JPH07316677A - 製鋼ダストからの有価金属回収方法 - Google Patents

製鋼ダストからの有価金属回収方法

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JPH07316677A
JPH07316677A JP10806294A JP10806294A JPH07316677A JP H07316677 A JPH07316677 A JP H07316677A JP 10806294 A JP10806294 A JP 10806294A JP 10806294 A JP10806294 A JP 10806294A JP H07316677 A JPH07316677 A JP H07316677A
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JP
Japan
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steelmaking dust
fluorine
chlorine
sulfuric acid
valuable metals
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JP10806294A
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English (en)
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Ryoji Miyabayashi
良次 宮林
Yoichi Takazawa
洋一 高沢
Juichi Yoneda
寿一 米田
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Nikko Aen KK
Original Assignee
Nikko Aen KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛、鉄、フッ素及び塩素などを含む製鋼ダ
ストから有価金属を回収しまたフッ素、塩素を除去する
方法においてフッ素、塩素の除去効率を高める。 【構成】 製鋼ダストに硫酸を添加し混練後350〜5
50℃で硫酸化焙焼を行う。硫酸化焙焼排ガスの処理と
しては、水洗浄;洗浄水の中和によるフッ素化合物を析
出;中和後洗浄水を濾過して濾液中に塩素を移行させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼ダストからの有価
金属の回収方法に関するものであり、さらに詳しく述べ
るならば、製鋼ダスト中の塩素、フッ素を効率的に亜鉛
等の有価金属から分離する処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】製鋼ダストをそのまま亜鉛乾式製錬所で
処理すると、塩素とフッ素が工程に濃縮し、ボイラー、
電気集塵機などの廃棄ガス処理設備を腐食する。また、
製鋼ダストの湿式処理として硫酸浸出を行うと、塩素と
フッ素が浸出液中に入り、電解精練工程の電極を侵す。
このような背景があるために、例えば、特公昭53−2
9122号公報の平電炉製鋼ダスト等からの有価金属回
収方法が提案された。この方法は、平電炉製鋼ダストを
水洗し、塩素、ナトリウム、カリウムを除去する工程
と、その工程で得られ、亜鉛、鉛、カドミウム、鉄等を
含有する水洗ダストにコークスを加えて造粒し、亜鉛及
び鉛等を含む焼結鉄鉱を得る工程と、さらにその工程か
らの焼結ガスを除塵して得たダストをアルカリ性の水で
洗浄してフッ素を除き、鉛とカドミウム等を含む非鉄金
属滓を得る工程からなる。最初の水洗で塩素は95%以
上が除かれる。
【0003】この方法では、フッ素に関しては、コーク
スを加えて造粒した水洗ダストを1000℃程度の高温
で焼結し、その後アルカリ洗浄を行うことにより、約8
0%のフッ素を洗浄水中に溶出させている。なお、明細
書で考察されているようにフッ素を水溶液に可溶にする
ためには焼結時の高温処理が重要な役割を担っている。
【0004】また、特開昭55−104434号公報で
は含亜鉛製鉄ダストの処理方法が提案されている。この
方法では、製鉄ダストの還元焼成時に発生する2次ダス
トを水でリパルプした後湿式磁選機にかけ、引き続き固
液分離することにより、鉄及び亜鉛含有率の高い非磁着
物ハロゲン化合物類を分離回収している。
【0006】さらに、ウェルツ法により、製鋼ダストと
コークス、石灰石を混合し、還元キルンにて1200℃
程度で処理すると、製鋼ダスト中の酸化亜鉛が還元され
亜鉛蒸気となり揮発する。この亜鉛蒸気は排ガス中で酸
化され酸化亜鉛となり集塵設備で回収される。塩素とフ
ッ素も還元キルンで揮発し酸化亜鉛に入る。酸化亜鉛は
アルカリ洗浄し、塩素とフッ素を除去し、亜鉛精練原料
とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前掲特公昭53−29
122号公報の方法及びウェルツ法では高温の処理が必
要になり、またフッ素の分離率が高くはない。また、前
掲特開昭55−104434号公報の方法では、磁着物
と非磁着物の両方にフッ素が含有されるので同様にフッ
素の分離率が高くはない。したがって、本発明は、上記
した従来技術の問題点を克服し、製鋼ダスト中の塩素及
びフッ素を高率で亜鉛等の有価金属から分離し、その後
の有価金属回収処理におけるこれら塩素、フッ素の妨害
を排除することができる低温プロセスを提供することを
目的とする。特に、本発明は、亜鉛品位が高く、亜鉛リ
サイクル原料として重要であるが、フッ素を多く含有す
るため従来法では処理が困難な製鋼ダストからフッ素を
効率的に除去することを目的とする。また、本発明は、
上記低温プロセスにより有価金属から分離された塩素及
びフッ素をさらに分離する方法を提供することも目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、製鋼ダストか
ら亜鉛等の有価金属を回収する方法において、製鋼ダス
トと硫酸を混練後350〜550℃の温度で硫酸化焙焼
を行うことにより、焙焼排ガス中に塩素及びフッ素を移
行させることを特徴とする製鋼ダストからの有価金属回
収方法である。本発明において、焙焼温度は350℃よ
り低いと焙焼時間が長くなり、550℃を越えると省エ
ネルギの利点がなくかつ焙焼効果も飽和するので本発明
においては350〜550℃の焙焼温度を採用する。特
に400〜450℃の焙焼温度が好ましい。上記のよう
に有価金属と塩素、フッ素を分離した後は、有価金属中
の特に亜鉛を回収し、また塩素、フッ素を除去する排ガ
ス浄化を行う。これを行う上で好ましい後工程は、硫酸
化焙焼工程からの排ガスを水洗浄する工程と、水洗浄工
程で得られた洗浄液を中和してフッ素化合物固形物を生
成する工程と、中和後の洗浄液を濾過して濾液中に塩素
を移行させる工程とを有する。以下、本発明の構成をよ
り詳しく説明する。
【0009】本発明が処理対象とする製鋼ダストは、焼
結炉、平炉、電気炉などの製鋼工程から発生するもので
あり、特にZn:20〜70%、Fe:1〜30%,
F:0.5〜6%、Cl:4〜20%を含有するもので
ある。その他の成分は、総量で0〜50%のPb,C
d,Cr,Ca,SiO2 ,Al2 O3 ,MgO,S等
である。フッ素除去効率が高い本発明方法を適用するの
に特に好ましい製鋼ダストは4%以上のフッ素を含有す
るものである。また製鋼ダストは硫酸と混錬させて十分
に反応させるための粒度は特に制限がなく、製鋼工場か
ら排出されるダストの粒度のままでよい。また、硫酸及
び製鋼ダストは通常常温〜100℃の温度で混練され
る。
【0010】硫酸化焙焼工程は、主として製鋼ダスト中
のZn及びFeを硫酸化物に変化させるとともに亜鉛製
錬原料となる焙焼ケーキ中のF及びCl量をできるだけ
少なくするために、製鋼ダストを空気と十分に接触する
ようにしつつ加熱することにより行う。
【0011】以下、好ましい硫酸添加率を、本発明者が
行った予備実験結果を参照として、説明する。製鋼ダス
ト25gに所定の硫酸を添加し混合した後るつぼに装入
し電気炉で450℃に加熱し3時間保持し、次に製鋼ダ
ストを分析し各元素の残存率を求めた。下表に試験結果
を表1に硫酸添加率(ダストに対するH2 SO4 の重
量)と硫酸化物の塩素、フッ素の残存率を示す。
【0012】
【表1】 硫酸添加率 残 存 率(%) (g /g −dust) Zn Fe Pb Cd F Cl 0.0 99 −100 100 100 100 87−93 97 −100 0.35 98 −100 100 100 100 64−77 100 0.70 91 −100 100 100 100 21−33 65 − 90 1.05 100 100 100 100 2 0
【0013】表1より、硫酸添加率が増すと塩素とフッ
素の残存率が低下し、これらが排ガス中に移行する量が
増大することがわかる。硫酸添加率が1.05で塩素及
びフッ素とも残存率がそれぞれ2及び0%になった。こ
の添加率=1.0は、実験に使用した品位の製鋼ダスト
中の亜鉛、鉄をすべて硫酸化物にする硫酸量と等しかっ
た。一方、硫酸添加率が増しても亜鉛、鉛、カドミウム
などの有価非鉄金属は焙焼ダスト中に全量またはほぼ全
量残存しており、被焙焼製鋼ダストを亜鉛製錬の原料と
できることがわかる。
【0014】さらに、硫酸添加率を1.05、1.1
5、1.3としてその他の条件を変えて同様の実験を行
った結果を表2、3に示す。
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】表2、3より単に製鋼ダストと硫酸を混錬
処理するだけでは塩素もフッ素も除去できないことが分
かる。以上の結果より、硫酸の添加量は製鋼ダスト中の
亜鉛及び鉄を硫酸化物とする量を基準とし、この基準量
+30%以内〜−30%とすることが好ましい。なお基
準量を下回ると塩素の残存率が若干高まるが、この場合
は硫酸化焙焼温度を高くする対策を講じることが望まし
い。また、実際の操業においては混錬物に水を適量添加
することにより硫酸が製鋼ダスト全体を速やかに濡らす
ようにして混錬の効率を高めることができる。
【0018】上述の焙焼工程で得た生成物は主として硫
酸化物からなり、塩素とフッ素を含まないので、亜鉛乾
式製練所にて酸化焙焼または焼結処理し、その後亜鉛製
錬を行って亜鉛等を回収する。また、亜鉛電解精練所で
はそのまま湿式粉砕し、硫酸を添加後亜鉛電解液として
使用することも可能である。
【0019】続いて、上記と同様の実験を、硫酸添加率
と焙焼化温度を変えて行った結果を図2及び図3を参照
として説明する。図2は硫酸添加率に対するフッ素の残
存率を焙焼温度をパラメータとして示すグラフであり、
図3は硫酸添加率に対する塩素の残存率を焙焼温度をパ
ラメータとして示すグラフである。図2、3より硫酸/
製鋼ダスト比率が約0.9以上かつ焙焼温度350〜4
50℃で顕著なフッ素及び塩素除去効果があることが分
かる。
【0020】硫酸化焙焼工程での排ガスに含有された塩
素及びフッ素の除去はスクラバー、スプレー塔等の処理
などの公知の排ガス処理技術で行うことができる。排ガ
ス中の塩素、フッ素を洗浄塔で回した洗浄液の塩素とフ
ッ素は中和によりフッ素をフッ化物固形物とする。pH
と硫酸液中のF濃度との関係を示す図4から分かるよう
に、pHが2.5未満であると溶液中に溶解しているフ
ッ素が多くまたpH5.5を越えると、pHが高くなっ
ても溶解しているフッ素は余り低下しないので、pH=
2.5〜5.5,特に3.5〜4.5の範囲が好まし
い。中和は、CaCO3 ,Ca(OH)2 及び/または
NaOHの添加によることが好ましく、特にCaCO3
,Ca(OH)2 はフッ素をフッ化化合物として固定
し、これを製鋼原料として使用できるので、好ましいp
H調整添加剤である。中和後、残渣から塩素を分離す
る。
【0021】
【作用】製鋼ダストの硫酸化焙焼中に塩素及びフッ素は
比較的低温でほぼ全量揮発する。この原因は、製鋼ダス
ト中に塩化物(ZnCl2 ,CaCl2 )及びフッ化物
(CaF,ZnF)の形態で含有されている塩素及びフ
ッ素が硫酸との混錬過程でそれぞれHCl及びHFに変
化するためと考えられる。このような変化を経た製鋼ダ
ストは非常に低い温度で焙焼可能でありしかも塩素、フ
ッ素と亜鉛等の相互の分離率が高い。以下、図1のフロ
ーチャートで示す工程図と物流バランスにより本方法の
実施例を説明する。
【0022】
【実施例】表4に示す組成の製鋼ダスト(200t)と
硫酸(H2 SO4 換算200t;硫酸添加率=1.0)
とをロータリーキルンで10〜20rpmの回転数にて
5〜15分混錬する。なお、表4に記した元素以外は主
として酸素である。
【0023】
【表4】 原料(200t)の品位 Zn Fe Pb Cd Cr F Cl 品位(%) 41.7 6.51 0.68 0.28 0.63 4.5 6.6 量 (t) 83.4 13.02 1.36 0.56 1.26 9.0 13.26
【0024】続いて、重油を燃料とするロータリーキル
ン式焙焼炉で450℃の温度にて2〜5時間焙焼を行
う。焙焼中に製鋼ダストの塩素とフッ素はほぼすべて揮
発し、塩素とフッ素を含まず、有価金属が全量移行した
焙焼ケーキが得られた。その品位を次の表に示す。
【0025】
【表5】 焙焼ケーキ品位(350D.t,水分0%) Zn Fe Pb Cd Cr F Cl 品位(%) 28.83 3.72 0.39 0.16 0.36 0.05 0.00 量 (t) 83.40 13.02 1.36 0.56 1.26 0.18 0.00 分配(%) 100 100 100 100 100 2 0
【0026】焙焼ケーキは酸化焙焼して硫酸を回収し、
あるいはそのまま焼結し、排ガス中の亜硫酸ガスは石灰
石200tで中和し、その後亜鉛製錬を行う。焙焼炉か
らの排ガスの流量は20〜60Nm3 /分の範囲(平均
45Nm3 /分)であり、排ガスの平均温度は250℃
である。排ガスをスクラバー洗浄塔に導き総量で120
0Nm3 の水(毎分0.1m3 に相当)で洗浄する。ス
クラバー洗浄水の品位を示す表6よりフッ素及び塩素の
分配率は非常に高いことが分かる。
【0027】
【表6】 スクラバー洗浄水 Zn Fe Pb Cd Cr F Cl 品位(g/l) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 17.6 26.4 量 (t) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 8.82 13.20 分配(%) 0 0 0 0 0 98 100
【0028】スクラバー洗浄塔から約60℃の温度で排
ガスが放出される。この排ガスは硫酸ミストを含んでい
るので、ミストコットレルにより硫酸を回収し、浄化さ
れた清浄ガスを放出する。一方、スクラバー洗浄塔では
塩素、フッ素、亜硫酸などを含むスクラバー洗浄水を循
環し、これらが所定濃度になった時にスクラバー洗浄塔
から抜き出す。その時のpHは1〜2の範囲である。続
いて、CaCO3 ,Ca(OH)2 あるいはNaOHに
より洗浄水をpH=2.5〜5.5に中和する。このp
H範囲に中和するに要する添加量は、CaCO3 =5
0.2t,Ca(OH)2 =37.1t,あるいはNa
OH=40.1tである。CaCO3 添加後フィルタプ
レスによる濾過を行い得られた濾液(表7、1195m
3 )と残渣(表8、30D.t)の品位をそれぞれの表
に示す。
【0029】
【表7】 脱フッ素処理後濾液(1195m3 )品位 Zn Fe Pb Cd Cr F Cl 品位(g/l) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 10.8 量 (t) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.53 12.94 分配(%) 94 0 0 95 0 6 98
【0030】
【表8】 脱フッ素処理残渣(30D.t,49W.t.水分60%) Zn Fe Pb Cd Cr F Cl 品位(%) 0 0 0 0 0 28 0.892 量 (t) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 8.29 0.26 分配(%) 6 100 100 4 100 94 2
【0031】表7、8より塩素とフッ素はほぼ完全に分
離されていることが明らかである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、省エネ
ルギを達成しまた作業環境も良い製鋼ダストから有価金
属を回収する技術であるので工業上の価値が高い。また
従来の技術では処理困難であったフッ素含有量が高い製
鋼ダストの処理も可能であるので、資源回収の面でも価
値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例に係るフローチャートで
ある。
【図2】硫酸添加率とフッ素残存率の関係を示すグラフ
である。
【図3】硫酸添加率と塩素残存率の関係を示すグラフで
ある。
【図4】pHと硫酸液中のフッ素浸出率の関係をCaC
O3 ,NaOH,Ca(OH)2 等のpH調整・フッ素
固定剤をパラメータとして表すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明が処理対象とする製鋼ダストは、焼
結炉、平炉、電気炉などの製鋼工程から発生するもので
あり、特にZn:20〜70%、Fe:1〜30%,
F:0.5〜6%、Cl:4〜20%を含有するもので
ある。その他の成分は、総量で0〜50%のPb,C
d,Cr,Ca,SiO2 ,Al23 ,MgO,S等
である。フッ素除去効率が高い本発明方法を適用するの
に特に好ましい製鋼ダストは4%以上のフッ素を含有す
るものである。また製鋼ダストは硫酸と混錬させて十分
に反応させるための粒度は特に制限がなく、製鋼工場か
ら排出されるダストの粒度のままでよい。また、硫酸及
び製鋼ダストは通常常温〜100℃の温度で混練され
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】以下、好ましい硫酸添加率を、本発明者が
行った予備実験結果を参照として、説明する。製鋼ダス
ト25gに所定の硫酸を添加し混合した後るつぼに装入
し電気炉で450℃に加熱し3時間保持し、次に製鋼ダ
ストを分析し各元素の残存率を求めた。下表に試験結果
を表1に硫酸添加率(ダストに対するH2 SO4 の重
量)と硫酸化物の塩素、フッ素の残存率を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】硫酸化焙焼工程での排ガスに含有された塩
素及びフッ素の除去はスクラバー、スプレー塔等の処理
などの公知の排ガス処理技術で行うことができる。排ガ
ス中の塩素、フッ素を洗浄塔で回した洗浄液の塩素とフ
ッ素は中和によりフッ素をフッ化物固形物とする。pH
と硫酸液中のF濃度との関係を示す図4から分かるよう
に、pHが2.5未満であると溶液中に溶解しているフ
ッ素が多くまたpH5.5を越えると、pHが高くなっ
ても溶解しているフッ素は余り低下しないので、pH=
2.5〜5.5,特に3.5〜4.5の範囲が好まし
い。中和は、CaCO3 ,Ca(OH)2 及び/または
NaOHの添加によることが好ましく、特にCaCO
3 ,Ca(OH)2 はフッ素をフッ化化合物として固定
し、これを製鋼原料として使用できるので、好ましいp
H調整添加剤である。中和後、残渣から塩素を分離す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【作用】製鋼ダストの硫酸化焙焼中に塩素及びフッ素は
比較的低温でほぼ全量揮発する。この原因は、製鋼ダス
ト中に塩化物(ZnCl2 ,CaCl2 )及びフッ化物
(CaF,ZnF)の形態で含有されている塩素及びフ
ッ素が硫酸との混錬過程でそれぞれHCl及びHFに変
化するためと考えられる。このような変化を経た製鋼ダ
ストは非常に低い温度で焙焼可能でありしかも塩素、フ
ッ素と亜鉛等の相互の分離率が高い。以下、図1のフロ
ーチャートで示す工程図と物流バランスにより本方法の
実施例を説明する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【実施例】表4に示す組成の製鋼ダスト(200t)と
硫酸(H2 SO4 換算200t;硫酸添加率=1.0)
とをロータリーキルンで10〜20rpmの回転数にて
5〜15分混錬する。なお、表4に記した元素以外は主
として酸素である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】焙焼ケーキは酸化焙焼して硫酸を回収し、
あるいはそのまま焼結し、排ガス中の亜硫酸ガスは石灰
石200tで中和し、その後亜鉛製錬を行う。焙焼炉か
らの排ガスの流量は20〜60Nm3 /分の範囲(平均
45Nm3 /分)であり、排ガスの平均温度は250℃
である。排ガスをスクラバー洗浄塔に導き総量で120
0Nm3 の水(毎分0.1m3 に相当)で洗浄する。ス
クラバー洗浄水の品位を示す表6よりフッ素及び塩素の
分配率は非常に高いことが分かる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】スクラバー洗浄塔から約60℃の温度で排
ガスが放出される。この排ガスは硫酸ミストを含んでい
るので、ミストコットレルにより硫酸を回収し、浄化さ
れた清浄ガスを放出する。一方、スクラバー洗浄塔では
塩素、フッ素、亜硫酸などを含むスクラバー洗浄水を循
環し、これらが所定濃度になった時にスクラバー洗浄塔
から抜き出す。その時のpHは1〜2の範囲である。続
いて、CaCO3 ,Ca(OH)2 あるいはNaOHに
より洗浄水をpH=2.5〜5.5に中和する。このp
H範囲に中和するに要する添加量は、CaCO3 =5
0.2t,Ca(OH)2 =37.1t,あるいはNa
OH=40.1tである。CaCO3 添加後フィルタプ
レスによる濾過を行い得られた濾液(表7、1195m
3 )と残渣(表8、30D.t)の品位をそれぞれの表
に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表7】 脱フッ素処理後濾液(1195m3 )品位 Zn Fe Pb Cd Cr F Cl 品位(g/l) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.4 10.8 量 (t) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.53 12.94 分配(%) 94 0 0 95 0 6 98
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例に係るフローチャートで
ある。
【図2】硫酸添加率とフッ素残存率の関係を示すグラフ
である。
【図3】硫酸添加率と塩素残存率の関係を示すグラフで
ある。
【図4】pHと硫酸液中のフッ素浸出率の関係をCaC
3 ,NaOH,Ca(OH)2 等のpH調整・フッ素
固定剤をパラメータとして表すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼ダストから亜鉛等の有価金属を回収
    する方法において、製鋼ダストと硫酸を混練後350〜
    550℃の温度で硫酸化焙焼を行うことにより、焙焼排
    ガス中に塩素及びフッ素を移行させることを特徴とする
    製鋼ダストからの有価金属回収方法。
  2. 【請求項2】 前記硫酸化焙焼工程からの排ガスを水洗
    浄する工程と、前記水洗浄工程で得られた洗浄液を中和
    してフッ素化合物固形物を生成する工程と、中和後の洗
    浄液を濾過して濾液中に塩素を移行させる工程とを有す
    ることを特徴とする請求項1記載の製鋼ダストからの有
    価金属回収方法。
  3. 【請求項3】 中和工程においてpHを約2.5〜5.
    5に調整することを特徴とする請求項2記載の製鋼ダス
    トからの有価金属回収方法。
  4. 【請求項4】 中和工程において、水洗浄工程で得られ
    た洗浄液に、苛性ソーダ、炭酸カルシウム及び水酸化カ
    ルシウムから選択された1種または2種以上を添加する
    ことを特徴とする請求項3記載の製鋼ダストからの有価
    金属回収方法。
  5. 【請求項5】 中和工程において、水洗浄工程で得られ
    た洗浄液に、炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムから
    選択された1種または2種を添加することを特徴とする
    請求項4記載の製鋼ダストからの有価金属回収方法。
  6. 【請求項6】 製鋼ダストが亜鉛を20〜70%、鉄を
    1〜30%、フッ素を0.5〜6%、塩素を4〜20%
    含有することを特徴とする請求項1から5までのいずれ
    か1項記載の製鋼ダストからの有価金属回収方法。
  7. 【請求項7】 製鋼ダストがフッ素を4%以上含有する
    ことを特徴とする請求項6記載の製鋼ダストからの有価
    金属回収方法。
  8. 【請求項8】 硫酸化焙焼工程において、製鋼ダストの
    1重量部に対して硫酸を0.7〜1.3重量部混練する
    ことを特徴とする請求項6または7記載の製鋼ダストか
    らの有価金属回収方法。
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