JPH0730804Y2 - 天井野縁の結合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は天井構造、特に主天井野縁と副天井野縁との結
合構造に関する。

（従来技術と考案が解決しようとする課題） 従来、ビル，店舗等の天井構造としては、断面略逆Ｔ字
形状の主天井野縁に副天井野縁を格子状に組み付けて吊
り下げたもの、例えば、実開昭49-129310号公報に記載
のものがある。

すなわち、このものでは、下片と立上り片とからなる断
面略逆Ｔ字型の長尺体の立上り片の側面に係止凹部を形
成すると共に、下片側端部の上面に係止突状を長手方向
に立設することにより、立上り片と係止突状とを側壁と
する嵌合溝を形成して主天井野縁とし、他方、下片と立
上り片とからなる断面略逆Ｔ字型の長尺体の端部下片を
切除し、前記下片を切除した部分の立上り片下部に切欠
凹部を形成し、同時に生ずる前記立上り片端部下部の突
出部を嵌合凸部に形成して副天井野縁とし、前記主天井
野縁に副天井野縁を、主天井野縁の立上り片の係止凹部
に副天井野縁の立上り片端部を嵌合係止せしめると共
に、主天井野縁の下片の嵌合溝に副天井野縁の嵌合凸部
を嵌合係止せしめて結合することにより、如何なる結合
金具も使用せずに簡単に結合できる。したがって、この
ものによれば、副天井野縁の端部を主天井野縁の係止凹
部が形成されている部分に上方から嵌合するだけで、主
天井野縁に副天井野縁を簡単に結合できることになる。

しかしながら、このものでは主天井野縁に副天井野縁を
嵌合して載置しているにすぎないので、ガタツキが生じ
やすいとともに、上方向の突き上げに対して副天井野縁
がはずれやすい。そこで、このような不具合を解消する
ため、主天井野縁と副天井野縁とを結合金具で結合する
ことも考えられるが、この方法では別体の結合金具を必
要とするので、部品点数が増加し、施工に手間がかかる
という問題点がある。

本考案は前記問題点に鑑み、別体の結合金具を使用せず
に副天井野縁のガタツキや脱落を防止でき、施工性が良
い天井野縁の結合構造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、垂直部の下端部に上
方が開口した断面略コ字形の受け部を設けて前記垂直部
の下端部に係合溝部を形成し、かつ、前記受け部を構成
する側壁上端部からフランジ部を側方に延在した断面形
状を有するとともに、前記フランジ部に適宜巾の切り欠
き部を所定間隔で形成した複数本の主天井野縁が、天井
下地から平行に吊り下げて並設されているとともに、前
記主天井野縁の切り欠き部に嵌合可能な断面略Ｕ字形状
を有し、両側側壁が内側に弾性変形自在であるととも
に、前記両側側壁の外側面に、フランジ部を側方にそれ
ぞれ延在し、かつ、前記フランジ部の下方側に前記フラ
ンジと所定間隔をおいて抜け止め用突条を突設した断面
形状を有する長尺な型材からなり、両端部下面に切り欠
き溝を形成した複数本の副天井野縁が、その端部を主天
井野縁の切り欠き部に嵌合し、かつ、前記切り欠き溝を
前記主天井野縁の切り欠き部に位置するコ字形の受け部
側壁に係合することにより、副天井野縁のフランジ部と
抜け止め用突条との間で主天井野縁のフランジ部の上下
面を挾持した構成としたものである。

（作用と考案の効果） したがって、本考案によれば、主天井野縁のフランジ部
の上下面が、副天井野縁の両側面におけるフランジ部と
抜け止め用突条との間に挾持されて係止することにな
る。

このため、副天井野縁にガタツキが生じないとともに、
副天井野縁に上方に押し上げる力等が加わっても、副天
井野縁の抜け止め突状が主天井野縁のフランジ部下面に
係止するので、押し上げによって副天井野縁が主天井野
縁からはずれることがない。

特に、本考案によれば、断面略Ｕ字形状を有する副天井
野縁の両側側壁が内側に弾性変形自在であるので、副天
井野縁の側壁上端部をつまむと、内側にたわんでＵ字形
副野縁の上端部の開口巾寸法が小さくなる。このため、
主天井野縁のフランジ部に副天井野縁の抜け止め用突状
がひっかからず、前記フランジ部の下面まで抜け止め用
突状を押し下げることができ、主天井野縁の切り欠き部
に副天井野縁の端部を落とし込みあるいは押し込みで容
易に組み付けできる。この結果、本考案によれば、従来
例よりも施工性を低下させることなく、副天井野縁のガ
タツキ，脱落を防止できるという効果がある。

（実施例） 以下、本考案にかかる天井野縁の結合構造に関する一実
施例を第１図ないし第６図の添付図面に従って説明す
る。

本実施例にかかる天井構造は、大略、主天井野縁10と、
副天井野縁20と、天井板30とから構成されている。

主天井野縁10は長尺な型材で、その垂直部11の上端部に
断面略Ｈ字形状の吊り下げ部12を有するとともに、その
下端部に上方が開口した断面略コ字形状の受け部13を有
するものである。前記受け部13を構成する側壁13a,13a
の上端縁部には載置用フランジ部14が側方にそれぞれ延
在されている一方、前記垂直部11の下端部には前記垂直
部11と断面略コ字形状の受け部13とで係合溝部15,15が
形成されている。さらに、前記フランジ部14には所定間
隔で副天井野縁20の端部を嵌合できる適宜巾の切り欠き
部17を設けてある。

副天井野縁20は中央部に凹部21を有し、かつ、前記主天
井野縁10の約1/3の高さ寸法を有する断面略Ｕ字形状の
型材からなり（第３図および第４図）、前記凹部21を構
成する側壁21a,21aの外側面には天井板40を載置できる
フランジ部22,22を側方に延在しているとともに、その
下方側に抜け止め用突条23,23を設けてある。そして、
副天井野縁20は底面に位置する角部25,25が外周面の角
縁部を曲面状に面取りして他の部分よりも薄肉となって
おり、対向する側壁21a,21aの上端部を指でつまむと、
この薄肉部分で曲って内側に弾性変形するようになって
いる。さらに、副天井野縁20の両端部には前記主天井野
縁の係合溝部15の巾と約同一寸法だけ内側に位置した部
分を下方側から切り欠くことにより、切り欠き溝21bを
形成している。

尚、前記副天井野縁20の底部全体あるいは底部の中央部
もしくは側壁の中間部を薄肉部とし、これらの薄肉部で
側壁21a,21aを内側に弾性変形するように形成しておい
てもよく、薄肉部の位置は本実施例に限定されるもので
はない。又、前記副天井野縁の全体の肉厚を薄くするこ
とにより、前記両側側壁21a,21aを内側に弾性変形自在
としてもよい。

本考案に係る天井野縁の結合構造は、前記主天井野縁10
が天井スラブより吊り下げ金具（図示せず）で直接吊り
下げるか、又は、天井スラブから吊り下げたＣ字形型材
（図示せず）に固定して吊り下げることにより、複数本
の主天井野縁10が切欠き部17の位置を揃えて平行に並設
されている。

そして、前記主天井野縁10のフランジ部14に設けた切り
欠き部17に副天井野縁20の端部を位置決めし、副天井野
縁20の対向する側壁21a,21aの上端部を指でつまんで内
側に弾性変形させ、天井野縁20の端部を前記フランジ部
14の切り欠き部17に落し込むことにより、副天井野縁20
の切り欠き溝21bを主天井野縁10の側壁13aに係合すると
ともに、副天井野縁20のフランジ部22と抜け止め用突条
23との間に前記主天井野縁10のフランジ部14を位置決め
して挾持することにより、抜け止めして接合されている
（第６図）。

さらに、主天井野縁10と副天井野縁20とで格子状空間が
形成され、この空間内に天井板30が天井板30の下面周辺
縁部に設けた環状段部31を主天井野縁10のフランジ部14
および副天井野縁20のフランジ部22に載置して支持され
ることになる。

尚、本実施例では、副天井野縁20の高さを主天井野縁10
が約1/3以下の高さに形成してあり、これによって天井
板40が水平状態で組み付けた副天井野縁20の上方を側方
に移動できるので、施工が容易なものとなる。

さらに、本実施例では、主天井野縁10の切り欠き部17に
副天井野縁20の両側側壁21a,21aを内側に弾性変形させ
て落とし込み、抜け止め用突起23を主天井野縁10のフラ
ンジ部14に係合させるだけで抜け止めできるので、特別
な結合金具，工具を必要とせず、位置決め作業，取り付
け作業が容易になるという利点がある。

なお、本考案によれば、前記抜け止め用突起23の係合で
副天井野縁のガタツキや脱落を十分に防止できるが、必
要に応じて主天井野縁10と副天井野縁20とを結合金具
（図示せず）で部分的に適宜結合するようにしてもよい
ことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案にかかる天井野縁の結合構
造の一実施例を示し、第１図は部分斜視図、第２図は天
井構造の平面図、第３図は副天井野縁の斜視図、第４図
は副天井野縁の正面図、第５図は第１図において矢印Ｖ
方向から見た場合の正面断面図、第６図は第１図におい
て矢印VI方向から見た場合の右側面断面図である。 10……主天井野縁、11……垂直部、13……受け部、13a
……側壁、14……フランジ部、15……係合溝部、17……
切り欠き部、20……副天井野縁、21……凹部、21a……
側壁、21b……切り欠き溝、22……フランジ部、23……
抜け止め用突条、25……角部、30……天井板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 5/57 Ｆ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】垂直部の下端部に上方が開口した断面略コ
   字形の受け部を設けて前記垂直部の下端部に係合溝部を
   形成し、かつ、前記受け部を構成する側壁上端部からフ
   ランジ部を側方に延在した断面形状を有するとともに、
   前記フランジ部に適宜巾の切り欠き部を所定間隔で形成
   した複数本の主天井野縁が、天井下地から平行に吊り下
   げて並設されているとともに、前記主天井野縁の切欠き
   部に嵌合可能な断面略Ｕ字形状を有し、両側側壁が内側
   に弾性変形自在であるとともに、前記両側側壁の外側面
   に、フランジ部を側方にそれぞれ延在し、かつ、前記フ
   ランジ部の下方側に前記フランジ部と所定間隔をおいて
   抜け止め用突条を突設した断面形状を有する長尺な型材
   からなり、両端部下面に切り欠き溝を形成した複数本の
   副天井野縁が、その端部を主天井野縁の切り欠き部に嵌
   合し、かつ、前記切り欠き溝を前記主天井野縁の切り欠
   き部に位置するコ字形の受け部側壁に係合することによ
   り、副天井野縁のフランジ部と抜け止め用突条との間で
   主天井野縁のフランジ部の上下面が挾持されていること
   を特徴とする天井野縁の結合構造。