JPH07317683A - 圧縮機の給油構造 - Google Patents

圧縮機の給油構造

Info

Publication number
JPH07317683A
JPH07317683A JP11569694A JP11569694A JPH07317683A JP H07317683 A JPH07317683 A JP H07317683A JP 11569694 A JP11569694 A JP 11569694A JP 11569694 A JP11569694 A JP 11569694A JP H07317683 A JPH07317683 A JP H07317683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
passage
pressure chamber
chamber
insertion hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11569694A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Izumi
雄二 泉
Akira Nakamoto
昭 中本
Kazuhiro Kuroki
和博 黒木
Hiroyuki Ishigure
宏行 石榑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP11569694A priority Critical patent/JPH07317683A/ja
Publication of JPH07317683A publication Critical patent/JPH07317683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油を確実に絞るとともに、その絞りのた
めの通路が異物で塞がれるおそれもなくし、しかも部品
点数を削減して構造を簡素化する。 【構成】 センタハウジング2の内部に吸入室20を形
成し、モータハウジング1の内部に圧縮室から吐出され
る圧縮ガスを収容する収容室28を形成する。センタハ
ウジング2には、収容室28と吸入室20とを連通させ
る通路を形成し、両室28,20の圧力差に基づいて、
収容室28内の潤滑油36を、通路を通して吸入室20
側の所定の摺動部位に供給する。通路を、収容室28に
開口する挿入穴32と供給孔33とより構成する。挿入
穴32には同穴32の内周面との間に絞り通路を形成す
る絞りピン34を挿入する。モータハウジング1の周壁
41の接合面41aの一部を、絞りピン34に係合可能
に対応してその絞りピン34が挿入穴32内から抜ける
のを阻止するための係合部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機内の摺動部位に
潤滑油を供給するための圧縮機の給油構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機、例えばスクロール型圧
縮機の給油構造として、従来より特開昭59−1928
90号公報に開示されているようなものが知られてい
る。この従来技術においては、圧縮後の冷媒ガスが吐出
のために収容される吐出室と、吸入冷媒ガスが収容され
る吸入室との間にオリフィスチューブが設けられてい
る。吐出室において、冷媒ガスに含まれる潤滑油が分離
されて吐出室の内底面に溜まり、吐出室と吸入室との圧
力差に基づいて、吐出室内に溜まった潤滑油がオリフィ
スチューブを通して吸入室側に供給される。そして、そ
の吸入室内に配置されている可動スクロールの駆動機構
等の各摺動部位が潤滑される。このとき、オリフィスチ
ューブは、吸入室に対する潤滑油の供給量を適度な量に
調整するとともに、吐出室内の圧力が吸入室側へ逃げて
圧縮効率が低下することを防止する。
【0003】ところが、この従来技術においては、潤滑
油の供給をオリフィスチューブを通して行うようにして
いるので、そのチューブの孔が異物で塞がれるおそれが
大きい。しかも、チューブに小さな貫通孔を形成するた
めの加工が困難であるという問題がある。このため、実
際にはオリフィスチューブの孔をそれほど小さいものと
することができず、潤滑油を充分に絞ることが困難であ
るという問題があった。
【0004】このため、従来より図4に示すようなもの
も提案されている。この図4の従来技術においては、吸
入室51を備えたハウジング52に吐出室53を備えた
ハウジング54が接合固定されている。ハウジング52
の下部には吸入室51と吐出室53とを連通させる貫通
孔55が形成され、その貫通孔55の吸入室51側が吐
出室53側よりも大径の挿入孔56となっている。又、
ハウジング52には供給孔57が形成され、その一端が
挿入孔56に連通されるとともに、他端が吸入室51側
に開口されている。挿入孔56には同孔56の内径より
も若干小径のピン58が遊挿されている。そして、この
状態で、挿入孔56の開口がレース59により閉塞され
て、ピン58が抜け止めされるとともに、挿入孔56と
吸入室51との間のシール性が確保されている。
【0005】従って、この図4の従来技術においては、
吐出室53内に溜まった潤滑油60が、貫通孔55内に
導入されるとともに、挿入孔56とピン58との間に形
成される円筒状の隙間を通して絞られて供給孔57に送
られる。そして、潤滑油60は、供給孔57から吸入室
51側に供給されて、その吸入室51内の図示しない各
摺動部位の潤滑を行う。
【0006】このように、この従来技術では、潤滑油6
0を挿入孔56と同挿入孔56に遊挿されたピン58と
の間の円筒状の隙間で絞るようにしている。このため、
潤滑油60を絞るために小さな孔を形成するという必要
がなく、加工を容易に行うことができる。しかも、絞り
のための通路が挿入孔56とピン58との間の広い範囲
に亘って形成されるので、異物によりその絞り通路が全
て塞がれるというおそれもない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来技
術においては、ピン58の抜け止めのために専用のレー
ス59を設ける必要があった。このため、部品点数の増
大や構造の複雑化を招き、製作コストが上昇するととも
に、組付け作業が面倒になるという問題があった。
【0008】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものである。その目的は、潤滑油を確実に絞ること
ができるとともに、その絞りのための通路が異物で塞が
れるおそれもなく、しかも加工が容易で、且つ部品点数
を削減して構造を簡素化することができる圧縮機の給油
構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、ハウジングの内部に、吸入
ガスを収容する低圧室と、その低圧室から導入されるガ
スを圧縮する圧縮室と、その圧縮室から吐出される圧縮
ガスを収容する高圧室とを設け、ハウジングには低圧室
と高圧室とを連通させる通路を形成し、両室の圧力差に
基づいて、高圧室内の潤滑油を、通路を通して低圧室側
の所定の摺動部位に供給するようにした圧縮機の給油構
造において、前記ハウジングは第1ハウジングとその第
1ハウジングに接合される第2ハウジングとを含み、前
記通路を第1ハウジングに形成してその通路を第2ハウ
ジング側に開口し、その通路内には同通路の内周面との
間に絞り通路を形成する絞り部材を挿入し、第2ハウジ
ングの端部側には、絞り部材に係合可能に対応してその
絞り部材が通路内から抜けるのを阻止するための係合部
を設けたものである。
【0010】請求項2の発明では、係合部は、第1ハウ
ジングとの接合面の一部である。請求項3の発明では、
高圧室を第2ハウジングの内部に形成するとともに、通
路の一端を高圧室に開口したものである。
【0011】請求項4の発明では、高圧室を第2ハウジ
ングの内部に形成し、その第2ハウジングの周壁には一
端が高圧室に開口するとともに他端が第1ハウジングと
の接合面に開口する導入孔を貫設し、その導入孔の他端
と連通するように前記通路の一端を第2ハウジングとの
接合面に開口したものである。
【0012】請求項5の発明では、導入孔の通路側開口
部の径を絞り部材の外径より小さくしたものである。請
求項6の発明では、第2ハウジングには高圧室内の圧縮
ガスを外部へ吐出するための吐出口を形成し、前記導入
孔の高圧室側の開口を、吐出口とほぼ対応する位置に配
置したものである。
【0013】請求項7の発明では、通路及び絞り部材は
断面円形である。
【0014】
【作用】従って、請求項1の発明によれば、高圧室内の
潤滑油は、通路と絞り部材との間に形成される絞り通路
を通して絞られて、低圧室側の所定の摺動部位に供給さ
れる。又、絞り部材は、第2ハウジングの端部側に設け
られた係合部により、通路内から抜けるのを阻止され
る。このため、絞り部材の抜け止めのために専用の部品
を設ける必要がない。
【0015】請求項2の発明によれば、絞り部材は、第
2ハウジングの第1ハウジングとの接合面の一部に係合
されるだけの簡単な構成で抜け止めされる。請求項3の
発明によれば、第2ハウジング内の高圧室の潤滑油が、
第1ハウジング側の通路の一端開口より導入される。
【0016】請求項4の発明によれば、高圧室内の潤滑
油を導入するための導入孔の一端開口の位置を、第2ハ
ウジングの周壁の適当な箇所に設定できる。請求項5の
発明によれば、通路内の絞り部材は、第2ハウジングの
導入孔内に移動されることなく、その導入孔の開口縁部
に係合されて、抜け止めされる。
【0017】請求項6の発明によれば、高圧室内の圧縮
ガスは、吐出口より外部へ吐出される。このとき、潤滑
油は、高圧室内においてガスの流れを受けることによっ
て、吐出口と対応する位置に最も多く溜まる。このた
め、圧縮機が傾いたりした場合でも、高圧室内の潤滑油
は、吐出口とほぼ対応する位置において開口する導入孔
に確実に導かれて、第1ハウジング側の通路に流入され
る。
【0018】請求項7の発明によれば、通路及び絞り部
材の加工が容易となる。
【0019】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明をスクロール型圧縮機に具
体化した第1実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】図2に示すように、第1ハウジングとして
のセンタハウジング2は、周壁43とその周壁43に連
なる隔壁44を有している。センタハウジング2の周壁
43の端部には、第2ハウジングとしてのモータハウジ
ング1の周壁41の端部が固定され、両壁41,43の
接合面41a,43aにはシールリング15が配置され
て、両者間のシール性が確保されている。リアハウジン
グを兼用する固定スクロール3は、その周壁3cの端部
においてセンタハウジング2の周壁43の端部に固定さ
れている。両ハウジング1,2及び固定スクロール3は
アルミニウム材より形成され、本実施例では、それらに
よりハウジングが構成されている。
【0021】固定子4はモータハウジング1の内周面に
固定されている。回転軸5はモータハウジング1の側壁
42及びセンタハウジング2の隔壁44にベアリング
6,7を介して支持され、その外周には永久磁石よりな
る回転子8が固着されている。そして、固定子4が電力
の供給を受けることにより、回転軸5が回転される。
【0022】偏心軸9は回転軸5の先端に突設され、セ
ンタハウジング2内に位置している。ブッシュ10は偏
心軸9に一体回転可能に支持され、その外周にはベアリ
ング11が嵌合されている。バランスウェイト13は偏
心軸9に支持されている。可動スクロール12はアルミ
ニウム材より形成され、その外面の円筒状ボス部12c
を前記ベアリング11に嵌合することにより、ブッシュ
10に相対回転可能に支持されている。
【0023】前記固定スクロール3は、基板3aとその
内面に一体に形成された渦巻壁3bとを備えている。同
様に、可動スクロール12も、基板12aとその内面に
一体に形成された渦巻壁12bとを備えている。そし
て、両スクロール3,12は渦巻壁3b,12bにおい
て互いに噛み合わされ、各渦巻壁3b,12bの軸線方
向の端面が、対向するスクロール12,3の基板12
a,3aに圧接されている。これにより、両スクロール
3,12の基板3a,12a及び渦巻壁3b,12bに
て圧縮室14が形成される。
【0024】鉄系金属材よりなる旋回リング16は、可
動スクロール12の基板12aとその基板12aに対向
するセンタハウジング2の隔壁44の受圧面44aとの
間に介在されている。円柱状をなす複数の自転阻止用素
子17は旋回リング16に貫通固着され、同リング16
の周方向に沿って等間隔をおいて配列されている。受圧
面44a及び可動スクロール12の基板12aにはそれ
ぞれ前記素子17と同数の公転位置規制穴18,19が
形成され、これら規制穴18,19は何れも等間隔をお
いて配置されている。そして、各規制穴18,19には
それぞれ各素子17の端部が挿入されている。
【0025】そして、可動スクロール12は、回転軸5
が回転されたとき、偏心軸9によりブッシュ10及びベ
アリング11を介して、回転軸5の軸線の周りで公転さ
れる。このとき、受圧面44a及び可動スクロール12
の基板12aに形成された規制穴18,19に旋回リン
グ16上の素子17が挿入されていることにより、可動
スクロール12は自らの軸心の周りでの回転を規制され
る。又、圧縮室14内で発生する圧縮反力は、可動スク
ロール12の基板12aに対して回転軸5の軸線の延び
る方向に作用するが、この反力は旋回リング16を介し
て受圧面44aで受け止められる。
【0026】低圧室としての吸入室20はセンタハウジ
ング2の内部に形成され、この吸入室20内に前記偏心
軸9及びその偏心軸9上のブッシュ10やバランスウェ
イト13等が配置されている。尚、センタハウジング2
側のベアリング7も、この吸入室20に臨んでいる。吸
入口21はセンタハウジング2に形成され、図示しない
配管を介して外部の冷却回路に接続されている。そし
て、外部冷却回路から吸入口21を介して導入された冷
媒ガスが、センタハウジング2内の吸入室20を介し
て、前記両スクロール3,12間の圧縮室14に流入さ
れる。外壁22は固定スクロール3の基板3aの外面に
固定され、この外壁22と基板3aとの間に吐出室23
が形成されている。吐出ポート24は固定スクロール3
の基板3aの中心に貫通形成され、前記圧縮室14を吐
出室23に連通させる。吐出弁25は吐出ポート24の
外端部に配設され、リテーナ26によりその開放位置が
規制される。
【0027】吐出通路27は固定スクロール3及びセン
タハウジング2に貫通形成され、前記吐出室23をモー
タハウジング1内に形成された高圧室としての収容室2
8に連通させる。吐出口29はモータハウジング1の側
壁42の中心に形成され、回転軸5に形成された連通孔
30を介して収容室28と連通されている。この吐出口
29は図示しない配管を介して外部冷却回路に接続され
ている。リング状をなす分離板31は回転軸5を包囲す
るようにモータハウジング1の側壁42の内面に取り付
けられている。
【0028】図1及び図2に示すように、断面円形状を
なす挿入穴32は、センタハウジング2の下部におい
て、周壁43の内周面と対応する位置の隔壁44に形成
され、その外端が収容室28の下部に開口されている。
断面円形状をなす供給孔33はセンタハウジング2の隔
壁44に形成され、その一端が挿入穴32の内端に連通
されるとともに、他端が前記受圧面44a及びベアリン
グ7とほぼ対応する回転軸5の支持部分に開口されてい
る。本実施例では、挿入穴32及び供給穴33により、
収容室28と吸入室20とを連通させる通路が構成され
ている。円柱状をなす絞り部材としての絞りピン34
は、挿入穴32に軸線方向に移動可能に遊挿され、その
外径H1が挿入穴32の内径H2より若干小さくなるよ
うに形成されている。そして、この絞りピン34と挿入
穴32との間の隙間には、円筒状の絞り通路が形成され
る。
【0029】モータハウジング1の周壁41はその内径
がセンタハウジング2の周壁43の接合面43a側の内
径より若干小さくなるように形成されている。この構成
により、両ハウジング1,2の接合状態では、モータハ
ウジング1の周壁41の接合面41aの一部が、センタ
ハウジング2の周壁43の接合面43aより内方へ若干
突出して、段差部35が形成される。尚、この段差部3
5の高さH3は、前記挿入穴32の内径H2と絞りピン
34の外径H1との差(H2−H1)より若干大きくな
るように設定されている。本実施例では、この段差部3
5を形成するモータハウジング1の接合面41aの一部
により、係合部が構成されている。そして、絞りピン3
4はその突出端部が段差部35に係合することにより、
挿入穴32から抜けるのが阻止されている。
【0030】次に前記のように構成されたスクロール型
圧縮機の作用を説明する。さて、固定子4のコイルへの
通電により回転子8及び回転軸5が回転されると、偏心
軸9の偏心回転により、可動スクロール12が回転軸5
の軸心の周りで公転される。これにより、吸入口21か
ら導入された冷媒ガスが吸入室20へ流入されて、両ス
クロール3,12間の圧縮室14内に取り込まれる。そ
して、可動スクロール12の公転に伴い、この圧縮室1
4が渦巻部3b,12bの外周側から中心側に移動さ
れ、容積を徐々に減少して圧縮作用を行う。従って、冷
媒ガスは圧縮室14内において次第に圧縮され、吐出ポ
ート24から吐出弁25を押し開いて吐出室23内に吐
出される。そして、その吐出冷媒ガスは吐出通路27を
通して収容室28へ圧送されるとともに、回転軸5の連
通孔30を介して吐出口29より外部冷却回路側へ吐出
される。
【0031】ここで、回転軸5の連通孔30に導入され
る吐出冷媒ガスは、分離板31や収容室28の内面に衝
突することにより、含まれる潤滑油が分離されて下方へ
落下し、その潤滑油は収容室28の内底面に溜まる。そ
して、その溜まった潤滑油36は、収容室28内の吐出
冷媒ガス圧と吸入室20内の吸入冷媒ガス圧との差に基
づいて、挿入穴32と絞りピン34との間の絞り通路及
び供給孔33を通して、受圧面44a及びベアリング7
とほぼ対応する回転軸5の支持部分に供給される。
【0032】従って、この供給潤滑油36により、受圧
面44a及び可動スクロール12の基板12aと旋回リ
ング16との摺動、及び回転軸5の回転が、常に適度の
潤滑を受けてスムーズに行われることになり、それら各
摺動部位の磨耗が防止される。尚、本実施例では、セン
タハウジング2及び可動スクロール12がアルミニウム
材で形成されるとともに、旋回リング16が鉄系金属材
により形成されている。このため、センタハウジング2
の受圧面44a及び可動スクロール12の基板12aと
旋回リング16との摺接部分が摩擦熱によって溶着する
ことはない。又、潤滑油36を絞り通路によって絞るこ
とにより、吸入室20に対する潤滑油36の供給量を適
度な量に調整することができるとともに、収容室28内
の圧力が吸入室20側へ逃げて圧縮効率が低下すること
を防止することができる。
【0033】このように、本実施例では、潤滑油36を
挿入穴32と同挿入孔32に遊挿された絞りピン34と
の間の円筒状の絞り通路で絞るようにしている。このた
め、潤滑油36を絞るために小さな孔を形成するという
必要がなく、比較的大きな挿入穴32とその挿入穴32
の内径H2より若干小さな外径H1の絞りピン34とを
形成するだけでよいので、加工を容易に行うことができ
る。しかも、挿入穴32及び絞りピン34は断面円形で
あるとともに、挿入穴32は周壁43の内周面の位置に
おいて隔壁44に形成されているので、それらの加工は
非常に容易である。加えて、絞り通路が挿入穴32と絞
りピン34との間の広い範囲に亘って形成されるので、
異物によりその絞り通路が全て塞がれるというおそれも
ない。
【0034】加えて、本実施例では、挿入穴32に遊挿
された絞りピン34は、その突出端部がモータハウジン
グ1の接合面41aの一部である段差部35に係合する
ことにより、挿入穴32から抜けるのが阻止されてい
る。このため、絞りピン34の抜け止めのために専用の
部品を設けるという必要がなく、その抜け止めを非常に
簡単な構成で実現できるとともに、両ハウジング1,2
の接合作業と同時に容易に行うことができる。従って、
部品点数を削減して構造を簡素化することができ、よっ
て製作コストを低減できるとともに、圧縮機の組付け作
業が簡単になる。
【0035】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
を図3に基づいて説明する。さて、図3に示すように、
この第2実施例では、前記第1実施例と比較して、収容
室28内の潤滑油36を導入するための通路の配設位置
が異なっている。即ち、導入孔37はモータハウジング
1の下部において周壁41に貫設され、その一端が吐出
口29及び連通孔30とほぼ対応する位置において収容
室28の内底面に開口するとともに、他端が接合面41
aに開口している。又、センタハウジング2の挿入穴3
2は、導入孔37の接合面41a側の開口と連通するよ
うに、センタハウジング2の周壁43の接合面43aに
開口している。又、挿入穴32及び導入孔37の開口を
包囲するように、両壁41,43の接合面41a,43
aにはシールリング39が配置されている。
【0036】そして、この第2実施例では、導入孔37
の内径H4が、挿入穴32内の絞りピン34の外径H1
より若干小さくなるように形成されている。この構成に
より、両ハウジング1,2の接合状態では、挿入穴32
の開口部にモータハウジング1の接合面41aの一部、
すなわち導入孔37の開口縁部が臨まれて、段差部38
が形成される。この第2実施例では、段差部38を形成
するモータハウジング1の接合面41aの一部により、
係合部が構成されている。そして、絞りピン34はその
端部が段差部38に係合することにより、挿入穴32か
ら抜けるのが阻止される。
【0037】そして、この実施例においても、前記第1
実施例と同じく、絞りピン34の抜け止めのために専用
の部品を設けるという必要がなく、その抜け止めを非常
に簡単な構成で実現できる。
【0038】又、吐出通路27を通して導入された収容
室28内の冷媒ガスは、回転軸5の連通孔30を介して
吐出口29より吐出される。このとき、図3に示すよう
に、潤滑油36は、収容室28内において冷媒ガスの流
れを受けることによって、連通孔30及び吐出口29と
対応する側の位置に最も多く溜まる。しかし、この第2
実施例では、収容室28内の潤滑油36を導入するため
の導入孔37が、吐出口29及び連通孔30とほぼ対応
する位置において収容室28の内底面に開口している。
このため、圧縮機が傾いたりした場合でも、収容室28
内の潤滑油36を導入孔37に確実に導くことができ、
その潤滑油36をセンタハウジング2側の絞り通路及び
供給孔33を介して各摺動部位に確実に供給することが
できる。従って、この第2実施例では、前記第1実施例
と比較して、潤滑油の供給をより確実に行い得るととも
に、収容室28内の冷媒ガスが吸入室20側へ逃げるの
を確実に阻止することができる。
【0039】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、各部の構成を例えば以下のように変更して
具体化することも可能である。 (1)前記第1実施例において、モータハウジング1の
周壁41の内径をセンタハウジング2の周壁43の接合
面43a側の内径と同一径として段差部35を形成せず
に、代わりに、モータハウジング1の接合面41a側の
内底面に、絞りピン34と係合可能に対応する係合部と
しての突起を一体形成すること。このようにしても、前
記従来のようにレースを設ける場合と比較して、絞りピ
ン34の抜け止めを非常に簡単な構成で実現できる。
【0040】(2)前記第2実施例において、導入孔3
7の接合面41a側の開口を、挿入穴32の接合面43
a側の開口に対してずらした状態で設けることにより、
挿入穴32の開口部にモータハウジング1の接合面41
aの一部を臨ませること。
【0041】(3)スクロール型圧縮機として、回転軸
5を駆動するためのモータ部が一体に設けられておら
ず、外部からの動力を受けて作動されるタイプのものに
具体化すること。
【0042】(4)本発明を、スクロール型圧縮機以外
の圧縮機、例えば斜板式圧縮機等の往復動型圧縮機で具
体化すること。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、次
のような優れた効果を奏する。請求項1〜7の発明によ
れば、潤滑油を確実に絞ることができるとともに、その
絞りのための通路が異物で塞がれるおそれもなく、しか
も加工が容易で、且つ部品点数を削減して構造を簡素化
することができる。
【0044】特に、請求項4〜6の発明によれば、圧縮
機が傾いたりした場合でも、高圧室内の潤滑油を通路に
確実に導くことができ、その潤滑油を低圧室側の各摺動
部位に確実に供給することができるとともに、収容室内
の圧縮ガスが低圧室側へ逃げるのを確実に阻止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をスクロール型圧縮機に具体化した第1
実施例を示す縦断面図である。
【図2】この第1実施例の要部を示す部分拡大断面図で
ある。
【図3】本発明の第2実施例を示す部分拡大断面図であ
る。
【図4】従来技術を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…ハウジングを構成する第2ハウジングとしてのモー
タハウジング、2…ハウジングを構成する第1ハウジン
グとしてのセンタハウジング、3…ハウジングを構成す
る固定スクロール、7…ベアリング、14…圧縮室、1
6…旋回リング、20…低圧室としての吸入室、28…
高圧室としての収容室、29…吐出口、30…連通孔、
32…通路を構成する挿入穴、33…通路を構成する供
給孔、34…絞り部材としての絞りピン、35…段差
部、36…潤滑油、37…導入孔、38…段差部、41
…周壁、41a…係合部を構成する接合面、43…周
壁、43a…接合面、44…隔壁、44a…受圧面、H
1…絞りピンの外径、H2…挿入穴の内径、H3…段差
部の高さ、H4…導入孔の内径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石榑 宏行 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングの内部に、吸入ガスを収容す
    る低圧室と、その低圧室から導入されるガスを圧縮する
    圧縮室と、その圧縮室から吐出される圧縮ガスを収容す
    る高圧室とを設け、ハウジングには低圧室と高圧室とを
    連通させる通路を形成し、両室の圧力差に基づいて、高
    圧室内の潤滑油を、通路を通して低圧室側の所定の摺動
    部位に供給するようにした圧縮機の給油構造において、 前記ハウジングは第1ハウジングとその第1ハウジング
    に接合される第2ハウジングとを含み、前記通路を第1
    ハウジングに形成してその通路を第2ハウジング側に開
    口し、その通路内には同通路の内周面との間に絞り通路
    を形成する絞り部材を挿入し、第2ハウジングの端部側
    には、絞り部材に係合可能に対応してその絞り部材が通
    路内から抜けるのを阻止するための係合部を設けた圧縮
    機の給油構造。
  2. 【請求項2】 係合部は、第1ハウジングとの接合面の
    一部である請求項1に記載の圧縮機の給油構造。
  3. 【請求項3】 高圧室を第2ハウジングの内部に形成す
    るとともに、通路の一端を高圧室に開口した請求項1又
    は2に記載の圧縮機の給油構造。
  4. 【請求項4】 高圧室を第2ハウジングの内部に形成
    し、その第2ハウジングの周壁には一端が高圧室に開口
    するとともに他端が第1ハウジングとの接合面に開口す
    る導入孔を貫設し、その導入孔の他端と連通するように
    前記通路の一端を第2ハウジングとの接合面に開口した
    請求項2に記載の圧縮機の給油構造。
  5. 【請求項5】 導入孔の通路側開口部の径を絞り部材の
    外径より小さくした請求項4に記載の圧縮機の給油構
    造。
  6. 【請求項6】 第2ハウジングには高圧室内の圧縮ガス
    を外部へ吐出するための吐出口を形成し、前記導入孔の
    高圧室側の開口を、吐出口とほぼ対応する位置に配置し
    た請求項4又は5に記載の圧縮機の給油構造。
  7. 【請求項7】 通路及び絞り部材は断面円形である請求
    項1〜6の何れかに記載の圧縮機の給油構造。
JP11569694A 1994-05-27 1994-05-27 圧縮機の給油構造 Pending JPH07317683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11569694A JPH07317683A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 圧縮機の給油構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11569694A JPH07317683A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 圧縮機の給油構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07317683A true JPH07317683A (ja) 1995-12-05

Family

ID=14668981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11569694A Pending JPH07317683A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 圧縮機の給油構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07317683A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005083290A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Fujitsu General Ltd スクロール圧縮機
JP2006257987A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型圧縮機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005083290A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Fujitsu General Ltd スクロール圧縮機
JP2006257987A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2060587C (en) Axially floating scroll member assembly
US7959421B2 (en) Compressor having a shutdown valve
US4936756A (en) Hermetic scroll type compressor with refrigerant fluid flow through the drive shaft
US4932845A (en) Scroll type compressor with lubrication in suction chamber housing
US6439867B1 (en) Scroll compressor having a clearance for the oldham coupling
US4968232A (en) Axial sealing mechanism for a scroll type compressor
US4561832A (en) Lubricating mechanism for a scroll-type fluid displacement apparatus
US6422843B1 (en) Oil supply cross-hole in orbiting scroll member
CA2060593C (en) Orbiting scroll member assembly
EP0341403A2 (en) Scroll compressor
AU606530B2 (en) Scroll compressor
AU608734B2 (en) Scroll compressor having oil actuated compliance mechanism
US5082432A (en) Axial sealing mechanism for a scroll type compressor
US6179591B1 (en) Conical hub bearing for scroll machine
US6679690B2 (en) Scroll compressor including guide frame and compliant frame
JPH0751950B2 (ja) スクロール型流体装置
EP0743454B1 (en) Scroll type fluid displacement apparatus
JPH07317683A (ja) 圧縮機の給油構造
JPH08261177A (ja) スクロ−ル圧縮機
JP7517220B2 (ja) 電動圧縮機
JPH10238482A (ja) スクロール型コンプレッサ
US6336798B1 (en) Rotation preventing mechanism for scroll-type fluid displacement apparatus
JP2003254271A (ja) ツイン型スクロール式流体機械
EP4212726A1 (en) Scroll compressor
JP2015105594A (ja) スクロール圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040302