JPH07314194A - 大型金属容器の圧潰装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、内容物の空け出し地において大型金
属容器を簡易に圧潰でき、したがってその保管や運搬に
必要なスペースを著しく低減できる、大型金属容器の圧
潰装置を提供するものである。 【構成】本発明は、大型金属容器搬送用のコンベアと、
該コンベア上で双方の間に１個の大型金属容器を停止さ
せる上流側のストッパ及び下流側のストッパと、双方の
ストッパの間におけるコンベアを水平方向から臨んで設
置されたハウジングと、該ハウジングの上部に装備され
且つそのシリンダロッドの下端に加圧板が取付けられた
油圧シリンダと、停止させた１個の大型金属容器をコン
ベア上からハウジング内へと押し込んで該加圧板の直下
に位置決めし且つ該大型金属容器の圧潰物をハウジング
内からコンベア上へと押し出す一組の進退手段とを備え
て成ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は大型金属容器の圧潰装置
に関する。例えば食品加工の分野では、時季的に大量収
穫される農産物を現地で一次加工し、これを大型金属容
器、代表的には１００〜３００リットル容のドラム缶に
収納して保存しておき、必要に応じて適宜、これらを二
次加工地へ運搬し、該大型金属容器から一次加工品を空
け出して二次加工することが行なわれる。一次加工品を
空け出した後の大型金属容器は再利用に回されることも
あるが、多くの場合に廃棄処分される。廃棄処分に備え
て、一次加工品を空け出した後の大型金属容器をそのま
ま保管し、またその処理工場へ運搬すると、保管や運搬
に膨大なスペースが必要になるので、これらを空け出し
地において圧潰し、その容積を小さくすることが要請さ
れる。本発明は、かかる要請に応える、上記のような大
型金属容器の圧潰装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、内容物の空け出し地において金属
容器を圧潰する装置としては小型金属容器を対象とする
ものが各種提案され、また使用されている（特開平５−
３０５４９８）。これらはいずれも、ハウジング内に投
入した多数の小型金属容器を一度にモータ駆動又はシリ
ンダ駆動の加圧板で押圧して圧潰するというものであ
る。一方、廃棄処分される自動車の車体のような大型廃
棄物をその専門処理工場で処理する場合には、堅牢なハ
ウジング内に投入した大型廃棄物を強力な油圧シリンダ
駆動の加圧板で押圧して圧潰することも行なわれてい
る。しかし、前述したような大型金属容器をその内容物
の空け出し地において圧潰する装置は提案されていな
い。大型金属容器から内容物を空け出して二次加工する
工場では、内容物を空け出した後の大型金属容器の取扱
いに困っているのが実情である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、大型金属容器から内容物を空け出して二次
加工する工場において、内容物を空け出した後の大型金
属容器がその保管や処理工場への運搬に膨大なスペース
をとり、その取扱いに困っている点である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】しかして本発明は、大型
金属容器搬送用のコンベアと、該コンベア上で双方の間
に１個の大型金属容器を停止させる上流側のストッパ及
び下流側のストッパと、双方のストッパの間におけるコ
ンベアを水平方向から臨んで設置されたハウジングと、
該ハウジングの上部に装備され且つそのシリンダロッド
の下端に加圧板が取付けられた油圧シリンダと、停止さ
せた１個の大型金属容器をコンベア上からハウジング内
へと押し込んで該加圧板の直下に位置決めし且つ該大型
金属容器の圧潰物をハウジング内からコンベア上へと押
し出す一組の進退手段とを備えて成ることを特徴とする
大型金属容器の圧潰装置に係る。

【０００５】本発明において、大型金属容器搬送用のコ
ンベアは、フラットコンベア、ローラコンベア、振動コ
ンベア等、大型金属容器を搬送できるものであれば特に
制限されないが、比較的重量に富む大型金属容器を安定
して搬送でき且つコンベア上を摺動させて該コンベアか
ら後述するハウジング内へと押し込み易いローラコンベ
アが好ましい。コンベアには双方の間に１個の大型金属
容器を停止させる上流側のストッパと下流側のストッパ
とが装備されている。双方のストッパは、コンベア上を
大型金属容器が搬送されてきたことをリミットスイッチ
や光電管等で検出し、その検出信号によりモータ駆動又
はシリンダ駆動で進退し、或は昇降するもので、かかる
制御それ自体は公知の制御手段を適用できる。双方のス
トッパは、断面矩形、断面三角形、断面くさび形等、そ
の形状に特に制限はないが、コンベアの幅方向に亘る程
度の長さを有するものが好ましく、またコンベアとして
ローラコンベアを用いる場合には該ローラコンベアを構
成するローラ相互間で昇降するものが好ましい。

【０００６】コンベア上を複数の大型金属容器が連続し
て搬送されてくるような場合において、上流側のストッ
パと下流側のストッパとの間により確実に１個の大型金
属容器を停止させるためには、上流側のストッパと連動
してこれよりも上流側のコンベアの駆動を規制するか、
或は上流側のストッパよりも更に上流側に該上流側のス
トッパと連動する第３のストッパを装備し、該第３のス
トッパで上流側のストッパへと搬送される大型金属容器
を規制するのが好ましく、この場合の第３のストッパは
コンベアの幅方向左右両側に一対で装備し、コンベア上
を搬送されてくる大型金属容器に対し左右両側から進退
して該大型金属容器の搬送を規制するものが好ましい。

【０００７】上流側のストッパと下流側のストッパとの
間におけるコンベアを水平方向から臨んでハウジングが
設置されている。ハウジングは主として圧潰作業の安全
を図るためのもので、少なくともコンベアと相対する側
面が開放されていて、通常その底面はコンベアの搬送面
と同一水平面上に位置している。ハウジングの上部には
油圧シリンダが装備されており、該油圧シリンダのシリ
ンダロッドの下端に加圧板が取付けられていて、通常該
加圧板はハウジング内に位置している。

【０００８】上流側のストッパと下流側のストッパとの
間におけるコンベアの側には一方の進退手段が装備され
ており、該コンベアを水平方向から臨んで設置されたハ
ウジングの側には該一方の進退手段と相対して他方の進
退手段が装備されていて、これら一組の進退手段によ
り、双方のストッパの間に停止させた１個の大型金属容
器をコンベア上からハウジング内へと押し込んで加圧板
の直下に位置決めし、また該大型金属容器の圧潰物をハ
ウジング内からコンベア上へと押し出すようになってい
る。進退手段は、モータ駆動又はシリンダ駆動により進
退するものであれば特に制限されないが、大型金属容器
がずれ動くのを防止してこれを加圧板の直下により確実
に位置決めするため、エアシリンダ又は油圧シリンダを
用い、そのシリンダロッドの先端に押圧板が取付けられ
ていて、該押圧板のうちで少なくとも一方が案内板とな
っているものが好ましい。この場合の案内板は、その内
周面が大型金属容器の外周側面に沿う形状となっている
ものか、又はその内周面が大型金属容器の外周側面と２
点以上で、好ましくは３点以上で当接する形状となって
いるものである。

【０００９】

【作用】便宜上、コンベアがローラコンベアであり、該
ローラコンベアを構成するローラ相互間に上流側のスト
ッパと下流側のストッパとが装備されていて、双方のス
トッパがローラコンベアの搬送面に対し昇降する場合に
ついて本発明の作用を説明する。先ず、上流側のストッ
パが下降しており、下流側のストッパが上昇している状
態で、上流側のストッパを１個の大型金属容器が通過す
ると、これを例えばリミットスイッチで検出して、その
検出信号により、上流側のストッパが上昇し、上流側か
ら搬送されてくる後続の大型金属容器を停止させる。双
方のストッパの間には１個の大型金属容器があり、この
大型金属容器は下流側のストッパで停止させられてい
る。

【００１０】次に、ローラコンベア側の進退手段が前進
して双方のストッパの間に停止させられている大型金属
容器をハウジング内に押し込み、その一方でハウジング
側の進退手段も前進して、双方の進退により大型金属容
器を挟持する状態で加圧板の直下に位置決めした後、双
方の進退手段が後退する。引き続き加圧板が下降して大
型金属容器を圧潰した後、上昇する。加圧板の下降は、
油圧シリンダの定圧作動で停止させることができ、或は
ハウジング内に例えば光電管を装備して、大型金属容器
が一定の高さ以下に圧潰されたことを検出する該光電管
からの検出信号により停止させることもできる。一例を
挙げれば、２５tonの油圧シリンダを用いると、高さ約
１ｍのドラム缶を高さ１０cm程度に圧潰できる。

【００１１】最後に、ハウジング側の進退手段が前進し
て圧潰物をローラコンベア上へと押し出し、押し出され
た圧潰物はローラコンベアにより更に下流側へと搬送さ
れる。この段階では下流側のストッパは既に下降してお
り、圧潰物が下流側のストッパを通過すると、これを例
えばリミットスイッチで検出して、その検出信号によ
り、下流側のストッパが上昇し、上流側のストッパが下
降する。以下はこの繰り返しである。

【００１２】

【実施例】図１は本発明の一実施例を略示する斜視図で
ある。ローラコンベア１１によりドラム缶Ａが図中矢印
で示す方向に上流側から下流側へと搬送されている。ロ
ーラコンベア１１を構成するローラ相互間には上流側の
ストッパ２１と下流側のストッパ２２とがローラコンベ
ア１１の搬送面に対して昇降可能に装備されており、双
方のストッパ２１，２２はローラコンベア１１の幅方向
に亘る程度の長さを有する断面矩形に形成されている。

【００１３】双方のストッパ２１，２２の間におけるロ
ーラコンベア１１を臨んでハウジング３１が設置されて
おり、ハウジング３１のローラコンベア１１と相対する
側面は開放されている。ハウジング３１の底面３１ａは
ローラコンベア１１の搬送面と同一水平面上に位置して
おり、その上流側面３１ｂは上流側のストッパ２１より
も下流側に位置していて、その下流側面３１ｃは下流側
のストッパ２２と同一直線上に位置している。

【００１４】ハウジング３１の上部には油圧シリンダ４
１が装備されており、そのシリンダロッドの下端に円板
状の加圧板４２が取付けられている。双方のストッパ２
１，２２の間において、ハウジング３１の反対側に位置
するローラコンベア１１には一方のエアシリンダ５１が
装備されており、そのシリンダロッドの先端に平板状の
押圧板５２が取付けられている。またエアシリンダ５１
と相対して、ハウジング３１の後側面には他方のエアシ
リンダ５３が装備されており、そのシリンダロッドの先
端に案内板５４が取付けられている。案内板５４はシリ
ンダロッドの先端に取付けられた平板５４ａと、平板５
４ａの両端から末広がり状に延設された短尺な突出板５
４ｂ，５４ｃとから成り、押圧板５２と案内板５４とで
挟持することとなるドラム缶と平板５４ａ及び突出板５
４ｂ，５４ｃの合計３点で当接して、ドラム缶がずれ動
くのを防止するようになっている。ローラコンベア１１
からハウジング３１の内部へ押し込まれたドラム缶は、
一組を形成する双方のエアシリンダ５１，５３のシリン
ダロッドのストロークを調節することにより、加圧板４
２の直下に位置決めされる。図面ではリミットスイッチ
や光電管等の制御手段を省略しているが、図示した一実
施例の作用は前述した通りである。

【００１５】

【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、内容物の空け出し地において大型金属容器を簡
易に圧潰でき、したがってその保管や運搬に必要なスペ
ースを著しく低減できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を略示する斜視図。

【符号の説明】

１１・・・ローラコンベア、２１，２２・・・ストッ
パ、３１・・・ハウジング、４１・・・油圧シリンダ、
４２・・・加圧板、５１，５３・・・エアシリンダ、５
２・・・押圧板、５４・・・案内板、Ａ・・・ドラム缶

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 大型金属容器搬送用のコンベアと、該コ
   ンベア上で双方の間に１個の大型金属容器を停止させる
   上流側のストッパ及び下流側のストッパと、双方のスト
   ッパの間におけるコンベアを水平方向から臨んで設置さ
   れたハウジングと、該ハウジングの上部に装備され且つ
   そのシリンダロッドの下端に加圧板が取付けられた油圧
   シリンダと、停止させた１個の大型金属容器をコンベア
   上からハウジング内へと押し込んで該加圧板の直下に位
   置決めし且つ該大型金属容器の圧潰物をハウジング内か
   らコンベア上へと押し出す一組の進退手段とを備えて成
   ることを特徴とする大型金属容器の圧潰装置。
2. 【請求項２】 コンベアがローラコンベアであり、双方
   のストッパが該ローラコンベアを構成するローラの相互
   間で昇降するものである請求項１記載の大型金属容器の
   圧潰装置。
3. 【請求項３】 一組の進退手段が、シリンダロッドの先
   端に押圧板が取付けられたエアシリンダ又は油圧シリン
   ダであり、少なくとも一方の押圧板が大型金属容器を誘
   導するガイド板である請求項１又は２記載の大型金属容
   器の圧潰装置。