JPH0731897U - 精製セルロース繊維製織物または編物生地のもみ加工機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精製セルロース繊維で作った織物または編物
生地を、互いにからまることなく、良好な状態でもみ加
工することを目的とする。 【構成】 横長の多孔内胴３の内部を多孔仕切板１０に
より横方向に隣接する複数の小室３ａ〜３ｆに区劃し、
該各室中にそれぞれ各１反の生地を投入すると共に外胴
２中に温水を供給し、内胴３を例えば３００°の角度範
囲内においてゆるやかに往復揺動させてもみ加工を行な
う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、精製セルロース繊維で作った織物または編物生地に毛バ立ちを与え るためのもみ加工機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

木材パルプから作った精製セルロース繊維製の織物または編物生地は、先ず温 水中においてもみ加工することにより表面に毛バ立ちさせ、次いで酵素（バイオ ）加工により毛バの高さを低くすると共に均一化させ、しかる後バイオ失活加工 、洗い、柔軟加工を経て製品に供される。

【０００３】 そして、従来は、前記もみ加工専用の機械がなかったため、横長の外胴と、そ の外胴中に回転自在に支承された横長の多孔内胴とよりなる営業用の洗濯機を使 用し、その中に５〜６反の生地と共に温水を投入し、多孔内胴を低速で連続回転 することによりもみ加工を行なっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記の如き洗濯機を利用したもみ加工では、１つの多孔内胴中に数 反の生地を投入してもみ加工し、かつ、その多孔内胴の内壁に取付けた撹拌棧は 元々洗濯用のためその数が少なく（例えば４本）、高さも高い（例えば１２０〜 １５０mm）ため、低速で回転させてももみ作用が過大となり、各生地がからみ合 って良好なもみ加工を行なうことができないことを知った。

【０００５】 本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、きわめて良好なもみ加工を 行なうことができる精製セルロース繊維製織物または編物生地のもみ加工機を提 供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、前記の如き目的を達成するため、横長の多孔内胴の内部を多孔仕切 板により横方向に隣接する複数の小室に区劃し、該各小室中にそれぞれ各１反の 生地を投入してもみ加工すべくなしたことを特徴とする。

【０００７】 また、本考案は、前記の横長の多孔内胴を、任意の回転角度範囲（例えば約３ ００°）において往復揺動せしめることを特徴とする。

【０００８】 さらに、本考案は、前記横長の多孔内胴の内壁に取付けた撹拌棧の高さを低く （例えば従来の１２０〜１５０mmを１２０mm以下とする）、数を多く（例えば従 来の４本を８本とする）することを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案は、前記の如く、１反１室としたので、各室中の生地が他の室中の生地 とからみ合うおそれが全くなくなり、かつ、多孔内胴を従来の如く連続的に１方 向に回転させるのではなく、ある角度範囲において往復揺動させると共に撹拌棧 の高さを低く数を多くしたので、もみ作用を弱くして良好なもみ加工を行なうこ とができる。

【００１０】

【実施例】

以下、添付図面について本考案の一実施例を説明する。

【００１１】 図１は本考案の一実施例を示す一部破断正面図、図２は図１の側面図、図３は 内胴の概略構成を示す斜視図である。これらの図において、１は架台、２は外胴 、３は外胴２中に主軸受４により支承されたパンチング板よりなる内胴で、この 外胴および内胴は図示のように横長の円筒状のもので、外胴２と内胴３とは同心 に配設され、内胴３は架台１上に設置された駆動モータ５から伝動ベルト６、中 間軸７、伝動ベルト８を介し内胴の軸９を回動させるように構成されている。そ して、内胴３の回動は、図２に示すように、例えば３００°の角度範囲において 往復揺動させるように構成されている。

【００１２】 前記の内胴３は、図２及び図３に示すように、その内部をパンチング板などの 多孔仕切板１０により横方向に隣接する複数（図示例では６個）の小室３ａ〜３ ｆに区劃され、そのそれぞれの小室中に生地を投入するための内胴蓋１１が開閉 自在に取付けられている。なお、外胴２にはその一部を大きく開閉することがで きる外胴蓋が取付けられており、１２はその外胴蓋の取手、１３は助材投入ホッ パー、１４は排水弁である。

【００１３】 前記内胴３の内壁には円周方向にそって等間隔で高さの低い撹拌棧１５が８個 配設されている（図２参照）。

【００１４】 本考案のもみ加工機は、前記の如く構成されているので、区劃された各小室３ ａ〜３ｆ中にそれぞれ１反（幅１５０cm、長さ５０ｍ）の生地を投入し、給温水 口（符号を省略）から生地の容積の約３０倍の温水を供給し、例えば３００°の 角度範囲において内胴３をゆるやかに往復揺動させると、各小室中の生地は互い にからまることなく良好なもみ加工を行なうことができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、従来はきわめて困難であった精製セルロ ース繊維製織物または編物生地のもみ加工を、容易にかつ、良好な状態で行なう ことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるもみ加工機の実施の一例を示す一
部切欠正面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】本考案の特徴である内胴の概略構成を示す斜視
図。

【符号の説明】

１…架台、２…外胴、３…内胴、３ａ〜３ｆ…小室、４
…主軸受、５…駆動モータ、６，８…伝動ベルト、７…
中間軸、９…内胴軸、１０…多孔板よりなる仕切板、１
１…各小室の内胴蓋、１５…撹拌棧。

フロントページの続き (72)考案者 塩松 武 東京都目黒区大橋１丁目６番２号 株式会 社東京洗染機械製作所内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 横長の外胴と、該外胴中に回転自在に支
   承した横長の多孔内胴とよりなり、その多孔内胴中に精
   製セルロース繊維製織物または編物生地を温水とともに
   投入してもみ加工すべくなしたもみ加工機において、前
   記横長の多孔内胴の内部を多孔仕切板により横方向に隣
   接する複数の小室に区劃し、該各小室中にそれぞれ各１
   反の生地を投入してもみ加工すべくなしたことを特徴と
   する精製セルロース繊維製織物または編物生地のもみ加
   工機。
2. 【請求項２】 前記横長の多孔内胴を、任意の回転角度
   範囲において往復揺動せしめることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の精製セルロース繊維製
   織物または編物生地のもみ加工機。
3. 【請求項３】 前記横長の多孔内胴の内壁に取付けた撹
   拌棧の高さを低くすると共に、その数を多くしたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の精製
   セルロース繊維製織物または編物生地のもみ加工機。