JPH07314097A - 金属ストリップ連続鋳造方法 - Google Patents

金属ストリップ連続鋳造方法

Info

Publication number
JPH07314097A
JPH07314097A JP11292594A JP11292594A JPH07314097A JP H07314097 A JPH07314097 A JP H07314097A JP 11292594 A JP11292594 A JP 11292594A JP 11292594 A JP11292594 A JP 11292594A JP H07314097 A JPH07314097 A JP H07314097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
content
casting
weight
metal
manganese
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11292594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3308102B2 (ja
Inventor
John Brazawick Alan
ジョン ブラザウィック アラン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BHP Steel JLA Pty Ltd
IHI Corp
Original Assignee
BHP Steel JLA Pty Ltd
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BHP Steel JLA Pty Ltd, IHI Corp filed Critical BHP Steel JLA Pty Ltd
Priority to JP11292594A priority Critical patent/JP3308102B2/ja
Publication of JPH07314097A publication Critical patent/JPH07314097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3308102B2 publication Critical patent/JP3308102B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 鋳造金属ストリップ20を連続的に鋳造する
ために、溶融金属を一対の平行な鋳造ロール16間のロ
ール間隙へと、ロール間隙上方に配した金属供給ノズル
19を介して導入して、ロール間隙直上の鋳造ロール1
6表面に支持された溶融金属溜めを造り出して、ロール
間隙から下方へと鋳造金属ストリップ20を送出する。
金属は、マンガン含有量が0.20重量%以上、硅素含
有量が0.01%以上であって、鋼の全アルミニウム含
有量が0.01重量%を下まわる、硅素/マンガンキル
ド鋼とする。 【効果】 鉄系金属材料に対する良好な鋳造結果が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属ストリップ連続鋳造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造装置で連続鋳造することに
より金属ストリップを鋳造することが公知である。
【0003】そのような方法では、冷却され相反する方
向に回転される水平な一対の鋳造ロール間に溶融金属を
導くことによって、回転している鋳造ロールの表面に金
属殻を凝固させ、それらが共にロール間隙を通ることに
より鋳造金属ストリップとなって、ロール間隙から下方
へと送出される。ロール間隙への溶融金属の導入は、タ
ンディッシュと、タンディッシュ下方に位置しタンディ
ッシュからの溶融金属流を受けてロール間隙へと向ける
金属供給ノズルとによって行なうことができ、そうして
ロール間隙直上には溶融金属溜めが形成される。この溶
融金属溜めはロール端部に対して摺動自在に当接保持さ
れた側板又は堰の間に画成できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】双ロール鋳造は、冷却
により急激に凝固するアルミニウム等の非鉄金属ではあ
る程度の成功を収めているが、この技術を鉄系金属材料
の鋳造に当てはめる場合にはいろいろな問題がある。1
つの大きな問題としては、鉄系金属材料では鋳造中に固
形の混入物(inclusions)が生じて、双ロール鋳造装置
に必要な非常に細い溶融金属流の通路を閉塞し易いとい
う問題がある。
【0005】一方、鋼の取鍋脱酸に硅素−マンガンを使
用することはベッセマー製鋼法の初期の時代のインゴッ
ト製造で実施され、反応物である溶融硅酸マンガンと溶
融金属中に残るマンガン、硅素及び酸素との平衡関係が
それなりに公知となっている。
【0006】しかしながら、スラブ鋳造とその後の冷間
圧延による鋼ストリップ製造技術の発達により、硅素/
マンガン脱酸は、全般に避けられる傾向にあり、現在で
は、アルミニウムキルド(killed 脱酸)鋼を用いるべ
きであると考えられてきている。即ち、スラブ鋳造とそ
の後の熱間圧延(更にその後に冷間圧延が続くことが多
い)による鋼の製造では、硅素/マンガンキルド鋼は、
鋳造金属ストリップの中間層に混入物が集中することに
より、許容できない程の高発生率でストリンガ(string
ers バリ)が発生する等の欠点が生じるからである。
【0007】スラブ鋳造において帯(band)又は層に混
入物が生じる傾向は、アルミニウムキルド鋼により減少
するため、硅素/マンガンキルド鋼は全般に鋼ストリッ
プ製造には不適であるとみなされてきた。従って、双ロ
ール鋳造装置で鋼ストリップを連続鋳造するには、アル
ミニウムキルド鋼を使う必要があると今まで考えられて
きた。
【0008】しかしながら、鋼ストリップの連続鋳造に
は、鋳造ロールの長さ方向に沿った一定速度の溶融金属
流を精細な制御によって生じさせ、鋳造ロール表面にわ
たって充分に迅速且つ均一な冷却を達成することが非常
に重要である。このためには、固体混入物によって細い
流路が閉塞され易いという状況下で、溶融金属を金属供
給ノズルの耐火材内の非常に細い流路に流れさせる必要
がある。
【0009】連続ストリップ圧延で様々な品位の鋼をス
トリップ鋳造する広範なプログラムをこなした後で、我
々は、アルミニウム残量が0.01%以上のアルミニウ
ムキルド鋼又は部分キルド(partially killed)鋼で
は、固体混入物が塊状となって金属供給システム内の細
い流路を閉塞し、生じたストリップに欠陥や不連続部を
形成してしまうため、全般に充分な鋳造ができないとい
う結論に達した。
【0010】本発明は、上述の実情に鑑み、鉄系金属材
料に対する良好な鋳造結果を得られるようにした金属ス
トリップ連続鋳造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の平行な
鋳造ロール間の上部に形成される溶融金属溜めへ、金属
供給ノズルから溶融金属を導入して、ロール間隙から下
方へと鋳造金属ストリップを送出する、金属ストリップ
連続鋳造方法において、溶融金属としてマンガン含有量
が0.20重量%以上、硅素含有量が0.01%以上
で、全アルミニウム含有量が0.01重量%を下まわ
る、硅素/マンガンキルド鋼を用いたことを特徴とする
金属ストリップ連続鋳造方法にかかるものである。
【0012】この場合において、溶融金属中の炭素含有
量、マンガン含有量及び硅素含有量がそれぞれ、 炭素 0.02〜0.15重量% マンガン 0.20〜1.0重量% 硅素 0.10〜0.5重量% である、ようにしても良い。
【0013】又、ロール間隙から下方に送出される鋳造
金属ストリップの厚みが1〜4mmの範囲であり、溶融
金属中の炭素含有量、マンガン含有量及び硅素含有量が
それぞれ、 炭素 0.05〜0.10重量% マンガン 0.40〜0.80重量% 硅素 0.10〜0.30重量% である、ようにしても良い。
【0014】更に、溶融金属中の炭素含有量、マンガン
含有量、硅素含有量がそれぞれ、 炭素 0.05〜0.10重量% マンガン 0.50〜0.70重量% 硅素 0.20〜0.30重量% であり、アルミニウム含有量が0.008重量%を下ま
わる、ようにしても良い。
【0015】
【作用】上記問題は、アルミニウム含有量を0.01重
量%より下に保ちつつ、鋳造温度にて、溶融状態で脱酸
品を造る傾向のある、注意深く選択した範囲の硅素及び
マンガン含有量を有する硅素/マンガンキルド鋼を用い
ることにより解消できることを見出した。更には、硅素
/マンガンキルド鋼に通常付随するストリンガその他の
欠陥のないストリップ品の鋳造が可能であることを見出
した。これは、双ロール鋳造装置で達成される急速凝固
により、大きな混入物の発生が避けられるためであり、
双ロール鋳造方法により混入物は中央層に集中するので
はなくストリップ全体に均一に分散される。
【0016】尚、リチャード等(Richards et al)のア
メリカ合衆国特許第3,412,781号では、0.0
1〜0.08%の炭素と、0.20〜0.60%のマン
ガンと、0.03〜0.08%の硅素と、0.015%
以下のアルミニウムを含むよう溶鋼の成分を調節した鋼
スラブの連続鋳造方法が開示されている。
【0017】又、スミス(Smith)のアメリカ合衆国特
許第4,529,441号では、組成が0.06%まで
の炭素と、0.04%までの硫黄と、0.15%までの
燐と、1.0%までのマンガンと、0.001%以下の
硅素とである溶融物に0.05〜0.25%の範囲の硅
素を加えることが開示されている。
【0018】しかし、本特許で開示されている例では、
鋼がアルミニウムで部分的にキルドされていることがわ
かる。更に詳しくは、例1では0.015%のアルミニ
ウムを用い、例2は0.012%のアルミニウムを有
し、例3は0.020%のアルミニウムを有する。その
ような量のアルミニウムを含むことは鋼の連続ストリッ
プ鋳造に有害であることがわかっている。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0020】図1〜図6は、本発明の一実施例である。
【0021】本発明にかかる双ロール鋳造装置は、工場
床12から立設された主機械フレーム11を有する。主
機械フレーム11が支持する鋳造ロール台車13は、ア
センブリステーション14と鋳造ステーション15との
間を水平に移動可能である。鋳造ロール台車13が保持
する一対の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に、取鍋
17からタンディッシュ18及び金属供給ノズル19を
介して溶融金属が供給される。鋳造ロール16は内部を
水冷されているので、動いているロール表面に凝固金属
殻が形成され、鋳造金属ストリップ20となってロール
出口から取出される。鋳造金属ストリップ20は主コイ
ラ21に送られ、次いで第2コイラ22に送給される。
鋳造ステーション15に隣接させて主機械フレーム11
には容器23が取付けられており、タンディッシュ18
の溢れ口24を介して、又は、製品の甚だしい変形等、
鋳造作業時の重大な不都合があった時には、タンディッ
シュ18に設けた緊急プラグ25を抜くことにより、タ
ンディッシュ18内の溶融金属を容器23へ逃すことが
できる。
【0022】鋳造ロール台車13を構成する台車フレー
ム31は、ホイール32を介してレール33上に載り、
そのレール33は主機械フレーム11の一部に沿って延
びているので、鋳造ロール台車13全体がレール33に
移動可能に載っていることになる。台車フレーム31が
保持する対のロールクレードル34に鋳造ロール16が
回転可能に取付けられる。ロールクレードル34は、互
いに係合される摺動部材35,36を介して台車フレー
ム31に取付けられており、油圧シリンダ装置37,3
8によって鋳造ロール16間の間隔を調節され、必要な
時に短時間で鋳造ロール16を急速に相反する方向に移
動させることができる。鋳造ロール台車13全体をレー
ル33に沿って移動させることができる複動油圧ピスト
ンシリンダ装置39は、鋳造ロール台車13の駆動ブラ
ケット40と主機械フレーム11との間に接続されて、
鋳造ロール台車13をアセンブリステーション14から
鋳造ステーション15へ、又は、その逆へ移動させるこ
とができるようになっている。
【0023】一対の鋳造ロール16は、図示しない電動
モータのロール駆動軸41と台車フレーム31上に設け
られたトランスミッションとを介して互いに相反する方
向に回転される。鋳造ロール16の銅製周壁に形成さ
れ、周方向に離間して縦方向に延びる図示しない一連の
水冷通路には、回転グランド43を介して水冷ホース4
2が接続されたロール駆動軸41内の図示しない水冷導
管からロール端を通して冷却水が供給される。1300
mm幅のストリップを作る場合の鋳造ロール16の典型
的な大きさは、径が約500mmで、長さは1300m
mまでである。
【0024】取鍋17は在来の構成であって、図示しな
い天井クレーンからヨーク45を介して支持されてお
り、図示しない高温金属受けステーションから定位置へ
と移動することができる。取鍋17に取付けられたスト
ッパロッド46を図示しないサーボシリンダで動かすこ
とによって、溶融金属を取鍋17から出口ノズル47及
び耐火シュラウド48を介してタンディッシュ18へと
流すことができる。
【0025】タンディッシュ18も従来の構成であっ
て、酸化マグネシウム(MgO)等の耐火材で造られた
広皿状のものである。タンディッシュ18の一側は取鍋
17からの溶融金属を受け、又、前記した溢れ口24と
緊急プラグ25とを備えている。タンディッシュ18の
他側には縦方向(鋳造ロール16の幅方向)に離間した
出口開口52が複数備えられている。タンディッシュ1
8下部を保持する取付ブラケット53はタンディッシュ
18を台車フレーム31に取付けるためのものであっ
て、取付ブラケット53に備えた開口で台車フレーム3
1の位置合わせペグ54を受けてタンディッシュ18を
正確に位置決めするようになっている。
【0026】金属供給ノズル19はアルミナグラファイ
ト等の耐火材料で細長い形状に造られ、下部がテーパ状
になっていて内方で且つ下方にすぼまっているので、鋳
造ロール16間の間隙に挿入できる。取付ブラケット6
0は金属供給ノズル19を台車フレーム31で支持する
ために備えられ、金属供給ノズル19上部には外方に突
出する側部フランジ55が形成されて取付ブラケット6
0に係合する。
【0027】金属供給ノズル19は、水平に離間し略上
下に延びる一連の流路(出口開口52など)を有するも
のであって、鋳造ロール16の幅方向に適宜低速の溶融
金属流を生み出し、初期凝固の起きる鋳造ロール16表
面に直接当てることなく溶融金属を鋳造ロール16間隙
に送ることができる。若しくは、金属供給ノズル19を
単一の長孔の形にして鋳造ロール16間隙に低速のカー
テン状の溶融金属を直接送るようにしても良い。いずれ
の場合も、金属供給ノズル19は溶融金属溜めに浸って
も良い。
【0028】溶融金属溜めは鋳造ロール16端部の一対
の側部閉止板56によって画成される。側部閉止板56
は鋳造ロール台車13が鋳造ステーション15にある時
には鋳造ロール16の胴部と軸端部との段差部57へ当
接保持される。側部閉止板56は窒化ホウ素等の強い耐
火材で造られ、下部に鋳造ロール16の周面に対応した
円弧状切欠部81を有する。側部閉止板56が取付けら
れる板ホルダ82は、鋳造ステーション15に設けられ
た一対の油圧シリンダ装置83の作動により可動であっ
て、側部閉止板56が鋳造ロール16の段差部57に圧
接されて、鋳造作業中に鋳造ロール16上部に形成され
る溶融金属溜めの端部を閉止する。
【0029】鋳造作業中、ストッパロッド46を作動さ
せて、溶融金属が、取鍋17からタンディッシュ18へ
と、そして金属供給ノズル19を介し鋳造ロール16間
隙へと注がれるようにする。鋳造金属ストリップ20の
クリーンな(整った、傷のない)先端をエプロンテーブ
ル96の作動により主コイラ21の顎部へガイドする。
エプロンテーブル96は主機械フレーム11上のピボッ
ト取付部97から吊り下がっており、クリーンな先端が
形成された後、油圧シリンダ装置98により主コイラ2
1へ向けて揺動されることができる。ピストンシリンダ
装置101により作動される上ストリップガイドフラッ
プ99に対応してエプロンテーブル96が作動され、鋳
造金属ストリップ20は一対の縦サイドロール102間
に案内される。鋳造金属ストリップ20の先端が主コイ
ラ21の顎部にガイドされたら、主コイラ21を回転さ
せて鋳造金属ストリップ20を巻取ると共に、エプロン
テーブル96を下方へ回動して非作動位置へ戻し、主コ
イラ21に直接巻取られている鋳造金属ストリップ20
から離して単に主機械フレーム11から吊り下げられた
状態とする。鋳造金属ストリップ20は後に第2コイラ
22に送られて、双ロール鋳造装置から運び出され最終
巻取品となることができる。
【0030】溶融金属がタンディッシュ18と金属供給
ノズル19の小オリフィス(通路)を通る時にアルミン
酸塩が生成される故に閉塞の問題が生じるので、アルミ
ニウムキルド鋼(killed 脱酸)では満足のいく鋳造金
属ストリップ20を生み出せないことがわかっている。
これにより溶融金属溜めへの溶融金属流さえもできなく
なって、その結果、鋳造金属ストリップ20が製造でき
なくなるか又はひどい欠陥のある製品が製造される。
【0031】硅素とマンガンは、組合わせて使うと非常
に有益な脱酸剤となるのであって、相乗効果を発揮す
る。我々は、上記で説明した種類の双ロール鋳造装置
で、硅素/マンガンキルド鋼を使うことにより、受容で
きる酸素レベルの鋳造金属ストリップ20を生み出せる
ことを見出した。双ロール鋳造装置を操業して、結果と
して生じる鋳造金属ストリップ20が、細かく、且つ、
均一に分散された硅酸マンガンを混入物として含むよう
にすることができ、この混入物は例え密度がかなり高く
て酸素含有量が約100〜150ppmであっても、鋳
造金属ストリップ20の機械的特性に重大な有害作用を
もたらさない。アルミニウムキルド鋼であったら、これ
程の酸素含有量は受容不可能であろう。なぜなら、アル
ミン酸塩混入物は、密集し合って、鋳造金属ストリップ
20に平面欠陥(planar defects)を形成するからであ
る。硅酸塩混入物は、密集しないし、いずれにしろ、ス
トリップ鋳造工程では鋳造金属ストリップ20の機械的
特性にとって有害となるような、極端に大きい混入物が
形成されるような塊状化が制限される。しかも、鋳造金
属ストリップ20は後工程で広範に圧延されないので、
混入物は引き伸ばされない。
【0032】本発明によれば硅素とマンガンの含有量が
最適に選択されるので、鋳造作業中、溶融状態で脱酸品
を保持することが可能であり、従って、タンディッシュ
18及び金属供給ノズル19の絞りオリフィス(流路)
での閉塞問題が解消する。
【0033】本発明により選択される炭素、マンガン及
び硅素の含有レベルは完全な鉄(δ)領域での凝固工程
を保持するようなレベルである。理想的には、液相の温
度と固相の温度との差を最大にして、鋳造の間中、充分
に柔らかな層(ドロドロに溶けた層 mushy layer)が
維持されるよう組成を選択する。というのも、そうすれ
ば、生成された鋳造金属ストリップ20が、急速凝固工
程中に溶融金属溜めの外乱による有害な作用を受けにく
い質のものとなるからである。しかしながら、平衡相図
におけるオーステナイト+鉄領域に余り近付きすぎない
ようにすることが重要である。というのも、双ロール鋳
造装置内部における非常に急速な冷却状態のもとでは平
衡状態は維持されず、オーステナイト+鉄領域でうかつ
に凝固が起こらないよう手段を取らなければならなくな
るからである。
【0034】硅素の含有レベルを増やし、炭素の含有レ
ベルを減らすことにより凝固中にδ鉄の形成が促進さ
れ、その結果、「鰐皮」(crocodile skin)欠陥として
知られている鋳造金属ストリップ20表面の不均一が形
成され易いという傾向が減少する。通常、このような欠
陥は、凝固金属殻が鋳造ロール16表面に堅実に接触し
ないことにより生じる冷却速度の局部的な変動(及びそ
れによって生じる微細構造の変動)に関連している。
【0035】炭素含有量が低すぎると、「ヘリングボー
ン」(herring bone)と呼ばれる欠陥が起こり得る。こ
の欠陥は、本質的に鋳造金属ストリップ20の幅方向に
対して(若しくは幅方向に対し角度をなして)発生する
周期的な厚み変動であり、凝固金属殻が鋳造ロール16
の間隙で合わされる時の柔らかな層の挙動と関連してい
ると考えられる。柔らかな層が存在する温度範囲が狭す
ぎると、溶融金属溜めメニスカス(meniscus)における
外乱が柔らかな層の厚みと粘性に重大な影響を与え、従
って、鋳造金属ストリップ20が鋳造ロール16に及ぼ
す力に影響を与え、その結果、鋳造金属ストリップ20
の厚みに影響する。
【0036】我々は、種々の品位の鋼を使って、上記で
説明した種類の双ロール鋳造装置の広範な操業を行なっ
た。約1〜4mmの範囲の厚みを有する鋳造金属ストリ
ップ20を製造するためには、最適鋼組成は次の通りで
ある。 炭素 0.05〜0.10重量% マンガン 0.50〜0.70重量% 硅素 0.20〜0.30重量% アルミニウム 0.008重量%未満
【0037】鋼は好ましくは鋳造用に1500〜160
0℃の範囲の温度に予熱する。好ましくは、タンディッ
シュ18は1000〜1300℃の範囲の温度に予熱
し、金属供給ノズル19も1000〜1300℃の範囲
の温度に予熱する。
【0038】図6は、大気中で溶融した、種々の硅素及
びマンガン含有量を有する軟鋼を用いて、種々の試行鋳
造を行なった結果を示している。この図で、○はうまく
鋳造できて良質の鋳造金属ストリップ20を生み出した
鋼を示し、他方、+は一貫して鋳造時の問題やストリッ
プ欠陥を生じた鋼を示す。試行により、図6の領域Aの
組成を有する鋼は不良脱酸によるストリップシーティン
グ(sheeting)を生み出すことが示された。
【0039】1.0重量%を越すマンガン含有量を有
し、従って、領域Bに入る鋼は、鋳造ロール16上の酸
化マンガンヒューム堆積物(MnO fume deposits)によ
る鋳造上の問題を生み出す。
【0040】0.5重量%を越す硅素含有量を有し、従
って、領域Cに入る鋼は、形成特性の悪いストリップを
生み出す。
【0041】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属スト
リップ連続鋳造方法によれば、鉄系金属材料に対する良
好な鋳造結果を得ることができるという優れた効果を奏
し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により作動するよう構成された双ロール
鋳造装置の平面図である。
【図2】図1に示された双ロール鋳造装置の側面図であ
る。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】図1のIV−IV矢視図である。
【図5】図1のV−V矢視図である。
【図6】組成を変えた鋼を用いた試行鋳造の結果を示す
図である。
【符号の説明】 16 鋳造ロール 19 金属供給ノズル 20 鋳造金属ストリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アラン ジョン ブラザウィック オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ ジャンブルー オーウェン ストリ ート 16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の平行な鋳造ロール間の上部に形成
    される溶融金属溜めへ、金属供給ノズルから溶融金属を
    導入して、ロール間隙から下方へと鋳造金属ストリップ
    を送出する、金属ストリップ連続鋳造方法において、溶
    融金属としてマンガン含有量が0.20重量%以上、硅
    素含有量が0.01%以上で、全アルミニウム含有量が
    0.01重量%を下まわる、硅素/マンガンキルド鋼を
    用いたことを特徴とする金属ストリップ連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 溶融金属中の炭素含有量、マンガン含有
    量及び硅素含有量がそれぞれ、 炭素 0.02〜0.15重量% マンガン 0.20〜1.0重量% 硅素 0.10〜0.5重量% である、請求項1記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 ロール間隙から下方に送出される鋳造金
    属ストリップの厚みが1〜4mmの範囲であり、溶融金
    属中の炭素含有量、マンガン含有量及び硅素含有量がそ
    れぞれ、 炭素 0.05〜0.10重量% マンガン 0.40〜0.80重量% 硅素 0.10〜0.30重量% である、請求項1記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 溶融金属中の炭素含有量、マンガン含有
    量、硅素含有量がそれぞれ、 炭素 0.05〜0.10重量% マンガン 0.50〜0.70重量% 硅素 0.20〜0.30重量% であり、アルミニウム含有量が0.008重量%を下ま
    わる、請求項3記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
JP11292594A 1994-05-26 1994-05-26 金属ストリップ連続鋳造方法 Expired - Fee Related JP3308102B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11292594A JP3308102B2 (ja) 1994-05-26 1994-05-26 金属ストリップ連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11292594A JP3308102B2 (ja) 1994-05-26 1994-05-26 金属ストリップ連続鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07314097A true JPH07314097A (ja) 1995-12-05
JP3308102B2 JP3308102B2 (ja) 2002-07-29

Family

ID=14598930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11292594A Expired - Fee Related JP3308102B2 (ja) 1994-05-26 1994-05-26 金属ストリップ連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3308102B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1038612A1 (fr) * 1999-03-26 2000-09-27 Sollac Procédé de fabrication de bandes en acier au carbone par coulée continue entre deux cylindres
JP2006515802A (ja) * 2003-01-24 2006-06-08 ニューコア・コーポレーション 低表面粗度及び低多孔性を有する鋼ストリップの鋳造
JP2010504214A (ja) * 2006-09-22 2010-02-12 シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー・ウント・コ 鋼ストリップの生産プロセス
US7975754B2 (en) 2007-08-13 2011-07-12 Nucor Corporation Thin cast steel strip with reduced microcracking
JP4734496B2 (ja) * 1999-02-05 2011-07-27 キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 鋼ストリップ連続鋳造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4734496B2 (ja) * 1999-02-05 2011-07-27 キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 鋼ストリップ連続鋳造方法
EP1038612A1 (fr) * 1999-03-26 2000-09-27 Sollac Procédé de fabrication de bandes en acier au carbone par coulée continue entre deux cylindres
FR2791286A1 (fr) * 1999-03-26 2000-09-29 Lorraine Laminage Procede de fabrication de bandes en acier au carbone par coulee continue entre deux cylindres
JP2006515802A (ja) * 2003-01-24 2006-06-08 ニューコア・コーポレーション 低表面粗度及び低多孔性を有する鋼ストリップの鋳造
JP2010504214A (ja) * 2006-09-22 2010-02-12 シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー・ウント・コ 鋼ストリップの生産プロセス
US7975754B2 (en) 2007-08-13 2011-07-12 Nucor Corporation Thin cast steel strip with reduced microcracking

Also Published As

Publication number Publication date
JP3308102B2 (ja) 2002-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5934359A (en) Casting steel strip
US5720336A (en) Casting of metal
US7594533B2 (en) Casting steel strip
MXPA97002623A (es) Fundicion de tira de acero
US6059014A (en) Casting steel strip
EP0825907B1 (en) Casting steel strip
US5924476A (en) Casting steel strip
JP3308102B2 (ja) 金属ストリップ連続鋳造方法
US6257315B1 (en) Casting steel strip
US5983981A (en) Casting steel strip
US7484550B2 (en) Casting steel strip
NZ270147A (en) Continuous casting of silicon/manganese killed mild steel strip in which molten metal is introduced into the nip between two rollers via a delivery nozzle, solid metal strip being delivered downwardly from the nip
AU724072B2 (en) Casting steel strip
AU694654B2 (en) Casting steel strip
KR100340385B1 (ko) 금속스트립연속주조방법
AU740666B2 (en) Immersion nozzle for casting steel strip
MXPA97007664A (en) Ac strip foundry

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees