JPH0730681B2 - 無給油式スクロール流体機械 - Google Patents
無給油式スクロール流体機械Info
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- JPH0730681B2 JPH0730681B2 JP2942990A JP2942990A JPH0730681B2 JP H0730681 B2 JPH0730681 B2 JP H0730681B2 JP 2942990 A JP2942990 A JP 2942990A JP 2942990 A JP2942990 A JP 2942990A JP H0730681 B2 JPH0730681 B2 JP H0730681B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- scroll
- fluid machine
- porous layer
- scroll fluid
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C27/00—Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C27/005—Axial sealings for working fluid
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、圧縮機、膨張機、及び真空ポンプとして機能
する無給油式スクロール流体機械に係り、特に相手側ス
クロールの鏡板面と対峙する螺旋状のラップ端面にチッ
プシールを嵌入させた無給油式スクール流体機械に関す
る。
する無給油式スクロール流体機械に係り、特に相手側ス
クロールの鏡板面と対峙する螺旋状のラップ端面にチッ
プシールを嵌入させた無給油式スクール流体機械に関す
る。
「従来の技術」 従来より、第２図に示すように、周壁11により囲繞され
た凹状空間12内に第１のラップ13を形成した固定スクロ
ール10と、前記第１のラップ13に嵌合可能な第２のラッ
プ21を有する旋回スクロール20とからなり、例えば前記
固定スクロール10の凹状空間12の外周に有する周壁11
と、凹状空間中心域に位置する第２のラップ21の鏡板面
14（底面）上に夫々吸込口16と吐出口17を設けるととも
に、圧縮室として機能する両ラップ間の最近接点が徐々
に中心へ向かって移動するように、旋回スクロール20を
一定の半径で固定スクロール10のラップ13の中心の周り
を公転運動させる事により、前記吸込口16より凹状空間
12内に導入した気体を、両ラップ13,21によって形成さ
れる密閉空間Ｐに取り込み、旋回スクロール20の公転運
動とともに徐々にその容積を減少させながら、中心に向
かって移動させ、該密閉空間Ｐ内の気体が高圧化した際
に吐出口17と導通させて、該吐出口17より前記高圧気体
を外部に排出可能に構成したスクロール式圧縮機は公知
である。
た凹状空間12内に第１のラップ13を形成した固定スクロ
ール10と、前記第１のラップ13に嵌合可能な第２のラッ
プ21を有する旋回スクロール20とからなり、例えば前記
固定スクロール10の凹状空間12の外周に有する周壁11
と、凹状空間中心域に位置する第２のラップ21の鏡板面
14（底面）上に夫々吸込口16と吐出口17を設けるととも
に、圧縮室として機能する両ラップ間の最近接点が徐々
に中心へ向かって移動するように、旋回スクロール20を
一定の半径で固定スクロール10のラップ13の中心の周り
を公転運動させる事により、前記吸込口16より凹状空間
12内に導入した気体を、両ラップ13,21によって形成さ
れる密閉空間Ｐに取り込み、旋回スクロール20の公転運
動とともに徐々にその容積を減少させながら、中心に向
かって移動させ、該密閉空間Ｐ内の気体が高圧化した際
に吐出口17と導通させて、該吐出口17より前記高圧気体
を外部に排出可能に構成したスクロール式圧縮機は公知
である。
この種の圧縮機においては一般に油潤滑剤を利用した油
シール方式を採用していたが、近年、例えば第１図
（Ｃ）に示すように、相手側スクロールの鏡板面14、も
しくは24と対峙する螺旋状のラップ端面21aもしくは13a
に断面矩形状に凹設したシール溝２に帯状自己潤滑材で
形成したチップシール１を嵌入させ、高圧側の密閉空間
Ｐよりシール溝の側壁2bとチップシール１間の空隙３を
介してチップシール底面1a側に導入された背圧を利用し
て前記チップシール１を鏡板面14、24側に押圧させる事
により気密シールを図る無給油式圧縮機が開発されてい
る。
シール方式を採用していたが、近年、例えば第１図
（Ｃ）に示すように、相手側スクロールの鏡板面14、も
しくは24と対峙する螺旋状のラップ端面21aもしくは13a
に断面矩形状に凹設したシール溝２に帯状自己潤滑材で
形成したチップシール１を嵌入させ、高圧側の密閉空間
Ｐよりシール溝の側壁2bとチップシール１間の空隙３を
介してチップシール底面1a側に導入された背圧を利用し
て前記チップシール１を鏡板面14、24側に押圧させる事
により気密シールを図る無給油式圧縮機が開発されてい
る。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら前記密閉空間Ｐは、旋回スクロール20の公
転運動とともに徐々にその容積を減少させながら、中心
に向かって移動させるように構成している為に、言い換
えれば中心域側に進めば進むほど前記密閉空間Ｐ内の気
体がほぼ幾何級数的に高圧化する為に、前記シール溝２
の側壁2bとチップシール１間の空隙３を介してチップシ
ール底面1a側に導入される背圧は、中心域側に進むにし
たがって大きくなり、而も前記チップシール１が軟質の
自己潤滑性樹脂材で形成されている為に、前記面圧によ
り中心域側におけるチップシール１の偏摩耗が生じ易
く、該偏摩耗によりチップシール１交換頻度が大にな
り、メインテナンスの面でも耐久性の面でも問題が生じ
ていた。
転運動とともに徐々にその容積を減少させながら、中心
に向かって移動させるように構成している為に、言い換
えれば中心域側に進めば進むほど前記密閉空間Ｐ内の気
体がほぼ幾何級数的に高圧化する為に、前記シール溝２
の側壁2bとチップシール１間の空隙３を介してチップシ
ール底面1a側に導入される背圧は、中心域側に進むにし
たがって大きくなり、而も前記チップシール１が軟質の
自己潤滑性樹脂材で形成されている為に、前記面圧によ
り中心域側におけるチップシール１の偏摩耗が生じ易
く、該偏摩耗によりチップシール１交換頻度が大にな
り、メインテナンスの面でも耐久性の面でも問題が生じ
ていた。
かかる欠点を解消する為に、チップシール１の幅厚や、
チップシール１とシール溝２の側壁2b間の空隙幅を、中
心域側から外周域側に進むに連れ徐々に狭小化させて前
記面圧の一定化を図る技術も提案されているが、前記圧
縮機の高圧化が進むに連れ、前記面圧の一定化をチップ
シールの幅厚等の調整のみで対応させる事は困難になっ
てきた。
チップシール１とシール溝２の側壁2b間の空隙幅を、中
心域側から外周域側に進むに連れ徐々に狭小化させて前
記面圧の一定化を図る技術も提案されているが、前記圧
縮機の高圧化が進むに連れ、前記面圧の一定化をチップ
シールの幅厚等の調整のみで対応させる事は困難になっ
てきた。
そこで本第１発明は、前記チップシールと対峙する鏡板
側の表面層を工夫し、軟質の自己潤滑性樹脂材を用いて
チップシール材を形成した場合においても、前記摩耗を
大幅に低減し得る無給油式スクロール圧縮機を提供する
ところにある。
側の表面層を工夫し、軟質の自己潤滑性樹脂材を用いて
チップシール材を形成した場合においても、前記摩耗を
大幅に低減し得る無給油式スクロール圧縮機を提供する
ところにある。
さて前記無給油式スクロール流体機械においては、鏡板
と対峙するラップ端面側にはチップシール材を介在さ
せ、気密シールを図っているが、前記密閉空間のシール
性を高め圧縮効率を上げるには、圧縮室として機能する
前記両ラップ周壁間の最近接点のより近接化を図り、実
質的な気密シール性を満足させる必要があるが、余りに
接近させると前記ラップを形成する旋回スクロールと固
定スクロールはいずれも金属材で形成されているために
誤って接触するとかじり等が生じやすく、その接近範囲
には限度がある。
と対峙するラップ端面側にはチップシール材を介在さ
せ、気密シールを図っているが、前記密閉空間のシール
性を高め圧縮効率を上げるには、圧縮室として機能する
前記両ラップ周壁間の最近接点のより近接化を図り、実
質的な気密シール性を満足させる必要があるが、余りに
接近させると前記ラップを形成する旋回スクロールと固
定スクロールはいずれも金属材で形成されているために
誤って接触するとかじり等が生じやすく、その接近範囲
には限度がある。
そこで本第二発明の目的とする所は、両ラップ間の最近
接点のより近接化を図った場合においても、かじり等が
発生する事なく円滑な公転運動を保証し得、これにより
実質的な気密シール性の向上と圧縮効率の向上を図る事
の出来る無給油式スクロール圧縮機を提供するところに
ある。
接点のより近接化を図った場合においても、かじり等が
発生する事なく円滑な公転運動を保証し得、これにより
実質的な気密シール性の向上と圧縮効率の向上を図る事
の出来る無給油式スクロール圧縮機を提供するところに
ある。
「課題を解決する為の手段」 本第１発明は、前記チップシールと対峙する鏡板側の表
面層を工夫、該鏡板表面の内、少なくとも中心域側に位
置する鏡板表面を、油水乳化剤を含浸させた多孔質層し
たことを特徴とするものである。
面層を工夫、該鏡板表面の内、少なくとも中心域側に位
置する鏡板表面を、油水乳化剤を含浸させた多孔質層し
たことを特徴とするものである。
この結果両スクロール体の相対的旋回運動によりチップ
シールを鏡板表面に揺動させることにより生じる発熱等
に起因して、多孔質層より乳化剤が滲出し薄膜の乳化被
膜を表面に形成する事になる。
シールを鏡板表面に揺動させることにより生じる発熱等
に起因して、多孔質層より乳化剤が滲出し薄膜の乳化被
膜を表面に形成する事になる。
従って前記チップシールと鏡板間は、潤滑性を有する乳
化剤を介して摺擦されるために、気密シール性が極めて
向上すると共に、チップシールが鏡板と直接摺擦するこ
となく乳化剤を介して摺擦されることになる為に、該シ
ールの摩耗が大幅に低減する。
化剤を介して摺擦されるために、気密シール性が極めて
向上すると共に、チップシールが鏡板と直接摺擦するこ
となく乳化剤を介して摺擦されることになる為に、該シ
ールの摩耗が大幅に低減する。
即ち、無給油圧縮機であるのも拘らず、給油式圧縮機と
同等の効果を営むことが出来る。
同等の効果を営むことが出来る。
更に中心域側においては前記チップシールの摺擦による
発熱と共に、断熱圧縮による発熱効果も併せ有するため
に、中心域に進むに連れ乳化剤滲出量が多くなり、結果
として前記面圧に起因する摩耗に反比例させて摩耗抑制
が可能であり、偏摩耗を防止することが可能である。
発熱と共に、断熱圧縮による発熱効果も併せ有するため
に、中心域に進むに連れ乳化剤滲出量が多くなり、結果
として前記面圧に起因する摩耗に反比例させて摩耗抑制
が可能であり、偏摩耗を防止することが可能である。
そして本発明の好ましい実施例においては前記多孔質層
の下方に非孔質層を形成した為に、多孔質層内に含浸し
た乳化剤が素材側に滲出してしまうことなく長期に亙っ
て前記効果を維持できる。
の下方に非孔質層を形成した為に、多孔質層内に含浸し
た乳化剤が素材側に滲出してしまうことなく長期に亙っ
て前記効果を維持できる。
尚、前記中心域とはチップシールの摩耗はシール溝２の
内周側と外周側における差圧に依存し、その最大差圧が
生じる区域は前記チップシールが一周する前後の区域に
該当し、そして例えばシール溝始端（チップシール始
端）はラップ中心端より0.5〜１πの位置に設定されて
いる為に、前記中心域はラップ中心端より略３π前後ま
での区域に該当する事が理解される。
内周側と外周側における差圧に依存し、その最大差圧が
生じる区域は前記チップシールが一周する前後の区域に
該当し、そして例えばシール溝始端（チップシール始
端）はラップ中心端より0.5〜１πの位置に設定されて
いる為に、前記中心域はラップ中心端より略３π前後ま
での区域に該当する事が理解される。
尚、前記多孔質層は鏡板面のみではなく、互いに対峙す
るラップ周壁にも前記多孔質層、好ましくは前記多孔質
層とともにその下方に非孔質層を形成するのがよい。
るラップ周壁にも前記多孔質層、好ましくは前記多孔質
層とともにその下方に非孔質層を形成するのがよい。
かかる点が本第２の発明の特徴とする所である。
即ち、第２発明においては、前記乳化剤を含浸した多孔
質層を、互いに対峙するラップ周壁に形成する事によ
り、該周壁表面にある程度の自己潤滑性機能をもたし、
これにより前記両ラップ間の最近接点のより近接化を図
った場合において、ラップ周壁同士の多少の摺接が生じ
てもかじり等が生じる事なく円滑に旋回スクロール体の
公転運動を保証し得、結果として圧縮効率の向上と動力
効率の向上を図る事が出来る。
質層を、互いに対峙するラップ周壁に形成する事によ
り、該周壁表面にある程度の自己潤滑性機能をもたし、
これにより前記両ラップ間の最近接点のより近接化を図
った場合において、ラップ周壁同士の多少の摺接が生じ
てもかじり等が生じる事なく円滑に旋回スクロール体の
公転運動を保証し得、結果として圧縮効率の向上と動力
効率の向上を図る事が出来る。
尚、前記表面層は次の様にした形成する事が可能である
が、これのみに限定されるものではない。
が、これのみに限定されるものではない。
即ち、例えば前記ラップ若しくはスクロール体自体を、
タンタル、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等で形
成した後、該金属素地を電解槽中に入れて陽極処理を行
なう事により、金属素地と接する下層に薄い非孔質層
が、その上側の表面層に厚い多孔質層が形成される事に
なる。
タンタル、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等で形
成した後、該金属素地を電解槽中に入れて陽極処理を行
なう事により、金属素地と接する下層に薄い非孔質層
が、その上側の表面層に厚い多孔質層が形成される事に
なる。
そして前記金属素地がアルミニウムの場合、前記多孔質
層はγ−Al2O3に改変されるために、両親媒性分子によ
り安定した油水乳化液を前記多孔質層に滲み込ませる事
により、γ−Al2O3に油水乳化液が強く吸着し、長期に
亙って油水乳化液の含浸状態を維持できる。
層はγ−Al2O3に改変されるために、両親媒性分子によ
り安定した油水乳化液を前記多孔質層に滲み込ませる事
により、γ−Al2O3に油水乳化液が強く吸着し、長期に
亙って油水乳化液の含浸状態を維持できる。
尚、前記製法は本発明の異なる一例で本発明の構成はこ
れのみに限定されるものではない。
れのみに限定されるものではない。
「実施例」 先ず、本発明の効果を確認するために、アルミニウム材
を用いて夫々スクロール巻数7.25πに設定した固定及び
旋回スクロール体を複数個製造し、後記処理を行わない
スクロール体を比較例１（第１図（Ｃ）参）とする。
を用いて夫々スクロール巻数7.25πに設定した固定及び
旋回スクロール体を複数個製造し、後記処理を行わない
スクロール体を比較例１（第１図（Ｃ）参）とする。
そして、他のスクロール体は、トリクレン洗浄、エマル
ジョン脱脂、中和／安定化等の前処理を行った後、陽極
酸化を行う。
ジョン脱脂、中和／安定化等の前処理を行った後、陽極
酸化を行う。
即ち、陽極酸化は、アルミ分を２〜8g/L添加した15±２
％硫酸が投入された電解槽内の陽極側に、前記スクロー
ル体を配置し、電流密度0.8〜5.0A/dm、浴電圧15〜80
V、浴温０±２℃で90〜120分陽極酸化を行なう。そし
て、前記処理後、中和、エアーブロー等の後処理を行っ
たものを比較例２（第１図（Ｂ），（Ｂ′）参）とす
る。尚、（Ｂ′）は（Ｂ）の要部拡大図である。
％硫酸が投入された電解槽内の陽極側に、前記スクロー
ル体を配置し、電流密度0.8〜5.0A/dm、浴電圧15〜80
V、浴温０±２℃で90〜120分陽極酸化を行なう。そし
て、前記処理後、中和、エアーブロー等の後処理を行っ
たものを比較例２（第１図（Ｂ），（Ｂ′）参）とす
る。尚、（Ｂ′）は（Ｂ）の要部拡大図である。
そして、更に前記陽極酸化処理を行ったものについて予
備乾燥を行った後、25±３℃の温度で20分間ノニオン型
無機系油水乳化剤の吸着浸漬けを行い、その後乾燥させ
たものについて実施例１（第１図（Ａ）、（Ａ′）参）
とする。尚、（Ａ′）は（Ａ）の要部拡大図である。
備乾燥を行った後、25±３℃の温度で20分間ノニオン型
無機系油水乳化剤の吸着浸漬けを行い、その後乾燥させ
たものについて実施例１（第１図（Ａ）、（Ａ′）参）
とする。尚、（Ａ′）は（Ａ）の要部拡大図である。
次に、前記各スクロール体毎に、前記チップシールが対
峙する相手側スクロールの鏡板14、24の表面と、ラップ
13、21同士が対峙するラップ周壁面を含むスクロール体
の表層面を調べてみると、比較例１については第１図
（Ｃ）に示すように金属素地５がそのまま表面層に表わ
れており、又比較例２については第１図（Ｂ），
（Ｂ′）に示すように下層に非孔質層７、上層に内部が
空孔化された多孔質層６からなる二層構造をなし、一
方、実施例１においては第１図（Ａ）、（Ａ′）に示よ
うに前記多孔質層６内に乳化剤が充填されている事が確
認された。
峙する相手側スクロールの鏡板14、24の表面と、ラップ
13、21同士が対峙するラップ周壁面を含むスクロール体
の表層面を調べてみると、比較例１については第１図
（Ｃ）に示すように金属素地５がそのまま表面層に表わ
れており、又比較例２については第１図（Ｂ），
（Ｂ′）に示すように下層に非孔質層７、上層に内部が
空孔化された多孔質層６からなる二層構造をなし、一
方、実施例１においては第１図（Ａ）、（Ａ′）に示よ
うに前記多孔質層６内に乳化剤が充填されている事が確
認された。
次に前記各スクロール体のラップ端面にフッ素樹脂で形
成したチップシールを嵌合して無給油式スクロール圧縮
機として組み付け、出力2.2kw,回転数2800rpm,吐出圧8k
gf/cm2で所定時間負荷運動を行い、各比較例及び実施例
におけるチップの摩耗程度を確認してみた。
成したチップシールを嵌合して無給油式スクロール圧縮
機として組み付け、出力2.2kw,回転数2800rpm,吐出圧8k
gf/cm2で所定時間負荷運動を行い、各比較例及び実施例
におけるチップの摩耗程度を確認してみた。
尚、チップシールの摩耗はシール溝２の内周側と外周側
における差圧に依存し、例えばシール溝２始端（チップ
シール始端）をラップ中心端より0.75πの位置に設定し
た場合、その最大差圧が生じる区域は前記チップシール
が一周する前後の区域に該当するラップ中心端より略３
π前後までの区域に最大差圧値（7kgf/cm2）を示し、そ
して３πを超えた後その差圧が急激に低下する事が予備
実験で理解されているために、前記略３π前後までの区
域とその外側の摩耗程度について確認した。
における差圧に依存し、例えばシール溝２始端（チップ
シール始端）をラップ中心端より0.75πの位置に設定し
た場合、その最大差圧が生じる区域は前記チップシール
が一周する前後の区域に該当するラップ中心端より略３
π前後までの区域に最大差圧値（7kgf/cm2）を示し、そ
して３πを超えた後その差圧が急激に低下する事が予備
実験で理解されているために、前記略３π前後までの区
域とその外側の摩耗程度について確認した。
その結果一方前記差圧の平均値線においても中心端より
徐々に圧力上昇していき、そしてチップシール１の始端
位置で2kgf/cm2に達した後、その後、２π角度位置で最
大差圧値を示し、以後徐々に減少していく。
徐々に圧力上昇していき、そしてチップシール１の始端
位置で2kgf/cm2に達した後、その後、２π角度位置で最
大差圧値を示し、以後徐々に減少していく。
従って前記圧縮機について、850時間前後負荷運転を行
った後、分解してチップシールの摩耗程度を確認したと
ころ、前記３π前後までの中心域において、比較例１及
び２の摩耗程度が400〜500μｍであるのに対し、実施例
１においては120μｍ前後とその摩耗程度が大幅に低下
していた。
った後、分解してチップシールの摩耗程度を確認したと
ころ、前記３π前後までの中心域において、比較例１及
び２の摩耗程度が400〜500μｍであるのに対し、実施例
１においては120μｍ前後とその摩耗程度が大幅に低下
していた。
一方前記中心域より外れた区域においては比較例１及び
２の摩耗程度が110μｍ前後であるのに対し、実施例１
においては、90μｍ前後と僅かながら改善がみられたが
特段に顕著なる効果がみられなかった。
２の摩耗程度が110μｍ前後であるのに対し、実施例１
においては、90μｍ前後と僅かながら改善がみられたが
特段に顕著なる効果がみられなかった。
従ってかかる効果の確認より前記表面層の形成は必ずし
も鏡板全面に形成しなくても、その中心域のみに形成す
ればよい事が理解できる。
も鏡板全面に形成しなくても、その中心域のみに形成す
ればよい事が理解できる。
次に前記比較例１と実施例１を用いて第２発明の効果を
確認する。先ず比較例１について前記両ラップ周壁間の
最近接点クリアランスを30μｍ程度に設定し出力2.2kw,
回転数2800rpm,吐出圧8kgf/cm2で負荷運転を行った所、
ラップ接触特有の異常音等が発生する事なく、吐出温度
が155℃前後で安定し、その時点で81.6m3/min/psの吐出
空気量を得る事が出来た。
確認する。先ず比較例１について前記両ラップ周壁間の
最近接点クリアランスを30μｍ程度に設定し出力2.2kw,
回転数2800rpm,吐出圧8kgf/cm2で負荷運転を行った所、
ラップ接触特有の異常音等が発生する事なく、吐出温度
が155℃前後で安定し、その時点で81.6m3/min/psの吐出
空気量を得る事が出来た。
次に前記比較例１のスクロール圧縮機の旋回スクロール
の公転半径を調整して両ラップ周壁間の最近接点クリア
ランスを旋回スクロールの芯振れ量より僅かに小、具体
的には、前記旋回スクロールを手回しにて回転させてラ
ップ接触がある事が確認される程度に旋回スクロールの
公転半径を設定する。
の公転半径を調整して両ラップ周壁間の最近接点クリア
ランスを旋回スクロールの芯振れ量より僅かに小、具体
的には、前記旋回スクロールを手回しにて回転させてラ
ップ接触がある事が確認される程度に旋回スクロールの
公転半径を設定する。
この状態で前記と同様に出力2.2kw,回転数2800rpm,吐出
圧8kgf/cm2で負荷運転を行った所、比較例１においては
吐出口よりの吐出温度が徐々に増加し、180℃以上にな
るとともに、ラップ接触特有の異常音が発生したため、
この時点で前記比較例１の圧縮機を分解したところ、中
心域側のラップ周壁にかじりが発生している事が確認さ
れた。
圧8kgf/cm2で負荷運転を行った所、比較例１においては
吐出口よりの吐出温度が徐々に増加し、180℃以上にな
るとともに、ラップ接触特有の異常音が発生したため、
この時点で前記比較例１の圧縮機を分解したところ、中
心域側のラップ周壁にかじりが発生している事が確認さ
れた。
一方、実施例１においても、スクロール圧縮機の旋回ス
クロールの公転半径を調整して両ラップ周壁間の最近接
点クリアランスを旋回スクロールを手回しにて回転させ
てラップ接触がある事が確認される程度に調整した後、
前記と同様に出力2.2kw,回転数2800rpm,吐出圧8kgf/cm2
で負荷運転を行った所、負荷運転後１時間経過してもラ
ップ接触特有の異常音が発生せず、吐出温度も161℃と
安定していた。
クロールの公転半径を調整して両ラップ周壁間の最近接
点クリアランスを旋回スクロールを手回しにて回転させ
てラップ接触がある事が確認される程度に調整した後、
前記と同様に出力2.2kw,回転数2800rpm,吐出圧8kgf/cm2
で負荷運転を行った所、負荷運転後１時間経過してもラ
ップ接触特有の異常音が発生せず、吐出温度も161℃と
安定していた。
そしてこの時点の吐出空気量を確認した所、85.2m3/min
/psと前記比較例１より４％も増加している事が確認さ
れた。
/psと前記比較例１より４％も増加している事が確認さ
れた。
又その後該実施例について分解してかじりの有無を確認
したところ、ラップ同士の接触跡は存在するもかじりの
発生は見られなかった。従って本第２発明の効果も確認
された。
したところ、ラップ同士の接触跡は存在するもかじりの
発生は見られなかった。従って本第２発明の効果も確認
された。
「効果」 以上記載した如く請求項１及び２記載の第１発明におい
ては、軟質の自己潤滑性樹脂材を用いてチップシール材
を形成した場合においても、該チップシールの中心域側
における摩耗を大幅に低減し、これにより高耐久性とメ
インテナンスの容易化を達成し得る。
ては、軟質の自己潤滑性樹脂材を用いてチップシール材
を形成した場合においても、該チップシールの中心域側
における摩耗を大幅に低減し、これにより高耐久性とメ
インテナンスの容易化を達成し得る。
又請求項３及び４記載の第２発明によれば、両ラップ間
の最近接点のより近接化を図った場合においても、かじ
り等が発生する事なく円滑な公転運動を補償し得、これ
により実質的な気密シール性の向上と圧縮効率の向上を
図る事の出来る等の種々の著効を有す。
の最近接点のより近接化を図った場合においても、かじ
り等が発生する事なく円滑な公転運動を補償し得、これ
により実質的な気密シール性の向上と圧縮効率の向上を
図る事の出来る等の種々の著効を有す。
第２図は本発明が適用されるスクロール圧縮機を示す説
明図である。 第１図（Ａ）は実施例１を示す図であり、（Ａ′）は
（Ａ）の要部拡大図、第１図（Ｂ）は比較例２を示す図
であり、（Ｂ′）は（Ｂ）の要部拡大図、第１（Ｃ）は
比較例１を示す図である。
明図である。 第１図（Ａ）は実施例１を示す図であり、（Ａ′）は
（Ａ）の要部拡大図、第１図（Ｂ）は比較例２を示す図
であり、（Ｂ′）は（Ｂ）の要部拡大図、第１（Ｃ）は
比較例１を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項１】相手側スクロールの鏡板面と対峙する螺旋
状のラップ端面に凹設したシール溝にチップシールを嵌
入させ、該チップシールを介して前記鏡板面とラップ間
に形成される囲繞空間の封止を図る無給油式スクロール
流体機械において、 前記チップシールに対峙する相手側スクロールの鏡板表
面の内、少なくとも中心域側に位置する鏡板表面を、油
水乳化剤を含浸させた多孔質層で形成した事を特徴とす
る無給油式スクロール流体機械。 - 【請求項２】前記鏡板表面を、下層を非孔質層、上層を
油水乳化剤を含浸させた多孔質層からなる二層構造で形
成した事を特徴とする請求項１）記載の無給油式スクロ
ール流体機械。 - 【請求項３】鏡板上に形成した螺旋状のラップ同志を互
いに嵌合させた状態で一のスクロール体を他のスクロー
ル体に対し自転させる事なく公転可能に構成し無給油式
スクロール流体機械において、 少なくともラップ同士が対峙するラップ周壁面を、油水
乳化剤を含浸させた多孔質層で形成した事を特徴とする
無給油式スクロール流体機械。 - 【請求項４】前記ラップ周壁面を、下層を非項質層、上
層を油水乳化剤を含浸させた多孔質層からなる二層構造
で形成した事を特徴とする請求項３）記載の無給油式ス
クロール流体機械。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2942990A JPH0730681B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | 無給油式スクロール流体機械 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2942990A JPH0730681B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | 無給油式スクロール流体機械 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03237203A JPH03237203A (ja) | 1991-10-23 |
| JPH0730681B2 true JPH0730681B2 (ja) | 1995-04-10 |
Family
ID=12275895
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2942990A Expired - Lifetime JPH0730681B2 (ja) | 1990-02-13 | 1990-02-13 | 無給油式スクロール流体機械 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0730681B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000220585A (ja) * | 1999-01-28 | 2000-08-08 | Toyota Autom Loom Works Ltd | スクロール型圧縮機 |
-
1990
- 1990-02-13 JP JP2942990A patent/JPH0730681B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03237203A (ja) | 1991-10-23 |
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