,44を通じて供給され、各々の液供給口か
ら網目状金属板9上あるいは放射金属ブロック81の側
面に滴下される。一方、超音波振動子はこれの各電極板
85,86を通じ圧電素子83,84に発振器5から所
定周波数の電圧が給電されることによって機械的振動が
生じ、これが両金属ブロック81,82に伝わり、それ
によって発生する定在波により共振が起こる。なお、図
示していないが、本体ケース3の前面下部にはこれの開
口部から内部に手が入れられたのを非接触で検出するス
イッチング用光電センサが配設されている。
【0004】このような構成の超音波霧化装置に、本体
ケース3の前面開口部から本体ケース内部に手を入れる
と、これを光電センサが検出し、このスイッチングによ
り液供給ポンプ4および発振器5が共に駆動する。超音
波振動子8は発振器から供給される所定周波数の電気エ
ネルギーを機械振動エネルギーに変換し、この振動によ
り網目状金属板9も励振されて振動し、液供給ノズルか
ら供給される消毒液が霧化されて手に噴出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記超音波霧化装置
は、網目状金属板等の霧化促進部を有する超音波振動子
を用いることにより、このような工夫がなされない従来
の超音波霧化装置に較べて飛躍的に霧化効率が向上して
いる。このような超音波振動子を用いた超音波霧化装置
は、霧化条件が良いときは霧化効率が良好であるが、供
給される液がチクソ性が高い場合、あるいは供給量が多
い場合、あるいは周囲温度が低い場合等霧化条件が悪い
場合に霧化効率が低下し、液が超音波放射面に滞留した
り、霧化されずに滴下してしまうことがあった。また、
このような液の滞留にも関連するが、温度の高低等の使
用環境によっては超音波放射面において液が霧化される
領域が偏る場合があり、所望の位置、範囲への霧化が困
難な場合があった。さらに霧化装置の小型化により超音
波振動子も小型が求められているが、このような場合、
超音波放射面も小さくなり、ここに取り付けられる網目
状金属板は機械的な負荷となる。このような場合超音波
振動が阻害され、駆動インピーダンスが高くなる問題点
があった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、液の霧化効率が供給される液の種類(チク
ソ性の高い低い等)、液の供給量、あるいは周囲温度に
影響されることなく、使用条件によっては液が超音波放
射面に滞留したり、霧化されずに滴下してしまうことの
ない、効率よくかつ安定した霧化の行える超音波振動子
および該超音波振動子を用いた超音波霧化装置を提供す
ることを目的とするものである。また、超音波振動子の
小型化にも対応させることを目的としている。さらに、
使用環境によって霧化領域が偏ることのない超音波振動
子および該超音波振動子を用いた超音波霧化装置を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1の発明は、超音波放射面あるいは超音波
放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当
該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前記超音
波放射面に少なくとも1本の細溝が形成されていること
を特徴とする超音波振動子である。
【0008】請求項2の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面に少なくとも1つの円形細溝あるいは円
弧状細溝を設けたことを特徴とする超音波振動子であ
る。この円形等の細溝は同心円を複数形成するというよ
うに複数形成してもよく、円形、円弧状の細溝を混合し
て形成する、あるいは本発明の他の請求項に記載した発
明と同時に混合して形成してもよい。
【0009】請求項3の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面に渦巻状の溝を設けたことを特徴とする
超音波振動子である。
【0010】請求項4の発明は、超音波放射面に霧化媒
体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体を霧化する
超音波振動子であって、霧化媒体の供給される部分から
放射状に溝を形成したことを特徴とする超音波振動子で
ある。
【0011】請求項5の発明は、超音波放射面あるいは
超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給し、超音波振動に
より当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であって、前
記超音波放射面が平均表面粗さ0.2μmから200μ
mの粗面であることを特徴とする超音波振動子である。
【0012】請求項6の発明は、特許請求項1項乃至5
項記載の超音波振動子と、この超音波振動子の超音波放
射面あるいは超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給する
手段と、この超音波振動子を駆動する手段とを有し、超
音波振動により当該霧化媒体を霧化する超音波霧化装置
である。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明によれば、超音波放射面に
供給された霧化媒体は、細溝による毛細管現象で超音波
放射面の一部あるいは全部に広く広がる。この広がった
霧化媒体に超音波放射面から超音波を放射することによ
り、霧化媒体が滞留することなく超音波放射面のほぼ全
面から霧化媒体が効率よく微粒子化されて噴霧される。
従来のように網目状金属板(霧化促進部)を用いないの
で、駆動インピーダンスが高くなることもない。
【0014】請求項2記載の発明によれば、細溝が円
形、あるいは円弧状に形成されているので、超音波放射
面に供給された霧化媒体は、当該形状の細溝に導かれて
超音波放射面の特に周囲に広く広がる。よって、請求項
1記載の発明と同じく、霧化媒体が滞留することなく超
音波放射面のほぼ全面から霧化媒体が効率よく微粒子化
されて噴霧される。
【0015】請求項3記載の発明によれば、細溝が渦巻
状であるので、超音波放射面に供給された霧化媒体は、
当該形状の細溝に導かれて超音波放射面の特に周囲に広
く広がる。よって、霧化媒体が滞留することなく超音波
放射面のほぼ全面から霧化媒体が効率よく微粒子化され
て噴霧される。
【0016】請求項4記載の発明によれば、霧化媒体の
供給される部分から放射状に溝を形成したので、この細
溝を介して霧化媒体が超音波放射面に広く広がる。よっ
て、霧化媒体が滞留することなく超音波放射面のほぼ全
面から霧化媒体が効率よく微粒子化されて噴霧される。
【0017】請求項5記載の発明によれば、前記超音波
放射面に平均表面粗さ0.2μmから200μmの粗面
加工を施しているので、これによる毛細管現象で霧化媒
体は超音波放射面の一部あるいは全部に広く広がる。よ
って、霧化媒体が滞留することなく超音波放射面のほぼ
全面から霧化媒体が効率よく微粒子化されて噴霧され
る。
【0018】請求項6の発明によれば、請求項1項乃至
5項記載の超音波振動子と、この超音波振動子の超音波
放射面あるいは超音波放射面の近傍に霧化媒体を供給す
る手段と、この超音波振動子を駆動する手段とを有し、
超音波振動により当該霧化媒体を霧化する超音波霧化装
置であるので、駆動インピーダンスが低く、かつ霧化媒
体を効率よく霧化できる。
【0019】本発明品と従来例品の比較データを示す。
図13は本発明品と従来例品の超音波振動子において、
霧化媒体の供給量を変化させた場合の駆動インピーダン
ス変化を示す図である。超音波放射面に霧化媒体が滞留
してくると駆動インピーダンスが通常より高くなる。換
言すれば、霧化媒体の供給量が過少である場合を除い
て、駆動インピーダンスが通常より高くなると、超音波
放射面に霧化媒体が滞留していることを示している。グ
ラフ中A1は図1で示すように超音波放射面に深さ約1
μm,幅約1μm、長さ10mmの細溝を形成した超音
波振動子であり、A2は超音波放射面に深さ約2μm、
幅約1μm、長さ8mmの細溝を3本ほぼ平行に形成し
た超音波振動子であり、B1は図4で示すように超音波
放射面に深さ約2μm、幅約1μm、直径10mmの円形
の細溝を形成した超音波振動子であり、B2は図6で示
すように超音波放射面に深さ約2μm、幅約1μmで直径
がそれぞれ10mm,7mm,4mmの3つの同心円か
らなる円形の細溝を形成した超音波振動子であり、C1
は細溝を設けずに、超音波放射面に平均粗さ2μmの粗
面加工を行った超音波振動子であり、C2は同じく超音
波放射面に平均粗さ6μmの粗面加工を行った超音波振
動子であり、Dは従来例であり、網目状金属板を超音波
放射面に取り付けた構成である。いずれも超音波振動子
の超音波放射面の直径は15mmであり、霧化媒体には
純水を用い、周囲温度10℃、駆動電力15W、周波数
60KHzで駆動するという条件で実験している。この
グラフから、従来例は全体的に駆動インピーダンスが高
く、霧化媒体の供給量が比較的少ない場合でも駆動イン
ピーダンスが高く、霧化媒体が早くから滞留し始めてい
ることを示しているのに対し、本発明品のそれぞれは全
体として霧化媒体の供給量がある程度増加しても、駆動
インピーダンスが高くならず、良好な霧化効率を得てい
ることが理解できる。また、直線の細溝、円形の細溝と
もに1つより複数のほうが霧化効率が高くなっている。
粗面加工については2つの実験例では大きな差異はなく
全体的に良好な霧化効率を得ている。
【0020】次に本発明品のうち、粗面加工をした構成
について、その平均表面粗さを変化させた場合の最大霧
化量についての比較データを図14に示す。所与の駆動
条件で超音波放射面に供給する霧化媒体の量を増加させ
ていくと、ある時点において霧化量が急激に減少する。
このとき超音波放射面には霧化媒体が液体のまま滞留
し、霧化媒体の供給を続けるとこれが超音波放射面から
滴下してしまう。この霧化量が急激に減少する時点を霧
化限界と称し、この霧化限界の直前の霧化媒体の単位時
間あたりの供給量を最大霧化量と称している。図14か
ら明らかなとおり、平均表面粗さが0.1μmでは0.
1cc/秒の最大霧化量しか得られないが、0.2μm
では約2倍の0.2cc/秒の最大霧化量が得られ、約
1μmの平均表面粗さでは約0.5cc/秒の最大霧化
量を得ることができる。平均表面粗さが200μm以上
になると急激に最大霧化量が低下し、霧化効率が悪化し
ている。
【0021】なお、溝の深さ、溝の幅、そして溝の数
は、超音波振動子のサイズ、あるいは霧化媒体の種類、
使用温度等の使用する環境によって決定すればよい。
【0022】
【実施例】本発明の第1の実施例について、図面を参照
して説明する。図1は超音波霧化装置に用いる超音波振
動子の構成を示す斜視図であり、図2は図1で示す超音
波振動子を用いた超音波霧化装置の一部破断正面図であ
る。なお、一部従来例と同じ構造部分については同番号
を付与して説明している。ボルト締めランジュバン型超
音波振動子1(以下超音波振動子1とする)は、下から
放射金属ブロック11、円環状部分を有する電極板1
5、円環状の圧電素子13、円環状部分を有する電極板
16、円環状の圧電素子14、リア金属ブロック12で
構成されており、放射金属ブロック11とリア金属ブロ
ック12の中央部分にはボルト孔が形成されている。こ
れら各孔にボルト17を螺入し、ワッシャ,ナットによ
り各構成要素が締め付け固定される。超音波振動子1の
放射金属ブロックの下端面である超音波放射面11aは
その直径が約15mmであり、深さ約1μm,幅約1μ
m、長さ10mmの直線状の細溝11bが設けられてい
る。なお、各図の細溝は作図の都合上、細線で表してお
り、これは以下の各実施例を説明する各図についても同
じこととする。また、当該超音波振動子1を吊り下げ支
持する際の支持部分には弾性リング12aがリア金属ブ
ロックの外周に取り付けられている。
【0023】図2に示すように、このような超音波振動
子1を超音波霧化装置の本体ケース3に設置する。本体
ケース3は、前面(手前側)下部には一部開口した開口
部3aを有しており、ケース内の上部には内方に突設さ
れた複数本の支持体31,32が設けられている。超音
波振動子はその超音波放射面が下方に位置するようこの
支持体の各先端で前記弾性リング12aが圧接され、超
音波放射面が水平方向に位置するよう支持されている。
また、放射金属ブロック11に霧化媒体である消毒液を
供給するための液供給ノズル41,43が、各々の先端
の液供給口を放射金属ブロックの上方に位置するように
本体ケース3に貫通固定されている。この各液供給ノズ
ル41,43には液貯留タンク(図示せず)の消毒液が
液供給ポンプ4の駆動によりチューブ42,44を通じ
て供給され、各々の液供給口から放射金属ブロック11
上にそれぞれ滴下される。一方、超音波振動子1にはこ
れの各電極板15,16を通じ、圧電素子13,14に
発振器5からリード線51,52を介して所定周波数の
電圧が給電される。これにより逆圧電効果に基づく機械
的振動が励起され、これが機械的接触を通じ両金属ブロ
ック11,12に伝わり、それによって発生する定在波
により共振が起こる。なお、図示していないが、本体ケ
ース3の前面下部にはこれの開口部3aから内部に手が
入れられたのを非接触で検出するスイッチング用光電セ
ンサが配設されている。
【0024】従来例においても説明したように、このよ
うな構成の超音波霧化装置に、本体ケース3の前面開口
部から本体ケース内部に手を入れると、これを光電セン
サが検出し、このスイッチングにより液供給ポンプ4お
よび発振器5が共に駆動する。超音波振動子1は発振器
から供給される所定周波数の電気エネルギーを機械振動
エネルギーに変換し振動する。液供給ノズルから霧化媒
体である消毒液が超音波放射面11aに供給されると、
消毒液は細溝の毛細管現象で超音波放射面に広がり、こ
れが霧化されて手に噴出される。なお、消毒液等の霧化
媒体の供給は、放射金属ブロックの側面に対して行って
もよい。この場合、霧化媒体が側面から超音波放射面に
流れて供給される。
【0025】本発明の第2の実施例について、図3とと
もに説明する。図3は超音波放射面の平面図である。な
お、第1の実施例と同じ構成部分については説明を省略
している。この実施例に用いられる超音波振動子1の超
音波放射面には第1の実施例で示したものと同じ形状、
寸法の直線状の2つの細溝11b,11cが超音波放射
面の中央部分で交差して設けられている。液供給ノズル
から霧化媒体である消毒液が超音波放射面11aに供給
されると、消毒液は細溝11b,11cの毛細管現象で
超音波放射面により広く広がり、これが霧化されて手に
噴出される。なお、この細溝は上述の実施例以外にも
縦、横、斜め、あるいはこれらの組み合わせであっても
よい。
【0026】本発明の第3の実施例について、図面を参
照して説明する。図4は超音波霧化装置に用いる超音波
振動子の構成を示す斜視図であり、図5は図4で示す超
音波放射面の平面図である。なお、一部従来例と同じ構
造部分については同番号を付与して説明している。ボル
ト締めランジュバン型超音波振動子1(以下超音波振動
子1とする)は、下から放射金属ブロック11、円環状
部分を有する電極板15、円環状の圧電素子13、円環
状部分を有する電極板16、円環状の圧電素子14、リ
ア金属ブロック12で構成されており、放射金属ブロッ
ク11とリア金属ブロック12の中央部分にはボルト孔
が形成されている。これら各孔にボルト17を螺入し、
ワッシャ,ナットにより各構成要素が締め付け固定され
る。超音波振動子1の放射金属ブロックの下端面である
超音波放射面11aには、円状の溝11dが設けられて
いる。この溝は例えば深さ2μm、幅2μm程度の比較的
微細なものでよい。なお、図示していないが、第1の実
施例と同じく当該超音波振動子1を吊り下げ支持する際
の支持部分には、弾性リング12aがリア金属ブロック
の外周に取り付けられている。
【0027】液供給ノズルから消毒液等の霧化媒体が超
音波放射面11aに供給され、これが霧化されて手に噴
出される。この超音波放射面に設けられた円状の溝11
dの存在により、霧化媒体が当該形状の細溝に導かれて
超音波放射面の特に周囲に広く広がる。よって、霧化媒
体が超音波放射面に滞留することなく、効率よく霧化さ
れる。
【0028】本発明の第4の実施例について、図6とと
もに説明する。図6はこの実施例に用いられた超音波振
動子の超音波放射面の平面図である。なお、第1の実施
例と同じ構成部分については説明を省略している。この
実施例に用いられる超音波振動子1の超音波放射面に
は、同心円の3つのの細溝11dが設けられている。こ
のような構成は前述の作用の項で説明したとおり、第3
の実施例に示した1つの円形の溝の構成に比べて毛細管
現象による霧化媒体の超音波放射面への広がりがスムー
ズで、より効率のよい霧化を行うことができる。
【0029】本発明の第5の実施例について、図7,図
8とともに説明する。図7は超音波霧化装置の内部断面
図であり、図8はこの実施例に用いられた超音波振動子
の超音波放射面の平面図である。この実施例に用いられ
る超音波振動子2は、全体として円柱形状であり、左右
両方向への超音波放射が可能な構成となっている。図面
左から放射金属ブロック21、円環状部分を有する電極
板25、円環状の圧電素子23、円環状部分を有する電
極板22、円環状の圧電素子24、リア金属ブロック2
2で構成されており、これらはボルト等により一体的に
締め付け固定されている。放射金属ブロック21,22
のいずれにも超音波放射面21a,22aが形成されて
おり、それぞれの側面から超音波放射面21a,22a
には霧化媒体の導入孔21b,22bが設けられてい
る。図8に示すように導入孔21b(超音波放射面22
についても同じ)近傍からは当該部分近傍を一端とする
円弧状の細溝21cが数本対称に形成されている。超音
波振動子はこの導入孔が上部に位置するように後述の収
納ケースに設置する必要がある。
【0030】このような構成の超音波振動子を収納ケー
ス7に収納する。収納ケース7は長手方向両方向が開口
する開口部が形成されており、この開口部から霧化され
た霧化媒体が放射される。収納ケースには超音波振動子
を支持固定する弾性支持体73,74が設けられるとと
もに、上部には霧化媒体を前述の導入孔21a,22b
に導く導入管75,76が設けられ、この導入管75,
76にはポンプ4からチューブ41,42を介して霧化
媒体が供給される。前述の電極板25,26はリード線
51,52により圧電振動子駆動用の発振器に接続され
ている。以上の構成の超音波振動子および超音波霧化装
置において、超音波振動子を駆動させ、霧化媒体を供給
することにより、霧化媒体が導入孔から超音波放射面に
供給され、放射状に形成された溝により霧化媒体が超音
波放射面全面に広がり、これが霧化され左右両方に勢い
よく放射される。なお、第1の実施例等と同じように、
超音波放射面を片面に設定してもよい。この場合、使用
しない面において導入孔等の霧化媒体を供給するための
機構は不要になる。
【0031】本発明の第6の実施例について、図9とと
もに説明する。図9はこの実施例に用いられた超音波振
動子の超音波放射面の平面図である。この実施例に用い
られる超音波振動子1の超音波放射面21dは6角形状
である。このような構成は放射金属ブロックの締め付け
時に有効であり、超音波振動子の組み立て容易にする利
点を有している。この超音波放射面に形成された2つの
細溝はく字形状(逆く字形状)であり、超音波放射面の
外周形状に一部合致した形状である。このように超音波
放射面の形状に合わせて細溝の形状を選択してもよい。
【0032】本発明の第7の実施例について、図10と
ともに説明する。図10はこの実施例に用いられた超音
波振動子の超音波放射面の平面図である。この実施例で
は霧化媒体の導入孔を形成していない例を示している。
この実施例に用いられる超音波振動子1の超音波放射面
には、同心円の3つのの細溝11fが設けられていると
ともに、各円をつなぐ連結溝21gが複数設けられてい
る。このような構成により、毛細管現象による霧化媒体
の超音波放射面への広がりがスムーズとなり、より効率
のよい霧化を行うことができる。
【0033】本発明の第8の実施例について、図11と
ともに説明する。図11は超音波放射面の平面図であ
る。この実施例では霧化媒体の導入孔を形成していない
例を示している。超音波放射面21aにはその外周近傍
から中央部分へ向かう渦巻状の溝21hが形成されてい
る。このような構成の超音波振動子においても、前述の
実施例と同じく霧化媒体が超音波放射面全面に広がり、
効率のよい霧化を行うことができる。
【0034】本発明の第9の実施例について、図12と
ともに説明する。図12は超音波放射面の平面図であ
る。超音波放射面21aには導入孔21bから放射状に
数本の溝が形成されている。超音波振動子を駆動させ、
霧化媒体を供給することにより、霧化媒体が導入孔から
超音波放射面に供給され、放射状に形成された溝により
霧化媒体が超音波放射面全面に広がり、これが霧化され
勢いよく放射される。なお、放射状に形成された数本の
溝は、直線上の溝に限られるものではなく、超音波放射
面の形状等に応じて、円弧状等の形状を採用してもよ
い。なお、超音波振動子はこの導入孔が上部に位置する
ように後述の収納ケースに設置する必要がある。
【0035】本発明の第10の実施例について説明す
る。この実施例は超音波放射面に粗面加工が施した例を
示している。超音波放射面を粗面にする加工方法は、例
えば平均表面粗さ約4μmの粗面加工を超音波放射面に
施す場合、GC#40のサンドペーパーを用い荷重3k
gで研磨を行えばよい。これにより平均表面粗さ約4μ
mの粗面を得ている。すでに粗面加工を施した実験例を
作用の項で示しているので一部説明は割愛するが、平均
表面粗さが0.2μm以下になると、毛細管現象による
霧化媒体の拡散がスムーズでなくなり、また200μm
を越えてくるとこの毛細管現象が起こりにくくなり、同
じく霧化媒体の拡散が損なわれる。
【0036】また、以上の説明で既に明らかになってい
るが、請求項1項乃至5項記載の超音波振動子を用い
て、この超音波振動子の超音波放射面あるいは超音波放
射面の近傍に霧化媒体を供給する手段と、この超音波振
動子を駆動する手段とを有し、超音波振動により当該霧
化媒体を霧化する超音波霧化装置を構成することによ
り、駆動インピーダンスが低く、かつ霧化媒体を効率よ
く霧化できる。
【0037】なお、上記各実施例では超音波振動子を縦
置きした例と横置きした例を示したが、本発明は設置方
向にかかわらず適用できるものであり、いずれの場合も
霧化効率を良好にするという作用効果を有するものであ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、超音波放射面に供給さ
れた霧化媒体は、毛細管現象で超音波放射面の一部ある
いは全部に広がる。この広がった霧化媒体に超音波放射
面から超音波を放射することにより、霧化媒体が滞留す
ることなく超音波放射面のほぼ全面から霧化媒体が効率
よく微粒子化されて噴霧される。従来のように網目状金
属板(霧化促進部)を用いないので、駆動インピーダン
スが高くなることもない。よって、超音波振動子が小型
化されても、あるいは霧化効率が供給される液の種類
(チクソ性の高い低い等)、液の供給量、周囲温度等の
使用条件が変化しても、液が超音波放射面に滞留した
り、霧化されずに滴下してしまうことのない、効率よく
かつ安定した霧化の行える超音波振動子及び超音波霧化
装置を得ることができる。
【0039】請求項2記載の発明によれば、細溝が円
形、あるいは円弧状に形成されているので、超音波放射
面に供給された霧化媒体は、当該形状の細溝に導かれて
超音波放射面の特に周囲に広く広がる。よって、霧化媒
体が滞留することなく超音波放射面のほぼ全面から霧化
媒体がより効率よく微粒子化されて噴霧される。
【0040】請求項3記載の発明によれば、細溝が渦巻
状であるので、超音波放射面に供給された霧化媒体は、
当該形状の細溝に導かれて超音波放射面の特に周囲に広
く広がる。よって、霧化媒体が滞留することなく超音波
放射面のほぼ全面から霧化媒体が効率よく微粒子化され
て噴霧される。
【0041】請求項4記載の発明によれば、霧化媒体の
供給される部分から放射状に溝を形成したので、この細
溝を介して霧化媒体が超音波放射面に広く広がる。よっ
て、霧化媒体が滞留することなく超音波放射面のほぼ全
面から霧化媒体が効率よく微粒子化されて噴霧される。
【0042】請求項5記載の発明によれば、前記超音波
放射面に平均表面粗さ0.2μmから200μmの粗面
加工を施しているので、これによる毛細管現象で霧化媒
体は超音波放射面の一部あるいは全部に広く広がる。よ
って、霧化媒体が滞留することなく超音波放射面のほぼ
全面から霧化媒体が効率よく微粒子化されて噴霧され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す一部破断正面図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す平面図。
【図4】本発明の第3の実施例を示す斜視図。
【図5】本発明の第3の実施例を示す平面図。
【図6】本発明の第4の実施例を示す平面図。
【図7】本発明の第5の実施例を示す内部断面図。
【図8】本発明の第5の実施例を示す平面図。
【図9】本発明の第6の実施例を示す平面図。
【図10】本発明の第7の実施例を示す平面図。
【図11】本発明の第8の実施例を示す平面図。
【図12】本発明の第9の実施例を示す平面図。
【図13】比較データを示すグラフ
【図14】比較データを示すグラフ
【図15】従来例を示す斜視図。
【図16】従来例を示す一部破断正面図。
【符号の説明】
1,2,8 超音波振動子 11,21,81 放射金属ブロック 11a,21a,21d,22a,81a 超音波放射
面 12,22,82 リア金属ブロック 13,14,23,24,83,84 圧電素子 15,16,25,26,85,86 電極板 17,87 ボルト 31,32 支持体 4 ポンプ 5 発振器 7 収納ケース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面に
    少なくとも1本の細溝が形成されていることを特徴とす
    る超音波振動子。
  2. 【請求項2】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面に
    少なくとも1つの円形細溝あるいは円弧状細溝を設けた
    ことを特徴とする超音波振動子。
  3. 【請求項3】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面に
    渦巻状の溝を設けたことを特徴とする超音波振動子。
  4. 【請求項4】 超音波放射面に霧化媒体を供給し、超音
    波振動により当該霧化媒体を霧化する超音波振動子であ
    って、霧化媒体の供給される部分から放射状に溝を形成
    したことを特徴とする超音波振動子。
  5. 【請求項5】 超音波放射面あるいは超音波放射面の近
    傍に霧化媒体を供給し、超音波振動により当該霧化媒体
    を霧化する超音波振動子であって、前記超音波放射面が
    平均表面粗さ μmから μmの粗面であることを特徴
    とする超音波振動子。
  6. 【請求項6】 特許請求項1項乃至5項記載の超音波振
    動子と、この超音波振動子の超音波放射面あるいは超音
    波放射面の近傍に霧化媒体を供給する手段と、この超音
    波振動子を駆動する手段とを有し、超音波振動により当
    該霧化媒体を霧化する超音波霧化装置。
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