JPH0731998A - 有機性廃棄物の微嫌気水素発酵法 - Google Patents

有機性廃棄物の微嫌気水素発酵法

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JPH0731998A
JPH0731998A JP19532993A JP19532993A JPH0731998A JP H0731998 A JPH0731998 A JP H0731998A JP 19532993 A JP19532993 A JP 19532993A JP 19532993 A JP19532993 A JP 19532993A JP H0731998 A JPH0731998 A JP H0731998A
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fermentation
hydrogen
organic waste
gas
hydrogen fermentation
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JP19532993A
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Taisuke Toya
泰典 遠矢
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Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
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Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
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  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリーンエネルギーである水素を高速、高効
率で生産することができる微嫌気水素発酵法を提供す
る。 【構成】 有機性廃棄物1を水素発酵7させる微嫌気水
素発酵法において、前記水素発酵における発酵液を酸化
還元電位9が、−100〜−200mVの範囲の微嫌気
条件となるように制御3しながら発酵させる方法であ
り、前記水素発酵は、減圧発酵で行うか、又は、発生ガ
スをガス分離膜11を通過させて水素12と炭酸ガス1
3を分離させながら行うのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機性廃棄物の生物処
理方法に係り、特に、し尿、下水汚泥等の有機物を濃厚
に含む各種汚泥の微嫌気水素発酵法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、し尿、下水汚泥及び/又は有機物
を濃厚に含む各種汚泥の処理処分は、処理コストが安い
こと、運転管理が容易なこと、及び有機物の分解安定化
と同時にこれらをエネルギー物質であるメタンに生物変
換できることなどの利点が評価され、メタン発酵法が採
用されてきたことは周知の事実である。
【0003】従来技術としてのメタン発酵法には、高温
メタン発酵法、中温メタン発酵法及び/又は比較的最近
の技術として上向流式スラッジブランケット型メタン発
酵法(UASB法)等があり、これらの処理技術は、共
通して固形物液化細菌、酸発酵菌(低級カルボン酸の生
成)及びメタン生成菌による3段階の生物学的な継起反
応により汚濁性有機物を分解、低分子化し、最終的にエ
ネルギー物質であるメタンと炭酸ガスに変換し、メタン
発酵消化液は通常の好気性処理により残存する有機物を
微生物学的に酸化、安定化して公共用水域に放流する技
術である。
【0004】この処理技術の中核は、各種汚泥中に野性
的に生息している、例えば、メタノコッカス(Methanoc
occus)、メタノスリックス(Methanothrix) 、メタノサ
ルシナ(Methanosarcina) 、メタノブルビバクター(Me
thanobrevibacter) などのカルボン酸資化性メタン細
菌、水素資化性メタン細菌などの所謂メタン生成細菌に
よるメタン生成生物反応であり、次の生物反応によりメ
タンが生成される。 酢 酸 CH3 COO- +H2 O=CH4 +HC
3 - 蟻 酸 4HCOO- +4H+ +H2 O=3HC
3 - +3H+ +CH4 酪 酸 2CH3 (CH2 2 COO- +HCO
3 - +H2 O=4CH3 COO- +H2 +CH4 水 素 4H2 +H+ +HCO3 - =CH4 +3
2
【0005】前記したように、メタン発酵法は省エネル
ギー的な処理技術であるだけでなく、メタンというエネ
ルギー物質を生産できるために、濃厚有機性廃棄物、例
えばし尿、下水汚泥の処理に広く採用され、現時点にお
いて、し尿処理では処理場総数1250箇所に対して約
550〜650箇所、下水処理では処理場総数1200
箇所(全てを含めて)に対して300〜400箇所のメ
タン発酵処理施設が稼働している。
【0006】然しながら、ここ数年来地球規模での環境
汚染が顕在化しつつあり、その中でも各種のガスによる
地球の温暖化が人類の将来の生存を脅かす最たるものと
して指摘され、警鐘が鳴らされている。温暖化を促進す
るガスとしては、現在、人間の各種の生産活動、生活活
動及び自然の生態系から大気中に放散される炭酸ガスが
最も多く、地球温暖化への寄与率は45〜55%である
といわれる。これに対して、上記の人類による各種の活
動及び自然界からのメタンの発生量は炭酸ガスの発生量
に対しては微々たるものであるが、メタンの赤外線吸収
能力は炭酸ガスに対して格段に大きい(約2桁大きい)
ためにメタンガスの地球温暖化への寄与率は15〜20
%にも達し、地球の温度上昇に対して無視できない寄与
率である。
【0007】このような観点から、従来技術としてのメ
タン発酵法は、地球温暖化に極めて深刻な影響を与える
メタンガスを集中的に、かつ大量に発生するのでエネル
ギー物質として完全に捕捉し、完全燃焼しなければなら
ない。しかし現実には、外気温度の低い冬期にはまず問
題はないとして、夏場の外気温が高い季節には、発酵槽
の加温熱源として発生するメタンガスは明らかに余剰熱
源となり、多くの処理場では熱源として利用する事無
く、発生ガスをそのまま大気に放散している事例が多
い。
【0008】さらに、このメタン発酵技術は、水素資化
性メタン生成菌の基質となる水素の絶対量に対して、生
物反応の結果生成される炭酸ガスが大過剰であるため
に、発生ガス中にはエネルギー源として全く価値のない
炭酸ガスが常に、約40%残存し、地球温暖化を助長す
る結果となる。また、前記のメタンガスもエネルギーと
して有効に利用しても、燃焼すると次式に示すように炭
酸ガスに変換される。 CH4 +2O2 =CO2 +2H2
【0009】以上より、従来から、し尿或いは主として
下水汚泥の処理技術として広汎に適用されているメタン
発酵法は、発生するメタンガスが未利用のまま大気中に
漏洩したり或いは意識的に大気中に放散されることによ
り地球の温暖化を助長し、さらに厄介なことにはメタン
をエネルギー源として燃焼しても地球温暖化の元凶であ
る炭酸ガスに変換し、温暖化をさらに助長することにな
る。以上詳述したように、従来、し尿、下水汚泥及び/
又は有機物を濃厚に含む各種の廃水、汚泥の処理に広く
採用されているメタン発酵は、それ自身、省エネルギー
的であり、運転管理も容易であるが、発生するガスを利
用しても、また、利用しないで大気中に放散しても、地
球の温暖化に負に寄与する大量のメタンガス、炭酸ガス
を排出し、地球に優しい処理技術であるとは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の事実より、ここ
数年来、地球環境保全或いは改善に貢献できる新しい有
機性廃棄物の処理技術、特に、従来技術としてのメタン
発酵法に取って変わるべき新しい処理技術の研究、開発
が急務となっており、その確立が社会的に強く要望され
ている。本発明は、従来技術、特にメタン発酵法の前記
の宿命的な欠陥を改善し、クリーンエネルギーである水
素を高速、高効率で生産することができる微嫌気水素発
酵法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、有機性廃棄物を水素発酵させる微嫌気
水素発酵法において、前記水素発酵における発酵液を酸
化還元電位が、−100〜−200mVの範囲の微嫌気
条件となるように制御しながら発酵させることとしたも
のである。上記において、水素発酵は、減圧発酵で行う
か、又は、発生ガスをガス分離膜を通過させて水素と炭
酸ガスを分離させながら行うのがよく、こうすることに
よって、水素ガスを強制的に反応系外に取出すことによ
り水素分圧を低減せしめることができる。
【0012】また、原料としての有機性廃棄物は、発酵
する前に予め緩慢曝気により有機性廃棄物の酸化還元電
位を水素発酵が遅滞なく進行する範囲に調整するのがよ
い。さらに、前記水素発酵は、減圧発酵を行う第一発酵
と常圧発酵を行う第二発酵とに分割し、第二発酵の発酵
液を緩慢曝気により水素発酵が遅滞なく進行する酸化還
元電位に調整し、この発酵液を有機性廃棄物に合流させ
るか、又は第一発酵に連続的及び/又は間歇的に循環さ
せて行うことができる。本発明の水素発酵は、酸化還元
電位感知センサーにより、酸化還元電位が水素発酵に好
適な範囲となるように緩慢曝気の風量を調整して行うこ
ともできる。
【0013】上記のように、本発明においては、し尿や
下水汚泥の野性的に生息しているメタン生成細菌群と水
素生産菌群とが、それぞれ生活し、かつ増殖するのに好
適な酸化還元電位に可成りの格差があることを有効に利
用し、投入基質或いは嫌気性発酵槽内液の酸化還元電位
を、緩慢な曝気などの手段により水素生産菌が生息する
に適した範囲に人為的に制御することにより、有機性廃
棄物の水素発酵がメタン発酵に優先して進行するように
調整することを最大の特徴とする水素生産法であり、水
素発酵を微嫌気の条件下で安定して、かつ高速、高効率
に達成させることができる。
【0014】次に本発明を詳細に説明する。本発明の微
嫌気水素発酵法では、メタン発酵に優先して水素発酵が
進行する結果として、発酵槽の液相において水素平衡濃
度が上昇し、当然、閉鎖系の発酵槽気相部の水素分圧が
上昇する。水素生産菌による有機性廃棄物の水素発酵
は、その生物反応の標準自由エネルギーが正の値となる
吸エルゴン反応であり、本来的に生物反応は正の方向に
は進みにくい。
【0015】この反応を正の方向に順調に進行させるた
めには、水素発酵の生産物である水素を、混合培養系に
おいて、他の生物反応を継起的に進行せしめることによ
り全体の生物反応系として標準自由エネルギーが負の値
となる発エルゴン反応に転換するか或いは液相、気相中
の水素を強制的に反応系外に取り出し、実質的に発エル
ゴン反応と同等の効果があるように操作しなければなら
ない。従って、本発明では、有機性廃棄物の水素発酵を
遅退なく進行させるために、水素発酵槽を減圧条件と
し、槽内液を減圧発酵することにより、液相中の水素の
平衡濃度及び気相中の水素分圧を強制的に低減し、水素
発酵が実質的に発エルゴン反応として進行するように配
慮されている。
【0016】また、本発明では、水素発酵を順調に進行
させる他の方法として、水素発酵の発生ガスがガス分離
膜を通過させることにより炭酸ガスと水素ガスとに分離
し、水素ガスを生物反応系外に強制的に取り出し、前記
の障害を解消している。微生物の優れた機能の一つとし
て、特定の微生物によって必ずしも好ましい生活環境、
生活条件が与えられなくても、長期間、この条件下で培
養する過程で遺伝子レベルでの質的転換が行なわれ、次
第にこの環境に馴致、順応し、微生物は異種環境におい
ても好ましい条件下におけるとほぼ同等の機能を発揮す
るようになる。この質的転換を有効に利用し、当初に設
定した減圧発酵槽の減圧度、及び/又はガス分離膜にお
ける水素ガスの分離量を緩慢に低減することにより、常
圧における水素発酵を企図することも本願発明の目的を
妨げるものではない。
【0017】本発明における最重要な必須条件は、発酵
槽内溶液のORPを、緩慢曝気により絶対嫌気の環境か
ら微嫌気の環境、即ち、ORPを水素生産菌が生活、増
殖するのに最適な−100〜−200mVの範囲に調整
することである。然しながら、この操作を、即ち緩慢曝
気を水素発酵槽内で直接行なうと槽内でのORPの変動
幅が不可抗力的に大きくなり、水素生産菌にとって必ず
しも好ましい生活環境とは言えない。水素生産菌は微嫌
気環境を好むとはいえ所謂好気性細菌ではなく、菌体に
直接過剰の酸素が接触することは、水素生産菌の活動、
増殖にとっては可成りの阻害要因となる。
【0018】本発明では、この阻害要因を排除するため
に、主たる発酵槽のORPを直接的に好適範囲に調整す
るのではなく、例えば、主発酵槽の前にORP調整槽を
設け、ここで処理対象物を緩慢曝気することにより主発
酵槽内溶液の緻密な調整が行なわれるように配慮されて
いる。さらに、本発明では、別の阻害要因排除方法とし
て水素発酵槽を2分割して初段の発酵槽を減圧発酵槽、
次段の発酵槽を常圧発酵槽とし、常圧発酵槽を緩慢曝気
することにより設定ORPを所定のORPよりも高くな
るように操作し、この液を水素生産の主発酵が行なわれ
る減圧発酵槽に連続的及び/又は間歇的に適量循環する
ことによりORPを間接的に微調整し、確実に−100
〜−200mVの範囲となるように考慮している。
【0019】また、本発明では、発酵槽のORPの調整
をさらに厳密に行なうために、前記の2例の主発酵槽に
酸化還元電位検知センサーを設置し、これを緩慢曝気用
のブロワーと運動させることにより曝気風量を調整し、
これにより生物反応系のORPを水素発酵が確実に進行
する範囲となるように制御する機構を設けている。
【0020】
【作用】周知のように、メタン生産細菌は偏性(絶対)
嫌気性菌の範囲に属し、酸素の存在により決定的な打撃
を受けるだけでなく、このような環境条件下では生存す
ることができない。従って、これらの細菌が生存し、か
つ生活、活動できる酸化還元電位(以下、ORPと略記
する)には自ずから限界があり、通常、可成り厳密に−
350〜−450mVに制限される。し尿、下水汚泥な
どの有機性廃棄物には野性的に多くの種属のメタン生成
菌が生息しているが、その代表的なメタン菌群として次
の種属があげられる。
【0021】 メタノコッカス(Methanococcus) メタノサルシナ(Methanosarcina) メタノスリックス(Methanothrix) メタノブレビバクター(Methanobrevibacter) メタノミクロビウム(Methanomicrobium) メタノスピリリウム(Methanospirillum) メタノバクテリウム(Methanobacterium) メタノゲニウム(Methanogenium) な
ど。
【0022】これらのメタン生成細菌類は例外なく偏性
嫌気性細菌に属し、前記したORPの条件下でないと生
息できないだけでなく、メタン生成細菌類は一般的に下
記に示すように至適pH条件下、最適温度条件でも増殖
速度が極めて遅い。 至適pH ・・・・・・・ 7.8 至適温度 ・・・・・・・ 28〜33℃ 比増殖速度 ・・・・・・ 0.3〜0.5day-1 このメタン生成細菌の増殖特性は、後述するように、本
発明方法の課題、目的を安定して達成するには極めて好
都合である。
【0023】メタン生成細菌類に対して水素生産菌類は
通性嫌気性菌の範疇に属し、酸素の存在が必ずしも生存
の決定的な障害にはならず、酸素があっても、なくても
生活、増殖することができる。従って、当然、生存でき
るORPの範囲はメタン生成細菌よりも正の側に偏差し
ており、通常−100〜−200mVが好適ORPの範
囲である。し尿、下水汚泥などの有機性廃棄物に野性的
に生息している水素生産菌類は現時点で可成り明確にさ
れ、同定されているが、その主なものを列記すると次の
通りである。また、水素生産菌の特質として強力なセル
ラーゼを生産する菌が多く、この種の細菌は繊維質を分
解して水素を生産する。
【0024】 クロストリジウム ブチリカム(Clos
tridium butyricum) クロストリジウム スエルモセラム(Clostridium
thermocellum) クロストリジウム ビフェルメンタンス(Clostrid
ium bifermentans) クロストリジウム スポロゲネス(Clostridium sp
orogenes) クロストリジウム アエロトレランス(Clostridiu
m aerotolerans) ルミノコッカス アルバ(Ruminococcus alba) ザルシナ マキシマ(Sarcina maxima)
など。
【0025】これらの水素生産菌類は、メタン生成細菌
と比較すると、対象となる基質により可成りの範囲で変
動するが、次に示すように最適条件下における比増殖度
はメタン細菌よりも通常1桁大きく、連続系におけるケ
モスタットにおいても菌の滞留時間が0.5〜3.0日
でも系外に洗流されることはない。 至適pH ・・・・・・・ 5.5〜5.8 至適温度 ・・・・・・・ 25〜30℃ 比増殖速度 ・・・・・・ 5〜15day-1
【0026】このように、メタン生成細菌類と水素生産
菌類との間には最適のORPの範囲に大きい格差がある
だけでなく、最適pH範囲及び増殖速度の間にも大きい
格差があり、本発明の微嫌気水素発酵をメタン発酵に優
先して、かつ安定して進行させるには有利な条件が具備
されているのである。この革新的な新規の生物生産プロ
セスから生産される水素の発生量は大量であり、同時に
発生する地球温暖化の原因物質である炭酸ガス量を最低
とすることが出来るだけでなく、この多機能生産処理プ
ロセスにより有機性廃棄物の処理も可能である。従っ
て、本発明は、トータルプロセスとして地球環境保全及
び改善に著しく貢献する画期的な有機性廃棄物の処理と
水素生産が可能な生物学的水素生産法である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 図1に本発明の方法を実施するための工程図の一例を示
す。この実施例では有機性廃棄物として下水の混合汚泥
(最初沈殿池汚泥+余剰活性汚泥)を用いて説明する。
まず、図1において、処理対象として下水混合汚泥1を
流入管2を経由してORP調整槽3に導入する。調整槽
の容積は特に限定しないが、汚泥の滞留時間として0.
5日〜1日もあれば十分である。
【0028】嫌気的条件に放置された下水混合汚泥1の
ORPは、通常メタン発酵が進行するに適した−350
〜−450mVの範囲にあり、絶対嫌気性菌であるメタ
ン生成細菌は、この環境下で微弱ながら既に活動を開始
している。従って、ORP調整槽3に貯留された(連続
或いは回分式の何れの注入方式でもよい)下水混合汚泥
1のORPを、通性嫌気性細菌である水素生産菌が活動
するのに好適なORPまで上昇させるために、ブロワー
4により緩慢曝気し、−100〜−200mV、好まし
くは−150mV程度に調整する。
【0029】然し、下水混合汚泥1は、減圧水素発酵槽
7に投入され、嫌気的条件に曝されると嫌気度が高まり
ORP値が希望する値よりも低くなるので、−100〜
−200mVよりも正値により近い値に設定するのが好
ましい。何れにしても、減圧水素発酵槽7におけるOR
P値を水素生産菌の至適ORPの範囲に厳密に設定する
ために、本発明では減圧水素発酵槽7に設置したORP
感知センサー9と緩慢曝気用のブロワー4を電気的に連
動させることにより、発酵液のORPが常に至適範囲と
なるように制御されている。
【0030】緩慢曝気により微嫌気条件に調整された下
水混合汚泥1は移送管6により減圧水素発酵槽7に連続
的及び/又は間歇的に投入される。減圧水素発酵槽7の
容積は、前記したように通常のメタン生成菌の増殖速度
では必然的に槽外に洗流されるように配慮されており、
処理すべき下水混合汚泥1の減圧水素発酵槽7での滞留
時間が3〜5日となるような容積を有する。前記したよ
うに、下水汚泥などに通常野性的に生息しているメタン
生成細菌の増殖速度は、pH=7.8、培養温度28〜
33℃の最適条件において0.3〜0.5day-1の範
囲にあり、この数値を基準としてメタン生成細菌が反応
系外に洗流される滞留時間を計算上求めると3.3日以
内となる。
【0031】また、この短い滞留時間範囲で嫌気性発酵
を行なうと、通常メタン発酵よりも酸発酵が支配的とな
る所謂酸発酵主導型の発酵が優先的に進行し、発酵液中
に低級カルボン酸が蓄積して、液のpHは可成り酸性側
に偏差する。このように、減圧水素発酵槽7の容積を縮
小することにより、発酵条件はORPだけでなく、メタ
ン生成細菌は必然的に発酵槽外に洗流され、さらにpH
条件もメタン生成細菌の好適pHから可成り低い側に偏
差するために、自動的に水素生産菌の増殖に最適な環境
条件が具備されることになり、好都合である。
【0032】減圧水素発酵槽7に導入された下水混合汚
泥1は、槽内滞留時間3〜5日、発酵温度30℃、自動
的に調整されるpH5.0〜6.0の条件下で、かつ、
攪拌機8により連続的に攪拌しながら水素発酵させるの
が好ましい操作条件であり、本発明の目的を達成するに
適した条件である。槽内攪拌は、発生ガス攪拌でも本発
明に反するものではない。
【0033】下水混合汚泥1が前記の条件で処理される
と次の生物反応式に例示したように有機物が分解され、
低級カルボン酸と相当量の水素が生産される。 *(C6 105 n →4C6 126→3CH3 (C
2 2 COOH+2CH3 COOH+8H2 +8CO
2 *3CH3 (CH2 2 COO- +6H2 O=6CH3
COO- +3H++6H2 *2CH3 COO- +4H2 O=10H+ +2H2 +4
CO2
【0034】そのために、発生した大量の水素が減圧水
素発酵槽7内の発酵液及び気相部に充満し、液相中の平
衡濃度だけでなく、気相中の水素分圧が上昇する。水素
は、それ自身が本来的に生物毒作用を持っており、液相
中の濃度がある限度以上になると水素発酵が阻害され
る。さらに、前記したように、水素生産菌による水素生
成の生物反応は標準自由エネルギーが正値をとる吸エル
ゴン反応であり、生成された水素を強制的に反応系外に
取り去り、実質的に発エルゴン反応と同等の効果を発揮
するような特定の操作を考慮する必要がある。本発明で
は、この目的のために水素発酵槽を常法の減圧発酵条件
とする。すなわち、発酵槽気相部の減圧度は、通常−3
00〜−400mmAqに設定されるが、この減圧度を
常時維持することにより、水素発酵は正の方向に遅退な
く進行する。
【0035】水素発酵により発生する水素ガスを生物反
応系外に使用するもう一つの方法として水素ガス分離膜
を用いる方法があり、減圧発酵と同等の効果を期待する
ことができる。水素ガスはガス分子として粒径が極めて
小さく、他のガスとの混合ガスから水素を99%の高純
度で容易に分離することが出来るので、例えば、既に石
油精製工業、化学工業などの生産工程で実用化されてい
る。本発明のように、下水混合汚泥の水素発酵の発生ガ
スが水素ガスと炭酸ガスの混合ガスである場合、ガス分
離膜による水素の分離は比較的容易であり、通常、5k
g/cm2 以下の圧力で99%の高純度水素ガスとして
分離することができる。市販の水素ガス分離膜として
は、素材として幾つかの種類のものが販売されている
が、本発明の実施例では水素を最も選択的に、かつ効果
的に分離できる芳香族ポリイミドを素材とする分離膜を
使用した。
【0036】本発明において、減圧水素発酵槽7からの
発生ガスはガス排出管10から引き抜かれ、ガス分離膜
11を減圧状態で通過させることにより水素ガス12を
分離し、一方、濃縮された炭酸ガス13は別系統に取り
出され、目的に応じて有効利用され処理、処分される。
減圧発酵、ガス分離又は両者の併用により発酵槽内の水
素分圧を低減することにより水素生産菌は正常に増殖す
るが、この細菌は生物反応系で次第に高濃度の水素に遺
伝子レベルでの耐性を獲得する能力があるので、減圧発
酵、ガス分離の操作は運転当初からある一定期間を経て
あとは、徐々に常圧発酵に戻すか或いはガス分離を行な
わない条件に転換しても水素発酵が極端に減衰すること
なく、このような運転操作も本発明の範囲に含まれるこ
とは当然である。
【0037】有機物を分解された下水混合汚泥1は前記
の水素発酵の生物反応式からも容易に理解できるよう
に、可成りの濃度の低級カルボン酸(酪酸6,000m
g/l以上、酢酸500mg/l以上)が含まれてい
る。従って、発酵消化液は流出管14を経由して系外に
取り出されたのち、低級カルボン酸を分離精製して有効
利用するか或いは公共用水への放流を前提として生物学
的な処理によりさらに分解安定化する必要がある。ま
た、発酵消化汚泥は引抜き管15により外部に取り出さ
れ、適法な手段により処理、処分される。
【0038】実施例2 図2に本発明の方法を実施するための工程図の他の例を
示す。図2においては、水素発酵槽を、減圧発酵を行な
う第一発酵槽23と常圧発酵を行なう第二発酵槽24に
2分割してある。両発酵槽23、24の総容積は、通常
のメタン生成細菌が増殖速度の点から必然的に洗流され
る3〜5日となるように設定することが望ましく、ま
た、第一発酵槽23と第二発酵槽24の容積比は凡そ
2:1となるように決定することが望ましいが、本発明
は、この比率に限定されるものではない。
【0039】まず、下水混合汚泥21は流入管22によ
り第一発酵槽に導入される。第一発酵槽(減圧水素発酵
槽)23で水素発酵された発酵液は移送管により第二発
酵槽(常圧発酵)24に導入され、この槽で水素発酵の
仕上げを受ける。第二発酵槽24は一種のORP調整槽
的な機能を持ち、槽の底部からブロワー32により空気
を緩慢に送り込み、水素生産菌に好適なORPよりも若
干高め(正値に近い値)のORP値まで槽内液を曝気す
る。この槽のORP値は槽に設けられたORP感知セン
サー29で監視される。ブロワー32からの送気は、ガ
ス排出管30によって発生した主として炭酸ガスと共に
大気中に放散される。
【0040】さらに、ORPを水素生産菌に好適な値よ
りも高めに調整された第二発酵槽24の発酵液は、発酵
液循環ポンプ33と循環管34によって生物反応系内を
連続的或いは間歇的に循環するが、この循環液は、分岐
管35により下水混合汚泥21に合流するか或いは分岐
管36により第一発酵槽に導入される。図2に例示した
プロセスの主たる狙いは、図1に例示したプロセスが、
減圧水素発酵槽内の発酵液のORPを水素生産細菌の増
殖に適した、またメタン発酵を抑制するに適した範囲に
調整するのに可成りの熟練を必要とするのに対して、適
度の液循環により簡単な操作で、希望するORP値に正
確に制御することが出来るだけでなく、主発酵が行なわ
れる第一発酵槽23で主役を演じている水素生産菌に直
接酸素が接触する機会がないので、水素発酵が円滑に行
なわれるという利点がある。
【0041】また、第一発酵槽23のORP調整をさら
に厳密に行なうために、第一発酵槽23に設けられたO
RP感知センサー29と緩慢曝気用ブロワー32とを電
気的に連結し、槽内のORP値を検知しながらブロワー
32をON−OFFさせるように配慮されている。水素
発酵の阻害要因となる発生ガス中の水素ガスによる発酵
槽気相部の酸素分圧を低減させる方法としては、図1に
例示した方法と同様の方法を採用しており、第一発酵槽
23の発生ガスはガス排出管25により槽外に取り出さ
れ、ガス分離膜を減圧条件で通過し、水素ガス27と濃
縮炭酸ガス28とに分離する。減圧発酵の機構も図1と
全く同様である。発酵消化汚泥は、排出管37によって
槽外に引抜き、処理、処分される。
【0042】実施例3 この実施例は、有機性廃棄物として都市下水処理場から
発生する下水汚泥を水素発酵した処理例である。実験に
供した下水汚泥は、某下水処理場の重力沈殿濃縮した最
初沈殿池汚泥と機械脱水した余剰活性汚泥とを、固形物
重量比が自然発生比に近似した2:1となるように混合
し、混合液の全固形物濃度がほぼ30g/lとなるよう
に水道水を加えて調整し、実験期間中は変質しないよう
に3〜5℃の冷暗所に保存した。表1に実験に供した下
水混合汚泥の一般的性状、組成を示す。
【0043】
【表1】 1 最初沈殿池汚泥:余剰活性汚泥(機械脱水)=2:
1(重量比) *2 遠心分離・・・・3,000G,10分間
【0044】水素発酵槽の容積は、実際の水張り容積
(有効容積)が5リットルの円筒型発酵槽を3基製作
し、これらを30℃の恒温水槽にセットして、発酵日数
が4日の中温発酵を行なった。それぞれの水素発酵の条
件は次の通りである。実験条件 (1)対照 下水混合汚泥の嫌気性発酵 (2)下水混合汚泥の減圧水素発酵 微嫌気水素発酵 減圧度 −1,500mmAq (3)下水混合汚泥の常圧水素発酵 水素ガス分離膜による水素分圧の低減
【0045】本発明の実施例に使用した水素発酵槽は、
有効容積が5リットルで規模が小さいため、本発明にお
ける発酵槽の減圧システムをそのまま実施例の実験装置
に適用するには装置的に可成りの困難が伴い、実験結果
の正確、妥当な評価に反って支障を来すことになる。そ
こで、実験(2)の水素発酵槽は、真空ポンプにより全
槽が実質的に−1,500mmAqとなるように自動的
に減圧制御し、減圧発酵を行なった。実験(3)に用い
た水素ガス分離膜は、某社製の芳香族ポリイミドを素材
とする分離膜であり、長さが約290mm,直径が約5
0mmの円筒状の製品であり、出来合いの分離装置にセ
ットして使用した。
【0046】水素ガス分離の条件としては、減圧度−
1.5psigの減圧条件で、発酵槽からの水素ガス
(約70%)と炭酸ガス(約30%)の混合ガスを吸引
し、分離される水素ガスの純度は90〜95%を期待し
た。実際の運転では、分離装置の能力が過大なために稼
働時間は短く、運転3min/休止57min程度であ
った。
【0047】供試した下水混合汚泥は発酵槽に投入(回
分式)する前に緩慢な曝気を行い、供試汚泥のORPが
所定のORPよりも高めとなるように、具体的にはOR
P−50〜−100mVとなるように調整したのちに発
酵槽に投入した。3基の水素発酵槽内溶液のORPは、
それぞれにORP感知センサーを設置し、ORP値を監
視しながら水素生産菌が増殖するのに好適な−150m
Vを設定値として運転した。
【0048】それぞれの発酵槽に対する下水混合汚泥の
注入量は1.25リットル/日、従って、3基の発酵槽
とも汚泥の滞留時間は計算上4日となる。発酵消化液
は、遠心分離器を用いて3,000Gの遠心力、10分
間で浮遊物を強制的に分離除去し、水質分析の試料に供
した。以上の実験装置、実験条件における検証実験は、
運転が定常状態に達してから5ヵ月間継続し、その中間
過程での1ヵ月間の処理成績(平均値)を表2に示し
た。
【0049】
【表2】
【0050】検証実験によって得られた結果を要約する
と次の通りである。 (1)表2の実験結果からも容易に理解できるように、
下水の混合汚泥を、ORPを調整してから単に嫌気性発
酵(ほぼ常圧に等しい圧条件)しても水素発酵が優先的
に進行することはなく、しかも発酵日数が4〜5日程度
ではメタン発酵が確実に優先する。 (2)さらに、この程度の発酵日数では有機物の可溶化
は進むが有機物の分解率は低く、メタン発酵は水素発酵
には優先するが酸発酵優先型のメタン発酵であり、発生
ガスの絶対量が少ないだけでなく、発酵消化液には高濃
度に酢酸、プロピオン酸などの低級カルボン酸が含まれ
る。
【0051】(3)これに対して、下水混合汚泥を微嫌
気としたのち、水素発酵槽の減圧度を−1,500mm
Aqに連続的に設定した減圧水素発酵法では明らかにメ
タン発酵は抑制され、水素発酵が優先的に進行する。発
生ガスの絶対量も実験1に比較して約32%も増加し、
しかも発生ガス中には約70%のクリーンエネルギーで
ある水素が含まれる。さらに、当然のことながら、発酵
液のCOD除去率、有機物の除去率は実験1よりも遙か
に優れている。
【0052】(4)さらに、実験3においては、微嫌気
下水混合汚泥を減圧発酵ではなく、ガス分離膜により発
生ガス中の水素ガスを系外に取り出し、発酵槽気相部の
水素分圧を低減する方法で水素発酵を試行したが、表2
の実験結果が示すように、実験2の減圧発酵とほぼ同等
の効果があり、水素発酵がメタン発酵に優先して進行し
た。処理結果としての水質的所見及びガス発生に関する
所見も、実験2の実験結果に対して遜色はないものと判
断される。
【0053】(5)メタン発酵に対して水素発酵を優先
させる手段としての減圧発酵及びガス分離膜による水素
分圧の低減化法は、運転当初の2〜3ヵ月間適用すれ
ば、混合培養液中の水素生産菌は遺伝子レベルの質的転
換により高濃度水素、高水素分圧の環境に馴致される。
本発明の実施例では、特に実験結果を提示しなかった
が、検証実験の最後の過程で試行したところ、約1ヵ月
間に渡り処理効率は10〜15%低下したが、この状態
で平衡に達した。 (6)水素発酵槽のORP値を、例えば−150mVに
調整、維持する補助的手段としてクエン酸チタニウムを
併用することは効果がある。特に混合液のpHが5.0
〜6.0の範囲においては実用的に効果があると判断さ
れる。
【0054】
【発明の効果】本発明は、詳述したように、従来技術と
は全く異なる視点、思想からの発想による革新的な発明
であり、次のような作用効果を有する。 (1)有機性廃棄物を嫌気的条件下で処理するに当た
り、有機性廃棄物例えば下水混合汚泥を予め緩慢な曝気
を行い、発酵槽内液のORPを水素生産菌が増殖するの
に好適な値−100〜−200mVに調整しながら嫌気
性発酵を行なうことにより、地球温暖化を助長するメタ
ンガスと炭酸ガスを大量に発生する所謂メタン発酵を抑
制し、クリーンエネルギーを大量に発生する水素発酵を
確実に進行させることが出来る。
【0055】従って、本発明は、世界的に逼迫している
エネルギー問題への寄与だけでなく、同時に地球温暖化
防止にも貢献することが出来る。 (2)本発明による減圧発酵により、また、ガス分離膜
による水素の分離により水素発酵槽の水素分圧を低減す
ることにより、吸エルゴン反応を実質的に発エルゴン反
応に転換することができ、この操作により水素発酵を確
実に正の方向に進行させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一例を示す工程図。
【図2】本発明の方法の他の例を示す工程図。
【符号の説明】 1、21:有機性廃棄物、2、22:流入管、3:OR
P調整槽、4、32:ブロワー、5:排気、6:移送
管、7:嫌気性減圧発酵槽、8:攪拌機、9、29:O
RPセンサ、10、25、30:ガス排出管、11、2
6:ガス分離膜、12、27:水素、13、28:濃縮
CO2 、14:流出管、15、37:消化汚泥引抜き
管、23:第一減圧発酵槽、24:第二常圧発酵槽、3
1:送気管、33:ポンプ、34:発酵液循環管、3
5、36:分岐管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 3/00 8114−4B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性廃棄物を水素発酵させる微嫌気水
    素発酵法において、前記水素発酵における発酵液を酸化
    還元電位が、−100〜−200mVの範囲の微嫌気条
    件となるように制御しながら発酵させることを特徴とす
    る有機性廃棄物の微嫌気水素発酵法。
  2. 【請求項2】 前記水素発酵は、減圧発酵で行うか、又
    は、発生ガスをガス分離膜を通過させて水素と炭酸ガス
    を分離させながら行うことを特徴とする請求項1記載の
    有機性廃棄物の微嫌気水素発酵法。
  3. 【請求項3】 前記有機性廃棄物は、発酵する前に予め
    緩慢曝気により有機性廃棄物の酸化還元電位を水素発酵
    が遅滞なく進行する範囲に調整することを特徴とする請
    求項1又は2記載の有機性廃棄物の微嫌気水素発酵法。
  4. 【請求項4】 前記水素発酵は、減圧発酵を行う第一発
    酵と常圧発酵を行う第二発酵とに分割し、第二発酵の発
    酵液を緩慢曝気により水素発酵が遅滞なく進行する酸化
    還元電位に調整し、この発酵液を有機性廃棄物に合流さ
    せるか、又は第一発酵に連続的及び/又は間歇的に循環
    させて行うことを特徴とする請求項1又は2記載の有機
    性廃棄物の微嫌気水素発酵法。
  5. 【請求項5】 前記水素発酵は、酸化還元電位感知セン
    サーにより、酸化還元電位が水素発酵に好適な範囲とな
    るように緩慢曝気の風量を調整して行うことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項記載の有機性廃棄物の微
    嫌気水素発酵法。
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