JPH07313179A - トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 - Google Patents

トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法

Info

Publication number
JPH07313179A
JPH07313179A JP6156237A JP15623794A JPH07313179A JP H07313179 A JPH07313179 A JP H07313179A JP 6156237 A JP6156237 A JP 6156237A JP 15623794 A JP15623794 A JP 15623794A JP H07313179 A JPH07313179 A JP H07313179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
proline
reaction
hydroxy
trans
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6156237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3122705B2 (ja
Inventor
Akio Ozaki
明夫 尾崎
Hideo Mori
英郎 森
Takeshi Shibazaki
剛 柴崎
Katsuhiko Ando
勝彦 安藤
Shigeru Chiba
繁 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP06156237A priority Critical patent/JP3122705B2/ja
Publication of JPH07313179A publication Critical patent/JPH07313179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3122705B2 publication Critical patent/JP3122705B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 医薬品原料または食品添加物として有用なト
ランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを工業的に有利
に製造する。また微量のプロリン類光学異性体の特異的
高感度自動分離分析を可能にする。 【構成】 ダクチロスポランジウム属またはアミコラト
プシス属由来でかつL−プロリンからトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンへの水酸化反応を触媒する酵素
源、二価鉄イオンおよび2ケトグルタル酸の存在下、水
性媒体中でL−プロリンをトランス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンに変換させ、生成したトランス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンを該水性媒体中より採取すること
を特徴とするトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
の製造法および該製造法に有用なL−プロリン4位水酸
化酵素、ならびに、プロリン類を含有する試料を高速液
体クロマトグラフィーを用いて分析する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品の合成原料また
は食品添加物として有用なトランス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンを工業的に製造する方法、該方法に有用な
新規L−プロリン4位水酸化酵素、ならびに臨床検査等
に有用なプロリン類特異的高感度検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物を用いトランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンを製造する方法として 1)エッシェリヒア属に属する微生物を用い、4−ヒド
ロキシ−2−オキソグルタル酸からトランス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンを製造する方法(特開平3−26
6995) 2)かび類を用い直接発酵生産する方法(European Pat
ent Application EP 0 547 898 A2) 3)ストレプトマイセス属に属する微生物を用い、L−
プロリンから製造する方法〔ジャーナル オブ バイオ
ロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.) ,254
巻,6684〜6690ページ(1979年)、バイオ
ケミカル アンドバイオフィジカル リサーチ コミュ
ニケーション(Biochem. Biophys. Res. Comm.),12
0巻,45〜51ページ(1984年)〕 が知られている。
【0003】1)の方法においては4−ヒドロキシ−2
−オキソグルタル酸が高価かつ入手が困難であり、生産
性が低く、2)の方法においても生産性が低く、3)の
方法においてはトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンの製造に関与する酵素の活性が極めて微弱なため、反
応生産物が放射性化合物を用いなければ検出できないほ
ど微量であり、いずれの方法を用いても工業化は困難で
ある。
【0004】トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
への水酸化反応を触媒する酵素は単離されておらず、ダ
クチロスポランジウム属あるいはアミコラトプシス属に
属する微生物由来でかつL−プロリンからトランス−4
−ヒドロキシ−L−プロリンへの水酸化反応を触媒する
酵素源を用いてトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを製造する方法については知られていない。また前記
のストレプトマイセス属に属する微生物から、L−プロ
リン4位水酸化酵素を精製したとの報告がある〔テトラ
ヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters),34
巻,7489〜7492ページ(1993年)〕が、そ
の理化学的性質等は開示されていない。いずれにして
も、遊離のL−プロリンを水酸化してトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンを生成する反応を触媒するL−
プロリン4位水酸化酵素はこれまでに単離されたことが
なく、またその理化学的性質も明かにされていない酵素
である。
【0005】プロリン類の分析定量方法としては、ニン
ヒドリンを用いた比色定量法が知られているが、プロリ
ン類のイミノ酸に対するニンヒドリンの発色感度は低
く、プロリン類を高感度に検出することができない。プ
ロリン類のイミノ酸に対する特異的な検出方法として、
塩基性条件下、7−クロロ−4−ニトロベンゾ−2−オ
キサ−1,3−ジアゾール(NBD)クロライドによっ
てプロリン類をNBD化し、得られたプロリン誘導体を
高速液体クロマトグラフィーで検出する方法が知られて
いる〔アナリティカル バイオケミストリー(Anal. Bi
ochem.) 、138巻、390〜395頁、1984
年〕。
【0006】光学活性アミノ酸を配位子として担体に固
定化し、これと分析対象アミノ酸との錯体を銅イオンを
介して形成させることにより、アミノ酸類の光学異性体
を分離する配位子交換クロマトグラフィー法が知られて
いる〔ジャーナル オブ クロマトグラフィー(J.Chrom
atogr.) 、60巻、280〜283頁、1971年;
同、216巻、406〜412頁、1981年〕。該原
理に基づき、高速液体クロマトグラフィー用の市販カラ
ムを用いてアミノ酸の光学異性体を自動的に分離するこ
とは知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のトランス−4−
ヒドロキシ−L−プロリンの製造方法は(1)原料が高
価である、(2)反応工程が多い、(3)分離精製工程
が複雑である、(4)生産性が低い、等の点で工業的製
造方法としては必ずしも満足できる方法ではなく、工業
的に有利なトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの
製造法が求められている。
【0008】プロリン類の分析定量方法に関しては、プ
ロリン類をNBD化した後、NBD化プロリン類を高速
液体クロマトグラフィーで分離検出する従来法では、プ
ロリン類の光学異性体は分離検出することができない。
また該方法はサンプルの自動分析ができず多量の試料を
処理することができない。一方、配位子交換クロマトグ
ラフィー法を用いればプロリン類の光学異性体を自動的
に分離可能だが、吸光度法を用いた検出では、感度が悪
く微量成分の検出は困難である。そのため、新規なプロ
リン類の光学異性体の高感度自動検出法の開発が望まれ
ている。
【0009】本発明の目的は、発酵法によって糖源から
工業的に生産されているL−プロリンを直接微生物的あ
るいは酵素的に水酸化することにより、工業的に有利に
トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを製造する方
法および該方法に有用なL−プロリン4位水酸化酵素を
提供すること、ならびに高速液体クロマトグラフィーを
用いて、多数の試料を効率良く処理することが可能で、
試料中に存在するプロリン類の光学異性体を分離すると
同時に、分離したプロリン類を、他の夾雑アミノ酸に邪
魔されることなく特異的にかつ高感度に検出定量する方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ダクチ
ロスポランジウム属あるいはアミコラトプシス属に属す
る微生物由来でかつL−プロリンからトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンへの水酸化反応を触媒する酵素
源、二価鉄イオンおよび2−ケトグルタル酸の存在下、
培養物中もしくは水性媒体中でL−プロリンをトランス
−4−ヒドロキシ−L−プロリンに変換させ、生成した
トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを該培養物中
もしくは該水性媒体中より採取することを特徴とするト
ランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法および
L−プロリン4位水酸化酵素を提供することができる。
【0011】本発明で用いられる酵素源は、ダクチロス
ポランジウム(Dactylosporangium)属あるいはアミコ
ラトプシス(Amycolatopsis)属に属する微生物由来で
かつL−プロリンを水酸化してトランス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを生成する反応を触媒する活性を有し
ていれば、微生物、その培養物、菌体、菌体処理物、精
製酵素または粗酵素のいずれでもよい。微生物の好適な
例としては、ダクチロスポランジウム・エスピー(Dact
ylosporangium sp.)RH1、アミコラトプシス・エス
ピー(Amycolattopsis sp.)RH2あるいはこれらの菌
株の継代培養物、突然変異体もしくは誘導体等があげら
れる。
【0012】RH1株は東京都の樹木より、RH2株は
埼玉県の土壌より、本発明者が新たに分離した微生物で
ある。以下にRH1およびRH2の菌学的性質示す。 1.形態的性質 RH1およびRH2を各種培地上で28℃、14日間培
養したときの形態的性質を第1表にまとめた。
【0013】
【表1】
【0014】2.培養的性質 RH1株は、一般に使用されている合成および天然培地
で普通もしくは旺盛な生育を示し、基生菌糸は橙色系を
示す。培地により黄土色あるいは淡赤色系統の可溶性色
素が産生されることもある。RH2株は、一般に使用さ
れている合成および天然培地で普通もしくは旺盛な生育
を示し、基生菌糸は淡黄色あるいは褐色系を、気菌糸は
白色あるいは灰色系を示す。培地により褐色系統の可溶
性色素が産生されることもある。
【0015】RH1株およびRH2株を各種培地上で2
8℃、14日間培養したときの生育および色の特徴を第
2-(1)表および第2-(2)表にまとめた。なお、色の表示
はColor Harmony Manual (Container Corporation of A
merica) による色の分類に従った。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】3、生理学的性質 RH1株およびRH2株の生理学的性質を第3表にまと
めた。生育温度範囲は液体振盪培養7日後の、その他は
28℃、2〜3週間後の結果をまとめたものである。
【0019】
【表4】
【0020】4.化学分類学的性質 RH1株およびRH2株の化学分類学的性質を第4表に
まとめた。
【0021】
【表5】
【0022】以上、RH1株は、形態的には気菌糸を形
成しないこと、基生菌糸上に棒状の胞子嚢を形成するこ
と、胞子嚢には運動性を有する胞子が2〜4個含まれる
こと、化学分類的には細胞壁に含まれるジアミノピメリ
ン酸が3−ヒドロキシ−ジアミノピメリン酸であるこ
と、全菌体加水分解物中の還元糖としてアラビノースお
よびキシロースが含まれることから、放線菌の中でダク
チロスポランジウム(Dactylosporangium)属に分類さ
れる。
【0023】RH2株は、形態的には気菌糸を形成する
こと、気菌糸および基生菌糸が分断すること、化学分類
的には細胞壁のジアミノピメリン酸としてメソ・ジアミ
ノピメリン酸が、還元糖としてガラクトースおよび微量
のアラビノースが含まれること、全菌体加水分解物中の
還元糖としてアラビノースおよびガラクトースが含まれ
ること、菌体成分としてミコール酸が含まれないこと、
リン脂質としてホスファチジルエタノールアミンを含む
がホスファチジルコリンおよび未知のグルコサミン含有
リン脂質が含まれないこと、メナキノンの主要成分がM
K−9(H4)であることから、放線菌の中でアミコラ
トプシス(Amycolatopsis)属に分類される。
【0024】RH1株をダクチロスポランジウム・エス
ピー(Dactylosporangium sp.)RH1、RH2株をア
ミコラトプシス・エスピ−(Amycolatopsis sp.)RH
2と命名し、ブダペスト条約に基づいて、RH1株は平
成5年9月1日付けでFERM BP-4400として,RH2
株は平成6年2月22日付けでFERM BP-4581として
工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した。
【0025】これらの微生物を培養する培地は、微生物
が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、L
−プロリンを水酸化してトランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンを生成する反応を触媒する活性を有する微生
物の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成
培地のいずれでもよい。炭素源としては、それぞれの微
生物が資化し得るものであれば良く、グルコース、フラ
クトース、シュクロース、これらを含有する糖蜜、デン
プンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、
プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等
のアルコール類が用いられる。
【0026】窒素源としては、アンモニア、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム等の各種無機酸や有機酸のアンモニウム
塩、その他含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水
分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体
およびその消化物等が用いられる。
【0027】無機物としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。培養は、振盪培
養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培
養温度は15〜37℃がよく、培養時間は、通常16〜
96時間である。培養中pHは、5. 0〜9. 0に保持
する。pHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ
溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行
う。
【0028】菌体処理物としては、菌体の乾燥物、凍結
乾燥物、界面活性剤処理物、酵素処理物、超音波処理
物、機械的摩砕処理物、機械的圧力処理物、溶媒処理
物、菌体の蛋白分画、菌体および菌体処理物の固定化物
等があげられる。また、酵素源として該菌体より抽出し
て得られるL−プロリンからトランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンへの水酸化反応を触媒する活性を有する
酵素、それらの酵素の精製標品、固定化物等も用いられ
る。該活性を有する酵素源としては、下記(1)から
(10)の理化学的性質を示す新規なL−プロリン4位
水酸化酵素をあげることができる。 (1)作用および基質特異性 2−ケトグルタル酸および2価鉄イオンの存在下、遊離
のL−プロリンに作用して、トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンを生成する。 (2)至適pH 30℃、20分間の反応において、pH6. 0〜7. 0
に至適pHを有する。 (3)pH安定性 4℃、24時間の処理で、pH6. 5〜10. 0の範囲
で安定に保たれる。 (4)至適温度 pH6. 5、15分間の反応において、30〜40℃に
至適温度を有する。 (5)温度安定性 pH9. 0、50℃、30分間の処理で完全に失活す
る。 (6)阻害剤 Zn++およびCu++の金属イオンおよびエチレンジアミンテ
トラ酢酸により阻害を受ける。 (7)活性化 活性化には補酵素を必要としない。
【0029】反応液へのL−アスコルビン酸の添加は、
反応を促進する。 (8)Km値 80mMの2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
(MES)緩衝液(pH6. 5)中に4mM L−アス
コルビン酸、2mM 硫酸第一鉄および酵素標品を含有
する反応液中で測定したL−プロリンに対するKm値は
0. 27mMであり、2−ケトグルタル酸に対するKm
値は0. 55mMである。 (9)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動
法による測定で、32,000±5,000ダルトンで
あり、ゲル濾過法によって測定した分子量が43,80
0±5,000ダルトンである。 (10)N末端アミノ酸配列 配列番号1で表されるN末端アミノ酸配列を有する
【0030】
【化1】
【0031】これら酵素源の反応液中における酵素活性
量は用いる基質の量等により決定されるが、1.0〜1
0,000,000U/l 、好ましくは1000〜
2,000,000U/l である。反応に用いられる
Lープロリンの濃度は、1mM〜2Mである。
【0032】反応には二価鉄イオンが必要とされ、通常
1〜100mMが用いられる。二価鉄イオンとしては、
二価鉄を含み反応を阻害しないものであれば、どのよう
なものでも用いることができる。たとえば硫酸第一鉄な
どの硫化物、塩化第一鉄などの塩化物、炭酸第一鉄など
のほか、クエン酸塩、乳酸塩、フマル酸塩などのような
有機酸塩などをあげることができる。
【0033】また反応には、2−ケトグルタル酸が必要
とされるが、反応液に2−ケトグルタル酸を添加しても
よいし、あるいは用いる菌体および菌体処理物の有する
代謝活性によって2−ケトグルタル酸に転換し得る化合
物を用いてもよい。このような化合物としては、グルコ
ースのような糖質、グルタミン酸、コハク酸等があげら
れる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、あるい
は複数を併用してもよい。
【0034】水性媒体としては、水、リン酸塩、炭酸
塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、トリス等の緩衝
液、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エ
チル等のエステル類、アセトン等のケトン類、アセトア
ミド等のアミド類があげられる。反応は、L−プロリン
を水酸化してトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
を生成する反応を触媒する活性を有している前記微生物
の培養物中で行ってもよいし、該培養物から分離した菌
体、該菌体の処理物あるいは精製酵素や粗酵素を用いて
水性媒体中で行ってもよい。
【0035】反応は通常、温度15〜50℃、pH6.
0〜9. 0、で1〜96時間行う。必要に応じて、菌体
処理あるいは反応時に界面活性剤や有機溶剤を添加す
る。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・ステア
リルアミン(たとえば、ナイミーンS−215、日本油
脂社製など)、セチルトリメチルアンモニウム・ブロマ
イド、カチオンFB、カチオンF2−40Eなどのカチ
オン性界面活性剤、ナトリウムオレイルアミド硫酸、ニ
ューレックスTAB、ラビゾール80などのアニオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン・モノステ
アレート(たとえば、ノニオンST221)などの両性
界面活性剤、その他三級アミンPB、ヘキサデシルジメ
チルアミンなどがあげられ、反応を促進するものであれ
ばいずれでも使用できる。これらは通常0.1〜50m
g/ml、好ましくは1〜20mg/mlの濃度で用い
られる。
【0036】有機溶剤としては、トルエン、キシレン、
脂肪族アルコール、ベンゼン、酢酸エチルなどが用いら
れる。通常0.1〜50μl/ml、好ましくは1〜2
0μl/mlの濃度で用いられる。培養物中または水性
媒体中からトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを
回収する方法としては、イオン交換樹脂等を用いるカラ
ムクロマトグラフィーあるいは晶出法等、通常の分離方
法が用いられる。回収されたトランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンは13C−NMRスペクトル、1H−NM
Rスペクトル、マススペクトル、比施光度等の通常の分
析手段によってその構造を確認することができる。
【0037】本発明により製造されたトランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンを含め、プロリン類を含有する
試料を定量分析するには次のような方法(以下、ポスト
カラム誘導体化法という。)で行うことができる。プロ
リン類を含有する試料を高速液体クロマトグラフィーを
用いて分析するに際し、含有する各成分をカラムで分離
溶出後、溶出液を分取することなくそのまま高速液体ク
ロマトグラフィーの送液ライン中で、金属キレート剤を
含有させた緩衝液を混入させた後、7−クロロ−4−ニ
トロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール クロラ
イド(7-chloro- 4-nitrobenzo-2-oxa-1,3-diazole chl
oride 、NBDクロライド)溶液と反応させ、反応液中
に生成するNBD化プロリン類を、該NBD化物の蛍光
によって、特異的かつ高感度に検出する。
【0038】本発明においてプロリン類とは、D−プロ
リン、L−プロリン等のプロリン、トランス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリン、シス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリン、トランス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、シ
ス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−3−ヒ
ドロキシ−L−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−L−
プロリン、トランス−3−ヒドロキシ−D−プロリン、
シス−3−ヒドロキシ−D−プロリン等のヒドロキシプ
ロリンがあげられる。
【0039】試料とは、前記のプロリン類を単独または
2種以上組み合わせて含む試料であればどのようなもの
でもよく、血液、唾液、尿、組織液等生体由来の試料が
用いられる。高速液体クロマトグラフィーを用いて、多
数の試料を効率よく処理し、かつ試料中に存在するプロ
リン類の各種異性体を分離するには、光学活性アミノ酸
を配位子として担体に固定化しこれと分析対象アミノ酸
との錯体を銅イオンを介して形成させることにより、ア
ミノ酸類の光学異性体を分離するいわゆる配位子交換ク
ロマトグラフィー法が用いられる。この原理に基づいた
高速液体クロマトグラフィー用のカラムは市販されてお
り、たとえば三菱化成工業株式会社製 MCI GELCRS10W
(DLAA)、東ソー株式会社製 TSKgel Enantio L1、株式会
社住化分析センター製SUMCHIRAL OA5000等をあげること
ができるが、好適には株式会社住化分析センター製SUMC
HIRAL OA5000を用いることができる。分離条件は製品に
指定された使用条件に従えばよい。
【0040】NBD誘導体化によるプロリン類の検出は
以下の方法によって行われる。最初に、プロリン類を配
位子交換クロマトグラフィーを用いて分離溶出する。次
いで、送液ライン中で溶出液に緩衝液を加え、溶出液の
pHをアルカリ性にする。この際、溶出液に緩衝液を加
えると沈殿を生じ、送液ラインが目づまりを起こし、実
質的に測定不可能となる。この原因が溶出液中の銅イオ
ンの水酸化物が非溶解性の沈殿を形成するためとの見地
から鋭意検討を加えた結果、あらかじめ金属キレート剤
を溶解させておいた緩衝液を、送液ライン中で混合すれ
ば、ラインが目詰まりすることがないことを見出した。
金属キレート剤を溶解させておいた緩衝液を送液ライン
中で溶出液に混合後、更にNBDクロライド溶液を送液
ライン中で混入し、しかる後に該溶出液中のプロリン類
を送液ライン中でNBD化し、NBD化プロリン類の蛍
光を測定することによりプロリン類を検出する。
【0041】金属キレート剤としては、銅イオンを補足
するマスキング剤として用いられるものであればよく、
エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレングリコ
ールビス(β−アミノエチルエーテル)テトラ酢酸(EG
TA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ジヒドロキ
シエチルグリシン(2-HxG)、ニトリロトリ酢酸(NTA)
等のポリアミノカルボン酸類、2,2, −ビピリジル等
のビピリジル類、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニ
ル−1,10−フェナンスロリン等フェナンスロリン誘
導体類があげられるが、好ましくはポリアミノカルボン
酸類、特に好ましくはエチレンジアミンテトラ酢酸(E
DTA)があげられる。金属キレートの濃度は溶出液中
の硫酸銅濃度および溶出液に対する緩衝液の混入比率に
よって決定すればよいが、通常1〜100mM、好適に
は10〜50mMの濃度で用いられる。
【0042】緩衝液としてはNBDクロライドに対する
反応性が無い緩衝液であればどのようなものでもよく、
例えば、リン酸1カリウム/ホウ砂緩衝液、リン酸1カ
リウム/リン酸ナトリウム緩衝液、リン酸2ナトリウム
/水酸化ナトリウム緩衝液等のリン酸緩衝液、塩酸/ホ
ウ砂緩衝液、硼酸/炭酸ナトリウム緩衝液、硼酸/ホウ
砂緩衝液、硼酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ砂/水
酸化ナトリウム緩衝液、ホウ砂/炭酸ナトリウム緩衝液
等の硼酸緩衝液、重炭酸ナトリウム/水酸化ナトリウム
緩衝液等の炭酸緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)メ
チル−2−アミノエタンスルホン酸(TES) 緩衝液、トリ
ス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンス
ルホン酸(TAPS)緩衝液、3−N−シクロヘキシルアミノ
−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO) 緩衝液、
2−( シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)
緩衝液、2−( N−モルホリノ)エタンスルホン酸(ME
S)緩衝液等があげられるが、好ましくは硼酸緩衝液、特
に好ましくは硼酸/水酸化ナトリウム緩衝液を用いる。
緩衝液のpHは、送液ライン上で溶出液を混合後のpH
が8. 5〜10. 5、好適には9〜10となるように決
定すればよい。緩衝液の濃度は0. 1〜0. 6M、好適
には0. 2〜0. 4Mである。混入速度は、混入後の緩
衝液濃度が5〜200mM好適には10〜100mMに
なるように決定すればよい。
【0043】NBDクロライドを溶解する溶媒として
は、NBDクロライドを溶解できるものであれば何でも
よいが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール
等のアルコール類、アセトン等のケトン類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジメチルフォルムアミド等のアミ
ド類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルフォキ
サイド等があげられる。好適にはメタノールを用いる。
NBDクロライドの濃度は混入速度によって決定される
が、通常0. 1〜5. 0g/l、好適には0. 2〜1.
0g/lの濃度である。混入速度は混入後のNBDクロ
ライドの濃度が通常0. 02〜1. 0g/l、好適には
0. 05〜0. 5g/lになるようにすればよい。
【0044】NBDクロライドの混入後、送液ラインを
そのまま加温することによりNBD誘導体化反応を行
う。反応温度は30〜80℃、好適には40〜70℃が
用いられる。反応時間は0.5〜10分、好適には1〜
5分間である。反応後、反応液をそのまま紫外線検出器
あるいは蛍光検出器に導き紫外線吸収あるいは蛍光強度
を測定し検出を行う。用いる紫外線波長および蛍光波長
はそれぞれの誘導体に特異的なものであればよい。上記
の方法により、ピコモルレベル程度の極めて微量のプロ
リン類をそれぞれの光学異性体として分離検出可能であ
る。また、プロリン類以外の他のアミノ酸のNBD誘導
体化による検出感度はプロリン類の約1/50あるいは
それ以下と低く、侠雑アミノ酸による妨害を受けにくい
ため、このままでプロリン類特異的な分離測定が可能で
あるが、試料を事前にo−フタルアルデヒド処理し、試
料中の一級アミノ酸をo−フタルアルデヒド化すること
により、侠雑アミノ酸による妨害をほぼ完全に除去する
ことが可能である。
【0045】次に、本発明のL−プロリン4位水酸化酵
素の取得方法を示す。該酵素はL−プロリン4位水酸化
酵素を生産する能力を有する微生物を培養し、培養物中
にL−プロリン4位水酸化酵素を生成蓄積させ、該培養
物からL−プロリン4位水酸化酵素を採取することによ
り得られる。L−プロリン4位水酸化酵素を生産する能
力を有する微生物であれば、野生株でも、その継代培養
物、突然変異体、誘導体などいずれの微生物も用いるこ
とができる。好適な例としては、ダクチロスポランジウ
ム(Dactylosporangium)属に属し、かつL−プロリン
4位水酸化酵素を生産する微生物があげられる。具体的
には前述したダクチロスポランジウム・エスピー(Dact
ylosporangium sp.)RH1(FERM BP−440
0)、あるいはこれらの菌株の継代培養物、突然変異
体、誘導体などがあげられる。
【0046】このような微生物を培養する培地は、微生
物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、
L−プロリン4位水酸化酵素を生成する能力を有する微
生物の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合
成培地のいずれでも良い。炭素源としては、それぞれの
微生物が資化し得るものであれば良く、グルコース、フ
ラクトース、シュクロース、これらを含有する糖蜜、デ
ンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢
酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール類が用いられる。
【0047】窒素源としては、アンモニア、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム、等の各種無機酸や有機酸のアンモニウム
塩、その他含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水
分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体
およびその消化物等が用いられる。
【0048】無機物としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。培養は、振盪培
養または深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培
養温度は15〜37℃がよく、培養時間は、通常16〜
96時間である。
【0049】培養中pHは、5. 0〜9. 0に保持す
る。pHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶
液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行
う。培養の際、必要によりLープロリンを添加してもよ
い。このように培養して得た菌体中にL−プロリン4位
水酸化酵素が生成していることは、、培養物中もしくは
該菌体あるいは菌体処理物を含む酵素反応に適した水性
媒体中にL−プロリン、二価鉄イオン、2−ケトグルタ
ル酸とともに加え、また必要に応じて界面活性剤や有機
溶剤を添加することにより、L−プロリンをトランス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンに変換させることによっ
て知ることができる。
【0050】水性媒体としては、水、リン酸塩、炭酸
塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、トリス等の緩衝
液、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エ
チル等のエステル類、アセトン等のケトン類、アセトア
ミド等のアミド類等があげられる。反応は前述と同様に
行うことができる。
【0051】反応の結果生成したトランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンの回収および構造確認は前述と同様
の方法にしたがって行うことができる。この反応によっ
てトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生成が確
認されることにより、菌体中に生成が確認されるL−プ
ロリン4位水酸化酵素の活性は以下のような方法により
測定することができる。酵素活性は、下記測定条件下、
1分間に1nmolのトランス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンを生成する活性を1単位(U)として表示する。
【0052】4mM L−プロリン、8mM 2−ケト
グルタル酸、2mM 硫酸第一鉄および4mM L−ア
スコルビン酸を含有する80mMのMES緩衝液(pH
6.5)に酵素標品を添加して合計250μlとし、3
0℃、20分間反応する。反応液を100℃、2分間加
熱して反応を停止した後に、反応液中に生成したトラン
ス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを高速液体クロマト
グラフィーを用いて定量する。
【0053】定量にはトランス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンを定量できる方法であればどのような方法を用
いてもよいが、たとえば通常高速液体クロマトグラフィ
ーを用いたポストカラム誘導体化法あるいは反応液中の
目的化合物をあらかじめNBD誘導体化しておき、これ
を高速液体クロマトグラフィーを用いた逆相クロマトグ
ラフィーにかけてNBD誘導体化物を分離後、その蛍光
(励起波長 503nm、蛍光波長 541nm)を用
いて定量する方法(プレカラム誘導体化法)等があげら
れる。
【0054】なお、プレカラム誘導体化法による検出
は、ウィリアム ジェイ リンドブラッドおよびロバー
ト エフ ディーゲルマンらの方法〔William J. Lindb
lad and Robert F. Diegelmann, 、アナリティカル バ
イオケミストリー(AnalyticalBiochemistry ),13
8巻,390〜395ページ,1984年〕に従って行
う。しかしこの方法では、プロリン類を特異的に検出す
ることは可能であるが、それぞれの光学異性体を全て識
別することはできない。
【0055】酵素精製途中等の活性の測定においては、
種々の化合物を緩衝液等の形で使用するため、状況に応
じて上記2つの方法を用いることができる。培養液から
酵素を単離精製するには、通常の酵素の単離、精製法を
用いればよい。例えば、培養液を遠心分離して集菌し充
分洗浄した後に、超音波菌体破砕器、フレンチ・プレ
ス、マントン・ガウリン・ホモゲナイザー、ダイノミル
等により菌体を破砕し、無細胞抽出液を得る。遠沈分離
後の上清を、硫安等による塩析、ジエチルアミノエチル
(DEAE)−セファロース等の陰イオン交換クロマト
グラフィー、ブチルセファロース、フェニルセファロー
ス等の疎水性クロマトグラフィー、レッドアガロース等
の色素アフィニティークロマトグラフィー、分子篩を用
いたゲル濾過法、等電点電気泳動等の電気泳動法等を行
い精製酵素標品を得る。得られた酵素標品の理化学的特
徴は、通常の酵素学的手法により特定できる。
【0056】このようにして得られたL−プロリン4位
水酸化酵素は、下記(1)〜(10)の理化学的性質を
有する。 (1)作用および基質特異性 2−ケトグルタル酸および2価鉄イオンの存在下、遊離
のL−プロリンに作用して、トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンを生成する。 (2)至適pH 前記L−プロリン4位水酸化酵素の活性測定法におい
て、反応液成分中の緩衝液成分を、pH3. 5〜5. 5
は酢酸ナトリウム緩衝液、pH5. 5〜6. 5はMES
緩衝液、pH7. 0〜7. 5はTES緩衝液〔N−トリ
ス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスル
フォン酸〕、pH8. 0〜9. 0はTAPS緩衝液〔N
−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロ
パンスルフォン酸〕、pH9. 5〜11. 0はCAPS
O緩衝液(3−N−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロ
キシプロパン−スルフォン酸)に置換え反応を行った結
果、至適pHは、pH6. 0〜7. 0であった。 (3)pH安定性 本酵素を、50mM緩衝液〔pH3. 5〜5. 5は酢酸
ナトリウム緩衝液、pH5. 5〜6. 5はMES緩衝
液、pH7. 0〜7. 5はTES緩衝液、pH8. 0〜
9. 0はTAPS緩衝液、pH9. 5〜11. 0はCA
PSO緩衝液〕、2mMジチオスレイトール(DTT)
および20%(v/v)グリセロール存在下、4℃、2
4時間保持する。保持後活性を測定する。pH6. 5〜
10. 0の範囲で保持した酵素は保持前の活性の90%
以上の活性を有しており、pH6.5〜10. 0の範囲
で活性は安定に保たれる。 (4)至適温度 前記L−プロリン4位水酸化酵素活性測定法において、
種々温度を変えて活性を測定した結果、pH6. 5、1
5分間の反応において、30〜40℃に至適温度を有す
る。 (5)温度安定性 本酵素をpH9. 0、50℃、30分間処理することに
より、完全に失活する。 (6)阻害剤 本酵素活性は、Zn++およびCu++の金属イオンおよびED
TAによって阻害される。前記L−プロリン4位水酸化
酵素活性測定法において、Cu++およびZn++イオンを各々
1mMの濃度で加え活性を測定すると、活性は各々無添
加時の13%および6%に低下した。また同様にEDT
Aを5mM添加して活性を測定すると、活性は検出でき
なかった。 (7)活性化 本酵素について各種金属イオンおよび補酵素類による活
性化は観察されず、本酵素の活性化には補酵素を必要と
しない。反応液へのアスコルビン酸の添加は、反応を促
進する。 (8)Km値 80mMのMES緩衝液、pH6. 5、4mM L−ア
スコルビン酸、2mM硫酸第一鉄および酵素標品を含有
する反応液中で測定したL−プロリンに対するKm値は
0. 27mM、2−ケトグルタル酸に対するKm値は
0. 55mMであった。 (9)分子量 分子量はドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド
電気泳動法(ATTO社製ポリアクリルアミドゲルPAGEL NP
U-12.5L およびバイオラッド社製分子量スタンダードSD
S-PAGE Molecular Weight Standard, Broad Range を使
用)による測定で、32,000±5,000ダルトン
と計算された。また高速液体クロマトグラフィーを用い
たゲル濾過法(カラム G−3000SW、21. 5m
m x60cm、オリエンタルイースト社製HPLC用
分子量マーカーをスタンダードとして使用)による測定
で、43,800±5,000ダルトンと算出された。 (10)N末端アミノ酸配列 島津製作所社製Protein sequencer model PPSQ-10 を用
いて分析した結果、本酵素蛋白のN末端アミノ酸配列は
以下の様に決定された。
【0057】
【化2】
【0058】以下に本発明の実施例を示す。
【0059】
【実施例】
【0060】実施例1 トランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンの生成 SR3培地〔グルコース1.0%、可溶性澱粉1.0
%、酵母エキス0.5%、トリプトン0.5%、肉エキ
ス0.3%およびリン酸マグネシウム0.05%を含
み、6N NaOHでpH7.2に調整した培地〕を試験
管(径25mm x200mm)に10mlずつ分注
し、120℃、20分間殺菌した。この培地に、HT寒
天平板培地〔可溶性澱粉1%、NZアミン0.2%、酵
母エキス0.1%、肉エキス0.1%および寒天1.5
%を含み、6N NaOHでpH7.2に調整後、120
℃、20分間殺菌処理した培地〕に生育したダクチロス
ポランジウム・エスピー(Dactylosporangium sp.)R
H1を一白金耳植菌し、28℃、2日間振盪培養し、種
培養液として用いた。
【0061】一方、Df1培地〔可溶性澱粉5%、ソイ
ビーンミール1.5%、リン酸1カリウム0.05%、
硫酸マグネシウム7水塩0.05%および炭酸カルシウ
ム0.5%を含み、6N NaOHでpH7.0に調整し
た培地〕を試験管(径25mmx 200mm)に10
mlずつ分注し、120℃、20分間殺菌した。この培
地に、種培養液1mlを無菌的に接種し、28℃、2日
間振盪培養した。得られた培養液を7,000 x g、
10分間、4℃で遠心分離した。得られた菌体を80m
M TES緩衝液(pH7.5)で洗浄後、遠心分離し
た。得られた湿菌体150mgを、1.5mlの反応液
〔4mM L−プロリン、8mM α−ケトグルタル
酸、4mM L−アスコルビン酸および2mM 硫酸第
一鉄を含有する80mM TES緩衝液(pH7.5)
にナイミーン溶液(ナイミーンS−215(日本油脂株
式会社製)4gをキシレン10mlに溶解)を1.4%
(v/v)添加した液〕に懸濁し、30℃、2時間反応
を行った。
【0062】反応後、菌体反応液より菌体を遠心分離に
より除去した上清中に生成したヒドロキシプロリンにつ
いて分析を行った。分析は、高速液体クロマトグラフィ
ーで、以下の条件で分析した。検出は、目的化合物をカ
ラム溶出後、送液ライン上でNBD誘導体化し、NBD
誘導体化物の蛍光を測定することにより行った。
【0063】高速液体クロマトグラフィー分析条件 [1]装置:島津製作所製高速液体クロマトグラフィー クロマトパック CR6A システムコントローラー SCL-6B オートインジェクター SIL-6B 送液ポンプ LC-6A カラムオーブン CTO-6A 化学反応槽 CRB-6A 蛍光検出器 RF-550A [2]使用カラム:株式会社住化分析センター製 SUMC
HIRAL OA5000(径4.5mm x 250mm) [3]分析条件: 1)移動相 :1mM 硫酸銅水溶液 2)同上流速 :1.0ml/分 3)カラム温度 :38℃ 4)緩衝液 :0.3M ホウ酸緩衝
液、pH9.6 25mM エチレンジアミンテトラ酢酸 5)同上流速 :0.2ml/分 6)NBDクロライド溶液 :0.5g/l メタノー
ル溶液 7)同上流速 :0.5ml/分 8)反応温度 :60℃ 9)反応時間 :約3分 10)検出波長 :励起波長 503nm 蛍光波長 541nm 11)試料 :10μl その結果、反応液中に249μM(32.6mg/l)
のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが生成して
いることが確認された。
【0064】実施例2 トランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンの精製 実施例1における種培養を、SR3培地200mlを分
注した2l三角フラスコを用いて実施した。あらかじめ
5lジャーファーメンターに分注後、120℃、20分
間殺菌した2lのDf1培地に、この種培養を無菌的に
接種し、700rpm、1vvmの条件で28℃、2日
間培養した。培養中のpHは調整しなかった。得られた
培養液を7,000 x g、10分間、4℃で遠心分離
し、湿菌体を培養液1リットル当たり75g得た。湿菌
体は4℃で生理食塩水で洗浄し、遠心後使用時まで−8
0℃で凍結保存した。本湿菌体400gを2lの実施例
1に記載された反応液に懸濁し、3lビーカー中、攪拌
しつつ、30℃、4時間、反応を行った。
【0065】反応後、菌体反応液より菌体を遠心分離除
去した上清中に生成したヒドロキシプロリンについて分
析を行った。その結果、反応液中に480μM(63.
0mg/l)のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンが生成していることが確認された。反応液上清を、p
H4.5に調整した後に、イオン交換樹脂ダイヤイオン
SK1B(NH4 +型、三菱化成社製)200mlを充填
したカラムに通塔した。トランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンを含む画分を減圧下濃縮後、イオン交換樹脂
ダイヤイオンPA412(OH-型、三菱化成社製)20mlを
充填したカラムに通塔した。トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンを含む画分を減圧濃縮後、pHを9.6
とした後に、10%容量のo−フタルアルデヒド溶液
(0.075g/mlエタノール溶液)および2%容量
のβ−メルカプトエタノール溶液(10%v/v水溶
液)を加え、60℃、5分間保持し、侠雑一級アミノ酸
o−フタルアルデヒド化した。この混合液をセパビー
ズSP207(三菱化成社製)10mlを充填したカラ
ムに通塔し、o−フタルアルデヒド化した侠雑一級アミ
ノ酸とトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンとを分
離した。トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを含
む画分を減圧濃縮後、再度イオン交換樹脂ダイヤイオン
PA412(OH-型、三菱化成社製)20mlを充填したカラ
ムに通塔し、トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
を含む画分を得た。本画分を濃縮乾燥し、トランス−4
−ヒドロキシ−L−プロリンの白色結晶78mgを得た
(収率62%)。本白色結晶を分析した結果、13C−N
MRスペクトル、1H−NMRスペクトル、マススペク
トル、比旋光度等が、トランス−4−ヒドロキシ−L−
プロリン標準品(ナカライテスク株式会社)と一致し
た。
【0066】実施例3 トランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンの生成 SR3培地を試験管(径25mm x 200mm)に
10mlずつ分注し、120℃、20分間殺菌した。こ
の培地に、HT寒天平板培地に生育したアミコラトプシ
ス・エスピ−(Amycolatopsis sp.)RH2を一白金耳
植菌し、28℃、2日間振盪培養し、種培養液として用
いた。
【0067】一方、Df1培地を試験管(径25mm
x 200mm)に10mlずつ分注し、120℃、2
0分間殺菌した。この培地に、種培養液1mlを無菌的
に接種し、28℃、2日間振盪培養した。得られた培養
液を7,000 x g、10分間、4℃で遠心分離し
た。得られた菌体を100mM TES緩衝液(pH
7.5)で洗浄後、遠心分離した。得られた湿菌体10
0mgを、1mlの反応液[5mM L−プロリン、5
mM α−ケト−グルタル酸、5mM L−アスコルビ
ン酸および1mM 硫酸第一鉄、を含有する100mM
TES緩衝液(pH7.5)にナイミーン溶液(ナイ
ミーンS−215(日本油脂株式会社製)4gをキシレ
ン10mlに溶解)を1.4%(v/v)添加]に懸濁
し、30℃、3時間反応を行った。
【0068】反応後、菌体反応液より菌体を遠心分離に
より除去した上清中に生成したヒドロキシプロリンにつ
いて分析を行った。分析および検出は実施例1に準じて
実施した。その結果、反応液中に25μM(3.3mg
/l)のトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが生
成していることが確認された。
【0069】実施例4 トランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンの精製 実施例3における種培養を、SR3培地200mlを分
注した2l三角フラスコを用いて実施した。あらかじめ
5lジャーファーメンターに分注後、120℃、20分
間殺菌した2lのDf1培地に、この種培養を無菌的に
接種し、700rpm、1vvmの条件で28℃、2日
間培養した。培養中のpHは調整しなかった。得られた
培養液を7,000 x g、10分間、4℃で遠心分離
し、湿菌体を培養液1リットル当たり75グラム得た。
本湿菌体400gを2lの実施例3に記載された反応液
に懸濁し、3lビーカー中、攪拌しつつ、30℃、4時
間、反応を行った。
【0070】反応液上清を、pH4.5に調整した後
に、イオン交換樹脂ダイヤイオンSK1B(NH4 +型、
三菱化成社製)200mlを充填したカラムに通塔し
た。トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを含む画
分を減圧濃縮後、イオン交換樹脂ダイヤイオンPA412(O
H- 型、三菱化成社製)20mlを充填したカラムに通
塔した。トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを含
む画分を減圧濃縮後、pH9.6とした後に、10%容
量のo−フタルアルデヒド溶液(0.075g/mlエ
タノール溶液)および2%容量のβ−メルカプトエタノ
ール溶液(10%v/v水溶液)を加え、60℃、5分
間保持し、侠雑一級アミノ酸をo−フタルアルデヒド化
した。この混合液をセパビーズSP207(三菱化成社
製)10mlを充填したカラムに通塔し、o−フタルア
ルデヒド化した侠雑一級アミノ酸とトランス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンを分離した。トランス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンを含む画分を減圧濃縮後、再度イ
オン交換樹脂ダイヤイオンPA412(OH-型、三菱化成社
製)20mlを充填したカラムに通塔し、トランス−4
−ヒドロキシ−L−プロリンを含む画分を得た。本画分
を濃縮乾燥し、トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンの白色結晶4.8mgを得た(収率62%)。
【0071】本白色結晶を分析した結果、13C−NMR
スペクトル、1H−NMRスペクトル、マススペクト
ル、比旋光度、などが、トランス−4−ヒドロキシ−L
−プロリン標準品(ナカライテスク株式会社)と一致し
た。
【0072】実施例5 L−プロリン4位水酸化酵素の
単離および精製 (1) 無細胞抽出液の調製 実施例2で得た凍結菌体600gを融解後、3lの緩衝
液A〔2mM DTT、0. 2mM EDTAおよび2
0%(v/v)グリセロールを含む50mMTAPS緩
衝液(pH9. 0)〕に氷冷下で懸濁した。懸濁液をダ
イノミル(DYNO-MILL, WILLY A BACHOFEN MASCHINENFAB
RIK, BASEL, スイス)で処理し、菌体を破砕した。この
処理液を、4℃、6,500 x g、30分間遠心分離
し、上清を取得した。これ以降の操作は全て氷冷下ない
しは4℃で行った。 (2)カラムクロマトグラフィーによる単離および精製 (2)−1 ストリームライン 前記工程で得た上清を、緩衝液Aで平衡化しておいたD
EAE吸着体300mlを充填したファルマシア社製ス
トリームライン(STREAMLINETM)に通塔し、L−プロリ
ン4位水酸化酵素を含む画分を0. 3Mの食塩を含む緩
衝液Aで溶出した。
【0073】(2)−2 DEAEセファロースカラムク
ロマトグラフィー 前記工程で得た活性画分を緩衝液Aで3倍に希釈後、予
め緩衝液Aで平衡化しておいたDEAEセファロースカ
ラム(5cm x 15cm)に通塔した。カラムを緩
衝液Aで洗浄後、該酵素を含む画分を緩衝液A中に作成
した0から0.3Mまでの食塩の直線濃度勾配を用いて
溶出した。
【0074】(2)−3 ブチルセファロースカラムクロ
マトグラフィー 前記工程で得た活性画分に3M濃度になるように食塩を
添加溶解し、予め3M食塩を含む緩衝液Aで平衡化して
おいたブチルセファロースカラム(Butyl Sepharose 4
Fast Flow 、2. 6cm x 13cm)にかけた。酵
素を3M 食塩を含む緩衝液A、1. 98M 食塩を含
む緩衝液A、0. 99M 食塩を含む緩衝液Aおよび緩
衝液Aのみ、の食塩濃度が異なる4種類の緩衝液で、食
塩濃度の高いほうから低いほうへ段階的に溶出した。
【0075】(2)−4 フェニルセファロースカラムク
ロマトグラフィー 前記工程で得た活性画分に3M濃度になるように食塩を
添加溶解し、予め3M食塩を含む緩衝液Aで平衡化して
おいたフェニルセファロースカラム(Phenyl Sepharose
HP HiLoad 16/10, 1.6cm x 10cm) に通塔した。3M
食塩を含む緩衝液Aで洗浄後、該酵素を含む画分を緩衝
液Aで溶出した。
【0076】(2)−5 色素アフィニティーカラムクロ
マトグラフィー 前記工程で得た活性画分をファルマシア社製PD−10
カラムを用いて脱塩後、予め緩衝液Aで平衡化しておい
たリアクティブレッド120カラム(シグマ社製Reacti
ve red 120, 1cm x 12. 7 cm)に通塔した。緩衝液Aで
洗浄後、該酵素を含む画分を緩衝液A中に作成した0か
ら1. 5Mまでの食塩の直線濃度勾配を用いて溶出し
た。
【0077】(2)−6 リソースQカラムクロマトグラ
フィー 前記工程で得た活性画分を緩衝液B〔2mM DTT、
0. 1%(v/v)Tween 20および20%(v/v)
グリセロールを含む50mM TAPS緩衝液(pH
8. 0)〕で平衡化したファルマシア社製PD−10カ
ラムを用いて脱塩後、予め緩衝液Bで平衡化しておいた
リソースQカラム(ファルマシア社製 RESOURCETM Q,
1ml )に通塔した。緩衝液B中に作成した0から0. 2
Mまでの食塩の直線濃度勾配を用いて溶出した。
【0078】L−プロリン4位水酸化酵素の単離および
精製の概要を第5表にまとめた。
【0079】
【表6】
【0080】実施例6 L−プロリン4位水酸化酵素の
性質 (1)電気泳動による分析 実施例5で得られた精製標品を、ドデシル硫酸ナトリウ
ム−ポリアクリルアミド電気泳動法(ATTO社製ポリアク
リルアミドゲルPAGEL NPU-12.5L およびバイオラッド社
製分子量スタンダードSDS-PAGE Molecular Weight Stan
dard, Broad Range を使用)によって分析した。その結
果本酵素は分子量約32,000±5,000ダルトン
のほぼ均一なサブユニットからなることが明らかとなっ
た。 (2)酵素反応に関する性質 以下の反応液を用いて、反応成分の基質省略テスト(オ
ミッションテスト)および添加物テストを行うことによ
り、L−プロリン4位水酸化酵素反応の必須化合物、促
進化合物、阻害化合物の検討を行った。
【0081】基本となる反応液組成は、4mM L−プ
ロリン、8mM 2−ケトグルタル酸、2mM 硫酸第
一鉄、4mM L−アスコルビン酸、カタラーゼ 2m
g/mlおよび酵素標品を含有する80mM TES緩
衝液(pH7. 5)で、液量は計500μlとした。反
応は酵素の添加によって開始し、30℃、15分間行っ
た。反応液を100℃、2分間加熱することにより、反
応を停止した。反応液中に生成したトランス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリン量をプレカラム誘導体化法によっ
て定量した。反応液100μlに、0. 3M ホウ酸緩
衝液(pH10. 7)100μl、10%(v/v)メ
ルカプトエタノール水溶液4μlおよび5%(w/v)
o−フタルアルデヒドのエタノール溶液16μlを添加
し60℃、30秒放置した。更に2%(w/v)NBD
クロライドのエタノール溶液50μlを加え、60℃、
40分間反応した。1N 塩酸30μlを加えて反応を
停止後、沈殿を遠心およびフィルター濾過により除去し
た後、高速液体クロマトグラフィーにより分析を行い、
生成したトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを定
量した。
【0082】高速液体クロマトグラフィーは、以下の条
件にて行った。 移動相:10mM クエン酸(pH4. 0)/メタノー
ル=3/1(v/v) 流速:1ml/分 カラム:YMC Pack ODS AQ-312 (YMC社製、6x15
0mm) カラム温度:50℃ 検出:蛍光検出、励起波長503nm、蛍光波長541
nm その結果、L−プロリン4位水酸化酵素反応には、L−
プロリン、2−ケトグルタル酸、Fe++イオンが必須であ
り、L−アスコルビン酸は反応を促進、またZn ++, Cu++
イオンおよびEDTAの添加は反応を阻害した。
【0083】結果を第6表に示す。
【0084】
【表7】
【0085】(3)至適pH L−プロリン4位水酸化酵素の活性測定法において、反
応液成分中の緩衝液成分を、pH3. 5〜5. 5は酢酸
ナトリウム緩衝液、pH5. 5〜6. 5はMES緩衝
液、pH7. 0〜7. 5はTES緩衝液、pH8. 0〜
9. 0はTAPS緩衝液、pH9. 5〜11. 0はCA
PSO緩衝液に置換え反応を行った結果、pH6. 0〜
7. 0で最高活性の90%以上の活性を示した。結果を
第7表に示す。
【0086】
【表8】
【0087】(4)pH安定性 本酵素を、50mM緩衝液〔pH3. 5〜5. 5は酢酸
ナトリウム緩衝液、pH5. 5〜6. 5はMES緩衝
液、pH7. 0〜7. 5はTES緩衝液、pH8. 0〜
9. 0はTAPS緩衝液、pH9. 5〜11. 0はCA
PSO緩衝液〕、2mM DTTおよび20%(v/
v)グリセロール存在下、4℃、24時間保持した後活
性を測定した。pH6. 5〜10. 0の範囲で保持した
酵素は保持前の活性の90%以上の活性を有しており、
pH6. 5〜10. 0の範囲で活性は安定に保たれた。 (5)至適温度 L−プロリン4位水酸化酵素の活性測定法において、1
5〜50℃の温度範囲で15分間反応を行った結果、3
0〜40℃で最高活性の90%以上の活性を示した。結
果を第8表に示す。
【0088】
【表9】
【0089】(6)温度安定性 本酵素を、2mM DTT、0.1%(v/v)Tween2
0 および20%(v/v)グリセロールを含有する50
mM TAPS緩衝液(pH9.0)中で0〜60℃の
温度範囲で30分間保持した後、活性測定を行った結
果、本酵素は50℃、30分間の処理で完全に失活し
た。 (7)N末端アミノ酸配列 島津製作所社製Protein sequencer model PPSQ-10 を用
いて本酵素蛋白のN末端アミノ酸配列を分析した結果、
以下の結果を得た。
【0090】
【化3】
【0091】実施例7 L−プロリンの水酸化 実施例5で取得した精製酵素標品を用いて、L−プロリ
ンの水酸化を行った。20mM L−プロリン、20m
M 2−ケトグルタル酸、5mM L−アスコルビン酸、
2mM 硫酸第一鉄および90Uの精製酵素標品を含有
する200mMMES緩衝液(pH6.5) 50μl
を用いて35℃、30分間反応を行った。その結果、反
応液中には12.9mM(1.7g/l)のトランス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンが生成した。
【0092】実施例8 プロリン類の分離検出 図1に示した高速液体クロマトグラフィー〔クロマトパ
ック:CR6A、システムコントローラー:SCL-6B、オート
インジェクター:SIL-6B、送液ポンプ:LC-6A、カラム
オーブン:CTO-6A、化学反応漕:CRB-6A、蛍光検出器:
RF-550A (以上、島津製作所製)使用カラム:SUMCHIRA
L OA5000(径4.5mmX250mm;株式会社住化分
析センター製)〕の試料注入口からL−プロリン、トラ
ンス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、シスー4−ヒド
ロキシ−D−プロリン、シスー4−ヒドロキシ−L−プ
ロリン、D−プロリンを各々0. 01g/l含有する標
準水溶液10μlを注入した。以下の条件〔移動相:1
mM 硫酸銅水溶液、移動相流速:1. 0ml/分、カ
ラム温度:38℃〕でカラムからプロリン類を分離した
後、25mMEDTA含有0.3M硼酸緩衝液(pH9.
6)を流速0.2mlで混入し、さらにNBDクロライ
ドのエタノール溶液(0.5g/l)を流速0.5ml
/分で混入させ、60℃で3分間加温した。送液中50
3nmの励起光を照射して541nmにおける蛍光を測
定してプロリン類のNBD誘導体の検出を行った。
【0093】上記条件に於て標記標準液を分析した結
果、標準試料中に含有されるプロリン、ヒドロキシプロ
リンの全ての光学異性体を別々のピークとして明瞭に分
離検出することが可能であった。結果を第9表および図
2に示す。
【0094】
【表10】
【0095】実施例9 プロリン類の分離検出 トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの0.000
1g/l(10μl中に7.6pmol含有)から0.1g
/l(同7.6nmol含有)までの段階的に一定濃度の水
溶液を作成し、実施例8の方法に従ってトランス−4−
ヒドロキシ−L−プロリンを分離測定した。結果を図3
および図4に示す。
【0096】図3および図4によれば、トランス−4−
ヒドロキシ−L−プロリンは0.0001g/lまで検
出可能であり、0.0001g/lから0.1g/lの
間で定量性が確認された。この結果は参考例1で得られ
たNBDを用いない自動分析法で得られたトランス−4
−ヒドロキシ−L−プロリンの検出感度の10倍の値で
あった。
【0097】実施例10 プロリン類の分離検出 第10表に示した22種類のアミノ酸について各々0.
01g/lの濃度の水溶液を作成し、実施例8の方法に
従いNBD化法によって分析を行った。結果を第10表
に示す。
【0098】
【表11】
【0099】第10表によれば、トランス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンの検出感度を100としたときに、
プロリン以外の他の20種のアミノ酸の検出感度はいず
れも2以下であった。即ち、トランス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンの他のアミノ酸に対する比検出感度が他
のアミノ酸よりも50倍高いことがしめされたが、これ
は参考例2で得られたNBDを用いない自動分析法で得
た比検出感度よりも著しく高い値であった。
【0100】参考例1 図5に示した高速液体クロマトグラフィー〔クロマトパ
ック:CR6A、システムコントローラー:SCL-6B、オート
インジェクター:SIL-6B、送液ポンプ:LC-6A、カラム
オーブン:CTO-6A、UV-VIS 検出器: SPD-6AV(以上、
島津製作所製)使用カラム:SUMCHIRAL OA5000(径4.
5mmX250mm;株式会社住化分析センター製)〕
の試料注入口から実施例9で用いた試料10μlを注入
し、以下の条件〔移動相:1mM 硫酸銅水溶液、移動
相流速:1. 2ml/分、カラム温度:35℃〕でカラ
ムからプロリン類を分離した後、254nmの紫外線吸
収を用いてプロリン類の検出を行った。
【0101】その結果検出限界は0.001g/dlで
あった。
【0102】参考例2 実施例9で用いた試料を参考例1の方法で測定した。結
果を第10表に示した。第10表によれば、トランス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンの検出感度を100とし
た場合に、プロリン以外の他の20種のアミノ酸の検出
感度は45〜170であった。即ち、トランス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンの他のアミノ酸に対する比検出
感度は0.45〜1.7倍であった。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、発酵法によって糖源か
ら工業的に生産されているL−プロリンを直接微生物的
あるいは酵素的に水酸化することにより、工業的に有利
にトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを製造する
方法、該製造法に有用なL−プロリン4位水酸化酵素、
および検出感度が高く、プロリン類の特異的検出定量が
可能な自動分析法を提供することができる。
【0104】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トロポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ダクチロスポランジウム・エスピー(Dactylos
porangium sp.) 株名:RH1(FERM BP−4400) 配列: Met Leu Thr Pro Thr Glu Leu Lys Gln Tyr Arg Glu Ala Gly Tyr Leu Leu 1 5 10 15 Ile Glu Asp Gly Leu Gly Pro Arg Arg Val 20 25
【図面の簡単な説明】
【図1】 NBDを用いた高速液体クロマトグラフィー
システム構成
【図2】 NBDを用いたプロリン類の高速液体クロマ
ートグラフィー
【符号の説明】
(1)トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン (2)シス−4−ヒドロキシ−D−プロリン (3)L−プロリン (4)シス−4−ヒドロキシ−L−プロリン (5)D−プロリン
【図3】 NBDを用いたプロリン類の自動分析法で得
られた7.6ピコモルから305ピコモルでの検量線。
【図4】 NBDを用いたプロリン類の自動分析法で得
られた153ピコモルから7600ピコモルでの検量
線。
【図5】 NBDを用いない高速液体クロマトグラフィ
ーシステム構成。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【化1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】
【化2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】
【化3】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トロポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ダクチロスポランジウム・エスピー(Dactylos
porangium sp.) 株名:RH1(FERM BP−4400) 配列: Met Leu Thr Pro Thr Glu Leu Lys Gln Tyr Arg Glu Ala Gly Tyr Leu Leu 1 5 10 15 Ile Glu Asp Gly Leu Gly Pro Arg Glu Val 20 25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12N 9/02 C12R 1:01) (31)優先権主張番号 特願平6−60377 (32)優先日 平6(1994)3月30日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−プロリンからトランス−4−ヒドロ
    キシ−L−プロリンへの水酸化反応を触媒する酵素源、
    二価鉄イオンおよび2−ケトグルタル酸の存在下、培養
    物中もしくは水性媒体中でL−プロリンをトランス−4
    −ヒドロキシ−L−プロリンに変換させ、生成したトラ
    ンス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを該培養物中もし
    くは該水性媒体中より採取することを特徴とするトラン
    ス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造法。
  2. 【請求項2】 酵素源が、微生物、その培養物、菌体、
    菌体処理物、精製酵素または粗酵素である請求項1に記
    載の製造法。
  3. 【請求項3】 該微生物が、ダクチロスポランジウム
    Dactylosporangium)属あるいはアミコラトプシス(A
    mycolatopsis)属に属する微生物である請求項2記載の
    製造法。
  4. 【請求項4】 酵素源が、下記の理化学的性質を示すL
    −プロリン4位水酸化酵素である請求項1記載の製造
    法。 (1)作用および基質特異性 2−ケトグルタル酸および2価鉄イオンの存在下、遊離
    のL−プロリンに作用して、トランス−4−ヒドロキシ
    −L−プロリンを生成する。 (2)至適pH 30℃、20分間の反応において、pH6.0〜7.0
    に至適pHを有する。 (3)pH安定性 4℃、24時間の処理で、pH6. 5〜10. 0の範囲
    で安定に保たれる。 (4)至適温度 pH6. 5、15分間の反応において、30〜40℃に
    至適温度を有する。 (5)温度安定性 pH9. 0、50℃、30分間の処理で完全に失活す
    る。 (6)阻害剤 Zn++およびCu++の金属イオンおよびエチレンジアミンテ
    トラ酢酸により阻害を受ける。 (7)活性化 活性化には補酵素を必要としない。反応液へのL−アス
    コルビン酸の添加は、反応を促進する。 (8)Km値 80mMの2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
    (MES)緩衝液(pH6. 5)中に4mM L−アス
    コルビン酸、2mM 硫酸第一鉄および酵素標品を含有
    する反応液中で測定したL−プロリンに対するKm値は
    0. 27mMであり、2−ケトグルタル酸に対するKm
    値は0. 55mMである。 (9)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動
    法による測定で、32,000±5,000ダルトンで
    あり、ゲル濾過法によって測定した分子量が43,80
    0±5,000ダルトンである。 (10)N末端アミノ酸配列 配列番号1で表されるN末端アミノ酸配列を有する
  5. 【請求項5】 下記の理化学的性質を示すL−プロリン
    4位水酸化酵素。 (1)作用および基質特異性 2−ケトグルタル酸および2価鉄イオンの存在下、遊離
    のL−プロリンに作用して、トランス−4−ヒドロキシ
    −L−プロリンを生成する。 (2)至適pH 30℃、20分間の反応において、pH6. 0〜7. 0
    に至適pHを有する。 (3)pH安定性 4℃、24時間の処理で、pH6. 5〜10. 0の範囲
    で安定に保たれる。 (4)至適温度 pH6. 5、15分間の反応において、30〜40℃に
    至適温度を有する。 (5)温度安定性 pH9. 0、50℃、30分間の処理で完全に失活す
    る。 (6)阻害剤 Zn++およびCu++の金属イオンおよびエチレンジアミンテ
    トラ酢酸により阻害を受ける。 (7)活性化 活性化には補酵素を必要としない。反応液へのL−アス
    コルビン酸の添加は、反応を促進する。 (8)Km値 80mMの2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
    (MES)緩衝液(pH6. 5)中に4mM L−アス
    コルビン酸、2mM 硫酸第一鉄および酵素標品を含有
    する反応液中で測定したL−プロリンに対するKm値は
    0. 27mMであり、2−ケトグルタル酸に対するKm
    値は0. 55mMである。 (9)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動
    法による測定で、32,000±5,000ダルトンで
    あり、ゲル濾過法によって測定した分子量が43,80
    0±5,000ダルトンである。 (10)N末端アミノ酸配列 配列番号1で表されるN末端アミノ酸配列を有する
  6. 【請求項6】 ダクチロスポランジウム属に属し、かつ
    L−プロリン4位水酸化酵素を生産する能力を有する微
    生物を培養し、培養物中にL−プロリン4位水酸化酵素
    を生成蓄積させ、該培養物からL−プロリン4位水酸化
    酵素を採取することを特徴とするL−プロリン4位水酸
    化酵素の製造法。
  7. 【請求項7】 プロリン類を含有する試料を高速液体ク
    ロマトグラフィーを用いて分析する方法において、試料
    をカラムで処理後、送液ライン中で溶出液に金属キレー
    ト剤を含有させた緩衝液を混入させた後、溶出液中のプ
    ロリン類と7−クロロ−4−ニトロベンゾ−2−オキサ
    −1,3−ジアゾール(NBD)クロライドとを反応さ
    せ、生成したNBD化プロリン類を検出定量することを
    特徴とするプロリン類の検出定量方法。
  8. 【請求項8】 溶出液に金属キレート剤を含有した緩衝
    液を混入させ、該溶出液のpHを8.5〜10.5にし
    た後、該溶出液にNBDクロライド溶液を混入し、該溶
    出液を40〜80℃に維持することを特徴とする請求項
    8記載の方法。
  9. 【請求項9】 緩衝液が硼酸緩衝液であることを特徴と
    する請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 金属キレート剤が、エチレンジアミン
    テトラ酢酸であることを特徴とする請求項8記載の方
    法。
JP06156237A 1993-09-07 1994-07-07 トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 Expired - Lifetime JP3122705B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06156237A JP3122705B2 (ja) 1993-09-07 1994-07-07 トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22194093 1993-09-07
JP33256193 1993-12-27
JP85194 1994-01-10
JP6037794 1994-03-30
JP6-60377 1994-03-30
JP5-221940 1994-03-30
JP5-332561 1994-03-30
JP6-851 1994-03-30
JP06156237A JP3122705B2 (ja) 1993-09-07 1994-07-07 トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000257220A Division JP3347710B2 (ja) 1993-09-07 2000-08-28 プロリン類の定量方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07313179A true JPH07313179A (ja) 1995-12-05
JP3122705B2 JP3122705B2 (ja) 2001-01-09

Family

ID=27518005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06156237A Expired - Lifetime JP3122705B2 (ja) 1993-09-07 1994-07-07 トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3122705B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000051561A1 (fr) * 1999-03-02 2000-09-08 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Produits cosmetiques
JP2002080321A (ja) * 2000-06-20 2002-03-19 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd 化粧料
WO2002035215A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Hamamatsu Photonics K.K. Procede de detection d'hydroxyproline et kit de detection
JP2006199714A (ja) * 1999-03-02 2006-08-03 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd 化粧料
WO2007111238A1 (ja) 2006-03-23 2007-10-04 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. 組織コラーゲン合成促進用経口剤
JP2011079856A (ja) * 2000-07-19 2011-04-21 Kyowa Hakko Bio Co Ltd アトピー性皮膚炎の予防または改善剤
CN104614452A (zh) * 2014-12-09 2015-05-13 上海化工研究院 一种液相色谱-串联质谱内标法测定l-羟脯氨酸的方法
CN109355327A (zh) * 2018-12-18 2019-02-19 山东金洋药业有限公司 一种l-羟脯氨酸菌悬液进罐接种方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000051561A1 (fr) * 1999-03-02 2000-09-08 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Produits cosmetiques
US6692754B1 (en) 1999-03-02 2004-02-17 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Cosmetic composition
JP2006199714A (ja) * 1999-03-02 2006-08-03 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd 化粧料
JP4714071B2 (ja) * 1999-03-02 2011-06-29 協和発酵バイオ株式会社 化粧料
JP2002080321A (ja) * 2000-06-20 2002-03-19 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd 化粧料
JP2011079856A (ja) * 2000-07-19 2011-04-21 Kyowa Hakko Bio Co Ltd アトピー性皮膚炎の予防または改善剤
WO2002035215A1 (fr) * 2000-10-24 2002-05-02 Hamamatsu Photonics K.K. Procede de detection d'hydroxyproline et kit de detection
WO2007111238A1 (ja) 2006-03-23 2007-10-04 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. 組織コラーゲン合成促進用経口剤
CN104614452A (zh) * 2014-12-09 2015-05-13 上海化工研究院 一种液相色谱-串联质谱内标法测定l-羟脯氨酸的方法
CN109355327A (zh) * 2018-12-18 2019-02-19 山东金洋药业有限公司 一种l-羟脯氨酸菌悬液进罐接种方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3122705B2 (ja) 2001-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8273562B2 (en) Method for producing 4-hydroxy-L-isoleucine
KR20210032928A (ko) 트립타민의 생산 방법
EP0109583B1 (en) Microbial production of indigo
CA2469012A1 (en) Process of producing glutamate derivatives
US11384371B2 (en) Hydroxylation of branched aliphatic or aromatic substrates employing the amycolatopsis lurida cytochrome P450
JPS60251895A (ja) ピロロキノリンキノンの製造方法
Roberts et al. Isolation, crystallization, and properties of indolyl-3-alkane alpha-hydroxylase. A novel tryptophan-metabolizing enzyme.
JP3122705B2 (ja) トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法
KR100356926B1 (ko) 트랜스-4-히드록시-l-프롤린의제조법
EP2840138B1 (en) Process for production of cis-4-hydroxy-L-proline
JPS59198972A (ja) 微生物学的に製造したL−フエニルアラニン−デヒドロゲナ−ゼ、その取得法及びL−α−アミノカルボン酸の製法
JP3347710B2 (ja) プロリン類の定量方法
JP3492776B2 (ja) シス−3−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法
US20020151000A1 (en) Process for producing trans-4-hydroxy-L-proline
KR102212488B1 (ko) 신규 d-트레오닌 생산 효소 및 이를 이용한 d-트레오닌의 입체특이적 생산 방법
EP0645457B1 (en) L-proline-3-hydroxylase and process for producing cis-3-hydroxy-L-proline
CA2131776C (en) Process for producing cis-3-hydroxy-l-proline
Dröge et al. Comparison and functional characterisation of three homologous intracellular carboxylesterases of Bacillus subtilis
CA2131775C (en) Process for producing trans-4-hydroxy-l-proline
WO1992012251A1 (en) Process for producing (r)-malic acid, microbial maleate hydratase, and process for producing said hydratase
JP2001069974A (ja) L−トリプトファン用アミノ酸オキシダーゼ及びその製造方法
Goldstone et al. Observations on possible metabolic and enzymic reactions of α-Ketoglutaric semialdehyde: Conversion to Δ1-pyrroline-5-carboxylate by glutamic dehydrogenase
Contractor et al. 6-hydroxytryptophan formation by Chromabacterium violaceum
JPH1066566A (ja) ストレプトミセス属の生産するl−グルタミン酸・l−ピログルタミン酸相互変換酵素とその製造法
JP2009131254A (ja) 4−ヒドロキシイソロイシン又は2−アミノ−3−メチル−4−ケトペンタン酸の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term