JPH07295821A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

Info

Publication number
JPH07295821A
JPH07295821A JP6092385A JP9238594A JPH07295821A JP H07295821 A JPH07295821 A JP H07295821A JP 6092385 A JP6092385 A JP 6092385A JP 9238594 A JP9238594 A JP 9238594A JP H07295821 A JPH07295821 A JP H07295821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inference
hypothesis
failure
inquiry
knowledge data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6092385A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Takasu
誠 多賀須
Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
Satoru Takahashi
哲 高橋
Yasuo Kagei
康夫 影井
Masaaki Furuyama
雅章 古山
Kunihiro Abe
邦宏 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP6092385A priority Critical patent/JPH07295821A/ja
Publication of JPH07295821A publication Critical patent/JPH07295821A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 推論結果を検証する過程においてユーザに関
する問診が終了したことを知らせ、ユーザの時間浪費を
防止する。 【構成】 推論過程で生成された問診候補を絞り込み、
絞り込んだ問診の内容をタッチスクリーン1aに表示し
て回答を得ることにより、今回の推論結果を検証すると
ともに、新たな仮説を生成する際の情報とする。その
際、ユーザに関する問診が終了したときには、ユーザに
関する問診終了の表示を行い、ユーザを直ちに開放して
時間浪費を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるエキスパート
システムを利用して車輛、航空機等の不具合現象に結び
付く故障原因を探究する故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医学、建築、化学等の各分野でコ
ンピュータを活用して問題解決の手がかりとするエキス
パートシステムが採用されている。このエキスパートシ
ステムは、ある特定分野における専門家の知識をコンピ
ュータに入力し、それを利用して複雑な問題を専門家と
同等なレベルで解決することができるようにしたシステ
ムである。
【0003】従来、このエキスパートシステムを車輛の
故障診断に採用したものとしては、例えば、特開昭62
−6846号公報に開示されているように、不具合現象
を入力し、その現象を引き起している根本的な故障原因
(故障箇所)を、ルールの集合で表した知識データある
いは過去の事例を記憶する知識データ等を利用して推論
するものが知られている。
【0004】この場合、精度の高い推論結果を得るため
には、不具合現象の発生状況や点検指示等の問診が必須
となり、この問診がスムーズに行なわれないと診断作業
効率が低下するため、例えば、特開平3−185251
号公報には、ユーザが回答できない質問を保留して質問
保留スタックに入れ、その質問による事象の成否の確認
を保留して次の質問を行う技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、推論結果を
検証する過程において発生する問診には、不具合を最初
に検知したユーザに関するものと、機器の分解作業等を
行う整備員に関するものとがあり、従来、これらの問診
は、推論経路上の順番や推論の信頼度が高い順番で行わ
れるようになっていた。
【0006】このため、外部からはユーザに対する問診
がいつ終了するのかわからず、ユーザに関する問診が終
了したにも拘らずユーザを拘束してしまうといった事態
が生じるおそれがある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、推論結果を検証する過程においてユーザに関
する問診が終了したことを知らせ、ユーザの時間浪費を
防止することのできる故障診断装置を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による故障診断装置は、故障診断に必要な知識デ
ータを記憶する知識ベース部と、この知識データを利用
して、入力された不具合現象に対応する故障原因を推論
により探究する推論機構部とを備え、この推論機構部に
よる故障原因の探究過程での入出力情報を表示部に表示
する故障診断装置において、上記推論機構部に少なくと
も、故障原因を推論により探究して生成した仮説を検証
するための問診を生成する推論部と、上記推論部からの
問診を上記表示部に表示させて回答を得る過程におい
て、ユーザに関する問診が終了したとき、ユーザに対す
る問診終了を上記表示部に表示させる推論制御部とを備
えたことを特徴とする。
【0009】
【作 用】本発明による故障診断装置では、入力された
不具合現象に対し、知識ベース部に格納されている知識
データを利用して推論により故障原因を探究して仮説を
生成し、問診に対する回答を得て仮説を検証する際、ユ
ーザに関する問診が終了したときには、ユーザに関する
問診が終了したことを表示する。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0011】尚、本実施例では、航空機の燃料系統の不
具合現象を故障診断対象の一例として記述しながら説明
する。
【0012】図8に示すように、本実施例に係る故障診
断装置Aは装置本体1と入力ペン2とで構成されてお
り、この装置本体1には上記入力ペン2を用いて情報を
入力するタッチスクリーン1aが設けられている。
【0013】上記故障診断装置Aは空港の整備部門等に
配備されるもので、上記入力ペン2を用いて上記タッチ
スクリーン1aに不具合現象を入力すると、内蔵するコ
ンピュータが不具合現象の原因あるいは故障箇所を探究
し、探究結果及び点検の要領等、必要な情報を上記タッ
チスクリーン1a上に表示して整備員を支援する。
【0014】図1に示すように、装置本体1に内蔵する
コンピュータには、故障診断を実行する機能として、ウ
インドウ処理部12、システム制御部13、推論機構部
14、技術情報収集部15、知識ベース部16、及び運
用記録データ部17が構成されている。また、上記タッ
チスクリーン1aは、入力部11aと表示部11bとで
構成されている。
【0015】上記ウインドウ処理部12には、前処理と
しての文字認識部12aと操作入力部12bとが設けら
れ、後処理としての表示制御部12cが設けられてい
る。
【0016】文字認識部12aでは、上記タッチスクリ
ーン1aに表示されたペン入力用ウインドウ(図11参
照)に整備員が上記入力ペン2で入力した不具合現象等
の手書き文字をキャラクタコードに変換し、コマンド類
を上記システム制御部13へ出力する。また操作入力部
12bでは上記タッチスクリーン1aに表示されたグラ
フィックスあるいはメニュー等を入力ペン2で選択した
とき、それに対応するコマンド類を上記システム制御部
13へ出力する。また、上記表示制御部12cでは上記
システム制御部13から出力された信号に基づいて、表
示部11bに文字及びグラフィック等を表示させる。
【0017】上記システム制御部13には、マン・マシ
ンインターフェース制御部13aと、動作モード制御部
13bと、システム管理部13cとが設けられている。
マン・マシンインタフェース制御部13aでは、上記ウ
インドウ処理部12からのコマンド類に従って実行処理
を行う。あるいは、上記表示制御部12cへ文字データ
及びグラフィックス・データ等を出力する。動作モード
制御部13bでは、整備員が選択した使用モードに従
い、診断処理の中断・再開、及び整備記録の印刷、発注
管理システムのデータ電送等の周辺機器等を含めた装置
全体の動作モードを制御する。システム管理部13cで
は、システムの作動状態、データ管理等、システム全体
を管理する。
【0018】また、上記推論機構部14には、文字列検
索部14aと、ルール・ベース推論部14bと事例ベー
ス推論部14cと推論制御部14dとが設けられてい
る。
【0019】文字列検索部14aでは、整備員が入力し
た不具合現象を表す文字列を、予め登録した分離用文字
(“。”“,”“が”“は”等)を用いて分解し、この
分解した文字列を用いて、後述する知識ベース部16の
各知識データ記憶部16a〜16cにそれぞれ記憶され
ている知識データから、上記文字列と同一あるいは類似
する文字列を、文字列単位、ワード単位、あるいは文字
単位で検索して、各知識データ記憶部16a〜16cに
記憶されている知識データ毎に集計する。
【0020】ルール・ベース推論部14b、事例ベース
推論部14cでは、知識データを利用して故障原因ある
いは故障箇所を推論により探究し、仮説を生成するとと
もに、生成した仮説を検証するための問診の候補を生成
する(詳細については、後述のフローチャートで説明す
る)。
【0021】ルール・ベース推論部14bでの仮説は、
上記知識ベース部16に設けた故障樹木解析(フォルト
ツリーアナリシス、以下、「FTA」と略記する)型知
識データ記憶部16bに記憶されている知識データ、及
び、故障モード影響分析(確信度付マトリクス;以下、
「FMECA」と略記する)型知識データ記憶部16c
に記憶されている知識データを用いて故障原因あるいは
故障箇所を推論により探究することで生成される。
【0022】また、事例ベース推論部14cでの仮説
は、上記文字列検索部14aで検索した不具合現象と、
同一あるいは類似する現象を有する現象を上記知識ベー
ス部16の診断事例型知識データ記憶部16aに記憶さ
れている知識データから探索することで生成される。
【0023】そして、上記推論制御部14dで、上記各
推論部14b,14cで生成した仮説の整合性を判断
し、仮説が整合しているときは、この仮説を結論仮説と
して出力し、点検項目がある場合には、問診内容を絞り
込み、結論仮説を検証する。
【0024】技術情報収集部15は、データ収集部15
a、事例登録部15bとで構成されている。データ収集
部15aでは、整備員が故障探究時に装置に入力した不
具合項目、点検箇所、測定値等、整備作業中に入力した
データを収集する。事例登録部15bでは、故障診断で
探究した結果(成功事例と失敗事例の双方)を診断事例
として、後述する診断事例型知識データ記憶部16aの
知識データに登録する。
【0025】上記知識ベース部16は、診断事例型知識
データを記憶する診断事例型知識データ記憶部16aと
FTA型知識データを記憶するFTA型知識データ記憶
部16bとFMECA型知識データを記憶するFMEC
A型知識データ記憶部16cと電子化マニュアルデータ
を記憶する電子化マニュアルデータ記憶部16dとで構
成されている。
【0026】上記診断事例型知識データは過去の故障原
因の探究結果を事例としてまとめたデータ・ベースで、
図12に示すように、各診断事例毎に、不具合現象(あ
るいは不具合の生じている箇所)、故障の故障原因及び
その処置、不具合部品、並びに知識源の種類等が記憶さ
れている。尚、この診断事例データの知識源としては、
不具合記録票、整備記録票、整備員に対するインタビュ
ー等がある。
【0027】図10に示すように、不具合記録票21に
は、乗員が発見した「不具合事項と点検箇所」を記録す
る欄と、整備員が実施した「処置」等を記録する欄が設
けられている。整備記録票には、点検時に生じた「不具
合現象」、並びに、作業を実施した部門で記入された
「不具合部品」、「故障状況」等が記録されている。
【0028】また、インタビューは、整備員に対して行
った文章化されていない整備要領、故障探究等のノウハ
ウを収集して診断事例に反映させたものである。
【0029】上記FTA型知識データ記憶部16bに記
憶されているFTA型知識データは、設計資料及び熟練
整備員の経験等を解析し、不具合現象と故障原因とを構
成部品の体系毎に論理的に分析し、ルールの集合で表し
たもので、図15に示すように、構成部品毎にルール
(図では、ルール1〜6)で分類され、各ルールは中間
仮説を介して連鎖的に結び付けられている。例えば、ル
ール2は「ブースタ・ポンプ異常」を中間仮説としたと
きの結論仮説(燃料漏洩等)が示され、また、ルール4
は「燃料漏洩」を中間仮説としたときの結論仮説(締付
不良、ポンプ内部不良等)が示されている。
【0030】一方、FMECA型知識データは、マトリ
クス状の表形式で表されており、熟練整備員の経験、及
び部品または系統の信頼性情報等を解析し、図18に示
すように、不具合現象と故障原因とを部品または系統毎
に分類した、いわゆるFMECA表として表形式で表し
たもので、不具合現象の欄には、部品または系統の故障
モード、故障の影響、及び故障の探知方法が記述されて
いる。また、各格子で囲まれた中には確信度が明記され
ている。この確信度は、部品または系統のMTBF(平
均故障間隔)あるいは、同一の不具合現象に対して考え
られる故障原因の数、あるいは故障の実績発生回数等を
考慮して設定されるもので、この確信度により、不具合
現象と故障原因との因果関係の深さが示される。
【0031】また、電子化マニュアルデータは、不具合
発生状況、構成部品の点検項目等の問診用データや、構
成部品の交換あるいは組立手順等を表したテキスト及び
グラフィックス・データであり、例えば、図26に示す
ように、上記装置本体1のタッチスクリーン1aに、ブ
ースタ・ポンプのグラフィックや、このブースタ・ポン
プの点検要領等のデータを上記電子化マニュアルデータ
から読込んでウインドウに表示させる。
【0032】また、上記運用記録データ部17には、整
備記録データ記憶部17aと作業経過一時記憶部17b
とで構成されており、上記整備記録データ記憶部17a
では、不具合現象に対する処置、点検結果、及び試運転
の状況等の整備結果を事例毎に記憶する。また、上記作
業経過一時記憶部17bでは、例えば、整備途中で交換
部品を手配するために中断し、その後、故障診断を再開
するような場合に、中断した整備作業から引続き続行す
ることができるようにするために、整備員の実施した整
備経過、あるいは整備状況が逐次記憶される。
【0033】次に、故障診断手順について、図2〜図7
のフローチャートに従って説明する。尚、本実施例で
は、航空機の燃料系の不具合を例示して説明する。
【0034】この故障診断は図2及び図3の推論処理ル
ーチンに従って実行される。
【0035】故障診断装置Aの電源スイッチをONする
と、装置本体1のタッチスクリーン1aに、図9に示す
ように使用モードの選択画面が表示され、整備員が、表
示されたメニューから「診断の開始」を入力ペン2によ
り選択(ポイント)すると、図11に示すように、不具
合現象を入力するためのウインドウと、この不具合現象
を文章表現で入力するためのペン入力用ウインドウが表
示されて推論処理が開始される。
【0036】ステップS1では、手渡された不具合記録
票21(図10参照)等の帳票を参照して得られる航空
機のシステムの可動状態等の必要事項、乗員(ユーザ)
等から伝えられた不具合現象(症状)、あるいは、後述
するステップS14で表示された問診に対する回答を、
整備員が入力ペン2を用いて上記タッチスクリーン1a
に入力する。
【0037】尚、図10に示す不具合記録票21の処置
の欄には、整備員が点検を完了した後、その処置及び試
運転状況等の整備記録データを書込むことができる(図
30参照)。
【0038】一方、ステップS2では、後述するステッ
プS14で表示された問診に基づく点検指示に応じてテ
スタ接続により得られた計測値等の症状を直接入力す
る。
【0039】そして、上記タッチスクリーン1a上の不
具合現象入力ウインドウ等の欄に必要事項の入力を完了
し、画面表示されている「入力終了」のボタンを入力ペ
ン2によりポイントすると、入力された情報(年月日、
任務、内容等)が入力データとして、ステップS3でメ
モリに保管される。
【0040】次いで、ステップS4で、ステップS1で
入力されてステップS3で保管された不具合現象と、各
知識データ記憶部16a〜16cに記憶されている知識
データとの類似度を算出する。
【0041】この類似度の算出は、文字列検索部14a
で実行されるもので、例えば、以下の手順で行われる。
【0042】(1)まず、上記各知識データ記憶部16a
〜16cの各知識データから類似度の算出対象となる文
字列(文章)をそれぞれ取出す。尚、この各文字列に
は、上記各知識データ記憶部16a〜16cに記憶され
ている知識データとの対応付けを行うためのID(自己
証明)番号が付与されている。
【0043】(2)次いで、このID番号が付与された文
字列を、ストリング、ワード、及びキャラクタの各単位
毎に分解して、各知識データ毎のワーキングメモリに格
納する。尚、この各ワーキングメモリに格納されている
「分解文字列」には、分解前のものと同じID番号が付
与されている。
【0044】ここで、「ストリング」とは、文字列その
ものをいい、「ワード」とは、空白文字、予め登録され
ている分離用文字(“。”、“,”、“が”、“は”
等)を用いて、例えば、文字列「エンジンが始動せず」
を「エンジン」と「始動せず」とに分解する。
【0045】キャラクタとは、文字列を所定文字数毎に
分解することをいい、例えば、文字列「エンジンが始動
せず」を、「エンジ」「ンが始」「動せず」、あるい
は、「エ」「ンジン」「が始動」「せず」、または、
「エン」「ジンが」「始動せ」「ず」等のように3文字
毎に分解する。
【0046】(3)次いで、上記ワーキングメモリに格納
された「分解された文字列」から予め登録した「無視語
句(“しかし”、“私は”等)」を削除する。
【0047】(4)その後、予め登録した「同意語句
(“不調”は、“故障”とする等)」を用いて上記「分
解された文字列」を置換する。
【0048】(5)一方、整備員が入力した不具合現象
(症状)の文字列を、上記(1)〜(4)と同様に、ストリン
グ、ワード、及びキャラクタの各単位毎に分解する。
【0049】(6)そして、分解された不具合現象の文字
列を用いてワーキングメモリに格納されている「分解さ
れた文字列」を検索する。
【0050】例えば、整備員が入力した「エンジンが始
動せず」と、上記各知識データ記憶部16a〜16cに
記憶されている知識データから取出された文字列との類
似度は以下のようになる。
【0051】
【0052】(7)次いで、ストリング、ワード、あるい
はキャラクタの各単位で完全に一致するデータをID番
号毎に集計し、この集計結果を類似度として、それぞれ
対応する推論部14b,14cに出力する。尚、集計す
る際には、ストリング、ワード、あるいはキャラクタ毎
に重み付係数を用いて行う。
【0053】その結果、入力された不具合現象「燃料片
減り」「左タンク減らず右からのみ消費」と各知識デー
タ記憶部16a〜16cに記憶されている知識データと
の類似度は以下のようになる。
【0054】診断事例型知識データ記憶部16aに記憶
されている知識データの中で、類似度算出の対象となる
診断事例は、図12に示す通りで、この各診断事例の類
似度は、図13に示す値になる。この中で、事例-1048
の「3000ftで巡行中」「左タンク燃料消費せず」
は、最も高い類似度、すなわち、入力された不具合現象
と症状の最も近似する事例ということになる。
【0055】また、FTA型知識データ記憶部16bに
記憶されている知識データの中で、類似度算出の対象と
なるツリーは、図15に示すように「燃料系統の不具
合」をトップ事象とするルールの連鎖で構成されたツリ
ーであり、各仮説の類似度は以下の通りである。
【0056】1)ルール5の「ポンプ自身内部不良」→
3、 2)ルール2とルール4の中間仮説である「燃料漏洩」→
40、 3)ルール3の「燃料漏洩」→40、 4)ルール1とルール2の中間仮説である「ブースタ・ポ
ンプ異常」→3、 5)ルール1とルール3との中間仮説である「トランスフ
ァ・ポンプ異常」→3、 6)ルール1の i)「燃料シャット・オフ・バルブ異常」→35、 ii)「燃料サブ・タンク異常」→36、 iii)「燃料指示系統の指示不良」→38、である。
【0057】一方、FMECA型知識データ記憶部16
cに記憶されている知識データの中で、類似度算出の対
象となる現象は、図18に示す通りで、この中で類似度
は、図19に示すように、「燃料片減り」が最も高い値
を示す。
【0058】そして、上記ステップS4で各知識データ
記憶部16a〜16cに記憶されている知識データと、
不具合現象との類似度が算出されると、それぞれの知識
データ記憶部16a〜16cに記憶されている知識デー
タに基づいて、故障原因を推論により探究し仮説を生成
する処理が、次のステップS5,S6,S7で並列に実
行される。
【0059】すなわち、ステップS5では、上記診断事
例型知識データ記憶部16aに記憶されている知識デー
タを用いて、事例ベース推論により故障原因を探究し仮
説を生成する。また、ステップS6では、FTA型知識
データ記憶部16bに記憶されている知識ベースを用い
てルール・ベース推論により故障原因を探究し仮説を生
成する。さらに、ステップS7では,FMECA型知識
データ記憶部16cに記憶されている知識ベースを用い
てルール・ベース推論により故障原因を探究し仮説を生
成する。
【0060】まず、ステップS5の診断事例推論による
仮説の生成について説明する。この診断事例推論は、事
例ベース推論部14cで実行されるもので、具体的に
は、図4に示す診断事例推論による仮説の生成ルーチン
に従って行われる。
【0061】ステップS31で、上記推論処理ルーチン
のステップS4で算出した診断事例型知識データ記憶部
16aに記憶されている知識データの事例毎の類似度に
基づいて仮説の絞り込みを行う。この仮説の絞り込み
は、類似度が予め設定した「しきい値」以上かどうかで
判断する。例えば、「しきい値」を10とすれば、図1
2、図13に示すように、「事例-1048」が、診断事例
推論によって生成された仮説となる。尚、図12、図1
3に示す知識データでは、「しきい値」を越える事例が
一つのみであったが、この「しきい値」よりも高い類似
度を有する事例が複数ある場合には、それらが全て診断
事例推論による仮説となる。
【0062】その後、ステップS32で、上記ステップ
S31で絞り込まれた仮説の信頼度を算出するととも
に、この仮説を検証するに必要な問診の候補を生成す
る。上記信頼度は、他の推論(FTA推論あるいはFM
ECA推論)によって得られた仮説との競合を解消する
際の基準となるもので、上記推論処理ルーチンのステッ
プS4で算出した類似度に係数を乗算して算出してい
る。また、上記問診は、不具合を最初に検知した搭乗者
(ユーザ)に関するものと、機器の分解作業等を行う整
備員に関するものがあり、例えば、絞り込まれた仮説が
「事例-1048」であるとすると、ブースタ・ポンプの異
常を特定するための点検箇所や異常発生状況を把握する
ための複数の候補を問診候補として指定する。
【0063】尚、本実施例では、図14に示すように、
信頼度を算出する際の係数を1としている。
【0064】そして、上記ステップS31で絞り込まれ
た事例を「診断事例推論による仮説」として推論制御部
14dへ出力し、上記推論処理ルーチンへ戻る。
【0065】次に、ステップS6のFTA推論による仮
説の生成について説明する。このFTA推論は、ルール
・ベース推論部14bで実行されるもので、具体的に
は、図5に示すFTA推論による仮説の生成ルーチンに
従って行われる。
【0066】まず、ステップS41で、上記推論処理ル
ーチンのステップS4で算出したFTA型知識データ記
憶部16bに記憶されている知識データの中の、「燃料
系統の不具合」をトップ事象とするルールの連鎖で構成
されたツリーの各仮説の類似度に基づき、予め設定した
「しきい値」以上の類似度の仮説を選出して仮説の絞り
込みを行う。
【0067】例えば、「しきい値」を15とした場合、
図15のFTA型知識データでは、前述の、 a)ルール2とルール4の中間仮説である「燃料漏洩」 b)ルール3の「燃料漏洩」 c)ルール1の i)「燃料シャット・オフ・バルブ異常」 ii)「燃料サブ・タンク異常」 iii)「燃料指示系統の指示不良」 が絞り込まれる。
【0068】そして、ステップS42で、上記ステップ
S41で絞り込まれた各仮説を結び付けるルートを探索
する。図15では、トップ事象である「燃料系統の不具
合」が今回の「不具合現象」であり、この不具合現象か
ら図の左方向へ延びる根が、この現象に対して因果関係
を有する故障原因、すなわち「仮説」である。上記ステ
ップS41で選出した仮説と上記不具合現象とを結び付
けるルートは、図16に示すように、ルート1〜5の5
通りになる。
【0069】そして、ステップS43で、上記ステップ
S42で探索したルートの完全度を算出する。この完全
度は不具合現象と故障原因との結びつき(因果関係)が
強いもの程、高い値になる。図16で探索したルートの
完全度は以下の通りである。 1)ルート1→50 2)ルート2→50 3)ルート3→50 4)ルート4→30 5)ルート5→30
【0070】次いで、ステップS44で、完全度に基づ
いて、この完全度が予め設定した「しきい値」以上かど
うかで仮説の絞り込みを行う。例えば、「しきい値」を
20とした場合には、上記ルート1〜5の全てが対象と
なる。
【0071】次いで、ステップS45で、上記ステップ
S44で絞り込まれた仮説の信頼度をそれぞれ算出する
とともに、仮説検証のための問診候補を生成する。上記
信頼度は、上記完全度に係数を乗算して設定するもの
で、例えば、上記「しきい値」を20、係数を1とした
場合には、図17に示すように、「FTA推論による仮
説」は、ルート1〜5の全てが対象となる。また、問診
候補の生成は、例えば、図16に示すように、ルール2
の中間仮説である「ブースタ・ポンプ異常」にルールで
結びつく[燃料漏洩」には、ルール4の結論仮説が連鎖
されている場合、ブースタ・ポンプの異常を特定する箇
所を指定することで行う。
【0072】そして、この各仮説を「FTA推論による
仮説」として上記推論制御部14dへ出力し、上記推論
処理ルーチンへ戻る。
【0073】次に、上記推論処理ルーチンのステップS
7で行われるFMECA推論による仮説の生成について
説明する。このFMECA推論は、上記FTA推論と同
様に、上記ルール・ベース推論部14bで実行され、具
体的には、図6に示すFMECA推論による仮説の生成
ルーチンに従って行われる。
【0074】まず、ステップS51で、FMECA型知
識データ記憶部16cに記憶されている知識データの各
現象から、今回の診断対象となる現象の絞り込みを行
う。この現象の絞り込みは、不具合現象に対応する現象
を上記推論処理ルーチンのステップS4で算出した類似
度に基づいて、この類似度が、予め設定した「しきい
値」以上の現象を選出することで行う。例えば、「しき
い値」を10とした場合、図18に示す、いわゆるFM
ECA表に表示されている現象では、「燃料減少」と
「燃料片減り」と「燃料タンク残量修正不能」とに絞り
込まれる(図19参照)。
【0075】次いで、ステップS52で、上記ステップ
S51で絞り込まれた現象に対応する確信度を上記FM
ECA表から求める。例えば、図18に示す、いわゆる
FMECA表には、「燃料減少」に対応する確信度が1
6,21,63、「燃料片減り」に対応する確信度が5
0,31,46、「燃料タンク残量修正不能」に対応す
る確信度が40,60である。
【0076】そして、ステップS53で、上記各確信度
の中から予め設定した「しきい値」以上の確信度を選出
し、仮説の絞り込みを行う。例えば、上記「しきい値」
を20に設定すると、図18に示すように、太枠で囲ん
だ確信度が対象となり、ステップS54では、この確信
度に対応する部品及び原因を選出する。
【0077】次いで、ステップS55で、上記ステップ
S54で選出した部品または原因の信頼度をそれぞれ算
出するとともに、問診候補を生成し、信頼度及び仮説を
「FMECA推論による仮説」として、例えば、図20
に示すようなデータを上記推論制御部14dへ出力し、
上記推論処理ルーチンへ戻る。
【0078】尚、本実施例では、上記信頼度を、類似度
と確信度とを乗算した値の総和に、係数を乗算して求め
ており、表に示せば、以下の通りである。
【0079】
【0080】そして、上記ステップS5,S6,S7に
て仮説が生成されると、図2に示す推論処理ルーチンの
ステップS8へ進み、生成した各仮説が競合するかを判
断し、競合する場合には、予め設定した基準に従って解
消する。この仮説の競合解消は、図1に示す推論制御部
14dで実行されるもので、具体的には、図7の仮説の
競合解消ルーチンに従って行われる。
【0081】まず、ステップS61で、上記各ステップ
S5,S6,S7でそれぞれ生成した仮説を集約する。
上記各ステップS5,S6,S7で生成した仮説は、例
えば、図21に示す表のように、各推論毎に集約され、
算出した信頼度に従って順位が付けられている。
【0082】そして、ステップS62で、上記各ステッ
プS5,S6,S7で生成した仮説の整合性を、不具合
の対象、属性等から求める。例えば、図21では、診断
事例推論による仮説の順位1とFMECA推論による仮
説の順位1とは、不具合部品が「ブースタ・ポンプ」で
ある点で整合しているが、診断事例推論による仮説の順
位1とFTA推論による仮説の順位1とは、不具合現象
が「燃料系統の不具合」という点では共通しているもの
の、不具合部品は競合している。同様に、FTA推論に
よる上記仮説とFMECA推論による仮説との順位1で
は、不具合部品が競合している。
【0083】次いで、ステップS63へ進むと、ステッ
プS62で算出した仮説の整合性を、予め設定した「整
合性の判断基準」に照合して、整合性があるか否かの判
定を行う。本実施例では、「整合性の判断基準」を「各
推論における仮説の信頼度の最も高い不具合が全て一致
すること」と定義しており、この定義に従って、整合性
を判断する。
【0084】その結果、例えば、図21に示すように、
各推論で生成した順位1の仮説が全てが一致していない
ときは、ステップS64で、整合性なしとして、ステッ
プS64からステップS65へ進み、推論回数計測用カ
ウント値Cをインクリメントして、ステップS66へ進
む。
【0085】ステップS66では、上記推論回数計測用
カウント値Cと設定値Nとを比較し、C≦Nのときは、
「推論未終了」と判断し、ステップS67へ進む。ステ
ップS67では、上記ステップS61で集約した仮説か
ら一定の基準に従って再推論用のデータを作成する。こ
の基準を、例えば、「各仮説の信頼度が各々に最も高い
ものを選出する」と定義した場合、図21の集計表で
は、FMECA推論による順位1の仮説に基づいて再推
論用データが作成され(図22参照)、このデータを
「推論未終了」の情報とともに出力して、ルーチンを抜
ける。
【0086】一方、上記ステップS66で、C>Nと判
断されたとき、すなわち、再推論を設定回数繰返して
も、仮説が整合しないときは、ステップS68へ進み、
予め設定した優先順位の判断基準に従って競合を解消す
る。
【0087】この実施例での優先順位は、最も論理的に
構築されているFTA型知識データに基づく仮説を最優
先とし、このFTA型知識データで仮説が生成されない
場合には、FMECA型知識データに基づく仮説を採用
し、また、この両知識データのいずれにおいても仮説が
生成されない場合には、診断事例型知識データによる仮
説を採用する。そして、この優先順位に従って競合の解
消された仮説を探究結果として、「推論終了」の情報と
ともに出力し、ルーチンを抜ける。
【0088】尚、この各知識データのいずれにおいて
も、故障原因が探究できない場合には、ステップS68
において、「仮説不成立」と「推論終了」の情報を出力
して、ルーチンを抜ける。
【0089】一方、上記ステップS64で、上記各ステ
ップS5,S6,S7で生成した仮説が整合したとき
は、この仮説を探究結果とし、ステップS69へ分岐し
て、上記推論回数計測用カウント値Cをクリアした後、
上記探究結果を「推論終了」の情報とともに出力して、
ルーチンを抜ける。
【0090】そして、推論処理ルーチンのステップS9
へ戻ると、「推論終了」かを上記ステップS8で作成し
た情報に基づいて判断し、「推論終了」の場合には、ス
テップS10へ進み、また、「推論未終了」の場合に
は、ステップS4へ戻る。
【0091】そして、上記ステップS9で「推論未終
了」と判断されてステップS4へ戻ると、上記ステップ
S3でメモリに保管した不具合現象、及び所定の計測値
等の入力データと、上記ステップS8(ステップS6
7)で作成した「再推論用データ」とを組合わせた文字
列と、各知識データ記憶部16a〜16cに記憶されて
いる知識データとの類似度を、再度算出する。
【0092】図22の再推論用データでは、文字列とし
て「燃料片減り」、「左タンク減らず」、「右からのみ
消費」、「ブースタ・ポンプ」、「自身の作動不良」が
与えられ、この各文字列と上記各知識データ記憶部16
a〜16cに記憶されている知識データの不具合現象、
不具合部品、故障原因等を比較して、論理演算等により
類似度を算出する。
【0093】そして、この各知識データ毎の類似度に従
い、上記ステップS5,S6,S7で、再推論により故
障原因を探究する。
【0094】その結果、ステップS5での診断事例推論
では、再推論時においても、診断事例型知識データに基
づいて生成する仮説が変更されないので、前回と同様の
推論結果が出力される。
【0095】一方、ステップS6で実行されるFTA推
論では、図15に示すように、類似度算出により得られ
た文字列から、「燃料系統の不具合」と「ブースタ・ポ
ンプ異常」とが「現象」となり、故障原因である仮説と
現象との因果関係は、図16に示すルート5が最も強く
なり、従って、図23に示すように、ルート5の信頼度
が80と高い値になり、FTA推論による仮説の順位1
になる。
【0096】一方、ステップS7でのFMECA推論で
は、図18に示すように、「燃料片減り」と一致する文
字列があり、仮説には変更が無く、同様な結果が出力さ
れる。
【0097】その結果、ステップS8で実行される、図
7の仮説の競合解消ルーチンのステップS64では、図
23の表に示すように、各推論による仮説の順位1の不
具合部品が整合するので、予め定義された「整合性の判
断基準」が満足され、ステップS64で、整合性ありと
判断されて、ステップS69へ分岐して、上記推論回数
計測用カウント値Cをクリアした後、上記探究結果を
「推論終了」の情報とともに出力して、ルーチンを抜け
る。
【0098】その後、ステップS9で、「推論終了」と
判断すると、ステップS10へ進み、他に点検項目があ
るかを判断し、点検項目がある場合は、ステップS11
へ分岐し、ユーザへの問診が終了したか否かを調べる。
【0099】そして、ユーザへの問診が終了していない
場合には、ステップS13へジャンプして、問診内容を
絞り込み、ユーザへの問診が終了している場合、ステッ
プS12で、例えば図25に示すように、ユーザに関す
る問診が終了してユーザを開放して良い旨をタッチスク
リーン1aに表示し、画面表示されている「了解」のボ
タンを入力ペン2によりポイントすると、ステップS1
3へ進み、問診内容の絞り込みを行う。
【0100】上記ステップS13における問診内容の絞
り込みは、例えば、図23の表に対応して生成された不
具合発生状況、ブースタ・ポンプ点検、燃料シャット・
オフ・バルブ点検等の問診候補の中から、今回の結論仮
説である「ブースタ・ポンプ異常」に関連するものを選
択し、今回の結論仮説を検証するとともに、新たな仮説
を生成する際の情報とする。
【0101】そして、ステップS14で、上記ステップ
S13で絞り込んだ問診の内容を、装置本体1のタッチ
スクリーン1aに表示する。この表示は、問診がユーザ
に関するものである場合、図24に示すように表示さ
れ、例えば、不具合の発生状況が「高高度」で発生した
ものであるならば、ユーザからの回答を受けて該当する
項目を入力ペン2を用いてポイントし、入力を行う。
【0102】また、問診が整備員に関するものである場
合には、例えば図26に示すように、関連する点検要領
等の作業内容や必要な情報が表示され、ステップS1,
S2へ戻って整備員からの点検結果の入力を待つ。
【0103】次いで、整備員が上記タッチスクリーン1
aに入力ペン2あるいはテスタから点検結果を入力する
と、ステップS3で、このデータが保管され、ステップ
S4で、入力された文字列と、前回までの「入力デー
タ」の文字列、及び計測結果に基づいて、各知識データ
との類似度を再度算出し、ステップS5,S6,S7以
下で、各知識データに基づき、再度、推論を行い、故障
原因を探究する。
【0104】そして、推論が終了し、ステップS9から
ステップS10へ進み、推論を検証するための点検項目
がない場合は、そのまま、ステップS15へ進み、故障
原因が探究できたかを判断する。
【0105】故障原因が探究できたときは、ステップS
16で、例えば、図27に示すように、推論の結果及び
論拠を上記タッチスクリーン1aに表示し、整備員が、
この内容を確認し、画面表示された「了解」のボタンを
入力ペン2によりポイントすると、ステップS17で、
仮説に対応する部品の交換手順等、必要な処置要領を表
示する。次いで、ステップS18で、整備員からの処置
結果、すなわち、不具合が解消したかどうかの結果の入
力を待つ。そして、この処置結果が入力されると、ステ
ップS19へ進み、探究結果の確認を行う。
【0106】一方、上記ステップS15で、推論により
故障原因が探究できなかったと判断された場合には、上
記ステップS16〜S18をジャンプしてステップS1
9へ進む。
【0107】ステップS19では、上記タッチスクリー
ン1aに探究結果の確認画面を表示する。この探究結果
の確認画面は、例えば、図28に示すように、探究の経
緯を表示することで行う。尚、探究結果に従って部品を
交換しても満足な結果が得られなかった場合に、整備員
が、上記ステップS18で、その旨を入力すると、ステ
ップS19では、タッチスクリーン1a上に、今回の探
究が失敗である旨の確認画面を表示する。また、ダイア
ログボックスには、例えば、 と、整備員に了解を得るための確認内容を表示する。
【0108】そして、整備員が事例の登録を了解する
と、ステップS20で、まず、上記FMECA型知識デ
ータ記憶部16cに記憶されている知識データの、今回
の探究により選出された現象と原因あるいは部品とを結
ぶ確信度(図18参照)を、今回の故障探究結果に応じ
て更新する。すなわち、今回の探究が成功した場合に
は、確信度を相対的に高くし、また、失敗の場合には、
確信度を相対的に低くする。
【0109】次に、ステップS21で、今回の探究結果
を診断事例として、診断事例型知識データ記憶部16a
に記憶されている知識データに、例えば、図29の「事
例-5721」のように追加する。尚、今回の探究結果が失
敗の場合には、その内容が「原因及び処置」の欄に記載
され、また、「特記事項」の欄には、「探究失敗」と記
載される。
【0110】次いで、ステップS22へ進み、今回の探
究経緯を、診断年月日、診断者名等の補足情報と共に、
整備記録データ記憶部17aにメモリして、故障診断を
終了する。
【0111】上記整備記録データ記憶部17aにメモリ
されたデータは、外部印刷機等を介して取出すことがで
き、例えば、図30に示すように、不具合記録票21に
記載して、集計することができる。
【0112】このように、推論結果を問診によって検証
する際に、ユーザに関する問診や整備員に関する問診が
推論過程の順番で行われる中、ユーザに関する問診が終
了したときには直ちにユーザを開放して良い旨を表示す
るため、ユーザに関する問診が終了したにも拘らずユー
ザを拘束してしまうといった事態を回避することがで
き、時間浪費を防止することができる。
【0113】尚、本発明は上記実施例に限るものではな
く、例えば、知識ベース部16を、診断事例型知識デー
タ記憶部16aとFTA型知識データ記憶部16b、あ
るいは、診断事例型知識データ記憶部16aとFMEC
A型知識データ記憶部16c、あるいは、FTA型知識
データ記憶部16bとFMECA型知識データ記憶部1
6cとで構成するようにしても良く、さらに、単一の知
識データにより構成しても良い。
【0114】また、故障診断の対象機器は、航空機に限
らず、自動車、鉄道等の車輌、あるいは船舶等であって
も良い。
【0115】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
知識ベース部に格納されている知識データを利用して推
論により故障原因を探究して仮説を生成し、問診に対す
る回答を得て仮説を検証する際、ユーザに関する問診が
終了したときには、ユーザに関する問診が終了したこと
を表示するため、ユーザに関する問診が終了したにも拘
らずユーザを拘束してしまうといった事態を回避するこ
とができ、直ちにユーザを開放して時間浪費を防止する
ことができる等優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】故障診断装置の機能ブロック図
【図2】推論処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】推論処理ルーチンを示すフローチャート(続
き)
【図4】診断事例推論による仮説の生成ルーチンを示す
フローチャート
【図5】FTA型知識ベース推論による仮説の生成ルー
チンを示すフローチャート
【図6】FMECA型知識ベース推論による仮説の生成
ルーチンを示すフローチャート
【図7】仮説の競合解消ルーチンを示すフローチャート
【図8】故障診断装置の外観図
【図9】使用モードの選択画面を示す説明図
【図10】不具合記録票を示す説明図
【図11】不具合現象の入力画面を示す説明図
【図12】診断事例型知識データを示す説明図
【図13】診断事例型知識ベース推論における類似度の
算出結果を示す説明図
【図14】診断事例型知識ベース推論による仮説生成の
結果を示す説明図
【図15】FTA型知識データを示す説明図
【図16】FTA型知識ベース推論におけるルート探索
結果の説明図
【図17】FTA型知識ベース推論による仮説生成の結
果を示す説明図
【図18】FMECA型知識データの説明図
【図19】FMECA型知識ベース推論による類似度の
算出結果の説明図
【図20】FMECA型知識ベース推論による仮説生成
の結果を示す説明図
【図21】各推論によって得た仮説の集約を示す説明図
【図22】再推論用データの説明図
【図23】再推論によって得られた仮説の集約を示す説
明図
【図24】ユーザー向け問診画面を示す説明図
【図25】ユーザー向け問診の終了を示す表示画面の説
明図
【図26】整備員向け問診画面を示す説明図
【図27】推論結果及び論拠の表示画面を示す説明図
【図28】探究結果を確認する表示画面を示す説明図
【図29】新たな事例を登録した診断事例型知識データ
の説明図
【図30】処置の内容を記載した不具合記録票を示す説
明図
【符号の説明】
A 故障診断装置 11b 表示部 14 推論機構部 14b,14c 推論部 14d 推論制御部 16 知識ベース部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 19/00 Z (72)発明者 影井 康夫 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 古山 雅章 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 阿部 邦宏 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故障診断に必要な知識データを記憶する
    知識ベース部(16)と、この知識データを利用して、入力
    された不具合現象に対応する故障原因を推論により探究
    する推論機構部(14)とを備え、この推論機構部(14)によ
    る故障原因の探究過程での入出力情報を表示部(11b)に
    表示する故障診断装置において、 上記推論機構部(14)に少なくとも、 故障原因を推論により探究して生成した仮説を検証する
    ための問診を生成する推論部(14b,14c)と、 上記推論部(14b,14c)からの問診を上記表示部(11b)に表
    示させて回答を得る過程において、ユーザに関する問診
    が終了したとき、ユーザに対する問診終了を上記表示部
    (11b)に表示させる推論制御部(14d)とを備えたことを特
    徴とする故障診断装置。
JP6092385A 1994-04-28 1994-04-28 故障診断装置 Pending JPH07295821A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6092385A JPH07295821A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 故障診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6092385A JPH07295821A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 故障診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07295821A true JPH07295821A (ja) 1995-11-10

Family

ID=14052964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6092385A Pending JPH07295821A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 故障診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07295821A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002063293A (ja) * 2000-08-21 2002-02-28 Holiday:Kk 対象物に対する処理を立会いによって決定する立会いシステム
DE10024211B4 (de) * 2000-05-17 2010-05-12 Volkswagen Ag Diagnoseverfahren für den Zustand eines Kraftfahrzeuges

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10024211B4 (de) * 2000-05-17 2010-05-12 Volkswagen Ag Diagnoseverfahren für den Zustand eines Kraftfahrzeuges
JP2002063293A (ja) * 2000-08-21 2002-02-28 Holiday:Kk 対象物に対する処理を立会いによって決定する立会いシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6473659B1 (en) System and method for integrating a plurality of diagnostic related information
US6219626B1 (en) Automated diagnostic system
CA2387929C (en) Method and apparatus for diagnosing difficult to diagnose faults in a complex system
EP0794495A2 (en) Automated analysis of a model-based diagnostic system
US5682473A (en) In-process inspection
Feret et al. Combining case-based and model-based reasoning for the diagnosis of complex devices
JP2003216923A (ja) 故障診断装置
JPH07271589A (ja) 故障診断装置
JP3410200B2 (ja) 故障診断装置
JP3372102B2 (ja) 故障診断装置
JPH07295821A (ja) 故障診断装置
JPH07271598A (ja) 故障診断装置
JPH07271807A (ja) 故障診断装置
JPH07271587A (ja) 故障診断装置
JPH07295823A (ja) 故障診断装置
JPH07271758A (ja) 故障診断装置
JPH07295820A (ja) 故障診断装置
JPH07271599A (ja) 故障診断装置
JPH07257495A (ja) 故障診断装置
JPH07295819A (ja) 故障診断装置
JP3455275B2 (ja) 故障診断装置
JPH07271600A (ja) 故障診断装置
JPH11175144A (ja) プラント機器の保守支援装置
JPH07281903A (ja) 故障診断装置
JPH07306123A (ja) 故障診断装置