JPH07318120A - 調湿装置 - Google Patents

調湿装置

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JPH07318120A
JPH07318120A JP6135109A JP13510994A JPH07318120A JP H07318120 A JPH07318120 A JP H07318120A JP 6135109 A JP6135109 A JP 6135109A JP 13510994 A JP13510994 A JP 13510994A JP H07318120 A JPH07318120 A JP H07318120A
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JP
Japan
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humidity
gas
steam
temperature
air
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Application number
JP6135109A
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English (en)
Inventor
Yoshimi Urayama
由巳 浦山
Toshio Shimura
利男 志村
Shiro Terasaka
史朗 寺坂
Shinzo Watanabe
信三 渡辺
Yukio Morita
幸男 盛田
Katsuhiko Sato
勝彦 佐藤
Hiroshi Matsunaga
浩史 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Eisai Chemical Co Ltd
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Eisai Chemical Co Ltd
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
Application filed by Chiyoda Corp, Eisai Chemical Co Ltd, Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Chiyoda Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】簡易システムでコンパクトな装置であって、湿
度及び温度の制御性、特に湿度変化への応答性に優れ、
パイロジェンフリーが要求される場合に、パイロジェン
フリーの管理が確実容易な調湿装置。 【構成】調湿対象気体を導入し、この気体の温度湿度を
調整する温度・湿度調整ユニット20を備え加湿乾燥用
気体をつくりだす装置で、調整ユニット20は、気体流
路を形成する流路形成体21と、形成体内を通過する気
体温度調整のための熱交換手段23と、形成体内通過気
体中に水蒸気を噴霧し湿度を調整するための水蒸気噴霧
ノズル30とを有し、ノズル30は水蒸気噴出口32を
備えると共に、水蒸気供給源40に接続されており、形
成体21の中には、ノズル30の設置位置を境にして、
上流方向に、気体の流れを安定させるための安定空間を
設け、下流方向に噴霧水蒸気を気体中に十分溶けこませ
る蒸気溶込空間を備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体の調湿装置、特
に、所望の湿度を備えた乾燥用の気体(以下、単に『加
湿乾燥用の気体』という)をつくりだす装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、顔料、食品添加物、医薬
品、医療用品等を乾燥させるプロセスは残留溶媒をいか
に少なくすることができるかが問題となっており、単に
100%のドライ空気を用いて強制的に乾燥させた場
合、被乾燥物の表面のみの乾燥速度が極端に早くなり、
被乾燥物の内部と通じる連通孔の表面部がつぶされ、そ
の結果、被乾燥物の中心部の乾燥に時間がかかったり、
あるいは乾燥後の被乾燥物の特性が期待通りにならない
等の不都合が生じる場合が多い。
【0003】そのため、被乾燥物の種類に応じて、所望
の湿度を備える乾燥用の気体を適宜つくりだし、このも
のを用いて被乾燥物を乾燥させる必要が生じていた。
【0004】このような要望に応じるべく従来から一般
に用いられている調湿法としては、例えば、除湿した空
気を水中で分散させるか、あるいは流れ落ちる水と接触
させることにより一旦、湿度飽和の空気をつくり、この
空気と除湿した空気を混合し、所定の湿度空気を得る方
法が挙げられる。具体的装置例が、図6および図7に示
される。
【0005】図6において、除湿機110により除湿さ
れた乾燥空気は、送風機120により熱交換器130と
加湿ユニット140にそれぞれ分岐供給される。熱交換
器130側に供給された乾燥空気は、熱交換器130に
より温度調整がおこなわれ、また一方の加湿ユニット1
40側に供給された乾燥空気は、水中で分散させられて
飽和蒸気(飽和湿度の空気)となる。また、必要に応じ
て再度熱交換器160で所定の温度にする。そして、こ
れらの分岐した空気は再度、混合ユニット150内また
は配管内で混合されることによって所定の湿度の空気と
なる(混合比を変えることにより湿度調整が行われ
る)。そして、このように湿度および温度調整された空
気は、通常、デミスター等を通過させた後、加湿乾燥用
の空気として被乾燥物を乾燥するために用いられる。
【0006】図7は、図6における加湿ユニット140
に相当する別の態様の加湿ユニット140’を示したも
のであり、送風機から、ユニット底部141に供給され
る空気は、ユニットのポンプ142により循環させられ
てユニット頂部143からシャワーされる水と向流接触
した後、飽和蒸気(飽和湿度の空気)となり排出され
る。このものも、やはり図6に示される装置と同様に乾
燥空気と混合されて所定の湿度の空気となり、加湿乾燥
用の空気として被乾燥物を乾燥するために用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の装置を用いて加湿乾燥用の空気を作る場合、
湿度および温度の制御性、特に、湿度等の変化に対する
応答性がよくないという問題がある。また、従来の装置
では除湿空気を飽和させるために水との接触時間を十分
にとる必要から加湿ユニットの容量が大きくなり、装置
のコンパクト性に欠けるという問題もある。
【0008】また、乾燥空気を一旦、二分して、一方で
飽和湿度の空気を作り、他方で所定温度の乾燥空気を作
るといった具合に、装置のシステムが複雑で構成機器の
数が多く、また、機器の設置面積も多くとらなければな
らないという問題もある。
【0009】また、この加湿乾燥用の空気を医薬品、医
療用品等を乾燥させるプロセスに用いる場合には、加湿
乾燥用の空気がパイロジェンフリー(発熱性物質を含ま
ない)となるように管理することが必要な場合がある。
しかしながら、上記の従来の装置においては 加湿ユニ
ット内で水を用いているために菌が発生しやすくパイロ
ジェンフリーを維持することが困難であり、さらに、菌
を滅菌管理するために、定期的に加湿ユニットの滅菌が
必要となり運転操作が煩雑となってしまう。
【0010】本発明はこのような実情のもとに創案され
たものであって、その目的は、簡易なシステムを備える
コンパクトな装置であって、湿度および温度の制御性、
特に、湿度等の変化に対する応答性に優れ、さらにパイ
ロジェンフリーが要求される場合には、パイロジェンフ
リーの管理が確実かつ容易に行える調湿装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、調湿対象となる気体を導入すると
ともに、この導入された気体の温度および湿度を調整す
る温度・湿度調整ユニットを備えて加湿乾燥用の気体を
つくりだす調湿装置であって、前記温度・湿度調整ユニ
ットは、気体の流路を形成する流路形成体と、該流路形
成体の中を通過する気体の温度を調整するための熱交換
手段と、該流路形成体の中を通過する気体中に水蒸気を
噴霧して湿度を調整するための水蒸気噴霧ノズルとを有
し、前記水蒸気噴霧ノズルは、水蒸気の噴出口を備える
とともに、水蒸気供給のための水蒸気供給源に接続され
ており、前記流路形成体の中には、前記水蒸気噴霧ノズ
ルの設置位置を境にして、上流方向に、気体の流れを安
定させるための安定空間を設け、下流方向に、噴霧され
た水蒸気を気体中に十分溶け込ませるための蒸気溶込空
間を備えるように構成される。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
本実施例では調湿対象となる気体として、一般によく用
いられる空気を例に取って説明する。
【0013】図1に示されるように、調湿対象となる空
気11は、除湿機13に導入され、ここで空気中の湿度
が所定の湿度まで一旦下げられる。この除湿機13にお
ける除湿方式は特に制限されるものではなく、例えば、
吸着式あるいは冷凍式などの公知の種所の除湿方式が採
択される。また、調湿対象となる空気11そのものが、
後工程で加湿乾燥用の空気を調湿するのに要求される湿
度範囲内のものであれば、除湿機13は特に必要とはさ
れず、省略可能である。
【0014】このように、通常所定の湿度まで一旦下げ
られた(あるいは所定湿度の)空気は、本発明の要部と
も言える温度・湿度調整ユニット20に、送風機15を
介して送られる。送風機15は、例えば温度・湿度調整
ユニット20の手前に挿入された風量センサ15aの検
知量を基に、風量の制御が可能になっている。温度・湿
度調整ユニット20に送られる風量は、一例を挙げれ
ば、5〜8Nm3 /minである。
【0015】温度・湿度調整ユニット20は、このユニ
ット内に導入された空気の温度および湿度を調整するこ
とを目的として設置されたユニットである。そして、こ
の温度・湿度調整ユニット20は、空気の流路を形成す
る筒状の流路形成体21と、この流路形成体21の中を
通過する空気の温度を主として調整するための熱交換手
段23と、この流路形成体21の中を通過する空気中に
水蒸気を噴霧して湿度を調整するための水蒸気噴霧ノズ
ル30を備えている。
【0016】水蒸気噴霧ノズル30は、筒状のノズル本
体31を備え、このノズル本体31は、長手方向に直線
状に配置された複数の噴出口32を備えている。このよ
うなノズル本体31は、流路形成体21の中を通過する
空気の流れ方向に対してほぼ垂直となるように挿入され
る。この際、ノズル本体31の噴出口32の向きは特に
限定されるものではないが、好ましくは図2に示される
ようにノズル本体31の噴出口32が流路形成体21の
中を通過する空気の流れ方向に対して、θ=±90°の
範囲内、さらに好ましくはθ=±45°の範囲内を向く
ように配置される。中でも特に向流となるように噴出さ
せるのがよい。噴霧された水蒸気を、気体中に効率良く
溶け込ませるためである。これにより装置のコンパクト
化が図れる。
【0017】本発明に用いられる水蒸気噴霧ノズル30
は、複数の噴出口32から噴霧される水蒸気が過熱状態
の蒸気となるような構造とする必要がある。つまり、水
蒸気中の液滴を極力少なくできるようし、流通空気中に
噴霧させた時にすぐに空気中に溶け込ませ、加湿後の温
度上昇を抑える必要があるからである。このような過熱
状態の蒸気を作りだすためには、例えば、図3に示され
るような水蒸気噴霧ノズル30が例示される。図3にお
いて、蒸気入口35から導入された水蒸気は、ノズル本
体31の外部ジャケット部31aを通って、邪魔板36
を備える分離室Pを経て、さらに、例えば、ステンレス
充填物が充填された乾燥室Hを通過し、ノズル本体31
の内部管31bに設けられた複数の噴出口32からそれ
ぞれ噴霧される。図3に示される水蒸気噴霧ノズル30
では、噴出口32から噴霧される際に、蒸気入口35か
ら導入されて外部ジャケット部31aを通過する水蒸気
によって再加熱され、液滴を含まない過熱状態の水蒸気
が作り出される。なお、上記分離室Pおよび乾燥室Hに
おいては、流通途中に生じ得る水蒸気中の液滴が除去さ
れるようになっている。
【0018】水蒸気噴霧ノズル30から発せられる水蒸
気量は、調湿対象となる空気の処理量によっても異なる
が、通常、0.4〜100Kg/hr程度である。
【0019】このような水蒸気噴霧ノズル30のノズル
本体31が挿入される流路形成体21は、筒状形態をな
し、その断面形状は、四角形、丸形状など特に限定され
るものではない。そして、この流路形成体21の中に
は、図4に詳細が示されるように前記水蒸気噴霧ノズル
30の設置位置を境にして、上流方向に、気体の流れを
安定させるための安定空間S1を設け、下流方向に、噴
霧された水蒸気を気体中に十分溶け込ませるための蒸気
溶込空間S2を備えるように構成される。
【0020】上記蒸気溶込空間S2を形成するための下
流方向の距離d2は、気体の温度、流速、加湿量等に応
じて変わりうるものではあるが、本発明では少なくとも
500mm以上、特に、500〜2000mm、さらに
好ましくは500〜1500mmとされる。この下流方
向の距離d2の値が、500mm未満となると、噴霧さ
れた水蒸気が気体中に十分溶け込むことができず、それ
と同時に気体の温度上昇もおこり、所望の湿度、温度の
制御ができなくなってしまうという不都合が生じる。こ
の値があまり大きくなり過ぎると、装置のコンパクト性
に欠けるという不都合が生じる。
【0021】また、前記安定空間を形成するための上流
方向の距離d1は、加湿雰囲気の流れが安定するように
設定され、本発明では来少なくとも300mm以上、特
に、300〜1000mm、さらに好ましくは300〜
500mmとされる。この下流方向の距離d1の値が、
300mm未満となると、流れが安定しない部分に加湿
することになり蒸気の溶け込み不良が起こり得る。この
値があまり大きくなり過ぎると、装置のコンパクト性に
欠けるという不都合が生じる。
【0022】なお、前記下流方向の距離d2の最適値
は、流路形成体21を通過する空気の風量や、空気の流
速や、加湿量(水蒸気量)等によっても変わるものであ
る。なかでも、流路形成体21を通過する空気の流速
は、重要な要素であり、空気の流速が、1〜10m/s
ec、より好ましくは1〜3m/secとなるように前
記蒸気溶込空間S2における断面積が設定される。空気
の流速が10m/secを超えると、下流方向の距離d
2の距離を大きく取らなければならず、機器そのものが
大きくなるという不都合が生じ、また、空気の流速が1
m/sec未満となると、蒸気の凝縮が起こり易くなっ
てしまうという不都合が生じる。一方、前記安定空間S
1の断面積は、通常、前記蒸気溶込空間S2における断
面積と同様に設定される。
【0023】なお、前述した水蒸気噴霧ノズル30は、
制御バルブ38を介して水蒸気供給のための水蒸気供給
源40に接続されている。制御バルブ38は、後述する
ように、最終的に調湿される空気(加湿乾燥用の気体)
の湿度を検出する湿度センサー88の情報にもとづいて
制御される。また、本発明は加湿乾燥用の気体をつくり
だす装置であって、乾燥対象が通常の顔料等の直接人体
に影響を与えないものであれば、水蒸気供給源40に特
に制約はない。しかしながら、乾燥対象が医薬品、医療
用品等、直接人体に影響を与え得るものであえば、加湿
乾燥用の空気がパイロジェンフリー(発熱性物質を含ま
ない)であることが要求される。従って、医薬品、医療
用品等を乾燥させるための水蒸気供給源40としては、
いわゆるパイロジェンフリースチーム発生機が用いられ
る。パイロジェンフリースチーム発生機は、例えば、パ
イロジェンフリー水を間接的に加熱して蒸気にする装置
であり、種々のタイプのものが知られており、いずれも
タイプも使用可能である。
【0024】温度・湿度調整ユニット20は、さらに該
流路形成体21の中を通過する空気の温度を調整するた
めの熱交換手段23を備えている。熱交換手段23とし
ては、例えば、冷媒ないしは熱媒24をジャケット内に
流す、いわゆる熱交換器等が用いられ、ジャケット入口
には制御バルブ28(図1)が設けられる。制御バルブ
28は、後述するように、最終的に調湿される空気(加
湿乾燥用の気体)の温度を検出する温度センサー78の
情報にもとづいて制御される。
【0025】このような熱交換手段23は、図1および
図4に示されるように前述した水蒸気噴霧ノズル30の
上流側に設置しても良いし、あるいは図5に示されるよ
うに前述した水蒸気噴霧ノズル30の下流側に設置して
も良い。ただし、いずれの場合にも、流路形成体21の
中に安定空間S1および蒸気溶込空間S2を確保してお
く必要があることは言うまでもない。
【0026】本発明の温度・湿度調整ユニット20の大
きさは、これと同程度の機能および能力をもつ従来のユ
ニット(図6,図7)のものと比べて、1/5程度の大
きさですむ。なお、温度・湿度調整ユニット20は、必
ずしも一体化を要せず、ユニットのコンパクト性を失わ
ない範囲で、熱交換手段23を備えるユニットと、水蒸
気噴霧ノズル30を備えるユニットに分離することもも
ちろん可能である。このようにユニットのコンパクト性
を失わない範囲で温度・湿度調整ユニット20を分離し
た態様も本発明の一態様である。
【0027】このような温度・湿度調整ユニット20を
通過した空気は、デミスター50に導かれる。デミスタ
ー50は、空気中に含まれる凝縮水を除去するために設
けられる。しかしながら、本発明においては、前記温度
・湿度調整ユニット20において、噴霧された水蒸気が
空気中に分散し凝縮することなく溶け込むように設定さ
れているので、特にデミスター50を設ける必要性はな
いことが実験的に確かめられている。その意味ではデミ
スター50は、念の為に設けているユニットに過ぎない
と言える。
【0028】このようなデミスター50を通過した空気
は、フィルターユニット60に導入される。フィルター
ユニット60においては、例えば、空気中の異物や細菌
等が除去される。乾燥対象が医薬品、医療用品等の場合
には、細菌除去のためのフィルターを選定して用いる。
フィルターユニット60に設置されるフィルターとして
は、例えば、筒状のフィルター等種々の公知の形態のも
のが用いられる。
【0029】このように本発明の調湿装置によって作ら
れた(加湿乾燥用の気体)は、乾燥機70内に導入さ
れ、この乾燥機70内において、顔料、医薬品、医療用
品等の乾燥対象の加湿乾燥が行われる。本発明の調湿装
置によって作られる加湿乾燥用の空気は、湿度10〜9
5%RH以上(相対湿度)の範囲内で調整可能であり、
特に従来の装置では、対応が困難であった80〜90%
RH程度の高湿度の空気が容易にできしかも高湿度域に
おける応答性もよいことが実験的に確認されている。
【0030】なお、乾燥機70の直前には、図1に示さ
れるように最終的に調湿される空気(加湿乾燥用の気
体)の湿度および温度を検出する湿度センサー88およ
び温度センサー78が設置されており、これらの情報に
基づいて制御バルブ38および28が作動するようにな
っている。
【0031】以下、本発明の具体的実験例を示し、本発
明をさらに詳細に説明する。
【0032】(実験例1)図1に示される調湿装置を用
いて、加湿乾燥用の空気をつくるとともに、本発明の制
御性(応答性)の確認実験をおこなった。
【0033】用いた温度・湿度調整ユニット20の仕様
は、以下のとおりである。
【0034】流路形成体: 断面300mm×300mmの四角形状、 長さ3400mm、 安定空間を形成するための上流方向の距離d1=500
mm 蒸気溶込空間を形成するための下流方向の距離d2=1
000mm 水蒸気噴霧ノズル:型番1200,アームストロング社
製 調湿対象となる空気の風量は7Nm3 /minとし、予
め除湿器13で湿度40%RHまで除湿した。しかる
後、この除湿された空気(温度55℃)を温度・湿度調
整ユニット20内に導入した。導入された空気は、熱交
換手段23によって温度18℃まで下げられ、しかる
後、水蒸気噴霧ノズルから噴霧される過熱された水蒸気
(水蒸気量:3.6Kg/hr)によって加湿され、湿
度95%RH、温度18℃の加湿乾燥用の空気となっ
た。本発明では、加湿に際して流路形成体内に安定空間
および、噴霧された水蒸気が気体中に十分溶け込むため
の蒸気溶込空間を設けているので、加湿前後における温
度変化はほとんど見られなかった。これに伴い当然のこ
とながら、加湿乾燥用の空気中に液滴は見られず、湿度
変化に対する応答性も極めて優れるものであった。すな
わち、湿度40%RHから湿度95%RHの変化に対し
て、20秒で応答することが確認できた。
【0035】つまり、本発明の装置では、加湿用に供給
された水蒸気が凝縮することなくすべて湿度制御のため
に空気中に溶け込むようになっているので、湿度制御に
おける応答性がよくしかも制御が確実に行える。
【0036】(実験例2)蒸気溶込空間S2を形成する
下流方向の距離d2の影響を調べる実験を行った。すな
わち、上記実験例1において、距離d2の値を種々変え
て実験を行った。その結果、下流方向の距離d2の値
が、500mm以上の範囲のものにあっては、噴霧され
た水蒸気が気体中に十分に溶け込むことができ、水蒸気
の凝縮もおこらず、所望の温度、湿度の制御が迅速に行
えることが確認できた。この一方で、下流方向の距離d
2の値が、500mm未満の範囲のものでは、噴霧され
た水蒸気が気体中に十分に溶け込むことができず、水蒸
気の凝縮がおこり、所望の温度、湿度の制御を行なうこ
とができなかった。
【0037】(実験例3)安定空間S1を形成する上流
方向の距離d1の影響を調べる実験を行った。すなわ
ち、上記実験例1において、距離d1の値を種々変えて
実験を行った。その結果、上流方向の距離d1の値が、
300mm以上の範囲のものにあっては、気体の流れが
安定し、蒸気が気体中に十分に溶け込むことができ、所
望の温度、湿度の制御に悪影響を及ぼさないことが確認
できた。この一方で、距離d1の値が、300mm未満
の範囲のものでは、加湿雰囲気の流れが安定せず、噴霧
された水蒸気が気体中に十分に溶け込むことができず、
水蒸気の凝縮がおこり、安定した温度、湿度の制御を行
なうことができなかった。
【0038】(実験例4)パイロジェンフリーを保証す
る確認実験を行った。すなわち、水蒸気供給源をパイロ
ジェンフリースチーム発生機とし、上記実験例1に準じ
て加湿乾燥用の空気中をつくり、空気中のパイロジェン
を、LAL(Limulus Ambocyte Lysate )という方法で
測定した。その結果、パイロジェンは日本薬局方の注射
用水の基準値以下であることが確認された。
【0039】
【作用および効果】上記の結果より、本発明の効果は明
らかである。すなわち、本発明は、調湿対象となる気体
を導入するとともに、この導入された気体の温度および
湿度を調整する温度・湿度調整ユニットを備えて加湿乾
燥用の気体をつくりだす調湿装置であって、前記温度・
湿度調整ユニットは、気体の流路を形成する流路形成体
と、該流路形成体の中を通過する気体の温度を調整する
ための熱交換手段と、該流路形成体の中を通過する気体
中に水蒸気を噴霧して湿度を調整するための水蒸気噴霧
ノズルとを有し、前記水蒸気噴霧ノズルは、水蒸気の噴
出口を備えるとともに、水蒸気供給のための水蒸気供給
源に接続されており、前記流路形成体の中には、前記水
蒸気噴霧ノズルの設置位置を境にして、上流方向に、気
体の流れを安定させるための安定空間を設け、下流方向
に、噴霧された水蒸気を気体中に十分溶け込ませるため
の蒸気溶込空間を備えるように構成されるので、簡易な
システムを備えるコンパクトな装置となり、湿度および
温度の制御性、特に、湿度等の変化に対する応答性に優
れ、さらにパイロジェンフリーが要求される場合には、
パイロジェンフリーの管理が確実かつ容易に行えるとい
う効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調湿装置の全体を模式的に示した簡略
構成図である。
【図2】空気の流れ方向に対するノズル噴出口の向き角
度の許容範囲を説明するための図である。
【図3】好適な水蒸気噴霧ノズルの一例を示す模式図で
ある。
【図4】温度・湿度調整ユニットの構造を示す模式図で
ある。
【図5】温度・湿度調整ユニットの他の構造を示す模式
図である。
【図6】従来の調湿装置を模式的に示した簡略構成図で
ある。
【図7】従来の加湿ユニットを模式的に示した簡略構成
図である。
【符号の説明】
20…温度・湿度調整ユニット 21…流路形成体 23…熱交換手段 30…水蒸気噴霧ノズル 32…噴出口 40…水蒸気供給源 S1…安定空間 S2…蒸気溶込空間 d1…固液分離器 d2…蒸気溶込空間を形成するための下流方向の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 利男 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 寺坂 史朗 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 渡辺 信三 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山22 エーザイ 化学株式会社内 (72)発明者 盛田 幸男 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山22 エーザイ 化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 勝彦 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山22 エーザイ 化学株式会社内 (72)発明者 松永 浩史 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山22 エーザイ 化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調湿対象となる気体を導入するととも
    に、この導入された気体の温度および湿度を調整する温
    度・湿度調整ユニットを備えて加湿乾燥用の気体をつく
    りだす調湿装置であって、 前記温度・湿度調整ユニットは、気体の流路を形成する
    流路形成体と、該流路形成体の中を通過する気体の温度
    を調整するための熱交換手段と、該流路形成体の中を通
    過する気体中に水蒸気を噴霧して湿度を調整するための
    水蒸気噴霧ノズルとを有し、 前記水蒸気噴霧ノズルは、水蒸気の噴出口を備えるとと
    もに、水蒸気供給のための水蒸気供給源に接続されてお
    り、 前記流路形成体の中には、前記水蒸気噴霧ノズルの設置
    位置を境にして、上流方向に、気体の流れを安定させる
    ための安定空間を設け、下流方向に、噴霧された水蒸気
    を気体中に十分溶け込ませるための蒸気溶込空間を備え
    ることを特徴とする調湿装置。
  2. 【請求項2】 前記水蒸気噴霧ノズルは、水蒸気の噴出
    口から過熱状態の蒸気を噴霧する請求項1記載の調湿装
    置。
  3. 【請求項3】 前記蒸気溶込空間を形成するための下流
    方向の距離は、少なくとも500mm以上である請求項
    1または請求項2記載の調湿装置。
  4. 【請求項4】 前記安定空間を形成するための上流方向
    の距離は、少なくとも300mm以上である請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の調湿装置。
  5. 【請求項5】 前記安定空間および前記蒸気溶込空間に
    おける断面積は、気体の流速が、1〜10m/secと
    なるように設定される請求項1乃至請求項4のいずれか
    に記載の調湿装置。
  6. 【請求項6】 前記水蒸気の噴出口は、前記流路形成体
    の中を通過する気体の流れ方向に対して±90°の角度
    範囲内を向くように配置される請求項1乃至請求項5の
    いずれかに記載の調湿装置。
  7. 【請求項7】 前記水蒸気供給源は、パイロジェンフリ
    ースチーム発生機である請求項1乃至請求項6のいずれ
    かに記載の調湿装置。
  8. 【請求項8】 前記温度・湿度調整ユニットの後工程と
    して、さらに無菌フィルターユニットが設けられる請求
    項7に記載の調湿装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001311540A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Smc Corp 任意湿度発生装置
JP2007051863A (ja) * 2005-07-21 2007-03-01 F Hoffmann La Roche Ag 所定の相対湿度を有する湿潤空気流を発生させる方法および装置
JP2008086377A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 浴室サウナ装置

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