JPH0730006U - 草刈り機用ブレード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 草刈り機用ブレードの耐衝撃性をアップし、
しかも優れた草刈り性能を得る。 【構成】 ブレード外周の各大型歯部の外端縁に衝撃受
け部を設けて側縁切刃側に雑草等を案内し、切刃刃先を
半径方向の直線状か、内端側が回転方向遅れ側に位置す
る直線状又は曲線状となし、草刈り効率をアップさせ
る。また、衝撃受け部を切刃よりも前方に突設させ、石
塊等を外方に弾き飛ばし、大型歯部を耐衝撃性を得るに
充分な幅とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、草刈り機用ブレードに関し、特に石やコンクリートの塊による損 傷を防止するようにしたブレードに関する。

【０００２】

【従来の技術】

草刈り機で草刈りをする場合、複数の切刃を有するブレードを使用するが、か かる草刈り機用ブレードは略円板状ブレードの外周縁を鋸歯状に形成し、各鋸歯 の回転方向進み側の側縁に切刃を形成するのが一般的である。

【０００３】 しかるに、複数の切刃が円周軌跡に沿って高速回転することによって雑草等を 刈り取る関係上、いずれも各切刃をブレート最外縁まで延設し、切刃外縁側部分 を使って草刈りを行うようにした構造が採用されているが、草刈りすべき地面に 石やコンクリート等があるとこれに切刃が激しく衝突して切刃の一部又は全部が 欠けて飛散し易く、酷い場合には鋸歯自体が欠け、寿命が非常に短かった。

【０００４】 そこで従来の草刈り機用ブレードでは、各鋸歯の回転方向進み側の側縁に、硬 質の特殊鋼製切刃チップを鑞付け等で固着し、切刃の耐衝撃性を向上させること が行われている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、実際の草刈り作業においてはエンジン回転数が通常で２０００〜３０ ００rpm 程度、最高で４０００rpm 程度に達するので、石等との衝突によって各 切刃チップや鋸歯が受ける衝撃力は非常に大きく、これに耐えうる切刃チップや 鋸歯を製作することは事実上不可能で、依然として切刃チップの欠けや鋸歯の欠 けの問題は解消されていなかった。

【０００６】 この考案は、かかる問題点に鑑み、石塊等に対する耐衝撃性に優れた草刈り機 用ブレードを提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案に係る草刈り機用ブレードは、草刈り機のロッド先端のホルダ ー回転軸に取付けられ、ロッド後端側のエンジンにて高速回転されて草刈りを行 うブレードにおいて、回転軸に取付可能な取付基部の外周には複数の大型歯部を 円周方向の等角度間隔毎に半径方向外方に延びて設け、複数の各大型歯部は円周 方向に耐衝撃性を得るに充分な幅となし、又複数の各大型歯部の回転方向進み側 の側縁には切刃を設け、各切刃の刃形状は取付基部の半径方向に略延びる直線状 か又はその内端側が半径方向の直線に対して回転方向遅れ側に位置する直線状又 は曲線状となす一方、大型歯部の外端縁には衝撃受け部を切刃よりも回転方向進 み側に突出して設けるようにしたことを特徴とする。

【０００８】 大型歯部はその円周方向の幅によって耐衝撃性を確保するものであるので、そ の個数は歯部の幅を考慮すると３個又は４個が最適である。２個では草刈り作業 時の振動が激しく、多数歯では雑草等が切刃内方に移動することができずに切れ ないからである。この大型歯部の形状は特に限定されず、四角形状でもよいが、 充分な耐衝撃性を確保するためには下記実施例に示すように円弧状を組合せた形 状とするのがよい。

【０００９】 切刃は高い草刈り性能を確保するためには高速回転中の僅かな時間の間に雑草 等を切刃に沿って内方に移動させる為に、切刃の刃先は取付基部の半径方向に略 延びる直線状、又その内端側が半径方向の直線に対して回転方向遅れ側に位置す る直線状又は曲線状とするのが好ましく、例えば半径方向の直線に対して回転方 向遅れ側に窪んだ円弧形状とし、この切刃は大型歯部の側縁を研削研磨して形成 し、長期使用により大型歯部の摩耗又は切刃が摩耗すれば研磨修理して長期使用 ことができる。

【００１０】 衝撃受け部は大型歯部の外端縁を折り曲げて形成してもよく、又別体の衝撃受 け部を製作しこれを大型歯部の外端縁に鑞付けや溶接等で固定してもよい。この 衝撃受け部の形状は特に限定されないが、大きな衝撃を確実に受けるためには円 周方向に延びる形状とするのが好ましい。

【００１１】

【作用及び考案の効果】

ロッド後端側エンジンによって回転軸が駆動されると、ブレードの大型歯部は その半径によって決まる円形軌跡に沿って高速回転され、各切刃によって雑草、 葦、笹、すすきや小径の立木等が刈り取られる。

【００１２】 その際、切刃の回転方向進み側に突出して衝撃受け部が設けられているので、 雑草等の間に石やコンクリートの塊があると、これらは高速回転する衝撃受け部 に衝突して外方に弾き飛ばされ、切刃にはほとんど衝突せず、切刃が欠けるのを 確実に防止でき、又大型歯部が衝撃に充分に耐える幅となっているので、大型歯 部が衝撃で欠けたり変形したりることもなく、ブレードの耐衝撃性をアップして 寿命を大幅に向上できる。

【００１３】 また、衝撃受け部が切刃の回転方向進み側に突出しているので、衝撃受け部前 方の雑草等はブレードの高速回転に伴って切刃側に送り込まれ、又各切刃が半径 方向に延びる直線状又はその内端側が遅れ側に位置する形状であるので、雑草等 は刃先に沿って切刃内端側に移動し、雑草等は確実に刈り取られる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案を添付図面に示す具体例に基づき、詳細に説明する。図１ないし 図３は本考案の一実施例による草刈り機用ブレードを示す。図２及び図３におい て、ブレード１は厚み１．８ｍｍ前後の鋼板、例えばばね鋼板を用いて製作され 、該ブレード１の中央部分は取付穴１００を有する取付基部１０となっている。

【００１５】 この取付基部１０の外周縁には３つの大型歯部１１が円周方向の１２０°間隔 毎に半径方向外方に突出して一体に形成され、該３つの大型歯部１１は全体とし て３つの等しい円弧形状をブレード回転方向進み側になるほど外方側に高くなる ように組合せかつ段差を介して次の円弧形状に連続させた平面外形状をなし、各 大型歯部１１は円周方向に充分な耐衝撃性が得られる幅となっている。

【００１６】 上記各大型歯部１１の回転方向進み側の側縁には切刃１２が切削研磨によって 形成され、該切刃１２の刃先は半径方向の直線ａに対して回転方向遅れ側に窪ん だ円弧形状となっている。

【００１７】 また、上記各大型歯部１１の外端縁は所定寸法だけ上方に折り曲げられ、該折 り曲げ部分は衝撃受け部１３となっており、該衝撃受け部１３は切刃１２よりも 回転方向進み側に突設しかつ円周方向遅れ側に延びた形状となっている。

【００１８】 このブレード１を草刈り機２に取付ける場合、図２に示すように、ロッド２０ 先端のホルダー回転軸２２をブレード１の取付穴１００、及び取付プレート２３ の取付穴２３０に順次挿通し、逆ねじのナット２４を回転軸２２に螺合させてブ レード１を回転軸２２に固定する。

【００１９】 ここで、草刈り機２の構造を簡単に説明すると、図１に示すように、ロッド２ ０の先端にはホルダー２１が設けられ、ロッド２０の後端側にはエンジン２５が 搭載され、該エンジン２５の駆動軸とホルダー２１の回転軸２２とはロッド２０ 内の伝達機構によって連結されており、エンジン２５によってホルダー回転軸２ ２が駆動されるようになっている。また、ロッド２０の中間部より若干後方には ほぼＵ字状をなす手持ちハンドル２６が設けられ、その後方には肩掛バンド２６ が設けられており、肩掛バンド２７を肩に掛け、ハンドル２６を両手で握って草 刈り機２を操作できるようになっている。

【００２０】 次に、作用効果について説明する。エンジン２５が駆動されると、ブレード１ が回転軸２２とともに高速回転され、ブレード１の３つの各切刃１２によって草 刈りがなされる。

【００２１】 通常、草刈り作業は高速回転するブレード１を左右に往復動させつつ少しずつ 前進させるという操作を行うが、衝撃受け部１３が切刃１２より前方に突出して いるので、草刈り作業中における上述のブレード操作及び高速回転に起因し、衝 撃受け部１３前方の雑草４は図３の矢印Ａで示すように内方切刃１２側に押し込 まれ、さらに刃先の円弧形状に起因して刃先に沿って内方に移動し、刃先が効率 よく雑草４と接する結果、雑草４は確実に刈り取られる。

【００２２】 本件考案者らの試作及び実験によれば、雑草４は軽くかつ完全に刈りとること ができたが、さらには葦、笹、すすき、直径２ｃｍ以下の立木についても無理な く刈り取ることができた。従って、山林の下刈や灌木の伐採についても従来は専 用のブレードが必要であったが、本例のブレード１を使用すると、直径２ｃｍ以 上の立木については手斧等で伐採しつつ、残りを草刈り機２で刈り取れることが でき、非常に有用であった。

【００２３】 また、草刈り作業中にブレード１の操作範囲内に石塊３があると、これが高速 回転する切刃１２に当たって切刃１２の欠けが懸念されるが、本例のブレード１ では図３矢印Ｂで示すように石塊３は切刃１２に当たる前に、高速回転する衝撃 受け部１３に必ず衝突し、その高速回転力によって外方にはじき飛ばされるので 、切刃１２には全くといってよいほど衝突せず、切刃１２の欠けを確実に防止で きる。

【００２４】 しかも、本例のブレード１では、大型歯部１１が円周方向に広幅となっている ので、大型歯部１１が衝撃で欠けることもなく、又変形することもない。

【００２５】 その結果、ブレード１の耐衝撃性をアップして寿命を大幅に向上できる。本件 考案者らの試作及び実験によれば、従来の草刈り機用ブレードでは石塊の多い場 所で草刈りする場合には注意を払って操作しても作業の開始直後に切刃の刃欠け が発生し、しかもそれが多数の切刃について起こるので、１〜２時間程度で全く 草刈りが不可能になったが、本例のブレード１では草刈り作業を１日通しで行っ ても切刃の刃欠けが全く見られず、寿命が非常にアップしていることが確認でき た。

【提出日】平成５年１２月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００９】 切刃は高い草刈り性能を確保するためには高速回転中の 僅かな時間の間に雑草等を切刃に沿って内方に移動させる為に、切刃の刃先は取 付基部の半径方向に略延びる直線状、又その内端側が半径方向の直線に対して回 転方向遅れ側に位置する直線状又は曲線状とするのが好ましく、例えば半径方向 の直線に対して回転方向遅れ側に窪んだ円弧形状とし、この切刃は大型歯部の側 縁を研削研磨して形成し、長期使用により大型歯部の摩耗又は切刃が摩耗すれば 研磨修理して長期使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例によるブレードが適用される
草刈り機を示す概略斜視図である。

【図２】 上記ブレードの取付方法を説明するための分
解斜視図である。

【図３】 上記ブレードを示す平面図である。

【符号の説明】

１ ブレード １０ 取付基部 １１ 大型歯部 １２ 切刃 １３ 衝撃受け部 ２ 草刈り機 ２０ ロッド ２１ ホルダー ２２ 回転軸 ２５ エンジン ３ 石塊 ４ 雑草

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 草刈り機のロッド先端のホルダー回転軸
   に取付けられ、ロッド後端側のエンジンにて高速回転さ
   れて草刈りを行うブレードにおいて、 上記回転軸に取付可能な取付基部の外周には複数の大型
   歯部が円周方向の等角度間隔毎に半径方向外方に延びて
   設けられ、該各大型歯部は円周方向に耐衝撃性を得るに
   充分な幅を有し、 上記各大型歯部の回転方向進み側の側縁には切刃が設け
   られ、該各切刃の刃先は上記取付基部の半径方向に略延
   びる直線状か又はその内端側が半径方向に対して回転方
   向遅れ側に位置する直線状又は曲線状である一方、 上記大型歯部の外端縁には衝撃受け部が上記切刃よりも
   回転方向進み側に突出して設けられていることを特徴と
   する草刈り機用ブレード。
2. 【請求項２】 上各切刃の刃先は半径方向に対して回転
   方向遅れ側に窪んだ円弧形状となっている請求項１記載
   の草刈り機用ブレード。